全2件 (2件中 1-2件目)
1
・快復の遅き腰痛に臥せいれば 癒えぬもありなんの不安がよぎる・思うほどに強くも弱くもなきものと 受けとめている己が治癒力・癒えくればやりたきことのあまたあるを 思えば病床に射す陽の柔さよ・五十七にアルツハイマーとなりし母の ひと世を思えば悔恨連鎖・お彼岸の中日なれば家族連れの 語らう声が響く境内・雑草が母の墓石の接ぎ目より ひょこりと伸びて語り出すがごと・墓石清め合掌すれば胸内の 汚泥のごときもの浄められゆく・彼岸花惜別の色か境内に 楚々として凛として紅々として・逝きし人等を道標に歩くこの世道 萩の花今年も風にそよいで
2006年09月24日
コメント(0)
・電車内席を譲れば八十一歳と 笑顔をくれし高齢の女性(ひと)・女生徒のたわいない会話が弾んでは 寡黙なるラッシュの車内 に響く ・胃カメラの結果をパソコンに説明す 医師は患者の脈を診もせで・ 一年後の再検査のみを指示されて 診察は僅か三分にて終了・不忍池(しのばず)の蓮の葉しげりて緑濃く 夏と秋とのはざまを写す ・秋の風さらさらさらと水面まで 運びて散らす暑さの残骸 ・恨みごと諌めくれしは胸内に 聴く母の声 今日は命日 ・墓参終え母居る気配を感じつつ 山門出ずれば小雨の落ち来る・母往きて十八年が過ぎたれど 止まったまんまのあの日あの刻(とき)・火葬場の煙突出でゆく母を送り 見上げた空の蒼さ忘れず ・いかように老いたきと自問「自然体に」と 応えておりぬ湯上がりの裸身
2006年09月06日
コメント(0)
全2件 (2件中 1-2件目)
1


