愛犬散歩コースから 0
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居眠り磐音 江戸双紙の最新刊(33巻)を読みました。前巻でまさか、まさかの衝撃のストーリー転換?そしてこの最新刊で磐音とおこん夫婦の更なる波乱の運命が展開されていきます。こんなふうになるとは思いませんでした。先日は「交代寄合伊那衆異聞(第12巻)」、「鎌倉河岸捕物控(第16巻)」、とそれぞれの最新刊も読みました。佐伯泰英のシリーズもの、エンターテイメントに徹していいですねえ。元気が出ます。「居眠り磐音シリーズ」は既に何回かNHKでテレビ化され、「鎌倉河岸捕物控」も『まっつぐ』という題名で放送され始め嬉しい限りです。佐伯泰英ファンとしては、他のシリーズもテレビ化されることを期待しています。「密命シリーズ」や「酔いどれ小藤次留書シリーズ」なんか是非テレビ化して欲しいもんです。
May 21, 2010
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久しぶりに「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズの新刊が出たので、遅ればせながら今日購入してきた。シリーズ31巻、32巻、と一挙に二冊の発刊でファンにとっては嬉しい新年の贈り物である。物語が長すぎた?ので上下巻にしたのだろう。タイトルは『更衣ノ鷹 上』、『更衣ノ鷹 下』である。更衣と書いて(きさらぎ)とルビをふってある。不勉強でその意味するところを知らない。昨年末、寒くなってから読んだ時代小説はかなり多い。しかし、やはり佐伯泰英のものに比べると面白くない。ストーリー構成はもちろん、文章が冗長だったり、人物描写が甘かったり・・・。しかし、昨12月下旬に、佐伯泰英のシリーズの中で、面白さでは一、二番を競う 「密命」シリーズの第22巻が出たが、これは少しマンネリ気味に感じた。それだけに、今日購入の「~磐音」シリーズの最新刊には期待しているのだが。最近、起きているときは炬燵でPCに向かっているので、本を読むときは寝床に入ってからにしている。なので、面白くない本だとすぐ寝入ってしまう。最近はそんな本ばかり。今日はどうか?大体が佐伯泰英の本は、読み始めたらやめられなくなる。寝床で読んでいたら必ず寝不足になる。以前、そのため一時、体調を崩したくらい(大げさ)。元旦にNHKで「居眠り磐音シリーズ」の特別版が放映されたのも楽しく見た。何年前だったか、初めてシリーズが放映され始めた時、登場人物の何人かはミスマッチでは?と違和感を覚えたところもあったが、不思議なもので回を重ねて見ていくと、馴染んできた。やはり原作の持つ力と、脚本がいいからか?ともかく、今日はPCよりも「居眠り磐音」である。---------------------------今日出会った鳥さん・・・毎日同じ鳥さん▼ホオジロ▼電線のツグミ・・・田んぼのいたるところ?に姿を見せだした。
January 9, 2010
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針生検の後なので、しばらくの間、自転車厳禁、車も近場だけ、座るのも長時間厳禁。不自由である。何よりも禁酒がつらい。晩酌が飲めない。おりしも今日はまた未明から雨。結構強く降っている。カメラを提げての野外散歩もできないので、久しぶりに本のことなど・・・。読書といえば私は時代小説。それも何の因果か佐伯泰英の大ファンになってしまっている。因果という意味は、佐伯泰英ものにはまってから他の小説家の本がつまらなくなって2~3の例外を除いて読むのがあほらしくなった、ということである。文体のテンポの良さ、中心人物の描き方のうまさ、もちろん娯楽に徹したストーリーの巧みさ。ハマルのである。まあ、そのへんは人それぞれの好みがあるから佐伯泰英もののような本を好まない人もたくさんいるだろう。佐伯泰英の時代小説は全てシリーズ化されていて、そのどれもが延々と続いている。各シリーズの最新刊が何時発行されているかを見てみると・・・●交代寄合伊那衆異聞シリーズ第9----「御暇」 (2008年11月発行)●鎌倉河岸捕物控えシリーズ第13-----「独り祝言」(2008年11月発行)●密命シリーズ第20------------------「宣告 密命雪中行」(2008年12月発行)●居眠り磐音江戸双紙シリーズ第28---「照葉ノ露」(2009年1月発行)●酔いどれ小藤次留書シリーズ第11---「偽小藤次」(2009年2月発行)●吉原裏同心シリーズ第11------------「異館」(2009年3月発行)最近新刊が出るのが遅く感じるが、それは以前の発行スピードが異常だったわけで、この半年をみても月一冊は何らかのシリーズの新刊を出している。というわけで昨日、吉原裏同心シリーズ第11の「異館」を読み終えたところです。ただ正直、どのシリーズも、少し中だるみのような印象を受ける。ストーリーにおいても初期のころに敵対関係になった勢力との戦いが繰り返し尾を引いて描かれる形が多いように思う。小説としてはそれなりに面白いのではあるが・・・。補足すると、上記シリーズ物の他に《古着屋総兵衛影始末》というシリーズものがあって、第11巻「帰還」が2004年に発行され、一応第一部終了という形になっている。このシリーズも雄大なストーリーで願わくば第二部をスタートさせて欲しいものである。さて、これからの発行であるが、居眠り磐音江戸双紙シリーズの第29巻が4月に発行される予定のようです。仮題が「冬桜ノ雀」とか・・・。蛇足:これまで放映されたTVでの「居眠り磐音」では、磐音役は最初、線が細いと思っていたが、回を重ねるごとになんとなくぴったりと納まってきたように思う。しかし、お紺の役は「松たか子」あたりがはまり役では、と思っていたので、回を重ねても違和感(ミスマッチ)の感じが続く。まあ、勝手な感想であるが。
March 22, 2009
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今朝も寒かった。でも、今日は太陽が顔を出しすがすがしい。さて、昨日は 「居眠り磐音江戸双紙」読本 を購入。ガイドブックなので「居眠り磐音シリーズ」に関する読者必読の内容がぎっしり。小説に描かれている時代の豆知識もいろいろ載っていて勉強になります。それらはこれから時間をみて読んでいくつもりですが、真っ先に夢中で読んでしまったのが、中に収録されているシリーズ番外編『跡継ぎ』。若い頃の由蔵(のちの今津屋老分番頭)と14才の時のおこんとの出会いが描かれていて、「ああ、この部分が今まで欠けていたんだ」と、読みながらある意味で感動しました。番外編ですから、まだ最新刊である24巻まで読み進めていない方もストーリーが飛ぶ心配もありません。是非一読を。
January 15, 2008
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昨夕、所用のついでに本屋に寄って、佐伯泰英著ー居眠り磐音江戸双紙第24巻『朧夜ノ桜』購入。夜半、野暮用が一段落して、寝床の中で読み始めたのが運のつき。やめられない。一気に読み通した。そうなるのは分かっていたのにまたまた佐伯泰英さんのおかげで寝不足ですよ。坂崎磐音もついに佐々木磐音となり、おこんさんと夫婦に。第1巻からの流れもこの第24巻で一つの区切りを見たような気がします。なにやら徳川家との間に隠された絆を持っていると思われる佐々木家の婿となった磐音が、いやおうなく今までと違ったスケールの活躍をするようになる気配。このあたりは佐伯泰英の別のシリーズ「古着屋総兵衛影始末」に似た匂いも感じられます。しかし、いいですねえ。佐伯泰英の本はスカッとします。ストレス解消にはもってこい。他の本がつまらなく感じられるようになります。
January 13, 2008
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ここ数日頭痛がして息苦しい。病気か?いや、血圧も大丈夫。何だ、年の所為か?分かっている。不規則な睡眠のとり方と、視神経の疲れからだ。実は、今、佐伯泰英のシリーズものを読み返している。きっかけはNHKの木曜時代劇だ。「居眠り磐音 江戸双紙」-『陽炎の辻』はもう放映が終了したが、数日前、シリーズの初めを確認したくて第1巻を読み返したのが運のつき。やめられない。第1巻から次々と巻を追って結局、最新の第23巻まで読み通した。夜中布団の中に入ってまで読んで、いつの間にか本を取り落として眠ってしまう。老眼はかけたまま。そして午前二時頃、目が覚めると又読み始めてそれが夜明け近くまで続く。健康上、これは非常によろしくない。「居眠り磐音シリーズ」の次、しばらく休めばいいものを現在「密命シリーズ」を連続読み。現在、第6巻「兇刃」にかかっている。問題はこの「密命シリーズ」。活字が小さい。眼精疲労や頭痛の犯人は《かなくぎ惣三郎》だ。最近このシリーズ、大活字本が発刊されているらしいが、まだ書店に見に行ったことはない。どんなものか。恐らく頭痛はまだまだ続くだろう。何故なら手元にある佐伯泰英のシリーズものは、他にもいくつもあるからだ。ああ、やっぱり我輩は病気だ。容態が悪化したら、佐伯泰英さんにメールでもしょうか・・・。
October 25, 2007
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相変わらず時代小説を読んでます。ただ、読むのは就寝前の限られた時間なので、去年ほどは次々と読めないのが残念。最近読み終えたのは次の二冊です。●ひとつは《荒崎一海》著 『おようの恋』 例によって、まだ読まれていない方の為に筋書きには触れません。この本を選んだ理由は、気に入ったシリーズ物『闇を斬る』の著者によるものだったから。ところが読み始めて気がついた。この『おようの恋』の主人公は、『闇を斬る』シリーズの中の登場人物なのだ。『闇を斬る』の主人公「鷹森真九郎」を側面から支える、北町奉行同心「桜井琢馬」なのである。『おようの恋』は、同心としての桜井琢馬の爽快な活躍が描かれていくが、当然『闇を斬る』で描かれている物語とリンクしていく。それが本書の奥行きを深めてもいる。勿論、別の独立した小説としても充分面白いのはいうまでもない。『闇を斬る』シリーズは現在第7巻まで書かれている。次巻が待ち遠しいが、その気持ちをこの『おようの恋』が少しなだめてくれた按配である。●読み終えたもう一冊は『吉原裏同心』シリーズの第8巻【炎上】である。これはいわずと知れた佐伯泰英の書き下ろし傑作シリーズの最新作。もう佐伯泰英の書く小説で期待はずれというものはない。何より文章のテンポがいい。冗長な表現がなく、読み進めていくのが快感なのである。佐伯泰英には、この『吉原裏同心』の他に次のようなシリーズ物がある。居眠り磐音 江戸双紙鎌倉河岸捕物控密命秘剣古着屋総兵衛影始末酔いどれ小藤次留書交代寄合伊那衆異聞狩りシリーズ上記、いずれもシリーズ物でまだ延々と続いている。そして、そのどれも新刊が出るのが待ち遠しいのだ。そんな気持ちから、時代小説ではないが、佐伯泰英の数少ない現代物(というより初期の作品で、彼は現代物からスタートしている)の『‐警視庁 国際捜査班-銀幕の女』を読んでいる。読み始めたばかりで感想は?である。本当はこのシリーズは5巻まであって、、この【銀幕の女】は最終巻のようだが、たまたま著者名に惹かれてこの巻を購入してしまったので仕方ない。良ければ第1巻から読み返すことになろう。持ち味は違うが、上記の「荒崎一海」と「佐伯泰英」は、私にとって読後の爽快感を味合わせてくれる数少ない作家なのだ。特に、佐伯泰英を知ってから、他の時代小説作家の書く本が、どれもまどろっこしくて仕方ない。途中で読むのが嫌になるのだ。ある意味、これは佐伯泰英中毒といえよう。当分直りそうもないが。
May 1, 2007
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高校時代、友達の家にあった《山手樹一郎》の【お紺からす堂】にはまってから長い、長い、時代小説ファンで生きてきましたよ。現在読んでいるのは、《鈴木英治》の「口入屋用心棒」シリーズ第7巻の【野良犬の夏】。それと《藤原緋沙子》の「隅田川御用帳」シリーズ第3巻の【蛍籠】。最近は時代小説の文庫本が、雨後のタケノコのようにいろんな書き手の手から産まれて発売されているが、まさに玉石混交。購入して読み始めてすぐ、こりゃいかんわ、と投げ出す本もある。それほどでなく一応最後まで読むが、読後、ヤレヤレという疲労感に似たものを覚える本もある。そんなのを書いた著者の本は、その後まず本屋で手に取らない。そんな中、シリーズ物が何巻も続いている著者の本は、さすがに何かがある。実は上記の《藤原緋沙子》の「隅田川御用帳」シリーズ(これまで12巻まで発行済み)は過去読んだものを、本棚から引っ張り出して再度読み始めたもの。大体が文庫本は読みっぱなしが殆どなので、読み返してみたいと思うのは珍しい。つまらない、つまり自分の好みに合わない、そんな本に疲れると、過去に読んで、いい気持ちにさせてくれた本を読みたくなるらしい。ところで、これほど時代小説の文庫本がいろんな書き手によって生み出されて、本屋に並ぶようになると、自分の待ち望んでいる著者のシリーズ物の新刊が出ても見落としてしまうことがある。逆に次の巻が出るまでの間隔が空きすぎると、新巻だと勘違いして既に読んでいる巻を重複して買ってしまうこともある。読む本の絶対量が少ないとそんなことはないだろうが、あれやこれや読んでいるとこんがらがってこんな馬鹿をやってしまう。そんな馬鹿な自分の為に、数ヶ月前からe-honの「新刊パトロール」というのを頼んでいる。好みの著者を10名ばかり登録し、その著者の新刊が出るとメールで知らせてくれる。さらに超田舎に住んで、品揃えの少ない小さな本屋しかないところでは、その新刊をオンラインで注文し、宅急便で入手できるので大いに利用させてもらっている。(これ、別に宣伝ではないですよ・・・)話し変わって・・・上記新刊パトロールで知らせてもらったのですが、《佐伯泰英》の「吉原裏同心」シリーズの第8巻【炎上】が発刊されているのに注文したら在庫切れとのこと、売れてるんですな。さらに、同作家の「居眠り磐音江戸双紙」シリーズの第22巻が4月12日に発刊予定(双葉文庫)だそうな。待ち遠しいですよ。さらに、さらに、過日の新聞によると、NHKの定番「木曜時代劇」で、新年度の第三弾として、「陽炎の辻~居眠り磐音江戸双紙」が7月から全十一回で放送予定とのことですね。主人公の磐音には山本耕史が扮するそうですが、読書で培ったイメージを損なわないよう祈るばかりです。
March 31, 2007
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最近、よそ様のブログをアチコチ彷徨っても、時代小説に絡んだ話題を御取り上げになっているところがとんとありませんな。時代小説大好き人間にとっては寂しいかぎりです。今日は、昨年の初めから今年2月までに読んだ時代小説の冊数を数えるなんて暇なことをやってみました。アホか、とおっしゃいますな。昨今の時代小説は書き下ろし文庫本というのが隆盛で、私の場合も購入するのは95%文庫本になっていますね。そこで、上記期間に読んだ文庫本で、冊数の多い順に著者名を列記してみますと以下のようになりました。 1.佐伯泰英・・・・・・・79冊 2.鈴木英治・・・・・・・36冊 3.藤原緋沙子・・・・・23冊 4.上田秀人・・・・・・・17冊 5.坂岡 真・・・・・・・・・9冊 6.喜安幸夫・・・・・・・・8冊 7.井川香四郎・・・・・・7冊 8.荒崎一海・・・・・・・・6冊 早坂倫太郎・・・・・・6冊10.和久田正明・・・・・・5冊 鳥羽 亮・・・・・・・・・5冊12.笠岡治次・・・・・・・・4冊13.稲葉 稔・・・・・・・・・3冊おおよそこんなところですね。冊数にして200冊強ですか。この他、ちょっと読んでみても、あまりにもお粗末過ぎて、その著者の本はそれっきり、というのもいくつかありますね。またハードカバーものも何冊か読んでいますが、ここでは数に入れてません。ダントツはやはり佐伯泰英ですね。いくつかシリーズものがありますが、そのいづれもが夢中にさせられます。内容もさることながら、文章のリズムがなんともいえず小気味よく、読書の醍醐味を味あわせてくれます。そして佐伯泰英に次ぐ上位3人の著者(鈴木英治、藤原緋沙子、上田秀人)、それぞれに別のワールドを展開していて引き込まれます。新刊の出るのを待ち望んでいる作者達です。さらに冊数は今のところ少ないながらも私の好みなのは、荒崎一海、笠岡治次、喜安幸夫といったところですか。上記の作者の新刊が出るのを待ち受ける一方、少しづつ新しい作者を探す毎日です。現在読んでいるのは《浅黄 斑》の【無茶の勘兵衛日月録】第二巻です。まあ、時代小説に興味のないお方にはふふ~ん、といったところでしょうな。今年も、ぼちぼち読んだ本については読後感など綴っていければと思っています。以上、暇な1日のつれづれエントリーでした。
March 3, 2007
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どんよりした空模様です。天気予報は終日雨。ここのところ晴天と曇天が1日交替みたい。洗濯のサイクルとしてはまあまあ支障がないですが。一昨日は《坂岡 真》著の『鬼役 矢背蔵人介』シリーズ第四巻【冬木立の月】を読み・・・・そして昨日は《上田秀人》著の『織江緋之介見参』シリーズの第四弾【散華の太刀】を読み・・・・そして夕べから《藤原緋沙子》著の『渡り用人 片桐弦一郎控』シリーズの第二巻『桜雨』を読み進め、もうすぐ読了です。そして、手元には《佐伯泰英》の待望の新刊『酔いどれ小藤次留書』シリーズ第7巻【子育て侍】が控えています。このように今日もまた、読書。佐伯泰英ワールドに浸るのは、私にとってホント至福の時間です。でもそれぞれのシリーズが長く続いており、自分が第何巻まで読んだのか分からなくなる時があります。著者別、シリーズ別の発刊・既読に関する管理表でも作らないと本屋さんの店頭でうっかり既読本を買ってしまいそうです。私みたいに時代小説を耽読している人たちは、どうやってそのへんを工夫しているのかなあ・・・。
February 17, 2007
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佐伯泰英:著 鎌倉河岸捕物控『道場破り』(シリーズ第9巻)を読みましたよ。やはり主人公が町人であるだけに、「居眠り磐音シリーズ」や「密命シリーズ」とは違った味わいがあります。何となく、よりくつろげて読めるような。でも、この著者の持ち味でしょうか、どうしても武士を絡ませた話、それも主人公の将来になんらかの貢献をしてくれそうな相手と絡んだ事件が多いですね。ところで今回のこの第9巻に関して言えば、著者及びハルキ文庫の出版社である株式会社角川春樹事務所に喝!!です。物語の出来具合についてではありません。それは8巻までと同じように心地よく楽しめます。問題はおかしなセンテンスが散見されることです。「てにをは」の問題もありますが、それよりもセンテンスの冒頭から末尾までの流れがおかしな具合にねじれているところが何箇所もあるのです。つまり、センテンスとして通りの悪い書き方になっているのです。こんなことは1巻~8巻までにはありませんでした。この9巻だけです。佐伯泰英様、推敲されましたか?読み返されましたか?出版社様、校正担当の方を変更されましたか?その方は経験の浅い方では?出版を急ぎすぎる何かの理由がおありだったのですか?実に残念!こんな思いをした本は最近珍しい。私の読んだのは第一刷ですから、是非おかしな箇所を再検討していただいて第二刷以降をすっきりしたものにして下さい。
December 25, 2005
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佐伯泰英:著 密命シリーズ第1巻 『見参!寒月霞斬り』を読了しました。帯に書いてある作者の言葉曰く:「その時、私の中で突然鬨(とき)の声があがった!現代という時代を反映した、スピーディーな展開。それこそ、新たな時代小説が産まれるという予感であり、また金杉惣三郎(注:密命シリーズの主人公)があげた雄叫びであった。ここに、私の時代小説の原点がある。」先に読んだ「居眠り磐音シリーズ」と似通った設定で、作者が言うようにこの密命シリーズが作者の描く時代小説の原点ということでしょうか。まだ第1巻ですので、後々どう変化していくのか・・・。居眠り磐音シリーズとは全く違う世界かもしれませんが。第2巻『弦月三十二人斬り』を読み始めております。
December 19, 2005
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「居眠り磐音シリーズ」の最新刊(第15巻)『驟雨ノ町』、読みましたよ。旧藩の建て直しも徐々に好転し始め、そして江戸屋敷の獅子身中の虫も除去したし、なによりもおこんとの仲が自他共に認めるところになり・・・。こうなると後はどう心地よい余韻を残して磐音ワールドから読者を解き放すか・・・それだけのような気がするのですが。でも、幸吉が暑念仏参りから帰って一ちょ前の男に大化けして、おそめとの仲が発展しそうだし。吉原の白鶴こと奈緒とのなんらかの別れがありそうだし・・・。さらに、今津屋そのものに物語の思わぬ種が生まれそうだし。もっと言えば、上様や次期上様との面識を得た磐音が田沼一族との闘いに巻き込まれていきそうだし。佐伯泰英の時代小説にはまってしまい、磐音シリーズをもっともっと楽しみたいが為に、まあ、いろいろ考えてしまうんですね。でも、既に15巻。佐伯泰英は他にもいくつかシリーズを著しているし、これからも生み出して欲しいですから、磐音シリーズもここらへんが潮時かなと思わなくもありません。第16巻が発刊されるのが待ち遠しいですね。
December 13, 2005
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佐伯泰英の『居眠り磐音シリーズ』、ついつい引き込まれ、どんどん読み進めております。第11巻 『無月ノ橋』第12巻 『探梅ノ家』第13巻 『残花ノ庭』第14巻 『夏燕ノ道』以上、読了しました。物語の大枠の中に、いくつもの活劇小話が挿入されて興趣が尽きません。既刊本ではあと第15巻があるのみ。なんだか読み進めるのが惜しいような。実は第6巻の『雨降ノ山』終了あたりから、両替商今津屋は、磐音とおこんが跡を継ぐような展開になるのではと思っておりましたが・・・はずれたようで・・・。●江戸・東京重ね地図での検証(1)過日ブログに書き込みましたように、主人公の坂崎磐音が住まいする六間堀町の金兵衛長屋は現在の住所で言うと江東区常盤町一丁目13番地あたりでしょう。(2)磐音が毎日午前中鰻割きに行く「鰻や宮戸川」は現代の江東区森下町一丁目16番地あたりかと。そして金兵衛長屋から400メートルぐらいの距離ですね。(3)一番大事な米沢町の「今津屋」は、現代の中央区東日本橋二丁目の17番地か18番地あたりかと。ここは金兵衛長屋からだと、大川に出て川沿いに両国橋に行くコースをとるとおよそ1600~1700メートルくらいでしょうか。(4)よくいっしょに仕事をする品川柳次郎宅は北割り下水ですから、現代の墨田区本所三丁目か四丁目あたり。金兵衛長屋からだと約2800メートルくらいか。(5)そして、もう1人の竹村武左衛門宅は南割り下水ですから、現代の墨田区亀沢町一丁目か二丁目あたり。ここは金兵衛長屋から1800メートルくらいのようです。磐音は、よく品川柳次郎の家に寄って、それから竹村武左衛門の所へまわる、というような描写があるので、金兵衛長屋からは品川宅のほうが近いとおもっていましたが、竹村宅のほうがずっと近いんですね。「居眠り磐音シリーズ」をお読みでない方には、“なんのこっちゃ”、というお話でした。
December 8, 2005
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家族が入院中ですが、お医者さんや看護師さんをはじめ、いろんな方にお世話になっています。《この世はもちつもたれつ(持ちつ持たれつ)》、といいますが有難いことです。自分ははたしていくらかでも「持ちつ」の生活をしているのか、それを考えると忸怩たるものがあります。そこで時代小説のお話です。「居眠り磐音シリーズ」は「持ちつ持たれつ」の世界がどんどん広がっていきますな。主人公が小説ならではのスーパーマンであるがゆえに、主人公に助けられる人たちの輪がどんどん広がって、お互いを支えあう、その描写が心地よいのでしょう。引き込まれます。無為の時間がふんだんに有ったおかげで、磐音さんにずっとつきあっていました。読んだ本……居眠り磐音シリーズ 第5巻 龍天ノ門 第6巻 雨降ノ山 第7巻 狐火ノ杜 第8巻 朔風(さくふう)ノ岸 第9巻 遠霞(えんか)ノ峠 第10巻 朝虹(あさにじ)ノ島あまりにも磐音さんに集中し過ぎた(そのことで気分的に救われましたが)感がありますね。今回は読後感は省略します。ただ一つ、第6巻の舞台になる「雨降ノ山=大山」には、昔何回か登ったことがあり、急峻な山道をたどったその頃の体験を思い出しながら読みました。これから磐音シリーズ第11巻『無月ノ橋』を読み始めます。
December 4, 2005
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佐伯泰英:著『雪華(せっか)の里』(居眠り磐音シリーズ第4巻)を読了しました。う~ん、切ないですね。許婚の奈緒の姿を求めて旅を続ける磐音。女郎としての、その資質の高さゆえに妓楼を転々と移されていく奈緒。そして、その度に磐音が奈緒を奪還する為のハードルはとてつもなく高くなって…。次第に磐音の心に諦観めいたものが…「生きてさえいてくれれば、住む世界が違っても…」それにしても、「身売り、女郎、遊郭」ということが公然と認められる社会。たとえそのことによってたくさんの貧窮の家族が救われたという事実があったとしても、悲しい社会のしくみ(?)ですよね。人間社会の許されない罪悪でしょう。売春防止法が成立するまで、昭和の時代にまで存在したのですからね。さて、磐音は疲弊した旧藩を立て直すには、帰参するよりも別の道をとる方がより賢明では…と考えが揺れる。このへんに第5巻からの内容が示唆されているような気がしてきましたが、どうなんでしょう。
November 27, 2005
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佐伯泰英:著『花芒(はなすすき)ノ海』(「居眠り磐音シリーズ 第3巻)を読了しました。主人公と友達、そしてその家族の運命をめちゃめちゃにした原因は単純なものではなかった。裏には主人公達が目指す藩政刷新の動きを食い止めようとする一派の策略があった。藩を捨て、江戸は六間掘町で貧窮の暮らしをする磐音。その磐音のもとへ旧藩を食い物にする一派を何とか排除しようとする者たちから接触が。以上が第2巻までの内容でした。そして第3巻。磐音は志を同じくする者達と力を合わせ、旧藩の国許へ。読後感。ちょっとあっけなかった。主人公達の運命を狂わせた張本人との戦いはもっと何巻にも渡って続くと思いきや、一応この第3巻で決着。予想が外れました。しかし、しかしですぞ。いろいろ今後に続く含みもありそうで…。そして、磐音の許嫁であった奈緒の運命は…。第4巻をこれから読み始めます。----------------------------------------●先日、「江戸、東京、重ね地図」のことに触れました。この地図で、物語に関係する場所が現在の東京のどこに当たるのか、ちょっと探してみました。まず今回は、主人公の磐音が住まいする六間掘町とは…どこか?六間掘町は南北に結構長く存在しますが、メインとなるところは江東区森下一丁目当たりかと見当をつけました。でも、文中に「金兵衛長屋のある六間掘町は御籾倉をはさんで飛び地にある…」と書かれています。御籾倉を目印に探すとありました。近くに「猿子橋」がある、という文章もありますから、金兵衛長屋は現在の江東区常盤町一丁目13番地あたりのようです。ここからだと文中によく出てくる、大川にかかる新大橋まで250メートルぐらいですね。(あくまでも江戸時代の新大橋のことで、現代の新大橋は当時の橋より250メートルほど上流に架かっています)磐音の生計(たっき)の中心となる、鰻屋の「宮戸川」の場所や、おこんさんの勤める「今津屋」の場所などは、またの機会に…。
November 24, 2005
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時代小説が大好きです。学生時代、アパートを引っ越すたびに、新しく住むことになった町内にある貸し本屋さんを全店覗き、時代小説の陳列在庫を調べ、読み尽くしたものです。そういえば、あのころあった貸し本屋さんはまだ存在しているのかなあ。いつの頃からか出入りしなくなったけど、理由の一つにもう読む本が無くなったということがありましたね。だから、自分で稼ぐようになったこともあって新刊本を購入して読むようになり、自然と貸し本屋さんとは縁が遠くなっていったんですね。ところで私の時代小説を読む時の楽しみ方の一つは、物語の中に出てくる江戸の町名、街筋を検証しながら読むことです。そこで欠かせないのが「江戸古地図」です。主人公が住む町をまず確認しておいて、物語の進展にともなって登場人物が動き回る町や、街筋を追って行きます。利用するのは、江戸切り絵図か一枚の江戸全図。お目当ての町名を探しやすいのは切り絵図ですが、登場人物の行動半径が広い小説になると一枚モノの江戸全図が動きを追いやすいですね。さて、最近は単なる江戸古地図ではなく、パソコン時代の恩恵にあずかって新兵器を利用しています。『江戸・東京、重ね地図』というCDがあります。パソコンの画面で、江戸の古地図と現代の東京の地図が重なって切り変えられるのです。古地図で主人公の住む町を特定しておいて、重ね合わせてある現代の地図を浮き上がらせると、そこが東京の何町になるのか分かるという楽しみ方ができます。また、縮尺もでていますから、登場人物がどれくらいの距離を移動したかなんてのも理解できます。「ふむ、ふむ、主人公の住む長屋はこのへんだな。なるほど、今の東京でいうと○○町になるな」・・・・まあ、こんな感じで楽しんでいるわけです。愚痴を一つ。江戸古地図の町名の書き入れ方が一定方向でないのが本当に困りもの。地図を縦横、逆さまと動かさないと何と書いてあるのか読めないから、慣れないと疲れます。CDの地図では、パソコンを逆さまにするわけにもいきませんから、その点では紙の地図より不便です。古地図を作成した江戸時代の人に文句を言いたいぐらい。(モニターに映し出した古地図を画面上でグルグル方向転換できるソフトを開発してくれると大助かりなんですが…)
November 22, 2005
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読みましたよ。佐伯泰英:著『寒雷ノ坂』(居眠り磐音 江戸双紙シリーズ第2巻)いよいよ大長編の骨格の入り口が見えてきた感じでしょうか。第1巻では山手樹一郎の世界みたいと感想を述べましたが、単純な武士道青春物語りではないようですね。主人公達が人生を狂わした刃傷沙汰には、思いもよらない裏があったのか?「ああ、我らは何者かの罠にはめられたのか?!」その何者かの影が見え始めるところまでが第2巻の内容です。こうなるとやはり『用心棒日月抄』(藤沢周平:著)を思い出しますね。でも、この後どうなるのか。また違った展開が待っているのかも…。本の帯にはこう記されています。「平成の大ベストセラー! シリーズ累計170万部突破!」ついでに私的に言うと、文字が大きいのが何よりもありがたい。読書を楽しむのに大事な要素の一つです。
November 20, 2005
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予約してあった本が一部届きました。全14巻のうち途中の巻を何巻か購入済みであったものの、肝心の第1巻をはじめ最初の方の何巻かが未入手でした。途中から読むわけには行きません。ジリジリする思いで待っていました。やっと第1巻~第3巻が入荷し本屋さんから連絡を受け、即購入。そして第1巻を読了しました。佐伯泰英:著『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズです。読了したシリーズ第1巻は『陽炎の辻』。いや、面白い本ですね。いろんな方からこのシリーズの情報を得ていましたから期待していましたが、なるほど冒頭から引き込まれました。文章が回りくどくなくて、よけいな描写をそぎ落としたテンポの良さは読んでいて気持ちがいいですね。次から次へとページをめくっていきたくなります。途中まで読み進めているうちに「この本の匂い、どこかで感じたことがあるぞ」と感じました。そして思い出しました。遠い昔、高校生の頃、夢中で読んだ《山手樹一郎》の描く世界にどこか似ているものがあるのです。第1巻を読了して、主人公の暖かさ、強さ、そして主人公を取り巻く善良な人達。そうした要素が山手樹一郎の世界を思わせるのだなと気づきました。ただ、決して時代小説作家の偉大な先人を貶めるつもりはありませんが、佐伯泰英の小説のほうが、格段に内容が充実しており、エンタテイメントとしての描写も優れていると思います。第1巻を読んだだけですから、ストーリーのスケールはまだ分かりません。しかし、なにやら藤沢周平の『用心棒日月抄』に通じるような匂いも感じ始めていますが、どう展開するのでしょう。すぐに第2巻に取り掛かります。ワクワクしております。
November 19, 2005
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浅田次郎:著『憑神(つきがみ)』を読了しました。主人公が最後に我が子に向かって言う。「限りある命が虚しいのではない。限りある命ゆえに輝かしいのだ。武士道はそれに尽きる。生きよ。」幕末から明治へ時代が移ろうとする、その不安定な世情のもとに、いかに自分の本分を全うするか、悩み苦しんでついにその方向を見つける。家康公以来の御影鎧番の家に生まれた御徒士の生きざま。 ------------------------------この時代の幕臣としての武士には自らの生き方をめぐってさまざまな困難が生じます。それを「憑神」のもたらすものとして設定している内容は、いささか荒唐無稽ですが、あの時代の急激な変化自体を「憑神」に置き換えていると考えると、それほど荒唐無稽とは感じられません。限りある命を輝かす生き方とは?自分の分を全とうする生き方とは?・・・・ある意味、価値観、生き方が百面、百態に乱れる現代の世相に作者がこの本を通じて問いかけているようにもとれました。
November 14, 2005
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過日、佐伯泰英:著『鎌倉河岸捕物控』のシリーズ全巻を読み、すっかりこの著者が好きになりました。そのことをブログに書いたところ、ある方から同じ著者で『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズというのがあることを教わりました。検索エンジンで調べてみてもとても評判がいいので、「これは絶対読まなきゃ」と、昨日近所の本屋さんへ行きました。ところが全14巻中、1~4巻、14巻が在庫切れ。途中から読むわけにはいきません。本屋さんに聞いてみると、在庫切れのものは発注することになっているのでそのうち入るでしょう。とのこと。なんとも頼りない。というのも経験的にこういう場合、モノによっては3~4週間かかることがわかっていたからです。(それほど小規模な本屋さんなのです)大きな本屋さんまではだいぶ距離があります。いろいろ用事があってなかなか行けません。予約しようかどうしょうか、と悩みましたが、「オンラインショッピングで購入という手もあるしなあ…」と、もやもやした気持ちのまま帰宅しました。そこが優柔不断な私。楽天にも、アマゾンにも申し込まないまま、一夜明け、今日また所用で近くへ行ったついでにその本屋さんへ。棚をのぞいてガッカリ。昨日あったこのシリーズの途中の巻がまた何巻か売れて、さらに在庫が少なくなっています。「誰が中途半端な買い方をしているんだ」と、手前勝手な腹立ち。そして、「ええい、もう!」と、自分に自分で腹を立てた勢いで残った巻を掴みレジへ。結局、購入したのは第5巻、そして第8~12巻。仕方ない、結局在庫切れの巻は予約しました。今日購入したものは、第1巻が届くまで読み始めるわけにはいきません。それまでお預けです。ああ、情けない。でも、時代小説を読みたいとなると見境もなくなるのが私の性癖。レジから時代小説コーナーへまた引き返し、今まで知らなかった著者の本を衝動買いしました。題名は『大江戸番太郎事件帳』(著者:喜安幸夫)。今のところ4巻シリーズのようで、4巻とも購入。願わくば今日購入したシリーズが期待はずれでありませんように。そして今日予約した『居眠り磐音』シリーズが一時も早く入荷しますように。駄目な私でした。
November 11, 2005
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「無事、これ名馬」(宇江佐真理:著)を数日かけて読了しました。読後感、なんとも爽やか。そしてホンワカと心が暖かくなりました。もしかして真冬の寒い時に読めば良かったかも。“頭、拙者を男にしてください!」この言葉が7歳の武士の子供の口から…。泣き虫弱虫の武家の長男が弟子入りしたのは町火消し「は組」の頭取のところ。最初、帯書きから想像した筋書きは見事外れました。でも、いいストーリーでした。町火消しの世界の厳しさ、江戸町人の生活の生活基盤の危うさ、せつなさ、そしてその中の幸せ。その中に武家の大人並みの言葉遣いで交友関係を持つ幼い武士の子のかもし出すおかしさ。今まで読んだ宇江佐真理さんの小説とは一味風合いが違うような気もしたのですが(もちろんいい意味で!)。終わりに近づくにつれ、ところどころで涙がにじんできました。著者に感謝! そんな読後感でした。
October 29, 2005
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「おまけのこ」(著者:畠中 恵)読みました。お菓子でもつまみながら、漫画でも読むつもりで読むといいのでは。そんなお気楽本ですが、私は気に入っています。読んでない方のために筋書きは触れません。本の帯に書かれた紹介文はこうです。「体は弱いが知恵に溢れる若旦那と、頼れるわりにちょっととぼけた妖たちの愉快な人情妖怪推理帖」「摩訶不思議な妖怪に守られながら、元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若旦那・一太郎に持ち込まれるのは、訳ありの頼み事やらお江戸を騒がす難事件」シリーズ化されていますが、なにしろ人間と妖怪が入り乱れる話ですから、お互いの関係が理解できてないと面白さ半減。従って第一巻から順にお読みになるのを強くお勧めします。独特の世界を描いたこの小説、著者のデビュー作である「しゃばけ」が第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞しています。(そんな賞があることも知りませんでしたし、他にどんな作品がこれまで賞を貰っているのかもついぞ知りませんが)まさにこの小説はファンタジーでしょうね。続くシリーズ第二巻が「ぬしさまへ」第三巻が「ねこのばば」そして第四巻が「おまけのこ」となるわけです。私は宮部みゆきの初期の作品、霊験お初捕物控「震える岩」や同(二)「天狗風」も大好きで、ちょっと常識の世界をはみ出た摩訶不思議な世界を描いたものに惹かれるのかもしれません。宮部さんには、ぜひ「霊験お初捕物控シリーズ」の続編を執筆してほしいと思っているのですが、作者自身が成長して別のジャンルへ入って行っているので、ないものねだりでしょうね。畠中 恵の人情妖怪推理帖。読んで癒されるか、バカバカしい読むに値しないと思うか、人により大きく分かれる類の本でしょうね。
October 24, 2005
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最近は外交問題でイライラが募り、日中、日韓関係の記事を特集にしている雑誌や単行本ばかり読んでいました。自分の考えが偏狭なナショナリズムに陥らないように気をつけていくつもりですが、関連書籍を読めば読むほど日本に対する彼の二国の言い分、態度が腹ただしく思えてくるのは否めません。自分の読む本が偏向しているかもしれないし、もっと情報、知識を集めて考えを整理していきたいと思っています。そんなこんなでしばらく遠ざかっていた時代小説を、ここ2日ばかり久しぶりに読みました。やはり時代小説はいい。ひとによっては現実逃避だと言うものもいるようですが、「癒し」は多かれ少なかれ、そうした側面を持っているものでしょう。私の好みは同じ時代小説でも「捕物帳スタイル」。別に捕物帳でなくても謎解き、事件物、であれば好きの範疇に入るわけで。今回読んだのは佐伯泰英著「鎌倉河岸捕物控」シリーズ。(ハルキ文庫)全8巻を読みましたが、ストーリーの運び、文章に無駄がなく実に気持ち良く次から次へと読み進めました。実はこの作家のことはあまり知らなくて、本屋でたまたま手に取った本の裏表紙に書かれている要約紹介文に惹かれて購入。ところが読み始めると、自分の感性にぴったり。一気に8巻を読み通しました。捕物帳は事件を追うテンポが大事なのに、途中いたずらに登場人物の心理描写などをクドクドと書いている中途半端な作者が時々います。そんなのは必要最小限、簡潔にした方が文章が引き締まるのに、へんに内容を重厚にしようと考えてかどうか知りませんが、そんな本は読んでいて疲れることこの上ない。(私はある女流作家の本にそれを感じます)ともかく佐伯泰英という作家が好きになりました。最近売り出し中の山本一力と同じ匂いがします。でも、山本一力さんには申し訳ないですが、佐伯泰英のほうがもっと文章が洗練されていると思います。例えば主人公が骨太に成長していくところや、腹の据わった脇役の人物の描写など、その「骨太」とか「腹の据わった…」という人物描写をストレートではなく、周りの登場人物に語らせる工夫などがさりげなく織り込まれていくと読んでいて想像力を刺激し、心地よくその人物を理解できます。山本一力の小説は、そのへんがまだストレートに説明的に描写されているところが時々あり、読んでいて時に辟易することがあります。でも小説の匂いとしては好きな作家です。時代小説は読み出したら夢中になって他のことがおろそかになるのが欠点。ほどほどに時間をとって読むようにしなければいけません。それは自戒しているつもり。一日の終わり、就寝前の一時間ほど時代小説を読むのは私にとって至福の時なのです。でも、面白い小説に行き当たると深夜、日にちが変わっても読み続けて寝不足になるのはよくあることですが…。
October 21, 2005
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宮部みゆき著「孤宿の人(上下)」を読んだ。表題の“孤”は何故か瓜ではなく爪になっている。何か意味があるのだろうか。読後感。なにやら分かりづらい。テーマは最後の所の和尚の言葉にあるのだろうが、言葉が不足しているのでは。それとも短い表現で深い感動を覚えるよう計算しているのか。それなら私の場合未消化だ。テーマがいくつも混在して焦点がぼやけている感じ。いろんな要素を描写しすぎている嫌いがあるのでは。だから読んでいて疲れる。読み進めていくうちに、主人公の1人「ほう」の成長を期待していく気持ちになる。最終章あたりで、彼女の周りの人たちにいくつか感銘を与える彼女自身の成長のエピソードが織り込まれていると思ったが、そうは結ばれていない。著者の狙いが分かるのは、もっと感受性に富んだ読者でないと駄目なのか。
September 26, 2005
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