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ひるがえって、いちばん多感だった十代後半の自分が記録として残っていないことに寂しさを覚えるようになったのは、実はつい最近のことだ。これは一つには、自分の両親のそういう姿を見ることが出来ないことに不満を覚えたのが大きい。
どんな人にでも、子供だった時代はある。大人になり、恋をして、家庭を築き、やがて子供が出来る。その瞬間から、人生は次の世代のものになる。そんなわが子に「君が生まれるまでには、ささやかにして壮大な、こんなドラマがあったんだよ」と、バトンを渡すまでのランナーの走りっぷりを見せてやれないことは、少し…いや大いに残念な話だ。
それだけではない。後ろを振り返ってばかりいるのは良くないけれど、時には追憶に浸る時間があってもいい。自然に任せて忘れるのも悪くはないが、忘れられない楽しい思い出が多すぎても、損はしないだろう。
「自分を撮るのは恥ずかしい」なんて言っていられない。
これからは、もっとたくさん生きた証を残そう。今からでも遅くはない。
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