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2004年07月02日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 聖カタリナ女子高校で講義。話の中で僕がホルンを吹くという話になって、なぜこの楽器を選んだかというと、とその理由を説明した時、僕は他の楽器について否定的なことをいってしまった。そこで、僕は「今の話を聞いて気を悪くした人がいたらごめんなさい」と謝ったら、すかさず、先生って人に嫌われるのが嫌なのですね、とつっこまれてしまった。この頃、自分がいっていることに自信が持てなくて、謝ってばかりいるように思う。講義が終わりに近づくにつれて、質問紙による質問もだが、直接口頭でたずねる学生も増えてきた。「でも、先生、そやけど、あんな…」というような調子で話しかけてくるが、僕は全然気にならない。

 ジッドの『田園交響楽』を読んだ。おそらく本筋のところではないのかもしれないが、目が不自由だったジェルトリュードが手術に成功し、視力を回復した時、こんなことをいう場面は驚いてしまった。ジャックというのは牧師の息子であり、彼もまた牧師と同様
ジェルトリュードを愛していた。「牧師さま…ジャックさんを一目見たとき、あたしはたちまち、自分がお慕いしていたのはあなたじゃなくて、あの方だったことを悟りました。あのかたは、あなたにそっくりの顔をしてらしたのです。というのは、つまり、あたしが胸に描いていたあなたのお顔に、そっくりだったのです」言葉を交わし、彼女は牧師に心を寄せていたのではなかったか。それなのに目が見えるようになったとたん、こんなふうにいわれたら牧師は(牧師の彼女への思いにも問題はあったわけだが)大いに困惑したであろう、と思う。

 今市子の『百鬼夜行抄』に「鬼の居処」という作品があるのを思い出した。主人公の律の祖父、飯島伶(りょう)の若き日の話である。伶のいとこの飯島武志はよく本屋で見かける吉池清乃に恋をする。武志は彼女にラブレターを書くが、伶に心を寄せていた清乃はその手紙を伶からのものだと思い込む。「和製シラノ・ド・ベルジュラックだよ俺は…!」と武志は清乃が病気で亡くなった時に嘆く。彼女が好きだったのは自分ではなく、伶の方だった、と。「俺はそれでもいいと思って…おまえのふりをしてた あの人は最後までおまえからの手紙だと信じて死んでったんだ」彼女が本屋で見たのは伶だった。手紙は武志が書いたものだった。はたして彼女は手紙の内容で伶に惹かれたのか、それとも、顔を見て惹かれたのか。もちろん、両方だという答えもあるだろうが、手紙を書いたのは伶ではなく武志だった。若い頃の僕は武志のようなことをやりかねなかったかも(そんなこと、もちろん、したことはないが)。





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最終更新日  2004年07月02日 23時21分45秒
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