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2009.09.16
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「俺が欲しいのは・・・お前だ。2人きりで話せば分かると思って来たんだ。お前だけが本当に俺を理解してた」

90年代に入って話題を呼んだサスペンス映画に「羊たちの沈黙」があげられるが、もう一つある。
それは「氷の微笑」である。
「氷の微笑」という作品には、不確かな犯人像と混乱したシナリオ構成のおかげで、実に多くの賛否両論があった。
本作「ザ・ウォッチャー」は、「氷の微笑」のような複雑な謎解きや犯人捜しは含まれていないが、一種異様なオチでしめくくられる脚本には若干類似性を感じさせられた。
まず混乱してしまったのが、犯人であるグリフィンが実は男色だったということ。
そして、どうやら主人公のキャンベルもグリフィンの異常な執着心が自分に向けられた歪んだ愛情なのではと、薄々気付いていた点である。
このどんでん返し的なストーリー設定は、サスペンスとしてはある意味異例とも言える展開であった。


きっかけはロサンゼルスに在住の際、担当していたグリフィンという連続殺人鬼に恋人を殺害されたことで、その苦悩から抜け出せないでいたのだ。
結局キャンベルはグリフィンの担当を降り、シカゴに転勤。
ところが執念深いグリフィンはキャンベルを追ってシカゴにやって来る。
そして孤独な女性ばかりを狙い、再び連続殺人の犯行を重ねて行くのだった。

本作を“サスペンス”や“スリラー”の観点からのみ見てしまうと、おもしろさが半減してしまう恐れがある。
ポイントは、犯人グリフィンと主人公キャンベルとの間にある不思議な関係を、視聴者がどのように捉えるのかでだいぶ変わって来ると思う。
孤独な男の孤独な殺人の物語と捉えるのか、あるいは歪んだ愛情表現として繰り返される連続殺人と捉えるのか。
半ば壊れた犯人像を追求していくと、現代社会の裏事情が垣間見えて来るかもしれない。

犯人役のキアヌ・リーヴスが、迫真の演技で作品を盛り上げている。

2000年公開
【監督】ジョー・シャーバニック


また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.09.16 08:27:10 コメントを書く
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