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「ものがとける」とは~その14を振り返る。○葛藤を起こそうとしている私 佐藤学先生(東京大学)から「葛藤を起こそうとしているのではないか」というコメントをいただく。あわせて「ちょっと違うことに気づく、細やかさとていねいさが大切」「小さな違いに敏感になることが必要」とコメントいただいたことから考えると、「葛藤を起こさなくてもよい」ということではないのだろう。 2年前に、内田伸子先生(お茶の水女子大)から「葛藤」というキーワードで私の実践をまとめていただいたとき(私がはじめて「葛藤」を意識したとき)も、「認知的葛藤の瞬間を洞察し介入する」とコメントいただいた。その後、しばらくの間は、いつ、どこで、だれに起こるか分からない「葛藤」を「洞察する」ことに力を入れていたはずだったのだが。学校全体の研究でも「葛藤」がキーワードになり、「葛藤を起こす手だて」が話題になり、しだいに私自身も、葛藤は簡単には起こらないといいながらも「葛藤を起こす」ことを意識するようになっていたのだろう。 「子どもの事実からスタートする」といいながら、リフレクションを一番にとは思っていなかったということである。○信じて待つこと 授業の最後に発言したKtさん。その発言する直前のグループでの様子が、2台目のビデオに映っていた。全体での話し合いの後、机にもどるやいなや、ホワイトボードに書いていた図を勢いよく消し始めた。そして、ビーカーの中に丸をたくさん書き、その1つの丸の中に1つずつ点を書いていったのだ。同じ班のIyくんとSyさんは、それをじっと見ていて、Ktさんが書き終わるのを待っている。Ktさんが説明し、ぼそぼそっとIyくんがなにか言ったところで時間がきてしまうのだが、黒板の前に移動するまでのわずかな時間も、3人でなにかを話し合っていたようだ。 このグループは、授業中、私の目から見て一番「動き」がなかった班である。しかし、友達の話をしっかり聴き、一人一人がよく考えていたということだろう。 佐藤学先生からも「停滞やよどみの中で必死に考えていた」「話す以上に聴いている」「聴いて開く」というコメントをいただいた。子どもたちを「信じて」待ってよかったというのが率直な感想である。 ただ、「信じる」というのは「とにかく信じる」ということではない。日頃の授業リフレクションのくり返しの中で、子どもたちの姿を「正しく知る」ということである。
2009.02.25
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「ものがとける」とは~その14を振り返る。今回は、授業後の分科会や全体会で多くの先生からご意見をいただいたり、講演で佐藤学先生(東京大学)からコメントをいただくおたりすることができた。○「分子」にこだわっていない私 分科会や全体会で、「粒の大きさや数」や「すき間の『意味』」を取り上げ、もっと「重さが変化しないこと」や「透明になること」にこだわり、焦点化すればよかったのではないかという意見をいただいた。授業記録を振り返ると、Ftくんのグループでも、これらのことが話題になり、考えを深めていく場面が見られた。 私自身が一番「分子」ということにこだわっていなかったのではないか。なんとなく粒でできているということをとらえさせればよいと考えていたのではないか。分科会の助言者の先生からも「粒で考えると便利だ、分かりやすい、という実感が必要」という話をしていただいた。あえて「分子」という「ことば」を取り上げたにもかかわらず、子どもたちの「分子」に対する考えをていねいに取り上げていなかったのではないか。 こだわらせるなら、とことんこだわらせないと、子どもたちは納得しないということは分かっていたのだが・・・。○「教えること」しか意識していない私 佐藤学先生から、全体会でビデオで紹介した授業場面(約20分)について、「残りの部分で学びが起きていた。ビデオは、その『カス』の部分だ」と指摘された。続けて「よりよい授業を求め、どう教えるべきだったか、どの発言を取り上げるかということだけを意識しているのではないか」とコメントしていただいた。 授業ビデオを切り取った(編集した)のは、私自身である。体育館の全体会で、見栄えのする場面、そして、今の私たちに「議論しやすい」場面を選んだのだが、このことがいけなかったのだろう。もっと「思いがけない発言」や「上手くいかなかったこと」を、普段のリフレクションのように笑いながら紹介すべきだったのだろう。 「授業の事実から」といいながら、目の前にいる子どもたちに、まだまだ正面から向き合っていないのである。(つづく)
2009.02.25
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「水と食塩、それぞれどのくらいの粒なのか。両方を粒で表したらどうなるのか。」あいまいな「発問」であったが、それぞれのグループで、静かに話し合いがはじまった。しかし、残念ながらここで時間切れ。子どもたちを集め「困ったこと、分からないことはないか」と尋ねた。Ktさん「Msさんの意見で私もあってると思うんだけど、水の分子の中・・・、水の粒みたいなものの中に食塩が入ってとけたように見えると思ってて、でも、IyくんとSyさんは、その分子と分子の間のちょっとしたすき間に入ってるっていってて、分子の粒みたいのの中にはいるのか、すき間のところにはいるのかが、ちょっと分からない。」Mtくん「ぼくも水の分子の間に入ると思うんだけど、水の分子の中に入ったら、水が蒸発するときに、分子も蒸発するから、そのときその中に入るんだったら、食塩も一緒になくなる。」Syさん「・・・。たぶん、水・・・、Msさんがいったことはあってると思うんだけど、水の分子・・・、なんか分からない・・・。分かりません。」水が分子、つまり粒だということが分からないのだろう。最後に、水道の蛇口から水を流しながら「Msさんの図があってそうだっていう人が多いけど、これが粒でできてるってことなの?」と問うて、授業を終えた。
2009.02.24
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「ろ紙は関係ない」と発言したMsさん。ノートにていねいに図を書いていたので、それを使って、水にとけた食塩がどうなったのか説明させた。Msさん「ビーカーの中に、前誰かが言っていたように、水の分子があって、その水の分子の間に食塩がはさまって見えなくなってるんじゃないかなって・・・。」Kmくん「ぼくも、同じような考え方をしたんだけど、食塩が入る前は水の分子だけが中に入っていて、食塩を入れると水の分子、水の分子の間に入って、で、入れる場所がなくなったやつがとけ残りとして水の中に出てくるんだと思う。」ここで、Msさんの図に表されている赤い丸と青い丸について確認し「分子ってよく分からないんだけど、水も粒だってことなの?」と尋ねた。(ビデオには「いや」というつぶやきが残されていた。)Ftくん「分子って調べたんですけど、そのときには、やっぱ最小の粒って書いてあったから、めちゃめちゃ小さくて、粒では全然表せない・・・人間では書けないような大きさだと思う。」Msさん「両方ともめに見えない粒だから、拡大して書いた。」Myさん「この前国語辞典で調べたときに、液体の中に他の物質が混ざるって書いてあって、で、Msさんがいったのだったら、水の粒と食塩の粒が混ざるっていうのだから、あってるんじゃないかなって思う。」Hyさん「うーん・・・、Msさんの意見はあってると思う。その・・・、私の考えは、あの、塩は蒸発したら、なんか集まって、なんか・・・。」Msさんがノートに書いた図。多くの子どもが、なんとなく受けいれているようなのだが・・・。(つづく)
2009.02.24
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水にとけた食塩はどうなったのか。ノートやホワイトボードに書いた図を使って説明する。Isくん「ろ紙を拡大してみて、こうなっていたとすると、岩塩がこう・・・ろ過するときにここの部分から出るためには、小さくならないといけないから、その小さくなった分が出て、小さくなったんじゃないかなと思う。」Ntくん「じゃあ、ろ紙を通さないで、そのまま食塩を混ぜて蒸発させたらどうなるのかな。」T 「1回ろ過したものを蒸発させましたね。」Msさん「Yyくんが、自然乾燥にして、時間をかけて蒸発させれば粒が大きくなるっていってたんだけど、それが分からない。」Yyくん「やったことはないんですけど・・・、自然に乾燥させて、かんそうさせたら、食塩が集まって大きくなると思う。」ここで、Msくんがもってきた食塩の大きな結晶を紹介する。普通の食塩を水にとかして、時間をかけて水を蒸発させたものだと説明すると、子どもたちは驚きの声をあげた。Yyくん「水の中を通って集まるから、はやく蒸発させると、もうそれ以上は集まれなくなるから、大きくはならないと思う。」Msさん「あの、Yyくんがいったことが本当なら、Isくんがいったろ紙は関係なくなるんじゃないかなって思う。」やはり、「小さくなる」というイメージが、まだまだ一人一人違うようである。(つづく)
2009.02.24
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水を蒸発させて取り出した食塩と岩塩の粒の大きさを調べた後、「水にとけた食塩がどうなったのか」、「とかす前」「とかしたとき」「水を蒸発させた後」の3段階を「図と『ことば』で表す」ことを課題として設定した。多くのグループでは、一人一人がノートやホワイトボードに自分の考えを書いているのに対し、Ftくんのグループでは、活発に議論していた。(長くなるが、なるべくそのまま記す。)Ftくん「とかしたとき、食塩は分子になるって書いてあった。」Kuさん「分子にはならんよ。」Ikくん「分子にはなんないと思うよ。」Ftくん「えっ。」Kuさん「分子にはならない。分子より小さくなるんだよ。」Ikくん「分子、水の分子には・・・って、いってたじゃん、前。」Ftくん「『これだけは』にはさ、水の分子より小さくなるって・・・、だから・・・、性質、塩の性質・・・、めっちゃ小さくなって、ちっちゃくなってるから、それが出てきたら、もうほとんど見えないみたいなことになってるから、なるけど、見えたから、やっぱりちょっとくっついて大きくなって、それがぽっと出てくる。」Ikくん「小さくなったっていったよね。」Ftくん「水の中では小さかったんだけど、ちょっとくっついて大きくなって、水からぽっと出てくる。」Tkさん「だから、とかす前がこんのらいの粒があったとして、とかしたときに、なんかこんな感じでとけていって、このときに小さくなるから、蒸発させたときにこのくらい。」T 「これ、いつちっちゃくなるの?」Tkさん「いや、この、水につけてるときに変なもやもやが出たってことは、小さくとけてるってことだから、小さくなるんじゃないかって。」Ikくん「水の分子が小さくなって分子を取り囲んでる。で、取り囲んで見えなくなって、蒸発したときに水分がもういっちゃって見えるようになる。でも、そしたら乾燥して・・・。」Kuさん「じゃ、くっついたってのはないってこと?」Ikくん「だけど、それだったら、水の中で感触あるはずだもんね。分かんない。」Kuさん「水の分子よりも小さいなら、普通にこうやってみても見えないでしょ、水の分子・・・。」Tkさん「これ、岩塩?」Kuさん「それよりもちっちゃくなったんだから見えないでしょ。ってことは、くっついてないと。」Ikくん「くっついているっていうと、さっきみたいな変な、こう・・。」Ftくん「はじめは、こうちっちゃくて、合体してる。それが、もっとでかくなって、2つくっついたのが・・・。」Ikくん「それなら、なんで全部1つにまとまんないの?なんで、それいっぱい分かれてんの?これも、また合体するんじゃないの?そしたら・・・。」Ftくん「あー・・・。」Ikくん「2つ2つ同士で。1つになるの?最後。」Ukさん「1つになるの?」Ftくん「こうやって、あー、でも1つにはならなかったから、やっぱり・・・、大体、うーん、10回ぐらい合体して・・・。」Ikくん「10回?」Ftくん「分子になって、それが、その、めっちゃ小さいから、これを見ると、けっこうでかいから、やっぱり合体するしか大きくなれないから・・・。」「水の分子よりも小さい」「合体する」がキーワードになっているようである。その後、Msくんがもってきた食塩の「大きな結晶」や教科書の表紙にのっている「結晶」のことが話題になっていた。(つづく)
2009.02.24
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前回の授業で、水を蒸発させて取り出した食塩と岩塩を実際に触って観察する。前回の授業では「粒が大きくなった」と発言する子どももいた。蒸発皿の表面に固まっている岩塩を見て「すごく大きくなった」と発言していたFtくんのグループでは、食塩と岩塩を触る前に、Msくんが家から持ってきた食塩の大きな結晶を手にして、次のように話し合っていた。Ikくん「かして、かして。これ砕けば食塩なんじゃないの?なめれば食塩なんじゃないの?」Tkさん「えー、ちょっとそれ見せて。」Ftくん「これ、ちょっと砕けたらいいけど。」Ikくん「砕けた部分、すげー。岩塩みたいな感じ?」Tkさん「本当に塩か?」Ikくん「だめだ、これ。砕いても大きさがなんかバラバラだから、どっちみち同じかな。」Msくんが持ってきた食塩の大きな結晶。一段落したところで、やっと取り出した食塩と岩塩を触り始めた。Tkさん「うーん、こっちの方が量が多いからかな、なんか粒が大きいような・・・。」Kuさん「大きいのはこっちだよ。」Tkさん「なんか、なんだろう、一体化してんだよね、なんかが。」Kuさん「こうすれば(指でつぶせば)こんなちっちゃい。」Ftくん「めちゃめちゃちっちゃい。」Tkさん「あー、確かにちっちゃい。大きいのはこっちだ。」Ikくん「けどさ、2つとも同じ・・・。」その後、全体での話し合いでも、取り出した食塩と岩塩の粒の大きさが話題になった。Itくん「普通の食塩は同じだったんですけど、岩塩と蒸発させたのは大きさ的にも違っていて、それだけが違ってたかなって。」T 「大きさは大きくなったの?小さくなったの?」Itくん「小さくなった。」Saくん「全体的に小さくなったんだけど、食塩とホウ酸はそう変わりはなかったけど、岩塩は明らかに小さくなった。」そこで、「どうして小さくなったのか」と問う。Tkさん「水にとかしたのを蒸発させて、残った食塩が、大きい食塩だから、水につけるときに粒が小さくなってるから、蒸発させたときに小さくなるのは、とけてるからだと思う。」Ftくん「『これだけは』(問題集)には、なんか、水の分子が、なんかなるって書いてあったけど、分子っていうのが、科学的になんか小さくなってって書いてあったから、それがちょっとくっついて、ちょっと大きくなったんじゃないかなと・・・。」ちょっとくっついて、ちょっと大きくなった。この「ちょっと」とは、どのくらいなのだろうか。(つづく)
2009.02.24
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まず、「水にとかした食塩の重さ」と「水を蒸発させて出てきた食塩の重さ」を比べる。蒸発皿では出てくる食塩の重さを正確に調べることはできないため、前回の授業から演示で行っていた実験である。出てくる食塩を十分に乾燥させなければならないため、アルコールランプで加熱した後、3日間自然乾燥させたものを電子てんびんに乗せる。 水にとかした食塩の重さは20g。(授業では、まちがって5gと板書してしまっていた。が、子どもたちはその間違いに気づいていた・・・。)ビーカーとガラス棒の重さを合わせて、水にとかす前は229gであった。数名の子どもたちに予想を発表させる。Isくん「前と同じで229g、前と一緒で229gじゃないかと思う。」Ikくん「ちょっと、ぼく、あの・・・、減るって、200gぐらいじゃないかなと・・・。少し水と一緒に蒸発とかして、いろいろなことで減るんじゃないかと思う。」そこで、実際に電子てんびんで重さを量る。ところが、デジタル表示は228gを示してしまう。子どもたちは「減った」「あまり変わらない」「ちょっと減ってる」「このくらい許せる」「変わっていない」と様々に声をあげる。Kmさん「さっき誰かが1g変わったっていったけど、こないだ実験する前に、100gの水を入れて量ったときは、328gになってたから、1gぐらい減っても、それは誤差じゃないかなと思う。」他の子どもたちからも「重さは変わらない」と聞こえてきたため、「重さは変わらない」と「まとめ」て、授業を進めてしまった・・・。(つづく)
2009.02.24
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研究発表会では、佐藤学先生(東京大学)に授業を見ていただき、全体会の中でコメントをいただいた。内容は、後日報告するとして(「今週中」に、授業記録、授業リフレクションとともにupする予定)、講演の中で「熊本大学教育学部附属小学校の授業改革=次の課題」として、スライドの中に書かれたものを紹介する。 ・・・・○三つの重要な成果(1)聴き合う関わりの成立ーしっとりとした教室の実現(2)「聴く」「つなぐ」「もどす」の洗練(3)ジャンプのある学びへの挑戦○三つの課題 = 「授業」からの脱皮(1)子どもの学びのリフレクションと授業デザイン(2)授業のデザインを単純化し、子どもとの関わりを細やかにする。(3)協同的な学びによる「背伸びとジャンプ」を焦点に = 研修のディスコースを変える。 ・・・・・この研究発表会にたどりつくまでの3年間を振り返ると、涙の出るようなコメントをいただいたのだろう。続くスライドの中にも「(学校教育のまるごとの改革という附属学校への要請があり、一朝一夕で実現できる物ではない。)にもかかわらず、熊本大学教育学部附属小学校の挑戦を支持する」とも書いていただいた。しかし、この「成果」と「課題」を、どう受けとめるのか、どれだけ受けとめることができるのかということが、今の私たちの課題である。
2009.02.13
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はっきりいって、本時の授業の中で、子ども何をいいだすのか予想できない。これまでの授業でも、毎回「思いがけない発言」が飛びだしてきた。しかし、ビデオを中心に授業をふり返ってみると、その一つ一つの発言に、その子どものそれまでの経験や学習、そして、思考の仕方から性格までもが関係していることが分かってきた。(もちろん、私の仮説であり確かなものではないのだが。) そこで、私なりに予定していた授業のデザインを修正する。 まず、導入では水にとかす前の食塩の重さと水を蒸発させて出てきた食塩の重さが変わらないことを確認する。また、前回の授業で取り出した食塩や岩塩を十分に乾燥させたものを観察させる。 そして、はやい段階から「水にとけた食塩がどうなったのか」、図と「ことば」で表させることにする。このとき「水にとかす前」「水にとかした後」「水を蒸発させた後」の3段階で図にするように指示するつもりである。 その後は、次のようなことを問うつもりである。○ 「小さい粒」は、どのくらいの大きさなのか。○ とかす前の食塩は、「小さい粒」で表せるのか。○ 3段階で、粒の大きさは変わるのか。○ 3段階で、粒の数は変わるのか。○ 泥を水に入れたときとは違うのか。○ 分子を、自分の「ことば」や図で表すとどうなるのか。○ 水も分子(小さな粒)でできているのか。 また、次のような実験も考えている。○ 実際に泥を水にとかしてみる。○ 数日前に着色した水に食塩を入れたもので、小さな粒が拡散する様子を観察する。○ あらためて食塩や岩塩が水にとける様子を観察する。○ 泥水をろ過する。○ 岩塩をすりつぶす。 しっかりと子どもたちの「ことば」に耳を傾け、「聴く」「つなぐ」「もどす」ことに全力を注ぎたい。そのためにも、しっかりとテンションを落として「よい授業」ではなく「子どもたち一人一人の学び」を求めたい。 「研究発表会だから」という意識を、今からどれだけ捨てられるかが勝負である。
2009.02.12
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前回に続き、岩塩、ホウ酸がとけた水を加熱する。実験前に岩塩の方の予想を聞いた。Mhくん「粒の小さい方の普通の食塩を蒸発させたとき、なんか、もともとの大きさよりも少し小さいような気がしたから、粒の大きい食塩は出てこないんじゃないかと思いました。」Ftくん「いや、ぼくの目では普通の食塩も、もとの大きさに戻ったから、粒の大きい食塩は、やっぱり粒の大きい食塩に戻るんじゃないかと思う。」Isくん「ろ過したときに、そのとけた、あの、なんか、もやもやみたいのが出てきただけだったから、固まるってこともあんまりないと思うし、そのまま食塩くらいの大きさで出てくるんじゃないかと思う。」やはり、数名の子どもは、食塩のときよりも粒の大きい食塩がでてくると考えているようだ。実際にやってみると、食塩のときと変わらないものが出てきた。蒸発皿の上で固まったのを見て「大きくなった」といっている子どももいたが、手で触ったりすることによって、粒の大きさは食塩のときと変わらないことを確認した。ただ、今回も出てきた食塩の量が問題になる。Mtくん「量は、昨日よりも多かったような気がする。」Tyくん「あの、岩塩は、最初粒が大きくて、それで、とけるときにたぶん砕けて、それで量が多くなったんじゃないかな。」Kaさん「見た目では量が多くなってたけど、それは、普通の食塩と比べて粒が大きかったからかなと思ったけど、入れた量は変わらないから・・・。」Iyくん「岩塩も砕いたら食塩みたいになるから、ホウ酸とかは全く違う種類だから、とける量も変わるけど、岩塩と食塩は同じだと思うから、出てくる量は変わらないじゃないかな。」「水にとかした量」よりも「出てくる量」が多くなることを、だれも否定しなかった・・・。やはり「岩塩」だからだろうか・・・。
2009.02.12
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まず、食塩をとかしたものを加熱する。この時点では、まだ取り出せないかもしれにと考える子どもも数名いた。しかし、実際に加熱し水を蒸発させてみると、予想以上の食塩が蒸発皿の上にあらわれてくる。Isくん「食塩を蒸発させたら、入れた量より多くなったような気がする。」Utさん「疑問なんですけど、なんで食塩が増えたんだろと思った。」Iyくん「増えるはずはないと思うから、湿っていたからふくらんで、増えたように見えたんじゃないかと思う。食塩が増えたら、なんか、どんどん増えていったらおかしいと思う。」Htさん「理由は分からないけど、最初に入れた食塩の量よりも多くなったような気がする。」Syさん「入れた食塩が増えるのはおかしいと思う。食塩は・・・食塩は・・・。」Kmくん「食塩が増えるんだったら、家とかで最初に食塩を買って、それで作って、水を蒸発させれば、その分食塩を買うお金は減るから・・・、そういうことはおかしいから、変わらないか減るかのどっちかだと思う。」「入れた量よりも食塩が増える」ということを、すんなりと受けいれてしまう子どもたち。反論する子どもにも、もっと「小さな粒」に関する発言を期待したのだが・・・。グループで話し合うことにした。Ikくん「水の分子が・・・そういう変なやつが・・・なんかこう・・・。」Ftくん「何?その分子。」Ikくん「それで、その分子が消えてしまったから、塩がこう、また復活。」Ftくん「ビーカーがあって、水がタプタプ入ってて、このちっちゃいのがたくさんあったわけで、それが火をつけたら、合体していって・・・。」Ikくん「じゃあなんで合体するの?」Ftくん「なんか熱で、あちぃあちぃといいながら、塩がこう騒いで、ほらよくあるじゃん、カツオ節が熱くなって踊るじゃん、あれみたいな感じでいっしょに動いていって、こうカパッ、カパッってくっついていって・・・。」Ikくん「それだったら永遠に合体していって、でっかいのができるじゃん。」Ftくん「うん、でっかくなる。」Ikくん「いや、でっかいのないじゃん。」話し合いの前半は「見た目」にこだわっていたようであるが、後半のグループでは、少しずつではあるが、水の中の「小さな粒」に着目できたようである。ただし、Ftくんは、自由研究で食塩の結晶を作った経験があるのか、以前から「一度水に溶かして食塩を取り出すと大きくなる」といっていた。「合体」という「ことば」は今後キーワードになりそうなのだが・・・。
2009.02.12
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今回は、ホウ酸以外の水にとけている食塩と岩塩を取り出す方法を考える。子どもたちからは、「ろ過」ことと「水を蒸発」の2つの方法が発表され、まず「ろ過」することにする。「ろ過で食塩を取り出せる」と考える子どもは小数なのだが、その理由について次のように話し合っていた。Msくん「コーヒーフィルターで食塩をとかしたとき、とけたものは出てきたから、ろ過は意味がないと思う。」Mtくん「ろ過っていうぐらいだから取り出せる。4年の総合の特別授業のとき、ろ過といって、泥とかなんか入れて、泥水を入れてろ過したから取り出せると思う。」Ktさん「泥水は、泥は水に混ざってないからできたんであって、食塩と水はいっしょに混ざってるから、泥のろ過とは関係ないと思う。」Kuさん「食塩水は食塩は水と混ざってて、触ってもさらさらしてる感じだけど、泥水はぎゅっと握ったら泥が取れるから、それはとけてないってことで、それは関係ないと思う。」その後、実際にろ過してみるが、ろうとの下のビーカーに出てくるものも透明なものであり、とけていたものを取り出せたのかどうかよく分からない。Kmさん「とけ残りしかろ過できなくて、とけたものはそのままビーカーの方にいった。」Krくん「なめて、しょっぱかった。」Ktさん「なめてはないけど、今回も下に水が落ちるとき、いっしょにもやもやが出てきたので、水といっしょに下に落ちたと思う。」結局、次の時間、ビーカーに落ちてきたものを水を蒸発させて調べてみないと分からないということになった。今回の授業の前半に話題になった「食塩水と泥水の違い」。少しずつではあるが、「水にとける」ということに対して見方が高まっているということだろうか。
2009.02.12
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「ものがとける」とは~その10を振り返る。○水にものを溶かすことよりも、とけているものが出てくる方がイメージしやすい これまで「水にとけた食塩は液体になる」と考えていたYyくんが、ホウ酸が出てきたことに対して次のように発言した。Yyくん「小さい粒になったんだったら、水蒸気みたいにはいかない。小さい粒に分かれたんなら、それは気体じゃない。」 また、Yyくんはノートに次のような図を書いていた。 よく考えてみると、目に見えなくなった水溶液を見てどうなったのか考えるよりも、目に見えるようになったものをもとに、水溶液の中はどうなっていたかということの方が考えやすいのである。「小さい粒が集まったものを水に入れるとバラバラになる」ことと「水の中にある小さな粒が、水が蒸発して集まる」ことを、同じようにイメージすることができると考えていた私である。
2009.02.12
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前回の授業で、あたためてとかしたはずのホウ酸が水の中に出てきている。グループでは、出てきたホウ酸の大きさが問題になっていた。Ikくん「なんか大きさが別々じゃない?」Kuさん「うん。なんか何個か集まって、ちょっとでかくなってる。」Ftくん「なんでだと思う?」Kuさん「私は、とけたとき小さな粒になっていて、顕微鏡でやっと見えるくらいになったと思って、1日たつと冷やされて、その小さい粒同士が冷やされて・・・。ほら、前のときよりも粒がでっかいじゃん。大きさ。」ものをとかすときよりも、とけているものが出てくる方が、水の中にとけているものをイメージしやすいということだろうか。しかし、全体の話し合いでは、状態変化が話題になる。Ftくん「気体を冷やしたら水になるから、それと同じ原理で冷やしたらホウ酸が出てくるんじゃないかなって。」Yyくん「前、液体になったか固体になったのかってあったけど、小さい粒になったんだったら、別に気体になったわけでもないから、もし小さい粒になっていたら、まだ固体だから、それだったら水蒸気みたいにはいかないんじゃないかと思う。」T「固体って、何?」Yyくん「小さい粒・・・小さい粒に分かれたんなら、それは気体じゃない。」「気体を冷やすのと同じ」という発言にとまどっているようである。私自身も、その発言の意図は分からなかったのだが、黒板に水の状態変化を図で表し「このことがホウ酸が水にとけると関係あるのか」と問う。Utくん「辞書で調べてみたんだけど『とける』に2つあって、1つは『固いものが液体になったりやわらかくなったりする』っていうのがあって、次が『液体の中に他の物質が混ざる』っていうのがあって、2つ目には「砂糖が水にとける」ってのがあったので、砂糖が水にとけるっていうのがホウ酸や食塩をとかしたりする方だと思う。固体とか液体っていうのは、1つ目の方で、違うんじゃないかなって。」まだまだ「『ことば』を『ことば』で理解」しようとしている段階ではあるものの、少しずつ「溶解」と「融解」を区別して考えようとしているのだろう。
2009.02.12
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前回の授業で、なかなかとけきれない岩塩をかき混ぜているとき、いっしょにホウ酸をかき混ぜていたグループがいくつかあった。その子どもたちが、授業のはじめに、ビーカーを手であたためると少しとけ、手を離してしばらくすると、あたためてとけた分がまた出てくるというのだ。「食塩やホウ酸はあたためるととける量が増えるのか」と問うと、次のような発言があった。Mrさん「あたためるととけると思うんだけど、バターとかを焼いているときにとけるから、たぶんとけるんじゃないかなと思う。」Mtくん「バターはやわらかいからとけるけど・・・。」Mrくん「塩は、ちっちゃな石みたいな感じがするから・・・、バターは牛乳を固めた感じだから、それとは違うと思う。」Ikくん「バターはすごくドロドロしてて押しただけでつぶれるから、食塩というのは、押しただけでは壊れないし、それで違うんじゃないかな・・・。」Kmくん「バターは固めてるってことは、冷やしたりして、冷やしたりして、氷みたいに凍らせてるんだと思うから、だから冷蔵庫とかで保存するから、食塩は、普通に外に出してても液体とかにならないから、違うと思う。」「溶解」と「融解」。同じ「とける」だけに、やはり混乱している。「『バターがとける』『水に食塩がとける』『氷がとける』は同じ『とける』なのか」と尋ねるが、とまどっている様子である。はっきりしないまま実験に移る。あたためるとホウ酸はとけるものの、食塩と岩塩はとけない。そんな中、とけたホウ酸をそのままにして、食塩と岩塩をかき混ぜているうちに、とけたはずのホウ酸が出てきてしまう。そして、「冷えたから出てきた」と発言する子どもに対して、「そんなことはないよ」と反論する子どもの姿が見られた。海水から食塩を取り出すということには、あまり疑問を感じていなかったようなのだが・・・。
2009.02.12
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「ものがとける」とは~その5・その6・その7・その8を振り返る。○「目に見えるもの」が最優先される 水にとける量を調べる中で、そのとける量について考えるとき、子どもたちは食塩やホウ酸の「性質」よりも、目に見える「粒の大きさ」や「形」にこだわる。ホウ酸がとけにくいことを粒の大きさや見た目の量で説明しようとしたこと、「岩塩も砕けば小さくなって食塩と同じものだ」という発言を受けいれなかったことなど、ある程度こだわりがあるとは思っていたものの、その大きさは予想以上であった。これまで、観察・実験で「よく見なさい」と注意していきたが、よく見るだけでは理解は深まらないのである。同じものを見ても、そのとらえやとらえ方は同じではないことを、あらためて痛感した。○子どもたちは大人のようには思考しない 食塩と岩塩のとける量。もちろん呼び方も見た目も違うので、同じ物質だと見ることができない(実際異なるのだが)子どももいるのだろう。しかし「水50gに岩塩15gとけるから、水100gには岩塩30gはとけるはずだ」と考えない子どもがいたことに驚いた。当然、とけないことに疑問を感じ、なんとかとかそうとしたり、とけない理由を考えたりすると考えていたのだが・・・。子どもたちは、大人のようには思考しないということだろう。
2009.02.12
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休み時間も岩塩20gを入れた100gの水をかき混ぜる。いくつかのグループでとけきり、他の班でも休み時間前よりも小さくなっていることを確認した。「水の量を増やすと、とける量も増える」と授業を終えようとしたのだが、思いがけない発言が出てくる。Ikくん「20gとけても、水100gに本当は30gとけないといけない。20gでこんなに時間がかかったら、30(g)はとけないと思った。」他の子どもたちも、とまどっている様子である。そんな中、一人の子どももが次のように発言した。Msくん「30gとけないんだったら、50gに15gとかして、もう1個50gにと15gとかして合わせたら、食塩が出てくることになるから、おかしいと思う。」「出てくることはありえない」という声が上がったところで、授業を終えた・・・。
2009.02.12
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「とけ残った食塩やホウ酸を、どうすればとかすことができるか。」今回、水を50g加えてとけるかどうか調べる。食塩とホウ酸を調べる予定だったのだが、岩塩のことが気になり、やってみるかどうか尋ねた。Isくん「粒の大きいやつと食塩はまとめていい。」Ntくん「食塩と岩塩は結果的に同じだったけど、本当はちょっと違うかもしれないから3つやった方がいい。」Kuさん「私もちょっとは違うかもしれないとは思うけど、30gまではとけるから2つでいいと思う。」Mtくん「でも、粒の大きい食塩も砕けば普通の食塩と同じだから、いっしょなんじゃないかと思う。」Ikくん「岩塩は食塩よりいっぱい振らないととけなかったから、少し限度が違うと思う。」Isくん「とけにくかったっていうけど、それは粒が大きかっただけだからいっしょだと思う。」Saくん「食塩はもともと小さいから1個とかすのは簡単だけど、岩塩は1つが大きいからとけにくかっただけで、同じ重さ入れたんだから、同じ食塩だから同じだと思う。」Hyさん「岩塩と食塩を量って同じ量で止まったから2つでいいと思う。」結局、食塩、岩塩、ホウ酸の3つを実験することになる。ところが、岩塩は水を50g増やしてもなかなかとけない。実験を中断して、このことに話し合う。Msさん「粒が大きいから時間がかかっているだけで、ずっと混ぜとけば全部とけると思う。」Yyくん「さっきからとけるといわれて、ずっと混ぜてたけど変わりがなかったから、ずっとやってもムダだと思う。」Ntくん「岩塩もどんどん粒が小さくなって食塩と同じくらいの大きさになったのに、まだ残っているからこれ以上混ぜてもとけないと思う。」Mtくん「食塩と粒の大きい食塩はどっちにしろ同じだから、粒が大きいだけだから全部とけると思う。」Ktさん「ずっとかき混ぜてもとけなかったけど、水50gに15gとけて、水100gに20gとけないのはおかしいっていわれると、確かにそうだと思う。」時間を少し延長してかき混ぜることになった。(つづく)
2009.02.12
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今回は、水にとけきれなかったものをとかす方法を考える。グループの中では、次のように話し合っていた。Ikくん「細かく砕く。小さく細かく。」Kuさん「砕いてどうすんの?」Ikくん「岩塩はでかいからとけないんでしょ。」Kuさん「そうなの?」Tkさん「触れる面積を大きくすればとけるはずだから・・・。」Kuさん「じゃあ、なんで食塩15(g)で岩塩も15(g)なの?」Ikくん「いや、岩塩はとけないっていうか、よくかき混ぜないととけないと思う。」Ftくん「水増やした方がいいと思う。」Tkさん「がんがんたたいて面積を広くして、細かくしてそのままの水でやればいい。」Kuさん「細かくしてどうすんの?」やはり「粒の大きさ」や「形」にこだわっているようである。しかし、全体の話し合いでは「水を増やす」という方法が出されるだけであった。
2009.02.12
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前回の食塩に続き、岩塩とホウ酸の水50gにとける量を調べる。実験の方法は前回と同じで、水50gに岩塩とホウ酸を5gずつ入れて振り、とけるかどうか調べる。私自身も意外だったのだが、岩塩は普通の食塩と同じ量とけるのだが、とけきるのに時間がかかる。ホウ酸は最初の5gでとけ残った。Isくん「最初ホウ酸は、粒が小さくてさらさらしていたからとけるかなって思ってたけど、水に入れたら固まったりとけなかったから、びっくりした。それから、食塩と岩塩では、食塩の方がとけると思っていたけど、とける量が変わらなかったのもびっくりした。」Kaさん「ホウ酸を上皿てんびんに乗せたときの体積と、食塩を乗せたときの体積を比べると、ホウ酸の方の体積が同じ5gでも多かったから、ホウ酸がとけなかったんじゃないかなって。」Isくん「ホウ酸の方が粒が小さくて、いっぱいある。」Tkさん「それなら粒の大きい食塩は5gであんまり量はないはずだけど15gとけるので止まったから・・・ホウ酸がとけなかった理由はそれじゃないと思う。」Ntくん「見た目の量とかは関係ないと思う。とかしたとき残ったのが量ったときとほとんど同じだったから、ホウ酸が、水にとけにくい性質なんじゃないかなって思う。」Ntくんが発言したとおり性質の違いなのだが、多くの子どもたちがホウ酸のとける量が少なかったことに粒の大きさや同じ重さでの体積(密度)が関係あるのではと考えたのだろう。
2009.02.12
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今日から、水にとける食塩とホウ酸、そして、岩塩の量を調べる。まず、食塩について調べることにした。Mtくん「いくらでもとけるんじゃなくて、実験で下にとけ残ることがあったから、限界はあると思う。」ほとんどの子どもたちがこの発言を聞きうなずいている。そこで、「どのくらい水に食塩がとけるのか」予想を尋ねる。Kmさん「食塩が水より多かったら、水の方が少ないから、とけないんじゃないかなって思う。」もしかしたら、水と接するととけると考えているのだろうか。他の子どもたちも、50gの水に食塩30gぐらいはとけると答えた。しかし、実際に実験してみると、食塩が15gになるとなかなかとけなくなる。なんとかカプセルを振りとかすものの、あと食塩を5g入れ20gにすると、多くがとけ残った。実験後、子どもたちは次のように発言した。Utくん「20,25gぐらいは簡単にいくと思っていたけど、15gでも少し粒が残ってきて下に沈んでたから、ちょっと・・・。」Kuさん「私は、15gはどうかなって思っていたけどとけた。水が50gで半分は絶対にとけないと思っていた。」水50gの半分の25gが、なにかしら子どもたちの基準になっていたようである。
2009.02.12
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「ものがとける」とは~その4を振り返る。 今回、田上先生(九州大学)に見ていただき、子どもの姿についてコメントをいただいた。そのコメントをもとに授業をふり返る。○「目に見えないくらい小さな粒になる」とは、実感を伴った発言なのか?Saくん「液体になるというわけじゃなくて、見えない粒になる。まだ水の中に残ってる。」Myさん「目に見えないくらい小さな粒になって水の中に入っていて、分かれるっていうか、小さくなっているけど入っているのは入っている。」これらは、授業のはじめの発言であり、私が求めている適切な「ことば」であった。しかし、Saくんは振ったときに出てくる白いものが話題になったとき「小さくなったものが一斉に固まった」と発言している。これらは、どれだけの実感をもって発言されているのか。単なる知識として理解されている可能性もある。○視覚的ものから「目に見えない現象」を理解しようとすること 授業前、カプセルを振るときのカプセル内の様子が問題になるとは、私自身、全く考えていなかった。今回の実験で注目するのは「重さ」であり、「目に見えない現象」を説明するためにこの「重さ」を根拠にして思考することを期待していたのだ。しかし、子どもたちは、「目に見えない現象」を「目に見える」視覚的なものからとらえようとしていたのだろう。 前時にも、この視覚的にとらえようとする子どもの姿があった。Ikくん「なんか塩がちっちゃくなってるね。岩塩がちっちゃくなってる。」Ikくん「水よりちっちゃいって分かんない。水よりちっちゃいって、どんくらいが水のひとかたまりなの?今思ったけど、これって白いの?透明なの?」Ntくん「見えるってことは、色ついてるの?なんで水に触れてないとき白いの?」 子どもたちが「視覚的なもの」に関心をもつのは当たり前のことであり、そこから考えようとすることも自然なことなのだろう。○「目に見えないくらい小さな粒になる」ことを「わかり直す」ために 前述したIkくんやNtくんの視覚的なものへのこだわりは、Myさんの「目に見えないくらい小さな粒になる」という「ことば」での整理を今一度崩す「きっかけ」になるのではないか。また、次のようなノートへの記述も、田上先生に見取っていただいた。Nmくん「消化されたわけではなかった。」Arさん「見えなくなっただけで・・・。」Tkさん「個体になるのか、透明になるのか分からないけれど・・・。」Kuさん「個体になったと思うけど・・・。」これらのとらえ方も、これまでの子どもたちの学習や経験から培われた見方に基づくものであろう。この子どもたちがどのように変容していくのか、また他の子どもの「わかり直し」にどのように参加していくの考える必要がある。
2009.02.12
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今回は、50gの水に5gの食塩をとかし、とかす前と後の重さを比べる。実験の方法を説明し、結果の予想を発表させる。Saくん「変わらないと思う。液体になるというわけじゃなくて、見えない粒になる。固体だと思うから、5g入れたら、その小さい5gは、まだ水の中に残ってると思うから変わらないと思う。」Isくん「ぼくも変わらないと思うけど、5g入れたら見えない粒になっても・・・説明がちょっと難しい。」Hyさん「水の中に塩を入れても重さは変わらないと思うけど・・・。」Myさん「私は変わらないと思う。私も、目に見えないくらい小さな粒になって水の中に入ってると思って、分かれるっていうか、小さくなっているけど、入っているのは入っているから重さは変わらないと思う。」なぜか今日は「液体になる」という考えによる発言がないまま、実験に移る。紙コップに入った5gの食塩と50gの水が入ったふた付きのカプセルの重さを電子てんびんで量った後、食塩をカプセルに入れ振る。とけきったところで、あらためて重さを量る。電子てんびんに置く場所によって表示される重さが変わることが気になるグループもあったが、全てのグループで、とける前後の重さは変わらないという結果が出る。そこで「水にとけた食塩はどうなったか」と問うた。Ktさん「もしその塩が液体になったとしたら、水の量も増えて重さが変わると思うけど、重さが同じだということは、液体じゃなくて固体だと思う。」「液体だとしたら水の量が増え重さも変わる」という発言を聞き、他の子どもたちは、とまどっている様子である。「液体になったとしても・・・」という発言がいくつか続いた後、話題は「とけるときの様子」に移っていく。Krくん「食塩を入れて振っているときに泡じゃない白いのが出てきた。塩が液体になったら、振ったときに白いのは出てこないから、やっぱり小さくなって振ったとき出てきた。」Mtくん「振ったときに白いのがあったというのは同じで、見えなくなったやつが振られるから動き始めて、それで白く見えたんじゃないかと思う。」Msさん「私の班でも見えたけど、根気強くまっていたら消えたので空気だと思う。」Kuさん「私たちの班でも白いものがあるのに気づいて、普通の水だけの同じ重さで振ってみたけど、その白いのが出てこなかったので、空気じゃなくて塩だと思う。」Saくん「だったら、食塩が見えるようになるんだったら、小さくなったものが一斉に固まったんじゃないかな。」Ftくん「ぼくは、ものすごく細かい粒がそこにあって、それが一斉にしたから出てきたんじゃないかと思う。」Arさん「振ったら普通の・・・なんか塩のようなものが・・・おかしいんじゃないかと思ったから空気じゃないかと思う。」食塩水を振るときに出てくる白いもの(おそらく空気なのだが)について、収拾がつかなくなる。時間もきたので「重さが変わらないことから、どんなことがいえるか」と尋ねて授業を終える。Ikくん「固体でも、液体でも、少し液体になってても重さは変わらないんじゃないかって。」Kaさん「固体か液体かは分からないけど、食塩水の中には目に見えない塩は必ず入っているということが分かった。」「目に見えない塩は必ず入っている。」おそらく「目に見えない塩」のとらえが一人一人異なるのだろう。
2009.02.12
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水にとけた食塩どうなったのか、クラス全体で話し合う。Yyくん「食塩でモヤモヤしてるように見えたのは液体になったからで、下の残っているつぶつぶはとけきれなかった食塩だと思う。」Htさん「昨日食塩水がこぼれて、それを今日見たら塩だけになっているので、液体になってたらくっついたりはしない・・・、蒸発するときにくっついたりはしないと思うから、液体になったっていうのはちょっと・・・。」T「食塩はどうなっていた?」Htさん「小さくなって残った。えっと、最初入れた形よりも小さくなって、塩だけ残った。」Ktさん「液体になってたら、その分なんか水にとけて、水と同じことになると思うから、それはちょっと違うと思う。」Isくん「ぼくは液体になったと思うんですけど、こぼれたときにとけきれなかった食塩がいっしょにこぼれて、水だけが蒸発して、とけきれなかった食塩だけが残ったっていう可能性もあるから、分かんない。」「とけ残った食塩」が話題になり、昨日大量の岩塩を水に入れ「とけきれなかった」ことに疑問を感じていたグループの子どもたちが発言しはじめる。Kmさん「昨日粒の大きい食塩をとかしたとき、とかしたとき出てくる、大きい粒がとけた小さい粒っていうのを混ぜてもあまりとけなかったけど、一番最初に先生が前でとかして見せた食塩っていうのはとけたから、どれくらい時間差があるのかを調べてみたい。」Itくん「先生がやったときは普通の食塩だったけど、ぼくたちが実験したときには大きい粒の食塩だったから、大きさも問題があるんじゃないかなってちょっと思いう。」Isくん「食塩が大きかったかなっていうのは、関係があると思うんだけど、大きさとかも、とけたりするときに大きさが大きければ、あの、小さいのが出やすいけど、その大きい・・・あっ、なんて言おうとしたか忘れた。」Syさん「量、量が同じだったら、大きさが違っても変わらない・・・。」次の時間から「とける前と後の重さ」や「とける量」を調べるのだが、「普通の食塩」と「粒の大きい食塩(岩塩)」は別のものとして実験しなければいけないのだろうか。2倍の道具と時間は必要である・・・。
2009.02.12
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水にとけた食塩がどうなったのか。授業がはじまる前からグループのなかで話題になっていた。Kuさん「『分子は科学的な性質をもつ最小の粒』・・・。」Ftくん「最小か。」Kuさん「だから、ちっちゃい粒ってことだよ。」昨日の授業の中で「分子」という「ことば」が持ち込まれ気になったのだろう。Kuさんのノートには、分子、原子、原子核、電子といろいろなことが調べられていた。授業が始まり、まず自分の考えをノートに書く。しかし、そんな中、ある子どもが、昨日の実験でこぼれた食塩水(岩塩をとかしたもの)が食塩になっていることを発見し声をあげる。Ikくん「ここにもあるよ。ここらへんにも。」Tkさん「えっ、それ昨日のこぼれたやつ?」Ikくん「なんか塩がちっちゃくなってるね。岩塩しか、昨日岩塩しか使ってないのに。岩塩がちっちゃくなってる。」Tkさん「そうだわ。」Ikくん「分子、調べた?見せて。『物質の化学的な性質を失わずに分けられる最小の粒』、ちっちぇー。」Kuさん「それよりもちっちゃいんだよ。」Ikくん「水よりちっちゃいって分かんないよね。水よりちっちゃいって、どんくらいが水のひとかたまりなの?今思ったけど、これって白いの?透明なの?」「分子」という「ことば」をきっかけにして、Ikくんは「ちっちゃい粒」の大きさに着目したということだろうか。その後、隣のグループのNtくんが話し合いに参加してくる。Ntくん「顕微鏡で見たら見えるでしょ?」Ftくん「見えるかもしれない。分かんない。」Ikくん「見えるよ。」Ntくん「見えるってことは、色ついてるの?」Kuさん「形はあるけど、色が・・・、色がない。色がない。だから透明。」Ntくん「色がないと見えないじゃん。」Ftくん「透明ってこれ(机の上に出てきた食塩)。」Kuさん「形はあるでしょ。」Ftくん「水につけると分かりにくいよ。」Ntくん「なんで水に触れてないとき白いの?」Ikくん「色が落ちるんじゃないかって、分かんない。」話題になった食塩の「大きさ」と「色」。水溶液は「透明になる」ことと関係しているのだが・・・。(つづく)
2009.02.12
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「ものがとける」とは~その2を振り返る。 今回、数名の先生方の授業を見ていただくことができた。授業後、その先生方とビデオを見ながら、授業をふり返る。○水と混じって、水みたいになる?Ktさん「水と混ざって、塩じゃなくて、水っていうか、そんな感じになる。」 それまで水にとけた食塩が液体になったのか、固体のままなのかという話し合いでテンションが高くなっていた子どもたちであったが、この発言を聞き、しばらくの間沈黙することになった。参観された先生からも、それまで勢いよく反論していたFtくんの反応が止まったことを指摘される。 おそらく、それまでの話し合いの中で「液体」という「ことば」があいまいなままに使われていたのだろう。「食塩が液体になる」または「液体にはならない」と発言していた多くの子どもたちは、「液体」とは何かということを考えないまま「わかったつもり」になっていたのではないか。それを、Ktさんが「塩ではなく水みたいなもの」と表現したことによって、「『液体』とは何か」考えなければならなくなってしまったのである。「液体」といっていたものは「食塩」なのか「水」なのか、もしくは、どちらとも異なるものなのか。もし、「水と同じようなもの」だとしたら、どうなるのか。この発言が、その後のKrくんの「『液体』になるとしたら、蒸発させるとなくなる」という発言につながっていく。○「ことば」から「図」へ 多くの先生方から、授業中の子どもの姿を教えてもらう。Myさん「透明になる。液体になってやがてなくなる。」 →「もともと岩塩のまわりに、小さな塩の粒がついている。」Ikくん「塩が液体になってとけきっているものととけきっていないものがある。」 →「水にとかした食塩の半分は、水といっしょに蒸発する。」Hyさんのグループ「土に水をかけたら泥水になる。だから、水をかけると食塩もとける。」 また、同じような「ことば」を使っていても、それぞれの考えに少しずつズレがあることも指摘された。「液体」「固体」「粒」「水」そして「分子」。やはり、図を使った説明を促す必要がある。もちろん、目に見えない現象を、どのように図に表せばよいのか分からずとまどっている子どもが大半なのだが・・・。
2009.02.11
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子どもたちがもっていた問題集や資料から「分子」という「ことば」が持ち込まれた。そこで「水の中にとけたときに小さな粒はあるのか、ないのか」と問う。Ktさん「とけたときに、その液体が出るから、水と混ざってちょっとは塩の形も出てくるけど、水と混ざってなくなる・・、水と混ざるんじゃないかなって思う。」T「『水と混ざって』のつづきを聞かせて。」Ktさん「水と混ざって、えっと・・・塩じゃなくて、水っていうか、そんな感じになるんじゃないかなって思う。」この発言を聞き、先ほどもまてテンションが高かった他の子どもたちがしばらくの間沈黙する。Krくん「中に小さくなってあると思うんですけど、ないっていうなら、海から塩を取るときに全部蒸発してなくなるんじゃないかと思う。」T「海から塩を取り出すことができるの?」Krくん「海から全部水を蒸発させて残った塩だけを取り出すから、液体になったりなかったら全部水だから、全部蒸発してないんじゃないかなって。」Tkさん「液体だったら残らないっていうのは分かるんですけど・・・、固体でもなんか・・・、液体だったら・・・、液体だったら塩っていわないんじゃないかなって・・・。」T「液体だったら残らないっていうのは分かるけど、じゃあ固体だったらどうなるのかが分からないってことかな?」Tkさん「(うなずく)・・・。」Ikくん「海水とかの塩が、とけれなかった海水の塩が、蒸発して出てきたんじゃないかなって思う。液体になった塩は水といっしょに蒸発して、とけ残った固体だけが残る・・・。」Krくん「液体の食塩ってないんじゃないかなって。」Kuさん「液体になった食塩は蒸発すると思って、固体のままの食塩が残るって思うけど、固体だったら海もざらざらするんじゃないのっていってたんですけど、『これだけは』には水も分子になるって書いてあったので、水だけでも分子とかあるんだったらざらざらするってことだから、ざらざらするっていうのは違うんじゃないかなって思う。」ここで時間切れである。「分子って何ですか?」と問うと同時に、「これから調べてみたいこと」を尋ねた。Isくん「固体か液体かを調べるために、触ってざらざらするのか調べてみたい。」Mrくん「とかしたものをそのまま置いといて、水がなくなるまでやって食塩が残るかやってみたい。」Ikくん「食塩が少し液体になるってことは固体のままの食塩がちっちゃくなるってことだから、どうやったら蒸発したらもとの大きさにもどるのか調べてみたい。」Mtくん「液体になった食塩ということで、それだったらどうにかして食塩が取れるはずだから、液体になった食塩があるなら取ってみたい。」まだまだ話がかみ合わないといった感じである・・・。
2009.02.10
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「水にとけた食塩は、どうなったのだろうか。」今回も、粒の大きい食塩(岩塩)がとける様子を観察しながら考える。それぞれのノートに自分の考えを書き、グループで話し合った後、クラス全体で話し合う。Ftくん「塩から出てきたもあもあみたいなところに、ものすごくちっちゃいやつがたくさん出て回っていたから、液体じゃないんじゃないかなって。」Isくん「固体っていうのはおかしいと思うんですけど、Ftくんはあとでなくなったっていってたから、おかしいんじゃないかなって思う。小さい粒は回っている間にとけて液体になる。」Tuくん「Ftくんがいった粒々が下に残っていて、かき混ぜたらとけて消えた・・・、液体になった。」Msくん「その小さい粒は、茶こしの穴より小さくて、それで沈んだものだと思う。」Ikくん「茶こしを通り抜けるようなちっちゃな岩塩はないと思う・・・。それが液体にならずに、通り抜けたんじゃないかなって・・・。茶こしの網よりちっちゃくとける・・・、とけるっていうか・・・、割れるっていうかなんか・・・、とけて一回液体になってまた固体になる見たいな感じ・・・。」Msさん「編み目よりも岩塩がとけて小さくなったら下に落ちるといったけど・・・、Isくんがとけきれなくて落ちたっていったんだけど・・・、関係ないんじゃないかなって。」Isくん「食塩が、こう水にとけきれなくて、少し小さい・・・最初は小さくなっていって、それが水にとけきれなくて、そのまんま落ちたんじゃないかなって思う。」Utくん「食塩がとけきれなくてビーカーの下に小さい粒がたまってて、混ぜてもとけきれなくて、まだ粒々が残ってたから・・・。」Yyくん「だけど、とける限度があるから、どばっと入れて全部とけるわけじゃないから、だからとけなかったんだと思う。」Mhくん「さっき小声でFtくんが透明になるっていったけど、透明になっても形は分かるから、固体ではなくて液体になって、なくなるっていうか・・・。」Ntくん「透明になるだけだったら、手を入れるとじゃりじゃりいうと思うから、透明になったわけではないと思う。」Ywさん「透明になるっていうのはあってると思う。『これだけは(問題集)』に透明になって見えなくなるって書いてあった。」T(教師)「『これだけは』には、何て書いてあるの?読んでみて。」Utさん「粒は小さくなって、最後には見えなくなって液は透明になる。」Ftくん「今、Ntくんが液は透明になって塩は透明にならないっていってたから、液と塩は透明になるって書いてあったんじゃないのかなって。」Isくん「ちがう。いってることが違う。」Kaさん「別の資料には『水の粒の間にはすき間がある』って書いてあって『水の中の食塩は水よりももっと小さな粒に別れて、水の分子・・・水の粒と混ざる』って書いてあるから、だから透明には消えるけど、触ったら感じないんじゃないのかなって。」やはり「分子」という「ことば」が持ち込まれた・・・。もちろん、この「分子」という「ことば」は、5年生にとっても「とける」ことを理解するために必要な「ことば」である。(つづく)
2009.02.10
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「ものがとける」とは~その1を振り返る。○食塩が水にとけると液体になる?Kuさん「食塩がとけると液体になる。」 私にとって、思いがけない発言であった。「液体」という「ことば」が、何を表しているのか。授業の中では理解することができなかった。4年生での水の状態変化を私自身が授業していないので、これまでどんな意味で使ってきたのかよく分からないが、授業後のノートを見る中で、「食塩そのものが液体になった」と考えている子どもと「水にとけて水溶液になった」と考えている子どもがいるようである。「食塩そのものが液体になる」と考える子どもは「水にとける」という「溶解」と「氷がとける」という「融解」とごっちゃになってるのである。このことは、2年前の同僚の先生の授業の中で内田先生(お茶の水女子大)に指摘されていたことである。「ことば」にすると同じ「とける」だけに、大人でも区別して説明できる人は少ないのだろう。○食塩の粒が小さくなる?Isくん「顕微鏡でも見えないくらい小さくなった。」 この発言は、私自身が「期待」していたものである。おそらく5年生に理解ができるのは「目に見えないくらいの大きさの粒が集まってできている食塩を、水に入れるとバラバラになる」というレベル(勝手な想定であるが)であろう。これからの授業の中でも「小さな粒」という「ことば」がキーワードになるだろう。 しかし、Itくんのノートから、次のような図を見つけた。 これは、前に示した「バラバラになる」とは異なった考え方であり、どちらかというと「とけた食塩は消えてなくなる」という考えに近いのではないか。 「食塩が小さな粒になる」という発言岳を聞き、安心しきっている私である・・・。○食塩は水にとけると消えてなくなる? 授業を参観していただいた先生から教えていただいたのだが、Ktさんは「水にとけた食塩は消えてなくなる」と発言していたそうである。やはり、数名の子どもたちが「目に見えなくなる」ことから、そのようにとらえたのだろう。しかしながら、授業後のKtさんのノートを見てみると「食塩をとかすと水が少し増えていた」と書いていることから、授業の中で考えを修正したと考えられる。このような子どもたちが「わかったつもり」の子どもを揺さぶるきっかけをつくるのであろう。○実験に「岩塩」を用いたことは失敗? 授業後、「粒の大きい食塩(岩塩)」を用いたことが、子どもたちが「ものが水にとける」ことを科学的にとらえるために効果的であったのか不安になる。茶こしの中で透明になり小さくなる岩塩。もしかしたら、子どもたちの誤ったイメージを強化してしまったのではないか。とける様子が観察しやすいというだけで、安易に使ったことを反省している・・・。
2009.02.10
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とけた食塩はどうなったのか。「説明できる人?」と尋ねても手が挙がらない。そこで、「食塩が水にとける様子を詳しく見る」ことにした。茶こしに粒の大きい食塩(岩塩)を入れ、水を入れたビーカーにつける。すると、茶こしの編み目から「もやもや」としたものが下の落ちていく様子が見られる。Ikくんのグループでは、次のように話をしていた。Ftくん「へんなのが出てきた。」Kuさん「細かくなってる。」Ikくん「なんかへんなのが出てきた。」Kuさん「細かくなってるね。」Ftくん「何でこんなのが出てくるの?」Ikくん「これ、透明になってるじゃん。完全に。」Ftくん「あっ、本当だ。なくなってきた。」Kuさん「うゎ、透明になってる。」Tkさん「なんで、こうなるの?」Ftくん「何でちっちゃくなったんだろう。」Tkさん「ちょっとまって。これ白いのに、入れた瞬間透明になった。」Ikくん「いや、透明になるのは分かるんだけど、少しずつ小さくなってる理由は?」Kuさん「知らない。」Tkさん「とけてるから。」Ikくん「じゃあ、とけてからなくなるんじゃないの?」Tkさん「なんで、これ白いのに透明になるの?」続けて、普通の食塩のコーヒーフィルターに入れ水につける。茶こしのときと同じように「もやもや」したものが出てくる。Ikくん「たくさん出てきた。」Ftくん「これ(粒の大きい食塩)よりも、はるかにすごい。どうなった?中の食塩。」Kuさん「まだ白いよ。」Tkさん「これ、コーヒーフィルターが白いからじゃない?」シュリーレン現象で見える「もやもや」。食塩水の濃度の違いによってこの「もやもや」が見られるのだが、子どもたちは、意外にこの「もやもや」よりも、茶こしの中の粒の大きい食塩やコーヒーフィルター中の食塩の変化が気になる様子であった・・・。
2009.02.10
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まず、子どもたちを理科室の前に集め、水の入ったビーカーに食塩を入れてかき混ぜる。すると、食塩は水にとけ見えなくなる。そこで、「水にとけた食塩はどうなったのか」と尋ねると、子どもたちは次のように発言した。Isくん「とけて、顕微鏡でも見えないくらい小さくなった。」Kuさん「小さい粒じゃなくて、それだったから形があるわけだから、そうじゃなくて液体になったんじゃないかなって。」T(教師)「『液体になった』をもう少し詳しく教えて。」Kuさん「Kmくんに今言ってもらったんだけど、液体じゃなくて透明になったと思う。」Mtくん「それだったら塩を入れて実験してみれば分かるんじゃないかなって思う。透明になったじゃないと思うけど、透明になったら、白い食塩をもっと入れてみたら分かるんじゃないかなと思う。もっと入れてかき混ぜてみたら分かる。」Kmさん「実験についてのことなんだけど、Isくんがさっきとてき小さい粒になるといったけど、実験をやったら削れるんじゃないと思う。塩がもし削れたんなら小さくなるし、とけても外側からどんどんとけていくから小さい粒になって、その後にはなくなるんじゃないかと思う。」Htさん「最初に塩を入れたとき、かき混ぜなくてもとけ残ったのがあったから、削れて小さくなるんじゃなくて、水の中に入って、1つの粒がいくつにも割れていって限りなく小さくなっていくんじゃないかと思う。」Krくん「さっきの、とけてどんどん小さくなってなくなるっていうのは違うと思うけど、海とかで塩を取るとき蒸発させるから、蒸発させるときになくなってたら、何も取れないから、なくなるっていうのはないんじゃないか。」 子どもたちは「とける」ということを、どのようにとらえているのだろうか。それにしても「液体になる」という発言は意外であった。(つづく)
2009.02.10
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今回の実践を始める前に、次のようなねがいをもつ。 これまでの学習の中で,一人一人の子どもたちが,観察・実験の結果などの事実をもとに推論しながら自分の考えもつことを大切にしてきた。例えば,発芽の学習での「発芽後に子葉が落ちる」,流れる水の働きでの「川の上流の石は大きい」などの事実である。 しかしながら,本実践で取り上げる「ものが水に溶ける」ことは,目に見えない現象であり,教師から一方的に説明しても子どもたちは受け入れなかったり,とらえ方にずれが生じたりすることもある。これまで以上に「溶けたものの重さは保存される」「溶けたものは取り出せる」などの「目の前の事実」から思考することを促す必要がある。 この「もののとけ方」は、新学習指導要領でも粒子概念の「柱」の中に位置付けらている。これは、これまで中学2年生ではじめて物質を「原子・分子」といった粒子の集まりでできているという見方を取り扱ってきたことに対し、この「粒子」という見方を、小学校段階でも子どもの発達段階にあわせて導入していこうとするものであろう。本実践でも、「粒子モデル」を活用し、食塩がとける様子を図で表す活動を取り入れる。子どもたちは、目に見えない現象を、モデルを使って推論し、観察・実験結果に合うように説明することになる。 また,子どもたちは,「聴く-語る」という他者とのかかわり合いの中で「ことば」を使って推論したり,自分の考えを見直したりする。つまり、他者とのかかわり合いの中で、「ことば」をきっかけにして、自分の「モデル」をより多くの現象を説明することができるものに更新していくのである。この「ことば」を大切にするとともに,事実と関係付けながら思考できるような教師のはたらきかけを行うことにより,一人一人の子どもたちの見方や考え方をより科学的なものに変容させていきたい。
2009.02.10
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2月13日(金)の研究発表会に向けて、指導案を書く。今回、特に目新しい教材や手だてはない。単元の構成も、ほぼ教科書通りである。ただ「水にとけた食塩はどうなるのか」ということを追究させため、単元の導入で、このことを主題として設定し、終末にモデルを使って説明する場を設定する。 つまり、子どもの事実に真正面から向き合い、一人一人の子どもの「とらえ」や「とらえ方」を確かめ修正しながら次の授業をデザインすることを本実践の中心にするのである。今回の公開授業で提案するのは、教材や指導法ではなく、私自身の「子どもを見る目」と「教師としてのしなやかさ」であり、授業研究会を通して参観される先生方といっしょに成長することを目的とするのである。・・・・ なんと、1年ぶりのblogである。このblogを書けなかったのには、いくつかの理由がある。まず、書く気になれなかった時期があったこと。また、雑紙などの原稿の依頼が多く、締め切りに間に合わないままこのblogを書くわけにはいかなかったこと、などなど。 再開するのが研究発表会の直前になってしまったが、自分を振り返るきっかけにしていきたい。
2009.02.10
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