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・そこここに色づく柿を眺めつつ 休日散歩に射す陽の柔さよ・背なのリュック携帯電話はスイッチオフ 自己との対話弾ませ歩く・商店街の目玉商品に立ち止まり 店主の話術に吸い込まれゆく・アップリケのエプロン一枚買い求め 笑みを交わして店をあとにす・「あら!」と声かけくれし人は元同僚 上司のいじめにウツとなり退職・病い癒え元気に過ごしいると言う わずかにふっくらあどけなき笑顔・元上司の定年後は「多難」と聞き及び 冷ややかに顧るいじめの歳月 ・辞の選択忍の選択それぞれに 自分の道ねと語らい別れる・秋の空仰げばおぼろに月の影 夕暮れ色に染まり始める・落ちてゆく秋の陽の早さ気がつけば 街路灯なべて灯されている・心のバリア外せないままに霜月に ネットの世界のガラスの破片・幸せはなにいろなるやもしかして 透明なるか見える見えない・あと二枚と今年の暦をめくりみる 欲りたるものは残生カレンダー・秋の日の休日独り歩く街 おさなごを乗せたる自転車が過ぎる・漕ぐはわれ後部座席に吾子乗せて 残像に手を振る踏み切りの向こうの
2006年10月29日
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・恒例の高校同期会に行く 皆の笑顔を思い浮かべつつ・会場に入ればたちまふるさとの 訛り混じえつつ語らい始まる・多感期の共有強く断ちがたし 今年も互いに確かめる健康・二次会も三次会もとハシゴする されども一人二人と中座・シャッターを切りまくるわれは写真係 仲間のほろ酔い笑顔にピント・また来年を約束しながら散りゆけば 安堵と寂寥が胸を抜けゆく・同じ水同じ土より出で来れば 家族のごとき繋がりを覚え・デジカメの中には同期の皆がいて 背負いたる荷を下ろし微笑む・SくんもTくんもそしてYちゃんも 追いかけた夢は手掌にあるか・休日は半日ずれてる時間帯 昼過ぎにようやく洗顔をする・また来年出席したき夢持ちて 寝不足の顔に化粧水を塗る
2006年10月22日
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・夏物と冬物の衣類の綯い交ぜに なりたるままに秋は深まる・喘息を牽制するがに我が衣類は 首を覆えるスタイルの多く・「半袖で寒くはないの」とスーパーの レジのオバさん親しげに訊く・「遅くまでお疲れ様です」と労いの 言葉が口を衝いて出る自然体・プチ会話交わしてレジで笑み合えば 夕暮れの秋風もそよ風となる・休日は衣類の入れ更えに迷いおり 薄着と厚着のはざまに座して・幾たびもこうして過ぎ来し衣更え お気に入りはなべて色褪せ・色褪せて来たれども捨てずに箪笥内 想い出飾りをちりばめて仕舞いぬ・その時代その瞬間(とき)纏いたるものの 衣類の記憶はあいまいとなりぬ・その瞬間(とき)の心の動きなどは鮮明に 甦りくるに衣類はおぼろ・有形なるものの衰退は自然体 なれどこころは朽ちることなし・骨となり大地に戻るとも我が想い 君を探して億光年の旅・純白のブラウスを脱いで欲しかったと 汝が声を聴く記憶の残骸に・白が好きピンクが好きと箪笥内 お気に入り色が此処狭しと並ぶ・衣更え断片ごとの記憶など 紐解き辿れば遅々として進まず・明日のシャツ半袖それとも七分袖 あしたのことはあしたに決める
2006年10月15日
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・いじめにて自殺の小六あるを知り 甦り来るは吾子の少年期・我が離婚再婚なども子等のなか 陰湿ないじめの誘因となり・振り返りまた振り返りては歩道橋を 渡りゆきし吾子のランドセル姿・子と二人超えたるいじめの傷跡は 時を経るとも消えないまんま・いじめとは麻疹のごときと心理学の 専門家は語る能面顔に・好きな道に翔ばたき生きる我が子在り いじめの体験も生礎と変えて・美容師に切られゆく我が髪床の上に 散らばる昨日の悔恨を含みて・たわいない日常の会話を交わすなか 手際よく切られ整えられて・生きるために働くか 働くために生きるのか 答えをイコールにしちゃえば簡単さ・生きるから愛しているのか 愛するから生きているのか 否イコール・十三歳の初恋のときめきそれだけが 人生で一度のわたくしの恋・そののちにときめきしことなどないままに 惰性に流れたは人生の汚点・傍に生きて過ごせなかった人生の 口惜しさは今日も胸底に疼く・「食事会しよう」と書かれたる汝が葉書 三好達治の詩集に挿みぬ・喘息の発作なき暁(あさ)は朝焼けの 地球の廻音に耳を澄まして・我が周りを幾度も旋回の赤とんぼ メッセージを訊かんと心研ぎ澄ます
2006年10月08日
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・呆けし母の介護の夢に目覚めれば とっさに探すちちははの行方・もうすでにこの世に在らずと気づく時 胸底に流れる掬えない水・郊外の老人ホームに逝きし母の まなこに映りしものを思いぬ・喘息の発作に目覚める暁の 空は朝焼け起座位にて眺むる・保育所の運動会は秋晴れの なかに幼い姿が飛び舞う・一斉にカメラ抱えたる親たちが 拍手できぬまま競技が進む・成長は声援と拍手が育むに 廻すビデオに無言の親たち・それもまた親の情愛の形かと 納得するは諦めに似て・美しい日本とはどんな姿なるや 子等の10年20年後を思う・雨音の心地良さなど感じてよ 伸び行く木々の葉音を聴いてよ・子等よ聴け自転する地球の軸音を 未来永劫止まるなと祈れ・子殺しも親殺しもなべて無縁なれ 手を繋ぎ帰る親子の姿
2006年10月01日
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