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2024.11.21
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​​ 谷川俊太郎「はだか 谷川俊太郎詩集」(佐野洋子絵 筑摩書房)
「さようなら」谷川俊太郎

ぼくもういかなきゃなんない
すぐいかなきゃなんない
どこへいくのかわからないけど
さくらなみきのしたをとおって
おおどおりをしんごうでわたって
いつもながめているやまをめじるしに
ひとりでいかなきゃなんない
どうしてなのかしらないけど
おかあさんごめんなさい
おとうさんにやさしくしてあげて
ぼくすききらいいわずになんでもたべる
ほんもいまよりたくさんよむとおもう
よるになったらほしをみる
ひるはいろんなひととはなしをする
そしてきっといちばんすきなものをみつける
みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる
だからとおくにいてもさびしくないよ
ぼくもういかなきゃなんない
​  ​​​​​​​​ 詩人 谷川俊太郎 が亡くなったそうです。 2024年 11月13日 のことだそうです。
11月19日 月曜日の朝 起きると チッチキ夫人 が寝ぼけまなこのボクにいいました。
​​ 「谷川俊太郎がなくなったって。」 ​​
​​​​​​​​ ​​​​​​​で、その日の フェイスブック で、 友達 詩人の死 を悼んでいました。
​谷川俊太郎さん「さようなら」ですね。 ​​
 ​ ​​​​ 谷川俊太郎 が、もう、30年以上も昔にだした 「はだか」(筑摩書房) という詩集を ​チッチキ夫人​ が大切にしていたことを思い出しました。​​​
 上の写真が、箱装の外箱です。で、これが中の姿です。醜いかもしれませんが、何かの包み紙でカバーしてあって、真ん中に はだか 谷川俊太郎 という文字が赤エンピツで書かれています。  ホコリを払って ​「はい、これ。」​ といって渡すと
「ぼくもういかなきゃなんない、でしょ。」
「うん、挿絵は佐野洋子さん。彼って、いったさきで大変ちゃうの?」
「そうねえ、少なくとも三人は確実に待ってるからねえ(笑)」
で、これが皮をむいた姿。​
美しい詩集 ですね。 1988年 の出版です。 挿絵 佐野洋子さん 装幀 平野甲賀さん 、最初の詩が 「さようなら」 です。懐かしいですね。
​ で、これが、この詩集のオシマイの詩 「とおく」 のページの写真です。​


​  佐野洋子さん 挿絵 ですね。読めますか?読みにくいので、詩は書き写しておきますね。​
とおく

わたしはよっちゃんよりもとおくへきたとおもう
ただしくんよりもとおくへきたとおもう
ごろーよりもおかあさんよりもとおくへきたとおもう
もしかするとおとうさんよりもひいおじいちゃんよりも
ごろーはいつかすいようびにいえをでていって
にちようびのよるおそくかえってきた
やせてどろだらけで
いつまでもぴちゃぴちゃみずをのんでいた
ごろーがどこへいっていたのかだれにもわからない
このままずうっとあるいていくとどこにでるのだろう
しらないうちにわたしはおばあさんになるのかしら
きょうのこともわすれてしまっておちゃをのんでいるのかしら
ここよりももっととおいところで
そのときひとりでいいからすきなひとがいるといいな
そのひとはもうしんでてもいいから
どうしてもわすれられないおもいでがあるといいな
どこからかうみのにおいがしてくる
でもわたしはきっとうみよりももっととおくへいける
​  「うみよりももっととおく」 へ行ってしまった 谷川俊太郎の声 が、やっぱり聴こえてくるようですね。
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最終更新日  2024.11.21 09:09:35
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