全3件 (3件中 1-3件目)
1
どうさい「嵐の大野君が若冲の描画法の素晴らしさ、独自性を紹介する番組をビデオで見た。大野君は個展を開くほど細密画を得意としているようで、独自の観点から説明してくれることを期待しての人選であったのだろう。」悪友「人気者なので興味を持って観た人も多かったのではないかな。私も元文献にたどり着けたので、それを読んでみたよ。」どうさい「「動植綵絵(どうしょくさいえ)」全30幅を分析したものだな。色彩材料などは文献の方がより正確だ、説明してよ。」悪友「文献は最後に記すがネットで入手できるよ。文献1)分析機器はポータブルな蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ(株)SEA200)である。もちろん調査対象物が貴重なものであるので、非破壊・非接触で分析できるものである。分析できるのは使用されている色彩材料の構成元素であるが、カリウムより原子番号が大きい元素でないと検出できない。」どうさい「まあ、小難しいことは飛ばして、有機物以外の発色金属はほとんどカバアーしているから結果を話してよ。」悪友「立場が変わってみるとつい長口上になってしまうな、分析の限度や精度は元文献を読んでもらうとして話すよ。どうさい殿も気にしている色の数であるが、白は一種類、カルシウムで胡粉(CaCO3)と考えられる。赤系統色は四種類で、Hg(辰砂HgS), HgとPbを含むもの、Fe主成分ベンガラ(Fe2O3)、そのほか有機染料。黄色は三種類の材料、Fe系黄土Fe2O3・nH2O,ほかに葯の色のAs、さらに有機染料もあるかな。茶色は一種で、鉄Feである。金、茶金色は二種類でCaとFeのみ検出(Auは全く検出せず、本文献の大きな成果の一つである。緑色は、少なくとも四種類でその中の三種類は銅Cuを主体とするもので孔雀石を原料とする緑青、主成分はCuで少数のAsを含む緑色材料、主成分CuにAsとZnを少量含む材料で、残り一種は有機染料。青色は、二種類発見された。一つはCuを主成分群青(2CuCO3・Cu(OH)2)とするもの、残りは有機材料である。灰色は、これは墨を使用したものと考えられる(蛍光X線分析では検出されない)黒色は、二種類である。墨と考えられ、Feが黒色のところから検出されるのでFeも考慮する必要がある。」どうさい「有機材料も含めて色別に数を挙げると、白1、赤4、黄3、茶1、金2、緑4、青2、灰1、黒2で合計すると20種である。テレビ放映では材料は着色鉱物を砕いて粉末にしたものを用い、合計25種余りである。緑、青は粒度を変えることで色調を変えることができると書かれており色数の数え方も難しい。陶芸の顔料も無機の鉱物を使用しているものが多く共通する点は多い。 陶芸で下絵の場合1200から1250度で焼成して顔料は釉薬下に封じる、また有機染料は燃焼してしまい残らない。一方日本画では着色材料を膠などで固定する。」悪友「番組で紹介されている若冲の特徴的なところが知りたいな。」どうさい「大野君が「スッゲースッゲー」と連発するぐらいいろいろある。百聞は一見に如かずでほとんど文章化できないが2,3紹介する。まず分かり易いところから。重ね塗り 白の顔料の上に赤を重ねたり、また逆に赤の上に白を重ねたりして赤の色のバリエーションを臨機応変に中間の微妙な色をつくっている。重ね塗りを点描で行っているところががあり、これは1900年ごろの新印象派の画家が実行したことを1800年ごろの若冲がすでにやっていたことになる。赤と白を混合するとピンク色になるのだが混合割合を変えて無限のピンクを用意して塗り分けているのではなく、有限の色を使って多種類の色を発色させるカラープリンター方式に近いやり方をしている。若冲の方式を現在のカラープリンターが真似をしていることになる。陶芸における重ね塗りの例を紹介すると水溶性の硝酸コバルト、塩化クロム、塩化金を素焼き前の乾燥粘土に別々に塗り930度で素焼きする。この時コバルト、クロム、金は水不溶性の物に変化する。次に同じもの、または異なるものを塗りもう一度素焼きして発色金属を素焼き粘土上に固定する。必要により金属イオン溶液を塗り素焼きを繰り返す。その後釉薬を施して乾燥し、1230度付近で焼成する。金属イオン濃度に応じて発色した焼き物が得られる。(島田文雄先生の項)。 別例では上瀧勝次先生により異なった顔料の重ね塗りで趣のある彩磁器の作り方が紹介されている。こちらの方が若冲のやり方に似ているかな。」文献2悪友「色数を増やすのに労を惜しまないのが素晴らしい。」どうさい「私は持っている色数が少ないので、里芋、ツタ、竹などのところで、黄色系の顔料の上に青をかぶせて緑色を作ることを試みたが上手くいくと実感を持った。数日前テレビを見ていると色鉛筆画の紹介があった。黄色、青、黒で風景画を描くのだが距離を置いてみるとカラー写真のようであり、近づくとやはり色鉛筆画である。面白かったのは緑を描くときまづ樹木の葉の部分を黄色で塗り、次いで、青を点描のような形で塗っていくと見事な葉っぱが出現する。私も同じ手順で緑を描いている。この順で行うのが合理的なのかな。裏彩色 重要な絵画は絹布の上に描いた。仏画では顔などの大切な部分は絹布の裏側からも同じ顔料を塗って耐久性を増した。若冲は裏側に異なる色の顔料を施すことにより染み出てくる色の効果を利用してもみじの紅葉を多彩に描いている。今が盛りの葉には表は赤、裏には橙色に、これからという葉には表の葉の縁は赤く中はそのままにして裏は黄色を一面に塗る。薄いピンク色の葉は表は塗らず、裏は赤を塗るという具合に絹布と顔料の効果を知り尽くして描いている。金を使わず金色を出すどこから見ても金色に見えてしまう絵が、蛍光X線分析をすると金Auは全く測定されず検出されたのはCaとFeのみであった。白い鳳凰図がそれである、表面に胡粉(白)で鳳凰の絵を描き、裏彩色の技法で黄色い鳳凰を描く、さらに裏打ちは黒い紙を当てる。この時黄色に適度の濃淡がつくようになっていると黄色が金色に見えてしまうという若冲の素晴らしいとしか言いようがない技術である。文献1)早川泰弘、佐野千絵、三浦定俊:伊藤若冲「動植綵絵」の色彩材料について、保存科学、46、51-60 (2007)文献2) 視覚デザイン研究所・編集室 株視覚デザイン研究所 絵付けで楽しい陶芸 1995.11.30
2015.02.22
コメント(0)

どうさい「陶芸家としてもよく知られているK先生のところへ行って作品を見て頂いているとき、「好かったらこれを使ってみてください。」と4個の石膏型を渡された、使用方法など簡単に説明していただいたが、さほど難しくはないと詳細に尋ねることもなく受けとった。」悪友「造形に特に優れる方なので、どうさい殿の成形力を見かねて、型を使って作る方法を教えてくださったのではないのか?」どうさい「まあそうだったのだろうな。型を使用してみたところ粘土が乾燥するにしたがって、隅に亀裂が入ってしまった。ここは自力で解決すべきところといろいろ試行錯誤してみた。」悪友「何か変わったことをすると必ず躓くという何時もの悪い癖だな。」どうさい「以下説明するが、これは自己流なのでもっといい方法があるかもしれない。まず粘土の平板を作る、作り方はそば打ち法でも粘土の塊からワイヤーで切り出す方法でもどちらでもよい。台は1cmの合板である。粘土は厚さ5mmで縦横28cmである。写真1 写真1 台上の粘土板写真2は石膏型の粘土に接触する方を上に向けたもので、見方によれば凹に見えるかもしれないが、凸である。 写真2 石膏型写真3は写真1の平板粘土上に石膏型を乗せたところである。石膏型の粘土に接しない方はこんな形である、引き上げ易いような構造をしている。 写真3 粘土上に石膏型を乗せたところ写真4は合板と石膏型を持ち上げて上下を反転させ、粘土の要所に赤、青、緑のシールを張り付けたものである。 写真4 赤、青、緑の順に押さえていく写真4はまず隅の赤のところから押さえつける、次いで辺の青のところを抑える、へらを使って辺の粘土の表面を滑らかにする。今までの失敗の原因 底部を麺打ち棒で平らにし、次いで辺部を押さえて最後に四隅を押さえていた。こうすると四隅に歪が集中して乾燥した時に隅に亀裂が入ってしまうものと思われる。成形途中で現れる歪をできるだけ少なくするために四隅から押さえてゆき隅の歪を取り、次いで辺の方に歪を分散吸収させていき、最後に底部を抑えることで、歪を全体で吸収させる。 写真5写真5 底部に当たる緑のところは棒を転がして平らにする。写真6 写真6 底部を滑らかにするその後数時間放置し粘土中の水分を石膏に吸収させる。粘土の上に合板を乗せ石膏と合板を再度反転させる。石膏を引き上げる。(簡単に離れる)バリを取り口縁部を滑らかにする。写真7」 写真7 口縁を滑らかにしたもの悪友「なるほどそうだったのか池上彰。」
2015.02.11
コメント(0)

どうさい「スイレンは数年前から関心を持っているがなかなか進まない。条件の良いところでは見る間に成長して水面を覆い尽くし葉っぱが重なり合ってしまう、こうなるともうお手上げで描ききれない。ほんの少し重なり、ある程度ばらけているところが良いと思ってもなかなかそういうところが無い。池の周りをぐるっと回ったり、植物園の中を探したりする。」 スイレン 21×21 H0.5悪友「いつもながらご苦労なことだな。できはいまいちだな。」どうさい「これで今年の九州山口陶磁展(産業陶磁器)への出品予定のテスト焼きは14枚できた、四角皿に仕上げてゆきたい。」
2015.02.01
コメント(0)
全3件 (3件中 1-3件目)
1