森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.01.19
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五木寛之氏の「無用の用」というお話です。

最近、この世には無用なものなど何もないのではないか、と思うようになりました。生きているだけですでに意味がある。
そう考えながら世界を眺めると、意味のないものなど一つもないと感じるのです。

すべてが合理的で効率的な動きをする人ではなく、変なやつ、なぜいるのかよくわからないやつ、そうした連中も仲間に加わっている方がより人間的な集団になります。

思いもよらぬ状況が発生した時、「変なやつ」が最も冷静にダイナミックに対処できるかもしれない。それどころか思わぬミスをしたことによって、思いもかけない成功につながることもあるのではないでしょうか。

無用な人などいない。また、無用な出来事など何一つないのです。
人生の中にはそうした分からない部分があった方がいいのです。
(ただ生きていく、それだけで素晴らしい 五木寛之 PHP)

五木寛之氏は、この世に存在しているものや人は、生きているだけで価値を持っていると言われています。千に一つの無駄もないということです。
どうすれば、「無用の用」という考え方に変わるのでしょうか。


「無用なものを排除する」とは、壊れたもの、機能を果たさなくなったもの、耐用年数を超えたもの、歳をとった人、病気になった人、能力的に見劣りがするものなどを、ジャンク品、廃用品、役立たず、用済みなどと判断して排除しようとする態度のことだと思います。

この考え方は、森田でいうと「かくあるべし」という観念優先の態度を前面に押し出している態度だと思います。
効率重視、成果第一主義、理想主義、完全主義、完璧主義の考え方をしている。
対象物を自分の意のままにコントロールしようとしている。
理想の立場に身を置いて、上から下目線でものや自分や他人を見下ろしている。

すると対象物の問題点や欠点ばかりが目に付くようになります。
それらを目の敵にして、非難、否定して対立するようになります。
つねに緊張状態を強いられて気が休まる時がありません。
神経質性格の人は神経症を引き起こすようになります。

五木寛之氏の「無用の用」という考え方の人は、事実を否定しないできちんと向き合い、受け入れることができる人だと思います。

事実を受け入れて、きちんと向き合うことができるようになると、争うことがなくなるので、エネルギーの温存が図れます。

森田でいう「生の欲望」の発揮に向かうことができるようになります。
事実にきちんと向き合い、受け入れると、そこを出発点として課題や目標に向かって、逆転人生の足がかりができるということです。

五木寛之氏の指摘されている「無用の用」の考え方は、すべてのものや人に居場所や活躍の場を与えて、生きがいを持って生活してもらうという考え方だと思います。この考え方は森田理論でいえば「物の性を尽くす」ということになります。





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Last updated  2023.01.19 06:24:42
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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