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カラヤン=ベルリンフィルの往年の名盤であるヴェルディのレクイエムがハイレゾ化されたことは知っていたが、ノーマークだった。HDtracksのセールがあったので、20%OFFの$14.4で購入。音は細身で音圧はあまり大きくないが、エッジは比較的はっきりしていて、鮮度は悪くない。テュッティでの混濁も許容範囲以内。この演奏はアナログしか持ち合わせていないので、しばらくぶりに聞いたが、記憶とは細かいところで結構違っていた。この演奏ではフレーニのリベラメでの名唱が目立っていたように思うが、結構イタオペらしい崩し方で、強靭な声と劇的な歌唱で、清楚だったという記憶が消えてしまった。それにこの曲のテンポが意外に遅かったのも驚き。現在の管理人の感覚だと、もう少し速いほうがしっくりくる。昔は全く意識しなかったのだが、カルロ・コスッタの美声が特に印象的だった。ギャウロフも、もっと太い声だったような記憶があるが、意外に細身ですっきりしていた。年月が経つと記憶もだいぶ変化というか、自分の都合のいいように変わってしまうものだ。クリスタ・ルードヴィッヒは少し前にワーナーの全集を聴いていたためか、変化は感じられなかった。まあ、声だけでも、これほどそろっている録音はそうはないと思う。オケは全盛時代のベルリン・フィルなので、文句のつけようがない。少し硬めのドイツ・サウンド、現在このようなサウンドを出すオケはないだろう。少し古臭さは感じるものの、現在でも十分通用する演奏だ。リマスターは2012年でDSF2.8MHzが昨年リリースされた時と同じもののようだ。PDFが付いていなかったのは残念だったが、仕方がない。Verdi: Messa da Requiem(DGG)24bit 96kHz FlacMirella Freni(s)Christa Ludwig(a)Carlo Cossutta(t)Nicolai Ghiaurov(b)Wiener SingvereinBerliner PhilharmonikerHerbert von Karajan Recorded 1/1972, Jesus-Christus-Kirche, Berlin
2019年05月31日
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ネットで配信されていた12曲に4曲を追加したデラックス・バージョンがハイレゾで配信されたので速攻で入手。前作『エミリーズ・D+エヴォルーション』での変貌ぶりに驚いたが、今回はさらに進化?している。もはやジャズのカテゴリーには入らない、いろいろなジャンルの音楽が混じった音楽、エスペランザの音楽としか言いようがない個性的な音楽。特に驚くのは2曲目の「To Tide Us Over」のとてつもないスケールの大きさ。聞いていると何故か恐ろしさを感じてしまう。恐竜が驀進しているようなサウンドだからだろうか。各々の曲には肉体の部位の名前が付いている。ディストリビューターによると『芸術と癒しの特性、音楽と身体の相互作用、また民間療法のレイキ・ヒーリングにエスペランサが関心を持ち触発されて、それぞれの楽曲は身体の各パーツをテーマに作曲されたもの。それぞれ呪文がついており、いわばエスペランサによるヒーリング・アルバム』とのこと。タイトルチューンはミュージカルの序曲のようなゴージャスなサウンドで、これから展開されるショーを待つような期待感を持たせる。エスペランザのハミングでトリップ感覚?というかドラッグ・ミュージックみたいな気分が味わえる。この気分が最も味わえるのは「How To(Hair)」だろうか。コーラスが聞こえる中で、エスペランサの呪文?が淡々と続く。リズミックなベース・ラインに乗って、ドラムスとリズミックなヴォイスが聞こえる「Move Many」はぐいぐいと迫ってくる。「Touch in Mine 」もかなり妖しい音楽だ。「The Longing Deep Down (」はモンクを思い起こさせるようなクロマティックなメロディーでたら、シュールな気分を味わうことができる。止まる寸前までテンポを落とすエンディングもニヤリとさせる。エスペランサは好きなミュージシャンなので、当ブログは特に抵抗感はないが、かなり聴き手を選ぶ音楽ではないだろうか。個性的といえばこの音楽ほど個性的なものも少ないだろう。なお、一曲ずつリリースされたときにはビデオ(呪文)も公開されていて、現在も見ることが出来る。音楽のようにトリップ感満載の危ないビデオだ。音楽といっしょに観ることで、音楽の全貌がわかると思う。追加の4曲のうち動画は「Lest We Forget (blood)」のみであとはスチール。「Lest We Forget (blood)」の動画は他の動画とは全く違っていて比較的まとも。森の中で散策するエスペランサを撮影した動画で、血がテーマなのでエスペランサの服が赤、森の中に張り巡らされたひもの色も赤、木々の葉も緑から赤に変わるようなもので、かなり凝っている。スピリチュアルな雰囲気もあり、動画の中ではもっと抵抗感なく観られる。このアルバムではエスペランサの声質がかなり効果的に作用している。これがちょっと違っただけで、だいぶ雰囲気が違うだろう。何とも、サイケデリックで、ドラッグの雰囲も感じさせる音楽と動画だ。動画を見ながら音楽を楽しむことが、この作品の全貌が把握できる正しい?鑑賞方法だろう。Dr. Lippold Hakenが始めたHanken Audio社製の「conntinuum fingerbord」という聞き慣れない楽器が使われている。無理やり訳すと「連続した指盤」だろうか。指の圧力で音の強弱、指を左右に動かすことでピッチ、指を上下に動かすことで音質をコントロールすることができるというハイテク楽器。こちらで説明とサウンドを聴くことが出来る。今回の録音に参加しているロブ・シュウィマーもちらっと映っている。これを見ると、いろいろなことが出来るようだ。あとはミュージシャンの技術とイマジネーション次第ということだろうが、ミュージシャンにとっては自分のイマジネーションがあからさまになる厄介な楽器のようだ。ということで、オリジナリティに溢れた、エスペランサにしかできない音楽で、来年のグラミー賞の有力候補になる予感がする。Esperanza Spordings:12 Little Spells(Delux Version)(Concord)24bit 96kHz Flac1.12 Little Spells (thoracic spine)2.To Tide Us Over (mouth)3.Til the Next (eyes)4.Thang (hips)5.Touch in Mine (fingers)6.The Longing Deep Down (abdominal portal)7.You Have to Dance (feet)8.Now Know (solar portal)9.All Limbs Are (arms)10.Readying to Rise (legs)11.Dancing The Animal (mind)5:0712.With Others (ears)13.Lest We Forget (blood)14.How To (hair)15.Move Many (joints)16,Ways Together (shoulders)Esperanza Spalding(vo,bass, e- bass, kalimba)Matt Stevens(guitar, vo, bass)Justin Tyson(ds, org, synths, beats) Aaron Burnett(sax)Burniss Travis(b)Corey King(vo)Rob Schwimmer(continuum)
2019年05月29日
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ビル・エヴァンスの生涯を残された映像や、関係者のインタビューで構成したドキュメンタリーTime Rememberd(原題 Time Remembered: Life & Music of Bill Evans)を見る。ビル・エヴァンス生誕90周年記念の公開公開3日目の日曜日で、入れ物が小さいとはいえ、前から2列目の席で見ることになるとは珍しいことだ。やはりビル・エヴァンスは人気があるんだろうなと勝手に納得した。位置としては画像が巨大すぎて、ストレスがあるが次第に慣れてきた。慣れとは恐ろしいが、おそらく離れてみたら印象が違ってることも考えられる。昔のフォーラムで一番前で寝て見ていたことを、ふと思い出してしまった。閑話休題亡くなって40年経つので、演奏している場面の画像の状態があまり良くないものもある。音は古ぼけたフィルムの映像でも比較的はっきりしていて、聞き苦しいことはない。見終わった後で感じることは、スコット・ラファロ、兄のハリー、内縁の妻エレインなどエヴァンスの周りには絶えず死の影がつきまとっていたことだ。「時間をかけた自殺」ともいわれるエヴァンスの生涯に、いろいろな影響を与えたショッキングな出来事がありすぎたのだ。ピアニストとしての業績に多くの時間が使われていることは当たり前だが、作曲についても結構時間が割かれていた参考になった。ポケットにいつもノートを入れていて、曲のヒントが浮かぶとすぐ書き付けていたというエピソードは、あまり知られていない彼の側面だろう。その割には作曲したのが60曲ほどだというのは少なすぎるような気がする。ジャズのスタンダードとして確立している曲も多い。初期の名作「very early」が学生時代の作曲であることは、初めて知った。技術に関してはまさに完璧で、コードを間違えたことは、ただの一度もなかったと誰かが語っていたほど。エヴァンスといえば麻薬の話になるが、ほんの軽い気持ちではじめたのが常用化してしまって、寿命を縮めてしまったのは何とも残念。車に乗っている時の吐血から始まる死の直前の生々しい様子が痛ましい。色々なインタビューから初めて聞くことも多かったが、ラファロ、モチアンとのインタープレイをまとめたのがモチアン、というラファロの姉の言葉は貴重だ。ヴィレッジ・ヴァンガードの休憩時間の有名なスナップが何度も出てくる。映画ではとても仲が良かったということになっているが、その頃はギャラのことでエヴァンスとラファロが揉めていたというエピソードがある筈。エヴァンスがケチだったというのが当ブログの認識なのだが、映画では出せないエピソードだったのだろう。エヴァンスがマーク・ジョンソンにラファロの面影を見ていたというのはおそらく本当のことだろう。また彼が参加していた時期の最高傑作がパリでのライブ(1879)と断言していたので、改めて聞き直して見たいと思う。このドキュメンタリーの特徴として死後40年もたっているのに、ハリーの妻や娘のデビー(ワルツ・フォー・デビー)など存命している多くの親族に直にインタビューしていることは、とても重要だ。勿論エヴァンスの肉声も多く聴かれ、エヴァンスが笑っているという珍しい映像まである。息子のエヴアンやその母親のネネットの話も聞きたいと思ったが、残念ながら聞くことはできなかった。生前のモチアンがインタビューで、彼の影響は今後100年は続くと言っていたことが、彼らジャズ・ミュージシャンの共通の考えなんだろう。トニー・ベネットがエヴァンスについて語っていたことも興味深かった。彼らは共演の機会は多くはない筈だが、ベネットに強い影響力を持っていたことは、とても興味深い。「美と真実だけを信じろ」そんなことを教えられたと語っていた。一種のメンターだったのかもしれない。ところで、気になったことが一つあった。チャック・イスラエルの名前がチャック・イスラエルズとなっていたこと。ネットで調べると、イスラエルズと表記されていることは普通にあるようだ。英語読みはイズリールスなので、イスラエルズの方が近い感じはするが、出来れば統一してもらいたいところだ。様々な資料や映像の収集、権利関係の交渉などを1人で行った監督のブルース・スピーゲル の苦労が結実した素晴らしいドキュメンタリーだった。エヴァンスに関心のある方には是非ご覧いただきたい。公式サイト
2019年05月27日
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久しぶりにシルク・ド・ソレイユの公演を観に行った。あまり記憶にないが、前回と場所は違っていた。ここの公演では駐車場が悩みの種なのだが、予約するにも会員登録や手数料がかかるようなので、今回は会場の斜向かいのIKEA仙台の駐車場に止めた。理由は3時間まで無料だということだった。行って見たら、価格を問わず何か購入すれば一日無料だったので、コルクボードやまくらを買った。肝心のシルクの公演だが、席がステージの下手の端で、コンサートなどの公演だとステージの袖で見るような感じで、著しく感興を損なう。最初から、テンションが下がってしまったが、公演内容も小粒で、あまり面白くなかった。観衆を驚かすような大掛かりな装置や仕掛けもない。最悪なのは、透明人間が空中ブランコを演じる「透明サーカス」。音とビジュアルで透明人間が演技しているような演目。これが全くつまらなかった。観客は人間が演技するのを見たいのであって、サーカスもどきを見たいわけではない。「コミック・アクト」という動物の鳴き声や動作をまねるアクターと客席から引っ張ってきたお客との寸劇風な演目もまたくつまらない。面白かったのはテーブルの上に椅子を積み上げてそこで演技する「バランシング・オン・チェア」。天井からも対照的な映像?が見えるようになっていたが、本物のように見えた。どうやって実現しているのだろうか。電気ウナギを模した動きで楽しませる「コントーション」は体の柔らかさを見せるサーカスでは上道の出し物だが、コスチュームが鮮やかで楽しませてくれた。音楽は10人ほどのラテン・バンドでうきうきするような楽しい音楽だった。特にアコーディオンが目立っていた。恐らく、全景が見渡せる座席だったら印象がまるで違ったものになっていただろう。口直しにDVDを見たいと思ったが、通販サイトでは見当たらなかった。会場での販売だけなのだろうか?公式サイト演目についてはこちらコントーションところで、キュリオスの仙台公演を予約しようとネットで検索したら、viagogoというサイトが一番最初にでて、つぎにピアが載っていた。ピア は手数料が高いと思って、viagogoで予約した。なにやらあと何秒とか急かされる。住所の入力や名前の入力にも決まりがあるようで、決まりに従わないと次に行けない。特に姓と名前の後に空白を入れなければならないことを気が付くまでに、だいぶ時間がかかった。その間にもう時間が減っていくし、焦るばかりだった。結局決済までたどり着いたが、予約費なるものが含まれている。後日あらためて、確認したらチケット代金が一枚あたり¥6500に対し¥11990手数料が2枚分で¥5995,送料¥480で、チケットはEチケットで送料はあとで戻すという話だったが、まだ手続きされてない。調べて見たら、viagogoは海外の大手転売サイトであることがわかった。転売しようと思ったが、買い手がつくかわからないし、手数料も取られるので諦めた。期待の公演だったが、いく前に期待がしぼんでしまった。今回は勉強だと思って諦めるが、二度とこのサイトは使いたくない。今回の公演はあと少しになったが、老婆心ながら、公式サイトに載っている正規窓口から購入することをお勧めする。
2019年05月25日
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ぺトレンコ指揮ベルリン・フィルのチャイコフスキーの「悲愴」のライブ録音を聴く。例によってeclassicalからのリリースで$13.33と激安価格。何度も書いているが、ここはファイル容量によって価格が変わるので、収録時間が短いとかなり安くなることがあり、今回もその例。因みに一緒にダウンロードしたロトの巨人もほぼ同じ価格。他社ではまねのできない値付けなのだが、これでペイできているんだろうか。他人事ながら心配になってしまう。この悲愴はぺトレンコが2015年にベルリン・フィルの常任に決まったあとの最初のコンサート(2017)のライブ録音。ぺトレンコの演奏はPrime Seatでも聴くことが出来るが、フランツ・シュミットの1回しか聞いたことがない。この無料配信も、最近はとんとご無沙汰だ。前置きが長くなったが、今回の悲愴、当ブログの期待が大きすぎたのか、つまみ聞きした時は、あまりいいとは思はなかった。つまみ聞きしたのは第4楽章。当ブログの期待する悲しみの雰囲気があまり感じられない。改めて全曲を聞くと、この楽章が一番出来が悪かった。というか、ペトレンコに最も向かない楽章だった。全曲を聞くと、とにかくパワフル。重戦車が轟音を立てて進むような感じで、生で聴いたらさぞ興奮するだろうなという演奏だった。当ブログの期待は今迄の演奏になかった新たな気付きが得られるか、ということだけだった。なので、ペトレンコの演奏に、それを求めるのは的はずれだったかもしれない。いわばその瞬間の熱狂を求める向きには最高の演奏だろう。例えて言えばカルロス・クライバーに通じる芸風の持ち主と感じる。テンポは速めで、基本インテンポ。テンポの揺れや伸び縮みは僅かにあるが、注意深く聴いていないと分からない。通常の演奏では気が付かないクレッシェンド・デクレッシェンドもあり、スコアを見るとその通りになっている。そうかと言って剛直という訳ではない。なので、遅い楽章では、あまり面白みがない。その代わり、通常のテンポの楽章での力強さが半端なく、それだけで圧倒される。細部で小細工していると思うが、あまりあからさまに聞こえるような真似はしていない。ただ、この部分ではこの楽器が目立ってほいいというようなところが、ことごとく期待はずれで、いい意味で聴き手にこびない演奏家なのかもしれない。どうもこの指揮者は頭で考えるのではなく、感覚が優先する指揮者の様だ。第3楽章のコーダは僅かにテンポを落としているところは、ちょっとやぼったい。ベルリン・フィルは普通の出来。最近はどのオーケストラも実力が向上しているので、ベルリン・フィルの優越性はあまり感じられなかった。管のソロは各奏者にお任せのようだが一部?と思うようなところもあった。また、第1楽章後半のティンパニのロールや第3楽章のパーカッションは明らかにやりすぎ。参考までにカラヤンWPOの演奏も聴いてみた。ぺトレンコの演奏と比べるとレガートが目立つが、その柔らかな肌触りは何とも言えない魅力がある。どうも、この方は実演を聞かないと真価が分かりにくいようだ。録音はダークで重厚なサウンドだが、柔らかさと透明度がいまいち。DSDの5.6Mに変換してみたが、透明度が上がったくらいで、大きな変化は感じられなかった。なお、PrimeSeatでは3楽章限定で4/30から配信されているので、ご興味のある方はお聞き頂きたい。Kirill Petrenko Tchaikovsky:Symphony No.6 "Pathétique"( Berliner Philharmoniker Recordings BPHR190264) 24bit 96kHz FlacBerliner PhilharmonikerKirill Petrenko(conductor)Recordings from March 2017 from the Philharmonie Berlin
2019年05月21日
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エリーナ・ガランチャの久しぶりのアルバムはポピュラーなラテン・ナンバーを集めたもの。タイトルはスペイン語で「太陽と人生」という意味。5/10にリリースされたが、ハイレゾも同時リリース。この前エスペランサ・スポルディングの新作をProstudiomastersで見ていて、偶然ガランチャの新譜を見つけて速攻でゲットした。セール価格とはいえ税込みで2枚で$32.52、邦貨だと約\1380とかなり安い。この前カナダのサイトは税金がかかるから避けたほうがいいようなことを書いてしまった。あとでクレジットの明細を偶然見て、カナダドルは¥85で、米ドルの20%ほど安いことに気が付いた。なので、税金が付くとは言え、現在のレートだとProstudiomastersではカナダのほうが安いことが分かった。ただ、ブックレットが付いていないので、データを探さなければならないが痛い。前置きが長くなったが、がランチャの新作はポピュラーのラテン・ナンバーとクラシックの有名な歌曲を主にオケ伴奏で歌うという趣向。ジャンルを問わず歌手が大物になると、ポピュラーなアルバムを作ってヒットを狙う傾向があるように思うが、最近のアルバムのコンセプトを見ると、彼女もそういうレベルの歌手になったのかもしれない。歌は立派だが、キャッチ・コピーの「南国の情熱」は温度が低めで、情熱がいまいち感じられなかったのは残念。ただし、ポピュラー・ナンバーとクラシックでは歌い方を変えているのが好印象。クラシッの発声でポピュラーを歌われた時の居心地の悪さを感じないのは何よりだ。ピアソラの「私はマリア」は軽い声で歌う場合とドスの効いた声で歌う二つのアプローチがあるが、今回は後者。表現が重く、当ブログとしてはあまり楽しめなかった。バックはまあまあだが、編曲が厚ぼったいので、ラテンの気分がいまいち伝わってこない。ラテン・ナンバーではリズミックな曲よりもバラード風のゆったりとした音楽が彼女にはあっている。その中では、カルロス・ガルデルのタンゴの名曲「想いの届く日」がしびれる仕上がり。バックがホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイのギターなどのコンボのナンバーは飾らない歌唱で、最も楽しめるトラックだった(track 2,4)。特に4曲目の「人生よありがとう」は心に沁み渡る演奏だった。最後の「ブラジル」はブラスも入ってなかなかゴージャスな仕上がりだが、バタ臭くてあまり楽しめない。クラシックのナンバーは南国とは関係ないだろうが、どういう意図で選ばれている不明。イタリアの作曲家ガスタルドン(1861-1939)の「Musica proibita(禁じられた歌)」は初めて聞く曲。イタリアで人気のある曲らしいが、ガランチャの歌唱と相まって曲の劇的な展開が楽しめた。トスティの「君なんかもう」などともに、クラシックの曲のほうがスタイルが違うとか余計なことを考えずに済む。ガランチャの最近の傾向として、このようなポピュラー系のアルバムが多くなったような気がする。昔の「ベルカント」(DGG)のような本格的な歌唱が楽しめる録音は望めないのだろうか。Elina Garanca:Sol y vida(DGG 4836217)24bit 96kHz Flac1) ララ:グラナダ(K.M.チチョン編)2) メキシコ伝承曲:ラ・ジョローナ(泣き女)(J.M.ガジャルド・デル・レイ編)3) 伝承曲:Vai lavar a cara4) ビオレータ・パラ:人生よありがとう(J.M.ガジャルド・デル・レイ編)5) グリーグ:T'estimo6) カルディッロ:カタリ・カタリ7) デ・クルティス:帰れソレントへ8) 忘れな草9) ガスタルドン:禁じられた音楽10) トスティ:君なんかもう(K.M.チチョン編)11) デ・クルティス:夜の声12) トスティ:マレキアーレ13) ピアソラ:私はマリア(『ブエノスアイレスのマリア』より)(J.M.ガジャルド・デル・レイ編)14) ロセンド・マト・エルミダ:Lela15) パブロ・ソロサバル:そんなことはあり得ない(『港の居酒屋』より)16) カルロス・ガルデル:想いのとどく日(K.M.チチョン編)17) アリ・バホーゾ:ブラジル(K.M.チチョン編)エリーナ・ガランチャ(メッゾ・ソプラノ)、ホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイ(ギター)(2,4,13)、カレル・マーク・チチョン(指揮)グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団(1,3,5-12,14-17)録音:2018年11月12-19日、スペイン、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア
2019年05月18日
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取り上げるのがだいぶ遅くなったが、昨年リリースされたブラッド・メルドーとチャーリー・ヘイデンが行った2007年のドイツのエンジョイ・ジャズ・フェスティヴァルでのライブ録音を聴く。マンハイムのキリスト教会で開催されたステージを収録。教会なので残響が長いはずだが、あんまり感じない。教会の空気感も、音量を上げないと感じられないほどだ。演奏時間は110分ほどなので、エコンサートの全曲を収録したのだろう。演奏は派手なところはないし、ピアノもベースも柔らかなタッチで、激しい表現は皆無。メルドーの特異な音楽性がよくわかるデュオだ。それもヘイデンのどっしりと構えたベースが相手だからこそだろう。当ブログは、今でこそ抵抗なくメルドーの音楽を聴けるようになったが、聴き始めた頃は、ばりばり抵抗感があって馴染めなかったことが懐かしく思い出される。殆どがミュージカルやスタンダードばかりで、地味な選曲。因みに、バート・ランカスター主演の映画「アパッチ」からのナンバー「My Love And I」はヘイデンの好きな曲だそうだ。http://www.charliehadenmusic.com/tag/my-love-and-iここではヘイデンがこの曲をコールマン・ホーキンスのLP「Today and Now」(Impulse)で聴いた時のことが書かれていてとても興味深い。ホーキンスの素晴らしい演奏はyoutubeで聴くことが出来る。この曲はトミー・フラナガンとのデュオでフラナガンの含蓄のあるピアノも素晴らしい。ジョン・テイラーとのデュオアルバム「Night Fall」でも取り上げられていた。今回の演奏はミディアム・テンポで、最初はまともだが、メルドーのソロになると俄かに様子が違ってくるのはお決まりのパターン。ヘイデンのソロは珍しくメロディックで滋味あふれるもの。メルドーの美しいコンピングと続くソロも美しい。タイトル・チューンはリタ・ヘイワースとジーン・ケリーが出演したミュージカル「カバーガール」(1944)の挿入歌。テンポが速いのはこの曲くらいで、他はオーソドックスなアプローチ。所が、この曲が癖ものだった。メルドーのアドリブ・ソロが左手と右手が全く違うことをやっている。最初は気がつかなかったが、気づいた途端びっくりしてしまった。頭が半分に分割しているのかと思えるような演奏なのだ。メルドールがニヤニヤしながら演奏していて、聴衆がぽかんと口を開けている情景が見えるようだ。ヘイデンのソロのあとのピアノ・ソロも半音階的なもので、食えない奴だな~と思ってしまった。「My Old Flame」や「Everything Happens To Me」はテンポを落とした演奏で、メルドーのソロもオーソドックスなもの。メルドー独特のフレーズやアドリブ・ソロで、ピリッとスパイスの効いた演奏は他の平凡な演奏と大違いだ。一曲目のパーカーの「Au Privave」はテンポがかなり遅く、バップナンバーの荒々しさはほとんど感じられない。そしてメルドーのソロになると、ひたすら暗くなる。Charlie Haden & Brad Mehldau:Long Ago And Far Away(Impulse B0029141-02)1. Charlie Parker:Au Privave2. Arthur Johnston:My Old Flame3. Irving Berlin:What’ll I Do4. Jerome Kern:Long Ago And Far Away5. David Raksin.:My Love And I6. Matt Dennis :Everything Happens To MeBrad Mehldau(p)Charlie Haden(b)Recorded on November 5, 2007 at the Christuskirche in Mannheim, Germany during the Enjoy Jazz Festival.
2019年05月16日
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森麻季が久しぶりに来盛したので聴きに行った。この会場では駐車場が空いているかが心配なのだが、今回は満杯で少し離れた都南総合支所に止めなければならなかったのは心掛けが悪いため。入りは後ろの方に空席が目立った。今回はタイトルが「音の美術館」副題が「イタリア 美への旅路」と題した企画ステージ。ステージの後ろにイタリアの名画を写しながら、歌を歌うという趣向。トーク・ナビゲーターを起用して、イタリアルネサンス時代の絵画約50点が映し出され、ルネサンスがどういう時代であったか、どういう出来事があったかなどが解説された。絵画の解説は殆どなく、音楽との関連が語られるでもなく、よくわからない趣向だった。また、絵画に神経が行ってしまい、歌に集中できないのも問題だった。ただ、ルネッサンスまでの音楽は神様が奏でるものということが絵画に描かれていることや、ルネサンスでの遠近法の発明の説明を絵を使って説明されていたところは、興味深かった。森麻季の歌は、以前聞いた時の印象とあまり変わらなかったが、息の関係だろうが、フレーズが唐突に途切れる感じのところが何回かあり、少し気になった。また、ルネッサンス時代の歌曲もプッチーニも同じようなアプローチで様式の違いが感じられなかった。まあ、先鋭的な歌手ではないので、望む方が間違っているのかもしれないが・・・ピアノにも同じことが言える。ルネッサンスの曲は知らない曲ばかりだったためか、曲の良さが伝わってこなかった。当ブログとしても勉強が必要だ。最後に置かれたプッチーニの3つのナンバーも、それほど盛り上がらなかった。山岸茂人のピアノはかなり鳴っていたが、曲にあっていたかどうかは疑問がある。グノーの「アベマリア」の間奏で、技巧的なパッセージをきらびやかに弾いていたが、場違いな感じがした。森麻季 音の美術館第1部1.ジュリオ・カッチーニ:アマリッリ2.マルカトニオ・チェスティ:あこがれの人のまわりに3.アントニオ・ヴィヴァルディ:来て、いとしい人よ4.マルカトニオ・チェスティ:さよなら・コリンド5.ルイジ・ルッシ:私をどこまで6.バッハ/グノー:アベ・マリア7.シューベルト:アベ・マリア8.マスカーニ:アベ・マリア第2部1.ヴィンチェンツォ・ベルリーニ:優雅な月よ2.ステファーノ・ドナウディ:ああ愛する人の3.クリストフ・W・グルック:歌劇 「オルフェオとエウリディーチェ」より精霊の踊り4.ジャコモ・プッチーニ:歌劇「つばめ」よりドレッタノ夢5.ジャコモ・プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」よりわたしのお父さん6.ジャコモ・プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」よりムゼッタのワルツアンコール菅野よう子:花は咲く越谷達之助:初恋森麻季(s)山岸茂人(P)浦久俊彦(ナヴィゲーター)2019年5月12日 キャラホール 10列43番で鑑賞
2019年05月14日
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今年のグラミー賞ノミネートのカート・エリングの「The Qustion」を聴く。因みに彼は2010年に「Dedicated To You」(concord)でもグラミー賞を受賞している。最近のグラミー賞最優秀ジャズヴォーカル賞で目立つのはセシル・マクロン・サルバントで今回の2年連続受賞のほかに2016年にも受賞していて、今の時点では無敵の存在だ。彼女の場合には、単純に歌がうまいのではなく、人を惹きつけるものがあるからだろう。特にライブになると彼女の魅力全開になる。カート・エリングはテクニックは彼女に引けを取らないが、人気が広がらないのはアピール度が低いためだろう。彼はジャズ界だけではなく、ショー・ビジネスの世界で活躍してもおかしくない存在だけに、惜しい。バックは最近付き合いの多いブランフォード・マルサリスのグループ。リリースは昨年の3月だったが、当ブログが知ったのはグラミー賞のノミネートが発表された後で、この項を書くまであまり聞いていない。オリジナルは彼らの「A Happy Thought」と「The Enchantress」、ジャズメンのオリジナルはパストリスの「A Secret in Three Views」のみ。スタンダードも3曲であとはボブ・ディランをはじめとするポピュラーナンバーで構成されている。全体にさっぱりとした仕上がりで、静けさが印象的な演奏が目立つ。ポピュラー・ナンバーは全く知らない曲ばかりで、表現も控えめだが、味わいのある演奏で曲の良さが心に沁み入る。カート・エリングのヴォーカルは泰然として。全く揺るぎがない。ただ、生真面目で立派すぎるし、生の感情があまり伝わってこないのが物足りない。無伴奏で始まるボブ・ディランの「A Hard Rain's-a-Gonna Fall」確信に満ちたヴォーカルから惹きつけられる。バックのタイトなサウンドも魅力がある。ポール・サイモンの「アメリカの歌」はさっぱりとしたテイストだが、どん底から這い上がろうとする熱い心と力強さが感じられる感動的な演奏。スタンダードはアレンジが新鮮で聞かせる。特にイントロがギターのみの「Sky Lark」は完成度の高いアレンジで、エリングのビロードのような声とよくマッチしている。間奏でのスチュ・ミンデマンのしっとりとしたピアノもいい感じだった。スタンダードの「I Have Dreamed」は最初ひんやりとした肌触りだが、後半盛り上がっていくところはなかなか感動的だ。バーンスタインの「オン・ザ・タウン」のナンバー「ロンリー・タウン」は、原曲がスローテンポなのに対して、軽快なテンポにしたことで、しゃれた感じになっている。バックではメロウなマークイス・ヒルのトランペットが目立つが、全体的には騒々しい感じがする。特にジャコの「A Secret in Three Views」のワッツのドラムスがうるさい上に、後半に加わるスチュ・ミンデマンのオルガンがダメ押ししている感じでうるさいことこの上ない。Kurt Elling:The Questions(Okeh 88985492832)1.Bob Dylan:A Hard Rain's-a-Gonna Fall (featuring Jeff "Tain" Watts/Branford Marsalis)2.Franz Wright, Stu Mindeman:A Happy Thought (featuring Stu Mindeman)3.Paul Simon:American Tune4.Peter Gabriel:Washing of the Water5.Jaco Pastorius, Kurt Elling, Phil Galdston, Rumi:A Secret in Three Views (featuring John McLean/Stu Mindeman)6.Betty Comden And Adolph Green, Leonard Bernstein:Lonely Town (featuring Joey Calderazzo/Marquis Hill)7.Carla Bley, Kurt Elling, Sara Teasdale:Endless Lawn(featuring Marquis Hill)8.Rodgers & Hammerstein:I Have Dreamed(featuring Branford Marsalis)9.Joey Calderazzo, Kurt Elling, Wallace Stevens:The Enchantress (featuring Joey Calderazzo)10.Hoagy Carmichael, Johnny Mercer:Skylark(featuring Stu Mindeman)Kurt Elling(vo)Marquis Hill(tp,flh)Branford Marsalis(sax)John McLean (g)Stu Mindeman(p,org)Joey Calderazzo(p track 4,6,9)Clark Sommers(b)Jeff "Tain" Watts(ds)Recorded by Chris Allen, October 5-12, 2017 at Sear Sound, New York, NY
2019年05月12日
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テレビで予告していたのを見て聞きに行った。当ブログは合唱については全く知識がなく、気が向いた時に聞く程度だ。合唱単独のコンサートは東京混成合唱団の演奏会を何度か聴いた程度で、今回はいい機会だと思って聴きに行った。一階はほぼ満席で、合唱業界の関係者ばかりかと思ったら、そこらへんのおじさん、おばさんも来ていてびっくり。ザクセン声楽アンサンブルは、1996年に指揮者マティアス・ユングによってドレスデンで創設され、短期間のうちにドイツ国内はもとより国際的にも高く評価される、傑出した室内合唱団へと成長している。メンバーの大半がドレスデン音楽大学の卒業生やドレスデン聖十字架合唱団のOBで占められている。2009年、2011年、2016に続き4度目の日本ツアーで、指揮者のマティアス・ユングはびわ湖ホール声楽アンサンブルの定期を振るなどつながりが強い。コンサートは前半、後半とも神戸大学外学院教授の藤野一夫氏による解説があり、後半にはユングへの簡単なインタビューもあった。総勢23人で、女声が11人という編成。曲によって2,3人男性がアルトを補強していたのは珍しい。2部ではソプラノに男声が加わっていた曲もあったようだ。技術的な完成度が高く、澄み切ったハーモニーと、決して大げさにならない表現が心に染み入る演奏会だった。前半は宗教的な題材を扱った曲が集められていた。シュッツ(1585-1672)から現代のウルマス・シサクス(1960-)まで幅広い時代の作曲家が取り上げられていた。宗教曲という同じ土俵の曲だったからか、シュッツも現代曲も違和感無く聞けた。というよりもシュッツが古くさくないことに驚いたというべきだろうか。前半特に気に入ったのはシュッツのの詩篇第116番「有難きかな」からの「地獄の不安と魂の平穏から」、それにマウエルス・ベルガー(1889-1971)のモテット「なんとこの街は荒れ果ててしまったのことか」の2曲。シュッツは大曲で聞き応え十分。マウエルスベルガーは第二次世界大戦でのドレスデン大空襲を悼んだものだが、意外に生々しくはなく昇華されたように感じる。ただ聴いていたら、焼けただれたドレスデンの街の情景が見えるような気がした。後半はゲーテ、ハイネ、ガイベルというドイツの詩人のたちの詩による曲を集めている。ガイベルは聞いたことのない名前だったが、ドイツでは最も成功した詩人で、作曲の数はゲーテ、ハイネに次ぐ多さだそうだ。初期ロマン派から、20世紀の作品を集めている。ここでもほとんど聞いたことのない曲ばかりだったが、すぐれた曲が多く、とても楽しめた。この中ではファニー・メンデルスゾーンとクララ・シューマンの作品。ファニー・メンデルスゾーンは弦楽四重奏曲を聴いて以来注目している作曲家だった。フェリックス・メンデルスゾーンの妹と紹介されていたが、姉の筈。「森の中で」はロマンティックな曲だが、重くならず爽やかな曲想は弟の作風に通じるものがあり、ただならぬ才能を感じさせる。ことしはクララの生誕200年だそうで、クララ唯一の合唱曲「エマニュエル・ガイベルの詩による3つの混声合唱曲」でお祝いしたとのこと。瞑想的な第1曲、タイトル通り前向きに前進していく明るさが感じられる第2曲、第2曲を引き継いだような明るい第3曲と、短いながら清々しい気分になる傑作だろう。アンコールで「さくらさくら」が歌われる予感が何故かしていたが、「赤とんぼ」まで歌われると思っていなかった。どちらも和風で暗めのアレンジではなく、斬新なイントロと透明感のあるアレンジ。なお、プログラムにはユングによる詳しい曲目解説とドイツ文学者の伊藤史明氏による対訳が付いていて大変参考になった。ザクセン声楽アンサンブル 北上公演第一部 「主よ、この時代に平和をください」シサスク:われらに平和を与えたまえシュッツ:わたしは主を愛する SWV51ペルト:主よ、平和を与えたまえシュッツ:恵みもてわれらに平和を与えたまえ SWV372われらの王に与えよ SWV373マウエルスベルガー:なんと荒涼たる町よJ.S.バッハ:「来たれ、イエスよ、来たれ」BWV229タヴナー:主の祈りニーステッド:われは平和をあなた方に残し第2部 「山から丘へ」J.G.シヒト:さすらいの歌F.ジルヒャー:ローレライ(ハイネ)F.メンデルスゾーン:3つの歌(ハイネ)R.シューマン:トゥーレの王 Op.67 Nr.1(ゲーテ) ~「ロマンスとバラード第1集」よりR.シューマン:野ばら Op.67 Nr.3(ゲーテ)C.シューマン:3つの混声合唱(ガイベル) ヴェネチアの夕べの祈祷 「前へ」 ゴンドラの舟歌E.ペッピング: ナイチンゲール(ゲーテ) 吠えたてる犬(ゲーテ) アナクレオンの墓(ゲーテ)ブラームス:肝に銘ずること(ゲーテ) ~「6つの歌曲とロマンス」よりファニー・メンデルスゾーン:「森の中で」(ガイベル) ~「無伴奏混声合唱のための園の歌」よりM.ハウプトマン:さすらい人の夜の歌(ゲーテ)アンコールさくらさくら赤とんぼ他1曲マティアス・ユング(指揮)ザクセン声楽アンサンブル2019年4月4日 北上市文化交流センター さくらホール 1階10列27番で鑑賞
2019年05月10日
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「Upward Spiral」(2016)以来のブランフォード・マルサリスの新作。最近のブランフォード・マルサリスは耽美的な演奏が多く、熟成が進んで、腐敗寸前の果物のような危ない雰囲気を感じさせる。反面、ジャズのガッツが不足しているようにも思える。今回も同じ傾向かと思っていたが、予想はいいほうに裏切られた。「Dance of the Evil Toys 」は最近のブランフォードの演奏では聞かれなくなった激しい表現と,虚無的な表情のコントラストが絶妙だ。現在のブランフォードのジャズ界での立ち位置は分からないが、こういう激しいプレイを聴くと、「腐っても鯛」という言葉を思い出してしまう。もっとも、来年には60歳になるわけで、衰えても何ら不思議はない。特にジャズの場合は技術もさることながら、アイディアやイマジネーションが重要なので、年齢は重要なファクターの一つだ。カルデラッツオの「Conversation Among the Ruins 」はリリカルなナンバー。あくまでも清冽で、耽美的でないところがいい。遺跡の対話?というタイトルから伺えるような寂しさも感じられる。アンドリュー・ヒルの「 Snake Hip Waltz 」はコミカルなワルツでモンクの作曲といっても、おかしくない。ブランフォードの火の出るようなソプラノ・ソロが聞きもの。「Cianna」は、カルデラッツオ作のラテン・バラード。曲自体は悪くはないが、まったりとした感じで、他の曲に比べると刺激が少なく、物足りない。エリック・レビスの「Nilaste」は半音階的なメロディがオーネット・コールマンの作品を思い出させる。ブランフォードの「Life Filtering from the Water Flowers」はこのアルバムのハイライト。悲しみを帯びて耽美の極致を行くような演奏で、今にも崩れ落ちそうな浪漫の香りが感じられる。キース・ジャレットの傑作「Death & The Flower」(impulse)の雰囲気によく似ている。何方もタイトルにflowerが付いているのは偶然だろうか。最後の「The Windup 」は「ビロンギング」のキース・ジャレットの曲。テーマの直後からのカルデラッツオの火の出るような凄まじいアドリブが素晴らしい。後半はブランフォードの激しいアドリブが延々と続く。最近のアルバムに物足りなさを感じていた管理人としては、久しぶりに満足のいく演奏が聴けて、とても嬉しかった。カルデラッツオ以外ではジャスティン・フォルカーのパンチの効いたドラムスが印象に残った。録音はベースの音が時々歪むのが問題。最近では珍しいことだ。Branford Marsalis / The Secret Between the Shadow and the Soul(Marsalis Music 19075914032)1. Eric Revis:Dance of the Evil Toys2. Joey Calderazzo:Conversation Among the Ruins3. (Andrew Hill:Snake Hip Waltz4. Joey Calderazzo:Cianna 5. Eric Revis:Nilaste6.Branford Marsalis: Life Filtering from the Water Flowers7. Keith Jarrett):The WindupBranford Marsalis (Ts, Ss)Joey Calderazzo (P)Eric Revis (B)Justin Faulkner (Ds)Recorded May 28-30, 2018 at Alexander Theatre at Monash University, Clayton, VIC Australia
2019年05月07日
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パブロ ・エラスカサドとフライブルク・バロックオーケストラのメンデルスゾーンの交響曲録音シリーズ。今回は第1番とピアノ協奏曲第2番の組み合わせ。同じハルモニア・ムンディで継続中のマンゼ指揮NDR交響楽団との棲み分けはどうなっているんだろうか。まさか、HIPとモダンオケという区分けではないだろうが・・・交響曲第1番はメンデルスゾーン15歳の時の若書きだそうだ。この作品の前に弦楽のための交響曲が13曲書かれているが、出版社ではこの曲を交響曲第一番として出版したそうだ。ベートーヴェンなどの影響が強く感じられるが、若々しい楽想とフライブルク・バロックオケの勢いのあるテンポ、爆発するようなサウンドで、とても若書きと思えないエネルギーを感じる。メンデルスゾーンといえば柔和な表情が特徴と思っていた当ブログにとっては、この演奏は目から鱗だった。カラヤンやネゼ=セガンの演奏も聴いてみたが、従来のスマートな印象で、今回のような沸き立つようなエネルギーを感じさせる演奏ではなかった。古楽出身のマンゼの演奏でも温い感じがする。今回の演奏のような刺激的な演奏が多くなれば、この曲の知名度も上がる気がする。「美しいメルジーネの物語」は穏やかな曲想から始まるが、速くなると暴力的な表現に変わる。ピアノ協奏曲第2番も初めて聞いた曲。ヴァイオリン協奏曲同様楽章間に切れ目がない。メンデルスゾーン特有の幻想的で優雅な音楽で、親しみやすい。シューマンのピアノ協奏曲に似た雰囲気だが、あれほど暗くはなく、メンデルスゾーン的な明るさが出ていて、気持ちよく聴ける。天才として名高いベザイデンホウトのフォルテ・ピアノも初めて聞いたが、癖がなく、そもそもフォルテ・ピアノらしくないサウンドだ。音楽は素直で大仰な身振りもなく、曲を知るのに適しているだろう。エラスカサドは曲が大人しいので、交響曲の様に爆発する場面もなく、伴奏に徹している。ただ、ところどころでエッジの利いたサウンドが聞かれ、いいスパイスになっている。歯切れがよく生き生きとしているところは、交響曲同様で、メンデルスゾーンの明るく快活なところが良く出ている。ただ、オケが少し強すぎるような気はする。今回のピアノ協奏曲は、曲を知らないので演奏の特徴が分からない。他の演奏者の演奏を聞く必要がありそうだ。Mendelssohn: Piano Concerto No. 2 & Symphony No. 1(Harmonia Mundi 902369DI) 24bit 96kHz FlacFelix Mendelssohn-Bartholdy(1809-1847):1.Symphony No. 1 in C Minor, Op. 115.Piano Concerto No. 2 in D Minor, Op. 40: I. Allegro8.Overture zum Märchen von der schönen Melusine in F Major,Op. 32: Allegro con motoKristian Bezuidenhout(fp) fortepiano Érard, Paris 1837, Edwin Beunk CollectionFreiburger BarockorchesterPablo Heras-Casadorecorded Septembre 2018, Ensemblehaus Freiburg, Allemagne
2019年05月05日
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イアン・ボストリッジがシアトル交響楽団と共演したフランス物の歌曲集を聴く。Prostudiomasters(加)で$12.59+税で購入。Seattle Symphony Mediaというシアトル交響楽団の自主レーベルからのリリース。このレーベルはステレオのほかに5.1サラウンドもリリースしているが、サラウンドはPrimephonicとAcoustic Soundsの2社のみ。2017年のライブだがライブとは思えないほどSNが良い。ベルリオーズの「夏の夜」は以前ロトの「イタリアのハロルド」との組み合わせでリリースされていた録音に触れた。その時はバリトンを起用しての演奏だったが、結構違和感があった。今回もテノール一人の歌唱なのだが、全く違和感がなかった。恐らく、ボストリッジの細身で澄んだ声のためだと思われる。女声と比べても全くおかしくなく、素晴らしい歌唱だ。テンポは通常より少し速めだが、あまり速いとは感じられない。夏の夜といえば肌に絡みつくような熱気を思い出すが、ここでの演奏は夏の夜の涼しい風を感じさせるような爽やかさだ。ラヴェルの「シェヘラザード」もソプラノ向けの曲だが、ボストリッジの中性的な声がうまくマッチングしている。この曲はロト盤でも触れたデイビス指揮のノーマン盤に比べると、20秒から1分も短いが、聴感上速い感じは全くしない。それどころか、オケの細かいパッセージが、小気味よく感じる。最後はドビュッシーの「シャルル・ボードレールの五篇の詩」(1889)から。第5曲「La mort des amants」(恋人たちの死)以外の4曲をジョン・アダムスがオーケストラに編曲したもの(1993)この曲も指定がソプラノだが、ボストリッジの歌は全く違和感がない。ジョン・アダムス編曲は2管編成で、原曲の研ぎ澄まされた味わいに比べると、多少大味になっているのは仕方がない。ドビュッシーというよりはリヒャルト・シュトラウス風の色彩豊かなサウンド。個人的には、もう少し暗めのシャープなサウンドが、よりふさわしいと感じられる。ルドヴィク・モルロー指揮のシアトル交響楽団はハーモニーが少し厚めだが、フランスの香気が感じられるしなやかな表情が、とても魅力的だ。管のソロも安定感があり、惹きつけられ。Ian Bostridge sings Berlioz, Ravel and Debussy/Adams( Seattle Symphony Media SSM1021)24bit 96kHz Flac1.Hecgor Berlioz:Les nuits d'ete, Op. 7, H. 81B7.Murice Ravel:Sheherazade, M. 4110.John Adams:Le livre de Baudelaire (After Debussy's L. 64)Ian Bostridge (tn)Seattle Symphony OrchestraLudovic Morlot(cond)Recorded: 2, 4-5 November 2017(Les nuits d'ete)Recorded: 31 October 2017(Sheherazade)Recorded: 3 and 7 November 2017(Le livre de Baudelaire )Recording Venue: Live recording, S. Mark Taper Foundation Auditorium, Benaroya Hall, Seattle, Washington, USA
2019年05月02日
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