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2024.11.22
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​笠井千晶「拳と祈り 袴田巖の生涯」元町映画館​
 東京のほうで先にご覧になった方から勧められて見ました。実は、この映画が撮っている 袴田事件 について、冤罪事件であるらしいという、その経緯というか大筋というかについて、かなり昔に関心を持ったことがありましたが、忘れていました。
 今回、見たのは 笠井千晶 という監督が、 2024年9月26日 再審無罪 という判決を機に公開した 「拳と祈り 袴田巖の生涯」 というドキュメンタリー映画でした。
​​​​​ 映画は 2014年 東京拘置所 から釈放された 袴田巌さん が乗る自動車のシーンから始まりました。そこから、 彼自身 と彼の無実を信じ続けてきた お姉さん 袴田秀子さん の生活が映し続けられていますが、ボクの脳裏に刻まれたのは
​彼の歩く姿! ​​
でした。​​​​
​​​​​​ はじめは、故郷、 浜松 に帰ってきて暮らし始めた 秀子さん のマンションの部屋の中でした。部屋から外に出ることが出来ない袴田巌さんは、部屋から部屋へ、行ってはかえり、また、行ってはかえり、歩き続けます。
 やがて、なんとか外に出られるようになると、帽子をかぶり少し猫背で、がに股、半歩づつ前に進むかのようによちよち歩き続けます。その、 袴田巌さん の後をカメラがついて歩き、彼の後姿を撮りつづけます。
 ボクは、その後姿に見入りながら
ことばを失いました。

​  目の前のスクリーンを
歩いているその男は80歳を越えていて、まだ、死刑囚なのでした。​
​​​​​​​​​​ で、 死刑囚の姉 という境遇を 58年間 生き抜き、弟の無実を信じ続け、ついには弟の冤罪を晴らした 袴田秀子 という女性の笑顔に圧倒されました。最後に
​「もう、死刑囚じゃないよ。」​ ​​
 ​ と弟さんに笑いながら語りかけられた時、彼女は 90歳 でした。​​​​​
 言葉を失うとはこういうことですね。正直、全編を見終えた今も言葉を失ってしまっている映画でした。
​ ボーっとして見るしかない映画の迫力ということに思いを致すならば、このお二人の生活をカメラとマイクをを持って ​20年以上もの年月​ 、徹底的に追い続けた 笠井千晶 という監督にも唸るような気持ちがこみ上げてきます。​
 繰り返しになりますが、見ているあいだも、見終えた後も、なんと言っていいかわからない、なにを言えばいいのかわからない、ただ、浮かんでくるのは彼の後ろ姿なのですが、その後姿をボンヤリと思い浮かべながら、​
​​人間という生き物がこの世に生まれて生きるということがどういうことなのか?​​
​​​ ボクも、もちろん、その一人であるところの人間というものについて、漠然とした思いが浮かんでくるのでした。​​
​​​​​​ 帰ってきて、 2024年10月8日 検察庁 控訴断念 の記事をネット上で探しました。そこで 検事総長 が語っていることを読んで、 唖然 としました。ボクが読んだ NHKの記事 の一部を写してみます。​​​​​​
 本判決では、いわゆる「5点の衣類」として発見された白半袖シャツに付着していた血痕のDNA型が袴田さんのものと一致するか、袴田さんは事件当時鉄紺色のズボンを着用することができたかといった多くの争点について、弁護人の主張が排斥されています。
 しかしながら、1年以上みそ漬けにされた着衣の血痕の赤みは消失するか、との争点について、多くの科学者による「『赤み』が必ず消失することは科学的に説明できない」という見解やその根拠に十分な検討を加えないまま、醸造について専門性のない科学者の一見解に依拠し、「5点の衣類を1号タンク内で1年以上みそ漬けした場合には、その血痕は赤みを失って黒褐色化するものと認められる」と断定したことについては大きな疑念を抱かざるを得ません。
 加えて、本判決は、消失するはずの赤みが残っていたということは、「5点の衣類」が捜査機関のねつ造であると断定した上、検察官もそれを承知で関与していたことを示唆していますが、何ら具体的な証拠や根拠が示されていません。
 それどころか、理由中で判示された事実には、客観的に明らかな時系列や証拠関係とは明白に矛盾する内容も含まれている上、推論の過程には、論理則・経験則に反する部分が多々あり、本判決が「5点の衣類」を捜査機関のねつ造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ません。
 このように、本判決は、その理由中に多くの問題を含む到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容であると思われます。
 しかしながら、再審請求審における司法判断が区々になったことなどにより、袴田さんが、結果として相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも思いを致し、熟慮を重ねた結果、本判決につき検察が控訴し、その状況が継続することは相当ではないとの判断に至りました。
​​​ 語っている人は自分を何様だとお考えなのでしょうかね。
 検察 がしなければならないことは、まず、 裁判 においては一人の人間を死刑にするに十分な説得力を持ちうる 証拠物件 を示すことであり、その証拠物件の正当性を証明することですね。で、もしも、その証拠について捜査過程での捏造が裁判所に疑われたのであれば、その疑いを晴らすことだとボクは思いますが、エライ人たちというのは自分は振り返らなくてもいいようにできているのですね。​​​

​​​  「無実」の人間 68年間 「死刑囚」 として、まあ、法的地位だか何だか知りませんが、取り扱ってきたことについてどう考えていらっしゃるのですかね。​​​
​​​ 映画の中で、 袴田巌さん 「検察庁」という看板 を見て
「ここには用がないから帰る。」​
​​​ ​  といって、踵を返されたシーンがありましたが、そこには誰も笑うことのできない 袴田巌 という一人の人間の人生の姿を、ボクは感じたのですが、彼を 死刑囚として 「取り扱った」 人たちは、そのあたりについてどんなふうにお考えなのでしょうね。
 描写されている世界に圧倒されて、どうしていいのかわからないのですが、​​​やっぱり 拍手! ですね。すごい作品でした。​​​


監督・撮影・編集 笠井千晶
整音 浅井豊
音楽 スティーブン・ポッティンジャー
ナレーター 中本修 棚橋真典
タイトル題字 金澤翔子
キャスト
袴田巖
袴田秀子
2024年・159分・G・日本
2024・11・18・no149・元町映画館no267




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最終更新日  2024.11.22 11:55:16
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