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携帯電話大手のKDDI(au)は29日、社員4613人に対して未払いの残業代が計約6億7千万円あったと発表した。社員が過労自殺した後、労働基準監督署から長時間労働などについて是正勧告を受け、社内調査した結果判明したという。同社によると、2015年9月に入社2年目の20代社員が自殺し、18年5月に労働基準監督署から労災と認定された。1カ月あたり90時間を超える時間外労働が確認された。また、担当の変更で勤務内容や量が大きく変わったことや、上司からの指導をめぐるトラブルが強い心理的な負担になったと判断された。同社は社員が自殺した後の17年9月、労基署から長時間労働やサービス残業について是正勧告を受け、全社員を対象に未払い残業代の有無を調査。未払いが判明した4613人に、15~16年度分の未払い残業代計約6億7千万円を17年11月に支払った。社員からの申請と上司の承認により残業代を払っていたが、承認なしで残業していた分などが未払いだったという。個別の理由は「答えられない」(広報)としている。(2019.3.29 朝日新聞)ブラックの仲間入りか。通常の超過勤務は、上司の承認(業務指示)によるもの。勝手に残業してはならないが、上司が黙認(黙示の指示)していたのだろう。
2019.03.29

blockquote>日産自動車(横浜市)で2016年に課長級の管理職として在職中に死亡した男性(当時42)の妻が未払い残業代約520万円を求めた訴訟の判決で、横浜地裁は26日、労働基準法で残業代の支給対象外となる「管理監督者」に該当しないとして、350万円余りの支払いを命じた。新谷晋司裁判長は「男性は経営者と一体的な立場といえる重要な職責と権限を与えられていない」として、管理監督者とは認められないと判断した。判決などによると、男性は日産の複数の部署で課長級としてマーケティングを担当し、16年3月に脳幹出血で死亡した。妻は17年3月に提訴。「日産は労基法を守り、従業員にも管理職にも働きやすい職場になってほしい」とのコメントを出した。日産広報部は「判決文を精査した上で、今後の対応を検討する」とコメントした。原告側代理人の飯田学史弁護士は「管理職だから残業代を払わなくて良いという思い込みに警鐘を鳴らす判決だ」と評価し、他にも残業代の支払い対象となる管理職がいると指摘した。(2019.3.27 共同通信)管理監督者性を争った裁判の多くは会社側敗訴。世の中、部長職でさえ自身の労働時間が自由にならない。重役出勤は取締役だけじゃないか。
2019.03.27

日立製作所が、5年を超えて有期雇用で働き、無期雇用への転換を求めた40代の女性社員に対し、今月末での解雇を通告したことがわかった。「無期転換」は有期雇用で5年を超えて働く労働者に法律で認められた権利で、女性社員は昨年6月に「無期転換」を申請し、今年4月から無期雇用になる予定だった。日立は事業の縮小を解雇の理由に挙げているが、女性側は「無期転換逃れだ」として解雇の撤回を求めている。有期の雇用契約を繰り返し更新して通算5年を超えると、無期契約への転換を求めることができる「5年ルール」は、2013年4月に施行された改正労働契約法に盛り込まれた。18年4月から順次、無期契約になる人が出ている。雇う側は転換の申し込みを拒めない。有期雇用が5年に達する前に契約を更新しない「雇い止め」の動きはあるが、無期転換の申し込み後に解雇を通告するのは異例だ。この女性社員は、日立製作所で派遣社員として約10年間勤務した後、12年10月に半年間の有期契約で日立に入社。13年4月以降は、半年または1年間の契約を更新して、有期雇用で働いてきた。横浜研究所(横浜市)で研究員の報告書をチェックしたり、事業部に内容を伝えたりする業務をしてきたという。女性社員によると、日立に無期転換を申し込んだのは18年6月。同年11月には、日立が準備した申請書に勤務地の変更や残業を受け入れると記入して提出したが、翌12月に「19年4月以降は仕事がなくなる」と説明された。日立は今年2月、契約社員就業規則の「業務上の都合」に基づいて3月31日付での解雇を通知した。無期転換を申し込んだ別の横浜研究所の社員にも、同日付で解雇を通知したという。日立は朝日新聞の取材に対し、「個別の従業員に関するコメントは差し控えたい」としている。(2019.3.27 朝日新聞)私も勉強不足だが、これは果たして許されるのだろうか?単に無期になるだけで、解雇すべき相当の理由があれば良いのだろう。とは思うが、制度を骨抜きにする行為で批判に値する。
2019.03.27

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000203825_00010.html重要なテーマに関する意見交換だと思うが、一体どれほどの方が見ているのだろう?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○日時平成31年3月26日(火)19:00~21:00○場所厚生労働省専用第22会議室○議題・賃金等請求権の消滅時効の在り方について(意見交換)・その他○議事○岩村座長 それでは、定刻でございますので、ただいまから第7回「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」を開催することといたしたいと思います。委員の皆様方におかれましては、年度末の大変お忙しい中かつ夜遅くにお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日は、佐藤厚委員が御欠席でございます。本日の議題でございますけれども、事務局のほうで、これまでの検討会での御意見や労使団体などへのヒアリングを通しまして、賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する各論点を整理した資料を用意いただいております。本日は賃金等請求権の消滅時効の在り方の見直しについて、これまで御議論いただいたところを踏まえて全体を通した意見交換を行いたいと存じます。まず初めに、お配りいただいた資料の確認を事務局からいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。○坂本課長補佐 それでは、お配りいたしました資料の確認をお願いいたします。資料としましては、資料1種類、参考資料1種類でございまして、資料につきましては縦置きの紙で「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する主な論点の考え方」と記載したものでございます。参考資料につきましては少し厚いものですが、横置きのもので「消滅時効の在り方に関する検討の参考資料」でございます。その他、座席表をお配りしておりますので、不足がございましたら事務局までお申しつけください。○岩村座長 ありがとうございました。資料についてはよろしいでしょうか。それでは、まず最初に事務局から資料の説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。○坂本課長補佐 それでは、資料について説明いたします。基本的には縦置きの「資料」と書かれたものに基づいて説明をしたいと思います。こちらの資料につきましては、各論点につきましてこれまでの検討会における委員の先生方やヒアリング等における議論をまとめたものになります。まず1ページ目の①の部分でございますが、民法と労働基準法との関係ということで4つほど御意見を記載しております。まず1つ目の御意見につきましては、民法改正は今回の検討の契機ではありますけれども、あくまで民法と労働基準法は別個のものとして位置づけた上で、労働基準法上の消滅時効関連規定については民法と異ならせることの合理性を議論していけばよく、仮に特別の事情に鑑みて労働基準法の賃金等請求権の消滅時効期間を短くすることに合理性があるのであれば、短くすることもあり得るという考え方という御意見を記載しております。2つ目のポツでございますけれども、労働基準法の性格としまして最低基準を定めるものであるという趣旨に照らすと、民法よりも短い消滅時効期間を労働者保護を旨とする労働基準法に設定するのは問題であるという考え方の御意見を記載しております。この関連で少し参考資料を説明させていただきますと、参考資料の4ページをごらんください。現行の労働基準法115条におきます請求権の消滅時効期間について記載しております。表をごらんいただきますと、幾つか種類を分けておりますけれども、一番左側のところで賃金債権(退職手当以外)、災害補償、その他、退職手当。それぞれ現行の労基法115条でいきますと、賃金、災害補償、その他の請求権につきましては2年間の消滅時効、退職手当につきましては昭和63年の改正によりまして5年間となっております。これは民法の消滅時効期間の規定との関連で見ますと、賃金請求権につきましては、民法上、現行では短期消滅時効で1年となっているところを、労基法で2年という形にしております。一方で、退職手当及び災害補償その他の請求権につきましては現行民法によりますと一般債権として10年の消滅時効期間でありますものを、労基法で2年ないし5年としているものでございます。続きまして、資料に戻りまして①番の続きの部分でございます。3つ目のポツでありますけれども、賃金等請求権の消滅時効期間の検討に当たっては、改正民法の施行期日であります2020年4月1日も念頭に置く必要があるのではないかという御意見でございます。4つ目でございますけれども、賃金等請求権の消滅時効については仮に見直すとなると企業の実務にも大きな影響を及ぼすということで、多面的な観点から議論を尽くす必要があるのではないか。また仮に賃金等請求権の消滅時効の見直しを行う場合、働き方改革法の施行に伴い生じている企業の労務管理の負担が一層増大するという懸念があるのではないかという御意見でございます。この関連も、今回参考資料の一番最後に新しい資料を追加しておりまして、参考資料の39ページをごらんいただければと思います。昨年の通常国会で成立しました働き方改革関連法の施行期日につきまして一覧でまとめたものでございます。例えば労働基準法関係で申し上げますと、労働時間の上限規制ですとか年次有給休暇の取得義務につきましては、大企業の場合はいずれも平成31年4月1日、今年の4月から施行される形になっております。32年という形で見ますと、例えば中小企業に係る労働時間の上限規制の部分ですとか、下から2番目のところでパートタイム労働法・労働契約法関係ですけれども、同一労働・同一賃金の大企業の部分が32年4月1日から施行されることになっております。続いて、資料のほうにお戻りいただきまして、②番のところでございます。②番は賃金請求権の消滅時効期間についてでございまして、1つ目のポツは、労働基準法は労働者保護を目的とした法律であることを踏まえると、民法よりも短い消滅時効期間を設けることは問題であるとの考え方もあり、例えば病気休職をした後に解雇された労働者が未払い賃金を請求した場合、既に2年間という時が経過していて時効よって賃金債権が消滅してしまっているといった形で、現行制度下でも具体的な問題が発生していることを考慮する必要があるという御意見でございます。その下の丸でございますけれども、消滅時効期間の検討に当たりましては、賃金債権が業種を問わず労働者を雇用する全ての企業に共通して関連する債権である、また労働契約という継続的な契約関係に基づいて、大量かつ定期的に労働者によっては長期にわたって発生する債権である賃金債権の特殊性を十分に踏まえる必要があるのではないかという御意見でございます。続いて、2ページでございます。2ページの一番上は、仮に未払い賃金に関して争いが生じる場合としましては、例えばある業務について指揮命令があったかどうか、労働時間であったのかどうかという点でありまして、この点の確認につきましては、業務指示の有無についてその争いの対象となっている当時の上司に確認する必要がありますけれども、一般的に企業においては人事異動・転勤・退職等でそうした確認が困難である場合が多く、人の記憶が曖昧なこともありまして、正確な記録確認は消滅時効期間が延びるほどに困難になるという考え方を記載しております。実際に民事訴訟になった場合でも、賃金台帳だけでは確認できない部分も実際上は生じているとの御意見で、そうした場合は当事者の証言ですとか付随的な資料の証拠が必要となる場合が多いですけれども、企業側の立証は困難を極めるということで御懸念が示された御意見でございます。その下の丸ですけれども、本来法律に基づいて支払うべき割増賃金の未払いですとか名ばかり管理職等で割増賃金が未払いになっているような場合に、法令に違反した結果として賃金支払い義務が発生しているのに履行されていないときにもちろん消滅時効の問題が議論になるわけでありますけれども、そうした問題についてはそもそも法令を遵守していれば問題にならないといった考え方もあるのではないかという御意見でございます。1行あけましてその下です。仮に消滅時効期間が見直された場合、企業の労務管理にも当然影響が出てくると思いますけれども、一定のシステム改修等の負担が発生することが想定される。賃金等請求権の消滅時効期間の見直しに伴いまして、文書の保存年限は現行3年間となっておりますが、こうしたものも延長されることになれば、現行デジタルデータでとっているか紙媒体で保存しているかを問わず、保管コストの負担は相当なものになるという御意見でございます。特に経営基盤の弱い中小・小規模事業者におきましては過大な負担となる可能性があるということを記載しております。その下ですけれども、消滅時効期間が延長されれば、それに応じて労務管理の企業実務も変わらざるを得ず、トラブルが起きないようにあらかじめ指揮命令の明確化ですとか紛争の抑制に資するような考え方もあるのではないかという記載でございます。「また」以下でございますが、働き方改革法の施行によって企業の労務管理等が増大することが予想されておりますが、そういった動きもある中で、仮に賃金等請求権の消滅時効期間を延長した場合に、企業が労務管理においてどのように対応していくのかという点もあわせて検討していく必要があるのではないかという御意見でございます。続いて、③番のところです。賃金等請求権の消滅時効の起算点でございますが、こちらはこれまでの現行実務においては労基法115条は客観的起算点を運用上も採用してきているわけですけれども、賃金請求権の消滅時効の起算点について、仮に改正後の民法と異なる起算点を設ける場合には、労働基準法独自の理由が必要となるのではないかというのが1つ目のポツでございます。2つ目のポツは先ほど紹介したことと若干重複しますけれども、賃金債権は労働契約という継続的な契約関係に基づきまして、大量かつ日々定期的に、労働者によっては長期にわたって発生する債権であるという特殊性も踏まえて検討する必要があるのではないかという御意見です。この関係も少し参考資料を御紹介しますと、参考資料の12ページをごらんください。法務省のホームページで公表している資料になります。改正後の民法の消滅時効の起算点の考え方を示した資料でございます。改正民法におきましては、新たに主観的起算点を設定しまして、権利行使をすることができることを知ったときから5年間または権利行使することができるとき、客観的起算点から10年間を経過したときは消滅時効によって権利が消滅することにされております。12ページの上半分にありますけれども、法務省で記載をしている資料ですと、例えば売買代金債権ですとか飲食料債権、宿泊料債権などの契約上、契約に基づいて発生する債権については、権利行使をすることができることを知ったときと権利行使をすることができるとき、これが基本的には主観と客観が同一になるというケースとして紹介されております。この場合は主観的起算点と客観的起算点が同じところからスタートしますので、5年と10年のいずれか早いほうということで、5年が経過したときに消滅時効にかかるといった考え方をされております。下半分は詳細な説明は割愛しますけれども、主観的起算点と客観的起算点がずれる場合ということで、例えば消費者ローンの過払い金の返還請求権を例示として挙げられております。続いて、資料にお戻りいただきまして、次は3ページでございます。3ページは起算点の御意見の続きでありまして、例えば管理監督者として扱われてきた労働者につきまして、その地位が事後的に裁判によって否定されて、使用者が労働者に対して過去にさかのぼって割増賃金の未払い分を支払うような場合につきましては、現行の労働基準法のように客観的起算点に統一するよりも、新たに主観的起算点を設けることとした場合、労働者が裁判等においてより多くの未払い金を請求することが可能となり、労働者保護に資するのではないかという考え方を記載しております。その下は若干毛色の違うものでありますけれども、賃金等請求権については、基本的には主観的起算点と客観的起算点は契約に基づく債権でありますので一致すると思われるが、特に管理監督者の地位の評価が困難である事案などについて、専門家であってもどの時点が主観的起算点に当たるのかを裁判上で立証することは難しく、仮に主観的起算点を導入した場合、これまで客観的起算点ということで安定して行われてきた労務管理に混乱が生じ、無用な紛争を惹起する可能性があることも考慮すべきではないかという御意見でございます。④でございますが、年次有給休暇請求権の消滅時効期間につきましてですが、1つ目の丸につきましては、そもそも年休は権利が発生した年の中で取得されることが想定されている仕組みでありまして、未取得分の翌年への繰り越しは制度趣旨に鑑みると本来であれば例外的なものである。仮に賃金請求権の消滅時効期間と合わせてこの年休の消滅時効期間も延ばすとした場合、年休そもそもの制度の趣旨の方向と合致しないのではないかという御意見でございます。その下につきましては同様でありますけれども、仮に年休の消滅時効期間を延ばした場合には、より取得するインセンティブが失われてしまう可能性があるのではないかという御意見でございます。続いて、⑤番でございます。記録の保存についてでございます。現行3年間とされている文書の保存年限につきましては、紛争解決ですとか監督上の必要性のために設定されておりまして、保存するという目的からは保存期間は長ければ長いほど便利であるという一方で、その分使用者にも負担がかかりますので、そうした点をあわせて一律に3年間の保存義務にされております。義務に違反した場合につきましては罰金ですけれども、罰則も設定されております。記録の保存について検討するに当たりましては、刑事訴訟法におきます公訴時効、これも罰金刑につきましては現行3年とされておりますこととの関係ですとか、記録の保存年限を設定した趣旨等を踏まえつつ、賃金請求権の消滅時効期間のあり方とあわせて検討することが適当ではないかという御意見をいただいております。最後、4ページでございます。⑥番と⑦番がありまして、⑥番の付加金でございますけれども、付加金の支払い規定につきましては、もともと賃金等請求権の消滅時効期間と連動したものという位置づけでありまして、現行2年間の除斥期間になっております。また未払い金の支払いを間接的に促す仕組みであることを踏まえますと、その裁判上の請求期間につきましては賃金請求権の消滅時効期間と合わせて検討することが適当ではないかという御意見をいただいております。最後に、⑦番の施行期日等につきましてでございます。1つ目の丸は、仮に労働基準法115条の規定の改正を行う場合には、民法改正の施行期日である2020年4月1日も念頭に置いて検討を進める必要があるという御意見でございます。その下は先ほど御紹介したとおり働き方改革法が順次施行しておりますので、それに伴って生じている企業の労務管理の負担が一層増大していくのではないかという実態も踏まえる必要があるのではないかという御意見でございます。最後、3つ目は経過措置でございます。仮に労基法115条の改正を行った場合に、どの時点の債権から改正法を適用していくのかという点でございますけれども、これも前回お示ししたとおり考え方は2通りあると考えておりまして、1つ目は、今回の改正民法におきます経過措置と同様に、労働契約の締結日を基準にして考える方法でございます。これはもし労基法を改正するとすれば、改正労基法の施行期日より前に締結された労働契約に基づく債権であれば現行の労基法を適用しまして、改正労基法の施行期日より後に締結された労働契約に基づく債権であれば新法を適用するという考え方でございます。②番につきましては改正民法とは異なる経過措置でありますけれども、賃金債権の特殊性を踏まえて賃金等債権の発生日を基準に考えるという考え方でございます。こちらは労働契約の締結日にかかわらず、改正労基法の施行前に発生している賃金債権であれば現行法を適用しつつ、改正労基法の施行期日より後に発生している賃金債権につきましては新法を適用するという考え方でございます。資料の説明は以上でございます。○岩村座長 ありがとうございました。それでは、これまでの検討会での御議論を踏まえまして、今、事務局から説明がありました賃金等請求権の消滅時効のあり方に関する各論点について御質問あるいは御意見がございましたら御発言いただきたいと思います。いかがでございましょうか。どうぞ。〇森戸委員 内容に関係ないことでもいいですか。些末なことで恐縮なのですが、この資料の丸の間が1行あいているところは何か意味があってあいているのですか。〇岩村座長 では、課長、お願いします。〇長良課長 資料のつくり方の補足でございますが、特に1ページ目から3ページぐらいまでにかけて間を1行あけているところがございまして、これについてはペアにした論点がある種対立しているような、対立軸のような形で位置づけられるのかなというように事務局側で整理したものでございます。〇岩村座長 よろしいでしょうか。〇森戸委員 了解です。〇岩村座長 今の事務局の御説明を伺っていると、きょう用意していただいている資料はどちらかというと相対立する考え方を並べて整理していただいたようなものかなと思いました。そういうことで途中で1行あいているところがあるという趣旨ですね。ありがとうございます。では、水島委員、どうぞ。〇水島委員 1つ質問させていただきたいのですが、②の1つ目で労働側がおっしゃっていた具体例に、解雇後に未払い賃金を請求した場合とあるのですが、この未払い賃金の内容は具体的にどのようなものか教えていただけますでしょうか。〇岩村座長 いかがでしょうか。〇坂本課長補佐 直ちに確認ができないのですけれども、一般的には労働時間をもとに計算したら本来払われるべきであった賃金が払われていなかったという、その理由がどういったことで払われていなかったのかは、今すぐは確認できておりません。〇水島委員 ありがとうございます。〇岩村座長 ありがとうございます。御質問でも御意見でもどうぞ。鹿野委員、どうぞ。〇鹿野委員 本日何を発言していいのかわかっていないところもあるのですが、整理としてはヒアリングを含めて今まで出された考え方を整理していただいたということで、各論点についてこのような考え方があったなということで異論があるわけではありません。それについて改めて意見を述べるということは、本日はいかがな。〇岩村座長 私の理解では、この検討会をやってまいりまして取りまとめということを考えたときに、この後は労政審での議論ということになる、その後、さらに立法化ということになればその先の議論もあるわけなのですが、そのときに想定される論点についてこの検討会である程度御意見を頂戴できればというのが恐らくきょうのこの論点の整理の1つの趣旨かなと理解しております。ですので対立する論点という形できょう整理していただいていますので、自分としてはこう考えるという御意見を率直におっしゃっていただければそれでよろしいかなと思います。よろしいでしょうか。〇鹿野委員 わかりました。それでは、意見ということで、まず①番については先ほど事務局から御説明があったような経緯で、民法の1年の時効期間について、労基法で労働者保護の観点からそれを延ばすような形で2年の期間が設けられていたという昔の経緯があるわけですが、これも繰り返しになりますけれども、やはり民法でこれが5年10年となったときに、民法の規定より随分短い期間を設けることの合理性が果たしてあるのだろうかということでここで検討してきたわけですけれども、私の感想ということで言いますと、必ずしも説得力のある合理性が伺えなかったかなと思っているところです。労基法が刑事的な側面も持った法律であるというようなこともヒアリングで随分お聞きしましたけれども、刑事時効と同じ法律に基づくものであっても、刑事時効と民事上の請求権の時効とを区別することはつくりとしては十分あり得るわけです。労基法が刑事的な制裁を要している部分があるからといって、民事時効をそれに合わせて短くしなければいけないということは必ずしも合理的ではないと私自身は考えました。そういうことで合理性があるのかなという、私は民法ですので、労働法のいろいろな状況とかもお聞きして合理性の有無を私なりに考えてみようと思ってはいたのですが、それは今までのところではなかなか伺えなかったかなという印象を持っております。ただ、1つ上げるとすると、従来2年でやってきたところをいきなり延ばすところについて、事業者側の負担をどういう形で軽減できるかということはある程度の配慮は必要なのかなとも思っているところです。ただ、もう一方で、ここにも書かれていますように、民法改正の施行期日がいよいよ来年の4月1日と迫ってきたところでありまして、そこの段階に至ってもこの問題がまだ不透明なままというのはやはり余りよろしくないのではないか。改正するにしても施行期日をこれに合わせることができるかどうかはまた別の問題なのですけれども、そこの段階まで不透明なままというのは労使双方にとって望ましいことではないのではないかなと気がしているところです。今、とりあえず①だけ言ったのですけれども、以下は後で。〇岩村座長 どうぞ続けておっしゃってください。〇鹿野委員 ②に関してはもう既に①で申し上げたところと関連するのですが、②③に関して民法上の規定は主観的起算点から5年、客観的起算点から10年というところなのですが、これに関しましてそれと同じように主観・客観の起算点をとって5年10年とするような考え方も1つはあり得るかもしれませんけれども、ただこれもここでお聞きしている限りにおいては、極めて例外的な場合は除いて、恐らく主観的起算点と客観的起算点というか、権利を行使することができるときとそれを知ったときはほぼ一致しているだろうということも伺いました。もう一つは、2ページの一番下にも書いてありますように、賃金債権についてはかなり大量的な形で債権の時効が問題となる可能性もある。もちろん労働者が多人数だからといって、同様に時効が問題になるかというと常にそうというわけではないかもしれませんけれども、だけれども同じような原因によって多数の労働者との関係で同じように債権の時効が問題となる可能性もあるのではないか。そのようなときに万が一の可能性として主観的起算点と客観的起算点がずれている可能性を一々チェックするのは紛争の早期解決というような観点からいっても余り望ましくないかもしれないと思いまして、今までお聞きした限りにおいては、客観的起算点は恐らくは主観的起算点と一致しているだろうという前提の上で客観的起算点から5年というあたりが穏当なのかなという印象を私自身は受けているところであります。あとちょっととばして⑦番の施行期日等についてということで、仮に労基法の115条の規定を改正することになったときに、その適用対象たる債権をどうするのかということが問題となろうかと思います。民法自体の改正の経過措置の考え方は、4ページの一番下の①でも書かれておりますように、労働契約の締結日を基準にするような考え方がとられているところです。それは債権の時効に関して、当事者は時効の対象であるところの債権が生じた時点における法律が適用されるだろうと予測し、期待するのが通常である。だから債権発生時が適用の基準時になるのだという考え方がまず大前提としてありまして、その上で契約に基づく債権はどうなるかというと、結局それは契約時になりますよというような考え方がとられているところであります。ただ、これについては賃金債権等についてどう考えるのかというのは私はいまだに定見を持っているわけではないのですが、1つ特別な施行期日についての②のような考え方をとることもあり得るのではないかとは思っておりまして、それは第1にやはり契約に基づく債権といっても労働契約の場合はかなり長期にわたって同じ使用者との間で労働契約を締結した上での労働をしているということが、全てにおいてではないでしょうけれども、かなり多いであろうという点の特殊性と、もう一点上げるとすると、民法でも債権の発生時と一律にしているわけではありませんで、例えば経過措置において不法行為による損害賠償請求権も債権の一種ですけれども、それについては被害者保護という観点から、その時点で従来の時効が完成していない以上、新法を適用するというような考え方がとられているところです。それは従来の除斥期間を時効にしたというところもそうですし、人身等の被害を受けたときの損害賠償に関する督促を改正民法では置いたのですが、そのような規定に関しても被害者保護という考え方を優先させるのだということで特別な経過措置を置いているところです。それと同じように言えるのかどうかというのはまた検討する必要があるのですが、ただヒントとしてはここでやはり労働者の保護を考えた場合に、民法の一般的な債権とは違った考え方もあり得るかもしれないとも考えているところです。とりあえず以上です。〇岩村座長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。では、安藤委員、どうぞ。〇安藤委員 ありがとうございます。私は①の1つ目のポツのところにあるとおり、「消滅時効期間を短くすることに合理性があるのであれば」というお話は非常に納得できる内容かなと思っております。また①の最後のポツのところの「多面的な観点から議論を尽くす必要がある」というのもそのとおりだと思います。企業実務または労働慣行等に大きな影響がありますので、きっちり考えないといけないというのはそのとおりだと思います。その観点から②の2枚目の3番目4番目あたりです。これまで経営基盤の弱い小規模事業者にとって過大な負担になるデータの保管であるとか、またこれは私も発言した論点だと思いますけれども、ルールが変われば企業における行動も変わるだろうという点です。これらについてはヒアリング等も通じて、この検討会の中でも具体的に例えば記録の保存にどのくらいの金額がかかるか等の、仮の数字ですけれども、そういうものが提示されたこともございました。こういうものについてここに出ているような小規模事業者で仮に民法に合わせて5年になったときにどれくらいのコストがかかるのかであったり、またその次のお話としてある労務管理の企業実務がどう変わるのか、ルールが仮に変わったとして、変わった後のそのもとで企業行動がどう変わるのかということもしっかり検討した上で、このルールのどちらを、どちらと2択でもないのかもしれないのですが、考える必要があります。現時点では両論併記のような形になっていますが、まさにここに書いてある多面的な観点から議論を尽くすというところで、ここにある程度具体的な数字が見えるような形になるまで検討しないといけないのかなと感じております。この検討会の射程というか、範囲がどこまでなのか、この論点出しをするところまでなのか、それともどちらのほうがふさわしいというような結論についてまで報告書に書くのであったら、まさに具体的な数字であったり、負担であったりについてもさらなる検討が必要かなと個人的に考えております。以上です。〇岩村座長 ありがとうございます。報告書のあり方で少しコメントがありましたけれども、その点で事務局はどのように現時点ではお考えかというのがもしあればお話しいただければと思います。では、課長、お願いします。〇長良課長 報告書といいますか、検討会の取りまとめの姿に関して、こちらとして今時点でかっちりとしたことを何か整理しているものではございませんので、今、安藤委員がおっしゃったような観点も検討の俎上に入れるという考え方もあり得るとは思っております。なのでそのあたりも含めてまたいろいろと御相談をさせていただければと思っています。〇岩村座長 では、鹿野委員、どうぞ。〇鹿野委員 安藤委員から多角的な観点から検討しなければならないという御指摘がありまして、それはまさにそのとおりであるとは思っているのですが、私はこの数字が果たして簡単に出せるものなのかどうかがよくわかっておりませんで、もちろん目に見えるような形で負担がこれくらい増大しましてとかいうのが速やかに出せるのであれば、そういうものがあったほうがよりわかりやすいとは思うのですが、だけれども一方で、その数字が明確に出せないと意思決定はできないということなのかどうかについては若干疑問も持っているところです。先ほど言いましたように、来年の4月1日から、あとちょうど1年後に民法の改正法が施行されるときにおいて、もう何年か先ということにはならないのかもしれませんけれども、それが明確な形で出せるまでは一切決められないということになると、それはいかがかなという気が、今後の進め方についてそういう印象を持ちました。もちろん私は既に厚労省とかが持っていらっしゃるようなデータ等からそういう数字が出せるのかどうかということについて余り承知しておりませんので、それを除いた仮想です。〇岩村座長 ありがとうございます。では、課長、お願いします。〇長良課長 先ほどの補足で申し上げますと、第1回の検討会の資料1に開催要項をつけております。こちらでは、検討事項といたしましては労働基準法第115条における賃金等請求権の消滅時効のあり方について法技術的・実務的な論点整理を行うという形で整理しております。したがいまして、安藤委員がおっしゃるような実務的な論点整理の中にいろいろなコスト面の検討を行うことも開催要項上は可能だということでございます。一方で、安藤委員がおっしゃるようなコストの問題は大部分実は使用者団体からの御意見だったかと思います。そうなってくると労働政策審議会とのすみ分けの問題もございますので、そのあたりにつきまして委員の御意見なども伺いながら、何かしらの検討会としてのまとめを行う際にはその前提についても整理した上で取りまとめていければと考えております。以上です。〇岩村座長 ありがとうございます。では、水島委員、どうぞ。〇水島委員 ありがとうございます。まず①に関しましては鹿野委員、安藤委員がおっしゃったように民法とは異ならせることの合理性の議論が必要になると思います。これまでの議論では民法と異ならせることの合理性について、確たるものは出てこなかったように私も思いますけれども、労働法の側からいいますと、民法に合わせることの必要性がどこにあるのかというところはもう少し考える必要があるのかなと思いました。2年から5年に変わりますと影響が大きいこと、また本日事務局から御紹介がありましたように、現行でも全ての面で民法より有利な形で設計されているわけではないこと、あるいは③の起算点にかかわりますけれども、賃金等請求権では主観的起算点と客観的起算点を一致させるべきではないかということは、結局のところ民法との違いを認めていくわけで、突き詰めていきますとなぜ労働基準法全体が民法に合わせなければいけないのかという問題になると思います。しかしながら、他方でこの状態をずるずると続けることは得策ではなく、鹿野委員もおっしゃったように民法改正の施行期日の段階ではどのようなものになるのかということを明らかにすべきと考えております。不透明なまま事態をこのままにしておくのは望ましくないと考えます。そうなりますと私も民法と合わせることの必要性が本当にあるのか、いろいろ申し上げましたが、恐らく結局は民法に合わせる方向に行くのが合理的ではないかと思っておりますけれども、どこまで民法に従って、またどの部分で労働基準法の独自性、特色を残さなければいけないかを整理して検討していくことになるのではないかと思いました。その際ですが、鹿野委員から不法行為で被害者保護の観点からの特則が置かれているといった御教示がありましたが、労働基準法ではどのような観点から例外的な部分を設けるのかということになるのかなと思いました。以上です。〇岩村座長 ありがとうございます。では、森戸委員、どうぞ。〇森戸委員 まず①については、結局出発点が民法のほうが原則で、それと違う合理的な理由を積極的に立証できなければ民法に合わせるのが筋でしょうと考えるのか、それとも逆に水島委員がおっしゃったように労働基準法で今2年なのを5年にしなければいけない理由は何かとどちらを出発点で考えるかで全然話は違うのですけれども、だからどこから議論するかという話なのでしょうが、素直に考えると民法が5年になるということで、なお労基法が2年にしておくべき積極的・合理的な理由とか特別な理由が何かあったかというのはまさにこの検討会でいろいろやってきたのでしょうが、確かにそれだと実務上厳しいよね、大変だという話はもちろんありましたが、必ずしもそれほど合理的な、これは2年でないとまずいねというのは出てこなかったような気は私もしています。これは私が検討会で前に言いましたが、5年3年4年ではだめなのかという決めごとみたいなところもあるのでなかなか理由づけは難しいですけれども、もし民法が5年でなぜこれと違うのですかという出発点で考えると、それを積極的に裏づけるようなものが出た感じはなかったかなと思います。何よりも安藤委員がおっしゃった実務上どういう対応コストがかかるのかということは大事ですけれども、これも既に皆さん御指摘がありましたが、検討会は検討会だから、検討会があって労政審があって決まるのでしょうけれども、その結論が民法施行まで1年になろうとしているのに出ていないことが一番実務上の対応を混乱させている気がしますので、本当はもっと早くここでも労政審でも議論して決めないといけないのではないか。それがむしろ実務上一番困っているのではないかと、そちらのほうが心配な、それが一番コストというか、対応を大変にしてしまっているような気がしています。それが一番思うことです。だから早急に話を進めなければいけないのではないかと思います。最後の⑦についても一言だけ、経過措置というか、仮に5年にした場合の話でしょうけれども、どこから適用するかという話で①が上に書いてあるのですが、私の感じだと②が賃金債権の特殊性と書いてありますが、同じことなのでしょうが、大卒とか高卒とか新卒で結んで30年も40年も続くかもしれない労働契約で、それこそ不完備契約とかそういうふうに呼ばれるように、長期的で継続的で内容が常に変わり得る契約なので、確かに契約を結んだときはこのときに結んでいて、これから何十年か定期的に賃金債権が発生するよということはもちろん織り込まれた契約なのだけれども、他方でむしろ契約としては日々働いて、今月働いてこの給料、今月働いてこの給料ということがずっと続いていく、その中身も変わっていく、労働義務の中身も賃金債権の中身も変わっていく契約なので、私としては②のほうがより自然な、労働契約の特殊性がある気がいたします。実務家の先生とかと話すと、経営側の先生でも①だと同じ会社でも時効がずれてきて、結構大変なことになるのではないかという意見を割と聞くのですけれども、それはそれでおいておくとしても、私は理論的にもといいますか、労働契約の特殊性からすると②のほうが自然な、労働契約はそういうものではないかなと、ちょっと感覚で申しわけないのですけれども、そういう印象も持っております。もちろん絶対的にどっちという、明確に支持というわけではないですが、賃金債権の特殊性、言いかえれば労働契約の特殊性が、労働契約のイメージにより合うのはどっちかなと考えたときに、そういう意見を持ったことを一言申し上げておきます。以上です。〇岩村座長 ありがとうございます。では、安藤委員、どうぞ。〇安藤委員 鹿野委員、水島委員からあったような民法の改正のタイミングに合わせるというか、そこまでに明らかにするということは私も必要だと思っております。当然いたずらに引き延ばそうという観点から多面的な検討が必要だと言っているわけではないわけでして、ただし私の理解ですと、労働法の改正は社会的なインパクトも大きいので、多くの場合まずは努力義務から始まって、大企業に適用され、中小には猶予があったりして、それで日本全体の企業、労使関係に適用されていくというステップを踏むことが多い中、詳細な検討を余りしないままに全ての企業に一律に適用する2020年に駆け込むような形はやはり問題があるだろうと思っての発言でありました。そういうわけで私が申し上げたかった多面的な観点から議論をというのは、ゆっくり議論をしようというわけではなくて、早急に議論しなければ、検討をどんどん進めていかないといけないのではないかというお話でした。なぜかといいますと、例えば保管コストについての実際の数字は忘れてしまいましたが、数千万円みたいな数字でしたか、何か使用者団体の方から御意見はあったかと思いますが、これはうがった見方をすれば、できれば長くしてほしくない使用者団体の立場から大き目に言っている可能性もあるわけです。その観点から独自の立場からきちんと数字を検討することが非常に大事であり、粗いものでもいいので、どのくらいの規模感、オーダーなのかということをある程度見た上でこれくらいのことが想定されます、それでやったほうがいいやらないほうがいいみたいな議論をしたほうがいいのではないかと、そこがすっぽり数字とかが抜け落ちたまま、例えば期間を短くすることに合理性があるとは我々は感じられなかったという結論だけだと、ではどういう検討をしたのですかという疑問が当然に湧くだろうと思っての発言でした。以上です。〇岩村座長 ありがとうございます。コストの面は確かに1つのポイントではあるのですが、他方でコストがかかるからそれはやめておこうと考えるのか、それともコストがかかるけれどもこれはやらなくてはいけないと考えるのかという、やはりそこのところの基本的な考え方の問題はあるように思います。もちろんそれは結局のところ議論している問題の重要性とかいったものによっても左右されることだと思います。今回のケースについていろいろ考えなければいけないのは、先ほど事務局からも紹介がありましたけれども、働き方改革関係の法改正が今後順次施行されていく中で、当然企業側も人事労務関係のシステムの改変であるといったことをこれからやっていかなければいけないときに、それと一緒にやれるタイミングでこちらもやるのか、それはさておきということでこちらはもう独自路線で行きますということにするのか、その辺も多分関係してくることだと思います。私も素人ですが、普通考えれば他のシステムの改変と合わせてやってしまったほうがコスト的には当然その分ある程度は安くなるでしょう。他方で改変点が大きくなるのでその分膨らむという点はありますけれども、一緒にやったほうが恐らく比較的安く上がるのかなとは思います。その辺のいろいろなこととの関係でコストの問題は考えなければいけないのかなと思います。もう一つ、確かに消滅時効をどうするかという問題はいろいろな側面を考えなければいけないということで、それはそのとおりかなと思うのですが、これは私の思うところですけれども、特に使用者側が言っているような賃金債権の特殊性としての大量にかつ継続的に定期的に発生していく点について、ではきょう挙がっているような各論点との関係でどう考えるのかというところが恐らく一番の大きなポイントなのだろうという気がしています。ですから例えば民法に合わせると考えたときに、賃金債権に絞っていえば、では主観的起算点を入れるのか、それとも客観的起算点だけにするのかというのもそこに関係してくることだと思いますし、それからもともと問題となるケースが一般的な賃金の未払いというよりはよく議論になったような残業代であるとか管理監督者という問題が絡んでくるというその辺も、ではそのときに各論点との関係でそこのところをどう考えるのかというのが問題になっている。今までは、それをある意味各論点ごとにばらばらにしつつ議論してきたのですけれども、最終的には全体としてどうそれを総合的にまとめて、どちらの方向に結論を持っていくのかということなのかなと考えています。ですから例えば客観的起算点に統一して、かつそうすると民法との関係でいえば、それを民法よりは短いけれども5年としておけば、未払い賃金の残業代の場合のようなときに主観的起算点を入れることによって起算点が揺れ動くようなことは逆になくなります。そういう意味では当事者間における法律関係の安定性は比較的早くもたらされることにはなるでしょう。したがって、最終的に経過措置をどうするかというところについても同じことかなと私は思っていて、済みません、森戸さんとは意見が違うのだけれども、どちらかというといわゆる賃金の基本権みたいなものが発生する契約締結時ということで合わせて起算点が揺れ動かないようにしておくほうが経過措置としても安定的なのではないかという気がしています。ただ、企業実務としては確かにばらばらにやると非常に大変なので、現実的には全労働者についてシステムとしては同じにしてしまうことになるのだろうと思うのですけれども、それはそれで企業がそれぞれ考えてやればいいことだと思いますから、そこまでをおもんぱかってこちらで考える必要はないのかなとは思っております。他方でそのほかもいろいろありました。年休はどうするのだときょう出ていましたが、それは多分賃金とは違う方向に当然行くでしょう。その他労働災害の災害補償請求権をどうするかという問題もある。しかし、それも賃金と本当に同じと考えられるのか、労災保険制度とのバランスをどうするのかという論点が他方であるので、それぞれの労基法上出てくる請求権ごとにその性質を考えながら決めていくことになるのかなと思っております。済みません、長くしゃべりました。ほかには何かございますでしょうか。森戸委員、どうぞ。〇森戸委員 経過措置の提案は意見が座長と違うのはわかりましたけれども、そうすると今のお話は仮に5年にしたとしても、これは今の2年からものすごく延びた、経営側としては大変な話でしょうと。確かに大変な話なのですが、そう見えるというか、そうなのだけれども、他方で民法ぞろいかというと、民法はそもそも客観10年主観5年ですよね。紛争の迅速な解決とかの観点で、そこはむしろ民法より短くしているのだよということになると、そういう意味では総合的に、だから言い方は変ですけれども、民法と並びだったら10年分のところを5年ですよというふうに言えなくもない、経営側の人に民法ぞろいよりは労働法的なことを考えてしたのですよということも言える。それから、年休なんかも別扱いしようかという話になっているし、経過措置もとか、だからトータルで見ればそれなりに労働法的な検討をされたとも言えるのかなという感じで聞いていたのです。〇岩村座長 うまくまとめていただいてありがとうございます。基本的にはそういうことかなと思っています。〇森戸委員 そういう意味では民法の半分ですよとも言えるわけです。〇岩村座長 そういう側面はあります。ですから、この検討会でのこれまでの議論の流れは、純粋に今回の民法改正をそのまま取り込んだものにしているわけではない。他方で労基法よりは長くするということ自体は事実、確かであるということだと思います。その上で今、申し上げたように、主観的な要素を入れたりすると残業代の場合などのところでいろいろ不安定なものが出てくるので、起算点については客観的な起算点をとるということで、また経過規定についても契約締結日をとることによって早期に、なるべく早く安定させましょうというものもそこで取り込んでいるということかなという理解であるということです。ほかにどうでしょうか。では、お願いします。〇坂本課長補佐 先ほど御質問をいただいておりました病気休職をした後の解雇の関係ですけれども、議事録を確認しましたところ、平成30年2月に開催した第2回の本検討会におきまして古川弁護士から御説明がありまして、読み上げさせていただきますけれども、会社の業務が原因で病気になった、だけれども労災の支給がない状態、そして休業していて賃金が払われていない、それで3年経過したときに休職期間満了ということで退職せざるを得なくなって解雇された、そうしますと最初の休業を始めてから3年を経過していますので、賃金請求権というよりはもしかしたら休業補償の関係かもしれませんが、3年経過していますので時効にかかって請求権が消滅してしまうという御相談を現実的にも受けているという旨の御発言をいただいております。〇岩村座長 ありがとうございました。水島委員、よろしいでしょうか。〇水島委員 はい。〇岩村座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでございましょうか。事務局のほうで何かありますか。よろしいですか。特にほかになければ、時間が早いですけれども、きょうはこのあたりまでということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。(委員首肯)〇岩村座長 ありがとうございます。それでは、今、事務局にもお伺いしたところ、特に追加してないということでありますので、本日の議論はここまでにさせていただきたいと思います。最後に、次回の日程などにつきまして事務局から御説明いただきたいと思います。お願いいたします。〇坂本課長補佐 次回第8回の検討会につきましては、現在、調整中でございますけれども、新年度が明けた4月以降、日程等が確定次第、御連絡させていただきます。〇坂口局長 済みません、こちらでお時間をいただきまして一言皆様への御報告と御礼の御挨拶でございます。これまで座長を続けていただきました岩村座長におかれましては4月から兼職ができない中央労働委員会の常勤委員になられる御予定のため、今回をもってこの検討会の委員を御退任されることとなりました。後任の委員につきましては、現在、事務局で調整をしております。岩村座長におかれましては、この検討会の発足の一昨年の12月以降本日に至るまで論点の整理等に大変御尽力いただきまして、まことにありがとうございました。大変お世話になりました。ありがとうございます。〇岩村座長 局長、大変御丁寧なお言葉をまことにありがとうございます。それでは、これをもちまして第7回「「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」を終了させていただきたいと思います。きょうは夜遅くまでお忙しい中を大変ありがとうございました。
2019.03.26

日産自動車の課長級社員だった男性の遺族が、同社に未払い残業代約524万円を求めた訴訟の判決が26日、横浜地裁であった。新谷晋司裁判長は、男性が残業代の支給対象外となる「管理監督者」に該当しないと判断し、約357万円の支払いを命じた。争点は、上司の指揮命令を受けずに特定の業務に従事するとされる「スタッフ職」だった男性が、管理監督者に当たるかどうかだった。新谷裁判長は「男性に重要な職責や権限が付与されていたとは認められない」と述べ、労働条件などが経営者と一体的立場である管理監督者には該当しないと判断。海外戦略を担当していた男性は支店長に相当し、管理監督者に当たるとした日産側の主張を退けた。(2019.3.26 時事通信)管理監督者性を争う場合の多くは会社側負け。
2019.03.26

奈良県御所市は私の生まれ故郷。祖父と親父が眠るお墓参りついでに、市内の神社仏閣散策へ。高天彦神社(祝詞に登場する高天原=葛城山説の地)~葛城一言主神社(古事記にも登場)~吉祥草寺(役行者生誕の地)。『日本霊異記』では、一言主と役行者の確執が伝聞されるも詳細は不明。吉祥草寺では御所市政60周年イベントが開催されていました。串こんにゃく、きな粉餅、猪汁、ベトナムコーヒー&ケーキ。なんと無料でいただけました。役行者さまと同郷とはなんとも畏れ多い。舞台に向かって左端は、今売り出し中の役小角奈ちゃん。
2019.03.24

ダイドードリンコ子会社ダイドービバレッジサービス(大阪市)の19都府県の営業所に勤める所長、副所長の管理職計97人が22日までに、残業代を大幅に減額されたとして、未払い残業代の支払いを求める民事調停を大阪簡裁に申し立てた。請求総額は4億円程度になる見込み。97人のうち、静岡県内営業所の所長ら2人は未払い残業代などとして計約1980万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に提起した。申し立てなどによると、同社は2013年ごろ、管理職に「みなし残業代制度」を導入。基本給に40時間相当の時間外手当を含む賃金規定の改定を行った。管理職側は、改定は労働条件が不利益となる内容なのに、労働組合への意見聴取や労働者への説明はなく、労働契約法などに違反し無効だと主張している。ダイドービバレッジサービスの話 訴状を見ていないのでコメントしかねる。今後も労働組合とは誠意をもって対応していきたい。(2019.3.22 時事通信)なかなか勇気ある行動です。管理監督者性を争った場合の多くは会社負け。裁判に移行しない方が双方にとって得策でしょうね。
2019.03.22

運送会社の運転手らが、事実上、残業代をカットしている賃金制度は違法だと訴えた裁判で、大阪地方裁判所は訴えを全面的に退けました。訴えていたのは、日本郵政グループの運送会社「トールエクスプレスジャパン」のトラック運転手ら16人です。訴えによると、運転手らの給与は基本給・歩合給・残業手当などで構成されていますが、「歩合給」は、残業手当を差し引いて支給しています。このため、運転手らは残業手当は支払われているものの、歩合給が圧縮されていることで、「事実上、残業代がカットされている」と主張。こうした賃金体系は法律違反だとして、会社側に約2200万円の支払いを求めていました。判決で、大阪地裁(内藤裕之裁判長)は、「会社の賃金体系は、労働の効率性を反映させる仕組みで、不合理なものとはいえない」として、訴えを全面的に退けました。「残業代が出ないのに、残業できます?詐欺のような賃金規則ではなく、もっと誠実に、プラスでいくような賃金規則に変えないと、会社の継続と繁栄は無いと思う」運転手らは、判決を不服として控訴する方針です。関西テレビによる報道。どのような賃金制度なのか気になる。舞台は高裁へ移る。
2019.03.20

カー用品店「オートバックス」のフランチャイズ店舗を運営する会社が、有期契約社員として十数年働いた従業員に、病気休職制度を認めず解雇したのは不当として、従業員の男性が解雇の無効などを求める訴訟を19日、東京地裁に起こした。正社員には支給される各種手当の支給も求めている。原告は東京都内でオートバックス5店舗を運営する「ファナス」(東京都港区)社員の田島才史さん(52)。訴状によると、上司からの嫌がらせなどから体調を崩し18年5月から休んだが、会社からは「非正規社員には休職制度がない」などと言われ、同年11月末に解雇されたと主張している。(2019.3.19 共同通信)そもそも休職には法的保護はなく、各社それぞれの制度を有している。多くの会社では非正規に認めていないと思う。この訴えはどうだろう。厳しいのではないか。無理があるように思う。と私の見立て。
2019.03.19

認知症などで判断能力が十分ではない人の生活を支える成年後見制度をめぐり、最高裁判所は18日、後見人には「身近な親族を選任することが望ましい」との考え方を示した。後見人になった家族の不正などを背景に弁護士ら専門職の選任が増えていたが、この傾向が大きく変わる可能性がある。同日開かれた制度の利用促進をはかる国の専門家会議で、最高裁が明らかにした。これまでは各家庭裁判所が親族らの不正を防ぐ観点から専門職の選任を増やしてきた。だが、制度の利用は低迷。こうした中で、国は2017年に利用促進の計画を策定し、見直しに着手した。利用者がメリットを実感できる仕組みに変える一環として、最高裁は今回初めて選任に関して具体的な考えを表明した。今年1月に各地の家庭裁判所に通知したという。最高裁は基本的な考え方として、後見人にふさわしい親族など身近な支援者がいる場合は、本人の利益保護の観点から親族らを後見人に選任することが望ましいと提示。また、後見人の交代も、不祥事など極めて限定的な現状を改め、状況の変化に応じて柔軟に交代・追加選任を行うとする。昨年6月~今年1月、日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会など専門職団体と議論を重ね、考えを共有したという。(2019.3.18 朝日新聞)ほんまかいな。それは裁判所が判断すること???専門職の不正は概ね3%台。親族後見人の不正が大半を占めている現状から専門職の方が望ましいと思う。
2019.03.18

官報にて確認。2回目の受験でようやく合格しました。社会保険労務士登録10年超での受験者は少数派。長らく労組専従役員をしていた関係で、土日中心の長期研修を受講出来なかったことが理由です。労組の出番は土日なので。“労働にかかわるトラブルが発生したとき、ふと思い浮かべるのが裁判です。しかし、裁判はお金も時間もかかります。また、裁判の内容は一般に公開されるので、経営者と労働者が互いに名誉や心を傷つけあう結果にもなりかねません。そんなときこそ、ADR(裁判外紛争解決手続)の出番です。ADRとは、裁判によらないで、当事者双方の話し合いに基づき、あっせんや調停、あるいは仲裁などの手続きによって、紛争の解決を図ります。”(全国社会保険労務士会連合会HPより引用)
2019.03.15

コンビニのフランチャイズ(FC)店主らの労働組合がコンビニ大手2社に団体交渉に応じるよう求めていた二つの労働紛争で、中央労働委員会は15日、店主は労働者とはいえないとして団体交渉権を認めないとの判断を示した。地方労働委の判断を覆すもので、中労委がコンビニ店主の労使上の位置づけについて判断を示すのは初めて。FC店主と本部の団体交渉をめぐっては、セブン―イレブンなどの店主らでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」が今月6日、24時間営業の見直しを求めてセブン本部のセブン―イレブン・ジャパンに団体交渉を求めたが、本部側は拒んでいる。中労委の判断はこの問題にも影響しそうだ。中労委が判断を示したのは、セブン本部とファミリーマートを相手取り、FC店主らが団体交渉を求めた二つの労働紛争。(2019.3.5 朝日新聞)今、なにかと話題が多いコンビニオーナー。この中労委の判断がFC業界に与える影響は甚大ですね。私も同じ考えです。実態は労働者に近いことは間違いないが、あくまでも独立事業主であり、一定の裁量権は認めらる。ところで、記事にある「地方労働委」という組織名称は今はないはず?記者もいい加減なもんやな。さて、舞台は裁判所に移る。やや大げさかも知れないが、戦後の一大論争に発展することは必至。まだまだ目を離せない。
2019.03.15

厚労省が「改正労働基準法に関するQ&A」を公表。2019年4月~順次施行の「働き方改革関連法による労働基準法の改正」に関する重要事項が記載されている。1 フレックスタイム制関係2 時間外労働の上限規制関係3 年次有給休暇関係4 労働条件の明示の方法関係5 過半数代表者関係6 その他https://www.mhlw.go.jp/content/000487097.pdf
2019.03.13

過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博弁護士らは十一日、東京都内で記者会見し、過重労働の労災認定を巡って各地の労働局が、労働者の労働時間を過少に算定し、不支給とするケースが今年に入り相次いでいると訴えた。車を運転して出張した際の移動時間や会社経費での接待など、従来なら労働時間に含めていた社屋外での労働が認められにくいという。働き方改革の一環として、罰則付きの残業時間の上限規制が、四月から大手企業で適用となる。川人弁護士は「行政によって過少な労働時間認定が行われれば、長時間労働の実態が隠蔽(いんぺい)され、上限規制の取り締まり対象から外れてしまう」と批判した。同連絡会議は例示として二〇一六年五月に出張先のホテルで死亡した横浜市内のクレーン車販売会社の男性社員=当時(26)=のケースを公表した。男性は今年二月、労災不支給となった。男性は甲信越や中部など十数県の営業を担当。社有車で移動し、ホテルに泊まりながら取引先を回ったが、移動時間の多くは労働時間と認められなかった。死亡二日前には首都圏から静岡や三重に出張。遺族側は、朝出発してから夜にホテルでパソコンを使うまで約十四時間の労働を主張したが、労基署は四時間二十分しか認めなかったという。遺族は月の残業を最長で約百六十八時間と訴えたが、認定は五十二時間にとどまった。千葉県の建設会社の支店長が一七年に死亡し、今年二月に不支給となった事例では、会社の経費で行った接待や取引先の通夜への参列が労働時間から除外された。(2019.3.12 東京新聞)報道とは真逆ですが、本日、労災案件の内容証明で某社より相談あり。相手方が代理人委任済のため、弁護士マターで進めることに・・・。 か
2019.03.12

千葉労働基準監督署(堀内利男署長)は屋根から労働者が墜落死した労働災害で、北島塗装店(千葉県四街道市)の個人事業主を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで千葉地検に書類送検した。労災は平成30年11月30日に、同県市原市内の2階建てアパートで発生した。労働者が屋根の塗装をしていたところ、屋根と足場の間に落ちた。屋根と足場の間が足場板でつながれておらず、墜落の危険があった。足場板は経費を理由に設けていなかった。後日追加工事したところ、費用は数万円だったという。(2019.3.8 労働新聞)労働新聞。頑張っている新聞社のひとつに挙げたい。社労士にもファンが多い。私が書記長時代に労組で購読し、大変勉強させていただいた。本記事もどこから入手するのか知らないが、素晴らしくローカルネタ。
2019.03.08

政府は8日、職場などでのハラスメント(嫌がらせ)を規制し、働く女性の活躍推進を中小企業にも拡大する一括法案を閣議決定した。ハラスメントが許されない行為であることを明記し、企業にパワハラ防止の取り組みを義務付けることが柱。今国会で成立した場合、早ければ2020年度から順次施行される。政府は施策を総合的に進めるため、関連する法律の改正案を束ねた。このうち労働施策総合推進法には、職場の上下関係などを背景としたハラスメントを「行ってはならない」と明記。罰則によって行為自体を禁止することは見送ったが、理念を示して抑止につなげる狙い。(2019.3.9 共同通信)これまでパワハラを直接的に規制する法律はない。今後、就業規則の変更等の対応が必要となる見込み。企業側は「指導との線引きが難しい」との理由から反対した経緯があり、今回も中途半端な内容と言わざるを得ない。もう一歩踏み込んで欲しいところです。来年の春闘では(要求事項ではなく)確認事項のひとつになると思われる。法が改正されても、なお対応しない企業が多く存在するため。特に中小企業で顧問社労士がいない場合は、平気で「なにそれ?」ってなる。私が書記長時代、会社に就業規則で規定することを要求し、先んじて対応済み。
2019.03.08

定年前と同じ仕事をしているのに基本給を半額に下げられ、ボーナスが支給されないのは、正社員との待遇に不合理な格差を設けることを禁じた労働契約法違反だとして、塗料製造会社「桜宮化学」(大阪市都島区)の嘱託社員の男性2人が8日、同社に計約930万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。訴状によると、2人は60歳を迎えた平成29年に定年退職。翌日から嘱託職員として再雇用された。定年前と同じ仕事に従事しているが、定年前の基本給約38万円は再雇用後に半額になり、ボーナス支給されなくなった。2人は基本給半減とボーナス無支給は違法と主張。過去の判例などから定年前の8割は支給されるべきだとして、差額を支払うよう求めている。原告らは提訴後の会見で「似たような労働条件で働いている人はたくさんいると思う。裁判所にいい判断を出してもらい、多くの仲間の希望にしたい」と話し、代理人の森博行弁護士は「正規・非正規の格差だけでなく、定年後の問題も放置できない」と述べた。(2019.3.8 産経新聞)難しい課題ではあるが、40~50代のパフォーマンスとは明らかに異なる。賃金格差は容認されるべき。ではないかと思う。実際、弊社OBGを見るかぎり、異論はない。
2019.03.08

ほとんど報道されていない。まだまだですな~
2019.03.06

一部の加盟店オーナーで組織するコンビニ加盟店ユニオンがセブンイレブン・ジャパンに対して、短縮営業の実験について団体交渉を申し入れた。同社は「オーナーとは労使関係にはない」として回答を拒否した。 わが町のセブンイレブンは深夜はガラガラ。社名通り7時~23時で十分だと思う。
2019.03.06

連合が「法科大学院教育および司法試験制度改革に対する談話」を公表。選択科目(労働法・倒産法・知的財産法・経済法・租税法・環境法・国際公法・国際私法から願書提出時に選んだ任意の1科目)の労働法が外れることを危惧しているのか。連合が司法試験に言及する意味がよく分からない。多様化する労働の現場を踏まえれば、専門分野の重要性は高まっている(抜粋)今日、労働の現場でも、紛争の内容は多様化、複雑化している。ハラスメントや差別などのトラブルの増加や、技能実習生など日本で働く外国人労働者に対する法違反も多発している。また、労基法改正や同一労働同一賃金の法整備など、社会の変化に合わせた改正が毎年のように行われている。労働紛争の公正で適正な解決は急務であり、そのためには労働法に通じた法曹を養成することは社会の要請である。多様化する社会において、専門分野の重要性が一層高まっていることに鑑みれば、今回の改革に伴って司法試験受験までの期間が短縮されることにより、将来的に司法試験の選択科目が廃止されるようなことがあってはならない。国民生活に大きな影響を与える課題であり、国民的議論により合意形成を行うべきである。
2019.03.05

九州保健福祉大薬学部の元助教ら4人が大学から不当な「雇い止め」を受けたとして地位保全を求めたことに対し、宮崎地裁延岡支部が4人の雇い止めを無効とする仮処分決定をしたことがわかった。仮処分を申し立てたのは30~40代の元助教の男女3人と、30代女性の元助手。申立書によると、元助教3人は3年目と7年目、元助手は2年目の契約更新を控えていたが、2017年12月から18年1月にかけて大学側から4月以降は契約を更新しないと通告された。延岡支部の決定は、教員の間では契約期間の上限は助教10年、助手6年と認識されていたと指摘。「契約更新を期待する合理的な理由が認められる」として、今回の雇い止めが労働契約法に反すると判断した。元助教3人には雇い止め以降の賃金仮払いも認めた。決定は今年2月22日付。争いの中で、4人は「雇い止めは、薬学部の男性教授によるセクハラ被害を訴えたことに対する報復だった」と主張した。元助手は大学院生だった16年9月~17年2月、研究室の50代教授に強引にキスされるなどのセクハラ行為を数回受けた。元助手と、被害を知った元助教の女性はセクハラ被害を大学に告発。大学はセクハラがあったと認め、18年1月、教授を停職1カ月の懲戒処分にした。(2019.3.3 朝日新聞)真相は不明だが、大学側は助教にも博士号の取得を求めていたようだ。セクハラを受けたとされる2名は学士、他2名は修士。この辺りに雇止めの原因があるのかも知れない。大学が淘汰(殊にFラン)されていく中、若手研究者の置かれる立場はますます厳しくなるだろう。
2019.03.03

製薬大手エーザイの部長だった50代男性が2016年に自殺したことに対し、天満労働基準監督署(大阪)が、部長昇進に伴う仕事量の増加や月100時間超の時間外労働(残業)による強いストレスが原因の過労自殺だったとして労災認定したことが2日、分かった。認定は2月18日付。遺族側は、昇進直後の長時間労働や亡くなるまでの8年間で8千時間超の残業があったと申し立てたが、労基署は昇進後の長時間労働だけで労災に該当すると判断。8年間の労働実態については判断を示さなかった。男性は「管理監督者」として扱われ、残業時間制限がなかった。(2019.03.02 共同通信)過労死の労災認定基準となる過労死ライン超えが約100カ月のうち56カ月に達したと遺族は指摘。長期間の過重労働で自殺に追い込まれたと訴えた。男性は「管理監督者」として扱われ、残業時間制限がなかった。私と同世代。名ばかり管理職多し。労働時間が自由に決められるはずもなく、マクド事件の教訓が活かされていない。
2019.03.02

北九州市は28日、区役所で宿直業務をした嘱託職員の仮眠時間を賃金が発生しない休憩時間とみなし、労働時間に算入していなかったため、2年間で計5300万円の賃金が未払いになっていたと発表した。北九州西労働基準監督署から昨年12月に是正勧告を受けていた。市によると、労基署の調査で、昨年7~9月に八幡西区役所で宿直勤務をした3人について、時間外や深夜の割増賃金が支払われていないと指摘を受けた。市は、宿直中の8時間の仮眠時間は労働時間とみなしていなかったが、職員は仮眠時間中に市民からの問い合わせがあれば対応しているため、労基署は休憩時間とみなさなかったという。市がほかの区役所も調べたところ、未払いの職員は計26人にのぼり、労働基準法でさかのぼって請求できる2年分について、当時の最低賃金を元に割り増し分などを算出したという。(2019.3.1 朝日新聞)有名どころは大星ビル管理事件(平成14年2月28日最高裁判)、最近ではイオンディライトセキュリティ事件(平29年5月17日千葉地判)など。労働時間性を否定したものに、ビソー工業事件(平成25年2月13日仙台高裁判)など。
2019.03.01
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