わたしのこだわりブログ(仮)

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2015年12月29日
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ミュンヘン・シリーズのBack numberをラストに入れました。


ミュンヘン(München) 9​​
(レジデンツ博物館 2 グロッテンホフ)

レジデンツ(Residenz)
グロッテンホフ(Grottenhof)
グロット(Grotto)とグロテスク(grotesque)
キュビリエ劇場(Cuvilliés-theater)

グロッテンホフ(Grottenhof)
案内図で 洞窟の中庭(Grotto Courtyard)前にある回廊がグロッテンホフ(Grottenhof) だ。
「何でこんな物を作ったのだ?」と誰もがきっと思うだろうグロイ奇っ怪なオブジェが並ぶ。

しかもそれは無数の貝殻で作られた代物だ。
グロテスクと言う言葉はここから生まれたのではないか? と思ったものだが、調べて見ると、案外それは的外れでは無かった事が解った。びっくり

1722年頃?
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ヴィルヘルム5世(Wilhelm V)(1548年~1626年)の命で建築が始まったとされるこの グロテスクな回廊は前回紹介したアンティクヴァリウム(Antiquarium)の改築とほぼ同じ1581年から1586年頃作られたようだ。
設計はこの宮殿を建てさせたデューク・アルブレヒト5世(Duke Albrecht V)の芸術顧問、フリードリヒ・ズストリス(Friedrich Sustris)。

今は回廊のオブジェのみの見学であるが、上の絵のように中庭にはイタリアルネッサンス式の庭園が造られていたらしい。

一番の目玉になるオブジェ
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かつてはここから水が湧いていて、ちょっとした水飲み場にもなっていたのかもしれない。
金の像はオリンポス12神の一柱ヘルメス(Hermēs)である。ローマ神で言えばメルクリウス(Mercurius)である。
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デザインはイタリア・ルネッサンス式と書かれているが、モチーフはローマの詩人オウィディウス(Ovidius)(BC43年~AD17年)の変身物語「メタモルポーセース(Metamorphoses)」を元に考案された。
・・と解説されている。  (・・が、どこが変身か良く解らなかった。)

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ほぼ全てが貝殻で作られている。
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なぜ貝殻なのだろう? ぶっちゃけ、ちょっと気持ち悪かったです しょんぼり
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グロット(Grotto)とグロテスク(grotesque)
レジデントの地図では洞窟の中庭(Grotto Courtyard)と記されている。
つまりこれらオブジェは洞窟(Grotto)を意味している。

どこが洞窟か? と言う疑問がわくのだが、実は 設計者は メタモルポーセース(Metamorphoses)と言うよりは、 ドムス・アウレア(Domus Aurea)からこれを発想したのではないか? と思われるのだ。

ドムス・アウレア(Domus Aurea)は古代ローマ帝国第5代皇帝ネロ(Nero)(37年~68年)が建設した黄金宮殿 であり、その建設はローマ大火の後の64年頃。

再発見された1480年頃には地下に一部しか残っていなかったものの、 芸術に造形の深かった古代ローマのネロ帝の屋敷。
ラファエロさえもここの存在を知っていたと言うように 多くの芸術家がドムス・アウレアを訪れ、学び、ルネッサンス芸術のインスピレーションを得たと言われている。
( 発見されたドムス・アウレア自体が洞窟のような地中にあったらしい。)

星そもそもルネッサンスは「再生」とか「復活」と言う意味ではあるが、古代ギリシャやローマを礼賛した復活と再生なのだ。
(ドムス・アウレアは、ルネッサンスを起こした要因と考えてよいのかもしれない。)


ここの設計者フリードリヒ・ズストリス(Friedrich Sustris)もまたドムス・アウレアに啓発されたのでは? と思われる。(ルネッサンスを意識した点。また ドムス・アウレア詣での時期が一致している。)



ところで ドムス・アウレアの装飾は 大理石やローマン・コンクリート、モザイク等を使った贅沢な海辺のヴィラ だったらしい。
また動植物や人物など過度の装飾がほどこされた壁の図柄は、当時のルネッサンスの画家達が大いに模倣 したと言われている。

先に紹介した ラファエロはヴァチカンを監修した時にこの古代のグロット(Grotto)から発見された図柄をヴァチカン宮殿で使用し、グロテスク装飾が完成 した。
(因みに 現在のグロテスク装飾と言われるものは本来のグロテスク模様とは遠い。)

つまり 奇抜で奇妙で奇怪。おぞましい不調和を指す形容詞となったグロテスク装飾を最も端的に表現しているのがグロッテンホフ(Grottenhof)の装飾と言える

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キュビリエ劇場(Cuvilliés-theater)
レジデンス内にある劇場である。

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礎石は1750年。1753年完成。
バイエルン選帝侯マクシミリアン3世(Maximilian III)の命で フランソワ ・デ・ キュビエ(François de Cuvilliés )親子によって建てられた。
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壮麗なロココ様式のキュビリエ劇場
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マクシミリアン3世は自身も作詞作曲するなど音楽を楽しんだ人らしいが、職を求めてやってきたモーツァルトを追い返したと言われている。

入り口の柱の彫刻
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次回レジデンツ


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リンク ​ ミュンヘン(München) 8 (レジデンツ博物館 1)
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他関連
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Last updated  2022年01月08日 03時07分08秒
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