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白菜料理は色々あるけれど、煎じ詰めるとぼくにとって最高の白菜料理はお新香ということになります。キムチも無論美味しいけれど、それ以上に単に塩と唐辛子で漬けただけの日本式のお新香が一番だと思っています。白菜のお新香に鰹節を散らして醤油をたらっと垂らしたのがあれば、それだけで酒の肴としては事足りるし、飯のアテにも十分です。太宰の短編の主人公も口ではぼくと同じようなことを言っています。太宰治著「新郎」 食卓には、つくだ煮と、白菜のおしんこと、烏賊の煮附と、それだけである。私はただ矢鱈に褒めるのだ。「おしんこ、おいしいねえ。ちょうど食べ頃だ。僕は小さい時から、白菜のおしんこが一ばん好きだった。白菜のおしんこさえあれば、他におかずは欲しくなかった。サクサクして、この歯ざわりが、こたえられねえや。」「お塩もこのごろお店に無いので、」家の者には、やっぱり自信が無い。浮かぬ顔をしている。「おしんこを作るのにも思いきり塩を使う事が出来なくなりました。もっと塩をきかせると、おいしくなるんでしょうけど。」「いや、これくらいが、ちょうどいい。塩からいのは、僕は、いやなんだ。」頑固に言い張るのだ。まずしいものを褒めるのは、いい気持だ。 この主人公の新郎は、新妻に気遣って本音を語っていないのでありますが、全くの嘘ってことでもなさそうです。ぼくにしても一番お新香が好きとか書いている割には結構あれこれと料理しているからかなり眉唾な発言をしていると思われてるんだろうなあ。確かに白菜は生でも煮ても茹でても蒸しても焼いても炒めても美味しいものですし、もしかしたら揚げても美味しそうですしねえ。乾隆白菜[中国]【材料】白菜(黄芯/1cm幅) 320g【タレ(混ぜる)】/芝麻醤 160g/黒酢 大さじ2/砂糖 大さじ3/はちみつ 大さじ1/醤油 小さじ2/老抽(中国醤油) 小さじ1/2/白ごま 適宜【作り方】1. 皿に白菜をもって【タレ】と和える。 地味な料理ですねえ。でも地味だけど美味しくなるのが白菜ですねえ。酸菜白肉鍋(スワァンツァイ パイロウグゥオ)[台湾]【材料】酸菜(白菜漬) 300g/豚肉(バラ/薄切り) 200g/きのこ数種 適宜/豆腐(冷凍/一口大) 1丁/干しエビ 大さじ2/干し椎茸(水で戻す/千切り) 3枚・水 500ml・にんにく 1片/生姜 大さじ2/鶏がらスープの素 小さじ2/昆布 5cm/【タレ】【ニラだれ】ニラ(みじん切り)・酢・醤油 大さじ5/豆板醤 小さじ1/【オイマヨだれ】オイスターソース・マヨネーズ 大さじ2/【その他】練りごま・にんにく・ラー油・マスタード・レモン汁。酢 適宜【作り方】1. 鍋に干し椎茸(戻し汁)、鶏がらスープの素、干し椎茸、昆布、にんにく、生姜、酸菜を入れて煮り。豚肉を広げる。きのこ、豆腐を加える。 近頃流行ってるっていうのでいそいそと作ってみることにしたのです。ところが、期待していた程ではなかったかな。案外すぐに飽きが来ました。タレをあれこれと調合して食べるのがポイントですが、それってもとが飽きやすい料理ってことの証左のように思えます。麻婆春雨白菜[中国]【材料】白菜(1cm幅) 1/4株/春雨(茹でる) 20g/水(サラダ油、塩を混ぜる) 500ml/サラダ油・塩 小さじ1/豚ひき肉(水洗い) 260g/白胡椒 小さじ1/生姜 10g/にんにく 6g/赤唐辛子(小口切り) 3本/豆板醤 大さじ2/甜面醤 小さじ1.5/五香粉・ラー油 適宜/豆鼓 大さじ1/花椒 小さじ1/2/水 50ml/醤油 大さじ1/2/長ねぎ(小口切り) 25g【作り方】1. 鍋に水を入れて沸かし、白菜を茹でる。2. フライパンにサラダ油を熱して豚ひき肉を炒める。白胡椒を加える。生姜、にんにく、赤唐辛子、豆板醤、甜面醤、五香粉、ラー油、豆鼓、花椒を加える。水を加える。醤油を加える。白菜、春雨を加える。長ねぎを和える。 麻婆味と白菜って合うんですよねえ。豆腐とはまったく違った食感が楽しい。だったら豆腐と白菜を両方いれたら二倍楽しいってことになりそうですが、そうはいかない。不思議と組合わせるとあまり美味しくなくなるんですよね。でも春雨はその点では優秀で、豆腐と一緒もありだし、白菜と一緒でも美味しく頂けるのでした。麻婆白菜そば【材料】そば(茹でる) 1人前/そばつゆ・麻婆白菜 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってそばつゆを注ぎ、麻婆白菜をのせる。 寒い朝なのでカプサイシン効果で温まろうと前夜の残り(残りというのは残ったんじゃなくて残したんですけど)をのせてみました。そばも風味を落とすなどの邪魔にはならないようです。
2023/12/31
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太宰治が「食通」という短いエッセイを残しています。大食漢こそが食通であるというかなり偏見に富んだ持論を述べているだけのまあどうということのない文章であるのですが、そこに見逃せない一文が記されているのです。--ロシヤでは、ライスカレーでも、手で食べるそうだ。-- 一読して2つの疑問が浮かびます。まず、ロシヤにカレーに類する料理など存在するのだろうかということ。もう一つがカレーなどの料理を手で食べる習慣がロシヤ人にあるのかということです。Yahoo!知恵袋にロシアでカレーを食べるかという疑問が寄せられていて、それに対する回答をずらずらっと斜め読みする限りでは少なくともロシアではライスカレーは存在しないようなのです。以下のサイトではカレー粉は存在することが記されています。ロシア モノ・コト図鑑 ~リャビーナ 公式ブログ~ 「カレーライスはロシアにない!」https://ameblo.jp/riperus22/entry-10366582483.html この文章を書いてる方、相当なロシア通のようなのできっとライスカレーを食べるロシア人(現地在住の人)はいなかったんだと思います。これは想像するにビーフストロガノフとライスカレーを取り違えているだけなんじゃないかってのは、ぼくが敢えて指摘するまでのことではないかもしれません。まあこの文章を読んだ瞬間にそうなんじゃないかって思ったのですけど。それよりもライスカレーにしろビーフストロガノフにせよロシア人が手で食事をするなんて聞いたことないなあ。手で食べる文化を手食文化と呼ぶようで、世界の各地で行われてはいるもののロシア人はどうなのだろう。というか太宰は何を勘違いしてこのような文章を残したのか気になるところです。カレーライス 生姜酢漬けトッピング【材料】ごはん・カレールー・生姜酢漬け 適宜【作り方】1. 皿にごはんを盛ってカレールーをかけ、生姜酢漬けをトッピングする。 日本のカレーにはらっきょう酢漬けもしくは福神漬けがトッピングの大定番ですが、思い付きで生姜酢漬けをトッピングしてみたらこれがなかなか旨いのですね。「くら寿司」にシャリカレーがありますが、もし店でこれを食べていたら間違いなくとっくに試していただろうなあ。ねぎだくカレーライス(なぜか写真無し!)【材料】ごはん・カレールー・長ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. 皿にごはんを盛ってカレールーをかけ、長ねぎをトッピングする。 ちょっとリスキーですが、構わず大量にトッピングしてみました。これが想定外にもかなりイケるのです。想定外ってまずいはずだと思って試したわけでもないんですけど。好き嫌いはあるかもしれませんが、ぼくには大いにありの食べ方でした。大根カレー【材料】ごはん・大根(皮を剥く/3cm厚/茹でる)・豚肉(一口大)・玉ねぎ(くし型切り)・ニンジン(半月切り)・じゃがいも(一口大)・生姜・水、顆粒だし・鶏がらスープの素、・塩 適宜/【カレールー】ラード・カレー粉・小麦粉 適宜【作り方】1. 鍋にラードを熱してカレー粉、小麦粉を炒める。2. 鍋に水を熱して豚肉、玉ねぎ、ニンジン、生姜を煮る。じゃがいもを加える。大根を加える。【カレールー】、顆粒だし、鶏がらスープの素、塩を加える。皿にごはんを盛ってかける。 おでんやふろふき大根用にまるまる1本の大根を茹でてしまうと、結果、1/3本位は残ってしまうのですね。困ったらカレーってことでカレーで軽く煮込んでみたのですが、やはりしっかりトロミの付いたカレーではなかなか大根に味が染み渡らないようです。さらさらカレーにするかもしくはカレー風味のだしで大根だけ別途煮込んでおくなりの手数を掛けた方が良さそうです。和風カレー【材料】ごはん・大根(皮を剥く/3cm厚/茹でる)・豚肉(一口大)・玉ねぎ(くし型切り)・ニンジン(半月切り)・じゃがいも(一口大)・生姜・水、顆粒だし・めんつゆ・刻みのり・揚げ玉 適宜/【カレールー】ラード・カレー粉・小麦粉 適宜 適宜【作り方】1. 鍋にラードを熱してカレー粉、小麦粉を炒める。2. 鍋に水を熱して豚肉、玉ねぎ、ニンジン、生姜を煮る。じゃがいもを加える。【カレールー】、顆粒だし、めんつゆを加える。皿にごはんを盛ってかけ、刻みのり、揚げ玉を散らす。 これまた余った茹で大根のカレーですが、違いは刻みのりと揚げ玉をトッピングしたところ。これが全く違和感なくしっくりくるんですね。もっと和の風味を強めても良さそう。カレー丼とかみたいに。
2023/12/30
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所用があって立て続けに本郷三丁目にやって参りました。都心部では呑み屋はあってもぼくが呑みに行きたいと思えるような酒場はますます減っているようです。でもせっかく本郷三丁目にいるのだから是非ともこの界隈で呑みたいものです。以前都心で仕事していた頃にはちょくちょくこの界隈で呑んだものですが、情けないことに当時呑みに来ていた酒場のことなど記憶から消え失せていたからとにかく歩き回るしかないのです。スマホで店探しするのが一般的かもしれませんが、何かと選り好みするぼくの場合は、ネットの情報ではなかなか目当ての酒場を見つけるのが難儀なのです。というか、そもそも本郷三丁目などかつて散々歩き回ってもいるし、ネットでリサーチもしているのだから、ここぞという酒場が突如出没することなどあろうはずもないのです。 そんなこともあって界隈をほぼ虱潰しするように歩いていると、ノーマークだったと思われる酒場に遭遇する者です。まずは「春木町 おかづ」なるお店が目に留まったので早速入るのですが、夜の支度をしていないのでと断られてしまいます。食事されているお客さんがいるってのにねえ。建物は新しそうに思えましたが,店内はなかなか渋好みな造りだったのでいつか呑みに来たいと思うのです。続いて見つかったのが「諏訪」です。これはなかなか古風な構えの酒場ではないかと早速店に入るのですが、今日は団体さんの予約が入っていて仕込み中であるとのこと。これだと仕込みが終われば呑ましてもらえるってことかな。しつこくお尋ねすると今晩はごめんなさいとのことです。何だ残念だなあ。改めて食べログを見ると掲載保留マークが付いていますが、もしかすると常連から連絡があった時だけしか店を開けないってことなのかな。「酒処 さいとう」では、どういう理由だったか忘れましたが入れませんでした。これは困った。 すぐに思い付いた、いや本郷三丁目に来ることが決まったた時点で久し振りにお邪魔するか迷っていた「加賀屋 本郷店」があるのです。こんなことなら迷わず最初からここに来ればよかったです。相変わらずのオオバコで8割程の入りと繁盛ぶりも相変わらずのようです。ご存じでしょうが、こちらの「加賀屋」が本店。板橋で1965年に産声を上げた一号店が移転して本郷店となったそうです。久しぶり過ぎて思い出せませんが、こちらでカウンター席で呑むのはもしかすると初めてかも。店の従業員は以前と比べると外国人が随分多くなったように思われます。これはこれで悪くないなあ。難があるとすれば黒板メニューが見にくいってことですかね。それとオオバコならではのさんざめきを存分に堪能することができない、つまり賑わう店内の様子を眺めるのが不自然な姿勢を取らねば享受できないのです。とはいえ系列の本店であるのにここは他の系列店とは明らかに一線を画しています。店の希望もそうですが、何より魚介への力の入れようが明らかに充実しているのです。随分食べていない気がしたのでハマチ刺しを頼みましたが実に充実した盛り付けで嬉しくなってしまいます。ホッピーじゃなく日本酒が正解だったかなあ、まあいいか。もつ焼きも黒板メニューから数串注文してるしね。それにしても東大も程近く高級住宅地を間近に控えるこの土地に斯様に大衆的かつ活気のある酒場があるのはまっこと素晴らしいことだと思うのです。
2023/12/29
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宮本百合子が「身辺打明けの記」という文章でこう書いています。-- 嫌いなものといえば、何よりも先ず納豆です。北国の人は一体納豆を好むようですが、わたくしは、福島県の生れですし、父祖の生れは山形県ですし、それに父も母も納豆が嫌いではないのですが、わたくしはどうも駄目です。母なぞは「お前は国の納豆をたべないからだよ、たべず嫌いなんだよ」と申しますけれど、わたくしも、その国の納豆――山形県の――を見て知っていますが。――東京の納豆の三分の一ほどの、それは小さな納豆で、東京の納豆のような変な臭いもないのですが、兎も角わたくしには手が出ません。-- なんというか作家の書く文章としては甚だ幼稚っぽい気もしますが、そこまあ見過ごすとしても、いかにも凡庸極まりない内容です。納豆が嫌いということをくどくどしく述べていますが、どういう理由で納豆が駄目であるのか全く分からないのです。作家たるもの納豆のどこがどう嫌いかってことを突き詰めて考えるべきではないだろうか。まあ納豆が嫌いな理由なんてことに脳細胞をフル回転させるなんてのは、全くもって脳みその無駄遣いでしかないかもしれませんが、そこで思考停止してしまうのはこうした表明をした以上、誠意が足りないように思えます。納豆嫌いの人がよく言うことは、あの臭いに耐えられないという理由が一番多いと思うのですが、そこまでしっかり臭うってのは余程のことじゃなかろうか。食べられるかどうか分からないものを臭ってみるというのは分かるけれど、明らかに食べられると分かっているものをそこまでしっかり臭うものだろうか。それに大概の日本人は、納豆が臭うと予め知っているはずで、だとしたら臭い事は予見できている以上、衝撃もそう大きくはないと思うのです。先般の糸引きマフィンなんかだとは前提が大いに違っているはずです。他にも余り美しいとは思えぬ茶色のつぶつぶが糸を引く絵面やぐにゅりとした食感など個々の要素を切り出すとそりゃまあ嫌いでも仕方ないかと思ってしまいそうになります。実際ぼくももともとは好きだったのがちょっとした出来事で嫌いになって、十年近く経って食べてみたら案外美味しいと思えたなんてこともあり、好き嫌いなんてのはほとんど表裏一体なんだろうなあと思わされたものです。納豆バターごはん【材料】ごはん・納豆・バター・醤油 適宜【作り方】1. 茶碗にごはんを盛ってバターを埋めて溶かす。醤油をふって納豆をのせる。 納豆が好きでバターも好きって人でも両者を組み合わせることに不気味さを感じてしまう人だっているかもしれません。ぼくにとっては何も驚くに当たらぬ組合せで想像通りに美味しかったのでした。焼き納豆丼【材料】ごはん 1膳分/納豆 1パック/卵 1個/サラダ油 適宜/鰹節 3g/めんつゆ 大さじ1【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して納豆をドーナツ状にのせる。中央に卵を割り入れて焼く。丼にごはんを盛って納豆卵、鰹節をのせ、めんつゆをかける。 納豆に熱を通すことに抵抗を覚える人がいるかもしれません。実際、冷蔵庫から取り出したものとは比較にならない程に臭う訳ですが、ぼくはちっとも気になりません。この痛風持ちにはリスキーなレシピ、悪くはなかったけど、手間を掛ける程のものとは思えませんでした。納豆そば【材料】そば(茹でる/冷水で洗う) 1人前/納豆(タレ、練り辛子を混ぜる)・長ねぎ(小口切り)・揚げ玉・そばつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそば、納豆、長ねぎ、揚げ玉を盛ってそばつゆを注ぐ。 これはあえてここで書く程のものでもないけれど数合わせのためにのせておきます。パスタやうどんなど麺類と納豆の組合せは多いけれど、ぼくは実は余り好きじゃなかったりするのです。納豆にはやはり米の飯こそ最強のパートナーであるようです。納豆ピザトースト【材料】食パン(6枚切) 1枚/ピザソース 大さじ2/納豆(タレを混ぜる) 1パック/長ねぎ(細切り) 3cm/溶けるチーズ 30g【作り方】1. 食パンにピザソースを塗って納豆、長ねぎ、溶けるチーズをのせる。トースターで焼く。 と、ごはんと納豆の相性がいいと書いたばかりでありますが、実はパンともよく合うと思っています。この組合せに限らず、ぼくの親は野菜炒めでも何でもパンにのせて食べていたので、それに倣って育ったぼくもパンと納豆は定番の食べ方でしかありません。これ程面倒なことをせずともバターを塗ったトーストに辛子を利かせたタレを加えて混ぜただけの納豆をのせただけでも十分に美味しく思えるのでした。
2023/12/28
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池袋駅の北口エリアの変貌が著しい。チャイナタウン化が着実に進行しているようです。確かに訪れるたびに以前は見掛けたことのなかったような店舗が増加しているようです。でもまあ漫然と周囲を見渡しながらも呑みたい気持ちに後押しされて気持ちが逸っている限りにおいては、ニュース番組なんかで取り上げられるほどの激変が町を侵食しているとは思えぬのです。実態は驚愕すべき状況となっているのかもしれませんが。でもまあ今回書きたいのはチャイナタウン化の現況などではなく、中華料理店の集中するエリアの一画をなしている平和通りのことなのです。というのは、馴染みがあるといえばあるこの通りによもやこんな立派なサイトがあるなどとは知りもしななかったのです。池袋平和通り商店街https://ikebukuro-heiwadori.jp/江戸時代、このあたりが池袋村と呼ばれていた頃、新宿から板橋宿へ向かう街道がありました。古地図を確認すると、それが今の池袋平和通り商店街だと分かります。当時、道の四つ辻には、行き交う人の安全や街道で行き倒れた方の供養のために石地蔵が置かれていました(現在は重林寺に移設)。また、池袋の森に湧いていた湧水に石橋がかかっていました。このような歴史地理的由来も商店街として発信していきます。 へえ、そう聞くとこの古馴染みの商店街もそれなりの歴史があったんだなあとこれまで物騒なイメージばかりが優先していたこの通りにも愛着がわいてきます。またこの商店街を象徴する施設である池袋の森の来歴を知りいつか訪れてみたいと思うのでした。にしても加盟店舗一覧を眺めているだけでは、この通りが中華料理店に侵食されつつあろう事はとても窺い知ることはできないのでした。「太陽城 池袋」のあった場所には、以前「CAFE MA Maison」がありました。って実は入ったことはなくって、この通りにしてはちょっとシャレた感じの店だなあなんて思っていたけれど、この新しい中華料理店はかつての上品さはすっかり消し飛ばされてとんでもなくデーハーな外観を獲得したのでした。デーハーが昂じるとキッチュさを呈するものでありまして、キッチュな物件を好むぼくとしてはそれだけで入ってみようと思うに足る理由なのであります。店内も外観に負けず劣らずのギンギラ装飾で満たされていて気分までもがギラギラの高揚感に浮き立ってくるのでした。オオバコに7割程度埋まった客の大部分が中国人らしいことも異国情緒を漂わせています。でもこの内装では、中国人が多いといえど果たして中国風の情緒があるかとなるとこれは無国籍であるなあという結論に達するのでした。そんな店では日本語が通じぬ場合もあるようですが、こちらは幸いにも注文に関してはタブレット型タッチパネル式注文システムを採用しているので安心です。こういうオオバコ酒場だから可能と思うと、ぼくのような初心者にとってはありがたい。こういう店で知ったかぶりで闇雲にオーダーして痛い目に遭うのは避けたいですから。セレクションはじっくりと、でも同行者2名がぼくが望むような日本人にはキツそうな品には露骨に忌避感を示すので、思ったような注文はできなかったのが残念でした。こうした店に来るなら食に対して抵抗感の薄い人と来るべきでしたね。まあぼくにしたところで、たまたまヤバイ食べ物に関する本を読んでいるところだったので、日本で食用されることの少ない肉類、魚類、昆虫類などには見境なく食べるというだけの気概はなかったのですが。ところがなんでもないはずの水餃子を食べていると最初はそうでもなかったのが段々と何かいけない臭気を感知したのです。そうなるともういけない。どれを食べても見知らぬ食材からできてるんじゃないかと思えてくるのです。以前は好奇心の赴くままに、ぼくのゲテモノ耐性の範囲内であれば何だって食べてやろうと思っていたけれど、年を取って懐疑的になるとつい食品の安全性を懸念するようになってしまうようです。残り僅かの人生だから何だって食べてみようから、残り僅かの人生だから無茶をせずに過ごそうって気持ちへシフトしつつあるのかもしれません。
2023/12/27
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北大路魯山人著「美味い豆腐の話」という文章があります。くどくどと述べる前にまずは引用します。-- 東京は水の悪いことが原因してか、古来、豆腐の優れた製法が研究されていない。そんなわけで、昔も今も東京で美味い豆腐を食べることはまず不可能だ。それに、よい豆腐を美味く食うための第一条件であるいい昆布が、東京では素人の手に入りにくいから、なおさらむずかしい。 それなら、京都の豆腐は今なおどこでも美味いかというと、どっこい、そうはいかない。今日では水明の都でも、水道の水と変わり、豆をすることは電動化して、製品はすべて機械的になってしまったのみならず、経済的に粗悪な豆(満州大豆)を使うようになったりなどして、京都だからとて、美味い豆腐は食べられなくなってしまった。 良水に恵まれ、原料としての大豆を選択して、製法は飽くまでも機械にたよらず、人力で努力することによって、私もすばらしい豆腐をつくれるようになった。豆腐そのものがよいから、生の豆腐にいきなり生じょうゆをかけて食べても、実に美味い。あえて煮るまでもない。焼き豆腐はいうに及ばず、揚げ豆腐に拵えても、飛竜頭に拵えても、これが豆腐かと疑われるばかりに美味かった。湯豆腐に舌鼓を打って楽しまんとする人は、こんな豆腐を選ばなくてはならない。-- なんとまあ面倒な人でありますねエ。そりゃまあきっと美味しいのだろうけれど、果たしてぼくが魯山人の豆腐とそこそこ高級な豆腐を食べ比べてみたとしてどちらがどちらと言い当てる自信は微塵もないのです。結局本当に美味いものの良さが分かるのは普段から美味いものばかり食べている人に限られるのであって、せいぜい頑張っても1丁200円を奮発できる程度のぼくでは永遠に魯山人の豆腐の良さは理解できないのだろうなあ。皮肉でもなく卑屈になる訳でもなくそう思うのです。そう思えるきっかけとなったのは、伊勢の老舗酒場「一月家」で湯豆腐を食べてからの事。余りの旨さにケチな根性のぼくがあっという間に一皿平らげた後にすぐさまお替りしてしまったことからもその感激は分かっていただけると思うのです。店の方にこれは特別な豆腐を使っているのかと尋ねたら、いつもの豆腐屋さんが休業しているので他所のものを使っているとの回答でした。ゆっくりと火を通して、掻き立ての鰹節をたっぷり使うのがコツですねとある意味身も蓋もない答えを頂いたのでした。とはいえ未だにあの味わいには遠く及ばないのではあります。白い麻婆豆腐【材料】絹豆腐(1cm角) 1丁/豚ひき肉 80g/ごま油・小麦粉 大さじ1/鶏がらスープの素 小さじ2/水 50ml/柚子胡椒 小さじ3/青ねぎ(小口切り)・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにごま油を熱して豚ひき肉、小麦粉を炒める。絹豆腐、鶏がらスープの素、水を加えて3分煮る。柚子胡椒を加える。皿に盛って青ねぎ、胡椒を散らす。 予想はしていたことですが、やはり麻婆豆腐は赤いのが一番。それはもう三河島のカラフルな麻婆豆腐で知られるお店で食べて分かっていたことではないか。豆腐とツナのスパゲッティ【材料】スパゲッティ(茹でる) 150g/絹豆腐 1/2丁/ツナ 1/2缶/わさび・大葉(千切り)・刻みのり 適宜/めんつゆ 大さじ2【作り方】1. ボウルに絹豆腐、ツナ(油も)、わさび、めんつゆを入れて混ぜる。スパゲッティを加える。皿に盛って大葉、刻みのりを散らす。 ぼく昔からごはんだってパスタだって、そばなんかにも崩した豆腐を加えて嵩増ししていたから、こういうレシピを見てもちっとも意外に思わないんですね。豆腐を用いるのはもっぱらダイエットのつもりだったんですが、豆腐って実は量を食べるときっちり身になるものなんですけどね。ヤッコ丼(うえやまとち著『クッキングパパ』)[日本]【材料】ごはん 1膳分/豆腐 1/2丁/鰹節(糸削り)・小ねぎ(小口切り)・粉わさび(水を加えて練る)・刻みのり・醤油 適宜【作り方】1. ボウルに豆腐、鰹節、わさび、醤油を入れて混ぜる。2. 丼にごはんを盛って1.、小ねぎ、刻みのりをのせる。 上に書いた通り、豆腐とごはんの組合せはガキの頃から手抜き料理の定番でした。ねぎは飾りでしかないし、わさびはチューブで充分。より手抜きできる余地があります。豆腐ラー油丼【材料】ごはん 1人分/木綿豆腐(白だし、塩を混ぜる) 200g/白だし 大さじ1/ラー油 適宜/卵黄 1個分/ねぎ・塩 適宜【作り方】1. 丼にごはんを盛って木綿豆腐をのせ、中央に卵黄をのせる。ねぎ、ラー油を散らす。 これまた似たようなレシピです。卵黄でコクを増していますが、なくてもいいんじゃないかな。卵黄のみ使うレシピってよく見掛けるけど、そういう人たちって白身はどうしてるんだろうといつだって思ってしまいます。メレンゲにするっていってもねえ、そうは食べられるものでもないし。近頃は最初にごはんと混ぜてチンして無駄なく食べる事にしています。
2023/12/26
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古川緑波に「ああ東京は食い倒れ」という短いエッセイがあって、戦後になって、都内で増加した食い物屋として、お好み焼屋が挙げられています。-- これとても、戦前からあったものに違いないが、その数は、戦前の何倍に及んでいるか。兎とに角かく、やたらに、お好み焼屋は殖えた。腹にもたれるから、僕はあんまり愛用はしないが、冬は、何しろ火が近くに在るから、暖かくていい。-- 戦後に東京にお好み焼屋が増加したのは、どういった理由からなのかは、よく分からないけれど、推測するに食糧不足の折、この食べ物は最低限、メリケン粉がありさえすればあり合わせの材料で作れてしまう、だけど家でやるには鉄板なんかが必要だから外で食べるしかなかったなんてところじゃないんでしょうか。-- お好み焼屋のメニュウは、まことに子供っぽく、幼稚だ。そして、お好み焼そのものも、いい大人の食うものとは思えない。が、これが結構流行るのは、お値段の安直なことによる。 そうは言っても、お好み焼にも、ピンからキリまであって、同じ鉄板を用いても、海老や肉を主とした、高級なのもある。むろん、そうなると、安くはない。 お好み焼は、何と言っても、材料の、メリケン粉のいいところが、美味いし、腹にも、もたれないから、粉のいいところを選ぶべきである。--「お値段の安直な」というけれど,ぼくが知る限りにおいて東京のお好み焼きは総じてお高いような気がします。かつて住んでいた和歌山もそうですが、関西方面はもっとずっと安かった。それこそたまにではあるけれど、小遣いで友人たちと食べに行ける程度には安かったと思うのです。最近の少なくとも都内の店は気取ったお好み焼き屋はやたらと豪華な食材を使ったり、気取った内装でぼくの期待するようなお店ではなくなりつつあるようです。ロッパは子供っぽいというけれど、そしてその意見には反対こそしないけれど、酒が伴いさえすれば十分に酒の肴と成り得ると思うのだけどなあ。無論ちょっと食べ過ぎちゃっただけでも酒すら喉を通らなくなるから頼み過ぎには十分注意が必要なのは言うまでもありません。 西日暮里に「大阪のおばちゃん」というお好み焼き屋があります。以前から気にはなっていましたが、どうもお好み焼き屋に独りで行くのは気が引けるのと店名がどうも好きになれなかったのです。前者はお察しいただくとして、ぼくはどうも関西圏の人たちが自らをおっちゃんだったりおばちゃんって称するのが気持ち悪いのです。ちゃんという甘ったれた響きや気安い雰囲気を装ったところがどうにも我慢ならぬのだ。しかしまあそんな感覚はきっと関西の人は分からないんだろうなあ。実際に来てみたらお好み焼きを食べたりそれで酒を呑んだりするのに店名なんて関係ないんですね。さて、外観より広々とした店内の奥の座敷に早速通されました。お好み焼きを食いに来たから早速注文しようとしたら、混み合ってるからしばらくお待たせすることになるので何か焼き物はどうだと仰る。それじゃまあとゲソ焼きを注文。3名で食べるにはいかにも控えめな量です。しばらくして豚玉と牛スジ入りの2つが届きます。しっかり混ぜてねとおばちゃんと呼ぶにはお若い女性から手渡されます。いつも思うんですけど、お好み焼きカップってどうしてこんなに小さいのかなあ。以下の記事を見つけました。樋口直哉氏が解説してますね。メシ通 「小さな器で生地を混ぜるには理由があった!大阪風お好み焼きを家庭で上手に作る方法を料理研究家に聞く」https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/kin-masataka/2021-00676 樋口氏曰く、「生地と具材をよく混ぜてしまうと、せっかく空気が入るようにカットしたキャベツの間に生地が入り、生地の中の空気が抜けてしまいます。全体に空気を含ませるように軽く混ぜ合わせた状態で、すぐに焼き始めるのが重要なんです。/あとは同様の理由で、1人分ずつ小さな器などに入れて作った方がいいですね。」 確かに空気を含ませるっていうのはよく言われることですね。それを知ってか知らずか、ぼくがより混ぜにくい牛スジ入りを律儀にきっちり混ぜているのをよそ眼に、もう一人は不器用に混ぜていていかにも危なっかしい。口だけは出す残りの一人がそんなもんで十分だよって言った言葉をおばちゃんは聞き逃さなかったのです。全然ダメダメと言って自らしつこいくらいに丁寧に混ぜるのでした。樋口氏の解説とは真逆ですね。そして鉄板にのせると高さ5cmほどにもなろうかという程に分厚くのせて焼き出すのでした。随分時間が経ってからそろそろかしらとひっくり返しに来ました。おお、いい具合です。牛スジ入りをぼくが裏返すと生地が割れて見るも無残な姿になるのでした。慌てておばちゃんが戻ってきて修復してくれます。これ位なら対処できると誠に心強い。さすがに我々のダメダメぶりを見て、こいつらは面倒を見ないとどうにもならぬと諦めたのか最後まで仕上げてくれました。所要時間は15分程度は掛っただろうか。もう待ちくたびれてしまいましたよ。ところが食べてみてびっくり。これが実に旨いのですね。空気の含有量がどの程度かは分からぬけれど、食感もふっくらとしていてちっとも硬い感じは受けません。驚く程に美味しくてさっきまで何度か叱られてむくれていたことも酒を呑むのも忘れて一心不乱に食べてしまいました。いかんなあ、こんなに美味しいのを食べてしまっては、またすぐに食べたくなってしまいそうです。程々に美味しい程度だともう当分お好み焼きは食べなくてもいいかなってなるんですけどね。これじゃあしばらくはダイエットは無理そうです。
2023/12/25
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先日、本格派のちゃんとしたそばを食べました。ぼくは本格的なそばも好きですが、ぐだぐだの立ち食いそばも美味しいと思える方だし、自分で茹でる乾麺だって十分に旨いと思えるのです。でもいざ、手打ちの真っ当なそばを食べてしまうと、そうした言葉の欺瞞を自覚せざるを得なくなるように思えるのです。本当にそうした立ち食いや乾麺のそばが美味しいのなら、あれほど多様なトッピングだったり、大量の唐辛子は不要であるはずです。手打ちのそばが、様々な工夫をせずともそばそのものの旨さで十分に堪能できてしまうということは、やはり結論としてはそば好きを自称するのであればちゃんとした手打ちのそばに最終的には行き着くものだろうということです。しかし、そうしたそばはお値段も相応に掛かるものでありまして、平均的なサラリーマンたるぼくとしましては、そう毎日食べるという訳にはまいらぬのです。という訳で致し方ないので、立ち食いすらかつての手頃さを失いつつある現状では、乾麺を自ら茹でて冷蔵庫のあり合わせの食材を用いて、飽きることのないように工夫することになるのです。日々食べているそばを列記することにします。あえてレシピ化するまでもないのですが、この一連の連載めいた報告の形式上、一応添えておくことにします。ようやく寒い朝も多くなり、師走の到来を予感させる季節になったので、温かいそばが中心となります。とろろ昆布そば【材料】そば(茹でる) 1人前/そばつゆ・とろろ昆布・青ねぎ(小口切り)・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってそばつゆを注ぎ、とろろ昆布、青ねぎ、一味唐辛子を散らす。 子供の頃からとろろ昆布が好きでした。最近はあまり美味しいと思えなくなりましたが、それでも時々食べてみると悪くないなあと思うのです。やはりとろろ昆布は味噌汁や吸い物と合わせるのが好きなのだろうなあ。そばにのせると蕎麦自体が啜りにくくなるというデメリットが勝るようです。白菜漬けそば【材料】そば(茹でる/冷水で洗う) 1人分/白菜漬け(一口大)・そばつゆ・揚げ玉・わさび 適宜【作り方】1. 皿にそばを盛ってそばつゆを注ぐ。白菜漬け、揚げ玉をのせてわさびを添える。 白菜漬けを刻んだそばを随分以前に食べて美味しかったと思った記憶があるのです。以降、思い出したように試しているのですが、どうしたって初回時の旨さに辿り着けていないのです。昔はどうやって食べたんだろうなあ。白菜漬けそば【材料】そば(茹でる) 1人分/白菜漬け(一口大)・そばつゆ・揚げ玉・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってそばつゆを注ぐ。白菜漬け、揚げ玉をのせて一味唐辛子を散らす。 続いては、温かいそばに浮かべてみました。う~ん、温度の違いが理由ではなかったようです。もしかして炒めたりしたのかなあ。そんなことはないかなあ。キムチそば【材料】そば(茹でる) 1人前/そばつゆ・キムチ・揚げ玉・青ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってそばつゆを注ぎ、キムチ、揚げ玉、青ねぎを散らす。 これは同じ白菜漬けでもキムチです。キムチもそばと合うような気がしていたけれど、キムチって実はごはんは当然のこと、食パンなんかにも相性がよくって、そばと合うのは不思議でもなんでもない。でもあらゆる食材はキムチの強烈な風味に負けてしまうから何だってキムチがメインの座に居座ることになります。白菜そば【材料】そば(茹でる) 1人前/白菜(ざく切り/茹でる)・揚げ玉・そばつゆ・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってそばつゆを注ぎ、白菜、揚げ玉をのせる。一味唐辛子を散らす。 柔らかく茹でた白菜って美味しいです。もしかすると上記の白菜漬けよりも淡泊に茹でただけのほうがそばには合うのかもしれないです。さらなるアレンジを加えることもできそうですが、あまり工夫しすぎるとその優しい風味を損ないそうです。豆腐味噌汁そば【材料】そば(茹でる) 1人前/【味噌汁(鍋で加熱する)】豆腐(1.5cm角)・長ねぎ(小口切り)・だし・味噌 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛って【味噌汁】を注ぐ。 そばと味噌汁は滋味深い素朴さでどこか相通じるところがある気がします。けんちん汁でそばを食べる地域がある位ですからね。けんちん汁も無論いいけど、そういつでも作るものじゃないから、普段の味噌汁でもそばを食べるには支障なく美味しくいただけます。個人的にはナスの味噌汁がとりわけお勧めです。キャベツそば【材料】そば(茹でる) 1人前/キャベツ(短冊切り)・揚げ玉・そばつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそば、キャベツ、揚げ玉を盛ってそばつゆを注ぐ。 ニラそば、大根そばがあるんだからキャベツそばがあっても不思議じゃないと思うのですが、なぜか名物となるまでには至っていないようです。ニラそばほどのパンチはありませんが、大根そばよりはむしろ好きなんですけどね。ほうれん草そば【材料】そば(茹でる) 1人前/ほうれん草(茹でる/4cm幅)・揚げ玉・そばつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそば、ほうれん草、揚げ玉を盛ってそばつゆを注ぐ。 前者と同様にほうれん草だってそばとよく合うはずなのにどういう訳か地方の名産とは成り得ていないようです。せりとか青菜系はどれも抜群においしいと思うんですけどね。大根葉そば【材料】そば(茹でる) 1人前/大根葉(茹でる)・長ねぎ(小口切り)・揚げ玉・そばつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそば、大根葉、長ねぎ、揚げ玉を盛ってそばつゆを注ぐ。 大根葉そばはさすがに貧乏臭くて名物とは成り得ないでしょうけど、ネット上にはいろいろレシピがあるようです。パスタとの組合せも多いですね。おでんそば【材料】そば(茹でる) 1人前/おでん(残り物)・揚げ玉・練り辛子・そばつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそば、おでん、揚げ玉を盛ってそばつゆを注ぎ、練り辛子を添える。 おでんそばは実際に提供されている店舗も時折あるようです。ぼくもこれは昔からよく作っていて、酒の肴と食事を同時に取れるという合理性もさることながら、練り辛子をそばと組合わせるという普段やらない食べ方も自然と試せるという利点もあります。案外練り辛子で食べるそばも美味しいのですね。
2023/12/24
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ご存じのようにニラは漢字で「韮」と書きます。この文字の成り立ちは、地面に生い茂ったニラそのものをイメージしたものだということです。思った通りではありますが、だとしたら下から上に生える様子を模せばいいのにと思ったりもするのですが、文字の美観やバランスでこうなったんでしょうか。どうも漢字の成り立ちっていうのはちょっと無理があるんじゃないって子供の頃から漢和辞典を眺めるたびに感じていました。まあそんな因縁を付けたくなるのが、常々、漢字ってここまで必要なんだろうかという疑問があるからです。この「韮」にしたところで、現在、社会生活を送る上では「ニラ」とカナに開いて記述するのが一般的に思えます。地名や人名など、固有名に用いるのはまだ分かるけれど、一般名詞としてはまず用いることもないと思うのです。今こうしてPCで漢字変換しているから打てていますが、打てることと書けることは大違いです。ぼくには感じが必要以上に数多く存在しているように思えるのです。仮に常用漢字2,136字、人名用漢字863字、その合計2,999字が覚えておくべき漢字だとするとこれだけ覚えるのは非常に厳しい。実際、普通に生活していては生涯出会うことのない感じも少なくないんじゃないだろうか。出会う可能性の希薄な文字は排してしまってもそれ程に支障はないんじゃないのかなんて思うのです。無用なものは廃すべきという考えが全てではないということも分かるんですけどね。ついさっき2,999字が多いと書いたばかりですが、それならいっその事、「韮」よりもより適切でシンプルな「ニラ」を意味する漢字を創作して作ることに勢力を集めてみるのがも。ニラだれ【材料】ニラ(みじん切り)・酢・醤油 大さじ5/豆板醤 小さじ1【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 ニラというのは、通常は薬味とは見做されない食材ですが、実際には野菜というよりは薬味に近い食材のような気がします。それはこうした調味料を作るとより強く感じられます。水晶鶏[中国]【材料】鶏肉(胸/酒、塩、片栗粉をまぶす) 1枚/片栗粉 大さじ2/酒 小さじ1/塩 小さじ1/2/【ニラダレ(混ぜる)】ニラ(茹でる) 1/2束/生姜 15g/醤油 大さじ1.5/ごま油 大さじ1/2/赤唐辛子(輪切り) 適宜【作り方】1. 鍋に湯を沸かして鶏肉を茹でる。皿に盛って【ニラダレ】を添える。先のニラだれのヴァリエーションになります。さっぱりとした鶏肉にニラだれのコクが絡まって実にふくよかな味になります。どちらかというと重層的に味を重ねるイメージのある中華料理ですが、こうしたシンプルな料理にも中華料理の一方の神髄が感じ取れるような気がします。ニラだれ奴【材料】絹豆腐 1/2丁/ニラだれ 適宜【作り方】1. 皿に絹豆腐をもってニラだれをかける。 豆腐のようなシンプルで淡味な食材にはこのたれはよく合います。でも最近めっきり冷え込んできたこともあって温奴の方が美味しそうかもなんて思うのです。今晩早速試してみようかな。ニラだれそば【材料】そば(茹でる/冷水で洗う) 1人前/ニラだれ 適宜【作り方】1. 皿にそばを盛ってニラだれをかける。 ニラそばは主に栃木で好んで食べられていてぼくも大好きな食べ方ですが、こうしてニラのエキスをきっちり抽出してしまうとちょっと癖が強く感じられてしまいます。これもいいけど、シンプルにさっと茹でたニラをそばにのせて食べる方がいいような気がします。ニラパスタ(和田明日香)【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/鶏ひき肉 100g/ニラ(1cm幅) 1束/トマト水煮 1/2缶/クレイジーソルト 小さじ2/粉チーズ 適宜/オリーブ油 大さじ1【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して鶏ひき肉を炒める。トマト水煮を加える。水を加える。クレイジーソルトを加える。スパゲッティを加えて煮る。火を止めてニラ、オリーブ油を加える。皿に盛って粉チーズを散らす。 レシピがあったので作ってみました。どことなく焼きそばっぽい材料と仕上がりですが、食べてみるとやはりパスタなのがなんか不思議に思えました。でもこれ、スパゲッティよりもごはんと絡めた府おが美味しいような気もします。
2023/12/23
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松平誠著『ヤミ市 幻のガイドブック』に池袋東口の戦後すぐのヤミ市の状況についての記載があります。もっとも、高等師範の学生星野朗が一九四六年に調査した池袋の場合には、東口ヤミ市の店舗二八五軒のうち、呑み屋や甘味屋を除く食べ物屋は、わずか二〇軒しかない。圧倒的に多いのは、やはり呑み屋の一二三軒。甘味屋も一六軒しかない(星野朗・松平誠「池袋『やみ市』の実態」『応用社会学研究』二五号、一九八四年)。 「池袋は、その点渋谷に似て、呑み屋中心のヤミ市だったということができる」と結論付けているように西口も含めて池袋の戦後は呑み屋を中心としたヤミ市から発展を開始したということのようです。東口では文芸坐2やミカド劇場のあるエリア、西口では東武と西口公園に挟まれたエリアに今でも辛うじてヤミ市の残滓を窺うことができます。東口にマーケットが誕生したのは、1946年頃からということですが、その歴史は短命であり、49年頃には閉鎖が始まり、50年代半ばにはほぼ取り壊されてしまったということです。そんなヤミ市の衰退を見守りながら開店したという酒場が今でも営業を続けています。 ジャンボ餃子で知られる「開楽」の創業は1954年ですが、その並びにある「大衆酒蔵 バッカス」は1951年創業と看板に記されています。「開楽」はすっかりモダンな店舗へと様変わりしましたが、「バッカス」は幾度かの改装はあったと思いますが、ぼくがこの酒場を知ってからはそのままの外観を保っていると思われます。でもこれまで10回程度はお邪魔しているはずなのに店内の印象が皆無なのです。なので、表からの見た目が変わっていないことは覚えていても店内のことはまるで覚えていないのだから不思議なものです。前回来て以来5年が経っているようですが、たった5年前の記憶すら思い出せないのは、ここで呑むのが大概それなりに酔っ払ってからやって来ているからということが大きいと思えます。何しろ駅から至近で利便性がいいから、ついあと少し呑みたいって時に利用することになるのでした。そんなだから店内の景色は案外平凡だなあ、値段は安くはないなあとか結構若い客で賑わっているなあ、特段品書きに変わったところはないのだなあといったことをいちいち再確認することになるのです。それでもまあ店の歴史が70年を超えているってことを思うと、やはりそれはかなり凄いことのように思えるから特段語るべきことがなくともまたいつかお邪魔するまで壮健であられることを祈念してしまうのでした。
2023/12/22
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「私のは三月目でおろしてしまったのよ。だって癪にさわるったらないの。私は豊原の町中でも誰も知らない者がないほど華美な暮しをしていたのよ。私がお嫁に行った家は地主だったけど、とてもひらけていて、私にピヤノをならわせてくれたのよ。ピヤノの教師っても東京から流れて来たピヤノ弾き。そいつにすっかり欺されてしまって、私子供を孕んでしまったの。そいつの子供だってことは、ちゃんと判っていたから云ってやったわ。そしたら、そいつの言い分がいいじゃないの――旦那さんの子にしときなさい――だってさ、だから私口惜しくて、そんな奴の子供なんか産んじゃ大変だと思って辛子を茶碗一杯といて呑んだわよふふふ、どこまで逃げたって追っかけて行って、人の前でツバを引っかけてやるつもりよ。」 なんとも壮絶な話であります。辛子を茶碗一杯呑んで中絶するとはねえ。その効果のほどは確認していないけれど、大した女傑であります。この文章の出典は、林芙美子著『新版 放浪記』であります。林芙美子って人は余程辛子に対して執着があるらしく、この一篇に辛子が8回も登場するのです(うち1回は唐辛子です)。以前も引いた『朝御飯』というエッセイでも酢漬けの胡瓜に「辛子をちょっとつけて、パンをむしりながら砂糖のふんだんにはいった紅茶をすするのも美味い」と述べていました。ほぼ同時期に生を受けて同じ年に死んだ宮本百合子もまた作中に辛子を導入していますが専ら形容詞的用法であり、食品としての辛子は『日記 一九二九年(昭和四年)』に「ネギをきざんで、納豆もきざんで辛子をつけてショーユをかけたらどんな味だろう。美味い、きっと。」がある程度のようですが、きっと辛子が好きだったんだと思います。辛し好きの激しい気性の2人(森まゆみは、『女三人のシベリア鉄道』(集英社, 2012)で与謝野晶子を含めた3名の旅を辿っています)は、文学全集が編纂されると必ずといっていい位、ペアリングされますが、それも非常に合点がいってしまうのです。小松菜の辛子和え【材料】小松菜(茹でる/冷水にさらす) 1袋/【調味料】めんつゆ ・練り辛子・すりごま 適宜【作り方】1. 全ての材料を和える。 何だかんだと無理矢理ネタを拾ってきましたが、辛子を前面に押し出したレシピってなかなか見つからないんですね。なので定番の辛子和えです。すりごまを加えてちょっとコクをプラス。まあ、こういう何でもないのが悪くないなと思える年頃になったのだなあ。木綿豆腐の辛子海苔巻き【材料】木綿豆腐(水切り/一口大) 1/2丁/溶き辛子・のり・濃口醤油 適宜【作り方】1. 豆腐に辛子をのせてのりで巻く。醤油を添える。【備考】dancyu 「からし豆腐から発想した、巻きながら味わう「木綿豆腐のからし海苔巻き」」https://dancyu.jp/recipe/2023_00007520.html ちょっと変わったところで豆腐に辛子の組合せ。岐阜県を中心に実は結構あちこちで食べられますね。横須賀の「銀次」の湯豆腐のことは居酒屋好きには言わずもがなですね。久しく忘れていましたが確かにいい食べ方です。芥末墩(白菜の辛子和え)[中国]【材料】白菜(葉/5cm幅/糸で縛る/熱湯に浸す)・酢・砂糖(練り辛子の半量)・辛子粉(ぬるま湯で溶く)・ぬるま湯 適宜【作り方】1. タッパーに白菜を入れて練り辛子を塗る。砂糖をまぶして酢を注いで5日間漬ける。 慌てて今回これを書くことにしたのが、白菜と辛子の意外な組合せのこのレシピを見つけたからです。早速試したのですが、これが意外やちょっとした箸休めに案外良かったのです。ロール状に縛るのが面倒ならタッパーに切り口を上に向けてキュウキュウに詰めて作れば良さそうです。
2023/12/21
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ほとんど本題とは関係のないことをまずは書かせていただきたい。というのが、Google Mapで起点と終点をチェックすることで経路検索ができて最短ルートを表示できます。これは皆さんよくご承知ね。でもこの検索結果が時折とんでもなく出鱈目だったりすることに憤った経験がある方はどの程度おられるだろうか。そりゃまあ見た目には明らかに最短距離でも坂道のアップダウンを無視したルートなど教えられてもちっともありがたくない。また、起点を駅にした場合、駅舎の出口が目的地とは線路をまたいだ反対側からルートが伸びていたりすることがあるのだ。そんな結果を見てしまうとその駅舎には出口が一方にしかないものと思い込んでしまい逆側の出口があることを見落としてしまうのだ。駅舎に近接して踏切があるようであればまあさしたる被害が及ぶわけでもないけれど、時としてこれが理由で店が閉店してしまったり、満席となって入れずじまいとなったりすることを案外たびたび経験しているのだから何とも腹立たしい。先般、それなりに地の利はあるものの、駅から10分程度の場所にある酒場に同伴者とともに向かうということがありました。一人なら記憶を頼りに向かうところですが、それなりに気を遣う(奢ってくれる)人が一緒となると道に迷ってはならないという気にもなります。さてそこを目指して地図に従って歩いたのですが、普段使うルートと明らかに違っているのです。最初こそ、へえ、こんなルートがあるんだと感心しながら向かうのですが、どう考えても遠回りな気がする。最終的には何とか記憶を頼りに辿り着けたけれど、全くAIがどうのって騒がれてるけど、実際にはまだまだ満足に足るものではないなあ。なんて思ったものですが、改めて検索してみると明らかにぼくの地図の読み方に誤りがあったのでしたというこれまでの長文を裏切る結論に至ったのでした。ぼくの人生には地図だけでなく羅針盤も必要なんだなあ。 と無理矢理今回お邪魔した本郷三丁目の「羅針盤」について書く準備が整いました。店名こそ所謂方位磁針でありますが、店そのものの場所は春日通と中山道の交錯する本郷三丁目の交差点の交番裏手だから分かり易いことこの上ないのです。まあ羅針盤が目立たぬというのは使い勝手が悪いから便利な場所にあって当然なんだろうなあ。でもそんな場所にありながら見逃す人は見逃しちゃいそうな地下のお店なのです。前々から気になっていましたが、どうも後回しにしてしまいようやくの入店となります。洋風居酒屋って雰囲気がまあ本郷っぽい気はしますが、独りで呑みに来るにはちょっと違和感があります。広いスペースに終始ぼく独りだったのもそんな気分を高めます。結局店にいる間中、聞こえてくるのはここのママさんが入ったばかりのアルバイトの留学生にちゃんとノート取りなさいあなどと厳しく指導している声ばかりだったのです。さて、とりあえずホッピーを注文して品書きを眺めます。お通しの枝豆を摘みつつなおも眺めると、牧場などという謎のメニューがあって当店のお勧めとあります。気になったので店の方に尋ねるとハンバーグ見たいなって何だか言葉を濁すのです。面倒だから頼むことにしました。しばらくして登場したのは、まあハンバーグ状ではあるけれど、ちょっと不可思議な食感がありそうな物体でした。早速いただいてみます。コンビーフが練り込まれているのは確認できますが、不可思議なふわふわ食感なのです。コンビーフ以外の食材はなんなんだろうってじっくり味わって食べつつ呑むと結構これだけでお腹が溜まります。勘定する際にママさんにあれは一体どういう材料で作っておるのだ、じゃがいも、チーズ、豆腐なんかを挙げて見せるが違うという。牧場の材料についてはこれまで多くの東大関係者がその謎に迫ったけれど目の前で作ってみせても当てられた人はいないとのことです。俄然当ててみたくなった。で今思い付いたのがハンペンが使われてるんじゃないかって推理だけど違ってるかなあ。
2023/12/20
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肉じゃがという料理の最低条件は、肉とじゃがいもが入っている煮物であるということだけだとすると、実はかなり自由度の高い料理といえそうです。味付けも醤油と砂糖の甘じょっぱいのが基底になっていて酒とみりんで旨味とコクを加えるのがオーソドックスな調味料でしょうか。でもこれにトマト水煮を足してトマト風味にしたり、カレー粉を足してカレー風味にしたりもありますし、全く別なコンセプトで塩味の肉じゃがなんてのもあります。具材もニンジン、玉ねぎ、しらたき、絹さやなどが定番なんでしょうか、入っていてもいいけど、なくてもまあ成り立ちはするかなってところでしょうか。ぼくは後述する理由から玉ねぎはマストですけど。最低条件の肉にしたって牛肉か豚肉かという論争を尻目に鶏肉を用いるレシピもあったりします。ぼくは肉の種類はどれもありだと思っていて、さほど拘りはなかったりします。それよりも拘りたいのが煮汁の量です。これに関してはごはんのおかずにするのであれば、汁気の多寡もどちらもありという気がするけれど、酒の肴の場合は間違いなくほぼ煮汁がなくなるまで汁気を飛ばしたほうを選びます。というか、きりっと甘くてしょっぱいが同居する汁気のないものが酒が格段に進むような気がします。そこで活躍するのが玉ねぎでありまして、もう語らずともお分かりでしょうが、玉ねぎの汁気と醤油、酒、みりんの水分だけで煮るということですね。この場合は追加する具材もしらたき程度が望ましかな。ほとんどすき焼きみたいなものです。だったらきっと溶き卵と一緒に食べると美味しいんだろうなあ。今度試してみよう。肉じゃがトースト【材料】食パン・肉じゃが(潰す)・溶けるチーズ 適宜【作り方】1. 食パンに肉じゃが、溶けるチーズをのせてトースターで焼く。 どこかのレシピで見掛けたので作ってみました。まあねえ、悪くはないのですが、いかにも凡庸で面白味がないですね。肉じゃがそば【材料】そば(茹でる)・肉じゃが・小松菜(3cm幅/茹でる)・そばつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってそばつゆを注ぎ、肉じゃが、小松菜をのせる。 これまた非常に単純なアレンジですね。肉を甘辛く煮付けたのをのっける肉そばに変化球程度の違いがある程度。肉じゃが丼【材料】ごはん 1膳分/肉じゃが・卵・三つ葉(4cm幅/茹でる) 適宜【作り方】1. 鍋で肉じゃがを加熱して溶き卵を注ぐ。丼にごはんを盛ってのせ、三つ葉を散らす。 これまた平凡。でもまあ肉じゃがの味付けは丼の割したそのものだからまあ旨いに決まっているのでした。肉じゃがチャーハン【材料】ごはん・肉じゃが・卵・サラダ油 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して溶き卵、ごはんを炒める。肉じゃが(具)を加える。肉じゃが(煮汁)を加える。 さらに安直。大貫純一氏なる人のレシピだそうです。甘めの味付けのチャーハンには意義もあるかもしれませんが、ぼくはまあ美味しく頂きました。
2023/12/19
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先般、西日暮里にあるという一茶庵系の「休屋」で修業したという方のお店にお邪魔しました。そこはここ数年、ほぼ連夜の如く通い詰める酒場にて話題に上っていたお店でありました。それだけではなくその蕎麦屋の二代目を継がれることとなりそうな、つまり現主人の息子さんもまた、ひと頃はよくこの立ち呑み屋に来られていて、常連たちとも顔見知りとなっていたそうなのです。どうしたものか、ぼくはその方のことをまったく認知しておらなかった訳なのですが、ご尊顔を拝見すればもしや思い出すこともあるかもしれぬと訪れたのですが、実際にお会いしても記憶が蘇ることはなかったのでした。それはまあたまたまぼくの観察力 and/or 記憶力が衰えていたことと無縁ではないかもしれませんし、そこまで自身の能力を卑下せずとも、単にぼくが主に他所へ呑みに行くことの多い金曜日にその方は訪れていたのかもしれません。そういったことを確認できるかもと期待してはいませんでしたが、仮にぼく独りでお邪魔していたらそれも可能だったかもしれない程度に空いていて、はっきり言えば我々以外には一人の客がいるだけだったのでした。 お邪魔したのは、「蕎麦吉里 童心舎」です。このお店の詳しい情報は、以下が参考になります。荒川ゆうネット 「荒川区再発見 都市観光編5「西日暮里」 > 蕎麦吉里 童心舎」https://www.city.arakawa.tokyo.jp/unet/issue/saihakken/0406/nishi02.html 参考になるとはいってもまず,一茶庵系って何なのだ。「一茶庵」って前々からよく耳にしていて、そば打ちの修行先として知られているということは薄々知っているけれど、5W1Hのほとんどに知識がないのです。足たび(足利市観光協会) 「足利で食べる 一茶庵本店」https://www.ashikaga-kankou.jp/eat/issaan なるほど足利にある大正15年創業の老舗蕎麦店なのですね。そば打ち名人・片倉康雄氏が創始、「多くの蕎麦打ち職人が同店を訪れたことが「足利詣で」と称された」のだですね。では、この一茶庵系の「休屋」ってのはどこにあるのだろう。https://tabelog.com/kanagawa/A1407/A140701/14006741/ どうやらこれのようです。ふうん、相模湖の傍にあるんですね。なんか観光地にある蕎麦屋って大概は本格的な蕎麦とは別物っていう印象がありますが、それは単なる思い込みなのかもしれません。相模湖辺りになると近隣はそば処なんだろうから競合するお店も多いでしょうしね。とまあ、そこまで知っちゃうと店の来歴調べはもういいかなって気分になりました。問題となるのはそばやそば前や酒なのであります。店の雰囲気は小奇麗ではあるけれど、風情があるって感じではないですね。瓶ビールはエビスもスーパードライも同じ中瓶で600円というのはお手頃ですがちょっと珍しいですね。通常ならエビスが50円とか100円とか高額になりそうなものです。そういう理由ではないのですが(ウソ)、エビスを注文します。天ぷら盛合せ、すごもりそば、若鳥とねぎ焼き、玉子焼き、お新香などを一気に注文しますが、どれもお手頃なのにとても美味しくてびっくり。でも最初にサービスで出してくれた紫蘇を練り込んだ代わりそばの余りで作ったらしいそば切り風の風味が抜群に美味しくひとしきり呑み食いした後のそばへの期待が高まります。日本酒は銘柄こそ2種のみですが、1合瓶が500円はこうした本格的な蕎麦屋ではかなりお安いのではないでしょうか。さて、〆のそばは迷った挙句に田舎そばを注文。これがまた手頃な価格に見合わぬしっかりとしたそばでありました。こうした気合の入ったそば屋は確かに美味しくはありますが、大概の場合、これだけ呑み食いすると値段も相当に跳ね上がることを思うと、こちらは相当に満足度が高い良店だと思います。
2023/12/18
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近頃、エディブルフラワー、つまり食べる事のできる花(食用花)が食卓に華やぎを与えるとして高級レストランなどでも提供されるようになりました。一般には皿上を飾るための素材であり、必ずしも味覚を満足させるための食材ではない場合が多いようです。世界的に広く食べられていて中国におけるニラ、金針菜の蕾、東南アジアにおけるバナナの花、イタリアなんかではズッキーニの花もよく食べられているようです。我らが日本では、ミョウガ、ふきのとうや菜の花、そして代表的な食用花が菊です。他の食用花に比較しても食用菊は、いかにも花って感じで実際観賞用としても用いられているし、しかも年中日常的にごく一般的な食材として食べられているという点で、世界的に他に類を見ない食用花ではないかと思っています。好んで花を食べようとする日本人は、貧しいのかもしれないし、食に卑しいこと著しいのかもなんて思ったりもしてしまうのです。でも実際に食用菊は、単なる飾りには留まらぬ程に旨いし、ぼくなどのようにその味に馴染んでいると時折無性に食べたくなる、それも珍味としてちまちま食べるというよりはお浸しなどでほうれん草などと同様にたっぷり食べたくなるものなのです。これで処理に要する手間がなければもっと食卓に挙げたいんですけどねえ。菊のそば【材料】そば(茹でる) 1人前/食用菊(塩、酢を入れた湯で茹でる/冷水にさらす) 1/4パック/揚げ玉・青ねぎ(小口切り)・そばつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛って温めためんつゆを注ぎ、食用菊、揚げ玉、青ねぎをのせる。 地味なそばもこれで多少なりとも華やかになります。ちょっと量が少なめだったので、風味は幾分弱いのですが、しっかり味わうと菊のほんのりとした苦味とシャクシャクとした食感が楽しめました。菊の甘酢漬け(写真左上)【材料】食用菊(塩、酢を入れた湯で茹でる/冷水にさらす) 1/4パック/【甘酢(混ぜる)】酢・砂糖 大さじ1.5/塩・醤油 小さじ1/4【作り方】1. 菊、【甘酢】を和える。 先般アップしたのと同じ写真で恐縮ですが、食用菊の最もポピュラーな食べ方を作りました。保存性も高くアレンジも効くので大目に頑張って処理して酢漬けにするのが東北人の定番です。菊と春菊のごま和え(写真上)【材料】菊の甘酢漬け・春菊(茹でる/3cm幅)・すりごま 適宜【作り方】1. 菊の甘酢漬け、春菊、すりごまを和える。 甘酢漬けに春菊のお浸しを併せて、さらにすりごまを加えてみました。これはいいなあ。彩りもいいし、食欲が増すような味です。無論酒の肴にも合います。ぜひとも日本酒と合わせたいところ。菊の甘酢漬けとゆかりの混ぜごはん(写真右下)【材料】ごはん・菊の甘酢漬け・ゆかり・ごま 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 酢漬けだけだと淡泊なので、ゆかりも加えて混ぜごはんにしました。これまた淡泊で美味しいなあ。菊と小松菜の味噌汁(写真左下)【材料】食用菊(塩、酢を入れた湯で茹でる/冷水にさらす)・小松菜(3cm幅/茹でる)・だし・味噌 適宜【作り方】1. 鍋にだすを入れて沸かし、食用菊、小松菜、味噌を加える。 実は味噌汁の具にもいいと思っています。見た目は多少犠牲となりますが、菊の風味と食感がくっきりと際立て感じられる気がします。
2023/12/17
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アスパラガスといえばマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の第1篇「スワン家のほうへ」を思い出します。この長大な物語の発端が、紅茶に混ざった一片のマドレーヌであることはよく知られるところですが、アスパラガスについて綴られた以下の文章が非常に強く印象に残っているのでした。--私は立ちどまって、調理台の上に、下働の女中がむいたばかりのグリーン・ピースが、何かのゲーム用のみどりの玉のように、数をそろえてならべられているのを見た、しかし私がうっとりしたのはアスパラガスのまえに立ったときで、それらは、ウルトラマリンとピンクに染められ、穂先はモーヴと空色とにこまかく点描され、根元のところにきて──苗床の土の色にまだよごれてはいるが──地上のものならぬ虹色の光彩によるうすれたぼかしになっていた。そうした天上の色彩のニュアンスは、たわむれに野菜に変身していた美しい女人たちの姿をあらわにしているように私には思われたが、そんな美女たちは、そのおいしそうな、ひきしまった肉体の変装を通して、生まれたばかりのあかつきの色や、さっと刷きつけられた虹の色や、消えてゆく青い暮色のなかに、貴重な本質をのぞかせているのであって、そのような本質は、私がアスパラガスをたべた夕食のあとにつづく夜にはいっても、まだ私のなかに認められ、そこに出てくる変身の美女たちは、シェイクスピアの夢幻劇のように詩的であると同時に野卑なファルスを演じながら、私のしびんを香水びんに変えてしまうのであった。-- よくもまあたかだかアスパラガスのことをこれだけ饒舌に言葉を尽くせるものだと感心したものです。その一方でアスパラガスがウルトラマリンとかピンクってのはどういうことなんだろう、消えてゆく青い暮色の一体どこに貴重な本質が潜んでいるのか実のところ全く理解できていないのでありました。どうにも理解できないままにそれでも持ち前の辛抱強さを遺憾なく発揮して数か月がかりで分からぬなりに読み通したのであります。かつては若さゆえに理解が及ばないのだろうと思っていたのですが、今改めて読み返してみてもその文章の甘美さには読書の快楽なるものを汲み取れてもその意味は相変わらず不鮮明なままなのです。焼きアスパラガスのくるみソース掛け【材料】アスパラガス(茹でる)・くるみペースト・オリーブ油 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してアスパラガスを焼く。皿に盛ってくるみペーストをかける。【参考】くるみペースト【材料】くるみ(炒る/砕く)・にんにく・パルミジャーノ・オリーブ油・塩 適宜【作り方】1. 全ての材料をミキサーにかける。 アスパラガス料理って案外ヴァリエーションが少ないのですね。下手な調理をしない方が美味しいってことなのかもしれません。グルメの方にどう評されるか不安ではありますがこのくるみペーストと合わせる食べ方、大正解でした。定番入りです。グリーンアスパラのヴェネト風【材料】アスパラガス(皮を剥く/束にしてタコ糸で縛る/塩茹で) 500g/卵(茹でる) 4個/オリーブ油 大さじ3/白ワインビネガー 大さじ1/塩・レモン汁・胡椒・パセリ 適宜【作り方】1. ボウルに卵、オリーブ油、ワインビネガー、塩、レモン汁を入れて混ぜる。皿に盛ってアスパラにかける。胡椒、パセリを散らす。 アスパラガスと卵(目玉焼きが主流)の組合せは大定番ですが、これはマッシュした茹で卵のソースをのせるヴァージョン。これほとんどタルタルソースみたいなものですが、それよりずっとドライで大人な味。これまでで最も好きな食べ方かも。アスパラペーストのヴィシソワーズ【材料】ヴィシソワーズ 適宜/【アスパラペースト】グリーンアスパラガス(塩茹で/オリーブ油を加えてミキサーにかける/濾す)・オリーブ油 適宜【作り方】1. 器にヴィシソワーズを盛って【アスパラペースト】をのせる。 悪くないんだけどなあ。でもせっかくのアスパラガスをわざわざペースト化するのももったいない気がするなあ。手間を掛けてここまでするよりは茹でてマヨネーズとかアスパラベーコンで十分なんじゃないかなんて思ったりもするのでした。
2023/12/16
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このところ、日暮里にポン引きが急増しているように思えます。以前も多少は見掛けたし、声も掛けられたりして鬱陶しいと思っていたけれど、コロナが五類扱いに移行してからというもの、コロナ前よりも遥かに多くのポン引きが町に蔓延りだしたようです。町を歩いていてポン引きに声を掛けられるのは非常に煩わしいものですが、仮に自分がそういう仕事をやっていて邪険にされたら苛立つんだろうなと想像すると無暗に無下にするのも、和を以て貴しとなすことをモットーとするぼくとしては避けたい振舞いなのでますます煩わしさが増幅されるのです。通行人のぼくはポン引きの声掛けと邪険にならない程度の態度に気を遣って疲れるし、奴らは奴らで大概は温厚さとは正対する性格を腹に収めて太鼓持ちのようにへりくだってみせては邪険に払いのけられ、町のダニ扱いみたくされて憤っているんじゃないか。つまりこの理屈に多少なりとも合理的な側面があるとすればポン引きが存在することで町は不穏なオーラに包み込まれることになるのです。日暮里という一見すると穏やかそうな町の暗部がネオンの灯りに照らし出され始めたということなんでしょうか。ともあれますます町が物騒になってきているように感じられるのでむしろ治安維持に貢献して愛されるポン引きとなってくれることを期待します。 ってまあ最近の日暮里の治安の悪化傾向には杞憂するところがあるのですが、この先、日本の各地でこうした状況が予想され、日本も日に日に夜歩きできなくなることが懸念されます。かつてのように夜道を延々と歩いて呑みに行くなんてことは、近々危険を顧みない愚挙と見做されることになりそうです。なので、駅近の「居酒屋 路」は誠に心強い、日暮里ではわずかに残された古酒場の一軒として今後も頑張ってもらいたいと応援したいと思っていますが、そのくせ、前回訪れてから早3年が経過していたのですね。それじゃとても応援してるなんてことは言えないよなあ。初めて来た時にはお客さんも疎らでホントの意味で場末の酒場然としていましたが、確実に物件としては劣化しているはずなのに、おky格の入りが良くなるだけで、店が若返ったように思えるのだから不思議なものです。しかもそのお客が初訪当時から通われているようなベテラン勢はそのままに若い人たち(しかも男女カップル2組)も気に入って通っているようだから心強い。ぼくなどの応援は無用のようです。しかも彼らはリラックスしていておでんをメインの肴に熱燗なんか頼んだりして、一端の酒呑みたる堂々たる振舞いであったのです。ぼくが若い頃はそこまで自然体ではいられなかったと思います。近頃の若者たちは、職場の連中を見ている範囲でも多少の失敗などしてもさほど動じることもなくしゃあしゃあとしているけれど、ぼくのようなおっさん世代から見ると感情の揺らぎの希薄さが不気味にも思えたりするのでした。ポン引きの連中の貼り付いたような笑顔にも通じるところがありそうで、ちょっと背筋が寒くもなるのです。ともあれ、こうしたお気に入りの酒場を支えてくれている人がいるのは有難いことではあります。今後は年1回程度は訪れることにしたいなあ。
2023/12/15
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多くの人がナポリタンに対して一家言を持っていてしかもそれを披露してしまうのだろう。しかもどうしてかくも似たり寄ったりの弁を弄するのか。例えば作家の浅田次郎氏や漫画家の東海林さだお氏の文章。Pokke 「【昭和の味】ナポリタン発祥の地、誕生のいきさつを徹底紹介!」https://jp.pokke.in/blog/7071/ こういった著名人に限らず、ぼくの知人たちが語る言葉もほぼ同工異曲であって、好きだってことは間違いないんでしょうけど、イタリア人がナポリタンを嘲笑することを分かっているけどねっていう弁えている自分とであつつもどうしても嫌いになれない自分との乖離が自虐気味な文章に反映しているように思えるのです。万人が残らず好きな料理などないのだから、堂々と好きなものは好きだと生きってしまえばいいだけだと思うのです。仮にパスタの本場がイタリアであったとしても負い目に感じるのは変だと思うのです。当のイタリア人にしたってほとんどが中国人の作った日本料理風のものを好んで食べているみたいだし、それでも少なくともぼくはそれはそれで一向に構わないと思っています。支払い能力がありさえすればどんなに劣悪な食べものだってそれが好きであるならば好きなように食べたらいいんじゃないかなあ。他人の目など気にする必要はないのだ。と思っているはずの浅田次郎氏や東海林さだお氏が愛憎半ばするような文章を書いたのは全く不可解なことです。ナポリタン厚揚げ【材料】厚揚げ 1枚/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ハム(1cm幅) 1枚/ピーマン(5mm幅) 1/2個/サラダ油 小さじ2/トマトケチャップ 大さじ2/めんつゆ 大さじ1/粉チーズ 適宜【作り方】1. グリルで厚揚げを焼く。2. フライパンにサラダ油を熱して玉ねぎ、ハム、マッシュルーム、ピーマンを炒める。トマトケチャップを加える。めんつゆを加える。皿に厚揚げを盛ってのせ、粉チーズを散らす。 ナポリタンっていう料理を定義づけるとするとその第1がパスタ料理であることのはずです。ところが世間にはパスタ以外の食材に平気でナポリタンを名付ける人たちがいます。さすがにパスタ無しでナポリ風と呼ぶのはどうかと思うのだけれど、そう思いつつもオリジナルレシピで節操なく作ってしまうのでした。さすがにこれはちょっとイマイチだったかな。ナポリタントースト【材料】食パン 1枚/ベーコン(5㎜幅) 1/2枚/ピーマン(細切り) 1/2個/玉ねぎ(薄切り) 1/6個/オリーブ油 適宜/トマトケチャップ 大さじ2/マヨネーズ・溶けるチーズ 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してベーコン、ピーマン、玉ねぎを炒める。トマトケチャップを加える。2. 食パンにマヨネーズを塗って1.、溶けるチーズをのせてトースターで焼く。 スパゲッティのナポリタンをコッペパンに挟むのならスパゲッティ抜きもありだろうなと思い作りました。まあ、実際にはナポリタンの具材を準備しすぎてバランスが悪かったからそれを取り分けて残しておいたのを援用しただけです。まあ悪くないけれど、想像を少しも上回らないのでした。クリームナポリタン【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ハム(1cm幅) 1枚/ピーマン(5mm幅) 1/2個/サラダ油 小さじ2/トマトケチャップ 大さじ2/トマト水煮 1/4缶/生クリーム 大さじ3/塩・胡椒・粉チーズ 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して玉ねぎ、ハム、マッシュルーム、ピーマンを炒める。トマトケチャップ、トマト水煮を加える。スパゲッティを加える。生クリーム、塩、胡椒を加える。皿に盛って粉チーズを散らす。 喫茶店風を称するナポリタンで隠し味に牛乳を用いることもあるから殊更にクリームなんて冠したところで差別化が図れるとは思わぬけれど、せっかく作ったので別レシピとして書くことにします。ちょっと濃厚でこれはこれで旨いけれど、まあナポリタンを10回食べて1回混ぜる程度の頻度でいいかな。味噌ナポリタン(相場マナブ)【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/にんにく 1片/ウインナー(5㎜幅斜め切り) 2本/ピーマン(細切り) 1個/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/オリーブ油 適宜/バター 20g/トマトケチャップ 大さじ1/味噌 大さじ2/茹で汁 50ml/パセリ・粉チーズ 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、ウインナー、ピーマン、玉ねぎを炒める。バター、トマトケチャップ、茹で汁、味噌を加えてる。スパゲッティを加える。皿に盛ってパセリ、粉チーズを散らす。 クリームの代わりに味噌を加えただけのもの。でもまあ食べてみるとこれはこれでちょっと風味が違って悪くなかったのでした。
2023/12/14
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ぼくはありとあらゆるジャンルの映画を無節操に見てきたから、好きな映画を挙げよと言われても容易には決めかねぬのです。それが10本だろうが100本だろうが大した差ではありません。でも最も好きなジャンル、死を迎える1週間前に見たいジャンルは何かと問われたら恐らく西部劇と答えるはずです。死に向かってまっしぐらの映画にあって、とっくに死滅したジャンルである(時折ゾンビの如くに蘇ってみせはするものの)西部劇のどこにそこまで惹かれるかについて語ってみたところで仕方のないことなので割愛します。ともあれ西部劇といえば最大の見せ場は決闘シーンであることが多いのですが、酒場でカードをしたり、恋のさや当てをしてみたり、そして何より呑んだり食べたりする何気のないシーンが楽しかったりします。そこで食べられるのはステーキというイメージが拭えぬのでありますが、実際に西部劇のヒーローたちがステーキを食べるシーンというのが案外少ないような気がするのです。いささか冗長な『大いなる西部』やセルジオ・レオーネの愛する『リバティバランスを射った男』などに描かれていたということだけれど、どうも思い出せない。その癖、多くの俳優たちがステーキを食らうイメージは鮮明に思い起こすことができるのだから不思議なものであります。 さて、それはともかくとして「ビリー・ザ・キッド(BILLY THE KID) 日暮里店」に行ってきました。この店を訪れるのは10数年ぶりのこと。それにしてもどうしてこのお店の名は、ビリー・ザ・キッドとなったのか。西部劇のヒーローであれば、ワイアット・アープ、ドク・ホリデイ、バット・マスターソン、ジェシー・ジェイムズ、、サンダンス・キッド、ワイルド・ビル・ヒコック、ブッチ・キャシディ、カラミティ・ジェーン……、などなど他にもいくらだって存在したのに、あえて21年の生涯で21人を殺したという左利きのガンマンを冠したお店とするのはどうしてなんだろうなあ。ウェスタン調の店内は以前とさほど変わってはおらず、型通りではあるけれど、これはこれでステーキを食うんだぞって気分を盛り立ててくれるのはおかしなものです。ほとんど見たことのなさそうな豪快にステーキにかぶりつく映画の主人公たちに我が身を置き換えてしまうからなんだろうか。さて、200gだったかのステーキをタコスをつまみながら待つことにします。このタコスはどうもチープな感じだなあ。セットのキャベツのサラダも何だかピンと来ないぼやけた味です。でもステーキが届くと途端に気分は高揚するのです。昔よくやったように大量のマスタードとタバスコをふって貪りつくのですが、記憶していたよりも美味しく感じられました。たかだか200gと高を括って食べ始めたのですが、これが勘違い。食べどもなかなか減らぬボリューム感は嬉しい毛レオd、オヤジにはこれはちょっと量が多いかな。と隣を見るとぼくよりはるかに年長のオヤジが汗だくになって500gに挑んでいるのを見ると全く驚かされるのでした。これだけでたらふくであったのにちょっと酒の肴が欲しいとバターコーンとチョリソーのセットを頂きましたが、これは余計だったかな。きっちり食べ切りはしたけれど、今度があった150gのステーキ程度で、当然ライスは抜きで頼みたいと思うのです。最後に以前と異なる点が2つ。ひとつは値段が2倍近く跳ね上がっていたこと、そしてにも拘らず非常に混み合っていたこと、特に女性客が多かった点に以前との違いを感じたのでした。
2023/12/13
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肉じゃがって子供にも大人も人気のメニューで好きな日本の食事ベストなんとかなんていう調査をしたら結構な上位にランキングされるんじゃないでしょうか。そういえば肉じゃがの起源としては、東郷平八郎が留学先のイギリスで食べたビーフシチューを料理人に作らせたという話が流布されているけれど、その真偽はかなり眉唾だとぼくは思っています。とWikipediaを見るとその噂の検証がなされているけれど、なかなかに愉快なので興味のある方はぜひご一読を。ちなみに、魚柄仁之助によると、肉じゃがが料理名として確認できる初出は、雑誌『主婦と生活』の1950年(昭和25年)1月号であり、四谷見附にあった外食券食堂のメニューに「肉ジャガ」があったと報告されている。しかし、それがどのような料理であったのか具体的にはわかっていない。,あた、魚柄仁之助によると、最も古くに「肉じゃが」の料理名でレシピが紹介されたのは、『きょうの料理』のテキストの1964年(昭和39年)5月号であり、料理本で「肉じゃが」の料理名が一般的に使われだしたのは1975年(昭和50年)頃からである。との記載もあり、案外その歴史は短いんだなあなんて思ったりもするけれど、肉の一般家庭への普及を考慮するとそんなものかとも思えてくるのです。カレーライスと同様に用いる肉は、一般に東日本では豚肉、西日本では牛肉といったイメージがあるけれど、鶏肉を使うレシピもあるようで、ぼくにとって馴染みのあるのは豚肉ですが、食べたいのは牛肉とまあその辺は好みで使い分ければいいのではないかと思っています。山椒を加えるレシピも紹介されているし、具材も多少の違いはあるから、馬齢者と肉が入った醤油、砂糖の甘じょっぱい煮物といった程度に定義して、好みに合わせて作って構わないんじゃないかなあ。肉じゃが【材料】豚肉(一口大)・じゃがいも(皮を剥く/一口大)・ニンジン(乱切り)・玉ねぎ(くし型切り)・ごま油 適宜/【調味料】酒・醤油 大さじ3/みりん・酒 大さじ1/顆粒だし 小さじ1/2【作り方】1. 鍋にごま油を熱して豚肉、ニンジン、玉ねぎを炒める。じゃがいもを加える。【調味料】を加えて煮る。 といった訳で今回はあり合わせの食材で作ったので、白滝も彩りの絹さやもなし。ぼくの最近流行りのレシピは、普通のとちょっと違うのが、玉ねぎを大量に使って日本酒をお玉一杯程度入れて水は加えないところ。水分多めのびしゃびしゃ系も嫌いじゃないのですが、調味料の節約のためにも水気は少なめにしています。肉じゃがカレー(ヒルナンデスCuisine)【材料】ごはん・肉じゃが 適宜/めんつゆ 15ml/水 100ml/カレールー 2片【作り方】1. 鍋に肉じゃが入れて加熱する。めんつゆ、水を加える。カレールーを加えてマッシャーで潰す。皿にごはんを盛ってかける。 惣菜のアレンジレシピって案外平凡になりがちです。テレビで紹介されたというこれと次の2品も非常に単純で試さずとも想像できるわいといった程度のものでしたが、一応は試してみないとね。ということでこのカレーはちょっと甘めで和の風味がほんのりとするごく普通に美味しい仕上がりでした。肉じゃがパスタ(ラヴィット)【材料】パスタ(茹でる) 150g/肉じゃが 150g/トマト水煮 1缶/胡椒・オリーブ油・にんにく 適宜/ローリエ 2枚【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。トマト水煮、ローリエを加える。肉じゃがを加える。パスタ、茹で汁を加える。皿に盛って胡椒を散らす。 これまた非常に凡庸なレシピ。トマト水煮とローリエを用いるのでありますが、どちらも分量が多めでせっかくの肉じゃがの存在を減じてしまっているように思えました。けして不味くはないのですが、これじゃじゃがいも、肉の入ったトマト風味のパスタに過ぎないように思えました。
2023/12/12
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近頃、どうにも眠たくて仕方がないのです。加齢のせいなのか原因ははっきりしませんが、気付かぬうちにウトウトしてしまうことが多くなっています。もともとぼくは普通の人と比べると眠たがりの方だって気がしますが、それにしても特に今時期のような季節の変わり目には日に数度激しい眠気に見舞われるのです。特にこの数年は朝方4時頃に目が覚めると、どうしたってその後寝付くのが難しくなるのです。早く眠ろうが、ぎりぎりまで耐えて日付を跨ぐまでは眠らないようにしても結果に違いはないのです。寝つきはいいけれど、中途覚醒してしまい、日中の特に午後3時前後に眠気のピークが到来するのです。こうした症状には特効薬はないのでしょうから、とにかく目先の眠気をやり過ごす術が必要となります。でもぼくにはその術など持ち合わせがないのです。国会でも地方自治体でも構わぬけれど議員さんが議会中に眠りに落ちてしまうのも無理のないことだと幾分かは同情を寄席たくもなるのです。恐らく昼食後に眠くなるといったことは大概の人が経験していると思うのですが、そうした人たちはどうやって眠気から寝落ちへの移行を回避し得ているのでしょうか。会議中眠くなったよと語りながら多くの人は退屈な会議中も惰眠を貪ったりはしていないようです。ぼくはよく自らの身体をつねってみたり、カフェインを摂取したりして何とかしようとは思っているのですが、なかなか思うようにはいきません。強烈な睡魔に対しては抗いようもないものなのでしょうか。呑みに行ったら元気になるくせにねえ。と思っていたのですが、最近は呑みながらでも眠くなります。それが立ち呑みであってそうなんだからもう非常に困ってしまうのです。 つい先達て半年ぶりにお邪魔した「根ぎし」でもうつらうつらと眠気に見舞われました。この半年ばかりでずっと変わらない感じのこのお店にも若干の変化が認められました。店内の景色もオヤジの容姿もほぼ以前のままですが、不動のラインナップで固定していた品書きが一品だけこれまでに見たことのない品が増えていたことに気付きます。それが今回注文したつみれ煮なる品で鶏ひき肉の団子を煮たものなんですが、これがゴルフボールサイズのが5個で450円というからまずまずお手頃です。しかし、酒の一部、瓶ビールや日本酒なんかの値段が微妙に引き上げられているのです。物価が上昇を続ける現在では仕方のないことですが、とても残念なことです。ホルモン炒めは同じ値段で同じボリュームとほとんどの商品はかつての値段を踏襲していますが、川海老の唐揚げなどが定番から外れてしまったのは残念なことです。こちらの料理はほとんど料理ごとにその食材が1食分づつビニール袋に入れられて冷凍されたものにちょっと手を掛けるというのがお決まりで、ホルモン炒めは冷凍されたこてっちゃんに一口大に刻んだキャベツを一緒に炒め合わせるといった具合です。この夜は我々2名だけだと思ったらしばらくして2名がやって来て店はいきなり賑やかになりました。その人たちがまあ実にくだらない話をとんでもなく大きな声で語っていて耳障りなんですが、どうしたものか騒音なのに急に激しい眠気に見舞われたのでした。どんなに環境が酷くても眠い時はどうにもならない位に眠いってことのようです。帰り際にこのオヤジたちは我々に向けて喧しくして申し訳なかったですね、なんて実に丁寧に仰るのだけれど、誤る位ならもう少し控えめに語らえないものかなあ。
2023/12/11
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「蝶も来て酢を吸ふ菊の鱠哉」と食用菊を詠んだのは、松尾芭蕉ですが、当時既に菊の酢漬けが食べられていたのですね。実はともったいぶるつもりもないのですが、ぼくは、子供の時分から食用菊を食べる機会が多かったのです。どうしてかなあとちょっと調べてみたら、国内における食用菊の生産地として愛知県や山形県、新潟県が上位を占めているようです。愛知県、新潟県に住んでいたことがあるし、山形県の隣県である秋田県、宮城県でも過ごしたことがあるから必然的に食用菊を口にする機会が多かったということのようです。まあ愛知県の食用菊は主に刺身のツマなんかに使われるつま菊(小菊)とのことですが、とにかく身近な食材であり続けました。先般、呑み屋で知人たちに見せびらかしたところ、食べられるなんて知らないとか高級料亭でしか見たことないなんていう意見がもっぱらだったので、あえて買い求めた甲斐があったというものです。ここで敢えてといったのは、本来は買いたくはなかったけれど、買ってしまったということが含意されています。誤解があってはならないので予めお断りしておきますが、食べたいのは間違いのないことなのです。食べたいけれど花びらを毟るという処理が非常に面倒なのです。ガクの部分も食べられればいいのですが、実際に口にするととんでもない苦さで天ぷらにでもしない限りはとても食べられたものではないから、どうしても下処理が重要になるのです。見せびらかしたがりの性癖がなければきっと手出しをしなかったに違いありません。ということで買ったはいいけれど、なかなかその気になれないけれど、あまり日持ちがしないから気合を入れて作業に取り掛かったのですがせっせと毟っていると案外あっさりと片付きました。これならまた買い求めて食卓に並べるのもいいなあ。菊ごはん(写真右下)【材料】米(昆布と一緒に炊く/昆布を取り除く) 1合/食用菊(塩、酢を入れた湯で茹でる/冷水にさらす) 1/4パック/塩・水・昆布 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 食用菊の料理は定番しかありません。このごはんに混ぜるだけの簡単な料理も食用菊の風味と食感をダイレクトに味わえて素朴ながら非常に美味しいものです。菊の吸い物(写真左下)【材料】食用菊(塩、酢を入れた湯で茹でる/冷水にさらす) 1/4パック/小松菜(4cm幅/茹でる) 1/2把/だし 600ml/塩 小さじ1/2/薄口醤油 小さじ1/みりん 大さじ1【作り方】1. 鍋にだしを沸かして塩、薄口醤油、みりん、小松菜を加える。椀に盛って食用菊を散らす。2023/11/19 吸い物に浮かべるだけだと彩りでしかないように食べたことのない方は思われるかもしれませんが、目に鮮やかなばかりでなくふんわりとした香りと優しい苦味そして独特の食感は一度は試してもらいたくなります。菊と小松菜の辛子ポン酢和え(写真右上)【材料】食用菊(塩、酢を入れた湯で茹でる/冷水にさらす) 1/4パック/小松菜(4cm幅/茹でる) 1/2把/【辛子ポン酢(混ぜる)】ポン酢 大さじ2/練り辛子 小さじ1【作り方】1. 菊、小松菜、【辛子ポン酢】を和える。2023/11/19 菊だけのお浸しでも無論美味しいのですが、青菜と一緒もまたシンプルながら非常に美味しいものです。シャリっとした食感はむしろ青菜と一緒の方が感じられるような気がします。
2023/12/10
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村井弦斎著『食道楽』が連載されたのが1903~04年のこと。当時の日本では国外の料理はどの程度知られていたのだろう。特に今回取り上げるトルコ料理なんかはどうだったんだろうと気になりました。困った時には村井弦斎ということで、調べてみることにしました。--西洋料理の部第一 ペラオ飯 と申すのは土耳古(トルコ)風の極く手軽なお料理で我邦の上中流社会にもこの頃大層流行します。それは先ずお米を磨いでよく水気を切っておきます。別にフライ鍋へ大匙一杯の上等なバターを溶かして右のお米一合ほどを入れてよく掻廻しながらお米の狐色になるまでいためます。それを深いソース鍋へ移して三合のスープを注して塩を少し加えて最初は強い火で三十分間煮てその次は火をズット弱くして二十分間蒸らしておきます。つまり五十分間で出来る訳です。この御飯ばかりをお皿へ盛って出してもなかなか好い味ですがモー一層上等にしますと色々のソースを掛けて出します。第十 土耳古(トルコ)飯 と申す料理には色々ありますがその手軽なものは前の通りにお米一合をバターで炒りつけた中へ牛肉四十目位を肉挽器械で挽くかあるいは庖丁で細かく叩いて加えまして肉の色が変るまで掻き混ぜながらよくいためます。それを深い鍋へ移してスープ三合を注して塩胡椒で味をつけて煮ます。これには赤茄子ソースをかけると結構です。-- これってきっとピラフのことですね。トルコ料理のピラウ。ピラフってユーラシア大陸で広く食べられている料理だから、これだけではさすがにトルコ料理が当時の日本で認知されていたかどうかを見極めるのは無理がありますが、一部の食道楽にはすでに知られてはいたようです。米の料理から受容された(?)のがなんだか真実っぽく思えます。ということで今回はトルコ料理を数品です。エズメ サラタス(つぶした野菜ペーストのサラダ)【材料】【A(包丁で叩く)】トマト(角切り) 1個/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/青唐辛子(みじん切り) 1本/【B】にんにく 1片/レモン汁 大さじ1/塩 小さじ1/オリーブ油 大さじ3/イタリアンパセリ・ミント 適宜【作り方】1. 【A】と【B】を混ぜる。皿に盛ってオリーブ油をかけ、イタリアンパセリ、ミントを散らす。【備考】dancyu 「多彩なトルコのメゼ(前菜)"フムスやサラダ"」https://dancyu.jp/recipe/2023_00007242.html 中東料理なんかでも野菜をペースト委した料理はありますが、どうも口に合わないものが多かったのですが、これはさっぱりとしていて美味しく頂けました。鶏肉のキョフテ【材料】鶏ひき肉 300g/くるみ(砕く) 30g/玉ねぎ(みじん切り)・パセリ 大さじ3/にんにく 1片/卵 1個/パン粉 50ml/クミンパウダー・オールスパイス・塩 小さじ1/2/ドライタイム 小さじ2/ナツメグ 小さじ1/3/胡椒・赤唐辛子(砕く) 小さじ1/揚げ油 適宜【作り方】1. ボウルに揚げ油以外の全ての材料を加えて捏ねる。ミニハンバーグ型に整形して油で揚げ焼きにする。 こういうハンバーグっぽい料理も世界中に見られますが、ぼくはスパイスをしっかり使った中東風の味付けがお気に入りだから、この鶏ひき肉ヴァージョンも当然気に入りました。鶏肉とキャベツの煮込み【材料】キャベツ(粗みじん切り) 1/3個/ブルグル(水洗い) 50g/鶏ひき肉 50g/玉ねぎ(粗みじん切り) 1/2個/トマト水煮 1/2缶/サラダ油 大さじ2/砂糖 適宜/赤唐辛子(砕く) 小さじ1/2/サルチャ(代替:トマトペースト) 大さじ1/塩・胡椒 適宜/水 3カップ【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してひき肉を炒める。玉ねぎを加える。キャベツ、ブルグル、トマト水煮、サルチャ、塩、胡椒、赤唐辛子を加える。水を加えて中火で20分煮る。 いかにも地味な料理ですねえ。でもこれが実に美味しいんですねえ。特にこれっているスパイスを使ってる訳でもないのにそれでもこれぞトルコって味になるのが不思議です。
2023/12/09
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下総中山というと関東の日蓮宗大本山として知られる中山法華経寺で知られる町であります。駅を出て京成中山駅を越えさらに北に向かうと法華経寺まで続く参道が伸びており、休憩所などは以前と比べて少なくなったものの今でも数軒が営業を続けています。といったような場所柄、両駅に挟まれたエリアはかつての門前町に当たるらしく今でも町の規模としては数多くの酒場が残っていて、しかもなかなかの風情を保っていたりするから酒場好きであれば一度は訪れてみてもいい町だと思っています。さて、法華経を主たる経典とする日蓮宗でありますが、日蓮という人は『四恩砂』で「日蓮はさせる(爾)妻子をも帯せず、魚鳥をも服せず壬只法華経を弘めんとする失により云云。」とあるように肉食を自らに禁じていたそうな。現代では、怠け者の僧侶を生臭坊主といったりしますが、本来、肉魚を用いた料理(生臭料理)を食べる僧侶を意味したそうです。ぼくの知る僧侶は揃いも揃って生臭坊主ということになります。ちなみに不飲酒戒という戒律もあって、これはつまり飲酒禁止の戒律ってことになりますが、こちらもまたぼくの知人は犯していることになります。職業差別をする訳ではないですけど、少なくとも日蓮宗など自身のよって立つ宗派が肉食や飲酒を禁じているのであればそれは職業倫理上ぜひとも遵守すべきではないかと思うのですが、いかがなものでしょう。それが嫌なら僧侶を辞めちゃえばいいんじゃないのと思ってしまう。なんて他人事だからと好き勝手なことを思案しつつもぼくは下総中山駅駅北側の呑み屋街にあるホルモン料理店に吸い込まれるのでありました。「ホルモン料理 とんちゃん」は、これまでも何度か通り過ぎていたはずなのにどうしたものか通過してしまっていたようです。お茶漬け屋の客が一軒目にこの酒場に立ち寄っていたという話を耳にして俄然興味が湧いて訪れたのでした。その噂話というのは、最近になってここの味が落ちたって話だったんですけどね。地図アプリで検索して向かったのですが、なぜか一向に見つからず迷いに迷った挙句、何のことはないメインの呑み屋通りに堂々と存在したのです。分かってみるとこんなに目立ってるのに不思議なものだなあ。これは結構繁盛してそうと慌てて戸を開けるのですが、驚いたことにほとんど客がいないのです。というか20名はゆうに入れそうな店内に先客は1名だけだったのです。これはもうちょっとヤバいんじゃないの。と思いつつも席に着くや酎ハイと肉を2皿頼んでしまったのです。これだけ空いているなら一気に2皿は間違いだったななんて思いながらちゃんと品書きを見るとハーフサイズもあるのですね。まあ頼んでしまったから仕方ないかな。一人寂しく大き目ジョッキの酎ハイを呑みつつ観察に勤しむのでありますが、店の主人と女性従業員、そして常連らしい方は和気あいあいとして実に結構な雰囲気でありました。肉も余り肉の味は感じられませんでしたけど、まあ新鮮で臭みもなくそこそこ美味しく頂きました。そんなに遅い時間ではなかったけれど、このお店もしくは町は早くも暖簾を下げる時間帯なのかもしれません。そういやこういう一人焼肉店って昔から見つけるとつい楽しくて立ち寄っていて、独りホルモン焼きで呑むのが好きと思ってました。でも今じゃいくつもチェーン店が営業していますが、でも滅多に訪れることがないってことは結局ぼくはこうした古いお店が好きだっただけなんだろうなあ。
2023/12/08
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以前も引用したことのある村井弦斎著『食道楽』には、洋の東西問わずありとあらゆる地域の料理や食材が登場します。そんな食材のひとつにマカロニがあります。同じメリケン粉でも伊太利や仏蘭西の南部の方から出るのは気候風土が日本に似ている故か大層粘着力が多くって饂飩には極く上等です。西洋の孔明き饂飩と俗に申しますマカロニは伊太利製を上等としてありますがつまりその国の小麦粉が饂飩に適しているからでしょう。市中の食品屋へは多く米国製のマカロニが来ています。伊太利製や仏蘭西製の上等は滅多にありません。その味の悪い事と申したらポツポツして粘着気がありません。マカロニとは西洋の干饂飩ともいうべきものにて中に孔あり。伊太利人は我邦の蕎麦の如くに好んで食す。西洋料理には種々に使うものなり。マカロニと赤茄子とを共に料理すれば味よし。西洋には赤茄子をマカロニの附物という。マカロニは伊太利を良しとす。 と相変わらずの蘊蓄と饒舌さで伊太利製孔明き饂飩について語るのでした。この小説ともエッセイとも呼べない不可解な文章にはマカロニを用いた料理レシピが数品書き留められていて、そちらもまた興味深いのですが、それはまたいづれ書くことにします。どうしても気になる、今すぐ見たいという奇特な方がおられたら、お決まりどおり青空文庫をご覧いただくとよろしいかと。ということで今回はマカロニを用いた料理数品です。ペストジェノヴェーゼ風サラダ【材料】ペンネ(茹でる) 100g/コーン缶 1/2缶/グリーンピース(冷凍) 1/2カップ/黒オリーブ(4等分) 15粒/くるみ(砕く) 10個/ジェノベーゼペースト・塩・胡椒 適宜【作り方】1. ボウルに全ての材料を入れて混ぜる。 どこぞやのレシピで見掛けたものです。サペンネじゃなくてフジッリを使ってます。ラダとあるけれどあんまり野菜っぽくないです。単なるジェノベーゼペーストで和えたペンネとそう変わりません。けれど、くるみがいい仕事してます。コーンとグリーンピースはなくてもいい位。オリーブもなくてもいいかもしれませんがそれだとちょっと寂しいかも。トマトスープのグラタン【材料】マカロニ(茹でる)・トマトスープ・合びき肉・溶けるチーズ 適宜【作り方】1. 鍋で合いびき肉を炒めてトマトスープを注ぐ。マカロニを加える。耐熱皿に移して溶けるチーズをのせてオーブンで180℃10分焼く。【参考】トマトスープ【材料】オリーブ油 大さじ1/ニンジン(薄切り)・セロリ(薄切り) 1本/玉ねぎ(薄切り) 1個/にんにく 1片/固形コンソメ 1個/トマト水煮 1缶/トマト(一口大) 4個/水 900ml/塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してニンジン、セロリ、玉ねぎ、にんにくを弱火で炒める。固形コンソメ、トマト水煮、トマトを加える。水、塩、胡椒を加えて弱火で10分煮る。ブレンダーにかける。 じゃっきり覚えてませんけどトマトスープが余っていたので無理矢理作っただけ。でもまあパスタとチーズとトマトの組合せなら大概どうしたって美味しくなりますねえ。しらすとキャベツのマカロニ【材料】マカロニ(茹でる)・しらす・キャベツ(2cm角/茹でる)・めんつゆ・ポン酢・マヨネーズ・わさび 適宜【作り方】1. 器にマカロニを盛ってキャベツ、しらすをのせ、めんつゆ、ポン酢をかける。マヨネーズをかけてわさびを添える。 これまた横着な料理です。こんなの食べたっけなあ。マカロニとマヨネーズが合わないはずがないし、キャベツとしらすも凡庸な組合せですね。旨くて簡単に作れるから文句はないけど、いかにも手抜きっぽいなあ。卵マカロニサラダ【材料】マカロニ(茹でる/油を和える) 40g/油 小さじ1/卵(茹でる/白身:粗みじん切り,黄身:潰す) 4個/マヨネーズ 大さじ4/牛乳 大さじ2/砂糖 小さじ1/塩・胡椒 適宜1, ボウルに黄身、マヨネーズ、牛乳、砂糖、塩、胡椒を入れて混ぜる。マカロニ、白身を加える。 茹で卵の黄身をドレッシング、白身を具材にするっていうアイデアは酔いです。ただ食味や食感に変化がないからもうちょっと食材を追加したいところだな。
2023/12/07
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寺田寅彦に『猫の穴掘り』というエッセイがあります。 高架線路から見おろした三河島は不思議な世界である。東京にこんなところがあったかと思うような別天地である。日本中にも世界中にもこれに似たところはないであろう。慰めのない「民家の沙漠」である。 泥水をたたえた長方形の池を囲んで、そうしてその池の上にさしかけて建てた家がある。その池の上の廊下を子供が二、三人ばたばた駆け歩いているのが見えた。不思議な家である。 京成電鉄本線の開通した当初のことのようです。ちょうど寺田が30代半ばの頃の事なんでしょうか。三河島は三河島でも新三河島駅のことなんでしょう。それはともかくとして、「日本中にも世界中にもこれに似たところはないであろう。慰めのない『民家の沙漠』」って全体どうした光景なんでしょうか。江戸時代の三河島は稲作が行われ、歌川広重『蓑輪金杉三河しま』に描かれるようにタンチョウの飛来地としても知られていたそうな。旧三河島汚水処分場喞筒場施設が1922年の建設というからこの施設ができる以前の話のようですが、見れるものならぜひ見てみたかったです。写真など探したら残っているんでしょうが、まだ調べられていません。昨今では小規模なコリアンタウンがこの町を特色付けていましたが、それもここ数年で様相を新たにしつつあります。じわじわと韓国料理店も開店していますが、それを遥かに凌駕、というか全ての韓国系商店を圧倒するように中国、そしてこちらもじわりとインド料理店なんかが増加して、エスニックタウンへと変貌しつつあるのです。 そんな一軒が「暉記餃子屋」です。と訳知り顔で書きましたが、正直この町の変化に付いていき切れていません。というか中華屋さんとインド料理屋さんに関してはもはや記憶することを放棄しているのです。その増殖の著しいことにとても付いていけなくなっています。でも現在の日本の経済状況にあっては、日本で人稼ぎっていうアジア系外国人も近いうちに激減するのではなかろうかと予測しています。店構えは開店後日の浅い店舗に典型的なように全く味も素っ気もないのでした。ホントはお隣の焼鳥屋に入るつもりが満席と断られたから仕方がない。早速席に着いて店先の貼り紙で見たお得なセットを注文するのでした。 2種の料理はどちらもとんがっていない穏やかな味で非常に食べやすいですね。なんてことで安心して改めてメニューを眺めると見慣れぬ温州料理なる文字が。今、ネットで調べるとこんなのが引っ掛かりました。東京ディープチャイナ 「日暮里の日本で唯一温州料理店「瓯味」の名物は紹興酒に合う海鮮メニュー」https://deep-china.tokyo/restaurant-info/11916/夏さんはご主人の黄さんと一緒にまず池袋に小さな温州料理の店を始めました。2007年頃のことです。その後、そこは店じまいし、2014年に東池袋に「温州坊」という店を始めます。そして、2021年11月、日暮里駅前に2号店となる「瓯味(おうみ)」(東京都荒川区東日暮里)をオープンしました。 う~ん、日暮里駅前ということはこことは別かあ。でも日暮里の店舗が2号店というのに「日本で唯一」ってのも解せないなあ。しかもこのサイトに出ている店主の女性、三河島の店舗にいた人と似てるような気がするんですよねえ。ますますよく分からないけれど、とにかく温州料理は日本ではまだまだ希少だということのようです。これは図らずも面白い店に入ったもんだ。と思ってはみたけれど、肝心の温州料理を食べるにはもうさほどお腹が空いていないのでした。なので、厳選して夏さんとそっくりの方にお聞きして進められたスズキ科の魚(ニベと書かれていました)のスープを頂くことにしました。これが最もポピュラーな食べ方だそうな。しばらくして出されたそれは片栗粉でコーティングされていてムチムチした食感が楽しくはあるけれどスープを含め非常に淡泊でちょっと物足りなく感じました。豚肉の干豆腐巻きなど他にも数品のお勧めがあるので次は腹を減らしてそこら辺の品も食べてみたいかな。まあ、それなら日暮里か池袋の店舗に行くのでもいいかな。
2023/12/06
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またも種田山頭火の『其中日記』からの引用。山頭火の日記にはほうれん草の出番が多いようです。--昼酌をやりながら、といふよりも、ほうれん草のおしたしを食べつゝ、味取をおもひだした、H老人をおもひだして、彼の生死を案じた、味取在住一ヶ年あまり、よくH老人と飲んだ、そしておさかなはほうれん草のおしたしが多かつた。……豆腐は昨日の残りがあり、ほうれん草は畑からぬいてきて、何と御馳走が出来たことだ、――ゆつくり飲んだ、よい酒だつた、うまい酒だつた、近来にない楽しい会談だつた、来る筈の樹明君が来てくれなかつたのは惜しかつた。菜園手入、ホウレン草と新菊とを播きつけた、これで播きたいものだけは播いた、大根、蕪、菜はもう芽生えてゐる、風で倒された蕃椒や茄子をおこしてやる。白船君が山口行の途次、寄るかも知れないといふハガキを寄越したので、新菊を採り、ほうれん草を茹で、鰹節を削り、……そしてうどん玉を買ひに街へ出かけた。樹明君招待、酒は亀齢、下物は茹葱と小鰕、ほうれん草のおひたし、鰯の甘漬。……思ひがけなくT子さんがやつてきた、一升罎を抱へてゐる、酒はいよ/\豊富だ、酒さへあれば下物なんか何でもよい。ほうれん草二把四銭、茹でたら一握りしかない、おいしかつた、ことしは菜葉が乏しい、したがつて高い、菜葉のありがたさが身にしみる。-- 先日は、山頭火の春菊好きについて書いたばかりだけれど、山頭火は結局、青菜が大好きということのようです。ぼくも青菜類は大好きで値段が上がると非常に参ってしまうのです。何といっても酒の肴に青菜は実に適しているのです。菜っ葉ごとの青草にの差異も楽しくてもし酒の肴に青菜のお浸し盛合せなんてのがあったら喜んで頼んでしまいそうです。ホロリと苦いのも酒に合うんですね。しかもヘルシーだし、食べても余り腹に溜まらないのもいい。実は、ぼくも呑み始めの1、2杯は醤油皿にちょっぴり盛られた小松菜の辛子和えとかそんなので呑むことが増えてきているのです。今でこそゴテゴテとした料理を楽しんで作っていますが、そう遠くなくお浸しなんかで充分ってなるのかもなあ。ほうれん草のエチュベ【材料】ほうれん草 1束/にんにく 1片/オリーブ油 大さじ1/水 大さじ1/塩 小さじ1/4/胡椒・カシューナッツ・松の実(煎る) 適宜【作り方】1. フライパンにほうれん草、にんにく、オリーブ油、水、塩、胡椒、を加えて蓋をし、蒸し焼きにする。皿に盛ってカシューナッツ、松の実を散らす。 春菊の一品目とほぼ同じですね。洋風のお浸しと思えばもっと出番が増えるかな。ほうれん草のオリーブ油煮(Zeytinyagli Ispanak/ゼイティンヤール・ウスパナック)【材料】ほうれん草(茹でる/3cm幅) 2把/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/オリーブ油 大さじ1/トマト(粗みじん切り) 1個/サルチャ(トマトペースト) 大さじ1/2/米 大さじ2/砂糖・塩・胡椒 小さじ1/2【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。トマト、ほうれん草をを加える。米を加える。水を加える。砂糖、塩、胡椒を加えて弱火で20分煮る。 トルコのお手軽ほうれん草料理。でもこれ地味な料理なのに実に旨いんですよねえ。この料理、ごはんやパスタなんかとも相性が良さそうに思えますが、ユフカ、ギョズレメ、シミット、ボレクなどのエキメッキと呼ばれるトルコ式パンが合いそうです。ほうれん草クリーム煮【材料】ほうれん草(茹でる/3cm幅) 100g/ひよこ豆 30g/生クリーム 50ml/チキンコンソメ 小さじ1/2/小麦粉 小さじ1/バター・オリーブ油 小さじ1/ナツメグ・塩 適宜【作り方】1. 鍋にバターを熱してひよこ豆、小麦粉を炒める。生クリーム、チキンコンソメ、ほうれん草、塩を加えて弱火で10分煮る。皿に盛ってナツメグをふる。 本当にこんな料理がスペインに存在するのかちょっと疑わしいところですが、これがまた旨いんですね。ちょっとしたオードブルにもなりそうです。ポパイ飯[日本・滋賀県守山市]【材料】豚肉(薄切り/3cm幅) 50g/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/タケノコ(薄切り) 40g/サラダ油 1g/ほうれん草(ざく切り) 1株/卵 1個/片栗粉 1g/水 1g宜/ごま油・ごはん 適宜/【調味料(混ぜる)】酒 3g/にんにく 2g/砂糖 1g/醤油 3g/創味シャンタン 5g/豆板醤 2g【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して豚肉、玉ねぎ、タケノコを炒める。ほうれん草を加える。【調味料】を加える。溶き卵を加える。ごま油を加える。皿に盛ったごはんにかける。 タケノコがなかったので、キクラゲで代替しました。まあよかろう。冷蔵庫にあるものを適当にぶち込んだようないい加減そうな料理に思えるんですけど、これた食べると実に旨いのです。これはレギュラー入りです。
2023/12/05
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前回書いたように街の住みここちランキングで下総中山駅は、39位でした。面白いことに歩いて3分程の京成中山駅はランキングから漏れてしまっています。わずかの距離の差でランキングが変動するのでは地価にも影響を及ぼすかもしれないから地元の方はきっといい気はしないのだろうなあ。JRより北に位置する京成中山駅の北側には法華経寺があったりして、町の品格としてはずっと上だと思うのですが。それに比べると同じ京成本線で千葉方面に1Km弱の東中山駅は駅前にはコンビニ程度しかないにも拘わらず、85位にランキングされているのだからもう何が何だか分からなくなるのです。不便な分だけ家賃が安かったりするんだろうか。これだけランキングに影響が及ぶほどに安いのならまあ余程お手頃なんだという予想も立てられますが、本当のところは分からない。そんな何もない東中山駅を訪れることになったのは知人の家族に不幸があってその通夜に参列するためだったのです。何もないと書いたけれど、斎場というかセレモニーホールは存在するのです。今やコンビニ以上にコンビニ化している業界なんじゃないだろうか。コロナの蔓延以降各種セレモニーの簡略化の流れが一挙に普及してそれはそれで結構なことだとは思うけれど、こうした会場のコンパクト化により小さなお葬式なりの小さな会場がそこら中に出没しているような気がしてならない。そのせいでこれまで訪れることのまずなさそうな町に赴いて通夜やら告別式に参列する機会がむしろ増えたのだけれど、さすがにそれを素直に喜ぶのもどうかと思う程度の分別はあるのです。 とはいえせっかく訪れたのだから駅周辺を散策することにしました。しかし先に書いたように駅を出るといきなり住宅があるような町並みだから、通りすがりの者がちょっと立ち寄るような酒場どころか商店すらほとんど見受けられないのです。それでももう再び訪れる可能性の極めて少ないことが予想される町に来たのだからと執念深くも歩き回ることにしたのです。途中結構急な下り坂があってここを下って何もなかった場合に引き返すことになった場面を想像して気持ちが萎えますが、その不安を振り切って坂を下りきるとそこは千葉街道でした。街道といっても片側1車線の通りだし、幸いにも通行量もそう多くはありません。でもこんな通りに呑める酒場など果たして存在するのか。ありました。「お茶漬 みえ」です。外観はそう古びてはいないけれど、店内に入るとかなりの年季が感じられます。お客さんからの開店43周年の記念品が飾られていますから昭和の時代から続くお店のようです。女将さんはかなりのお年を召しているはずなのに溌溂としてますしね。先客は2名、女将さんはぼくを見て瞬間、怪訝な表情を浮かべましたがすぐに奥のカウンター席を勧めてくれました。小上がりもあってそこにはカラオケが置かれています。表から見ると結構な収容定員がありそうに見えましたが中に入ってみるとせいぜい10名入れるかどうかってコンパクトなお店です。先客はどちらもボトルをキープしているようで、近隣に他に呑み屋のない場所柄だからしょっちゅう呑んでいかれるのでしょう。カウンターにはいかにも手作りの惣菜が並んでいます。女将さんが小松菜って千葉の名産なのに誰も食べないのよなんてことを愚痴っています。酎ハイを頼むと、匂いのするのとしないのどっちにします、なんて聞かれるので大体言わんとすることは分かりましたが、一応お聞きします。匂いのしない(いわゆる甲類ね)のはキンミヤだったのでそれを貰うことにします。匂いのしないのって呑んでも酔わないのよねなんて仰っていたが、いやいや同じ酒だから変わらないよとツッコミたくなったりするのです。お通しは白菜とツナを煮たものだったかな。家庭料理そのもので旨いとか不味いとかいうのが無粋な料理であります。こちらの肴は食事系も含めてどれも家庭的で、それを求めてこられるお客さんも多いようです。ぼくはもう訪れることはないのだろうなあなんてことを思いつつ孤独に呑むのでありました。
2023/12/04
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日本ナポリタン学会なんてのが存在するんですね。http://naporitan.org/ ナポリタンが好き!ってのは分かりますが、学会を名乗ってるのがよく分からない。設置の趣旨は以下のとおり。--日本ナポリタン学会とは、懐かしくもおいしい「スパゲッティナポリタン」を日本の発展と共に歩んできた貴重な食文化であると再評価・再認識することから、沈滞しがちな地域を、そして日本を活性化させていこうと、戦後にナポリタンが全国に伝播していく発信地となった横浜の有志市民が結成した任意団体です。-- 日本ナポリタン学会が、国の指定する公的学会=日本学術会議の「日本学術会議協力学術研究団体」を目指してなどいないことは、ハナから明らかではありますが、一応、日本学術会議の定める学会とは何ぞやという定義を引用します。・学術研究の向上発達を図ることを主たる目的とし、かつその目的とする分野における「学術研究団体」として活動しているものであること・研究者の自主的な集まりで、研究者自身の運営によるものであること・構成員(個人会員)の数が100人以上であること ちなみに2つ目の要件にある「研究者」は、日本学術会議が「人文・社会科学から自然科学までを包含するすべての学術分野において、新たな知識を生み出す活動、あるいは科学的な知識の利用及び活用に従事する者」と定義しています。 現実的な活動が何なのかどうもよく分かんないですね。しかも会員名簿が2021年11月現在の会員となっているので、3つ目の要件を満たしているかどうかの確認はできませんが、2年前時点の構成員数から推し量るにきっと満たせていないのでしょう。まあ世の中に要件の初めの2つを満たしながら3つ目が足りていない「学会」なる組織は相当数存在すると思われますが、日本ナポリタン学会は全てを満たしていないと考えられる以上、学会を標榜するのはいかがなものかと思うのだ。ナポリタンという大衆的な食べ物と学会という権威的な組織を併置することによるユーモアを企図しただけなのかもしれないけれど、ぼくはこうしたセンスはどうにも理解しがたいのであります。まあ法律に違反しているわけでもないのだから何と名乗ろうが勝手なんですけど、あくまでもぼくの趣味ではないというだけのお話でした。でも意見を言わせてもらえるならせっかく会費まで徴収して活動を続けるならまだまだ曖昧な歴史を掘り起こすとともに新たなナポリタン風のレシピ開発に取り組んでいただけると嬉しく思います。ライスナポリタン【材料】ごはん 1膳分/鶏肉(1cm角/塩、胡椒する) 80g/塩・胡椒 適宜/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ピーマン(横8mm幅) 1個/赤ワイン 小さじ2/トマト水煮・トマトケチャップ 大さじ2/塩・胡椒 適宜/バター 小さじ2/粉チーズ・パセリ 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱して鶏肉を炒める。玉ねぎを加える。ピーマンを加える。赤ワインを加える。トマト水煮、トマトケチャップ、塩、胡椒を加える。2. 皿にごはんを盛って1.を添える。粉チーズ、パセリを散らす。 ネットで見掛けたレシピを試してみました。ってこんなの煮たようなのを以前から食べてましたけど。でもぼくはごはんと具を別にするという考えはなくて、というのが、スパゲッティのナポリタンが麺と具が混ざったものだからです。混ざってなければスパゲッティ・ナポリタンソースとかって料理名になるのかな。ごはんも同様です。パスタを超える絶品ナポリタン丼【材料】オリーブ油・にんにく・ソーセージ(斜め切り)・玉ねぎ(薄切り)・ピーマン(細切り)・トマトケチャップ・ごはん・パルミジャーノ 適宜【作り方】1. フライパンオリーブ油を熱してにんにくを炒める。ソーセージを加える。玉ねぎを加える。ピーマンを加える。トマトケチャップを加える。丼にごはんを盛ってのせる。パルミジャーノをふる。 市川ヒロシ著『どんぶり委員長』で紹介されたレシピもまたごはんとの分離スタイル。中身はほとんど一緒なんですけど。疑問はあるけれど繰り返しになるので割愛。まあこれはこれで悪くないんですけど、やっぱり混ぜちゃった方が旨いんじゃないかなあ。そばナポリタン【材料】そば(茹でる/冷水で洗う) 100g/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ハム(1cm幅) 1枚/マッシュルーム(缶詰/薄切り) 8枚/ピーマン(5mm幅) 1/2個/サラダ油 小さじ2/トマトケチャップ 大さじ2/めんつゆ 大さじ1/粉チーズ 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して玉ねぎ、ハム、マッシュルーム、ピーマンを炒める。トマトケチャップを加える。めんつゆを加える。そばを加える。皿に盛って粉チーズを散らす。 勢いでスパゲッティをそのままそばと入れ替えてみました。これがなかなかの残念料理に仕上がりました。ナポリタンの具って、中華麺、焼きそば麺、うどんなどのモチモチ系には違和感なく絡むのですが、そばはちょっと無理があるようです。まあ食べられないことは全然ないんですけど。スープナポリタン【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/粉チーズ 小さじ1/【スープ】オリーブ油 小さじ2/ピーマン(薄切り) 1個/玉ねぎ(薄切り) 1/2個/ベーコン(1cm幅) 1枚/にんにく 小さじ1/2/赤唐辛子(砕く) 1/2本/トマト水煮 1/4缶/トマトケチャップ 大さじ3/水 100ml/顆粒コンソメ 小さじ1/塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子、ベーコンを炒める。玉ねぎ、ピーマンを加える。トマト水煮、トマトケチャップを加える。水、顆粒コンソメを加える。スパゲッティ、塩、胡椒を加える。皿に盛って粉チーズを散らす。 最後にナポリタンをスープパスタ風に作ってみました。って写真ではあまり汁気が感じられないです。まあこれは想像通りで悪くはなかったかな。
2023/12/03
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ぼくは俳句というのがよく分からないのです。確かに芭蕉の一句などに気が利いてるなあと思ったりすることはあるけれど、実作よりはずっと夏井いつき氏の理論的な解説を聞いたり読んだりする方がずっと愉快なのです。実際、夏井氏の功績は、俳句という文芸が感覚などではなく専ら知性によって書かれるものであるということを明確化したことにあると思われます。ただし、彼女の名を世に知らしめる大きな契機となった『プレバト!!』が数多くの酒場のテレビでチャンネルが合わされているところをみると、酒場の論理の域を出ないモノなのかもしれません。でもまだ自分でも好きなのか嫌いなのか判断を決め難いと思っている俳人がいます。種田山頭火なんですけど、この人の作風は自由律俳句なんて呼ばれたりしているようで、五七五の定型の縛りもなく、季題からも自由というものだからこれはもはや俳句と呼んでいいのか甚だ疑問ではあるのです。でもまあ俳句なんて文芸の一ジャンルなどに囚われぬのが自由律俳句というものなのかもしれません。しかし山頭火当人が自らを自由律俳句作家と名乗っていたかは知らぬけれど、少なくともその流派(?)に属する雑誌に掲載されることを良しとする以上は自由律俳句作家であることを甘受していたのでしょう。でも仮にそうだとしたら自由律俳句という括りに縛られていてちっとも自由じゃないように思うのだけれど間違ってるでしょうか。それはともかくとして山頭火には酒を介してのシンパシーも感じています。彼の場合は酒が好きというよりは酒に溺れるとか呑まれるとか逃げるとか、そういった自分ではどうにもならない切実さがあってそこに惹かれてしまうのです。そしてもう一つ山頭火って春菊が好きだったみたいなんですね。そこにもぼくは共感を覚えるのです。『其中日記』春菊のうまさよ(そのうまさには私が栽培したといふ味もこもつてゐる)。『行乞記 三八九日記』午後散歩、途中で春菊を買つて帰る、夜も散歩、とう/\誘惑にまけて、ひつかけること濁酒一杯、焼酎一杯(それは二十銭だけれど、現今の財政では大支出だ!)。『行乞記』飲みつゞけ話しつゞけだ、坐敷へあがると、そこの大机には豆腐と春菊と密柑と煙草とが並べてあつた、酒の事はいふだけ野暮、殊に私は緑平さんからの一本を提げてきた、重かつたけれど苦にはならなかつた、飲むほどに話すほどに、二人の心は一つとなつた、酒は無論うまいが、湯豆腐はたいへんおいしかつた。春菊のエチュベ【材料】春菊 1束/にんにく 1片/オリーブ油 大さじ1/水 大さじ1/塩 小さじ1/4/胡椒・松の実(煎る) 適宜【作り方】1. フライパンに春菊、にんにく、オリーブ油、水、塩、胡椒、を加えて蓋をし、蒸し焼きにする。皿に盛って松の実を散らす。 エチュベってのはフランス料理の技法のひとつで素材の水分を最大限活用して蒸し煮することをいいます。なんてホントのプロの技法を習った訳でもないから適当で構わないかな。プロのものと食べ比べない限りはそれなりにちゃんと美味しくできるから手っ取り早く作れて気に入っています。春菊と鶏胸肉の煮物【材料】春菊(5cm幅) 1把/鶏肉(胸/斜めそぎ切り/片栗粉をまぶす) 1/2枚/生姜 1/2片/だし 100ml/酒・みりん・醤油 大さじ1/塩・片栗粉 適宜【作り方】1. 鍋に湯を沸かして鶏胸肉を茹でる。鍋にだしを沸かして酒、みりん、醤油、塩、生姜を加える。鶏胸肉、春菊を加える。 随分前に作ったからよく覚えていないけれど、まあ間違いなく美味しかったんでしょうね。こうしてみると春菊って結構万能食材ですね。春菊ごはん【材料】ごはん 2合/春菊(1cm幅) 1把/ごま油・顆粒だし・塩・生姜(千切り)・白ごま 適宜【作り方】1. フライパンにごま油を熱して春菊を炒める。顆粒だし、塩を加える。ごはんと混ぜる。茶碗に盛って生姜、白ごまを散らす。 これはもう大好きで大いに気に入ってます。春菊って葉と茎の部分の食感がどちらも全く別物で楽しいです。その中間もまた別物みたいでひとつの食材で3つの違った食感が楽しめます。春菊スパゲッティスパゲッティ(茹でる) 100g/春菊(茹でる/4cm幅) 1/2把/豚ひき肉 30g/オリーブ油・にんにく・赤唐辛子(砕く)・塩・胡椒・パルミジャーノ 適宜1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。豚ひき肉を加える。スパゲッティ、春菊、塩、胡椒を加える。皿に盛ってパルミジャーノを散らす。 ごはんが美味しいならスパゲッティにも無論合うのです。今回は豚ひき肉と併せたけど、ツナだってベーコンだってしらすだって無論、春菊だけでも、さらには春菊をジェノベーゼにしても、ダブル使いしても間違いなく旨いと思います。
2023/12/02
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下総中山について、書きたいこともないのでネットでネタを仕入れようと闇雲にリンク先をクリックしてみると以下のサイトが表示されました。いい部屋ネット 「街の住みここち&住みたい街ランキング」https://www.eheya.net/ 町の住みやすさを口コミで採点するというサイトは、ここに限らずあちこちにありそうですが、なかなかに興味深いものですね。ぼくは今の町に住み始めて随分経ちますが、引っ越しに要する労力を思うともう死ぬまでここでも構わないかと思い始めています。そりゃまあ叶うことならセカンドハウス、サードハウスなんてのが持てるとそれに越したことはありませんが、そんな甲斐性などあるはずもない。https://www.eheya.net/sumicoco/2023/ranking/chiba/sumicoco_station.html ところがよくよくこのランキングを眺めると千葉県の1日の利用者数が多い駅の上位5駅が(西船橋駅(ランキング外)、柏駅(76位)、船橋駅(79位)、松戸駅(ランキング外)、千葉駅(65位))がことごとく下位の評価となっているのです。交通が利便性と住みやすさが必ずしも合致しないというのは分からなくもないのですが、ぼくにとっての住みやすさは確実に交通の利便性がかなりの割合を占めるのです。数少ないある程度は納得のいく調査結果は、市川駅がある位でそれでも順位が30位(ちなみに乗降者数11位)と必ずしも高くないのでした。松戸駅だって賑やか過ぎず都心へのアクセスも良くて住むには悪くない町だと思うんですけどね。ちなみに今回訪れた下総中山駅は、駅ランキングの千葉県版で、39位でありました。なかなかの高順位です。 と本題から遥かに遠ざかってしまいました。下総中山では何度か呑んでいますが、まだまだ良さそうなお店があるではないですか。ついハシゴしてしまいましたが、今回は「お茶漬・おにぎり ぼんち」にお邪魔することにしました。どうしてこんな駅側のよさげなルックスのお店を見過ごしていたんだろうか。以前、気付いていたら身を粉にしても立ち寄っていたはずです。なかなかこの辺まで呑みにこようって気にはなれませんから、回れるうちに行っておこうってなったはずです。でもこの夜は、この次にもなかなかに味のある酒場があったから結果的にはオーライなのです。かつては無理矢理4、5軒とハシゴしましたが、今は2軒、ちょっと頑張って3軒が限界です。というか無理して呑むなんていう無駄は回避するという賢明さにようやく立ち至ったのです。さて、こんな店なのでさぞや高齢の女将さんがカウンターの向こうにいると思ったら福々しくも若々しい方がおられました。10席に満たぬ程度のカウンター席はほぼ埋まっていて、固定客もしっかり獲得されているようです。そうあれこれと肴の用意はないようなので、お隣が召し上がっていたエイヒレを焙ってもらいます。焼酎割りはないようなので、瓶ビールから日本酒という流れを想定したのであります。女将さんの人柄もあるのでしょうか、女性のお客さんと男性が同じ位の割合といった具合です。女性客の多い酒場っていうのは基本的に外れがないような気がします。隣席のお兄さんも初めてみたいですが、果敢に常連さんたちに語り掛けて仲間入りを画策しています。〆だと思われたおにぎりを食べ終えてもなお、会話を続けたいというのは常連入りを目指したのでしょうか。それだけ気に入ったってことなんでしょうけど、その必死さが何だか見ていて息苦しいなあ。
2023/12/01
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