I歯科医院の高楊枝通信。

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2008/07/10
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カテゴリ: 地球温暖化

地球学 」という地球の過去、現在を知り、
そして未来を予測するという学問が発展してきました。

地球学の進歩によりいろんなことが解ってきたのですが、
その1つに、過去15万年程の間はほとんど氷河期だった、というのがあります。
表題の図です。
概ね氷河期と言っても、ギザギザに温かくなる間氷期があるのです。
数10年で10度以上も気温が乱高下するのです。

例外的に長い「至福の地球」ともいうべき温暖な気候なのです。

人類は現在の穏やかな気候が当たり前だと思っているかもしれませんが、
それはとんでもない、、
地球の気候は海が干上がるような極端な温暖化から、
全地球が氷に閉ざされる極寒の氷河期まで、
何度も、何度も、大きく変動していたらしいのです。

そのたびに生物は移動したり適応できなければ絶滅、
生き残った生物種から新しい環境に適応した新種が現れ、進化していく。

そういうダイナミックな変化を繰り返してきているのだそうです。

今回の地球温暖化により突然氷河期が来るというシナリオがあるのですが、
これは実際に同じようなことが1万3千年前に起こっていました。

コンベアベルト

海の表層と深層を1000年程かかって循環している海流ですが、
この大循環の駆動力は流れていくうちに塩分を含み、
しかも冷たくなり重くなって、
北大西洋と南極大陸の西で沈み込むのです。

この海流の駆動力を熱塩循環というのですが、

その大量の真水によって海水の塩分が薄まり、
熱塩循環が弱まったのです。
その時できたのが五大湖です。

これで暖流が北太平洋に届かなくなり、
一挙に寒の戻りが始まってしまったのです。
この小氷河期は短いといっても1000年続きました。

もし、地球温暖化が進み、
グリーンランドと南極大陸の氷床が融けたら、、
同じことが起こると予想されています。

もし、氷河期が来たらどうなるか、
というのは「日本沈没 第2部」のテーマですが、
これは「 地球シミュレータ 」による成果を元にしていると
解説にあったのを見たことがありましたが、
今は探せません。緘口令が敷かれているのかもしれません。

日本沈没(第2部)



もう1つの生物にとって壊滅的な事態として、
CO2の急激な増加により酸素呼吸の動物は窒息死するというシナリオですが、
これもまた地球の過去にあったことが確認されています。

それは2億5千万年前の古生代と中生代の境界の出来事でした。
ペルム紀と三畳紀との間なので「PT境界」と呼ばれています。

この時代は地殻変動が激しい時期で
断片だった大陸が再結集して超大陸パンゲアを形成したことによる
大規模な火山活動による大量の火山ガスにより温暖化が始まり、
海底の地下に眠るメタンハイドレートが崩壊、
メタンガスが噴出し、
それは大気中のO2を消費しつつCO2に変化した。

このときのCO2濃度は5%を越え、O2濃度は現在の半分の10%に下がった。
CO2/O2

この地球環境に適応できなかった95%の生物種は絶滅した。
生物種

また、このとき絶滅した大量の生物の死骸が石油になったという。

ところでメタンハイドレートとは何であろうか?
これはメタンガスが海底の低温、高圧の状態で水の分子に囲まれて
シャーベット状に固まったもので、メタンはその体積を1/200に圧縮されている。

メタンハイドレートは海底に降り積もる生物の死骸であるマリンスノーが
海底の嫌気性微生物により嫌気的に分解されメタンとなったものだ。

メタンハイドレートは日本近海の海底下に多量に存在していることが確認されている。
メタンガスは天然ガスそのものなので、
エネルギー源としての開発が期待されているが、
温度が上がるか圧力が下がると不安定になり崩壊・噴出する恐れがある。
開発はそういう意味でも難しい。
もちろん使えば(燃やせば)CO2になる。
非常にデリケートで不安定なものなのです。

メタン自体はCO2の24倍の温暖化効果ガスであるだけでなく、
最終的には酸化されてCO2になる。

またメタンハイドレートは堆積していく性質上プレート境界にあり、
ここは地震の震源でもある。
だから日本近海に多いとも言えるのだが。

もし海洋の温暖化でメタンハイドレートが不安定になってるところへ
地震が崩壊の引き金を引いてしまったら、、

地球温暖化はメタンハイドレートの崩壊を招き、
更なる地球温暖化により、
雪だるま式にメタンハイドレートの崩壊を引き起こす。
こうして急激なCO2濃度の上昇を招く。

そして 生物種の絶滅 が起こる。

これを「 悪魔のサイクル 」言うらしい。

5500万年前にも、起こっていることが判っています。
直近では8000年前にも。

こういう事態はちょっとしたきっかけで起こり得る、
今回は人間がそのきっかけを作っているのではないか、ということです。

















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Last updated  2008/07/11 01:48:37 PM
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