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・車窓より射しこむ夕陽に身を染めて この夏の日々を確かめている・家財など片付け身ぎれいに暮らさんと 鉢植えのシクラメンの若芽を撫でやる・明日からは九月となれば耳元を 過ぎゆく風にも涼しさ混じりぬ・また巡る母の命日夏雲は ゆるりと流れて移ろいゆきぬ・我が母の一世を思えば「楽」という 姿見当たらず「苦」のみ浮かび来る・命日は墓前に語らんあのことも このこともみな「ありがとう」と
2006年08月31日
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・誕生会にひそと混じりて座りいる われに園児等の「おめでとう」コール・何歳になりましたかと問われて口ごもる 子等の十倍をなんと伝えん・暑さの中吾を産みくれし母の在り 母に逢いたき 唯に逢いたき・メルアドに「天国」と送信できたなら 読んでね母さん返信はいいから・そこそこの幸せそして不幸せ 抱え持ちつつ生きてるよ今日も・夢という起爆剤自飲しつつ生きる 死というゴールまでの距離は知らない・神の掌のなかでくるくる廻りつつ 生きる人間われも道化師・困惑と安堵ないまぜに足止めて 眺める 残暑のにわか雨の街・雨のち晴れ 晴れのち曇りまたにわか雨 我が来し方を重ね見る生れ月
2006年08月27日
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・あがいてもあがいてもなお掴めずに 終わりしものあり ただ一度の恋・此れの世に叶わぬ夢への悔恨を 思えば昨日はセピア色なる・叶うことなき夢なれば次の世に 携えゆかん絹衣に包み(くるみ)て・息をする喰む寝る哭く笑う どれもみな 我が来し方にしかと残れども・一片のピース失くせば永遠に 未完成なる 人生パズル・エスカレーターの両側の鏡に曝される 我が面立ちは穏やかに非ず・穏やかな今日の暮らしと自己暗示 反芻しつつ 生きております・道端の蝉の骸は仰向けに 木々には鳴き声 今日を限りと
2006年08月20日
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・突発の病いに機内に逝きし女性(ひと) 無言の帰国にあまたの狼狽え・明日のわれの通過点なると思えども 突然の永訣に言葉もなくて・水しぶき浴びてはしやぐ園児等の いのちの輝き 太陽の雫・この子等の成長の姿を思う時 われの存在はいずこに在りや・「見て!見て!」とわれに呼びかけ園児等は 水に戯れる稚魚のようです・突然にあしたを失くした友在れば 遺影にかけやる言葉見当たらず・有限のいのちの時間を惜しむ時 見えないあしたの透明砂時計 ・砂時計音なく時を刻みゆく 海には戻れぬ砂の哀しみ
2006年08月19日
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・抜けるよな青空だったと亡き母の 語らい思い出す我が誕生日・畑より戻り来し産婆の泥まみれの 手に臍の緒が切られたと聞く・我が生れし日を語れる人のみな 早世なれば聴く術もなし・されど我が記憶に残る母の声 「八月十日は暑い日だった」・流れゆく時間のなかに受けし生 幾千の鼓動 受け継ぎながら・仕事終え我が誕生日なるを呟けば 部下等は合唱「ハッピーバースディ」・友等より贈られし祝いの品々に 囲まれて過ごす誕生日の夜・十一時五十五分の携帯音 子よりの祝詞「母おめでとう!」・人のみな誕生日を持つ それぞれに 喜怒哀楽をあまた重ねて・また巡ることの不確かさよぎるとも 健やかなるバースディに今宵は乾杯
2006年08月12日
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・夏空を彩る花火遠く聴き 母逝きし日の哀しみを思う・母に手を引かれて行きしふるさとの 夏の花火のかなしさおぼろ・打ち上げの終われば闇と静寂が なおなお切なし 花火大会 ・おのが身を朱色に染めて眺めいる 落ち行く夕陽の唯になつかし・米代の川のせせらぎ森吉の 木々の碧さを思う夏の日・今生にてもいちど見たきはふるさとの 森吉山の夕焼けこやけ・休日はなんとはなしに欝っぽく ひがないちにち 五階の窓辺に・休日になすべきことのあまたあるも 心身の呪縛を解いております・「あしたまた」と云いて訣れし友の在り あしたはいまだ来ないままです
2006年08月05日
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