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11月29日(日)日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番、交響曲第8番、ヴァイオリン協奏曲(竹澤恭子) 大満足でした! 序曲は独立したオーケストラ曲と言うよりも「フィデリオ」を意識していて物語調とも言え、テンポ変化やうねりが随所に見られましたがややチグハグに感じる場面もありました。管を中心にいまひとつ締りがなかったオケの影響による印象かもしれません。 8番は緊張感が高く緻密でメリハリのある快演でした。 テンポの動き、振幅、揺らぎ、パートの強調等々変化に富んでいますが、情緒的になったりがなったりすることはなく、キビキビさと豊かな響きを織り交ぜながら、加えて独特な間も挟み込んで川瀬ワールドを展開していました。特に一楽章が色濃く表現され、今まで認識していた8番にはない骨格の太さがあって新鮮味を感じました。オケはやはり管がファゴット以外はパッとせず、クラリネットとホルンは粗が目立ちました。 メインのコンチェルトは文句なく素晴らしい演奏でした。竹澤はサントリーホールとの相性が抜群で、豊富な音量がよく伸びてとにかく響いていました。あまり細かなアンジュレーションは付けずグイグイ引っ張るイメージで、スケールが大きく終始聴き応えがあって極めて満足度が高いパフォーマンスでした。オケもファゴットが素晴らしかった以外にも明らかに全体的に前半プログラムよりも整っていたこともあって、これまで聴いたベーコンの中でも最上位級の素晴らしい演奏でした。 川瀬は何かやってくれると楽しみにしている指揮者なのですが、今日も満足感は高かったです。「また、聴きに行きたい」と思わせる数少ない指揮者の一人です。
2020年11月29日
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・11月28日(土)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(東京芸術劇場)。 ・ハイドン:チェロ協奏曲第1番(北村陽)、ブルックナー:交響曲第7番 北村のチェロは、優しい音色、優しい語り口でセンスを強く感じさせました。ただ、音も表現も綺麗なのですがそれ以上には迫ってくるものが薄ったことから、更なる踏み込みにより印象強さが残るパフォーマンスを今後期待していきたいと思います。 ブルックナーは洗練された響きに満ちたスケール感のある快演でした。決して情緒的であったり冗長になることはなく、揺るぎなくブレないテンポで堂々と進め、スッキリした中にもダイナミックさと美しさが感じられさすがマエストロ井上と言ったところでした。 オケも概ね健闘で、聴き応え十分でした。
2020年11月28日
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11月27日(金)小菅優のコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。・ベートーヴェン: バレエ「森の乙女」のロシア舞曲の主題による変奏曲、シューベルト: 幻想曲「さすらい人」、ヤナーチェク: ピアノ・ソナタ 「1905年10月1日」、藤倉大: Akiko‘s Diary、ショパン: ピアノ・ソナタ第3番先日矢代秋雄のコンチェルトで凄演を聴かせてくれた小菅のリサイタルでしたが、残念ながら全く伝わって来ませんでした。ベートーヴェンの冒頭はクリアで暖かみのある音色でスタートしましたが、その後は終始モヤモヤとして不明瞭な印象が拭いされませんでした。右手の弱さとペダルの多用が耳についてしまい、繊細な美しさを最後まで感じ取ることはできませんでした。
2020年11月27日
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11月24日(火)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番、ロドリーゴ:ある貴紳のための幻想曲(村治佳織)、ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 クール鈴木優人! 「レオノーレ」は文句ない出来でした。シャープでスッキリとしたアプローチながら全体バランスを意識しながら豊かに響かせていました。オケも好調で隙がありませんでしたが、特にフルートソロが絶品で、一曲目から十分な満足感でした。 いつも感じるのですが、大きいホールでギターはどうなのかと言う疑問です。過去にも満足に感じたことは少ないのですが、それを割引いても今日の村治は弱めの印象でした。音自体が陰のイメージで部分的に曲想とアンマッチ感があるのと、やや音の不明瞭感が目立ち届いて来ませんでした。 メインの第5です。一楽章は速い速い。トスカニーニかライナーかリヒャルト・シュトラウスかと言うと大袈裟ですが、何とも快活でした。こんなに速いのは実演では聴いたことがありませんでしたが、オケも涼しい顔でついていっていました。二楽章は極めて高いブレンド力が溢れ出ていて、絶品でした。それぞれのパートは時としてとつとつと表現するのですが、それが暖かみのある味わいや美しさとなっていました。三楽章以降も手堅く完成度の高さが目立ちました。全体的にモダン色が強かった印象ですが、モダンやピリオドに拘ることなく純粋に第5に向き合い、場面場面で最良の表現を追求しているイメージで、鈴木のセンスが如何なく感じ取れる素晴らしい演奏でした。オケもハイレヴェルで、特に弦とホルンの安定度が抜群で、ブレない骨格のしっかりしたパフォーマンスでありました。
2020年11月24日
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11月23日(月)田部京子のコンサートに行ってきました(宗次ホール)。 ・シューベルト:アダージョホ長調D.612、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番、第31番、第32番 何と言っても優しい音です。 加えて「陽」あるいは「暖」のベートーヴェンです。だからと言って軽い訳ではありません。時としてベートーヴェンを聴いているとは思えなくなるのですが、決して嫌ではありませんでした。 どちらかと言うと表現はあまり付けずシンプルで、32番ではそれが淡白に感じられやや抑揚の利かない印象を受けましたが、前半では音色が活きて曲本来の美しさが表出されていてある種独特な味わいをもたらしていました。 リサイタルは初めてでしたが、シューベルトのきらびやかな美しさも含めて、魅力的なパフォーマンスでした。
2020年11月23日
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11月21日(土)新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました(すみだトリフォニーホール)。 ・メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」、モーツァルト:協奏交響曲(成田達輝、東条慧)メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」 ストイック「スコットランド」。 まずはモーツァルトから。成田はやや線は細めながら伸びのある美しい音色の持ち主で、東条は粘りがあって深みを感じさせましたが、両者ともコンチェルト・ソロと言う観点ではややインパクトに欠けていて迫って来るものがありませんでした。全体的には締まっていてまとまりはありましたが、管の乱れは気になりました。 メンデルスゾーンは昨年尾高で聴いた「フィンガルの洞窟」序曲が強く印象に残っていて興味深く待ち望んだコンサートでした。 やはり尾高のメンデルスゾーンは美しく序曲も心地よくスタートしました。イギリス物の第一人者であるマエストロと親和性が高いと言うことなのでしょうか。 しかし、シンフォニーはやや想定外な印象となりました。楽章の切れ間無く通して演奏され約35分とやや速めのテンポで無駄な装飾が無い筋肉質な「スコットランド」だったのですが、木管の弱さもありスケール感も出てくることがなく、淡々としていて物足りなさが残りました。 オケは全体的に弦の安定感はあるのですが今日は残念ながら管の綻びが目立ち、アンサンブルの味わいは薄い一日でした。
2020年11月21日
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11月15日(日)東京交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・ベートーヴェン:序曲「命名祝日」、矢代秋雄:ピアノ協奏曲(小菅優)、ベートーヴェン:交響曲第4番 小菅凄演! 以前何回かコンチェルトを聴いていてそれほど印象に残っておらず久々なのですが、今日は凄かったです。クリアで暖かみのある音色が極めて魅力的で、オケとガチンコのこの曲であっても決して埋没することなくストレートに伝わって来ました。この難曲を完全に手中に収めている印象で内面からの熱量がほとばしる様は見事で、聴いていて体の芯が熱くなる感覚を覚えました。オケの伴奏も完璧と言えるほど素晴らしく、稀有な名演と言えるパフォーマンスでした。 序曲、交響曲ともベートーヴェンは聴き応えがありました。揺るぎないテンポで進めスケール感があり、音楽に活力が感じられました。この曲としては珍しく管はやや抑制的に聴こえソロ感が薄かったのですが、全体調和を意識した味わいがありました。 オケもやや綻びがあったもののレヴェルが高くまとまっていました。
2020年11月15日
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11月14日(土)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(NHKホール)。 ・メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」、シューマン:ピアノ協奏曲(藤田真央)、バッハ(レーガー編):コラール前奏曲「おお人よ、おまえの罪に泣け」、メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」 ウィーンフィル後でも色褪せないN響。 「フィンガルの洞窟」はドラマチックな表現でまとまりがありましたが、ややいじりすぎでまるでチャイコフスキーを聴いているようで違和感がありました。しかしN響のうまさは目を見張るものがありました。 藤田は全くの平凡でした。三楽章の後半こそそれなりに盛り上げましたが、全体的に表層的で伝わって来ませんでした。一楽章で特に目に付いたのですが、こねるような表現が随所に見られ効果的とは受け止められず、美しさや深さを阻害している印象でした。 後半は熊倉のセンスが感じられる綺麗な「イタリア」でしたが、綺麗すぎてややアンジュレーションに乏しくあまり印象に残りませんでした。 ただ、相変わらずオケは素晴らしくN響の力量は十分に感じ取ることができました。
2020年11月14日
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11月13日(金)新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました(すみだトリフォニーホール)。 ・メンデルスゾーン:「夏の夜の夢」序曲、ヴァイオリン協奏曲(木嶋真優)、ドヴォルジャーク:交響曲第9番「新世界より」 何と言っても、木嶋の素晴らしいソロ! 序曲は管の乱れもあり温まっていませんでしたし、メンデルスゾーンとしてはメリハリが利きすぎている印象でした。 メンコンはこれまで何度と無く聴いてきた曲ですが心に残っている演奏はほとんど無くこの曲の難しさを強く感じてきましたが、木嶋の演奏は強く印象に残るものでした。音は太めで力強く時として粗さも感じましたがこのホールにしても十分に届いて来ました。美しいと言う表現とは違う気がするのですが引き込まれる魅力を持ったやや個性的な音色です。テンポは遅めで時には濃厚に表現していきますがくどさは全く感じませんでした。曲の細部に至るまで手を抜かず丁寧に表現することでこの曲の本質的な素晴らしさを表出させていて、極めて聴き応えが高い大満足なパフォーマンスでした。 後半は大友らしくダイナミックでスケール感があるメリハリの利いた演奏でした。各パートがよく聴こえて新鮮味もあり、テンポ設定もやや速めで決して情緒的にはなりませんが要所ではたっぷり歌わせていて、センスの素晴らしさを感じさせる名シェフ振りで、特に二楽章が印象に残りました。 オケは管の乱れがありましたが、弦は安定感を見せました。
2020年11月13日
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11月10日(火)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・プロコフィエフ:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』より、ピアノ協奏曲第2番(マツーエフ)、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 凄い、素晴らしい一夜!! 「ロメオとジュリエット」は只々凄かったです。文句のつけようのない総合力が如何なく発揮され完璧なパフォーマンスでした。特に弦の存在感は圧倒的で、あっけにとられました。 コンチェルトは、マツーエフの凄味が昨日より増した印象で引いてしまうほどでした。アンコールも昨日は淑やかにショパンでしたが、今日はペール・ギュントの「山の魔王の宮殿で」が披露され、ピアノが破壊される寸前でした。 ゲルギエフで何度となく聴いてきた「悲愴」は、オケも違うのですが「間」も違っていて、今までとは全く別物に感じました。リーダーシップとでも表現したら良いのでしょうか、とにかく弦の引っ張りと統率力が凄く「間」をゲルギエフでは無くオケが作っている印象で、加えて最後まで洗練されていながら風格を感じさせました。また、金管の安定感が従来以上に目立ったのが印象に残ったように、要は全てがハイクオリティだったということで、貴重なパフォーマンスを体験できた喜びで満たされました。 終曲後コロナによる全世界の困難な状況に対して、黙祷が捧げられました。
2020年11月10日
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11月9日(月)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番(デニス・マツーエフ)、チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲(堤剛)、ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(全曲、1910年版) 堤ロココで夢心地。 マツーエフは過去にも何度かロシア物のコンチェルトを聴いていますが、今日も変わらずバリバリのヴィルトゥオーゾ系でプロコフィエフもお茶の子さいさいに仕上げてしまいました。掴みかかるような勢いで超絶技巧を見せつけるのですが、以外とタッチが滑らかで音は軽めなのが特徴です。しかしながら、やや度が過ぎるきらいもあり、音の軽さと相まって印象に残るものは少なかったと言うのが正直なところです。 堤は優しく深みがあって沁み入る音色で、加えてウィーンフィルとの掛け合いが絶妙で何とも痺れる演奏でした。衰えを全く感じさせないかと言うと嘘になりますが、日本を代表するソリストが世界のウィーンフィルとこの困難な状況の中、素晴らしい演奏を披露すると言うこの上ない一時になりました。 ストラヴィンスキーはゲルギエフが振りながらロシア色をほぼ感じ取れず、幻想的なイメージが強い仕上がりでした。オケは流石で弦も木管も素晴らしく極めて洗練された出来でしたが、ゲルギエフと言うよりはウィーンフィルの「火の鳥」と言う印象でした。
2020年11月09日
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11月5日(木)伊藤悠貴、上原彩子のコンサートに行ってきました(HAKUJU HALL)。・バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番、ラフマニノフ:ショパンの主題による変奏曲、チェロ・ソナタ絶品ラフマニノフ!伊藤は素朴な音色でどちらかと言うと朴訥とも感じられました。その上バッハはさらりさっくりとしていてそれが独特な味わいで、と言いたいところですが音も表現もやや浅く印象に残りませんでした。上原は2日前と同様に素晴らしいピアノを聴かせてくれました。とにかくタッチのバランス感が凄く、弾いていると言うよりは明らかに内面から溢れ出している印象です。右手の綺麗な音の抜け方やスケール感は相変わらずで、何とも聴き応えのあるラフマニノフでした。急用により残念ながら前半で席を立ちましたが、上原彩子という素晴らしいピアニストを思い知る貴重な2日間となりました。
2020年11月05日
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11月3日(火)上原彩子のコンサートに行ってきました(ミューザ川崎シンフォニーホール)。 ・シューマン:「パピヨン」、「クライスレリアーナ」、「謝肉祭」 絶品カーニバル! 上原は素晴らしい音色の持ち主でした。昨年ベートーヴェンのコンチェルトを聴いた時は精彩を欠いていて全く印象に残りませんでしたが、今日は抜群でした。特に右手のタッチが何とも言えず絶妙で多彩な表現をリードしています。繊細かつ軽快で暖かみを伴って伸びてくる音は心に染入ってきました。 全て質が高く聴き応えがあったのですが、特に「謝肉祭」はスケール感があって堂々たる演奏で申し分ありませんでした。中々ここまで充実したパフォーマンスにお目にかかれることは稀であり、素晴らしいリサイタルでした。
2020年11月03日
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