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12月28日(月)東京交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・ベートーヴェン:交響曲 第9番「合唱付」(ジャクリン・ワーグナー、中島郁子、笛田博昭、リアン・リ、新国立劇場合唱団) 驚愕!劇的「第九」!! ノットワールド、ノットマジック炸裂です。完全な物語調でこれまでに経験のない「第九」でした。一楽章の荒々しさ、二楽章の渋さも織り交ぜた極端なコントラスト、三楽章の牧歌的な暖かみ、四楽章のまるでオペラのようなドラマチックさ、とあっという間の一時間でした。 まずは、編成は大きくありませんが終始芳醇な響きで揺るぎない土台を感じさせた弦の安定感に加え、めまぐるしく動くテンポや場面場面で変化する絶妙な間も難なくこなし、難易度が極めて高そうな細かく大胆にうねりまくるノットの指示にもほぼ完璧に応えた管パートのレヴェルの高さは驚異的で圧巻でした。一、二楽章で時としてティンパニーのけたたましい強打が見られましたが、違和感はありませんでした。とにかくオケの集中力の高さが素晴らしかったのです。 ソリストも素晴らしくワーグナーの伸びやかさとリの裾野の広い響きは印象に残りました。 コーラスに力みが感じられ粗さが目立ったのはやや残念でしたが、今年の聴き納めは極めて満足度の高いコンサートでした。
2020年12月28日
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12月27日(日)バッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。 ・バッハ:パッサカリアとフーガ(鈴木優人)、ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」(森麻季、林美智子、櫻田亮、加耒徹) 前半は小編成ピリオドの味を感じ取れませんでした。 冒頭に演奏された鈴木のオルガンは憂いの感じられる前半から終曲に向かっての高揚感の表現が見事でした。 ベートーヴェンは、一、ニ楽章はオーソドックスながらモダンのフルオーケストラを聴いているようなアプローチだったことから、さすがに厚みに欠けていて物足りずやや退屈に感じました。三楽章はスッキリしているものの小編成を活かしたまとまりを見せた好演でしたが、何と言っても四楽章の出来が抜き出ていました。歌が入ると明らかに活力が増して素晴らしい調和を見せました。ソリストも粒揃いで特に森と加耒が目立って良く、合唱も安定感が光ったことから充実度の高いフィナーレとなりました。
2020年12月27日
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12月23日(水)庄司紗矢香のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・バッハ:ヴァイオリン・ソナタ第5番、バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第1番、プロコフィエフ : 5つのメロディ、ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番(ヴィキングル・オラフソン) 庄司リサイタルデビュー。 コンチェルトは何度か聴いていて感動させられてきました。足を痛めたようで椅子に座っての演奏です。その影響があるのかないのかバッハとバルトークの中盤までは何となくモヤがかかったような、いつもの庄司らしい太く濃厚感を伴った迫力が感じられず、やや遠く聴こえました。オラフソンの明晰な伴奏に飲み込まれる場面もありましたが、バルトークの二楽章以降は盛り返しを感じさせました。 今日一番の出来と言えるプロコフィエフは音の精度が明らかに上がっていて、細いニュアンスを含め伴奏をリードしながら表情の違いを見事に表現しました。 ブラームスは全体的に遅いテンポでうねりをつけながら朗々と歌いましたが明らかにやりすぎで、伴奏も含めて感情移入が曲本来の美しさを遠ざけてしまった印象で心に響きませんでした。
2020年12月23日
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12月21日(月)静岡交響楽団のコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。 ・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(神尾真由子)、ベルリオーズ:幻想交響曲 好演ベルリオーズ。 神尾は以前程の無機的とも思える鋭さは無くなりましたが、シャープでややきつい音色です。ベーコンはゆったりまったりしていて50分程かけてたっぷりと聴かせました。しかし、テクニカル系で鋭めの神尾が表現をつけようとすればするほど「くどい」感じがしてしまい、ベートーヴェンとしては違和感があり心に響いてきませんでした。アンコールのエルンスト「フランツ・シューベルトの『魔王』による大奇想曲」を見事に弾き切った方が神尾らしく感じました。ソロが休符時に神尾がオケパートを弾く場面が何度か見られましたが、初めて目にする光景でした。 幻想交響曲は1、3楽章リピート有りで1時間弱、2台のハープは指揮台の前に配置されていました。この配置は以前ヤンソンス/バイエルン放送の超絶名演時でも行われたのを覚えています。 オケは弦に物足りなさがあり各パートにも綻びが見られたものの、総合的には極めて聴き応えのある素晴らしい演奏でした。高関はオーソドックスでテンポ感が素晴らしく、最後まで揺るぎなく堂々たる引っ張りでした。色々いじりどころ満載のこの曲にあって丁寧にスコアに向き合っていることがひしひしと伝わってくるイメージで、オケも持てる力を存分に発揮した印象から、満足度の高いパフォーマンスでした。
2020年12月21日
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12月18日(金)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」(森谷真理、ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー、AJ・グルッカート、大沼徹、新国立劇場合唱団) 独特な「第九」 重厚感を想定していましたが、全く予想は外れました。弦は薄めでどちらかと言うとライトで淡々とした印象で進みました。そんな中、管は飛び出しや聴き慣れない強調が随所に見られ、ソロ合戦の様相を見せる場面すら出てくる状況でした。これにより今までに無い新鮮味や新たな感覚が得られれば良かったのですが、楽章によってアプローチにそれほどの変化があった訳では無く、結局最後まで意図をつかめないまま終わってしまった印象でした。調和が感じられなかったのは残念なところです。 ソリストも目立つことはありませんでしたが、合唱は絞った人数でありながら拘りを見せるヴァイグレの期待に応えていて、健闘が光りました。
2020年12月18日
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12月17日(木)東京都交響楽団のコンサートに行ってきました(東京文化会館)。 ・ブラームス:ピアノ協奏曲第1番(ゲルハルト・オピッツ)、ベートーヴェン:交響曲第5番 オピッツはあまり装飾せず淡々としているのですが、柔軟性のあるタッチで暖かみも感じる味わい深いピアノです。一楽章こそソロ冒頭ののめり感やミスタッチが目立ったことに加え、伴奏の重厚感が強く渋めのピアノとややアンマッチな印象もあり不安がよぎりましたが、進むにつれて調子を上げ特に三楽章は素晴らしい出来でした。どちらかと言うと重い表現を好んできた自分にとって、新たな感覚で高い充実感を得られたパフォーマンスでした。 ベートーヴェンは小泉らしくまとまりや聴き応えがありオケもうまかったのですが、細部ではあまり大きくはありませんがテンポの変動やうねりが多くつけられていてやや一貫性に欠けると言うか盛り込み感があり、もう少しシンプルで良いのではないかとの印象でした。
2020年12月17日
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12月16日(水)郷古廉のコンサートに行ってきました(トッパンホール)。 ・ビーバー:《ロザリオのソナタ》より 第16曲〈パッサカリア〉、イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番、バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番、バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ハイクオリティリサイタル! 郷古はスッキリかつシャープながら冷たさは感じさせず、暖かみや優しさがある極めて魅力的な音色です。とにかく雑味がなくストレートに入って来るイメージです。 ビーバーは冒頭もやもやしたり、イザイではややおとなし目に感じる部分があったり、バッハでは少し窮屈な印象で表現の浅さを感じたりもしましたが、全般的に端正なアプローチと文句ない音の素晴らしさでヴァイオリンを堪能することができました。メインのバルトークは開放感があるエネルギッシュなパフォーマンスで最も強く印象に残りました。今後の活躍期待度満点です。 初めて行った会場も素晴らしかったのですが、それ以上に今日のオーディエンスは奇跡的と言えるほどの静寂で、こちらの息が詰まりそうな程でした。
2020年12月16日
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12月15日(火)清水和音のコンサートに行ってきました(東京芸術劇場)。 ・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、第21番「ワルトシュタイン」、第14番「月光」、第23番「熱情」 独特ベートーヴェン。 清水のリサイタルは久々ですが、ベートーヴェンは初めてです。そもそも個性派と言えるので想定はしていましたが、ベートーヴェンとしてはさすがにいただけないと言わざるを得ません。 さらさらの右手と強打を織り交ぜながらのゴツゴツ左手に溜めも作りながらで、流れや美しさを感じることはできませんでした。 清水和音を堪能できたのかもしれませんが、ベートーヴェンは遠く彼方でした。
2020年12月15日
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12月12日(土)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(東京芸術劇場)。 ・ベートーヴェン:「エグモント」序曲、(マーラー編)弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」(弦楽合奏版)、ヴァイオリン協奏曲(諏訪内晶子) 見事なタクト。 秋山は矍鑠としていて、棒さばきは的確なめらかで躊躇がありませんでした。 序曲はオーソドックスに加え、滑らかに響かせる品格が絶妙な名演でした。セリオーソもN響の安定感もあって良かったのですが、ややキレイに流れすぎて抑揚が足りない印象も受けました。 諏訪内は至極普通でした。 音は特徴がつかみづらくホールの問題はあると思いますが伸びて来ず、時折のめりながら熱く表現しますが全般的には淡白で、やや中途半端でもやもやしたまま聴き手の中までは入り込んできませんでした。
2020年12月12日
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12月11日(金)日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・イベール:ディベルティメント、モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番(吉見友貴)、ブラームス:交響曲第2番 吉見の好感モーツァルト。 イベールはまさに喜遊曲で、明るくユニーク小気味よく、オケも満足感ある出来で十分に楽しめました。 吉見は粒がしっかりしているのに加えて暖かみがあって、魅力的な音色です。二楽章でやや淡白に感じる部分はありましたが、総じて安定感があり心地よく過ごせました。ややシャープな伴奏もソロとの相性がバッチリでした。是非リサイタルを聴いてみたいと強く思わせる出来でした。 ブラームスはやや速めのテンポでリピートせず38分程度。弦は抑え気味と言うよりは歌わずそれが渋い味わいを出し、管はホルンの強奏を始め存在感を見せつける構成でしたが、このブレンドは悪くありませんでした。一楽章でこの特徴が最も色濃くかつ効果的に出ていて心に残りましたが、逆に二楽章は他楽章に比べ弦が主張したことで雑然とした印象になっていました。 オケは不満が残る出来で、強調している管が全くの残念状態でした。 アンに光るものを感じたので、良いコンディションでの再演を待ちたいと思います。
2020年12月11日
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12月9日(水)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番(岡田奏)、ブルックナー:交響曲第6番 遂に常任登場!! 岡田は相変わらず細めながら透明感があってクリアな音です。しかし今日はやや物足りませんでした。音楽の活力と言うか躍動感があまり感じられず、いくらか退屈に思いました。重厚感のあるヴァイグレの伴奏に埋没する場面も見られ、モーツァルトの魅力にたどり着けずに終わってしまった印象でした。 ヴァイグレは細かくはあまり拘らず全体感で音楽を作り上げていくイメージで、スケールの大きさが際立っていました。時にはうねりをつけながら濃厚に表現し熱のこもったブルックナーでした。ホルンがブレなかったのと大きな主張はないもののフルートの安定感が抜群でしたしやや乱れは見せたもののオケも概ね素晴らしく、ヴァイグレの思いが十分に伝わって来る熱演で会場も沸きました。 状況は予断を許さないものの、大黒柱の登壇で本格的な正常化を感じさせるコンサートでした。
2020年12月09日
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12月7日(月)五嶋龍のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・ドビュッシー:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ、岩代太郎:The F50 inspired by original motion picture “FUKUSHIMA 50”、ブラームス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第3番、他3曲(鈴木隆太郎) 五嶋は随分前にスペイン交響曲を聴いて以来ですが、その時の印象はほぼ残っていません。やや太く人懐っこい音で、サラサーテはそれにフィットした選曲で聴かせました。しかし、ドビュッシーではなかなか奥行きが出て来ず独特の世界観に引き込まれるイメージは作れませんでした。 全体的に表現が軽く表層的に聴こえてしまうし、繊細さが感じられないので味が出てきません。 ブラームスも同様でしたが、特に一楽章は遅いテンポで情感を表そうとするのがマイナスで、ベタついていました。 会場は恥ずかしなってしまうほど圧倒的に女性が多く、最後まで落ち着かない気分でした。
2020年12月07日
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12月6日(日)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(NHKホール)。 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第1番、伊福部昭:ピアノと管弦楽のための「リトミカ・オスティナータ」(松田華音)、日本狂詩曲 「ブラボー」こそありませんが、会場の沸き方は久々に凄かったです。 ショスタコーヴィチは井上が珍しくタクトを持って登場し、スコアも置かれていましたが四楽章以外は暗譜でした。 さすが井上のショスタコーヴィチと言ったところですが、N響の上手さが目立った演奏でした。大きく構えて動じることなく非常にまとまった印象でした。シックで大人感が強かったのですが、ショスタコーヴィチとしてはややおとなし目に感じたのも正直なところです。 「リトミカ・オスティナータ」はソロを語るにはやや不向きな曲ではありますが、松田は端正で芯のあるピアノで華奢な印象からは想像できない迫力で存在感を示しました。オケも引き続き安定感がありました。しかし、今日の目玉は「日本狂詩曲」と言えます。現時点で考えられる最高の演奏陣でありましたが、期待を損ねることは一切なく素晴らしい出来でした。和洋融合の頃合いも素晴らしく、楽しく貴重なパフォーマンスに接することができましました。
2020年12月06日
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12月5日(土)東京交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。 ・モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番(児玉桃)、シューベルト:交響曲第8番「グレイト」 感動のシューベルト! 児玉は乾質で時としてきつく感じる音色なので、モーツァルトのイメージとしてはやや独特な印象でした。加えてテクニック的な綻びもあって、全体的に普通でやや弱く感じました。オケが文句なく素晴らしかったのでそちらに耳が向いてしまいました。 メインは一楽章をリピートして50分強で、小気味よく緻密な「グレイト」でした。まるで管楽器の為のコンチェルトとでも言いたげに管は浮かび上がり弦はフォロー気味ですが、そのバランスが絶妙でした。何と言ってもテンポ設定が素晴らしく只ならねシックリ感がありました。こまめなアンジュレーションや間の取り方も効果的で極めて充実度の高い演奏でした。オケも最後まで緊張感を切らすことはなくハイレヴェルで、稀に見る名演が繰り広げられました。中でも二楽章は出色で、感極まりました。
2020年12月05日
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