森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.09.12
XML
森田理論の学習会で、卒業ならぬ「卒婚」ということを聞いた。
夫婦が犬猿の仲になって、一切口を聞かない、別行動をしていることらしい。
配偶者がいることがうっとうしくてたまらない。
もちろん寝室も別。食事も別。洗濯も別。テレビもいっしょには見ない。外出も別。
相手が何を考え、どんな人と付き合っているのか、どこに行っているのか全く無干渉である。

尚、食事、洗濯、掃除など配偶者の世話になっている場合は、卒婚とは言わない。
それは依存というのだそうだ。それでも一緒にいる意味があるという。
まず年金が二人分ある。共益費などを除いたものを折半する。
それから住む場所が確保できている。新たに家を借りると莫大お金がかかる。

ときどき顔を合わせるが、基本的には生活は別々である。
こういう人が知り合いの中にもおられるという。
そういう目で他人を見ているので、見つかるのだろう。
私は卒婚は知らないが、実際に離婚した夫婦は周囲に数えきれないくらいいる。

こういう夫婦でも結婚するときは、この人から助け合いながら、子供を育て、生涯寄り添いながら生活できるはずだと思ったに違いない。おしどり夫婦を目指していたのである。
どこでボタンの掛け違いが起きたのか。
いつから歯車に潤滑油がいきわたらなくなったのだろうか。

その手がかりとなるある一組の夫婦がいる。
その夫婦は高齢のため朝から晩まで一日中一緒の行動をとっている。
その夫婦と一緒にいると、四六時中口喧嘩をしていることに気づく。
たとえば、主人が車を運転していると、奥さんが注意や指示を出す。

すると主人は、「そんなことは分かっている。黙っていてくれ。イライラする」とちょっとした口喧嘩が始まる。またこの夫婦は一緒に楽器をされているが、間違うとすぐに奥さんが指摘する。
すると主人が向きになって反論する。なにかあると奥さんがすぐにチャチャを入れるのである。
普通なら一緒にいることが嫌になると思う。
横で見ていると、すぐに大きな喧嘩に発展しそうに思えるが、不思議なことに、瞬間湯沸かし器のようにパッと燃え上がって、しばらく経つとすぐに収まっている。
私たちのようにいつまでも根に持たないのだ。これが不思議だ。


この奥さんは行動的でたくさんの習い事をし、女性同士の旅行にもよく出かけられる。
ご主人はそれに対して、若い頃大変苦労かけた。
今は好きなことをさせても罰は当たらないだろうと、きわめて寛容である。
思うに、無意識の部分では相手に感謝し、相手を思いやる気持ちでいっぱいなのだろうと思う。
相手の存在、やることなすことを尊重しているようだ。
そして何かあると援助し助けようと思っている。
それは海の表面ではいつも波が立っているが、海の中は波もなく穏やかなようなものだ。

その夫は相手が自分の前で思わずオナラをした時に、笑って許せるようにならないと、夫婦は長続きしないだろうといわれる。その人も人前でよくオナラをされる。
ひょっとしたらそれで相手の人間性を一瞬で見極めておられるのかもしれないと思うようになった。
相手が大笑いで反応してくれれば、この人とは付き合っても大丈夫だと判断されているのではないか。
人間性を見分けるすごい技術を身に着けておられるのに感服した。
これは簡単なことだが、私は人前でオナラをすることは今だできない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019.09.12 06:30:09
コメント(0) | コメントを書く
[人間関係、不即不離] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

巨人軍4年ぶりの優… 楽天星no1さん

彼岸のお墓参りで体… メルトスライム25さん

石上神宮 禁足地へ へこきもとさん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: