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2009.06.02
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テーマ: 旅と飛行機(493)
 冬の寒い日。車に乗ってキーを差し込み、エンジンをかけようとしても、なかなか始動しないことがあります。これは寒さによって、スターターの働きが鈍くなるためですが、では、飛行機のエンジンはどうやって始動させているのでしょうか?

 飛行機には機種によって、主翼の下に2基あるいは4基のジェットエンジンが取り付けられています。ジェットエンジンを始動させるためには、まず圧縮空気の力によって回転するニューマチック・スターターと呼ばれる小さな歯車を回転させ、その回転をメインエンジンの回転につなげます。そして、メインエンジンが一定の回転数まで上がったところで燃料を送り込み、点火装置を働かせると自力で回転を始め、ある回転数まで達したら、ニューマチック・スターターは役目を終えます。

 ジェットエンジンの始動に必要な圧縮空気は、APU(オグジュアリー・パワー・ユニット)と呼ばれる補助動力装置で作られます。これは小さなジェットエンジンで、多くの飛行機が胴体の一番後方に取り付けています。よく空港で駐機している飛行機が「オシリ」部分から、熱風を吹き上げているのをご覧になると思います。これはAPUが空気圧縮装置を回転させ、200°F、40psiの圧縮空気を作っている様子です。この圧縮空気によってメインエンジンを始動させることはもちろん、機内に供給するエアコンの空気や水のタンクに圧力をかけて、機内で水が使えるようにもしています。

 さらに、APUは電気も作ります。APUの回転を利用して、1個もしくは2個の発電機を働かせることによって、115V、400Hz、三相交流の電気を発電します。ですから、APUがあれば地上設備が何もないところに着陸しても、飛行機自身に燃料さえあれば、飛行機を温めるだけの設備と必要な電源を確保できるのです。

 それでは、このAPUはどうやって始動するのでしょう?
 こちらは電気の力で回転するスターター(電気モーター)で始動します。電気は飛行機に搭載されている蓄電池、もしくは外部電源から取ります。飛行機にはバッテリーが1個もしくは2個搭載されていて、APUの始動や、非常事態の際に最低限飛行を続けるために必要な機器へ、電気を供給することができるようになっているのです。

 寒い日の早朝。私たちは出発の2時間ほど前から電源を入れてAPUを回し、飛行機を温めながら点検を進め、皆さんがご搭乗するのをお待ちしています。

文=足原 靖(日本航空羽田整備工場)
         一等航空整備士





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最終更新日  2009.06.02 08:15:37
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