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そういえば、最近ジャズ・ヴォーカルのジェーン・モンハイトの新作のニュースを聞いていないと思い、調べてみた。自身のリーダーアルバムは2013年の「The Heart of the Matter 」以後リリースされていなかった。デヴィッド・ベノイトという方のアルバムにモンハイトがゲスト出演しているというCDが見つかった。折よくHDtracksでヴォーカル物が25%オフになっていたので、$13.49で購入。wikiによると、ベノイトはピアニスト、作曲家、プロデューサーで守備範囲はジャズ、管弦楽、R&Bと広い。来日経験もあるそうだが、当ブログは今まで知らなかったミュージシャンだ。このCDは彼の35枚目!のリーダーアルバムで、ジャズやポップスを演奏している。殆どの曲が自作で、1曲だけがスタンダードのメドレー。モンハイトは8曲でフィーチャーされていて、相変わらずねっとりとした歌唱。当ブログは好きで聞いているのだが、好き嫌いが分かれる歌い方だろう。癖も僅かに感じられる。「Something’s Gotta Give」のような曲は、このねっとりとした歌い方があっている。この曲でフィーチャーされているヴァイオリンがいい。「The Songs We Sang」のしっとりとした歌唱もいい。「Too in Love」などの軽快な曲も悪くない。フォーク調の「Fly Away」はギターのサウンドが爽やかで、何故か前向きな気持ちになってくる。ノリのいいサンバの「Barcelona Nights」、リリカルな「This Dance」など間口が広く、作曲やアレンジの能力はかなり高い。ヴォーカル物に比べて、インスト物は物足りない。「Love In Hyde Park」はピアノを中心としたインストでアルト・フルートのサウンドが心地よいが、温い。最後の「Love Theme From Candide / Send In The Clowns」メドレーはソロ・ピアノ。線が細く、いまいち。バックはいろいろな編成でサウンドにヴァラエティがある。また、パット・ケリーのギターがいい味出している。録音はエレクトリック・アップライト・ベース(EUB)どっしりとした低音を中心に、もりもりと迫ってくる。演奏の傾向からすると、細身で静かな録音のほうがふさわしいような気もするが、このような爆裂気味の録音も悪くない。演奏時間は39分と今時のアルバムにしては短く、物足らない。2 In Love David Benoit featuring Jane Monheit(Concord CRE-37135-02)24bit 96kHz Flac 1.David Benoit:Barcelona Nights2.David Benoit, Lorraine Feather:This Dance3.David Benoit, Lorraine Feather:Too In Love4.David Benoit, Mark Winkler:Dragonfly5.David Benoit, Mark Winkler:Love Will Light The Way6.David Benoit, Mark Winkler:Love In Hyde Park7.David Benoit, Mark Winkler:The Songs We Sang8.David Benoit, Spencer Day:Fly Away9.David Benoit, Spencer Day:Something’s Gotta Give10.Leonard Bernstein/Stephen Sondheim:Love Theme From Candide / Send In The ClownsDavid Benoit(p,key)Jane Monheit(vo track 1-5,7-9)David Hughes (btrack 6)Pat Kelly(g,eg track 1-3,5, 8)Tim Weisberg(afl track 6)John Clayton (sb track 4, 7, 9)Cathy Biagini (Vc track 4, 7, 9)Clayton Cameron (Ds tracks 4, 7, 9)Jamey Tate (Ds track 1-3, 5, 6, 8)David Hughes (9) (EUB track 1-3, 5, 8) Recorded January 20-21, 2015 at United Recording Studio B,LA
2019年04月29日
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2015年にリリースされたバルトークの合唱曲全集を聴く。ラースロー・ドブサイ指揮のリスト音楽院とエトヴェシュ・ロラーンド大学の合唱団の演奏。どちらもハンガリーのブダペストにある学校だ。以前偶然spotifyで聴いて、その素晴らしさからCDを入手したいと思っていたのだが、その時には入手困難になっていて、プレミアがついていてあきらめていた。昨日Preto Clssicalを見ていてこの音源がFlacで発売されていることを知り、早速購入した。\3130で普通のダウンロード音源よりは高めだが、CDを買うよりは安い。ただ、ブックレットが付いていないのは少し痛い。「27の合唱曲集 BB 111(児童と女声のための)」は、ハンガリーの代表的な合唱曲で、親しみやすい旋律と東欧のエキゾチックな香りが存分に楽しめる。ハンガリーの民話や民俗伝承の詞が使われている。リスト音楽院の合唱団は澄んだハーモニーと生き生きとした表情で、一度聴いたらその素晴らしさは忘れられなくなる。2枚目は「27の合唱曲集」以前に作曲された男声と混成合唱の作品でエトヴェシュ・ロラーンド大学の合唱団が演奏している。「27の合唱曲集」があまりにも素晴らしいため、多少聴きおとりするのはやむを得ない。明るい歌は力強く生き生きしている。そのほかの曲は、瞑想的な曲や宗教的な感じのする曲、少し暗い感じの曲など多彩な表情を見せている。歌詞を理解すれば、より深く楽しめそうな感じはする。「スロヴァキア民謡」と「 四つのスロヴァキア民謡」には原曲のスロバキア語のほかにハンガリー語版も演奏されている。言語の違いのためか、微妙に印象が異なり、演奏時間も僅かながら違っている。「27の合唱曲」は他の団体の演奏も聴いてみたい。Bartók:Complete Choral Works(Bmc Records BMC186)16bit 44.1kHz FlacBéla Bartók:Disc 127 Choruses in 2 & 3 Parts (BB 111: Vol. 1 Vol. 8)(1934)Disc2:42 Choruses (BB 30, 57, 60, 77, 78, 99, 106, 112, in all versions)28.Evening, for male choir, DD 74, BB 30 29.Two Romanian Folksongs, For Female Choir, SZ 58, BB 5731.Four old Hungarian Folksongs, For Male Choir, SZ 50, BB 6035.Slovak Folksongs, For Male Choir SZ 69, BB 7740.Four Slovak Folksongs, For Mixed Choir and Piano, SZ 70, BB 7844.Szėkely Folksongs, For Male Choir, SZ 99, BB 10650.From Olden Times, For Male Choir, SZ 104, BB 11253.Four Hungarian Folksongs, For Mixed Choir, SZ 93, BB 9957.Four Old Hungarian Folksongs,BB60(1910 Version)61.Slovak Folksongs,BB77 (Version with Hungarian Text)68.Four Slovak Folksongs,BB78 (Version with Hungarian Text)Liszt Academy of Music Choir(Disc1 only)The Eötvös Loránd University ChoirZoltán Kocsis(p track 40-43)László Dobszay(cond)Recorded January 28,-31, 2008 Aviso Studio at the Concert Hall of the Liszt Academy of Music, Budapest (Disc 1)Phoenix Studio, Diosd(Disc 2)
2019年04月27日
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ジョシュア・レッドマンの新作「Come What May」を聴く。今回はハイレゾが¥1610と最も安かったPresto Classicalから購入。ディストリビューターによると、「現代ジャズ・サックス界のイノベータ―、ジョシュア・レッドマンが約20年振りにアーロン・ゴールドバーグ(p)、リューベン・ロジャース(b)、グレッグ・ハッチンソン(ds)とのカルテット編成でニュー・アルバムをリリース!」というもの。20年前のアルバムは「Beyond」で1999年5月の録音。当ブログはレッドマンのCDは殆ど収集していて、このアルバムもコレクションしているが、内容は全く覚えていない。最近のレッドマンのCDはリリースされるたびに手に入れているのだが、2,3回聞いておしまいという、半ば惰性に陥ってしまっている。理由は、音楽があまり面白くなく、煮詰まっている感じがするからだ。今回アクティヴ・スピーカーで聴いている限り、同じ傾向だなと思っていた。ところが、このブログを書くにあたって、コンポで聴いてみたら印象がまるで違う。音の密度が高く、アグレッシブさが目立っている。タイトルチューン「Come What May」のような、比較的静かな曲でも、有無を言わせない圧倒的な迫力で、ぐいぐいと迫ってくる。久しぶりにジュシュアの素晴らしいパフォーマンスに接した気分だ。サイドマンの充実ぶりも目を見張る。特にドラムスのハッチンソンの骨太のドラミングは聴きものだ。そうなると、近作の印象は、どうだったんだろうという話になる。少なくとも、今までおざなりに?聞いていた近作を聴きなおす必要がありそうだ。いい音楽はリスニング環境に左右されないというのは一つの意見だが、環境に左右されることがあるというのも、まぎれもない事実であることも確かだ。すべての音楽評論家がリスニング環境に気を配っていることはないし、使っている機器が何であるかを明らかにしていることも少ない。こういうことがあると、評論家の試聴環境がどうなっているのかというのが問題になってくる。高価ではなくとも、ある程度の水準の機器を揃えるというのは、プレーヤーやリスナーに対する礼儀だろう。録音評を担当する方たちの試聴環境がはっきりしている場合もあるが、少なくとも、演奏を批評する方々を含め、試聴に使っている機器は明らかにするべきだろう。ということで、演奏に対する感想を述べる場が、横道にそれてしまった。演奏は上記の通り素晴らしくいいが、試聴環境にも左右されることも留意する必要があるだろう。スカスカな音だと、この演奏の真価は1/3も聴き手には届かないだろう。因みに、20年前の「Beyond」を192kHzにアップコンバートして聴いてみたところ、多少スリムではあるがサウンドの傾向は変わらず、音自体も多少細身ではあるが、20年前とは思えないフレッシュなもの。演奏傾向も今回と変わらない。しいて言えば、ハッチンソンのドラムスが今回よりもかなりスマートだったことくらいか。熱気は「Beyond」のほうがある。このころは彼の演奏を夢中で聴いていた時期で、それが懐かしく思い出される。Joshua Redman:Come What May(Nonesuch)24bit 96kHz Flac1.Circle of Life2.I'll Go Mine3.Come What May4.How We Do5.DGAF6.Stagger Bear7.VastJoshua Redmansax)Aaron Goldberg(p)Reuben Rogers(b)Gregory Hutchinson(ds)Recorded May 8–9 ,2018 at Sear Sound, Studio C, New York, NY
2019年04月25日
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ベートーヴェン・プロジェクトと題して、ベートーヴェンを集中的に演奏している河村尚子のベートーヴェン・ピアノ・ソナタの第1集が出たので早速購入。ハイレゾも考えたのだが、SACD層をリッピングしたほうが安く上がるので、CDを購入。ただ、肝心のSACDのリッピングがBDがネットワークにつながらなくなってしばらくお休みしていた。何とか復旧させようとしたが、なかなか治らないので、取り合えずCD層をリッピングして24bit 192kHz Flacにアップ・コンバートして聴き始めた。今回のプログラムは悲愴、月光に初期の4番、7番を組み合わせたもの。全体的には攻めた演奏になっている。打鍵の強さが半端なく、機動性も十分。低音の量感があり、普通の演奏とはだいぶ趣が異なる。これが女流ピアニストの演奏とは思えないほど力感に溢れている。トゥッティで和音を短めに切っているところなど、潔い処理だが、異論はあるだろう。面白いのは悲愴で本来の強弱記号のfpがピアノで聞けることだ。ブックレットに河村と音楽ジャーナリストの友部楽樹氏の対話が載っていて、それによると和音をスタカートで弾いた直後に鍵盤を半分ほど戻すことにより、ハンマーが弦にちょっと触れると頃まで落ちて、ダンパーが僅かに触れる瞬間にペダルを踏むという特殊な?奏法を使っているそうだ。当ブログはこういう音は聞いたことがないが、他のピアニストが使ったことはあるんだろうか。普通だと、ただ減衰するに任せている?ものなので、今回の演奏はなかなか面白いことは確かだ。まあ、バリバリに違和感を持つのが普通だとは思うが…この悲愴を初めて手掛けたのが昨年の2月ことで、初めて楽譜を読み込み、いろいろと面白い実験!や新しい試みを続けて作り上げた結果だという。結果はどうあれ、その前向きな姿勢には感動を覚える。テンポは速めで、緩徐楽章も遅くならないし、むしろ音を短めにしているところが目立つ。なので、悲愴の第2楽章の最近のはやりの嫋々たる演奏になれた耳からすると、少しはぐらかされたように聞こえる。月光の3楽章も普段聞こえないような音が聞こえてきたり、斬新なフレーズの処理があったり、耳慣れたはずの音楽がとても新鮮に聞こえる。4番、7番はあまりまともに聞いたことがないが、これらもダイナミックで生き生きとしていて、大変面白く聴くことが出来る。あまり期待していたわけではないが、従来の演奏とは一味も二時も違う演奏で、秋のリリース予定の第2集も大いに期待できそうだ。なお、CDのSACD層でも聴いてみたが、CD層をアップコンバートした音とそれほど違いは感じられなかった。河村尚子 ベートーヴェン:ピアノソナタ 第1集(RCA SICC 19041)1.ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 作品72.ピアノ・ソナタ 第7番 二長調 作品10の33.ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13「悲愴」4.ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2「月光」河村尚子(p)録音:2018年7月16日~20日、ブレーメン、ゼンデザール
2019年04月23日
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「More Human」以来2年ぶりのラーシュ・ヤンソンの新作。ハイレゾで出ないかと思って暫く注目してたのだが、出そうになかったのでimport_cdからCDを入手したのが数か月前。今日、HDtracksをチェックしたら、何とこのアルバムがハイレゾでリリースされていた。24bitの44.1kHzと物足りないが、今後の新作もハイレゾでのリリースを期待したい。肝心の演奏だが、いつもながらのヤンソンの熟達した演奏が楽しめる。これをマンネリととらえるか、円熟ととらえるかはリスナーの気持ち次第だろう。全曲ヤンソンの作品でいい曲が揃っていて、のりのいい演奏ですっかり気に入ってしまった。評判のいい「More Human」に比べると、個人的にはこちらの方が数段好ましいと感じる。ビル・エヴァンスに捧げた「Waltz for Bill」は、エヴァンスを思い出させる洒落たメロディーで、とても楽しめる。ブックレットを見ると ボーヒュースレン・ビッグ・バンドと共演した「Temenos」(2003)で録音されていて、ピアノ・トリオでの録音はこれが初めてとのこと。他では、スピード感に溢れ生き生きとした「Bohuslan」や「No Purpose」、「Mustapha」の哀愁溢れるリリシズム、ラストの「To Have Or To Be」の濃厚なロマンティシズムなどが印象に残った。グルーヴィーな「Pure Sensation」は熱を帯びたワイルドなプレイで、ヤンソンのいつもと違う顔が垣間見られるのも興味深い。タイトル・チューンの「Just This」は、穏やかな朝を迎えたような清々しさが感じられる佳曲。トーマス・フォネスベックのベース、ポール・スヴァンベリーのドラムスとも盤石のサポート。彼らの自発性のあるプレイがヤンソンのプレイを強力にプッシュしていて、ソロも素晴らしい。ヤンソンの唸り声は相変わらずだが、本家のキース・ジャレットの唸り声を聞くことができなくなった今では貴重?に感じる。ヤンソンのCDではお馴染みのイタリアの彫刻家、画家、版画家であるMimmo Paladino(ミンモ・パラディーノ 1948-)の個性的な絵がこのアルバムの価値を高めている。ところで、彼が現代音楽専門のクロノス・カルテットの「キャラバン」のカバー・アートに使われているとは知らなかった。Lars Jansson Trio:Just This(STORYVILLE 101 4320)1. Just This2. Pure Sensation3. Waltz for Bill4. Receiving5. Bohuslan6. Mustapha7. Intimate Talk8. Cherished9. Turn The Whole Thing Upside Down10.No Purpose11.Safe Trip12.Anatta13. To Have Or To BeLars Jansson (p)Thomas Fonnesbeck (b)Paul Svanberg (ds)Recorded April 9,10,2018 at Nilento Studios,Gothenburg,Sweden
2019年04月21日
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久しぶりに新国立劇場に行った。今回は短い演目なので、ダブルビルの構成。舞台がイタリアのフィレンツェ繋がりで選択されたのだろうか。お目当はツェムリンスキーの「フィレンツェの悲劇」当ブログは彼のオペラや声楽曲を好きで、昔はジョルダンなどの指揮でよく聴いたものだ。「フィレンツェの悲劇」はシャイーのデッカ盤を何回か聞いていたが、最近聞いていないので、復習がてら何回か聴いた。ツェムリンスキーといえばシェーンベルクの先生で、分厚いサウンドが魅力だ。始まる前にオケピットを見たら、二巻編成で、ホルンのみ6本という編成だった。オケピットを見ていたらトロンボーン・パートに変わった形の楽器があり、調べてみたらチンバッソという楽器だった。イタリアオペラでオケピットが狭いのでチューバではなくこの楽器を使ったようだ。バルブ・トロンボーンでバルブはピストンかロータリー。この時に使われていたのはロータリー・バルブの楽器だった。参考全体のサウンドはそれほど分厚くなく、いささか期待はずれ。それに、緊張感があまり無く、どちらかというと能天気に聞こえる。後半の決闘の場面になると、にわかに緊張した音楽になり、ワクワクする。最後にビアンカ(斉藤純子)がシモーネ(セルゲイ・レイフェルクス)の剣の腕前を見て惚れ直すのだが、この後絞め殺されたのだろうか。ドロドロした雰囲気はクルト・ワイルらしいが、あまり濃くない。あまり声を張り上げて歌う場面が少なく、歌手の見せ場はあまりない。商人のシモーネが歌っている時間が一番長いが、歌っているというより語りに近い場面が多く、最初はシュプレッヒ・シュティンメかと思ってしまう。またヴィアンカの歌う場面はあまりないし、声があまり良くないので、余計印象が薄くなってしまった。ヴゼヴォロド・グリヴノフ(グイード・バルディ)は良く通る声で及第点のでき。舞台は大きな傾いた入り口が特徴的なシモーネの家の中で繰り広げられる。ベッドとテーブル、そのほかには糸車が数台雑然と配置されている。青を基調にした舞台は、凄惨な物語を暗示するような不気味さが感じられる。必需品の双眼鏡を忘れてしまったが、座席が3列目の32番だったので問題はなかったが、キャストの細かい表情までは分からなかった。また舞台に近すぎて、歌詞の表示と舞台を同時に観ることが出来なかったのは残念だった。沼尻の指揮も温く、いまいちインパクトに欠けていて、面白さも半ばくらい。どうも、合奏力が飛びぬけて高く、メリハリのある指揮でないと、真価を発揮しにくいオペラのようだ。ジャンニ・スキッキは全く期待していなかったが、これが聞きものだった。アンサンブル・オペラなのだが、キャラクターがはっきりしている。このオペラではラウレッタのアリア「私のお父さん」だけがやたら有名だが、音楽として、とても良くできていると思う。「私のお父さん」はリサイタルなどで歌われるときは、いっぱしの大?アリアに聞こえるが、オペラの中で歌われると、それほどインパクトがあるとは思えない。物語は傾いた机の上で繰り広げられるので、本やインク壺、ペン、天秤などの小道具が人間よりも大きく、メルヘンちっくな舞台だった。演技もストップモーションを使うなど、とても楽しい演出だった。衣装もカラフルで、演出に花を添えていた。ただ、スキッキがサングラスに革ジャンというマフィアみたいな衣装は、この人物のイメージとちょっと違うような気がする。歌手の中ではタイトルロールのカロス・アルバレス が圧倒的な声量と死んだブオーゾを声色を使ってコミカルに演じていて圧巻。死人のブオーゾ役で有岡蔵人が出演していた。プログラムには助演と書かれてあり、舞台を見てやっとわかったのだが、死体であることをいいことに、ほかのキャストに人形か何かのように粗末?に扱われていたのには同情してしまった。沼尻の音楽は、無駄な伸び縮み等は無く、すっきりとしたもの。オケもフィレンツェの悲劇より生き生きとしていたと思ったのは気のせいだろうか。ということで、ジャンニスキッキがとても面白く、両作曲家の力量の差もまざまざと見せつけられた気がする。ところで、観る前にyoutubeにプレトークの模様がアップされていて、それがとても面白く、参考になった。youtubeを利用するようになったのは芸術監督大野和士の意向だろうか。2019/2020シーズンのラインアップを大野が説明する動画もアップされていて、それを見て新演出のチケットを予約してしまった。今からとても楽しみだ。新国立劇場 フィレンツェの悲劇・ジャンニ・スキッキアレキサンダー・ツェムリンスキー:フィレンツェの悲劇グイード・バルディ:ヴゼヴォロド・グリヴノフシモーネ:セルゲイ・レイフェルクスビアンカ:齊藤純子ジャコモ・プッチーニ:ジャンニ・スキッキジャンニ・スキッキ:カルロス・アルバレスラウレッタ:砂川涼子ツィータ:寺谷千枝子リヌッチョ:村上敏明ゲラルド:青地英幸ネッラ:針生美智子ゲラルディーノ:吉原圭子ベット・ディ・シーニャ:志村文彦シモーネ:大塚博章マルコ:吉川健一チェスカ:中島郁子スピネッロッチョ先生:鹿野由之アマンティオ・ディ・ニコーラオ:大久保光哉ピネッリーノ:松中哲平グッチョ:水野秀樹ブオーゾ:有岡蔵人(助演)指揮:沼尻竜典演出:粟國 淳美術:横田あつみ衣裳:増田恵美照明:大島祐夫舞台監督:斉藤美穂東京フィルハーモニー交響楽団2019年4月14日 新国立劇場 1階3列32番で鑑賞
2019年04月19日
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今回の東京行きでスケジュールを埋めるために見つけた演奏会。東京・春・音楽祭2019の中のプログラム。2回の演奏会だったが、前日のバッハの回は、スケジュールが合わないので見送ったが、今になってみれば、聴いておけば良かったと思う。当日は「ディアベリ変奏曲」と「不屈の民変奏曲」というどちらも1時間を要する大曲を一度に演奏するという滅多にない演奏会。解説では、「不屈の民変奏曲」は「ディアベリ変奏曲」と共に演奏するために書かれ、翌1976年の「アメリカ建国200年音楽祭」で、委嘱者であるウルスラ・オッペンスにより初演されたとのこと。レヴィットは白いシャツに黒のパンツというラフな服装で、演奏も堅苦しくなく、曲を分かりやすく伝えてくれた。細身ではあるが、大柄で風貌がサッカー日本代表の吉田麻也によく似ていた。1987年ロシア生まれでまた32歳という若さ。若さに似合わない堂々とした振る舞いで、風格さえ感じられる。顔を上下左右に振ったり、手で指揮をするようなしぐさをしたり、なぜか右足を後ろに曲げたりと、パフォーマンスとしてもなかなかの見ものだった。ジェフスキーの「不屈の民」は超スピードを要求される第23変奏を始め超難曲として知られ、演奏される機会も少なく、実演に接することができたのはとてもラッキーだった。口笛を吹く場面が何回かあり、 喧噪の合間のつかの間の休息みたいなシュールな雰囲気が悪くなかった。口笛が鳴っているときに、何故か隣の女性の腹の鳴る音が聞こえて、思わぬ口笛との共演?が実現してしまった。この曲はレビットの演奏をふくめ、CDは何回か聴いているが、あまり馴染むことができていなかった。今回実演を聴いて、音だけ何回も聴くより一回の実演のほうがずっと曲に対する理解が深まることを実感した。聴いていて思ったことは、一部ジャズのフリー・イプロビゼーションみたいなところがあり、そういう素養のあるピアニスト(例えばセシル・テイラーや山下洋輔)がしっくりくる気がする。技巧的に不安な個所はなく、明晰な音で、濁るところも殆どない。ところで、この曲が現代曲として例外的によく知られているのは、セルヒオ・オルテガ作の主題が良く出来ているからだろう。変奏も主題に引きずられて全体にポピュラー音楽に近く親しみやすい。時々キース・ジャレットのピアノ・ソロを聴いているような錯覚に陥ることもあった。そのためか、最後に主題が戻ってくるところは感動的で、うるうるしてきてしまった。終わった後のスタンディング・オベーションを伴うブラボーはすごくて、現代曲のコンサートでは滅多に見られない光景だった。帰りに「大河ドラマみたい」という感想を漏らしていた方がいたが、うまいことを言うと思った。帰ったあとで彼のCDを聴きなおした。今回の演奏は、解釈が練れていて、温かみがあり、CDよりは明らかに優れていると思う。「ディアベリ」も温かみのある演奏だったが、途中で寝てしまって全部を聴き洩らしたのはなんとも間が抜けている。通常のピアニストだと、堅苦しく感じられるところが、彼の演奏では感じられないところも、大きな長所だと思う。今後も見逃せないピアニストとして注目していきたい。Igor Levit:The Variations ll1.ベートーベン:ディアベリ変奏曲2.ジェフスキー:不屈の民による変奏曲イゴール・レヴィット(p)2019年4月13日 東京文化会館小ホール Q52で鑑賞
2019年04月17日
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以前から実演を聴きたいと思っていた信時潔のカンタータ「海道東征」予定をしていた新国立劇場のオペラの公演に近い日で、今年から子供の無料宿泊所?を利用できるので聴きに行くことにした。今回の公演は天皇陛下御即位三十年奉祝公演と謳われ、産経新聞の主催、神社本庁の共催と力のこもったもの。そのせいか、厳粛な雰囲気で、入りもほぼ満席で慶賀に堪えない。当ブログの隣の女性も和服姿で祝賀気分?を盛り上げていた。以前取り上げたことがあるが、しばらく聴いていなかったので、予習がてらに何回か聴いてみた。芸大オケの演奏なので、所々不十分なところがあるし、生ぬるく、傑作とまでは言えないような気がしていた。ところが今回はなかなか感動的な演奏で、少しはこの曲に対する理解が深まったように思う。前半はエルガー、ブラームス、外山というラインナップ。今までの街道東征の公演では、ベートーベンが多かったが、海道東征と組み合わせるにはどうも違和感があった。今回も、何でエルガーやブラームスなんだとツッコミを入れたくなったが、最後にラプソディが入ることで、なんとか繋がりができたように思う。この曲にしても、あくが強くて、海道東征にベストマッチとは言えないが、他の作曲家よりはまし。五月に予定されている大阪公演でも、前半は「未完成」。信時作品や邦人作品の方がよほどしっくりくると思うのだが・・・演奏は、大友速めのテンポとタメを作らないすっきりとした解釈で、気持ち良く聴くことができた。ラプソディはホルン吹きにとってはハイeまで出てスタミナも要求される曲で、鬼門の一つだ。ミスは少しあったが、なかなかいい出来だったと思う。この曲で重要なフルート・ソロも涼やかなサウンドで気持ち良く聴くことができた。後半の街道東征での大友の指揮は基本的には前半と同じ傾向。表情付けが濃くなく、この曲には相応しい、爽やかな仕上がり。演奏が安定していて、曲の良さが芸大オケの演奏よりもはるかに伝わってくる。既出の録音はオケが万全ではなかったので、東フィルとは限らず、在京の一流オケでのセッション録音を望みたい。第四章のKlavier(arpa)の部分はピアノで演奏されていたが、芸大のCDで採用されたハープのほうがこの曲に相応しいと思う。ピアノだと、どうも唐突感が出てしまうようだ。独唱ではバリトンの与那城敬の朗々とした声が、この曲の晴れがましさを表していて見事。女声はまあまあ。惜しいのは小原啓楼のテノール。声が小さく、時々バックに埋没することがある。今回最も良かったのは合唱団。特に杉並児童合唱団の声は素晴らしく、鮮やかだった。それまで大人しくしていた聴衆からもブラボーの声が何度も聞かれた。明るく晴れがましさの出た第3章「御舟出」、「ヤアハレ」という掛け声が印象的な第4章「御舟謠」、少年少女の合唱で歌われる第5章「速吸と菟狭」,トランペットのファンファーレの印象的な第7章「白肩の津上陸」など聴きどころが多い。ただ劇的な表現が少ないのは日本人作曲家だったからだろうか。第7章「白肩の津上陸」の戦いの場面でも激しい表現は少なく、昔のモノクロのアニメを見ているような気分になった。歌詞がオルガン奏者の席のところに映し出されたのは、鑑賞を助ける意味でいい試みだと思う。欲を言えば、漢字の読み方が難しいので、ルビを振ってもらえれば良かった。ということで、まことに晴れがましい演奏会で、滅多にない体験を味わった。 ところで、信時の孫の音楽学者の裕子氏がプログラムに「オープンアクセス海道東征」と題して寄稿されている。それによると、現在この曲の著作権が切れて、データベースで自筆譜を見ることが出来るという内容だ。国立国会図書館東京芸大信時文庫芸大文庫の楽譜は10種類以上あり自筆譜、出版譜のほかに信時の妻ミイが書き写した譜面も観ることが出来る。因みにミイの手書き譜は岩手大学にも所蔵されている。出典:http://noblogblog.blog.shinobi.jp/Entry/46/天皇陛下御即位三十年奉祝公演 海道東征前半1.エルガー:威風堂々第1番2.ブラームス:ハンガリアン舞曲 第1番、第3番、第5番3.外山雄三:管弦楽のためのラプソディ後半信時潔:交声曲 海道東征信時潔:海ゆかば幸田浩子(s)鈴木愛美(s)小泉詠子(a)小原啓楼(t)与那城敬(br)栗友会合唱団杉並児童合唱団大友直人(cond)2019年4月12日 東京芸術劇場大ホール2階M列46番にて鑑賞
2019年04月15日
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アカデミー監督賞など3部門を受賞したローマを見る。アルフォンソ・キュアロン監督・脚本・共同製作・共同編集で、メキシコシティで育った監督の自伝的な物語でモノクロの映画。NETFLIXでは通常配信のあとに映画館での公開という仕組みだが、アメリカではこの映画に限り映画館での公開が5日前倒しになっていたということで物議をかもしたらしい。題名のローマとはメキシコシティのローマ地区(Colonia Roma)のことだそうだ。時代は1970年-1971年で、メキシコの中流階級のクリオーリョ(現地生まれの白人)の家で家政婦として働くクレオ(ヤリッツァ・アパリシオ)が主人公。クレオは一緒に住み込んでいる家政婦共々アメリカ・インディアン系の先住民系の女性。彼女たちの会話では、彼らの言語であるミシュテカ語が使われている。ストーリーは夫婦のいざこざや家政婦の妊娠などで、ごく平凡な出来事を淡々と綴っている。ただ、最後の方で、ちょっとした出来事が一層家族の絆を強める、というのは演出だろう。敢えてモノクロにしたことによって、物語がずっと昔のことのように伝わってくるのは慧眼だ。これがカラーだったら、観る者への伝わり方が全く違ったものになっていただろう。映画では凄惨な場面も出てくるが、モノクロであるがために、それ程ショッキングに感じなくて済む。細部の描写に薀蓄を傾けているためか、当時のメキシコの暮らしがビビッドに伝わってくる。家の中も外もやたらと犬が一杯いたり、沢山の糞が散らばっていたり、道路が舗装されていないために雨が降るとすぐ水溜りが出来たり、何故か道路に豚がいたりと、当時のメキシコの雑然とした雰囲気がよく出ている。飛行機が飛んでいるシーンが何度も出てくるのも、何故か印象に残る。個人的にはフェリーニの「道」の雰囲気を思い出す。この家では車を2台家の中に入れているのだが、どちらも幅が広すぎて、絶えず壁にぶっつけて平然としている、というところもフェリーニに通じるシニカルな笑いだ。面白かったのは、当時メキシコで日本の剣術が流行っていたことで、クレオの恋人フェルミン(ホルヘ・アントニオ・ゲレーロ)がかぶれていて、2人でホテルに行った時に素っ裸で剣術術の練習をしていたのは笑ってしまった。このシーンは突然出てきたのだが、修正なしで、逸物ももろに写っている。特にエロい訳ではないが、よく問題にならなかったものだ。あまりにも突然でエロさが感じられなかったのかもしれない。ラジオから流れる音楽や最初と最後に出てくる少年たちのトランペットの楽隊以外に音楽は聞こえてこなかった。映画にしては珍しい。イントロの映像が秀逸。通路の石のタイルを洗うシーンなのだが、タイルのクローズアップに水が流れるのみ。なんだろうと思ってしばらくすると、主人公がタイルを洗っていることがわかるという仕掛け。映画の可能性はまだまだあるということを教えてくれたような気がする。言語がスペイン語なので、作品賞は難しかったかもしれないが、監督賞や外国語映画賞は妥当なところだろう。地味ではあるが、傑作として永く観続けられる映画になる予感がする。公式サイト
2019年04月13日
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ディストリビューターによると、ジョン・コルトレーンがPrestigeに残した1958年の録音全37トラックを収録したボックス。昨年リリースされたもので、Prestigeでの1958年のコルトレーンの輝かしい成果から50周年を記念してのボックス化だそうだ。『Soultrane』『Kenny Burrell & John Coltrane』『Lush Life』『Bahia』からのトラックを収録。メディア形態としてはアナログ、CD、ハイレゾの3種類。アナログ、CDとも1万円以上とかなり高価。アナログは仕方がないとしても、CDが5枚組で1万円を超すのは、リーズナブルとは言い難い。こういう大部のものになると、配信ががぜん有利になるのは当然だ。安さを取るか、パッケージとしての良さを取るかは、個人の趣味の領域になる。当然、コストの安い配信が安くなる。当ブログは、HDtacksで$10引きの$33.98の192kHz版を購入。この価格はセール価格だが、ProSutudioMastersではセール価格ではなく$36ほどで、買えるので、HDtrackで買い損ねた時は、こちらを利用したほうが良い。配信は96kHzと192kHzの2種類があり、96kHzだと$10ほど安い。国内はe-onkyoのみのリリースで、¥7,360(192kHz)と¥6,400(96kHz)となっている。1958年は評論家のアイラ・ギトラーがコルトレーンのスタイルを表して「シーツ・オブ・サウンド」と呼び始めた年。クロノジカルに収録されているので、1958年のコルトレーンの成長の様子をまとめて聴けるのはなかなかいい企画だろう。肝心の音は、とても鮮明でモノであることは全く意識させない。特にコルトレーンの艶のあるサウンドがとてもいい。残念ながらアナログやCDについているブックレットが付いていないのは残念だが、価格から見ると仕方がない所だろう。出来れば、どの曲がどのアルバムに入っているかなどの最低限のデータは欲しいところだ。なので自力で入れなければならないが、毎度のことなので、それほどの作業ではない。収録は録音順に収録されている。音の輪郭がはっきりしているが、ハイレゾ化で音が固くなっていないのがいい。試しに、プレスティッジのリーダー作12枚をまとめたボックスの中のソウルトレーンを192kHzにアップコンバートして聴いてみた。こちらもなかなか健闘していて、今回のハイレゾとそう大きな差はない。そうすると、今回の価値はどこにあるかということになるが、わざわざ今回のハイレゾを買うまでもないような気がする。それであれば、ブックレットの付いたCD5枚組を買ったほうが良さそうな気がする。ディスコグラフィーを見るとよくわかるが、コルトレーンがプレスティッジに在籍中にリリースされたのは4枚だけで、あとの11枚はアトランティックに移籍後(1959)に少しずつリリースされている。最後のリリースが何と1966年。あたかも新録音のようにちびちび出しているのは、購入者をだましているような感じだが、セールスの方法としてはありかもしれない。オーナーのボブ・ワインストックならではの悪知恵?だろう。discographyColtrane '58:The Prestige Recordings(Craft Recordings)24bit 192kHz Flac 1. Billy Strayhorn:Lush Life 2. Johnny Mercer/Harold Arlen:Come Rain or Come Shine 3. McCoy Tyner:The Believer 4. Calvin Massey:Nakatini Serenade 5. Richard Rodgers/Lorenz Hart:Lover 6. Irving Berlin:Russian Lullaby 7. Fred Lacey:Theme for Ernie 8. Jule Styne/Leo Robin:You Say You Care 9. Count Basie/Tadd Dameron:Good Bait 10. John Coltrane:I Want to Talk About You 11. Kenny Burrell:Lyresto 12. Jerome Kern/Oscar Hammerstein II:Why Was I Born 13. Tommy Flanagan:Freight Trane 14. Ted Fiorito/Gus Kahn:I Never Knew 15. Tommy Flanagan:Big Paul 16. Howard Dietz/Arthur Schwartz:I See Your Face Before Me 17. Buddy DeSylva/Vincent Youmans:Rise and Shine 18. Jackie McLean:Little Melonae 19. Howard Dietz/Arthur Schwartz:If There Is Someone Lovelier Than You 20. John Coltrane:By the Numbers 21. John Coltrane:Black Pearls 22. Sigmund Romberg/Oscar Hammerstein II:Lover Come Back to Me 23. Robert Weinstock:Sweet Sapphire Blues 24. Richard Rodgers/Lorenz Hart:Spring Is Here 25. Bronislaw Kaper/ Paul Francis Webster:Invitation 26. Buddy DeSylva/Lew Brown/Ray Henderson:I'm a Dreamer (Aren't We All) 27. Harry Revel/Mack Gordon:Love Thy Neighbor 28. Henry Nemo:Don't Take Your Love From Me 29. Hoagy Carmichael:Stardust 30. Fred Ahlert[ComposerLyricist], Roy Turk:Leo Robin/Newell Chase/Richard Whiting:My Ideal 31. Fred Ahlert/Roy Turk:I'll Get By (As Long as I Have You) 32. Oscar Hammerstein II/Richard Rodgers:Do I Love You Because You Are Beautiful 33. E.Y. Harburg/Arthur Schwartz:Then I'll Be Tired of You 34. Herb Magidson/Jack Yellen:Something I Dreamed Last Night 35. John Coltrane:Ary Barroso:Bahia 36. John Coltrane:Goldsboro Express 37. Sammy Cahn/Jule Styne:Time After TimeJohn Coltrane(ts)
2019年04月10日
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フランスの歌手ステファニー・ドゥストラック(ms)の新譜をeclassicalから$13.4で購入。全く知らない歌手だったが、フォン・オッターがオッフェンバクの作品を歌ったコンサートで、「ホフマン物語」のナンバーで共演している。このCDは聴いているが、共演者には全く注意を払っていなかった。ドゥストラックはフランスの西部の都市レンヌ生まれのメゾソプラノ。プーランク(1899-1963)とフランスの作曲家ジャック・ドゥ・ラ・プレル(1888-1969)の姪の娘という由緒ある血筋の方だそうだ。リヨンの音楽院ではミンコフスキーやクリスティーに学び、バロック・オペラを得意としているらしく、室内楽も積極的に演奏しているそうだ。1974生まれなので、今年46歳と脂の乗り切った年代だ。10種類ほどのCDに参加しているが、今度のCDが初めてのソロ・アルバムだろう。メゾだがそれほど暗い性質ではない。タイトルは海の怪物である「シレーヌ」と題されていてるが、必ずしも水に因む曲が集められているわけではなさそうだ。どの曲も落ち着いたテンポとデリケートな表現で、パスカル・ジョルダンのピアノ共々気持ち良く聴ける。こじんまりとまとまっているきらいはあるが、何よりも歌い過ぎないのが心地よい。ベルリオーズの「夏の夜」は少し地味だ。本来の指定はメゾ・ソプラノだが、個人的には軽く華やかなソプラノのほうが好ましい。フランス語の美しさもあまり感じられない。参考までに今回はジェシー・ノーマンのCD(1979)をリピングがてらに聞いてみた。軽くとは言えないがソプラノの高音域の艶と強靭な声が見事だ。フランス語のディクションも美しい。「ヴェーゼンドンクの歌」はワーグナーの暗く重苦しいロマンティシズムを排した、透明で美しい表現で聴かせる。これが管弦楽伴奏だと、だいぶ印象が変わると思うので、彼女の芸風からいってピアノ伴奏が正解だろう。当ブログはリストの歌曲はまったく不案内だが、70曲ほどあるそうだ。リストのアクの強さはあまり感じられず、どの曲もすうっと体に沁みこむ。「ラインの美しき流れのほとり」での弱音の使い方が絶妙だ。「トゥーレに王がいた」での最後のシニカルな歌い方も悪くない。今回のCDには含まれていないがyoutubeに彼らの演奏がアップされている。Sirènes(Harmonia Mundi 902621DI)24bit 96kHz FlacFRANZ LISZT (1811-1886)1.Die Loreley, S. 273/2 Poème de Heinrich Heine2.Freudvoll und leidvoll, S. 280/1 Poème de Johann Wolfgang von Goethe3.Es war ein König in Thule, S. 278/2 Poème de Johann Wolfgang von Goethe4.Im Rhein, im schönen Strome, S. 272/2 Poème de Heinrich Heine5.Freudvoll und leidvoll, S. 280/2 Poème de Johann Wolfgang von Goethe6.Über allen Gipfeln ist Ruh, S. 306/2 Poème de Johann Wolfgang von GoetheHECTOR BERLIOZ (1803-1869)7.Les Nuits d’été Poèmes de Théophile Gautier (extraits de La Comédie de la mort)13.La Mort d’Ophélie, op. 18 no2, H. 92A 6 Ballade imitée de Shakespeare, paroles d’Ernest LegouvéRICHARD WAGNER (1813-1883)Wesendonck-Lieder, WWV 91 Poèmes de Mathilde Wesendonck14.1. Der Engel 15.2. Stehe still 16.3. Im Treibhausx17.4. Schmerzen 18.5. Träume Stéphanie d’Oustrac(Ms)Pascal Jourdan(p)Recorded September 2018, Teldex Studio Berlin
2019年04月08日
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本年度グラミー賞「ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバム」の最終ノミネート作品であるケイト・マクギャリーの「The Sunbject Tonight is Love」を聴く。ハイレゾを探したがないのでamazonからCDを入手。日本でも人気の歌手だそうだが、当ブログは初めて。1曲目にプロローグ、12曲目にエピローグと書かれてあり、一種のコンセプトアルバムを目指したようだ。両方とも1分足らずで、終わってしまうのは少し物足りない。ジャズではなくカントリーやフォーク・テイストが強い。声が透明でテクニックで押し切るところがなく、とても気持ちよく聴くことが出来る。ディクションがとても美しく、時折聴かれるスキャットも軽快で鮮やか。バックは殆どがギターとピアノなど二人だけだが、サウンドは貧弱ではなく、むしろ芳醇。担当楽器の多さも含め、この二人はただ者ではないことことがよくわかる。特にキース・カンズのギターの豊かなサウンドが心地よい。「Secret Love」や「My Fanny Valentine」はスタンダードの一般的な歌い方ではなく、軽い仕上がりで、普通の演奏が耳タコな聴き手にとっては、なかなか新鮮な演奏が聞かれる。ないよりも、爽やかなのがいい。「Climb Down」は少しやさぐれ気味のギターに、ハモンド・オルガンが入るとたちまちアメリカ南部の雰囲気になるところがいい。アルバム随一の聴きもの。続く「Whiskey You're the Devil」では最初ラジオから流れているような感じで始まって、次第に普通のサウンドに変わるところが芸が細かい。ベニー・ゴルソンの「Fair Wheather」(作詞はチェット・ベーカー?)はこのアルバム中最長の8分余りの演奏。原曲は典型的なハードバップの軽快な曲。チェット・ベイカーのヴォーカル・バージョンはテンポが遅くなりバラード風に歌っていて、これが下敷きになっているようだ。ここでの演奏はチェットより、さらにテンポが遅くなり、彼らのオリジナルといってもいいような深い抒情を感じさせる演奏に生まれ変わっている。彼らのイマジネーションの広がりには驚く。このアルバムは彼らの芸の懐の広さが伺えるすぐれた作品だが、インティメットで人好きのするアルバムで、聴くほどに味が出てくるのも魅力だ。今後長く聞き継がれるアルバムだろう。ヴォーカル好きな方には、是非お聞き頂けたらと思う。一言だけクレームを。二つ折りの紙ジャケ仕様なのはいいのだが、表面がつるつるしすぎて、少し傾いて積み上げると、すぐずり落ちてしまう。何事もやりすぎないで程々にしてもらいたい。Kate McGarry:The Sunbject Tonight is Love(Binxtown Records)1.Ganz/Hafiz/Ladinsky:Prologue: The Subject Tonight Is Love2.Fain/Webster:Secret Love3.McGarry:/trad.Climb Down / Whiskey You're the Devil4.Magidson/Wrubel:Gone with the Wind5.Golson/Dorham:Fair Weather6.Gismonti/Lawry:Playing Palhaco7.McGarry:Losing Strategy, #48.Rodgers/Hart:My Funny Valentine9.Ganz:Mr. Sparkle / What a Difference a Day Made10.Cardenas/McGarry:She Always Will / The River11.Herbert/Dubin:Indian Summer12.Lenon/McCartney:Epilogue: All You Need Is LoveKeith Ganz(g,b,ds)Gary Versace(p,key org,accordion)Kate McGarry(vo)Ron Miles(Tp track 12)Obed Calvaire(ds track 9)Recorded May 2017 at Soundpure Studios,Durham NC
2019年04月05日
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ロシア生まれのトム・ヴォルフ監督による、マリア・カラスの生涯を描いたドキュメンタリー映画「私は、マリア・カラス」を観る。こういう伝記物は、本人の映像の他、関係者へのインタビューがかなりの割合を占めるものだが、この映画は、現存するカラスのインタビューや舞台の映像の他は未完の自叙伝の中の文章と彼女の400通を超える手紙の朗読のみで、かなりユニークな作り。朗読は「永遠のマリア・カラス」でカラスを演じたファニー・アルダンが担当している。この方法は実物のカラスが語っているようで、とてもリアルに感じられる。また、こういう音楽関連のドキュメンタリーでは、歌はさわりだけになりがちだが、この映画では最初のノルマの「清らかな女神よ」から最後の「私のお父さん」までフルコーラスで歌われるナンバーが多く、オペラ好きにとっては音楽的な満足度が高い。当ブログは、あの巨大な鼻と同じ高慢ちきな歌手という印象を持っていたが、人間マリア・カラスが描かれていて、本当は傷つきやすいナイーブな心の持ち主であったことを知った。1958年1月のローマ歌劇場での「ノルマ」での、一幕後の降板へのバッシングは有名な事件だ。公私共に親交の深かったディステファノの話によると、前日のテレビ放送が長引いたために、声の調子が悪くなり、一幕は歌いきったものの、それ以上は歌えないために降板したというのが真相らしい。観客は事情を知らないので、ヤジってそれでますます調子が悪くなったらしい。歌手がキャンセルすることはよくあることだが、門外漢はそこら辺の事情を知らないので、気分で休んでいると疑いの目で見がちだが、あくまでも喉の調子が悪いためだということは覚えておく必要がある。まあ、一幕後で終わりというには観客には納得できないことだが、会場側も説明が足りなかったことは確かだ。晩年、カムバックするため新しい歌唱方法に挑戦する前向きな姿勢も、意外だった。カラスといえばオナシスとの恋を出さないわけにはいかないが、関連した映像が豊富で、いかに彼らが親密だったかがよくわかった。なので、オナシスがジャクリーンと結婚したことを裏切りと思ったのも無理はない。ただ、オナシスの晩年によりを戻していたことは知らなかった。映像はあまり良くないが、こんなものだろう。一部隠し撮りのような映像もあるが、著作権上問題はなかったのだろうか。興味深かったのはカラスの顔の幅やメイクの仕方がコロコロ変わることだ。付け睫毛や眉毛の太さや濃さも変化し、どぎついメイクにもたえられる顔だということが分かった。パゾリーニの映画で主演を張るだけのことはあると変に関心してしまった。映画は、ほぼ年代順に進行して行くのだが、複数のインタビューから、その時々の内容にあった部分だけを取り出しているため、同じインタビューが何回も出てきて訳が分からなくなる。インタビューの年代を示してくれれば、大分理解しやすかったのではないだろうか。古い映像が多く、デジタル処理をしたとはいえ、一部鮮明でない映像が含まれるのは仕方がないことだろう。映画を見たら、カラスの歌が聴きたくなって、帰宅後ノルマ(1954)の「清き女神」を聴いた。当ブログはそれほどカラスの歌を知っているわけではないので、機会があれば「ルチア」や「蝶々夫人」も聴いてみたいと思う。公式サイト
2019年04月03日
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桑原あいの新作「Live at Blue Note Tokyo」を聴く。ハイレゾも同時配信で当ブログはmoraから購入。CDが¥3240に対し¥3800と少し高いが、楽天のポイントを使ったので、まあ許容範囲以内。国内配信の悪い点で、今回もブックレットはついていない。なので、曲目、メンバー以外のデータは一切ない。仕方ないので、ユニバーサルのサイトで情報を収集。24bit 48kHz Flacなのはちょっと物足りないが、いつものようにアップコンバートしてNASに保存した。桑原あいのオリジナルが旧作を含めて半分以上入っている。その中では「March Comes in Like a Lion」が速めの美しいバラード。他にスタンダードが数曲。デイブ・ブルーベックの「トルコ風ロンド」が取り上げられるのは珍しい。「All life will end someday, only the sea will remain」では後半桑原とリーの控えめなスキャットが入り、ユーモラスな仕上がりになった。彼らの前作でも同じことを感じたのだが、スティーブ・ガッドのドラムスが少しうるさいし、あまり創造的なドラミングとは思えない。特に静かな「The Back」でのブラッシュワークがウザい。ムードをぶち壊していること、夥しい。スタイルも何とも古い。ただ、「The Back」は夕方に家に帰る風景が目に浮かんでくるようないい感じの曲で、ドヴォルザークの「家路」を思い出してしまった。ラストナンバーに相応しい選曲。ウイル・リーのエレキ・ベースもあまり好みではない。ウッドベースならもう少し締まった演奏になったと思う。それに全体にフュージョンが入っていて、緊張感がないのも物足りない。この意見に賛同していただけるとは思えないが、桑原の演奏が素晴らしいだけに、勿体無い。桑原あい:Live at Blue Note Tokyo(Uiversal)24bit 48kHz Flac1. Ai Kuwabara:Somehow It’s Been A Rough Day2. M.Legrand-A.& M.Bergman:How Do You Keep The Music Playing? 3. Black Orfeus Medley V.de Moraes:A Felicidade -A.C.Jobim L.Bonfa-A.Maria:Manha De Carnaval Luiz Bonfa Samba De Orfe4. Ai Kuwabara:Whereabouts5. Ai Kuwabara:SAW6. Ai Kuwabara:March Comes in Like a Lion7. Ai Kuwabara:All life will end someday, only the sea will remain8. L.Bonfa-A.Maria:Blue Rondo A La Turk9. Ai Kuwabara:The Back Ai Kuwahara(p)Steve Gadd(ds)Will Lee(b)Recorded September、2018,Blue Note Tokyo(Live)
2019年04月01日
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