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本年度のグラミー賞ラージ・アンサンブル部門を受賞したジョン・デイバーザという方のビッグバンドの演奏。HDtracksで2割引きで購入。フィーチャリングDACA ARTISTSと書かれている。調べてみると Deferred Action for Childhood Arrivalsの略で「若年移民に対する国外強制退去の延期措置」という名の2012年6月に当時のオバマ大統領により導入された移民政策の名前だそうだ。若年時にアメリカ合衆国に入国した不法移民(ドリーマー)に対して、強制国外退去処分を2年間(更新付)で延期し、就労許可を与えるものである。トランプ大統領に代わって、この政策が2018年3月に廃止されることになっていたが、反対意見が多く、まだ実施されていない状況だ。wikiなので、このタイトルはアメリカの不法移民の若者の希望の声と自由の音楽というような意味のようだ。ジャケ写の若者たちがDreamerの人たちだろう。DISCOGのデータによると、18歳から30代半ばまでの17か国の出身のドリーマーが53人参加している。最初から自己紹介のようなスピーチが飛び出して、それから音楽が始まる。フィーチャーされているのはDACAのミュージシャンたち。ビッグバンドのサウンドはキレキレで、それ自体は素晴らしいのだが、政治色が強く当ブログとしてはあまり好きになれない。DACAのメンバーは政治的な発言をしているわけではないが、いかにもうさん臭い雰囲気がする。ジャズではこういう政治色を帯びた音楽はないわけではないが、すべてが音楽に昇華されていることが多く、この音楽のような生の感情が出嬰る雰囲気を体験したことはなかった。エスニックというよりはアフロ・アメリカンの雰囲気が強い。もっと音楽にフォーカスした構成にすればアメリカ以外の人たちにも、広く受け入れられたと思う。当ブログも何回も聴きたいとは思わない。グラミー賞の受賞理由を聞いてみたいところだ。曲は、ジョン・デイバーザの作品が多いが、バーンスタインや何故かスーザの星条旗(コミカルな編曲だが、個人的にはやりすぎで曲を冒涜しているように聞こえる)が入っているところが解せない。DACAのメンバーをより多く紹介したかったのだろうが、そのために短い曲が多く、ごった煮的な印象になってしまうのが難点だ。一方バーンスタインのアメリカはパーカッションによる演奏で、とても面白い編曲だ。トランペットをフィーチャーした「America The Beautiful」はジャジーな雰囲気で、とても楽しめる。8分ほどと、最も長い「All Is One」はジョン・デイバーザのオリジナル。引き締まったビッグ・バンド・サウンドが楽しめる。テナーソロも聴かせる。サウンドは通常のビッグバンド編成の時もあるが、木管や弦を入れた曲もあり、バラエティに富んでいる。二人の女性が歌うヴォーカルナンバーの「Deportee」は静かな曲調だが、バックのアレンジのセンスが抜群で、予測不可能な展開でわくわくする。「Edson」はヒップホップで、ハンドスピーカーでアジっているようなトラックで、あまり聞きたくない音楽だ。最後の「Red, White, and Remixed」はダンサブルでノリのいい音楽だが、中間部でドリーマーの名前が連呼され、音楽がどこかに行ってしまっている感じがする。どうやら、この音楽は映像で見たほうがインパクトがあるようだ。音だけ聴いているのはちょっと辛い。まあ、こういうCDが作られるところは、いかにもアメリカという感じはするし、それが受賞するのもアメリカ的なのだろう。PDFがついているが、ジャケットの表のデザインだけで、解説が一切ないのは不親切。American Dreamers:Voices Hope,Music of Freedom(Bfm Jazz) 24bit 44.1kHz Flac01. John Daversa/Kabir Sehgal: Salvador02. Dan Hartman/Charlie Midnight: Living in America03. John Daversa/Kabir Sehgal: Saba04. Cole Porter: Don't Fence Me In05. Gene Coye/Jerry Watts, Jr./Zach Larmer/Kabir Sehgal: Caliph06. Jimmy Page/Robert Plant: Immigrant Song07. John Daversa/Kabir Sehgal: Daisy08. Woody Guthrie/Martin Hoffman: Deportee (Plane Wreck at Los Gatos)09. Kabir Sehgal: Denzel10. John Philip Sousa: Stars and Stripes Forever11. Murph Aucamp/Kabir Sehgal: Alicia12. Leonard Bernstein/Stephen Sondheim: America (West Side Story)13. Kabir Sehgal: Juan Carlos14. Katharine Lee Bates/Samuel A. Ward: America the Beautiful15. John Daversa/Kabir Sehgal: Maria16. John Daversa: All is One17. John Daversa/Kabir Sehgal: Edson18. John Daversa/Kabir Sehgal: Red, White, and RemixedJohn Daversa Big BandDACA Artists
2019年02月27日
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本年度のアカデミー賞の主演女優賞と助演女優賞にノミネートされている「女王陛下のお気に入り」を観る。公開2日目の2回目で、入れ物が大きくないスクリーンだったが、7割方入っていた。客層はもちろん高め。映画を観ていると、主役は没落貴族の娘アビゲイルを演じたエマ・ストーンかと思ったが、あとで確かめたらアン王女のオリビア・コールマンだった。エマストーンとアン王女の親友で側近のマールバラ公爵夫人サラのレイチェル・ワイズが脇役だった。映画はこの3人を中心に展開するが、アヴィゲイルが宮殿でのし上がっていく物語がメイン。イギリスはスペイン継承戦争でハプスブルク家側につき、フランスの王国との戦争が行われている時代で、議会の様も描かれていて当時の様子がよく理解できた。映画では痛風を患っているという設定になっていて、禁じられているお菓子を貪り食うシーンもあった。ブランデー好きであったことから、ブランデー・ナンという異名で知られていたらしいが、映画ではそのシーンは見られなかった。この3人は実在の人物だが史実に忠実に描かれていたわけではない。例えばアヴィゲイルは貴族ではなかったことや、宮殿内で策略を弄してサラを失脚させるなどということはなかった様だ。また、アン王女の夫は存命だったが、映画では登場しない。まあ、史実に忠実ならば、映画としては成り立たないので、許容範囲だろう。ここら辺のことはこちらに詳しく書かれている。https://takmo01.com/favourite-background-2309男性は化粧をしてカツラを被っているので、印象が良くない。中では、ゴドルフィン首相を演じたジェームズ・スミスが好印象。出番は少ないが、サラを助けた娼館の女主人メイ(ジェニー・レインズフォールド)のピリッとした演技も良かった。映画はイギリス映画一流のコメディタッチの部分もあるが、あくまででも香りづけで、笑いを誘う場面は殆どない。エロいシーンもあるが、さらっと描かれていて嫌みはない。映像は当時を思わせるような重厚なつくりで、現存する建物も使われたようだ。音楽はバロックやベートーヴェン、シューマンなどのクラシック。オリジナル曲はなく、シンプルで無機的な音の繰り返しが何回も出て来て、観客を緊張させる。音楽ではなくむしろ効果音のような扱いだが、観客に直接働きかけていて、絶大な効果を与えていた。斬新なのは、メシアン「主の降誕」女王の飼っている17匹のうさぎをケージから出して、部屋で遊ばせているシーンに流れている。オルガンが轟々となり、刺激的ではあるが、画像と合っているかは疑問がある。ところで、この項を書いている途中でオリビア・コールマンがアカデミー主演女優賞を受賞したことを知った。無邪気だったり狡猾だったりする、この女王の特異な性格を的確に演じて優れた演技だったことは確かだが、意地悪ばあさんみたいな性格なので、感情移入できるとは思えない。公式サイト
2019年02月25日
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人類史上初のアポロ11号による月面着陸を描いた「ファースト・マン」を観る。原作はジェームズ・R・ハンセン著のニール・アームストロングの伝記「ファースト・マン」「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングが再び組んだ映画。伝記に基づいてるので、事実に忠実に描かれているだろうが、そのリアルさは半端ではない。軍用機のテストパイロットや宇宙飛行士の大変さが少しはわかったような気がする。今でも変わらないとは思うが、いつ何時死に直面するかもしれない状況を常に背負っている宇宙飛行士たちの苦悩がひしひしと伝わってくる。発射の時の振動や、音のリアル感が凄く、振動やGこそ感じないものの、実際に宇宙船に乗りこんでいるような緊迫した感情に襲われる。訓練しているとはいえ、その時は逃げ出したいような気分に襲われるのではないだろうか。また、トラブルに見舞われた時の緊迫感も凄く、こういう人たちの肉体と精神の強靭さは凡人には理解できないだろう。アポロ1号の火災事故や、アームストロングが月面着陸船イーグルのための訓練中の事故などは、新しいものに挑戦するときはつきものだが、不確実性からいえばシミュレーション技術の発達した現代のリスクとは比べものにならないくらい、ハイリスク、殆どギャンブルに近いミッションだったのだろう。アームストロングが月へ出発する前の日に、妻のたっての願いで、子供たちにミッションについて説明するシーンが出てくる。当時のリスクの大きさを考えると、行く方の気持ちも、残された家族の気持ちも察するにあまりあるシーンだ。地球に帰還して、隔離されている建屋での夫婦の再会のシーン。ガラスごしに無言で指を重ね合わせるところが、静かな感動を呼ぶ。宇宙船や当時の管制の様子、使用している機材など、正確に再現されていると思われる。レゴリス(月の砂)に覆われている月の表面の様子もリアルの再現されている。余談だが月の表面にはヘリウム3が多量にある。理由は月には地場がなく、太陽で起こった核融合の生成物の一部であるヘリウム3が太陽風に乗って月に吹き付けられて、地表に捕獲されているからだ。東京福祉大の遠藤誉氏によると、中国が月を狙っているのは、ヘリウム3を地球に持ち帰って、核融合発電に使おうという目的だそうだ。これが出来れば全地球の10倍以上のエネルギーが得られると中国では計算されている。閑話休題この映画では、アームストロングの家族や友人たちの描写もかなりの割合を占め、物語が厚みのあるものになっている。また、事故による死者が出たために、アポロ計画があやぶまれる背景である議会や国民の反対運動が描かれていたことも、アポロ計画のむずかしさを伝えていた。こういう風景はどこの国でも見られるものだが、生半可な知識で反対するのはどこの国でも見られる風景だ。また月へ到達するために、1つ1つの技術的課題を克服する過程が丁寧に描かれていて、とても参考になった。今までランデブーの必要性がわからなかったが、この映画を見て初めて理解できた気がする。ところで、アポロ計画のもたらした技術の進歩はなんだったのだろうか。コンピュータや遠隔操作の進歩などの他に、統計学やプロジェクトを進める方法など、物や技術だけではなく、多方面に貢献していることが分かる。当時議会で反対されて計画が頓挫していたら、現在の状態になるまでには10年以上遅れていただろう。当座のことしか頭にない議会など、足手纏いの何者ではない。そういう事を考えると、宇宙飛行士だけが英雄なのではなく、このミッションに携わったメンバー全員が英雄といってもおかしくない。主役のライアン・ゴブリンの常に冷静さを失わない様子や、妻(クレア・フォイ)の気の強さなど、キャストも素晴らしい。映画を観ていて月面着陸時が1969年だと知って、ことしが50年目だということに気がついた。月面着陸50周年記念の映画だったのだ。公式サイト
2019年02月22日
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この前言及したHDtracksからダウンロードしたシャイーの「ロッシーニのためのミサ曲」を聴く。昨年はロッシーニ(1792 - 1868)没後250年にあたり、シャイーのデッカ・デビュー40周年でもあり、それらの記念の録音だそうだ。この曲はロッシーニの死を悼んでヴェルディの発案で13人の作曲家が合作するというものだった。ところが、ヴェルディ以外の作曲家の筆が進まず、ロッシーニの鎮魂には間に合わなかったという。そのためか、録音が極端に少なく、現役盤はヘルムート・リリングが指揮したDVD(1988)しかないようだ。なので、この曲を愛する人たち?にとっては待望の新録音だろう。最初にヴェルディが作曲した「リベラ・メ」を聞いたら、レクイエムの「リベラ・メ」とそっくりだった。調べてみたら、この作品をレクイエムに転用したとのこと。基本的な構造は同じで、オーケストレーションが違うことと、細かいところのフレーズが少し違うことぐらいだ。レクイエムに比べると武骨でかなり荒々しいが、荒々しいなりに別な魅力がある。結局、最初に聞いたこの曲が一番面白かったのは、ちょっと残念。最初にできたのがリベラ・メで、他の作曲家がこの曲を聴いたかどうかわからないが、なんとなくほかの曲もこの曲に影響されているような気がする。スコアを見なくても、ヴェルディが内容を指示したということも考えられるが。。。他の曲はリベラ・メよりは大人しいが、オペラティックなのは同じ。気に入ったのは、アントニオ・カニョーニ作曲の「クィド・スム・ミゼル」(あわれなる我)期待?の「怒りの日」は爆発まではいかず、当ブログとしては不完全燃焼ぎみ。ライモンド・ブシュロンのコンフターティス(呪われたる者どもを罰し)はヴェルディの劇的な路線を踏襲?していて、けっこう面白い。バスのリッカルド・ザネッラート(Riccardo Zanellato)は声にむらがなく声量もあり立派。カルロ・コッチャの「ラクリモーサ&アーメン」も悪くない。アーメン・フーガは最初の部分はなかなか印象に残るが、後半がいまいち平凡で惜しい。リベラ・メで独唱を担当するのはソプラノのマリア・ホセ・シーリだが、声が太くて、当ブログの好みには合わない。それに表現が平板だ。クィド・スム・ミゼル(あわれなる我)でのソプラノとメゾの二重奏では、メゾのヴェロニカ・シメオーニ(Veronica Simeoni)のほうが声が透明で細くて、どちらがソプラノか分からないほどだ。シミオナート、コッソット以来久しい正統派イタリア人メゾの大器だそうだ。ここでは、「響きだけ聴いていたら、どっちがメゾでどっちがソプラノか分からないだろう。これが本来のメッゾ・ソプラノの在り方である。」と書かれている。当ブログの感想と全く同じだった。とても興味深いので、彼女のCDを聞きたいと思って調べたが、ソロ・アルバムはリリースされていない。ヴェルディのレクイエムとアイーダ、ドニゼッティの「ラ・ファヴォリータ」(DVD)の3種類しかないようだ。男声ではテノールのジェルジョ・ベッルージ(Giorgio Berrugi)の豊麗な声がいいが、インジェミスコ(われ、罪あるものとして嘆き)では、感情をこめすぎて殆どオペラだ。シャイーの指揮はムーティのようなイタリアの音楽での厳しい表現がだいぶ緩いが、その分聴きやすさはある。シャイーはテンポが速いことで有名だが、この曲でのテンポが適正かどうかはよくわからない。この演奏だけ聴いている分には、特に速い感じはしない。「リベラ・メ」後半のドライブ感が痛快だ。ミラノ・スカラ座のオケは、一流どころとはいえ、ところどころでローカル色が出てくるところに味がある。録音はもともとの音が24bit44.1kHzとハイ・レゾにしてはあまり良くないためか、全体にざらつき気味で、テュッティは歪んでしまって、聴きずらい。もしかしたら96kHzにアップ・コンバートしたのが悪かったのかもしれない。アップ・コンバートするとエネルギー感は増すが、うるさくなる傾向があるので、DSDにコンバートした。時間がかかるのでとりあえず「リベラ・メ」だけ5.6MHzのDSFに変換してみた。やはり予想通りサウンドの混濁がだいぶ減って、音のつぶれもあまり感じられない。音はそれほど柔らかくはないが、音の切れ味がシャープになり、素晴らしい音に変身。また、いつもDSDに変換すると音が弱くなる傾向にあるのだが、今回は何故か強くなっている。これだったら、DSDに変換したほうが断然いいので、そのうち全曲を変換することになるかもしれない。ブックレットは充実していて、ヴェルディがリコルディに宛てた手紙を読むと、彼の熱意が強く伝わってくる。とうことで、なかなか興味深い録音で1時間40分という演奏時間は長いとは感じなかった。一時楽譜が紛失していたとはいえ、今後演奏される機会が増えてくれれば嬉しい。ロッシーニのためのミサ曲(DECCA 4834084)24bit 44.1kHz Flac1. アントニオ・ブゾッラ:レクィエム&キリエ2. アントニオ・バッジーニ:ディエス・イレ[怒りの日]3. カルロ・ペドロッティ:トゥーバ・ミルム[くすしきラッパの音](カルロ・ペドロッティ)4. アントニオ・カニョーニ:クィド・スム・ミゼル[あわれなる我](アントニオ・カニョーニ)5. フェデリーコ・リッチ:レコルダーレ・イエズス[思いたまえイエスよ](フェデリーコ・リッチ)6. アレッサンドロ・ニーニ:インジェミスコ[われ、罪あるものとして嘆き](アレッサンドロ・ニーニ)7. ライモンド・ブシュロン:コンフターティス[呪われたる者どもを罰し](ライモンド・ブシュロン)8. カルロ・コッチャ:ラクリモーサ[涙の日]&アーメン(カルロ・コッチャ)9. ガエスターノ・ガスパリ:オフェルトリウム[奉献誦](ガエスターノ・ガスパリ)10. ピエトロ・プラタニア:サンクトゥス[聖なるかな](ピエトロ・プラタニア)11. ラウロ・ロッシ:アニュス・デイ[神の子羊](ラウロ・ロッシ)12. テオドゥーロ・エテルナ:ルックス・エテルナ[永遠の光を](テオドゥーロ・エテルナ)13. ジュゼッペ・ヴェルディ:リベラ・メ[われを解き放ちたまえ](ジュゼッペ・ヴェルディ)マリア・ホセ・シーリ(ソプラノ)ヴェロニカ・シメオーニ(メゾ・ソプラノ)ジェルジョ・ベッルージ(テノール)シモーネ・ピアッツォーラ(バリトン)リッカルド・ザネッラート(バス)ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団リッカルド・シャイー(指揮)録音時期:2017年11月8-15日録音場所:ミラノ、スカラ座(ライブ録音)
2019年02月20日
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先頃グラミー賞の発表があった。当ブログの守備範囲である、クラシックとジャズの結果はグラミー賞のサイトでしか出ていないので、何度も検索して、グラミー賞の公式サイトでやっと見つけた。その中から、ハイレゾ音源を入手しようと思ってチェックしたら、HDtracksで受賞アルバムが2割引していたので、数枚購入した。今回取り上げたスティーブ・ガッド・バンドのCDは、ノミネートの段階で入手していたもので、たまたま「ベスト・コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞」を受賞してしまった。ガッドは同部門では初のグラミー賞受賞。この部門では2016年に「Way Back Home: Live from Rochester, NY」でノミネートされている。スティーブ・ガッドについては、いつぞやプレイが古臭いと腐したことがある。今回はフュージョンのためか、古臭さはあまり感じない。ただ、ガッドがリーダーなので、ドラムが前面に出る場面が多く、それがウザい。例えばアントニオ・サンチェスの音楽とは全く違う。昔の人間なので、しょうがないといえば、お終いだが。。。フュージョンなので特に緊張感とかストイックな雰囲気は求められないにしても、緊張感はゼロ。また、似たような曲が多く変化に乏しいため、聞き流すのにはいいが、音楽と対峙して?聴くというコアなファンには向いていないだろう。というか、もともとこの部門の前身が「Best Popインストゥルメンタルアルバム 」という名前だったので、対象はポップスで、たまたまジャズメンのアルバムがはいっていただけのこと。最初から当ブログが期待する音楽でなはなかったのだ。マーカス・ミラーの「Laid Back」という同傾向の音楽もノミネートされているが、つまらなかった。最初はなんと退屈な音楽だと思って、なんでこんなのがグラミー賞なんだと思ってしまった。ところが、何回も聴いているうちに、この緊張感のなさが心地よくなってしまった。Skulkはジンタ調で古臭いが、何回も聴いているうちに、何故かはまってしまった。偉大なるマンネリだろうか。スローナンバーの「Auckland by Numbers」はルーズで夜の雰囲気満点の曲で、耳にすんなりと入ってくる。トランペットとギターのソロもいい。ただ、ベースのグリッサンドから始まる曲が多く、ワンパターン化しているのはどうかと思う。メンバーではウォルト・ファウラーのトランペットが静的ではあるが、柔らかなサウンドとセンスのいいプレイで好印象。マイケル・ランドゥのギターはそれほど表に出ることはないが、アドリブ・ソロのフレーズにハッとさせられることがある。ジミー・ジョンソンの重量感のあるAlembicの5弦ベースのサウンドが、安定感を感じさせる。「Norma's Girl」「Spring Song」でフィーチャーされているケビン・ヘイズのヴォーカルは癖がなく、曲のカントリー・フレーバーにマッチしている。いい意味で、肩の力の抜けたヴォーカル。「Spring Song」でのファンキーなギター・ソロも粋だ。「Temporary Fault」は結構シャープな音楽で、このCDでは異彩を放っている。録音は少人数のフュージョンという好条件も手伝って、凄まじくいい。特に広がりのある空間と厚みのある低音が魅力的だ。ところが、ジャケットの表だけのPDFは何ともお粗末。メンバーの名前が全員クレジットされていなくて、担当者のやる気のなさが表れている。こういう時はDISCOGに当たると詳しいデータが分かるのでとても助かる。今回も大分助けられた。CDはどうなっているんだろうか?ということで、いろいろ文句を言ってしまったが、どうやら気に入ってしまったようで、他のノミネートも聴いてみたが、ガッドのCDが一番ましなようだ。 因みに他のノミネートは次の通り。Christian Scott aTunde Adjuah – The Emancipation ProcrastinationJulian Lage – Modern LoreMarcus Miller – Laid Back つまらないSimon Phillips – Protocol 4 未聴Steve Gadd Band (BFM Jazz 3020624412)24bit 96kHz Flac1.Jimmy Johnson, Steve Gadd:I Know, But Tell Me Again2.Michael Landau:Auckland by Numbers3.Duke Gadd, Kevin Hays, Michael Landau:Where's Earth?4.Larry Goldings, Steve Gadd, Walt Fowler:Foameopathy5.Larry Goldings, Steve Gadd:Skulk6.Jimmy Johnson:Norma's Girl7.Duke Gadd, Michael Landau:Rat Race8.Allan Holdsworth:Jimmy Johnson:One Point Five9.Kevin Hays:Temporary Fault10.Kevin Hays:Spring Song11.Walt Fowler:TimpanogosSteve Gadd (Ds)Kevin Hays (vocals ,key)Michael Landau (g)Walt Fowler (tp, flh)Jimmy Johnson (b) Duke Gadd (acoustic g tracks: 3) Duke Gadd (perc. tracks: 1, 7, 8) Recorded 15th-18th December,2017,Sphere Studios, North Hollywood, CA
2019年02月18日
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ネットでピアニストのアリス=紗良・オット(30)が15日、自身の公式ホームページで、多発性硬化症と診断されたことを明らかにしたことを知った。診断はひと月前の1月15日。多発性硬化症は視力障害、感覚障害、運動麻痺などさまざまな神経症状を発症させ、厚生労働省が指定する難病。20歳代から30歳代で発症することが多く、男性よりも女性が3倍多くあらわれるという。多発性硬化症というと名チェリストのジャクリーヌ・デュプレ(1945-1987)を思い出す。若くして発症し、28歳の時に多発性硬化症と診断され、事実上引退せざるを得なかった。現在は治療法が進歩し、社会復帰している方も多いという。レコード芸術2月号のリーダーズ・チョイス2018では、アリス=紗良・オットの最新アルバム「ナイト・フォール」(DGG)が器楽曲のトップ、全体でも9位と高く評価されていた。当ブログも最近ハイレゾ音源を入手して聴き始めたばかりだったが、彼女の成熟ぶりが感じられただけに、なんとも痛ましい気持ちになってしまった。公式ホームページには、個人的なお知らせとして、彼女からの2/15付けのA personal message from Aliceが、アップされている。英語、ドイツ語、日本語で掲載されているので、是非ご覧頂きたい。彼女の現在の心境が素直に書かれている。内容を見ると診断された後、一時は絶望の淵に追いやられたようだ。しかし、その後この病気に対する正しい知識と治療の現状を把握することによって、完治には至らなくても、ほとんどの患者は日常生活を支障なく送ることができる、というと事実を知ったそうで、今後は最適な治療方法と適正なバランスのとれた生活を模索しながら、演奏も続けて行くということが書かれている。未来に向けて前進しようとする、前向きな姿勢に感動を覚える。また、公表することにより同じ病気の方々を勇気づけたい、という彼女の勇気も称賛に価する。今後いろいろなことが起こるだろうが、今の気持ちを忘れず前進してほしい。なお、オームページのスケジュールは2月の分も書かれていて、更新されていないのか、この予定でコンサートを行うのかはわからない。
2019年02月16日
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ブロムシュテットがエーテボリ交響楽団を指揮したステンハンマルの交響曲第2番がeclassicalから11月にリリースされてすぐ購入したが、ブログにまとめるのが大分遅れてしまった。スウェーデンの作曲家ステンハンマル(1871-1927)は名前は知っていたが、聴いたことがなかったので、この機会に聴こうと思って購入した。リリース当初はバーゲン価格の$12.52(現在は$20.02)になっているので、安かったということもある。ステンハンマルの作品は、もともとあまり種類が出ているわけではないし、ライブとは言えブロムシュテットの比較的新しい録音であることと、ハイレゾであることから購入したものだ。交響曲第2番は、後期ロマンティシズムに古風な様式を融合させて書かれ、「ドリア旋法の交響曲」とも呼ばれるそうだ。民謡旋律法にしたがって形成されているが、高度な作曲技法により、「スカンジナヴィア風」の抑揚が展開されているという。wikiシベリウスみたいなフィンランドの厳しい気候を感じさせることもなく、それほど強い印象を与えるわけではないが、優しい楽想に比して形式感がはっきりしていて、音楽の完成度が高い。ニールセンに似た響きで全体にさっぱりしているが、第4楽章のように熱を帯びた音楽もある。時々シベリウス風の音楽が鳴ると、急に厳しい音楽になるのも面白い。「セレナード」(1917 改定1919)はストーリー性が感じられるメロディックな曲が多く、交響曲よりも楽しめる。感覚的には、グリーグの音楽に似通っている感じがする。それに、北欧の音楽らしい雰囲気が漂っている。技法的にフィンランドやノルウェイの作曲家と似通っているのだろうか。ただし、寒々とした冬の風景ではなく、つかの間の夏を思わせる、ほのぼのとした景色が見えるようだ。中では澄み切った空気の中で少し愁いを帯びた旋律が響く「夜想曲」がいい。こういう曲は、アピール度がそれほど高くはないために、埋もれてしまいがちだが、何回も聴くうちに、その良さが感じられる気がする。ブロムシュテットとエーテボリ交響楽団は大仰な表情を付けるのでもなく、等身大の音楽を表現していると思う。繊細さが勝っている、これらの音楽では一番大切なことのような気がする。因みにステンハンマルはこの楽団の初代主席指揮者だったそうだ。録音は24bit 96kHz ではあるが、量感が不足している。特に低音が響かない。もともとオケストレーション自体鳴りが悪いのかもしれない。Blomstedt Stenhammar:Symphony No.2(BIS BIS-2424) 24bit 96kHz FlacWilhelm Stenhammar:1.Symphony No. 2 in G minor, Op. 345.Serenade in F major, Op. 31Gothenburg SymphonyHerbert BlomstedtRecorded at public performances in December 2013 (Symphony) and June 2014 (Serenade) at the Gothenburg Concert Hall, Sweden
2019年02月13日
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長らく入手困難だったミラヴァッシの代表作「AVNTI!」(前進)殆どあきらめていたが、先日amazonからお勧めのメールが来て、その中にこのディスクが入っていることに気が付いて、速攻で注文した。再プレスしたのだろうか。アマゾンのレビューがすべてが絶賛調で、期待していたのだが、実際聞いてみたら、それほどのことはなかった。軍歌や反戦歌が集められているが、あくまでもミラバッシが考えるイメージで、原曲や既存の演奏とはまるで違うユニークな世界だ。原曲のことを何も知らないで聴けば、ただの癒しの音楽と思われるかもしれない。一曲目の「El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido」(不屈の民)こそライブ盤の「DAL VIVO!」(2002)に収録されていて馴染みの曲だったが、ほかの曲の存在感が薄い。クラシックでも難曲として知られるジェフスキーの「不屈の民変奏曲」という作品がある。この曲では、主題はあくまでも反戦歌らしい勇ましさが感じられる。なので、ミラバッシの反戦歌とは思えないような悲しみを湛えた解釈は、同じ曲とは思えないほどだ。全体的にはアドリブは控えめで、曲によっては物足りないこともある。北見柊氏のライナーノートによると、このディスクは「革命歌、反戦歌、或は民衆の歌の私的なコレクションだ」とのこと。演奏自体はミラバッシの初期の作品なので、現在と比べるといかにも線が細く、今にも壊れそうな脆さが、このディスクのインティメットな雰囲気を醸成している。現在の録音に比べるとダイナミックレンジが狭いのも、功を奏している。恐らく現在の技術で録ったならば、同じ演奏でも印象がだいぶ変わっただろう。それに、青年時代のストイックな精神が現在のビラバッシに再現できるとも思えない。自作の「Revolution」が他の曲に聞かれるようなあからさまな感情が感じられず、透明感がある。最後のロシア民謡の「ポーリュシカ・ポーレ」はアドリブ主体で聴きごたえがある。Carlos Pueblaの「Hasta Siempre」では弦をかき鳴らす音から始まる。何事が起ったかと思うほどインパクトがあるが、音楽としては短く何度も聴きたくなる音楽ではない。レオ・フェレがルイ・アラゴンの詩に付けた「Je Chante Pour Passer Le temps」(私は時間を過ごすために歌う)はアドリブが饒舌でジャズの醍醐味が感じられる。ジリオラ・チンクエッティの「Sciur Padrun」(Sciur Padrun Da Li Beli Braghi Bianchi)Bnda Bassottiの「El Paso Del Ebro」(エブロの浅瀬)はスペイン内戦のエブロ川の先頭を描いた歌だが、ここでの演奏は極度に洗練されていて、原曲の持つ雰囲気はすっかりなくなっている。恐らく、原曲を当たってから聞くと、ミラバッシ独自のイメージの広がりが実感できると思う。こんな曲がと思うような武骨で荒々しい曲が高度に洗練されている例がこのディスクにはいくつもある。ただ、例えばアイルランド民謡の「ジョニー、あなただとわからなかった」の変にソフィストケートされた編曲など違和感がある。ブックレットは良く出来ている。曲の詳細な解説と、題材となった歴史上の出来事を撮った写真がふんだんに使われていて、曲の成り立ちと背景を理解するのにとても役立つ。ということで、世評とは違う感想だったが、ミラバッシのオリジナリティが最高度に発揮された優れた作品であることは間違いない。Giovanni Miravassi:AVANTI!(澤野工房 SKE333015)01.Eduardo Carrasco:El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido02.Anna Marly:Le Chant Des Partisans03.Francois Ladrezeau:Ah! Ca Ira04.Antoine Renard:Le Temps Des Cerises05.Carlos Puebla:Hasta Siempre06.Leo Ferre:Je Chante Pour Passer Le Temps07.Traditional:Sciur Padrun08.Traditional:El Paso Del Ebro09.Johnny Clegg:A Si M'Bonanga10.Rene Tybh:La Butte Rouge11.Pietro Gori:Addio Lugano Bella12.Traditional:Johnny I Hardly Knew Ye13.Traditional:Bella Ciao14.John Lennon:Imagine15.Giovanni Mirabassi:My Revolution16.Knipper/Goussev:Plaine, Oh Ma PlaineGiovanni Mirabassi(p)Recorded 14-15 May and 3 November,Studio La Buissonne,Pernes les Fontains
2019年02月11日
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去年からハイレゾのダウンロード音源を入手することが多くなった。国内のダウンロード・サイトは高いので、海外のダウンロード・サイトを利用することが多い。問題はユニバーサルやソニーなどのメジャー・レーベルの音源が日本からは購入できないことだった。これはVPN(Virtual Private Network)という技術を使うことで解決できる。VPNはその名の通りインターネット上に仮想の専用線を設け、安全なルートを確保した上で重要な情報をやり取りすることにより、盗み見や改ざんなどの脅威から大切な情報を守ることができる仕組みだ。VPNサーバー経由の通信のため、アクセス先のサイトにはVPNサーバーのデータしか残らない。これにより、VPNサーバーを海外に設置する場合、アクセス先にはその国のパソコンが接続されていると認識されるため、ブロックされることがない。この技術を使うと、普通はブロックされる海外のサイトにアクセス可能になる。フリーのVPNもあるが、セキュリティに不安があるので、有料のソフトで検討した。調べてみるとtunnel bearというソフトが良いらしい。去年少し試したが、そのまま放置していた。このソフトはフリーもあるが通信容量が500Mに制限されているので、ダウンロードには向かないと思っていた。また、現在アクセスしようとしているサイトでも購入できないタイトルが購入が出来るかを見極めることも必要だった。一昨日、思い立ってtunnel bearで接続を試してみた。このソフトは、立ち上げてVPNを選択するだけで接続できるという超簡単ソフト。iOSだとブラウザにVPN接続されている表示が出るので切り忘れを防ぐ事ができて便利だ。まずProStudioMastersというカナダのダウンロードサイトを試した。ここはラインナップが充実していて、価格も安いが、アメリカとカナダ以外は使えないサイトだ。tunnel bearでアメリカに接続し、このサイトに接続した。タイトルは買い物かごに入れることはできるのだが、決済時にブロックするという仕組みのサイトだ。結果は、ユーザー登録をしたのがVPNを使う前だったためか、登録に問題があると表示されて決済できない。おそらく、VPNを使って別なメールアドレスで登録する必要があるらしく、一時保留。それで、HDTRACKSにダメ元で接続してみた。ここは住所がアメリカでないとダメとかJCBなど日本の会社のクレジットカードは使えないなどの情報があったので、全く期待していなかった。ところが登録情報はそのまま使えて、すんなりと決済できた。その状態で続けてダウンロードしたが、流石にフリーだと通信容量が全く足りないで、少ししかダウンロードできなかった。あわててアップグレードして、再度試みたところ、無事ダウンロード完了。ダウンロード時間もそれほど遅いわけではないようだが、日本のサイトにアクセスすると、さすがに、かなり遅くなる。このブログも入力には使い物にならないほどの遅さだ。まあ、ダウンロードが目的なので全く問題ない。今回のソフトはGrizzly Bearという種類の年間プランで$55.99、月ごとだと$9.99のRememBearがあり、これは年間だと$120なので、長く使う場合はGrizzly Beargaが格安だ。ダウンロードの容量が少ない方は、無料でもいいかもしれないので、用途に応じて使い分ければいいと思う。因みに今回購入したのはシャイー指揮のロッシーニのためのミサ曲で24bit 48kHz Flacが$17.99。国内だとOTOTOYから配信されているが、16bit44.1kHzのCD音質で\4000と値段に倍以上の開きがあり、早くもお得感を感じてしまった。次は難関のQobuzで試してみたい。
2019年02月09日
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創価学会関西吹奏楽団の演奏会が盛岡であり聴きに行った。この楽団は災害支援のために以前から災害地に出かけてコンサートを催しているとのこと。今回も前日に釜石で演奏会を開いているようだ。アマチュアとはいえ学会の人たちの集まりなので、宗教色の濃い演奏会かと思って警戒していたが、それほど色がついていないので、普通の音楽会とそれほど変わらずに楽しむことが出来た。開始が1時半という変則的な時間だったが、飛行機の時間を考慮しての時間だったかもしれない。入りは8分程度で、殆どが学会関係者だったろうが、吹奏楽業界の人々にも聴いてほしかった。今回の出演は20代30代を中心に総勢72名で、全員男性という珍しい楽団。女性が大半というご時世に、男だけ集めるのもなかなか大変だと思う。トランペット8、トロンボーン5、ホルン7、チューバ5など、金管優勢の楽団だった。写真を見ると全員で100名はくだらない、一般団体としてはかなり大規模な楽団だ。創価の楽団としてはグロリアのほうが有名な気がするが、関西吹奏楽団は一般団体で、一番金賞を受賞している楽団とのこと。曲は期待していなかったが、真島俊夫の「富士山」を初めて生で聞けたことは収穫だった。1部はクラシックから日本の歌、映画音楽とバラエティに富んだ選曲だが、シンフォニックな編曲でまとめていたので、かなり聴きごたえがあった。スピリティッド・アウェイ《千と千尋の神隠し》は森田一浩のセンスのいい編曲が光った。特に「いつも何度でも」の途中から「ふたたび」が同時進行するところは、アイブスの音楽を思い起こさせ、なかなかスリリングだった。注目の「富士山」はそつのない演奏だったが、この曲の持つ途方もないスケール感が感じられなかったのは残念。指揮者体験コーナーはお馴染みの光景だったが、キーホルダーとCDがお土産に付くのはうらやましかった。お年寄りから子供まで数人が指揮したが、まともだったのは中学生の女の子。最後に指名で谷藤盛岡市長が登場し、なかなか堂に入った指揮ぶりだった。ただ、シンバルの一撃にサインを送ったのはよかったが、途中で終わってしまったのはご愛敬。市長はショーマンの才能がある?とみた。「まいどおおきに関吹ミュージックフェア2019」は歌謡曲やポップスを歌と踊りを交えながら繰り広げるという、このバンドの十八番らしい。USA,UFO、YMCA、クイーンのナンバーなどのポップスに、きよしのズンドコ節などの演歌を交えて、楽しいステージが繰り広げられた。踊り手も10人以上で、衣装も凝っていてユーモアを交えたステージにくぎ付けで、肝心の演奏に耳がいかなかったのは、果たして良かったんだろうか。PPAPではピコ太郎の衣装に扮した人物が出てきて笑いを誘っていた。あまり音が大きくないと思いながら聞いていたのだが、アンコールのボリュームの凄いこと。最後にきてこの楽団の底力が出たようだ。指揮者も一番力が入っていたようだが、学会員でない当ブログにとっては、鼻白む光景だった。コンサート前と休憩時間にアンサンブルがあった。サービス精神には頭が下がるが、なくても良かったのではと思ってしまった。マスとしてのサウンドはなかなかのものだったが、ソロになると貧弱になるのは、仕方がない。ただ、テュッティから突き抜けてくるピッコロが目立っていた。他に、柔らかなトロンボーン、アルトサックスのソロも印象に残った。パーカッションもなかなか強力で、特に本革のバスドラのズドーンとくるサウンドが心地よい。希望の絆コンサート・創価学会関西吹奏楽団定期演奏会1部1.ヴェルディ:歌劇「アイーダ」より「凱旋行進曲」2.山田耕作:この道3.真島俊夫:富士山~葛飾北斎の版画に触発されて4.久石譲、木村弓(森田一浩編):スピリティッド・アウェイ《千と千尋の神隠し》より2部郷間幹男:コンサートマーチ「虹色の未来へ」2.楽器紹介のための「山の音楽隊」3.真島俊夫:カーペンターズ・フォーエバー4.指揮者体験コーナー J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲5.まいどおおきに関吹ミュージックフェア20196.甲斐正人:青年よ広布の山を登れアンコール青葉の誓い 他創価学会関西吹奏楽団伊勢敏之(指揮 1部)田村知也(指揮 2部 MC)2019年2月3日 盛岡市文化ホール 大ホール 2階L4にて鑑賞
2019年02月07日
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クラウディオ・フィリッピーニの新作「Before The Wind」を聴く。少しご無沙汰していたが、久しぶりにフィリッピーニのCDをチェックしていて見つけたもの。今作は、CAM JAZZ デビュー作『The Enchanted Garden』(2011) と同メンバーでこの組み合わせは7年ぶりとのこと。アコースティックだけでなくエレクトリックでポップなサウンドの曲もある。彼はエレクトリックなサウンドの使い方がうまく、アコースティックの中に入っても違和感なく共存できるところがいい。アコースティックはリリカルな面が目立ち、エレクトロニカでは少し尖った表現が見られるので、この両方を受容できるのはなかなかむずかしいかもしれない。日本人に例えると、山中千尋に似た感じだろうか。最後の「Encore」のそっけない表現など、山中の演奏といってもおかしくない。当ブログも今のところエレクトロニカはあんまり賛同できない状態だ。最初の「Maia」はリズミカルでリリカルなナンバーで、Bメロがなかなか泣かせる。アドリブはベタベタしない。「Andromeda 」はイントロがバラード風だが、途中からドラムスが強めに入ってきて、バラードの雰囲気が薄くなる。外観とは違って、どちらかというと女性ピアニストのテイストが感じられる。「Don’t Elevarsi 」はイントロがエレクトロニカ風の演奏で、歪んだピアノのサウンドはあまり好きになれない。途中からアコースティックになると、ノリのいいアドリブと相まって何故かほっとする。「Forever」はリリカルなメロディーに乗ってルカ・ブルガレッリの高音域でのベース・ソロがでる。ベースの音程が決まっていて気持ちがいい。ベースソロのあとのピアノソロで誰の声だろうか、ヴォイスが重なるところはセンスの良さを感じる。「Mentre Dormi 」は通常のバラードで、フィリッピーニの美しいピアノ・サウンドが楽しめる。ベースの短いソロの後もピアノ・ソロが続くが、シンセで薄くハーモニーを付けて音楽に幅を持たせているところがいい。「Haze」はアップ・テンポの曲でエレクトリック・ピアノとアコースティック・ピアノが交互に出てくる。エレクトリック・ピアノのアドリブ・ソロがご機嫌だ。最後の「Encore」はバックがベースにエレクトリック・ピアノとシンセの効果音で、そこにドラムスのソロが乗っかるというロバート・グラスパーが演ってもおかしくない曲。アンコールというよりはエンディング・テーマという感じだ。サイドは積極的にピアノに絡んでいい感じに進んでいくが、あくまでもバックという姿勢を崩さない。最近ベースが前面に出てくるCDを聞くことが多いせいか、ピアノとの程よい距離間が心地よい。ということで、トラックのばらつきがあり、尖った表現が含まれているため、好き嫌いが分かれる演奏だろう。尖った表現が彼の持ち味なので、当ブログとしては肯定的に評価したい。Claudio Filippini:Before The Wind(Cam Jazz CAMJ 7936-5)1. Maia 2. Andromeda 3. Don’t Elevarsi 4. Bassever 5. Forever 6. Goa 7. Mentre Dormi 8. Haze 9. Encore All music by Claudio Filippini except tracks #4 Luca Bulgarelli;#6 Claudio Filippini, Luca Bulgarelli, Marcello Di LeonardoClaudio Filippini (p, keys)Luca Bulgarelli (b), Marcello Di Leonardo (ds)Recorded in Cavalicco in December 2017 at Artesuono Recording StudioRecording engineer Stefano Amerio
2019年02月05日
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1982年アメリカ生まれのアリサ・ワイラースタインという女流チェリストの新譜を聴く。いつも利用しているeclassicalに以前から気になっていたタイトルがある。弦楽器のネックの向こうに顔が半分写っているというもの。なかなかシュールな写真で、この人物が中性的な顔立ちだったことが印象的だった。今月号のレコード芸術の月評にこのCDが取り上げられていて、あのジャケットだとピーンときたこともあり、spotifyで軽く聴いた後で、ダウンロード。この方はデッカに録音していたが、この録音からペンタトーンに移籍した。今迄のジャケ写はちょっとケバい感じだったのだが、今回のジャケ写は何故か同一人物とは思えない端正な顔立ちだったのが意外。整形したわけではないと思うが、げに恐ろしいのは女性の化粧で、見事に騙されてしまった。曲目はハイドンの2曲のチェロ協奏曲とシェーンベルクの「浄夜」というプログラム。通常ならハイドンだけでもおかしくないが、「浄夜」も入っているのは嬉しい。ワイラースタインの演奏をはベルリン・フィルのヨーロッパ・コンサート2010でバレンボイムの指揮でエルガーのチェロ協奏曲を聞いたことがあるだけ。バレンボイムが高く評価しているらしい。ハイドンがすごくいい。速めのテンポできびきびと進行する。軽い仕上がりなのだが、技巧のさえが凄い。速いパッセージは唸りをあげて迫ってくる凄みがあるが、やりすぎの感じはする。技巧的には素晴らしく安定していて、ハイ・ポジションも音程がぶら下がったりしない。シェーンベルクは弦楽合奏の版で、以前聴いたジャニーヌ・ジャンセンの演奏の傾向にかなり近い。情熱的でカロリーが高い演奏。現在の主流なのだろうか。当ブログのこの曲のイメージはブーレーズのドメーヌ・ミュージカルの演奏がデフォルト。月明かりのほの暗い中で女が男に告白しているというデーメルの詩を思い浮かべてしまう。雰囲気としてはじめじめした感じだ。バックはTrondheim Soloistsという団体。ノルウェーのトロンハイムに拠点を置くアンサンブルで、設立は1988年とのこと。編成はオケの8型程度でメンバーは20数人で、指揮者は置いていない。平均年齢が30歳に満たない若い人たちばかりだが、合奏の精度はかなり高い。この団体はムターやアンスネス、ジョシュア・ベルなど一流どころとの共演をしているそうだ。今までリリースされたディスクは今回のディスクを含めて11枚。ムターとの「バッハ・ミーツ・グバイドゥーリナ」のバッハの協奏曲などで共演していて、このアルバムが2008年10月のビルボードヒットチャートの「トップクラシックアルバム」チャートの1位になったそうだ。団体としてはノルウェーの2Lというレーベルに録音している。因みにこのレーベルはハイレゾに熱心でDSD11.2MHzやMQA、192kHz Flacと幅広くラインナップしているワイラースタインがどこまで関与しているか分からないが、表現が凄まじく劇的で濃厚。しかもおどろおどろしい。こういう演奏も珍しい。ただ、1つ1つのフレーズに意味を持たせすぎている感じで、聴いている方は少々つらくなることも確かだ。この点に注目すると、ハイドンも味が濃い気がする。録音はハイドンは問題がないが、「浄夜」は演奏のせいだろうが音が混濁していて、荒れ気味に感じる。曲の出だしからざらつきぎみなのは何故だろうか。Alisa Weilerstein Transfigured Night(PentaTone PTC5186717)24bit 96kHz Flac1.Haydn:Cello Concerto No. 2 in D Major, Hob. VIIb:2 4.Haydn:Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb:1 7.Schoenberg:Verklärte Nacht, Op. 4 (Version for String Orchestra) ,revision 1943Alisa Weilerstein(Vc)Trondheim SoloistsGeir Inge Lotsberg, ConcertmasterRecorded in the Selbu Kirke, Trondheim, Norway in April 2018.
2019年02月03日
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いつぞやJAZZ JAPANの記事を読んでいて、「ものんくる」というグループに興味を持った。例によってSpotifyで試聴し、TSUTAYAでレンタルした。第3作、第4作、第2作とさかのぼってレンタルしていて第2作を聴いている状況だ。3枚目までは菊池成孔のプロデュースで最新作の4枚目がセルフ・プロデュースだったはず。第2作はまだちゃんと聞いていないので、結論は出せないが、今のところ第3作の出来がいい。ジャンルはジャズなのだろうが、ジャズっぽさはあまり感じられない。ジャズテイストのJ-POPという感じだろうか。角田隆太と吉田沙良からなる音楽ユニットらしい。(Wiki)吉田がヴォーカル担当で、角田がベース、ギターを担当している。吉田は作詞、角田は作編曲を担当している。売りは角田の楽曲と吉田のヴォーカルだろう。親しみやすい曲が多く、吉田の爽やかな歌声にフィットした楽曲づくりだ。土岐麻子や昔流行っていたEPOの雰囲気に似ているような気がする。二人組のヴォーカルユニットというと老舗の「Fried Pride」が知られているが、もんくるはフライドプライドのようにロックに傾斜しているのではなく、フォークよりだろうか。3作目の「世界はここにしかないって上手に言って」と4作目の「RELOADING CITY 」を聴いた時点では、菊池成孔がかかわった第3作のほうがジャズ・テイストが感じられる。4作目はジャズは余り感じられなくなり、そのためでもないだろうが、コンセプトがはっきりしなくなって、いまいち。それにしても、こういう音楽は聴く方も評価する方もなかなか難しいと思う。はっきりこういうジャンルだと認識されれば聴く方もそれなりに対処できるのだろうが、ジャンルをまたぐ音楽になると途端に難しくなってしまう。そういう意味で、こういう音楽は周知されるだけでも、なかなか大変だ。勿論そういうことを考えなければ、何も考えないで純粋に音楽を楽しめるのだろう。ところが当ブログみたいに古い人間になると、やはりこだわりが出てきて、上述のような感想を持ってしまうのだ。当ブログはなるべく「開かれた耳」とでもいうような姿勢で臨みたいのだが、なかなか難しい。ところで、この項を書くために「wiki」を調べたらフライド・プライドは「2016年12月23日をもって活動終了」という記述があった。この業界では日常茶飯事なのだが、気に入っていたグループだったで、軽いショックを受けた。こういうグループはよほど特色がないと長続きしないものだ。このグループはいい音楽をやっているので、できるだけ長く活動してほしいと思う。世界はここにしかないって上手に言って(ヴィレッジレコーズ)1.Driving Out Of Town2.空想飛行3.SUNNYSIDE4.花火B5.irthday Alone6.ここにしかないって言って7.時止まる街8.二人9.透明なセイウチ10.最終列車 君を乗せて11.the dawn will comeものんくる2012.12.10修正 もんくる→ものんくる
2019年02月01日
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