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・あと一時間余りにこの年も暮れ行くに 指先のひび割れいまだ治らず・片付けや掃除に忙殺されながら 休みは重責を解かれています・「気ぜわしく生きるは寂し」とラジオより ハイハイ寂しく生きております・なんとなく残生時間の見えるよな 見えないような齢(よわい)やも知れず・われの詠む短歌(うた)の向こうに私が見えていますか 透けていますか・大晦日のお大師様に参拝す あの世もこの世も凪ぎいてあれと・午前零時電話のベルは我が子より 生まれて初めて帰れぬ晦日・戻れない時間(とき)に流されいるままに こころの声を研ぎ澄まし聴く・生業に拘束されつつ生きるとも この世に遂げたきことなどあまた・電波時計の数字が静かに新年に 移行していくゼロ コロン ゼロゼロ・新年に渡る瞬時のときめきを 失くしちゃいないさ齢(とし)重ねても・健やかに迎える新年おめでとう 母さん見ててね今年もがんばるよ
2006年12月31日
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・年末の外来は意外に人まばら 医師も診察に余裕を見せいる・いかようにダイエット達成したのかと 医師より問われ術を語りぬ・他の患者の参考にせんと医師は問い 我が手ほどき本のタイトルをメモする・検査値もなべて正常域になり 三ヶ月後の外来予約・健やかに老いたき 願いはひとつそれだけで 挑みて成功我がダイエット・軽やかに湯島の坂を下り来て 賑わうアメ横の年の瀬気分・ようやくに羽ばたき始めたる吾子なれば 年末年始は戻らぬ気配・親のこと忘れて羽ばたけ羽ばたけと 翔びゆく我が子にエールを送りぬ・年賀状一人ひとりを想いつつ ひと言添えるは生きてる証し・逢いたいともまたねとも書かず「元気で」と 君宛の賀状想いは銀河まで・クラス会の二次会に君と歌いしは 「ふるさと」あまたをメロディに換えて・健やかに老いる姿を曝したき 「ステキに生きてるよ」と誇示してみたき・人生のたったひとつの悔恨は 若き日に君を追わなかったこと・この年もこうして暮れ行くさまざまな 想いを胸に染み込ませたまんま・明日一日仕事納めに勤しまん 今生の刹那の輝きのため
2006年12月27日
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・冬至また巡りて八百屋の店先に 柚子とカボチャの競い合うがごと・種子は日本育ちは異国のカボチャなる まぁいいさみんな地球のウリ科なるもの・冬至の夜の忘年会なれば早々に 帰宅し柚子風呂に身を浸したき・その昔母が煮てくれし冬至かぼちゃ 小豆の柔さをふと思い出す・木枯らしの夜に小豆をかき混ぜる 母の手の動き心のビデオ・誘われて二次会にゆけば部下ねだる 我が恋物語の語り聞かせを・汝を想い語る初恋またひとつ 叶わぬことへの悔恨を込めて
2006年12月22日
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・幼き日に補助無し自転車の練習に 励みし公園訪ないてみる・離れ住み戻ることなき吾子なれど 母われの眼には永久におさな子・「もう一回もう一回ね」と自転車を 漕ぐ姿浮かび逢いたくなりぬ・現在(いま)よりもいつも明日を見ていた眼 青年となりいまは何を見ている・夢を追い駈けて来た道これからは 夢と並んで夢を抱えて・おめでとう 祝いの言葉に込め贈る 幾千の生命の紡がれ来し真実・羽ばたけよ夢と歩めよ未来まで 翔び超えてゆけ自分自身を
2006年12月10日
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