音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2019年01月03日
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カテゴリ: ジャズ

澤野工房 から昨年リリースされたロベルト・オルサーのアルバム「チェレステ」を聴く。
澤野工房は広告を打たないので、積極的に探さないと、見落としてしまう。
このアルバムもつい最近知ったばかりで、100ポイントつくのでamazonから購入。
アマゾンでは澤野工房のCDはすべて100ポイントつくようなので、amazonで購入することをお勧めする。
キャッチコピーには「天才ピアニストが辿りついた至高の世界がここに!」と書かれてあるので期待したが、ちょい聞きではそれほどとは思わなかった。
繰り返し聴くと、その良さが次第にわかってくる。
北見柊氏の解説によると、『チェレステはイタリア語で「神居ます至高の天空」を意味し、翻って空の「碧」でもある』とのことのこと。
勿論いつものオルサーのプレイと変わらない。

ベッジオのドラムスも堅実。
オルサーのCDではクラシックの作品が取り上げられることが多い。
隠れた名曲や意外な編曲で楽しませてくれて、個人的にもとても有難い。
今回はムソルグスキーの展覧会の絵の「古城」とモンポウのピアノ曲。
他の曲もオルサーの美学に基づいた抒情的な曲ばかりだ。
「古城」はあまり悲壮感はなく爽やかな編曲。
モンポウの作品は聞いたことがなかったので、spotifyで調べたら「歌と踊り」というピアノ(13曲)ギター(1曲)、オルガン(1曲)のための曲集で、1918年から1972年に断続的に書かれている。
導入的で緩やかな「歌」(Cançó)と、それに続くより動きのある「踊り」(Dansa)からなる。
今回取り上げられているのは第6曲の「歌」(Cantabile espressivo)の部分。
アウトゥーロ・ルビンシュタインに献呈され、アルトゥーロ・ベネディッティ・ミケランジェリがアンコールで好んで演奏したという。
キューバ、アルゼンチン、ブラジルの文化に影響を受けたリズムを使用しているということで、なるほどラテンの哀愁漂う佳曲なことが分かる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%8C%E3%81%A8%E8%B8%8A%E3%82%8A_(%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%82%A6
オルサーはあまり重くならず、曲の抒情性を伝えてくれる。
いい曲といい演奏。
モンポウは最近ピアノ曲を聴き始めたばかりだった、こんな曲もあるとは知らなかった。
1曲目の「Deliverance」(救出)は速めのテンポだが、少し愁いを帯びた表情がいい。
メルドーが書いてもおかしくないような曲。

ザッパの「G-Spot Tornado / Sleep Dirt」のメドレーは9分半とCDの中では一番長い演奏。
リズミックな「G-Spot Tornado」は、ザッパの猥雑な音楽がすっかり毒気を抜かれて、オルサー一流の洗練された音楽になっているのには驚く。
上原ひとみが作りそうな曲に聞こえる。
抒情的な「Sleep Dirt」では長尺のベース・ソロが前後に入っていてベースの美しいサウンドが存分に楽しめる。
また透明なピアノの響きが心地よい。
最後に「G-Spot Tornado」が戻ってきて曲を締めくくる構成も悪くない。
ゴロウベフの「... And After」は抒情的ながらもリズミックな面も見せていて単調にならない工夫を見せている。
オルサーの「A Simple Song」はリズミカルでリリカルな3拍子の曲。
道端の名もない草花のような可憐な美しさを誇って?いる。
ゴロウベフのベース・ソロはどっしりとしたサウンドで曲の可憐さとはちょっと違う感じだが、違和感はない。
後半のオルサーの流麗なソロがいい。
タイトル・チューンはラルフ・タウナーの「Old Friends, New Friends」(1979)に含まれる作品。
オルサーの演奏は美しいが、あまり心に響いてこない。
曲がそれほど優れていないことにもよるとは思うが。。。
ここでもゴロウベフのベース・ソロがいい。
いつもながらのアメリオによる録音は音像が肥大気味なことを除けば、とても心地よい。

ところで、 澤野工房物語 ​(DU BOOKS)という澤野由明さんの半生を語った書籍を今日までかかって読んだ
ジャズレコードの販売を始めたきっかけから始まり、浮き沈みの激しい業界で独自の地位を占めるまでにいたった歴史が、裏表なしに書かれていて大変面白かった。
弟さんの稔さんがヨーロッパ在住で音源の発掘や渉外を行い、由明さんが、そのほかの営業などをおこなう分業体制なそうだ。
日本で一番ジャズのレコードを聴いてきたと豪語するほどのコレクターであり、オーディオマニアであることも初めて知った。
稔さんも学生時代からヨーロッパに度々行って、廃盤を漁るというつわもの。
由明さんは自分がいいと思ったものを出すというのがポリシーで、現在までこれたのもそのポリシーが人々の共感を呼んだからだという。
本書では、特にお気に入りのミュージシャンについては「澤野工房のミュージシャンたち」と章を設けていて、オルサーは「サワノ・サウンドの最新形」とコメントされている。
オルサーはコルトレーン研究家として著名な藤岡靖洋氏からの紹介だそうだ。
なお、北見柊氏による寄稿「澤野工房外伝 ~JAZZ者 仁義なき戦い」も収録されているが、ページの関係で第4部と番外編は ホームページ での掲載となったそうだ。
第1部から第3部までもあるので、書籍を読んでない方も宜しかったらご覧ください。

Roberto Olzer Trio:Celeste(Atelier SAwano AS 163)

01. Roberto Olzer:Deliverance
02. Modest Mussorgsky:The Old Castle
03. Frederico Monpow:Song 6
04. Frank Zappa:G-Spot Tornado / Sleep Dirt
05. Yuri Goloubev:Parisian Episode VIII
06. Ewan Svensson:Piece III
07. Yuri Goloubev:... And After
08. Roberto Olzer:A Simple Song
09. Rlph Towner:Celeste
10. Roberto Olzer:Canova

Roberto Olzer(p)
Yuri Goloubev(b)
Mauro Beggio(Ds)

Recorded 28-30 August,2017 at Arteusuono Cavelicco(Udine),Italy





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Last updated  2022年07月18日 19時55分46秒 コメントを書く
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