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新品を買ってもらえること
言い換えるなら、 中古市場にお客が流れにくいところ
がデジカメの強みです。
今のところデジカメはパソコンと同じで、ひと世代違うだけで歴然とした性能差があり、わざわざ旧モデルを選ぶメリットがないので、新品が順当に売れています。
今日の銀塩の衰退は、デジカメの台頭以前に、銀塩カメラというシステムの技術的な行き詰まりにも原因があると考えられます。かつてレンジファインダーがM型ライカで完成されてしまったように、一眼レフは進化できなくなってしまった。そして、ズームレンジファインダーというライカを超えるアイデアを盛り込んだ試作機を作りながら、それを断念してニコンが一眼レフの開発に着手したように、各メーカーのデジタルカメラへの傾倒は、経営判断としては極めて正常であると言えるでしょう。
昨日の日記で、「多くの銀塩ユーザーにとって、レンズの描写性能の些細な差は、カメラ本体の性能差と比較すると訴求力に欠けた」という趣旨のことを言いましたが、銀塩とデジタルカメラの間にはまさにまったく同じ現象が起こっていて、(今のところ)銀塩の方が色再現も美しく味のある写真が撮れるのは間違いないにもかかわらず、撮ったその場で結果が分かるという圧倒的な利便性の前には、描写の差は消し飛んでしまったのでした。
進化の袋小路に入ると、その工業製品は次第に新品ではなく中古市場の方が活況を呈してきます。性能の良い「旧型」がダブついてくるわけです。その結果、ユーザーは中古品でも十分満足を得られるようになり、ますます新品が売れなくなるという負のスパイラルに落ち込んで行きます。
そういう意味で、 逆チキンレース
を競うメーカー間のデジタル開発競争は存亡のためには必然であって、それに文句を言うつもりはありません。しかし、それでもエンゾー的には、長く売れ続けるものを作り、同時に将来に渡って売れていくための種まき(文化形成)をしていった方がいいんじゃないかなあ、と思う訳です。
ユーザーに「新品を買わないと意味がない、新品でなければ嫌だ」とまで思ってもらえるようなモノ作り
が、いま求められています。
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