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2011.08.20
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カテゴリ: ドラマ


原作 横山秀夫  監督 佐々部清  主演 寺尾 聰

 最初に断っておきますが、原作の小説は読んでいません。映画を見ただけの批評です。また、言いたいことが結末にかかわることなので、ネタばれしています。ご注意を。
 なお、「半落ち」とは、警察用語で、犯行を自供しているが、重要な事柄を語らず隠していることをいいます。一部自供ということですね。ちなみに、自供することを「落ちる」と言い、すべて自供することを「完落ち」と言います。

 結論から言います。泣けました。いい映画です。特に、主役の寺尾聰さんと、被害者の姉役の樹木希林さんに泣けました。

 警察官の梶総一郎(寺尾聰)が、3日前妻を殺した、と自首してきます。梶は、アルツハイマー病の妻に殺してと頼まれたためという動機、白血病で息子を亡くしていること、殺害状況などは隠さず自供し、簡単な事件かと思われましたが、自首する前の2日間の行動をどうしても自供しません。
 警察は、梶のコートのポケットから新宿歌舞伎町の店のティッシュを見つけたが、全く自供しない梶に、死に場所を求めてさまよっていたということを言わせて、単純な嘱託殺人ということで、調書を作成し、検察に送ります。
 検察は、この調書が捏造であると考え、取り調べるが、やはり自供しません。新聞記者が調書の捏造を聞きつけ、梶が新宿へ行っていたことを嗅ぎつけますが、検察は、ほかの事件での検察官の不祥事と交換する形で、捏造は不問にし、取り調べを終えます。
 マスコミが「空白の2日間」について騒いでいる中、被害者の姉の依頼という形で雇われた弁護士にも、梶は自供しません。また、警察は、梶の息子が骨髄移植のドナーが見つからず亡くなっていたことから、梶夫妻がドナー登録をしており、梶が骨髄移植でひとりの少年の命を救っていることを突き止めます。

 新聞記者は、梶がドナー登録をしていたことを刑事に教えられ、梶が骨髄移植で救った少年の新聞投書が存在し、それを梶夫妻が知っていたことを突き止め、弁護士と検察官にも知らせます。
 裁判の2日目、弁護士も検察官も、「空白の2日間」に新宿歌舞伎町のラーメン屋にいる少年に会いに行ったのではと、骨髄移植は50歳までできるので、もうひとり救いたいと思って自殺しなかったのではと、梶を問い詰めますが自供しません。
 判決は求刑通り4年の実刑判決で、執行猶予はありませんでした。その帰り道、梶は、刑事に伴われたラーメン屋の少年の姿を見かけます。

 「空白の2日間」、梶は首をつって自殺しようとしましたが、ふと妻のノートが目にとまり、ノートに貼られていた新聞の投稿記事を見つけます。そして、そのノートを義姉に託し、新宿歌舞伎町のラーメン屋の少年に会いに行っていました。その上、臓器移植によって、命を救えることを思い出し、移植期限の50歳までに、まだ救えるかもしれないと、自殺を思いとどまるのです。

 そのことを、なぜ梶は言わなかったのでしょうか。
 それは、少年のことを思いやってのことでした。梶が告白すれば、マスコミが少年のもとに殺到することは目に見えています。中には、犯罪者の骨髄をもらった少年ということで後ろ指さすものもいるかもしれません。そうした状況を避けたかったのでしょう。
 劇中に、被害者の姉や弁護士にマスコミが殺到する場面が出てきます。そのTV放送を見ていた弁護士の娘が、「お父さんいじめられてるの?」と涙ぐむ描写も出てきます。
 この映画は、相手の状況を考えず、興味本位で取材合戦に躍起になっている、そういった現在のマスコミの姿勢を糾弾したかったのかもしれません。

 弁護士は、執行猶予をつけたがっていました。そのため、骨髄移植の件を追求しました。しかし、梶は黙秘を通しました。そのため、骨髄移植の件は事件と関係ないことになり、「空白の2日間」については分からないまま、裁判は結審し、実刑となりました。アルツハイマー病の看護から逃げ、命を奪ったことももちろん加味されてのことですが。

 淡々とした静かな雰囲気が流れる中、芸達者な役者さんが勢ぞろいで、現代的なテ-マを追求した、よい作品でした。

しかし、ちょっと気になった点も少しあります。

 また、必要のない豪華キャストも気になりました。島田久作さん、高嶋玲子さん、笹野高史さん、奥貫薫さん、田辺誠一さん、これらの役はもっと無名の出演料が安い役者さんでもよかった気がしますが。無名だけど、しっかり演技ができる役者さんがいるはずです。

 余談ですが、柴田恭兵さんが抑え気味の静かな演技ができる方とは思いませんでした。失礼しました。





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Last updated  2011.08.21 03:26:09 コメント(1) | コメントを書く
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