森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.03.05
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私たちが不安に振り回されている状態は強迫神経症と言われています。
みなさんは、強迫観念とは何かと尋ねられた時、どのように答えておられますか。

森田先生は次のように説明されています。
強迫観念の定義は、自分の欲望、目的に対して当然起こる取越苦労を、取越苦労しないように、思わないようにとかいうふうに、自分の心を押さえつけようとするために、当然心に起きる葛藤の苦悩について名づけたものであります。すなわち自分の心配ごとに対して、これを心配しないようにとすることが強迫観念です。

すなわちあなたはどんな細かな複雑な取越苦労でもそのまま先へ先へと心配していくならば、どんなことがあってもけっして身体に、さわることはありませんが、この苦しみから逃れる工夫をすればするほど、幾年でも果てしなく強迫観念に苦しまなくてはなりません。
(現代に生きる森田正馬のことば1 生活の発見会編 白揚社 78~79ページ)

ここで取越苦労と言われているのは、不安、恐怖、違和感、不快感のことです。
ここでいう不安は、神経症的な不安のことです。

不安というのは現実的な不安もあります。

混同しないことが大切です。
それらに対しては、迅速かつ積極的な対応が欠かせません。
たとえば地震の時の津波です。
警報が発令されたら、すぐに高台に避難しなければ命が危なくなります。
これが意外と難しいのです。軽視することがあるのです。
神経症の人は、現実的な不安を放置して、神経症的な不安を問題視している。
何ともちぐはぐなことをしている場合があるのです。

ここでは神経症的な不安について考えてみましょう。
これらに対して、取り除こうとするか逃げるかのどちらかだと思います。
闘うか逃避です。どちらも対応方法が間違っています。
なぜなら、そんなことをすると不安、恐怖、違和感、不快感はどんどん増悪して、追いかけてきます。イメージとしては、アフリカのサバンナでライオンやチーターに追い掛け回される小動物です。逃げれば逃げるほど、ライオンやチーターは勢いづいて追いかけてきます。
そして最後には力尽きて捕らえられてしまいます。


不安の相手をしなければ、最初の勢力はどんどん失われて小さくなっていくのです。不安の方は、相手が敵対してこないので、やる気をなくしていくのです。
ナメクジに塩をかけたときのように小さくしぼんでいきます。

もし余力があれば、不安のしたいようにさせてみるのはどうでしょうか。
たとえば、不眠症で悩んでいる人は、寝ることを断念して、その時間を利用して読書などをするようにするのです。
これは仕方なく不安を受けいれているのです。


神経症的な不安は解決のめどが立たないようなものに、あえて挑戦して不安を無くそうとしているのです。
一人で相撲をとって、勝った、負けたと一喜一憂しているようなものです。
周りから見ると実に滑稽なことに取り組んでいるということになります。
強迫観念の苦しみは、最初は小さな不安の対処を誤り、ことさら増悪させて、独りで派手な相撲を取って、最後に自滅して嘆き悲しんでいるようなものです。
森田理論学習によって正しい対処の方法を学び、実践することが大切です。





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Last updated  2022.03.05 07:19:54
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
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