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ネタバレ満載です。すみません。監督・製作・脚本 : ジョン・ウー 出演 : トニー・レオン 、 金城武 、 チャン・フォンイー 、 チャン・チェン 、 ヴィッキー・チャオ 、 フー・ジュン 、 中村獅童 、 リン・チーリン これは何を描いた映画なのか。もちろん長編なので従来の「三国志」とは違うサイドストーリーを大きく膨らませている。夫のためでなく民のために一人曹操の元へと向かう小喬、最後に残される累々たる死体、尚香は敵方の兵士との友情(恋)に揺れる、等々で平和を訴える映画かというと、ぜんぜん違う。小喬は結局見事な戦術で曹操軍80万の兵士と2000隻の戦艦を全滅させる第一の戦功を立てるし、尚香は結局友情をなすすべもなく一方的に裏切ったままで終わりを迎える。赤壁の戦いに先立つ弓矢の奇策も、戦いの推移も今回はあまりにも有名なのですでに学習すみ。驚きはない。前回は登場人物たちのキャラの紹介部分で十分見せたのであるが、今回はそういう意味で見せ場がない。もちろん戦いの部分は迫力があるのだが、前回のを見たおかげで驚きはない。「信じる心」なのか?確かに孔明と周瑜との間にはあったかもしれない。しかし、連合軍というのは、軍師と将軍との連合ではなく、あくまでも領主同士の連合のはずである。しかし、領主同士が手を組んだという展開はついには見られなかった。ぜんぜんすっきりしない。最後の曹操への扱いがこの映画の性格をよくあらわしていると思う。完全に曹操の首を討ち取れるという状態になって、なんと孫権ではなく周瑜が曹操を逃がすのである!!!ありえないし、あってはならない。しかし、あくまでも歌舞伎的な三国志であるこの映画では、これが本来の姿なのである。結局は、小山の大将決戦をいけめん主人公を立てて描きたかっただけなのである。それにしても、劉備の尚香への求愛はどうなったのだろう。
2009年04月30日
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沖縄映画祭でグランプリを獲ったというから、どれだけ笑わせてくれるのだろうか、と期待して行ったのがいけなかったんだろうと思う。監督 : 本木克英 原作 : 万城目学 出演 : 山田孝之 、 濱田岳 、 栗山千明 、 芦名星 、 石田卓也 、 荒川良々 、 斉藤祥太 、 斉藤慶太 五月病の学生も、何でもいいから打ち込めるものを持とうね、途中止めなんかしないほうがいいと思うよ、という軽い主張を持った京都観光映画でした。荒川良々と栗山千明はさすがに安定した演技。見え見えの自己中美人の芦名星もキャスティングの妙ではまっていたと思う。濱田岳がもう少し弾けてくれたらよかったのだが、脚本あるいは原作がこうなので仕方ないのでしょうね。主役の山田孝之、相手役の石田卓也はもっと覚悟を持ってコメディに出てほしかった。「ゲロンチョリー!」という言葉だけが頭に残った映画でした。
2009年04月30日
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たまたま録画していた「必殺仕事人2009」は、時事問題を扱った作品でした。さすが脚本が森下直。彼は映画「誘拐」(1996)で犯人渡哲也がじつは大企業の被害者だったというプロットを書き、今までにない社会派映画を作りました。最近では映画「バッテリー」の脚本を手がけています。幕府は庶民のためと言って定額給付金ならぬ「お公儀振る舞い金」を払うことになっていた。一人当たり一分(5人で一両)である。渡辺小五郎(東山紀之)たちは「今本当に振舞い金が必要なのは、喰えなくて離農して、人別帳がないばかりに土手で夜鷹をしながら喰っているようなあいつらだ」という。そこで口入屋の悪人どもはお役人語らってかれら「ホームレス」らに行方不明者の人別帳を次々と与え、それで振る舞い金をピンハネして大もうけをする。そして、最後には彼らを一箇所に集めて殺すのである。彼らホームレスの知り合いだった新参仕事人の仕立て屋れん(田中聖)は中村主水(藤田まこと)や小五郎、経師屋涼次(松岡昌宏)花御殿のお菊(和久井映見)に仕事を頼むのである。後はいつもの通り。ただし、落ちがある。「振る舞い金のあとには商い税がとられるんだって。どうやらこの二つは抱き合わせだったらしいよ」と小五郎の妻とその母は噂話をするのでした。と、言うわけで私の家にもやっぱり定額給付金の案内が来ました。免許証と通帳の二つをコピーに取らないといけないし、色々書かないといけないし、面倒ですが、貰おうと思っています。もちろんその代償としての消費税には断固反対です。今本当に定額給付金が必要なのは、派遣切りにあった人たち、仕事がなくて自宅待機にあっている人たちですが、それよりも住所移動が出来ていないけれども、その住所移動をするために実家まで帰るお金がなかったり、借金を抱えていて、移動ができない人たちだろうと思います。彼らは受け取ることができません。のどから手が出るほど欲しいはずなのですが。
2009年04月28日
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年収80万円、職場転々…官製ワーキングプアの訴え切実(朝日4月26日)気がつけば、教師といえども、非正規がなんと多いことか。 首都圏の小学校で臨時教員として働く50代の女性は、年齢制限などで常勤職が見つからず、時給1210円で1日5時間勤務。年収80万円だという。 女性は夏休みなどは学童保育で働くが、それでも生活は成り立たない。週末にスーパーでアルバイトをしたが、疲労で授業に集中できなくなった。周囲に相談して出した結論は、生活保護だった。いまは月5万円前後を受給する。「甘えている」という批判に悩みもしたが、「生活が安定したことで、子どもたちにしっかり向き合えるようになった」と前向きに話した。公務員というのは安定している。臨時講師でいいから、いつかは正規になれるだろうから、がんばれ、と言ったのは今は昔。このような例ははいて捨てるほどある、と知り合いの教師は前も言っていた。自治労の08年調査では、自治体職員の3割近くを非正規が占め、全国では60万人と推定された。労働契約は最低労働基準法で守られている。のは、実は「労働者」だけである。家族経営労働者は違うし、公務員も違う。劣悪な待遇の背景として、公務員は民間と異なりパート労働法などの労働法制が適用除外となることがある。集会の実行委員で東京都港区職員労働組合の本多伸行さんは「公務員制度の枠内では対応しきれず、民間と同じ有期雇用の問題としてとらえ直す必要がある」と指摘した。
2009年04月27日
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今日は父の一周忌だった。2006年春に父のすい臓がんが見つかった。ある朝、隣に住んでいる父が私の玄関の戸をたたく。寝ぼけ眼で出てきた私に岡山の大学病院まで連れて行ってくれという。「とうとう癌になった。すい臓だ。」そのときの泣き笑いのような表情がいまだに忘れられない。そのときから、時々思いついた短歌を携帯に書いていた。それを今回少し説明文も添えて紹介したい。作品としては不出来ということは承知の上だ。数多くあった趣味のひとつに短歌も数えていた父が見たら、自分のことは棚に上げて一言「つまらん」というのが落ちだろう。それらを承知した上で、「記録」として残しておきたいと思う。人生も終わりだ、などと淡々と息子に言えたと思っているらしい当時短歌とともに書いていたメモ「「もう万が一手術しても楽しいことは何もない」「運動はできるんだからいいじゃない」明るい話題をしゃべるのがこんなに胃が痛むとは思わなかった。」検査入院をする。もし手術ができるのならば、まだ一縷の望みはあるのだと知らされていた。すい癌で入院する日の父に丸い地球の白雲がいく桜散り野働きの人ベットの人になりにけるを ハナミズキ咲く検査結果の告知の日の前日に書いたメモ。「心は平静なのに胃が痛んで仕方ない。岡山駅前の「笑笑」で生ビール二本とモツ鍋、豆腐を食べ、胃の痛みが少し取れる。倉敷駅前の「喜久屋」で芋焼酎二杯、豆腐、焼き鳥四本、ラーメン一杯を頂く。」手術はできることになった。しかしステージは5の前半つまり最終段階だという。成功しても余命が延びるだけだという。いったん退院。あれはなんだ、あれはなんだと退院の父隣から聞いてくる夜五月、手術日当日 10時間の大手術だった。癌手術待つ間に我はメタボリック症候群のひとりだと知る血色よく手術室に消えたあと地球は長い午睡をすなり切り獲ったゴルフのような癌腫瘍 胃や腸共に店先並ぶ大変だったのは手術後の一週間、麻酔の幻覚と痛みの狭間で数日間私も泊り込む。真夜中に田中のおじさんきたという こんなに弱い人だったのか悲しくて情けなくて惚けた目にこの人誰だと分からなくなるこのまま狂ってしまうのかと心配したが、そういうこともなく何とか退院。そのあと自宅近くに転院、抗がん剤治療が体力があったせいか、体質なのか、まったく副作用なく順調に始まり、程なく退院、自宅療養に移る。 一年半の間、家族は覚悟を決め、しかし平静な日々を過ごした。父は何も言わない。だから再発の知らせも、大学病院が父の携帯と思って私の携帯にかけたことで再検査をしていることを初めて知ることで私は察した。それが、08年の夏だった。ひそやかに間違い電話振動す病院からの父の再発12月21日、痛みが麻薬では治まらず、兄嫁が父を病院に連れて行ったとき、医者が本人に向かい「余命三ヶ月です」と宣告をする。そのとき初めて癌が肝臓に転移していることを知らされる。その次の日に父からその話を聞く。私の見る限り、父に動揺は見られなかった。正月は家族と過ごしたいとのこと。それまでは麻薬パッチでごまかすとのこと。わがままで威張り散らしてこの父は淋しん坊で余命三ヶ月一筋を待つ間の長き御来光これは携帯に書いたわけではなく、連歌の会の発句である。正月朝、初日の出にこだわるのでそのときだけ寒いのに玄関前に出ることを許した。見ることができてよかった。正月二日急変。しかし、病院が開くまで兄弟で二日徹夜で看病。麻薬パッチを何枚も張る。あとで医者から普通の人間ならばショックで死んでいてもおかしくないと怒られる。4日、入院。目に見えて衰弱していった。真夜中に黄泉の蓋ひらく氷水さむいはいたいいたいはさむいチューリップどんどん開く温室の効果恨めしひとり病室死に顔がふいに目覚めて内臓のしだい腐りてだあれもいない尽きかけて過ごす命をこの父は「長いなあ!」という「一日が長い」仕事だと無理やり部屋を出る際の真っ赤に腫れた涙顔なり余命過ぎまだ死んでいない死にたいと何度も何度も言い募る部屋「おめでとう」幸せそうに父が言う私が米を発明したと泥ついた畠の水仙を飾ればぐっすり眠れた朝を迎えた5月2日13時42分死亡。
2009年04月26日
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「配達赤ずきん」大崎梢 創元推理文庫書店員の杏子は今日もお客に「ほしい本」を尋ねられる。タイトルも書いた人もわからない。「かわいそうな人なのよ。女の子がたくさん出てきて、みんなとっても貧しいの。なかなか家には帰れないし、病気になったり、時には友達が死んでしまったり、いたたまれないのよね」---本屋で本を探すのは、日常茶飯事。私も店員の方に探してもらったことがあります。(オバマノ大統領就任演説CD版とか)まあ、大体の題名ぐらいは伝えましたが、出版社名や著者名はわからないことはよくあります。このおばさんは少し極端なようですが、ありうる話です。みなさん、わかるでしょうか。ちょっと推理してみてください。さらに続きます。「環境の良くないすごく悲惨な感じの工場で働いている子達が主人公でね、昔の日本ではこういうのが珍しくなかったのよ。」---ここで杏子さんはぱっとひらめきます。「ひょっとして「あゝ野麦峠」では?」あたりです。ここまで約5P。落語で言えば「枕」の部分。みごとなつかみです。この推理短編小説集はすべて書店で起きます。「日常の事件」で話が進みます。殺人事件のような刑事事件でなくても、十二分に推理小説は成立すると説いたのは北村薫「ミステリ万華鏡」でした。彼はいいます。「本格にとって、最も大切なのは、トリックでもなければ、論理でもない。その素材を扱う人間の心の震えである。それが物語と結びついたとき、《本格推理小説》が生まれる」これがデビュー作の大崎梢は、まさに北村薫の系譜を見事に継いでいます。読後感がいずれも暖かくなるという落ちのつけ方がまた好い。本屋さんシリーズはこのあと2冊書き継がれていて、これから文庫本になっていくようです。とりあえずしばらくはこの作家に付き合ってみるつもりです。
2009年04月25日
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井戸端の話の花が咲く裏手すたりすたりと巨悪が通る自衛隊のイラク派兵を憲法9条違反とした名古屋高裁の画期的な判決から4月17日で一周年になったという。今日届いた「平和新聞」4月25日号にその特集があった。その一周年記念集会で報告をした弁護士の内藤功氏が「海賊対処の本質」という題で、昨日衆議院を通過した「海賊法」の問題について述べている。割とまとまっていると思う。そのまま紹介したい。 米国はソマリア沖での海賊問題を、パキスタン、アフガニスタン、イラクなどこの地域一帯における「対テロ戦争」と一体のものとして位置づけています。また、あの海域には中国やロシア、インドもそれぞれの思惑をもって軍艦を派遣しており、アフリカのエネルギー資源をにらんだ覇権のぶつかり合いという面も背景の一つにあると思います。 先日米海軍の「シールズ」が、交渉すると見せかけて海賊を射殺し、人質となっていた米国人船長を救出しました。これを受けて、海賊側は報復を宣言したといいます。米海軍第五艦隊のゴートニー司令官も「船長救出作戦はこの海域での暴力をエスカレートさせるだろう」と警告しました。 実際に、各国の軍艦による活動にもかかわらず、海賊事件はむしろ増えています。しかし米国内では、最近増派やソマリア陸上にある海賊やイスラム過激派の拠点を空爆すべきだという意見までできています。 こうしたなかで、日本政府は、海上自衛隊の護衛艦に続いて、P3C哨戒機や航空自衛隊のC130輸送機、陸上自衛隊の警備隊まで派遣しようとしているのです。これが今後どのような危険な状況をもたらすのか、よく考える必要があります。 この地域で自衛隊は事実上、米軍の作戦統制を受けることになります。すでにバーレーンにある米海軍第五艦隊司令部(多国籍軍司令部もかねる。)には「部隊運用の調整のため」として海上自衛隊の連絡幹部が派遣されています。 私は、イラクで空自のC130輸送機が米軍に「タクシー」と呼ばれていたように、今回もまた米軍の作戦行動のために便利に使われてしまうことを危惧しています。 もともと海上自衛隊は陸・海・空自衛隊の中で最も米軍との一体性が強く、共同訓練を半世紀にわたり積み重ねている上に、同じ通信体系で結ばれています。P3Cが行ったら、アデン湾での自衛隊の本来の任務以外に、米軍に「ついでにあの地域も偵察してきてくれませんか」などと頼まれるのじゃにないでしょうか。 国会で審議中の「海賊対処法案」では、任務遂行のための武器使用ができるようにしています。麻生総理は「海賊という犯罪に対する警察・治安行動なので、憲法九条が禁ずる武力行使ではない」などと答弁しています。こんな詭弁を許していてはいけくません。 名古屋高裁「イラク派兵違憲判決」は、イラクの武力勢力を「国に準する組織」とし、これに対する米軍の作戦は治安活動にとどまらず武力行使であり、それと一体化した輸送活動も行う自衛隊の活動も憲法あ九条が禁ずる武力行使に当たると認定しました。この判断は今回の海賊問題に応用できます。 海賊法の本質は海賊とは関係なく米軍のための「海上自衛隊派遣法」であり、違憲の法律である。あまつさえ、麻生首相は今日「集団的自衛権の解釈変更」について着手するという。要は来年2010年が憲法改正の年になるように前倒しでスケジュールを立てているのである。その前に憲法九条を骨抜きにしておけば、憲法を変えるのはぐっと楽になるだろう。国民をナメテいる。なめているのである。
2009年04月24日
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一昨日の入院騒ぎには後日談がある。退院のあとに病院から電話があったのだか、行き違いで繋がったのが昨日朝。病院の事務の人「昨日は朝早くてご会計が間に合わなかったので、電話でお伝えした上であとで清算していただければと思います。費用は22,300円でした」一秒絶句する。「それは一泊の費用で、私が払う分ですか。ずいぶんと高いんですね。」(1日入院の費用が74,000円ですって!?私はなんとなく、ホテルの一泊分1万くらいだろうと思っていた。なにしろその前段階、自宅の簡易検査が3千円くらいの出費で済んでいたのだ。)「なにしろ、検査が含まれて今すらね」(それはそうなのだろうけど、それならせめて1日入院を勧めたときに入院費用はこれくらいかかります、と言って欲しかった。検査入院なのだから、命にかかわることじゃなし、もしかしたら断っていたかもしれないじゃないか。そもそも、あんたたち医者というのは、入院しますかとか、手術しますかとか、執拗に本人の意思は確かめるくせに絶対カネの話はしない‥‥‥というような不満の声はおくびにも出さす)「分りました。今度のときに払います」という私でした。貧乏生活の私にとっては、こういう思いもかけない出費は本当に痛い。しかも今月は個人のノートパソコン(5万円相当)を逡巡しながら買ったばかりだ。医療費の出費というのは、いつも基本的には普通の商品とは違う。買う前に値段を知らされることはほとんどない。これは全く異常な購買活動と言っていい。これが医療費1割負担の時代だったならば、7400円で済んでいたのである。2割負担になり、3割負担になったときに、私は東京で20万集会に参加して反対はしていたのだが、それ以降のときも私は窓口で500円~3000円くらいしか払っていなくて、医療費が特別高いと思ったことはなく、今回は本当にびっくりした。しかし、それはたまたま私が健康だからからであって、ラッキーだったのだ。1日入院くらいでこんなに医療費が要るのならば、ちょっと多く治療をすればすぐに月8万くらいの医療費が要る日は来るということである。私の財政では、それは我慢できない程度ではないけれども、しかしいろんなことに犠牲を強いる事態になるということだろう。リストラをされて日々の生活費に事欠くような人ならば、だんだんと生活できないことが十分にありえるのではないだろうか。私が今回初めて知ったのは、医療費というものはお金がかかる、しかも自分の生活程度に関係なく、突然降りかかるということである。日本の場合はまだ途中でブレーキがかかる仕組みがある。しかし日本が何かとお手本としているアメリカは違う。私が思い出していたのは、昨日録画で見たNHKスペ「マネー資本主義」、堤美果「貧困大陸アメリカ」である。「貧困大陸アメリカ」では、普通の中産階級が破産宣告をした経緯をこのように話していた。「原因は医療費です。2005年の初めに急性虫垂炎で入院して手術を受けました。たった1日入院しただけなのに、郵送されてきた請求書は12000ドル(132万円)。会社の保険ではとてもカバーし切れなくて、クレジットカードで払っていくうちに、妻と出産と重なってあっという間に借金が膨れ上がったんです」アメリカの普通の市民でさえ、一回の手術ですぐに破産してしまうという現実がアメリカにはある。これで行くと、日本の皆保険は高い保険と3割負担といえどもまだ良いということになる。日本には高額医療減免制度もある。以前のように戻すことは難しいにしても、これ以上悪くならないようにがんばることはまだ可能かもしれない。少なくとも、これ以上の医療費の負担率を上げることや、保険業界の医療行為への介入は絶対防がないといけない。「マネー資本主義」では、サブプライムローンなどの不良債権をまるで福袋と同じように他の債権と混ぜて売り出す「金で金を買う」仕組みを描いていた。危険性をいう経営者も居たが、ほとんどの経営者はそんなことはお買い無しに自分の給料を無制限に引き上げていたのである。(トレーダーの家はまるで中世のお城の広さである)かつてマルクスは資本主義の本質を「わが亡き後に洪水よきたれ」と言ったが、まさにその通りの性質を見せたわけだ。アメリカのウオール街の破綻はおそらく、ウオール街だけの責任ではなく、すべてを自己責任でおカネをまわしてきたアメリカ自身の責任もあるのだろう。突然の「高額」医療に、日本の将来を少し憂いた日になった私です(^_^;)
2009年04月23日
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昨日、生まれて初めて入院しました。それで今日退院しました。しかも昨日仕事が終わったあとに入院手続きをして、今日も普通に仕事に行きました。心配後無用。検査入院です。しかも、何の検査かは恥ずかしくていえませんが、命にかかわる病名には一切関係ない検査です。それでも、初めての体験なので興味しんしんです。病院はシステムで動いているので、入れ替わり立ち代り看護士さんが来るんです。やっぱり頼りにしてしまいますね。それでやっぱり9時になったら消灯です。わたしゃ宵っ張りなのでとうてい眠れません。スタンドで本を読んでいました。それでも夜は長い。夜中何度も目が覚めます。真夜中の病院はいたるところでへんな音や声が聞こえます。去年の今頃、父が心細くて夜中の10時過ぎて病室を出ようとすると、「帰るな」という顔をしていたのが、いまさらながらに胸が痛くなります。病院食は時間の関係で夕方も朝もとることが出来ませんでした。これで死んでもいいくらいの痛みやしんどさとたたかうとき、一人で何時間も病室にいることがどんなに大変なことか、私にはまだ実感としてわからないでいます。正岡子規「仰臥漫録」より9月10日夜半家人起こして便通ありよく眠るこの日水のごとき唾しきりに出づつくつくぼーし明日なきやうに鳴きにけり秋の蝿叩き殺せと命じけり9月26日家人屋外にあるを大声にて呼べど応えず ために癇癪起こりやけ腹になりて牛乳餅菓子などを貪り腹張りて苦し 家人屋外にありて低声に話しおるその声は病床に聞こゆるに病床にて大声にて呼ぶその声が野外に聞こえぬ理なし それが聞こえぬは不注意のゆえなりとて家人を叱る10月13日 大雨恐ろしく降る 午後晴れ略(家人も母もいなくなって、子規は小刀もって自殺しようとするが果たせず)死は恐ろしくはないのであるが苦しみが恐ろしいのだ。病苦でさえ耐え切れぬにこの上死にそこなふてはと思うのが恐ろしい。
2009年04月21日
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今までにないアカデミー作品賞である。荒削りなのに、繊細な脚本。スターがいないのに、キャラが立っている。美しい自然なんてどこにもないのに、圧倒的で作り物ではない色彩と映像。歌詞がまったく分からないのに、魅力的な音楽。主題歌賞をとった曲がどこで使われるのだろうと思っていたら、まさにインド映画然としたあんな使われ方をするなんて。都合のいい展開、だけど納得のラスト。リアルを求めれば、ラストが駅では危険極まりなかったはずだ、携帯があるのだから連絡は取れたはずなのだ、しかしわざと駅にした。けれんみのある映画なのである。完璧な作品ではない。けれども勢いがある。監督 : ダニー・ボイル 脚本 : サイモン・ビューフォイ 出演 : デーヴ・パテル 、 アニル・カプール 、 イルファン・カーン 、 マドゥル・ミッタル 、 フリーダ・ピント 世界がこれを選んだ。もちろん「ベンジャミン・バトン」よりもすばらしい。けれども「チェンジリング」よりもすばらしかったかというと、首を傾げざるを得ない。けれども世界がこれを選んだ。本来は外国語映画賞になるような作品ではある。三分の一はインドの言葉が使われる。けれども、主要言語が英語ということでアカデミー作品賞の候補になって、最後のファイナルアンサーまで行って、なんと最多8部門を獲ってしまった。グローバルな世の中で、貧困が世界の共通課題になって、そして「チェンジ」を叫ぶ黒人大統領が誕生して、そしてこの映画が選ばれたのである。若い無名の二人が結ばれるのだとすれば、やはりいくつかの犠牲の元で結ばれるのだろう。これが「運命」なのだ。ミリオネアクイズといえば、この前の記事「がんばれクレール」で書いたとおり、初日にシネマクレールに見に行って私はクイズ企画に参加した。五問のクイズに軽々と答えて私は割引券をゲットする予定だった。(何しろ映画を見ていれば答えることができる問題ばかりだったのです。)ひとつ、アカデミー賞は何部門受賞したか。ひとつ、監督は誰か。ひとつ、舞台はどこか。ひとつ、賞金の単位は何か。もちろん軽々と答えた。ところが、主人公の名前は?答えは四つからひとつ選ぶ。そのうちのひとつに兄の名前があった。私はこれが引っ掛けだと思い、問題をほとんど見ずにマジャールのところに○をしたのである。答えは「ジャマール」だった。映画人生最大の汚点である。これが運命。私の運命なのだ……。
2009年04月19日
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「派遣・労働者支援センター」の学習会に行ってきた。このセンターは岡山市の労組の団体や弁護士事務所、生健会などが2月に立ち上げた団体。今回の学習会では、法律事務所から「生活保護申請から生活再建に向けて」の具体例を話してくれたし、生健会からは「相談活動の留意点」、なんと岡山市の雇用対策課課長もやってきて、現状の取り組み、とくに活用できる諸制度について説明をしてくれた。内容よりも、自治体の人が来たということがすごい。弁護士事務所の社会福祉士の話は色々と勉強になった。この岡山パブリック法律事務所はスタッフ40名を抱える大型事務所なのだが、公設事務所で公益性の高い案件を扱っているという。その関係でホームレス対策にも積極的である。「法テラス利用による法律相談扶助制度の活用」によって、ホームレスも無料で利用できるし、事務所も損は無いという。しかも昨年12月から事務所独自で、一部屋だけシェルターを借り上げているという。そういう中で、これまで3人が自立生活を実現していったらしい。3人とも共通点は一回は福祉事務所に行って「住むところを探してから生活保護に来てください」と追い返された経験があるということだ。(生活保護を受けれないから住むところを確保できないのに、た゛)弁護士が同行していくと必ず受理されるという。ところが、学習会最後の質問コーナーで支援センターの事務局の話では、事務局が同行していくとまだ「生活保護は「他法優先」です。うちは最後の砦ですからほかを回ってください」とたらいまわしにされるという。しかし実際年金証書や通帳を持っていても年金受給は難しかったりして、結局生活保護のところに戻っていくのだという。法律事務所の人は「生活保護が決定した後に親族援助があってもいいんです。今が問題なのであって、今日彼を公園で寝させるのですか、と言って受理させています。」とアドバイスしていた。たとえば、まさしく派遣切りで雇い止めになった最近の事例では、彼は実は5月からの仕事はあるのであった。しかし、今現在住むところが無くて期間限定の生活保護を受けた。保護を受けて住居が決まると、月5万の年金も下りるようになる。そうなると、5月までの生活費などは確保できて、結局5月までの住宅費だけ生活保護を受けるということになった。(そうだよね。結局生活保護費の節約になったわけだ。まったく本末転倒じゃないか)その雇い止めになった彼は言っていたという。「路上生活からともかく脱出したかった。あの生活に慣らされてしまったら、もう這い上がる気力が無くなる。自尊心のあるうちにホームレスを出るようにしたかった」と。今日の学習会の参加者が口々に言っていたこと。「民間はがんばっている。けれども、民間では、限界がある。自治体の相談窓口の人が質を上げたり、自治体の長が本気になることが大切なのではないか」住居、住民票が無いということで最初からあきらめているホームレスがいるという。彼らはなぜ住民票が無いのか。たとえば、九州から岡山へ仕事で流れて雇い止めになっている人などは九州に帰る金が無い。よって、住民票自体移すことができないのである。借金を持っている人も多い。籍を移すと居場所がばれる。それであきらめているのである。しかし、本籍を移す必要は無いのである。無くても申請できる。「住所間借り契約書」で問題ないのだ。要は「連絡方法と連絡先」なのである。そうやって、11月から1月にかけて車上生活をしていた人がシェルターに入り、生活保護を受けることができた。つまり、シェルターは必要なのだ。パブリック事務所でひとつ、生活支援センターで3つ確保したが、すぐに埋まってしまったという状況だ。制度的な対応が必要なのである。「借金があるから生活保護は受けられない」と思っている人がいる。借金は整理する、清算したり、月々返済するめどがあれば受理も可能だという。ともかく明日からの金がまったくないという人は「つなぎ資金」が受けられる。それがない自治体(高梁、津山)もあるが、岡山市は受けられる。一日1000円、一回1万円、2万円まで可能だという。しかし、もらえるハードルが高い、という新たな問題もある。今回の定額給付金、本当に困っている人がもらえない、というおかしな制度である。あの通知は住民票があるところにいくのだ。郵送したら、住所不明で戻ってくる。あるいは、ホームレスの人たちは二重三重にいろんな問題を抱えていて、家族問題はその際たるものである。DVで家を離れている人は警察に申請すれば送ってもらえるらしいが煩雑な手続きが必要だ。離婚している人にも、家父長に案内が届くことが多い。岡山市の対策も聞いた。ふるさと雇用再生特別交付金、緊急雇用創出事業で四月から三年間、岡山市では総事業費6億4千万、665人もの雇用を創出するという。それはよし。しかし、内容的には本当に首切りの雇用確保になっているかは疑問だという参加者の意見もあった。正月の派遣村から提起された問題課題が、いま地域で具体化、新たな課題を作っている。ここ数年で明らかになってきた「貧困」問題は新たなステージに上ろうととしているのだろう。
2009年04月18日
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今日60万アクセスを超えました。いつも訪ねてくださっている皆様、ありがとうございます。ただ、今回は記念のなんらかのプレゼント企画は無しです。何故か。前回の50万アクセスでabi.abiさんに約束したドストエフスキー「地下室の手記」の感想文がまだ書けないからです。abi.abiさんごめんなさい!!読み始めたら、非常に苦手な部類の話でして、なかなか前にすすめないでいます。けれども、さすがにドストエフスキーだけあって用意周到に私のつまらないツッコミはかわしているのでもちろん凄い本ではあるのです。必ず、必ず、感想文はアップしますので、今しばらく、しばらくお待ちくださいませ。と、いうことで600000 2009-04-17 16:04:36 ***.commufa.jp 今回60万アクセスを踏んでいただいたこの方から、もしも申し入れがあったならば、やはり何らかの記念行事はしたいと思いますが、無かったならば、ドストエフスキーに集注したいと思います(^_^;)ご了承くださいませ。さて、閑話休題、最近あっという間に読んだこの本の感想を今日は書いて終わります。「ポテトスープが大好きな猫」テリー・ファリッシュ作バリー・ルート絵村上春樹訳講談社文庫文庫の絵本というのが面白くてつい買ってしまう。もしかしたら、初・村上春樹体験かもしれない。もしかしたらもうすぐ公開の「グラン・トリノ」(クリント・イーストウッド主演)はこういうおじいさんの話なのかな。おじいさんと猫だけの生活。いつもジーパンとチェックのシャツ、そして(村上春樹の解説で初めて気がつくのですが)野球チーム、テキサス・レンジャーの帽子をかぶっている。無口だし、猫に対してはお互い相手を思いやって言葉を尽くしている風は無いけれどもいざというときはひどく心配する。猫が眠そうだったのでいつもの魚釣りにされていかなかったある日、猫が行方不明になる。そうして帰ってくる。それだけの話ではある。おじいさんの一軒家のたたずまい、古いトラック、毛を逆立てた猫。アメリカの田舎町の尊厳を持ったひとり暮らしの現実を描いて、ほとんど何も結論つけずに絵本は終わる。こういうのもいいかもしれない。
2009年04月17日
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シネマクレールにて鑑賞。監督・脚本 : ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ 出演 : アルタ・ドブロシ 、 ジェレミー・レニエ 、 ファブリツィオ・ロンジョーネ 、 アルバン・ウカイ 、 オリヴィエ・グルメ 少し粗筋アルバニアからベルギーへやって来たロルナは、この地で国籍を得て暮らしていくため、ブローカーのファビオの手引きで、ベルギー人青年クローディと偽装結婚し、共に暮らしている。クローディは麻薬に溺れる生活から抜け出そうと、ロルナに希望の光を見出していた。だが、ロルナを使って国籍売買しようとしているファビオには、ロルナが国籍を取得したら彼女を未亡人にしてしまう計画があった…。営業力強化研修なるものを受けたときに、人は良いとか悪いとかではなくて、四つのタイプがあることを学んだ。人はセールスを受けたときにどのように反応するのか。正確ではないかもしれないが、こうである。ひとつは、協調型。非常にフレンドリーに接してくれる。けれども買うというところまではいかない。ひとつは、攻撃型。批判もするし、さっさと拒否をしてすぐに結論を出す。ひとつは、優柔不断型。もうちょっとで買いそうだと思ってずっと話をして時間を無駄にしてしまう。そして、ひとつは、むっつりスケベ(名前を忘れた)型。表情をまったく変えない。興味を持っていないのか、失敗だな、と思っていると「じゃあ買います」と言うタイプ。ロルナはむっつりスケベ型である。表情を表に出さない。一見すると、彼女は彼を嫌っているようにしか思えない。しかし、冒頭から私はふとびっくりする。偽装結婚の二人だから、部屋が別々なのは当たり前だ。しかし彼女は着替えると、下着のまま彼の前を通るのである。彼女は彼のことを芯から嫌ってはいないのである。ヤク中で生活力のない彼のことをどうやらいやいやながらも更正させようといろいろと試した節がある。彼はそんな彼女を信頼している。彼女はいやいやながらも彼のために食べ物も買ってくれば、薬も真夜中の薬屋を起こして買ってやったりする。彼女にも恋人はいる。アルバニアから一緒に流れてきた恋人とこのベルギーでお店を出すのが夢なのだ。こんな男のことをかまっていられない、そう思っていたのだろう。けれども、無表情の奥でしだいと「情」あるいは「恋」が育っているのを彼女はうすうす気がついていたはずだ。あともう一歩で彼を救うことができる。それを確信したときに、彼女は恋を自覚する。むっつりスケベが行動を起こすときは大胆である。予告を見る限りは、彼女が彼を救うために奇跡を起こすのだと思っていた。だから後半の展開は、びっくりである。「奇跡」とは何なのか。重ねて言うが、むっつりスケベは動くときには大胆である。いうまでも無いが、「むっつりスケベ」は人間の型の仮の呼称であって彼女がスケベであるということではない。営業はその彼女のわずかな反応を見逃してはいけない。でもほとんどの男はその変化には気がつかない。部屋を出るときに彼女のまっすぐな瞳が少し潤んでいることに気がつかない。東欧の出稼ぎ、偽装結婚をしてまでベルギー籍を取ろうとする若者。アルバニアの彼が金を手っ取り早く稼ぐために原子力発電所のバイトに出るような、ヨーロッパを覆う現実を背景に、決して甘口ではなく、ダルディンヌ兄弟らしくリアルに、この恋の行方を追う。決してハッピイエンドではない。けれどもはじめて使ったという音楽効果は抜群であり、静かな彼女の「決意」を知るのである。「かれら」のしあわせを私たちはベートーヴェンピアノソナタ「アリエッタ」と共に祈るのである。
2009年04月16日
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映画館大賞なるものが作られているそうだ。映画館スタッフが選ぶ第1回映画館大賞、1位「ダークナイト」2位以下は次の通り。カッコ内は監督。 (2)ぐるりのこと。(橋口亮輔)(3)おくりびと(滝田洋二郎)(4)歩いても 歩いても(是枝裕和)(5)トウキョウソナタ(黒沢清)(6)イントゥ・ザ・ワイルド(ショーン・ペン)(7)実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(若松孝二)(8)ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(ポール・トーマス・アンダーソン)(9)ノーカントリー(ジョエル&イーサン・コーエン)(10)崖の上のポニョ(宮崎駿) そこで選ばれているベスト10は、私のマイベストとかなり重なるところがあり、私なりに「やっぱりね」という感じであった。映画館大賞は、北海道から沖縄まで全国110館の独立系映画館のスタッフが「映画ファンにぜひスクリーンで見てほしい作品」を選ぶ賞。なのだそうだ。つまりそれだけ、地域の映画館にとり観客減は深刻なのである。。先日恒例「映画を語る会」があって、その会が終わったあとも恒例、中華料理屋に集まっておそくまで四方山話をした。そのときの話題の一つが岡山唯一の独立系映画館シネマクレールの話である。現在全国のスクリーンの8割がシネコンによって独占されている。地域の映画館は今苦境にたたされている。シネマクレールも例外ではなく、むしろ典型と言っていいだろう。「語る会」は岡山老舗のシネマサークルなので、ここでは書けない色々な情報が入ってくる。去年は二館あったうち一館が閉鎖に追い込まれた。いまシネマクレールを愛する(それは即ち映画を愛する)人たちが集まっていろいろなアイディアを出して映画館を盛り上げているらしい。最近は期間限定で金曜日カップル2000円サービスも始まっている。18日の「スラムドッグ&ミリオネア」の初日ではミリオネアクイズを出して割引券が当たるイベントもする予定である。それを聞いて、ボクは批判する。「カップルデーはいいアイディアだと思う。けれども、それは結局映画館のロビーに書いているだけじゃないか。たぶん、突然思いつきで始めたんだろうけど、こんなのは急に始めて急に止めちゃだめだ。カップルで映画に行こうと思ったならば、少なくとも三ヶ月前から宣伝しなくちゃ。それで男の子は一ヶ月思い悩んで、(ここで一ヶ月も思い悩むのかよ、とツッコミが入りました)一ヶ月で何とか女の子を誘い、デートは一ヶ月前に決定しなくちゃいけないんだ。だから今度するとしたら、12月初めから宣伝を始めて、バレンタインデーからホワイトデーまでの期間にカップルデーを設けるべきだね。」「ミリオネアクイズも、映画館の中での宣伝じゃダメだ。いったい何のために宣伝しているのか。普段映画館に来ない人たちに来てもらいたいんだろ。だったら、せめて映画館の外にイベント告知をしなくちゃ」いつも、シネマクレールのためを思って、どうやったら映画館に来る人が増えるのか、いつもこの話題で盛り上がります。岡山から独立系映画の灯を消してはいけない。みんな切実に思っているからです。私のマイベスト作品はたいてい7割くらは、このシネマクレールで鑑賞した作品なのである。この日も、地域商店街への宣伝や、外壁の活用などいろんなアイディアが出たのでした。(支配人に伝えるルートはあるんです。でもそれがなかなか採用されない。)岡山関係者は少ししか読んでいないとは思いますが、出来るだけシネマクレールの映画を見るようにしましょう。傑作に出会う確率はシネコンよりは絶対に高いです。
2009年04月15日
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非常に見応えのある経済クライムサスペンス国際映画!少し粗筋インターポール捜査官のサリンジャーは、ニューヨーク検事局のエレノアと共に、国際メガバンクのIBBC銀行の捜査を続けていた。内部告発をしようとした銀行幹部との接触のためにベルリンを訪れたサリンジャーだが、検事局員を目の前で殺され、また告発者も事故死に見せかけて殺されてしまう。証言を得るためミラノを訪れたサリンジャーとエレノアは、軍事メーカーの社長から銀行が武器取引に関与していることを聞きだすが…。監督 : トム・ティクヴァ 出演 : クライヴ・オーウェン 、 ナオミ・ワッツ 、 アーミン・ミューラー=スタール 、 ブライアン・F・オバーン 経済評論家の森永卓郎氏が「金融の裏の顔を人々に知らせることができる唯一の方法は、実名を出さずに描くということ」と言っている。この映画にあるように、その全体像を描こうとすると、必ず大国との関与が問題になり障害があるからである。このようにフィクション然とした描き方は正解なのだろう。 この映画に出てくるメガバンクにはモデルがある。世界有数の金融都市、ルクセンブルグに本店を置いていた国際銀行「バンク・オブ・クレジット・アンド・コマース・インターナショナル(BCCI)」である。1972年にパキスタンで設立された巨大銀行だ。その勢力拡大の裏には、犯罪組織や独裁政権、テロリストなどとの不穏な結びつきがあった。BCCIが手を染めていた、マネーロンダリング、武器の密売、贈収賄、テロリストへの資金提供などの行為は、アメリカとイギリス当局によって明らかにされ、営業停止を受けた後、当銀行は1991年に経営破たんに陥った。CIAの活動の資金源になっていたと言われるBCCIは、サダム・フセインなど開発途上国の独裁者の私腹を肥やすために重宝されていたことも指摘されている。しかし、作品自体は難しくなく、ベルリン、ニューヨーク、ミラノ、イスタンブール、と次々と舞台が移り、緊迫した場面も多く、エンタメとしても優れている。特に優れているのが、NYグッゲンハイム美術館での銃撃戦、前衛美術館の中をむちゃくちゃに壊すような銃撃戦が10数分間続く。そして次に見事なのが、この銃撃戦のあとに行なわれるクライヴ・オーウェンと元東ドイツ秘密警察大佐の会話である。ここに、現代の闇と光が、そして課題が映されている。この映画の副題は疑問である。果たして「堕ちた巨像」を描こうとしたのであろうか。現実のBCCIは確かに堕ちた。しかし、オーウェンは司法の外でこのメガバンクと対決しようとする。まさに象に抵抗するアリの様なその無力さがこの映画の真骨頂なのである。最後の場面はだからあれでいいのである。エンタメ社会派映画の良作である。
2009年04月14日
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アイロニーに優しいチェコ映画監督・脚色 : イジー・メンツェル 原作 : ボフミル・フラバル 出演 : イヴァンン・バルネフ 、 オルドジフ・カイゼル 、 ユリア・イェンチ 少し粗筋(goo映画より)ヤンは、1963年ごろ、共産主義体制下のプラハで出獄し、ズデーテン地方の山中に向かい、廃屋でビールのジョッキを発見する…。ヤンの人生は給仕人の人生だった。田舎町のホテルのレストランでのビール注ぎの見習いから、高級娼館“チホタ荘”に、そしてプラハ最高の美しさを誇るホテル・パリで給仕の修行をする、古き良き時代。しかし1938年、ヒトラーのズデーテン侵攻でチェコスロヴァキアはドイツに占領され、その時、ヤンは自分よりも小さいズデーテンのドイツ人女性リーザに恋をしてしまう…。戦闘場面の一切無い、けれどもチェコがドイツに併合された歴史を背景に一人の給仕人の「塞翁が馬」の人生をコンパクトにまとめたコメディファンタジー。侵略された側なのに、声高にドイツを糾弾するのではなく、むしろ自国の金持ちたちを優しく皮肉を持って描いている。なかなか凄い作品なのだと、鑑賞直後は思ったのであるが、日にちが経つにつれて印象がほとんどなくなった。こういう作品好きなんだけどなあ。どの人物にもコメディだから仕方ないのだけど、表層的に描かれている気がしてのめりこめなかったせいだろう。チェコで生まれ育った人にとっては、どう映ったのだろうか。
2009年04月12日
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サスペンスタッチな歴史もの。【監督】ブライアン・シンガー【出演】トム・クルーズ/ケネス・ブラナー/ビル・ナイ/トム・ウィルキンソン/カリス・ファン・ハウテン/トーマス・クレッチマン/テレンス・スタンプ/エディ・イザード/他勉強になった。ヒトラーは最後こそはベルリンのあの地下基地で最後を迎えるわけであるが、戦局が緊迫するまではベルリン郊外のあんな森の中で指令を送っていたのだなあ、とか、ワルキューレ作戦に加担した幹部たちはあれほど多かったのか、とか、たんに10分間の暗殺作戦ではなくて、その後の政権掌握まで綿密に練られた作戦だったのだなあ、とか‥‥‥。しかし、どうも中途半端な作品。テンポを重視したためかサスペンス描写に時間をとっているために、人物の心理描写がほとんど無い。あるいは、トムクルーズを始め演じ切れていない。「何故失敗したのか」という歴史の教訓を引き出そうにも、ヒトラーが爆発を免れた決定的な場面が無いために、歴史の教訓もよく分らない。エンタメにも重厚な物語にもなりきれない、意気込みだけは伝わってくる作品である。
2009年04月12日
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天気がよかったので、廃線跡を歩いてみました。児島まで車で行って、そこから下津井まで延びている下津井電鉄の跡を総距離11キロと短いですが、てくてくと。明治時代は西日本を代表する港だった下津井と国鉄の茶屋町駅を結ぶ私鉄として賑わっていたようです。昭和30年のころには年間280万人もの乗客がいたそうです。90年に廃線。今は「風の道」として遊歩道として整備されています。 歩みを始めると、桜が満開。車が通る道でもないので、布団が干してあったり、生活道路としての雰囲気。でも道には等間隔に電線を支える鉄柱がそのまま残っています。街中の道にはいろんな草木が植えられていて、目を楽しませてくれます。ナガミヒナゲシはもう咲き出したんですね。最初の昔の駅に到着。備前赤碕駅。かすかにプラットフォームが残っており、ここから乗る人は茶町駅で乗り換えて岡山まで通勤していた人たちなんだろうな、と思います。歩いていると、「倉敷地区花いっぱい事業 阿津花の会」という看板がある。休日の午前、夫婦で花の苗を植えている人もいる。もう一人植えているおじさんに尋ねると、どうやらこの「風の道」はまだ下津井電鉄の土地で、倉敷市が借り受けているということ。「町内会で話し合って家の前に花を植えることになったんだよ」「市から助成金があるんですか」「いや、花の苗が直接くるんだ。そこにあるだろ」「それは大変だ」「最初のころは苗があんまり来なかったから、アジサイの木なんか植えたんだけど、いまはパンジーはまだ咲いているんだけど、新しい苗が来たから植え替えなくちゃいけない。忙しいもんだ」大変だけど、楽しそうです。廃線の跡は歩いてみると、いろいろな発見がある。第一に、周りは全部生活臭い家や道路ばっかりだ。細い道路がまっすぐに交差していなくて、たいていは斜めに交差している。古い家も多い。歩いていると、左に児島競艇が見えてくる。その隣には昔ながらの漁村がそのままある。ここの駅は琴海と書いて「きんかい」駅である。ここからしばらく山道。突然景色が開けて「鷲羽山」駅だ。下はすでに下津井の村。すぐ隣に瀬戸大橋が通っている。海を下に見ながらさらに歩いていくと、少し山道に入る。山あり海あり里あり、この私鉄はなかなか楽しい線路だったんだ。廃線跡はぶつ切りになるところが多い中で、このように丸まる遊歩道として残っている秘密がわかった気がした。また里に入る。菜の花が咲いて夫婦が散歩している。終着駅の下津井駅には昔の車両が遠くに展示されていた。いま展示場所少しづつ作っているところらしい。「釣りバカ日誌ハマちゃんスーさん瀬戸の約束」のロケ地というのがあった。スーさん(三国連太郎)を捜すはずが、美しい瀬戸内海を前に我慢できなくなり、防波堤で釣りを始めたハマちゃん(西田敏行)とスーさんが偶然出会うシーン、の場所である。今年の20作目で最後になるこのシリーズの最後から三作目で岡山がロケ地に選ばれて、まずは良かった、とつい郷土愛。昼をとっくに過ぎている。でも高そうな店ばっかり。ここからバスで児島まで帰るつもりが、どうもバスは二時間か一時間に一本らしい。我慢してバス停の近くで20分くらい待つこしとにした。おばあちゃんが、干し物を「みんな200円だよ」と売っていた。剣先するめを試食してみると、どうも適当にやわらかくてここの手つくりらしい。買ってちょっと世間話。売っている場所は二階建ての家の一回の広いスペース。駐車場にしては広すぎる。「この場所は昔は何だったんですか」「昔は倉庫だったんかねえ。古い家だからねえ」「倉庫?ここに船を入れていたんですか?」「いやいや、この周りの家は廻船問屋ばかりだったんだよ。この前の道まで海が来ていたから、船から荷を降ろしてここに運んでいたのさ。」「そりゃ、すごいですね。おばあさんはそのころいたんですか」「いや、私が来たころはもうなかった。この家は古いだけがとりえでさ、350年くらい前からあるらしいよ」「えっ、そんなに古いんですか!!」「奥のほうまで家が続いているだろ。誰かに貸したいんだけど、古くてさ、借り手がなくて困っている」漁村は京都みたいなつくりで、間取りは狭いけど、奥があまりにも遠い。それなりに大きな廻船問屋だったのだろう。少し見させてもらった。白壁つくりの土塀が昔の面影を残している。おばあさんは、日永一日ここで商売をしてこずかいを稼いで、世間話をして、そして元気気なのだろう。剣先するめはおいしかった。バスで児島に帰ると、12000歩を数えていた。
2009年04月12日
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監督 : キャサリン・ハードウィック 出演 : クリステン・スチュワート 、 ロバート・パティンソン 、 エリザベス・リーサー 、 ニッキー・リード 、 ピーター・ファシネリ 、 ジャクソン・ラスボーン 菜食主義(ベジタリアン)の吸血鬼(バンパイア)と内向的な女の子との青白い顔のカップルが誕生!萩尾望都の「ポーの一族」のエドガーやアランは人間の血を飲むことはほとんどない。この映画のエドワードのように動物の血さえ飲むことはなかった。基本的には薔薇の生気を吸い取るだけで彼らは生きていけたのである。キリスト教は全く畏れないから、作品世界では、独特の恋愛と哲学が語られたのである。この作品も、宗教と吸血鬼との対決は全く無い。昼間でも大丈夫だし、たまねぎでも大丈夫。ただし、太陽の光の下では少しだけ不都合。いわゆる親バンパイヤも問題ない。人間に恋した末っ子を邪魔するような家族でもない。それどころか、家に招待した彼女のために家族総出で料理を作る「いい人たち」なのである。要は彼は「人間ではない」ということだけが問題なのである。では退屈な映画だったかというとそうではない。女の子は恋に落ちたならば猪突猛進すべてをゆだねようとするし、男の子は「食べてしまいたい」自分の欲望を必死に抑えようとする。このように一つの異作用を加えるだけで、10代の初恋を見事に描く。ヒーローヒロインのアップを多用し、正統学園恋愛ものになっていて、しかも幾つかの謎もそのまま残している。いわゆる恋愛初期の描写を「バンパイヤとの恋」という仕掛けで客観的に見ることが出来るのである。女性たちはエドワードの顔が好みで無いということで相当違和感があったようだが、男の私にとっては女の子が可愛ければOKだし、エドワードの「目力」はけっこう魅力的だったりはする。少女趣味的な作りだというのは承知の介で、私はけっこう嵌ってしまったかもしれない。次回作が楽しみである。
2009年04月11日
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勘違いしながら見た私がよくなかったんです。退屈でした。監督 : ザック・スナイダー 原作 : アラン・ムーア 、 デイヴ・ギボンズ 出演 : ジャッキー・アール・へイリー 、 パトリック・ウィルソン 、 ビリー・クラダップ 、 マリン・アッカーマン 、 マシュー・グード いつイケメン君はバットマンになって、いつマンハッタンはハルクになるのか、という全く「勘違い」の見方をしながら終盤まで行ったし、最後までこのパラレルワールド(アメリカはベトナム戦争に勝利し、ニクソンがそのまま大統領に)がどのように現実のワールドに繋がるのか期待していた。伏線をチェックしながら見ていたのである。ところが、全くそういうことも無く終わってしまって、長々と相変わらず、アメリカのヒーロー期待失望症候群につき合わされただけであった。それを「ダークナイト」のように上手く描いてくれればいいのだが、私には自己満足な映画にしか思えなかった。
2009年04月11日
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英エンパイア誌が「落ち込む映画」ランキングを発表したという報道があった。見てみると以下の通り。1.「レクイエム・フォー・ドリーム」(00)2.「ひとりぼっちの青春」(69)3.「リービング・ラスベガス」(95)4.「道」(54)5.「21グラム」(03)6.「火垂るの墓」(88)7.「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(00)8.「冬の光」(62)9.「リリア 4-ever」(02)10.「ミリオンダラー・ベイビー」(04)実はこのうちの半分しか見ていない。しかし、確かに落ち込む。請合います。ただし、私の中では順番が違う。私が見た映画だけで順番を作ると、1.「ミリオンダラー・ベイビー」(04)2.「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(00)3.「火垂るの墓」(88)4.「道」(54)5.「リービング・ラスベガス」(95)となる。「ミリオンダラーベイビー」はやりきれなかった。しかも、見たあと数日して、映画仲間でこの作品のことを話し合っていると、クリント・イーストウッドは注射を二本もっていたというのである。ということは、あのあと彼も死んだということなのである。それを訊いてさらに落ち込んだということはいうまでも無い。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は彼女の伸びのある歌声が耳に付いて離れなくて、だからこそ最後の場面は歌声とともに何度も何度も甦る。いたたまれません。「火垂るの墓」がイギリスで選ばれたことに驚きと喜びと、そしてあの結末がなんともやりきれない思い出として甦ってきて、いやになる。「道」は彼女の最後の場面が出ていないからこそ、余計にいたたまれなくなり、「リービング・ラスベガス」はN.ケイジの酒びたりの顔がまた甦ってくる。結局、どの作品も希望のあとにどよーんと悲劇が待っているという点で同じ展開であったということ、落ち込むのだけど、みんな映画史に残る傑作であるということが共通点である。今度ミッキー・ロークがアカデミー賞にノミネートされた「レスラー」も落ち込む映画らしい。一人で見ると後悔するらしいが、やっぱり一人で見るのだろうな‥‥‥。
2009年04月09日
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警察庁の交通事故発生状況(PDFファイル)によると、2008年の交通事故死者数は5,155人(前年比-589人、-10.3%)。54年ぶりに5千人台となった前年からさらに下回った。というニュースをたまたま見て数日前に書いた「自殺者11年3万人超え」という現実がいかに異常ことなのかを実感した。私が子供の頃は、「交通戦争」という言葉があった。しかし交通死亡事故者はピークのときでさえ1万7千人いなかったのである。私の子供の頃だけど、「戦争」という言葉を使って、交通事故をなくすために本当に色々とやったと思う。その数倍の「犠牲者」を出している自殺防止のために、今いったいどれほどのことが出来ているのだろうか。「自殺戦争」という言葉はどうもごろがよくなくて使えないとは思う。けれども、この10年間、日本は戦争状態にあったと思う。なんかテポドンごときにぞろぞろPAC3なる高価な買い物(いったいいくらかかるのかよく分らないのだが、とりあえずこの迎撃ミサイル一発の値段は5億らしい)がたくさん出てきたが、そんな役に立たない代物よりは、目の前の「戦争」終結のために「今そこにある危機」に対処するために、少なくとも防衛費の半分はこの「戦争」のために回すべきだろう。毎年の2200億円の福祉予算の削減なんて言語道断。セーフティネットの構築はいうまでも無い。今からマニフェストをきちんと作って欲しい。それがそのまま素晴らしい選挙対策になるはずだ。
2009年04月07日
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厚労省があらたに派遣会社向けにリーフを作った。派遣会社の事業所の皆様へ~派遣契約の中途解除に伴い派遣労働者を安易に解雇しないでください~派遣先の事業所の皆様へ~派遣契約の安易な中途解除をしないでください~派遣会社も派遣先もこの「お上の文章」をよく熟読して欲しい。特にお手洗いじやなかった御手洗!お前にはよく読んでもらいたい。それから派遣会社のみなさん、よく契約途中の解雇など、言語道断です。○派遣契約と労働契約は別であり、派遣契約が解除されたからといって、即座に派遣労働者を解雇できるものではありません。○派遣会社は、1.派遣先と連携して派遣先の関連会社での就業のあっせんを受ける2.派遣会社において他の派遣先を確保するなど、派遣労働者の新たな就業機会を確保するようにしてください。○新たな就業機会を確保できないときは、まず休業等を行い、雇用の維持を図るようにしてください。労働契約派遣会社派遣先派遣労働者労働者派遣契約派遣先による派遣契約の中途解除の場合には、派遣先が、派遣先の関連会社での就業のあっせん等により派遣労働者の新たな就業の機会を確保することなどが指針に規定されています。労働者派遣契約と労働契約は別。○派遣契約が中途解除されても、派遣労働者と派遣会社とは雇用期間満了まで労働契約は継続しており、派遣会社は賃金を支払う必要があります。○派遣労働者を休業させる場合は、休業期間中について、労働基準法に基づき、平均賃金の6割以上を休業手当として支払わなければなりません。厚生労働省・都道府県労働局○派遣先が派遣契約の中途解除を行う場合について、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」に、派遣先が行うべき措置が次のとおり規定されています。※なお、派遣契約の締結時に、派遣契約にこれらの事項を定める必要がありますが、契約に定めがない場合であっても、派遣先は措置を行う必要があります。派遣法は首を切るための法律だといわれていますが、それでもこれだけの規制があるんですよ。派遣会社は見もちろんこれらの法律はよく知っていて、契約途中の首切りなど、それをわざと違反しているわけです。許せません。派遣会社の人たち、お上はこんなことも言っているのだぞ。○社宅や寮に入居している派遣労働者は、離職に伴い、住居を喪失するおそれがあります。離職後も引き続き一定期間の入居について、できる限り配慮してください。住居を無償で提供する事業主に対して助成(離職者住居支援給付金)します。
2009年04月07日
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99年末からおもに2000年にかけて書き綴られた短編集である。「みぞれ」(重松清著 角川文庫)気になった短篇のみ感想を書く。「拝啓ノストラダムス様」中学三年の彼はノストラダムスの予言を信じていたので、受験勉強も何もしなかった。「おい、こら、ノストラダムス。オレ、あんたのこと、マジ許さねえ。オレの人生を、青春を返せっつーの」1999年7月が過ぎて以降ボーゼンとして一年を過ごした落ちこぼれの彼は、隣の幼馴染で進学校に入学したカスミの自殺未遂を知る。入院中のカスミから打ち明けられる。「ゲームなのよ」薬のビンの中には半分はビタミン剤。半分は三つ飲んだならば致死量の睡眠剤。そして一個だけ一個でお陀仏の青酸カリのカプセルも入っている。薬ビンのありかは彼だけに知らされる。「欲しければあげるよ」とカスミは言う。あとで「退院したらやっぱり返して」と意見が変わる。彼は訊く。「もう自殺なんてしない、よな?」カスミは答えない。彼は世間から見れば落ちこぼれである。カスミは世間から見れば優等生である。けれども二人だけのとき、その関係は逆転する。 バカな男の子が賢い女の子を救う話。 カスミの心の闇はついには判らない。でも、闇の原因を明らかにすることだけが救う道ではないのである。 青少年の自殺防止に何が必要なのか、一つの答がここにあるだろう。「電光セッカチ」のんびり屋の妻に、超セッカチな夫。「割れ鍋に綴じ蓋 」などとは新婚時ならばいえること。結婚七年目にして今は「性格の不一致」という言葉で離婚を考える日々である。息子が幼稚園に通いだして、夫の教育に息子の右まぶたが引きつりだして、ついに私はプチ家出を決行する--。性格の不一致、それでもやっていける夫婦とやっていけない夫婦との岐路はいったい何処にあるのだろう。「息」するようにお話を書きたい。そういって、重松清は次から次へと家族の物語をつづる。文庫になった本はすべて読んでいこうと決意している作家なのであるが、とても読むペースが付いていけない。
2009年04月05日
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初めて炊き出しの手伝いをしました。と言っても、一時間ほどお茶係りをしただけですが。今日は、先週と違って小雨が降っていたのでホーレスの方は少ないようでした。先週は30人ほど来たそうですが、今日は13人でした。ある方はビニール袋に入れた空のペットボトルにお茶を入れてくれ、といいます。「これで4-5日はお茶をもたせることが出来る」「えっ、そんなに?大丈夫ですか?」「大丈夫だよ」県労おかやまが昨日シェルターを確保した。初日から三部屋のうち二部屋が埋まってしまったという。同時に生活相談、医療相談の看板は持っている。けれども彼らは黙々と二杯三杯とお替りをして去っていくだけ。一人、住民票を移す話や生活保護の話をして帰った。月曜日電話をかけてくるという。上手く行くといいのだが。
2009年04月04日
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08年自殺3万2249人 11年連続で3万人超す(3日朝日朝刊) 警察庁は2日、08年1年間に全国で自殺した人は3万2249人だったと発表した。過去2番目に自殺者が多かった07年(3万3093人)より844人減ったものの、11年連続で3万人を超えている。 08年分は、男性が2万2831人(07年比647人減)、女性が9418人(197人減)。都道府県別では、(1)東京2941人(2)大阪2128人(3)神奈川1818人(4)北海道1726人(5)埼玉1653人(6)愛知1555人(7)千葉1342人(8)福岡1311人(9)兵庫1298人の9都道府県で千人を上回った。 警察庁は78年から自殺者数の統計をとっている。98年に初めて3万人を超え、03年にピークの3万4427人となった。今年に入ってからは2月末で5125人と昨年の同時期と比べ175人増えており、昨年秋以降の景気悪化の影響が出始めている可能性がある。 例年は6月に前年の自殺者数を公表してきたが、自殺の実態把握について社会的関心が高まっているとして集計後速やかに総数を公表することにした。動機別など詳細な分析が出るのは5月ごろになる見通し。 この表は初めて見た。本当に98年から急激に増えている。「時代の閉塞感」そういうものを確かに感じる。長い不況の中で、リストラ、医療費三割負担、消費税増税、有事法制成立、教育基本法改正、長時間残業、葬式ごっこ、希望の持てない将来、負け組み勝ち組、派遣法改正、ロストジェネレーション、「おにぎり」餓死、そして100年に一度の大不況。「今年に入ってからは2月末で5125人と昨年の同時期と比べ175人増えており、」09年が史上最高の年にならない補償は何処にも無い。何が足りないのか。ひとつは「希望」だ。自分を省みて80年代も確かに大変だった。私はそこまでしなかったけど、100時間以上の残業なんて周りにはざらにあった。けれどもみんな明るかったと思う。なんだか知らないけど、将来に希望があったから。いまはそんな残業なんてサービス残業含めておそらく誰もしていない。けれども、暗い、暗すぎる。「将来展望なんて何処にあるんだ」そんな言葉が聞こえてくる。この記事はもっと掘り下げてもらいたいと思う。確かに分析はこれからだろう。でもこの記事だけでも判ることはある。はずだ。少なくとも、この11年間で、どれだけの「累計自殺者」があったか教えて欲しい。平均が3万2.5千人として35万人強。倉敷のような少し大きめの地方都市が一つ丸々消滅する人数である。そのような数を見せ付けることで、この11年間がどういう時代だったのか、(そして何が原因で誰が悪いのか)みんなに突きつけることが出来るはずだ。(そして何が原因で誰が悪いのか)もっと言いたいけど、今はぐっと堪えよう。何が足りないのか。もう一つ言えば、「笑い」だ。The manzai(5)今日(本当に)たまたま読んだ「The MANZAI」5巻(あさのあつこ著ピュアフル文庫)に、こんな一節があった。 笑っても何もかわらない。孤独も貧困も戦争も困難も、現実の中に生々しくある。笑いでそれを消し去ることはできない。でも、腹のそこから笑うことができたのなら、人は現実から逃げないでいられるのかもしれない。戦うことが出来るのかもしれない。 負けないでいたい。 ふいに、ぼくはそう思った。込上げるように強く思った。 ぼくたちは負けてはいけないのだ。 負けてはいけない。絶望してはいけない。死んではいけない。
2009年04月03日
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映画が終わると、隣の若いカップルが「面白かったね」と言って立ち上がった。周りを見回すと、中学生、高校生たちが異常に多い。「あんなに笑いの部分が入るとは思わなかった」「ものすごく笑った。久し振りに泣いた」「喧嘩のところなんかCGを使わずに本気で殴っているわね」という会話は女の子たちの会話である。女の子がOKの喧嘩映画というのは珍しいかもしれない。監督・脚本・原作 : 品川ヒロシ 出演 : 成宮寛貴 、 水嶋ヒロ 、 本仮屋ユイカ 、 上地雄輔 、 中越典子 、 波岡一喜 、 若月徹 、 綾部祐二まだ携帯がない時代だから、80年代か90年初めのころだと思う。不良になりたくて市立の中学から公立の中学に転校したヒロシはその中学で唯一の不良四人組とツルムことになる。姉貴の恋人でとび職の秀さんはヒロシのよき理解者だ。「いまみんなが一生懸命勉強しているときにせっかく不良になったんだから、あとで絶対後悔しないように、一生懸命遊ぶんだぞ」おそらく中学の番長とかは存在しない時代なのである。硬派の不良は本物のヤクザになるか、族になって鑑別所に行くか、世間的には非常に狭い仲間としか付き合えない時代なのだろう。学校通しの喧嘩はするけれども、毎日のように喧嘩をしていると、やがては仲間になってしまう。ヒロシは割りと頭がいいから、その理由付けはする。「そろそろ仲間になろうや。赤木と黒木は薩摩でタツヤは長州みたいなものだよ。で、俺は阪本龍馬‥‥‥」みんなは何のことか分らない。「いや、赤木たちはピッコロ代魔王なんだけど、タツヤたちは孫悟空、べジータがやってきて、みんなが団結するようなものだ」というと、みんなが「おおっー!」と納得するのである。(この話題でみんなが納得するんだからこの話はやはり80年代初めなんだろうな)画面はとても痛い場面が続くのに、女の子たちは感動するというのは、イケメン俳優たちが出ているというだけでなくて、やっぱり「不良」という名の「成績悪いけれども一途で誠実な少年たち」の物語が新鮮だったのだろう。青春アイドル?映画としてはいい映画だったと思う。
2009年04月02日
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