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どうさい「イオン性発色剤の逐次滴下については、1.コバルト溶液を滴下して、2.そのあとから銅イオンを滴下するやり方はすでに記載した。今回は、コバルト、銅、ニッケルの3種についてまとめておく。1050℃で素焼きした粘土板(有田並)に透明釉薬(3号釉薬とワラ白1230を等量混合)を施し乾燥したものを用意。写真の上列はコバルト(青)3か所に2滴ずつ滴下し、2番目に銅(緑)を2滴滴下し、3番目はニッケル(ベージュ)をやはり2滴滴下した。2列目はコバルトと同じように銅を3か所滴下し、2番目にコバルト、3番目にニッケルを滴下した。3列目はニッケルを3か所に滴下し2番目に銅を、3番目にコバルトを滴下した。乾燥後、1230℃で本焼きした。 写真1 コバルト、銅、ニッケルの色と後の2種を逐次滴下した時の色模様逐次滴下したところは、後から滴下したイオンの色が中心部に見られ、後から滴下したイオンが先に滴下したイオンを押しのけていることがよく分かる。」悪友「まあ理解しやすい現象であるな。イオン性の発色剤だからこうなるので、これが固体系の顔料なら中心部に堆積し周辺部には広がらない。」どうさい「コバルトは特に面白い。滴下後は水と共に拡がって、乾燥しその後、焼成中に青色を発色するなんて大変身だな。」悪友「この結果を踏まえた試作品はないの?」どうさい「青と緑の組み合わせが絵になりそうなので平板、小皿を試作した。 写真2 平板 青と緑の滴下液のぶつかり合い液体のぶつかり具合がよく出ている。4隅はどちらがいいか判断するために2種作ってみた。大差ないな。しかし、周りの装飾が大きすぎるかな。 写真3 小皿 滴下液のぶつかりが無い滴下液のぶつかりが無いと面白さに欠ける。 写真4 小皿 青その上に緑を逐次滴下液体の自然拡散にお任せで、楽と言えば楽ちんだ。」
2015.08.30
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悪友「イオン性発色剤とはどのようなものか、どう作るか教えてほしい。」どうさい「これは失礼、実に簡単なので製法を書いてみるよ。コバルトを例にして述べると硝酸コバルト(2)6水和物を試薬業者から購入する、これは”コバルト塩をください”と言ってもすぐには売ってくれない、本人確認書の提示と使用目的を問われる。免許証を示し、使用目的は”焼き物の絵付けに使用します。”など業者が納得する説明が必要。この時点でコバルト塩はスーパーやコンビニで気軽に入手できる代物ではないのだなと理解して、ごく少量を買うのが良い。硝酸コバルト(2)6水和物 5g水(水道水) 50gコバルト塩を水に溶かせるとすぐに薄いピンクの溶液となる。濃度は5/(5+50)×100=9.1%の溶液である。蛇足なのだが、塩の中には硝酸塩のほか塩酸塩、硫酸塩などがあるが、私は硝酸塩を使用した。コバルトのほか銅、ニッケル、クロム、鉄など発色金属はいろいろあるが、すべての水溶液が素焼き上の釉薬に滴下するのに好都合な訳ではない。というのは、よく使用する釉薬はその成分に釉薬の友の炭酸カルシウムを含んでおり、滴下する水溶液のpH が5以下であると炭酸カルシウムが分解して炭酸ガスが発生し、釉薬層が乱れてしまい焼き物の表面が平たんでなくなる。(表面が平たんでないことを意識している焼き物もある)万全ではないがこの弱点を避けるため、少し高価であるがEDTA・金属錯体を使用する方法がある。EDTA・Coの場合、水溶液が赤紫色をしており、釉薬、素地上に滴下した時、識別できる程度に着色する。」悪友「溶液は簡単に作れることが分かったが、肝心の滴下による模様書きはどうなっているの?」どうさい「青、緑、白をコバルト、銅、水の滴下で表現する。滴下はポリエチのスポイトで各2滴滴下した、的がずれることもあり、手描き感にあふれるものとなった。酸化雰囲気で本焼き(1230℃)した。白(水)のところは比較的四角で、青と緑の境界は必ずしも直線的ではないが、模様としてはすっきりしている写真1。写真2は写真1を45度回転した。 写真1 青、緑、白の系 液の滴下による模様描き 写真2 写真1を45度回転した悪友「青、緑、白の組み合わせは涼しげだな。容器の口縁部の模様として使えるかな。よくある模様のように思えるが。」どうさい「デザインが一番苦労するところなんだよなあ。写真1にニッケルを加えたのが写真3である。写真4は45度回転したもの。」 写真3 青、緑、ベージュ、白 写真4 写真3を45度回転したもの悪友「ニッケルの酸化焼成での色はこんな色をしているのだ。全体的に四角がはっきりしているな。」
2015.08.22
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どうさい「焼き物に興味を持ち始めた頃、青はコバルトに由来する色であることを教わり、確かコバルトイオンは薄いピンクであったので違和感を覚えた。陶芸の材料として青ゴス、焼貫呉須が青色顔料として販売されており、作成方法として酸化コバルトと水酸化アルミニウムをカ焼して作ると記されていた。ある時乾燥粘土に硝酸コバルト溶液を吸収させその後1240℃で焼成した時、薄く青色が発現した。粘土を素焼きしてその上に透明釉を掛けて乾燥し、その上から硝酸コバルト溶液を数滴たらして1240℃で焼成するとよりくっきり青色が発現した。これ等は粘土中または釉薬中のアルミナとコバルトイオンが反応して青色が発色したものであろう。粘土や釉薬は一般式で書くとaRO.bAl2O3.cSiO2と記すことができ、(アルカリ)・(アルミナ)・(シリカ)からできている。」悪友「前置きが長くなるようだが、何の話かな? {素焼きの適温は}とどんな関係があるのかな?」どうさい「イオン性発色剤を使って、絵というか模様を描いてみたいのだが、まずは、イオン性発色剤は今までどのように使われてきたか、知っていることを書いてみたい。次いでこれから試行したいことを述べたい。ここでは素焼きの温度が重要になってくるのではないかと思っている。まずイオン性発色剤とはCo,Cu,Fe,Ni,Crイオンなどを溶解した水溶液をいうことにしよう。ふつう市販されている顔料は粉末状、チューブ状(チューブに詰められたペースト状顔料)で一つ一つの粒子はイオンに比べて極端に大きい。イオン性発色剤が素焼き中、上で釉薬の存在の有無で1240度付近で焼成された時、コバルト、銅、鉄、ニッケル、クロム特有の色を発する。イオン性発色剤の使用例は島田先生のお書きになっている、(視覚デザイン研究所・編集室 株視覚デザイン研究所 絵付けで楽しい陶芸1995.11.30 本ブログ2015.02.22「重ね塗り」で引用)水溶液の硝酸コバルト、塩化クロム、塩化金溶液を素焼き前の乾燥粘土に別々に塗り、930℃で素焼きする、このとき金属イオンは酸化物になり水不溶性となる、必要に応じて硝酸コバルト、塩化クロム塩化金溶液をさらに塗って再び930℃でもう一度素焼きする。この素焼き物に釉薬を掛けて、本焼きすると金属特有の色を発色する焼き物を得る。先に、板谷波山先生は1900年ころ、欧州で開発されたイオン性発色剤を使用した技法を吸収したようで、素焼きの裏側に達する金属イオンを止めるために溶かした蝋を使用したそうである。発色金属は表面のものが有効であるので、素焼きをどこまで進めるべきか思考されたのではないかと思ったりする。勉強不足でどこまでが既知でどこからが 未知の部分かよく理解してないので、おかしなことを述べているかもしれないがその時はご容赦ください。」悪友「なるほど、でも余計なことかな。何か考えていることがあるの?」どうさい「コバルト、銅イオンを含む溶液を使用して発色させてみた。写真1は上の大きい円は素焼きに透明釉薬を施しコバルト溶液を滴下して本焼きしたものである。コバルトを酸化物にするという操作を省いている下の小さな二つの円はコバルトを滴下した後から銅溶液を滴下したものである。銅イオンがコバルトを外へ押し出している、固体顔料ではこのような絵にはならない。 写真1 大円;コバルトイオン滴下、小円;コバルトイオン滴下後、銅イオン滴下 写真2 素焼きに釉薬を施しコバルト溶液と銅溶液を交互に滴下したもの写真2は素焼きに釉薬を施しコバルト溶液と銅溶液を交互に滴下したもの、水の拡散に即対応して金属イオンも移動しているものと思われる。二地点から溶液が拡散して行きぶつかるところが境界となる、水の濃度勾配がなくなったところで液の進行は止まる。それで境界が直線的なのであろう。」悪友「どうも筆を使うのが苦手と見えるな、筆を使用しない描画法へと向かってしまうな。操作がぎこちないので幾分曲がっているのは、加齢によるものなら悲しいな。」
2015.08.13
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どうさい「塗り斑が出やすい形として四角を選んでいるが、前回は一辺1cmとしたが今回は1.5cmとした。斑にならないように丁寧に描いた、塗り方は向上しただろうか?」悪友「集中力には恵まれていないのでさほど期待できないのでは。素焼き温度950℃の方が均一に塗れている、1050℃は高温なのに斑が多い、素焼き温度より集中力の問題だな。」どうさい「そのようだな。小皿に三原色の帯線を入れてみた。」 三原色で四角を描いたもの 小皿に三原色の帯線を入れたもの悪友「四角を三原色で描くのは苦手と見える、こちらの方がましだな。」
2015.08.06
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