わたしのこだわりブログ(仮)

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2015年10月20日
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ミュンヘン(München) 3 (ラートハウスの仕掛け時計)

新市庁舎(Neues Rathaus)
カリヨン(carillon)とグロッケンシュピール(Glockenspiel)
ラートハウスの仕掛け時計

市庁舎(Neues Rathaus)の時計塔(下から)
pict-ラートハウス 30.jpg

いくつかあるゲートの上には必ずバイエルンの紋章である僧侶が装飾されている。
pict-ラートハウス 15.jpg
上は時計塔の下のゲートであるが、この塔に昇る為のゲートはここではない。

pict-ラートハウス 16.jpg
時計塔は鐘楼の中程に位置している。   Tower・・の部分が展望階の部分

ところで前回、 このラートハウスは 1867年~1908年の建築と紹介したが 、実は 2期に分けられて建築されている。
東部(写真右)側が1867年~1874年にレンガ造りで建てられ、塔のある西部(写真左)側が1899年~1908年にわたって建築されている。

建築としては、フランダース地方の市庁舎を手本にしているそうだ。

塔の高さは85m

pict-ラートハウス 17.jpg
pict-ラートハウス 18.jpg

塔のトップにはやはりバイエルンの修道僧がいた。(肉眼では見えません。)
pict-ラートハウス 19.jpg

ちゃんと鐘のカリヨン はついているようだ
pict-ラートハウス 20.jpg
鐘は全部で43個。総重量7トンあるそうだ。


カリヨン(carillon)とグロッケンシュピール(Glockenspiel)
たくさんついた鐘を鍵盤で操作して音を鳴らし演奏するカリヨン(carillon) は前にブルージュで紹介しましたが、( 2014年3月「ブルージュ(Brugge) 3 (鐘楼とカリヨン)」)、
その 鍵盤(バトン)部分が無くなり、直接鉄筋をたたいて音を鳴らす(カリヨンの簡易式)に発展したものが、ドイツのグロッケンシュピール(Glockenspiel )のようです。

※ そもそも当初は、鍵盤はあったらしいが、壊れたのでその行程を飛ばして金属棒をたたく事になったらしい。それ 故、グロッケンシュピールは鍵盤打楽器に分類されるようだ

しかし、鍵盤打楽器としては、鉄琴やベルリラに相当するようであるが、当初のカリヨンやそれを用いた仕掛け時計なども今 はグロッケンシュピールとして括(くく)られているようだ。

新市庁舎の時計塔にあるグロッケンシュピール(Glockenspiel)は、鐘とからくり人形と時計の付いた複雑なもの。
※ 市の説明書が無いので今現在の動力は不明。

pict-ラートハウス 21.jpg
時計の上の部分が展望台。360度ぐるりと見わたせる。
※ こう見えてエレベーターが設置されていて上までいける。


それにしても最初から市役所として建てられているのに・・フランボワイヤン調である。

古く見えて建設されたのは 1867年~1908年とかなり新しい。
エッフェル塔だって1889年には存在していたのだから、たぶん中には鉄骨が入っているはず。
ネオ・クラシックと言うが、実はわざと歴史があるように古い意匠で造った・・と言った方が正しいのかもしれない。
その為か?  建物に多数据え付けられている装飾のオブジェにビクトリア時代の怪物の趣向が見えるのだ。
pict-ラートハウス 31.jpg

上はラートハウスの正面左の角。別の回にまたいろいろ紹介します

からくり人形のステージ部分
pict-ラートハウス 22.jpg
カラクリ人形のステージは2段に別れていて、それぞれテーマが違う。

ラートハウスの仕掛け時計
上段は1568年に行われたバイエルン公ウイルヘルム5世(Wilhelm V)と公爵令嬢レナーテ・フォン・ロートリンゲン(Renata von Lothringen)との婚姻を記念して行われた馬上槍試合が再現されている。

それにしてもなぜ400年前の彼なのか?
前ケルン選帝侯がプロテスタントに転向して内乱を起こしたことからウイルヘルム5世はカトリックを死守してバイエルンに対抗宗教改革を起こしている。またケルン選帝侯をヴィッテルスバッハ家の世襲としたり、カトリックの大学を創設したりと尽力している事から英雄視されていたのだろうか?

下段は桶屋のダンスである 。延々とクルクル回るだけなのでストーリー性は無い。
内容についてはいろいろ異なっていてはっきり解らないがペストが猛威を振るっていたさなかも桶屋が踊りを踊り続けた・・と言う話に由来しているようだ。
ただ桶屋がビール樽を造る桶屋と言う説もあるし、棺桶屋だと言う説もある。

人形はほぼ等寸で、青銅製、1体75kgあるそうだ。
pict-ラートハウス 23.jpg
口上とラッパが吹かれ槍試合は開始される。
pict-ラートハウス 24.jpg

pict-ラートハウス 25.jpg
青白の馬がバイエルンで赤白の馬がートリンゲンを表しているらしい。
すなわち青と白側がバイエルン公ウイルヘルム5世(Wilhelm V)であり、赤と白側が公爵令嬢の出身ロートリンゲンを表している。

pict-ラートハウス 26.jpg

pict-ラートハウス 27.jpg
青白側のバイエルンが勝ち赤白側の騎士は倒れる。
pict-ラートハウス 29.jpg

先に紹介したようにただ回っているだけなのである。
一説には神に感謝し市民をはげます為にこの踊りはあり奉納されいるらしいのだが、総じて意味が良くわからない。
もしかしたらラートハウスの地下にはビールを飲む酒場が存在するので、ビール職人が陽気に踊っているところかもしれない。
pict-ラートハウス 28.jpg

つづく
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リンク ​ ミュンヘン(München) 1 (街の起源とノイハウザー通り)
リンク ​ ミュンヘン(München) 2 (ラートハウスとマリエン広場)

リンク ​ ミュンヘン(München) 4 (ラートハウスの塔)
リンク ​ ミュンヘン(München) 5 (ラートハウスのレストラン)
リンク ​ ミュンヘン(München) 6 (ラートハウスの装飾 リンク
リンク ​ ミュンヘン(München) 8 (レジデンツ博物館 1)
リンク ​ ミュンヘン(München) 7 (悪魔の足跡)
リンク ​ ミュンヘン(München) 9​​ (レジデンツ博物館 2 グロッテンホフ)
リンク ​ ミュンヘン(München) 10 (レジデンツ博物館 3 聖遺物箱)
リンク  ミュンヘン(München) 11 (レジデンツ博物館 4 宝物館の宝冠)

他関連
リンク ​ アルテ・ピナコテーク(Alte Pinakothek) 1
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Last updated  2022年01月08日 02時58分43秒
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