2005.07.07
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さて、今日の新潟は大雨。雷まで鳴ってる。
なので、しっとりと回想記の続きを書こうと思った(笑)

手術の傷が回復すると、とたんに元気が出てきた私は、「なんで抗がん剤なんてうたなきゃねーんだ」とまで思い、主治医のドクターに交渉した(爆)
「せんせー、きっとあたしの身体に悪い細胞なんてないですよ。なんかそんな気がするんですよ。せんせーの手術が完璧だったから、もう治ったんですよ。だから家に帰らせてくださいっ(笑)」
もちろん答えはノーだ(爆)
「医者を信頼して、治療を受けてください。完全に治って欲しくて治療するんですから」

こうして振り返るとバカみたいだが、その時は真剣だった(笑)
このように、尋常の精神状態でなくなっていくのが人間の現実だ。
6号室は明るく元気だったが、皆全員、人間の現実と戦っていた。それは夜になるとわかる。

それぞれが死の恐怖、家で待っている家族への心配、恋人に捨てられるのでは・・・、子供が出来ない身体になって夫に捨てられるんじゃないか・・・etc
悶々とのたうち回る。

私と一番仲良しになった隣のベッドの彼女は、同い年。
バツイチで連れ子をしてご主人と結婚した。
彼女はご主人をとても愛していて、彼との間にどうしても子供が欲しかった。
子宮外妊娠による卵管破裂。片卵巣を失った。

皆苦しんでいた。
婦人科病棟ならではの心の呻きを感じた。

私は夜眠れない時、ノートに祈りの言葉を書き綴った。

当時、医療の現場では、ほとんど癌を告知することはなかった。
インフォームドコンセプトとかセカンドオピニオンとか、無かった。存在していたのだろうが、私には無かった。医者の言うとおりにするのが治る道だと思っていた。

一年生のドクターたちが、教授の顔色を見ながら患者一人一人のベッドの上にカルテを置いて準備する。
あたしは、ドクターたちに気づかれないようにこっそり自分のカルテを覗いた(笑)
英語で書かれているところってさ、なんとなくあたしでもわかるじゃんさ(笑)
腫瘍レベル(ステージ2のB)
これってさ、かなり悪いじゃんさ。(14年前だからね)

そしてその夜、一年生のドクターを捕まえて、挑んだ(笑)
「せんせい、もしね、あたしの命の期限や時間が限られていたら、治療より、子供たちと過ごす時間のほうが大切なんですけど。どうなのよ?死ぬのかよ?教えろよ!!」
「あたしんっちのお姑さんね、延命治療しただけで、苦しそうだったよ。ほんのちょっと命が長くなったって、ベッドに括り付けられて食べたい物も食べれないで、そんで死んじゃったよ。最後はモルヒネで幻覚見て、その幻覚はバナナの皮むいたりしてる幻覚だったよ。あたし、そんなのいやだからね!!はっきりせいや、おりゃw」

命がかかった時の番長である(爆)

ドクターはあたしが真剣だということをわかってくれた。
そして、誠実に冷や汗を流しながら応対してくれた。
6号室の皆が見守っていた。
ドクターは「カルテを確認してきます。少し時間ください」と言い、しばらくすると戻ってきてこうおっしゃった。
「治療を受けてください。抗がん剤治療の他にまりーさんに用意しているリンパ球の治療、これは苦痛を伴わない点滴だけですし、副作用もありません。今、まりーさんの身体から摘出した卵巣からリンパ球を培養している最中です。抗がん剤は延命のためではありません。身体の中から完全にがん細胞を無くすためにしています。ですから、信頼して治療を受けてください」
私はこのドクターの対応によって、ものすごく安心を得た。
この先生、いい医者になるだろうな~って思った。
誠意が伝わってきた。
大学病院はヘンな医者もいっぱいるがいい医者もいっぱいいた(笑) 医者と患者も、最終的には人間と人間同士だということをこの時またまた体験した。

この出来事を機に6号室独自のインフォームドコンセプトが始まった(笑)
教授や主治医(いわゆる上のほうのドクターたち)では話にならないので(笑)
ターゲットにされたのは一年生のドクターたちだった(笑)

今、考えると、あたしたち6号室って、ドクターのいい勉強になる教材だったんじゃないかな~(笑)
きっと、あたしに対して誠実に対応してくれたあのドクターは、今頃、いいドクターになって活躍してるだろうな~。

ある日、個室に入院していた若い女性が亡くなった。
ショックだった。
彼女の姿を見たことはなかった私だが、6号室の私より前から入院していた人が教えてくれた。
その亡くなった方は、看護婦さんだったらしい。
子宮頸がん。
彼女は医学に携わっていたがゆえに、自分の状態をよくわかっていて、とても苦しんでいたという話を聞いた。
そして、これも聞いた話ではあるが、彼女の彼氏はドクターだったらしい。個室から、彼女の慟哭の叫びが聞こえたと、6号室の人から聞いた。
彼女は彼氏に向かって叫んでいたそうだ。
「あんた、医者だろ、お願いだよ、治してくれよ、医者だろ、助けてくれよ」
そう叫んでいたらしい。
その話を聞いたとき、胸がつぶれそうなほど心が痛んだ。
人事ではなかった。明日はわが身。
彼女が亡くなったその日、6号室の全員が落ち込んで静かだった。誰も口を開かなかった。病棟全体で喪にふくしている感じだった。

命の最前線で働いている方々は、とてもキリスト教に対して理解があった。信仰をもつことは大切な事だと、医者は言っていた。入院中、多少白血球値が下がっていても、多めに見て、外出して教会に行くことを許可してくれた。
私は、このことの中に大きな意味を見出す。
生きるか死ぬか。
どんな人でも、目の前に死が迫った時、祈らずにいられないはずだ。

日頃から、順調な健康な時から、「どう死ぬか」について考えることが出来たら、とても豊かな人生になるように思うのだが、原罪をもった人間というのは、これまた、なかなか出来ないんだよな~。
神様を信じていても、なかなか出来ないものw
これが現実だ。
だから、聖書は
「試練を喜びなさい。歓迎しなさい。」っていうんだろな~。

私は神様に出会えて本当によかった。
神様、感謝します~~♪


続きはゴロちゃんの回想を書こう。





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Last updated  2005.07.07 12:11:17
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まりまむ1108 @ たか~~♪ (¨)(..)(¨)(..)ウンウン ほんと、そうだd…
たか@ そだね 全ては神さまの御手の中。そだね。 余…
まりまむ1108 @ たかっ♪ (¨)(..)(¨)(..)ウンウン あたしも、徹底…
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