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2005年01月03日
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カテゴリ: 小説
凛太郎が魔物と化した生徒たちに、まさに襲いかかられようとした刹那。

 と思いきや、それは人影で、その人影は凛太郎を横抱きにして、魔手から救ったのだった。
「隙が多いな、凛太郎」
 その人物は、凛太郎にからかうような声をかけた。細いが、しっかりと筋肉のついた腕につつみこまれながら、凛太郎は目を見開いた。
「先生? 弓削先生っ?」
 弓削秀信は、驚く凛太郎に微笑みかけた。 眼鏡の奥の鋭い双眸が、めずらしく細められている。
「先生……どうしてこんなところに?」
「説明は後だ。今はあやつらを何とかせねばな」

 明が不機嫌な声を上げて、凛太郎を手招きした。
「うん、そうだね……」
 生返事をしつつ、凛太郎は秀信に目を向けたままだった。
 秀信が現れてから、里江とその配下たちは静止してじっと秀信の様子をうかがっている。
 先ほど現れた凛然とした青年も、あまたの信頼をたたえて、秀信を見つめている。(先生って、なんだかよくわからないけどすごい人なんだ)
 凛太郎はぼんやりと思った。凛太郎と同じ世界に秀信は生きているらしい。鬼や妖魔といったたぐいのものと関わりのある世界に、だ。
 だが秀信は、明のみを頼りとしている凛太郎と違って、自分の足でその世界に立ち、なおかつ鬼たちと渡り合っているらしい。 教師として秀信を尊敬していた凛太郎はさらに秀信を敬愛するようになりつつあった。
 凛太郎は、秀信に注目したまま、明の元に戻った。
 明が忌々しげに舌打ちしたのにも、凛太郎は気づかなかった。
「先生……」
 秀信に見据えられた里江が、急にしおらしく泣き出した。

 やや驚いたように、秀信は眼鏡の奥の目をすがめた。
「私、私……明くんのことが好きで、いつも清宮くんと一緒にいる明くんがうらやましかったんです。おまけに清宮くんは勉強もよくできる優等生で、不良でできそこないの私とは全然違うし……」
「杉原さん、そんなこと考えてたの?」
 思わず、凛太郎は驚きの声を上げた。隣にいるほのかもびっくりしているようだった。明だけは少し照れくさそうに肩をすくめている。
 凛太郎からすれば、里江はいつも自信に満ちあふれていて、自分を小馬鹿にしているように見えた。

 その里江が、自分をねたんでいたとは。
 凛太郎にとっては、青天の霹靂だった。 しくしくと泣きながら、里江は言葉を続ける。
「清宮くんのことを考えるたびに、私はイライラして、どす黒い気持ちになっていったんです。そうしたら、どこかから”鈴薙”って名乗る男の人の声が聞こえてきて、いつのまにか私の胸にこんなものが……」
 胸元の青い勾玉に、里江はおずおずと手を置いた。患者が患部をかばっているような痛々しさがあるしぐさだった。
「大丈夫だ、杉原。私が祓ってやる」
 秀信は、深くうなずいた。
 途端に、里江が不敵な笑みを浮かべた。
「かかったわね、先生!」


                    つづく





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最終更新日  2005年01月03日 22時35分06秒
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