全30件 (30件中 1-30件目)
1

自宅ではお手軽ディナーでも大満足 その308 ぼくは子供の頃、ほんのわずかな期間ではありますが秋田に住んでいたことがあります。秋田の名物料理は色々ありますが、きりたんぽ鍋が全国的にも知名度が高く、現地の人もしばしば口にしていたようです(近頃はだまっこの入った鍋が主流との説あり)。このきりたんぽ鍋に欠かせない食材として、当然きりたんぽが挙げられますが、他にも比内地鶏(のスープも含む、実際に家庭で比内地鶏を用いているかというと必ずしもそうではなさそうです)、舞茸に加えてせりがあります。今回のテーマはせりなのですが、きりたんぽ鍋をすると現地の人はせりの根っこの部分を争って食べるなんて話がえーっ、ウッソーなんて言われたものですが、今ではすっかり人口に膾炙したかに思われます。せりはセリ科の多年草だそうで日本全国の山野に自生しているようで、ちょっと郊外の水田などの片隅で見掛けることがあります。ここで語りたいのが先行き不透明な日本いや世界の経済状況を思い遣ると自生している山野の幸をみすみす見逃すのはどうかということなのです。これはせりに限られたものではないですが、こうした植物を取ることは是非とも身に付けたいスキルの一つであります。無論ぼくも『食べる野草図鑑』を所持してはいるのですが、実践するには至っていないのが実情です。というのも私有地に生えている野草を収穫することは道義的に許されることではないとなると、収穫可能な場所は公園などの公有地(実際には地元に入会権がある場合が多いそうです)だったり河川の土手(昔から畑として利用してきて実際には既得権化している場合がある)などに限られると思われます。しかも動物の糞尿などに晒されていたり、除草剤が散布されているなどのリスクも十分に考えられるわけで、そうなると一体どこに収穫できる場所があるんだと断念を余儀なくされてしまうのです。さて、野草を合法的に楽しむための妙案はないものだろうか。 でもまあ、せりはタイミングさえ合えば安価に入手できます。でも都内で出回るのは恐らくは茨城県産(せりの生産量の6割を茨城県と宮城県が占めているそうです)のようで、ぼくの実感としては宮城県産よりも圧倒的に風味が弱いし、何より寂しいのは根っこが2、3mmしか残っていないことです。まあ、手に入るだけでも良しとせざるを得ないのでしょうか。 昔から冷たいせりそばはよく食べましたが(といってもお浸しのせりを添えただけ)、温かい方がきりたんぽ鍋や宮城のせり鍋に近いと思って試してみることにしました。【材料】そば(茹でる) 1人前/せり(4cm幅/茹でる) 1束/めんつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそば、せりを盛ってめんつゆを注ぐ。 うん。この方が風味が多少なりとも強く感じられます。でもちょっとさっぱりし過ぎなので、できれば肉類、もしくは天かすなどをトッピングすればなお良しだったと思います。 青菜のカレーって本格的にはミキサーにかけたりするのが正統なんでしょうが、単に刻んだのをあっためる程度に火を通したのもシャキシャキとした食感が楽しいものです。ということでせりカレーを作ってみることにしました。【材料】ごはん・せり(3cm幅)・豚ひき肉・玉ねぎ(くし型切り)・ニンジン(銀杏切り)・じゃがいも(皮を剥く/一口大)・にんにく・生姜・カレー粉・水・顆粒コンソメ・カレーフレーク・サラダ油 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜を炒める。豚ひき肉、玉ねぎ、ニンジンを加える。カレー粉を加える。水、顆粒コンソメを加える。カレーフレーク、せりを加える。皿にごはんを盛ってかける。 うんうん、このすっきりとした青臭みが実に美味しいですねえ。胃腸への負担も入れないモノより軽くなるような気がします。せりをミキサーにかけて食べたことがないので、今度はピュレにしたもので試してみたいと思います。 せりを生で食べたことがなかったのですが、たまたま、せりのサラダを見掛けたので、かなりのアレンジを加えてせりと崩し豆腐のサラダを作ってみました。【材料】せり(5cm幅)・【崩し豆腐ソース(混ぜる)】絹豆腐(水切り/ほぐす)・にんにく・ごま油・醤油・酢・鶏がらスープの素・白ごま 適宜【作り方】1. 皿にせりを盛って【崩し豆腐ソース】と和え、白ごまを散らす。 おお、これは実に美味しいですねえ。これは定番入りになります。そろそろせりの旬の時期も終わりとなりますので、もう一度位食べられればいいなあ。 もう数年前のことになりますが、谷中のとある居酒屋で鴨とせりの炊き合わせを頂いたことがあります。いつか作ってみたいと思っていましたが、なかなかチャンスがなかったのでした。鴨肉がないならまあ鶏肉でもと鶏とせりの煮付けを作ってみました。【材料】鶏ささみ(斜めそぎ切り) 3本/せり(5cm幅) 1束/生姜(千切り) 1片/だし汁 500ml/酒・みりん 大さじ1/醤油・塩 小さじ1/2/柚子胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にだし汁、酒、みりん、醤油、塩、鶏ささみ、生姜を入れて加熱する。せりを加える。柚子胡椒を添える。 う~ん、悪くないけれどだしを顆粒だしで作ったせいか変に旨味が強くなってしまいました。せりの煮物は淡泊な味付けの方がいいから、これを作るならちょっと面倒ですがちゃんとだしを取って作るのが正解だったようです。
2023/04/30
コメント(0)

特段、山菜に限ることではないのかもしれませんが、山菜ってのは味覚の記憶として留めるのが困難な食材に思えます。得てしてよほど口に合わなかった料理というものは案外しぶとく記憶を遡ると味覚までもが再現されるような感覚を味わうこともあるけれど、逆に最高の美味と感じられた食材は不思議なことにどんなに思い出そうと努力したところで思い起こすことができるものではないようです。まあ、自在に味覚を蘇らせることができるとすると好みの記憶ばかり再現してしまいすぐさまに飽きてしまうはずだからそれはそれでわれわれの味覚は上手くできていると考えても良いのかもしれません。なにせ思い出すだけで絶佳の味が再現できてしまうとわれわれ人類は食事するのを面倒と感じて撮らなくなってしまうかもしれず、つまりは生命維持にとって味覚の記憶の忘却というのはむしろ生きる上のため備えられたメカニズムとしてそもそも組み入れられている機能なのかもしれないなんて思ったりもします。話を山菜に戻しますが、山菜は他の食材よりも忘れてしまいやすい傾向が強いのは旬の季節が限られているものが多いからなのかもしれません。近頃は栽培技術の向上もあって旬の食材という感覚が希薄となっていて、山菜についても野菜と同様に栽培可能となったものも少なくないわけですが、やはり山菜というのは旬の時期に食べた方が美味しく感じられるものだし、もしかすると人体の時計機能にも影響を及ぼしているんじゃないかなどと思ってみたりもするのです。ということで、今回はふきです。酔っ払った夜に近所のスーパーで格安販売されていたのを勢いで2袋買い込んでしまったのですが、なぜか下拵え処理済みの商品と思い込んでしまっていたので、翌朝未処理と知り後悔しつつ慌てて板摺、茹でる、水にさらす、筋取りに励み、所用のために出掛ける直前になんとか間に合わせたのでした。 お決まりのカレーにトッピングしてみました。ふきカレーです。【材料】ごはん・ふき(3cm幅)・豚ひき肉・玉ねぎ(くし型切り)・ニンジン(銀杏切り)・じゃがいも(皮を剥く/一口大)・にんにく・生姜・カレー粉・水・顆粒コンソメ・カレーフレーク・サラダ油 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜を炒める。豚ひき肉、玉ねぎ、ニンジンを加える。カレー粉を加える。水、顆粒コンソメを加える。カレーフレーク、ふきを加える。皿にごはんを盛ってかける。 きっと違和感ないなとは思っていたけれど、予想を上回って美味しかったです。でもこれなら水煮のふきでも代替できそうです。 先般も書いたように山菜と油脂は相性がいいからとふきとしらすのチーズ焼きを作りました。【材料】ふき(5cm幅) 3本/しらす 大さじ4/胡椒・溶けるチーズ 適宜【作り方】1. 耐熱皿にふきを並べてしらす、胡椒、溶けるチーズを散らす。オーブンで180℃10分焼く。 まあ、こりゃ当然に美味しいですね。しらすとチーズというのも困った時のお助けアイテムです。 ふきのチャンプルを作ってみました。チャンプルってのも単純な料理ではありますが、大概の食材をたっぷり頂けるいいレシピだと思っています。【材料】豚ひき肉 80g/塩・胡椒 適宜/木綿豆腐(2等分/1cm幅) 1/2丁/ふき(5cm幅) 3本/卵 2個/鰹節 1袋/【調味料】酒 大さじ1/醤油 大さじ1.5/オイスターソース・ごま油 大さじ1/顆粒だし 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにごま油を熱して豚ひき肉、豆腐を炒める。ふきを加える。【調味料】を加える。溶き卵を加える。皿に盛って鰹節をふる。 ああ、これは思った以上に美味しくて箸が止まりません。あえて味付けを控えめにするのがいいかも。 でも、やはりふきごはんが食べたくなります。というか買い求めたふきの袋に印刷された調理例がこれだったのです。油揚げを加えていますが、鶏ひき肉なんかでもきっと美味しく仕上がりそう。【材料】米・だし 1カップ/昆布 3cm角/ふき(1cm幅) 2本/油揚げ(縦2等分/5mm幅/湯抜き) 1枚/薄口醤油・酒・砂糖 大さじ1/みりん・塩 適宜【作り方】1. 鍋にだし、昆布、ふき、油揚げ、薄口醤油、酒、砂糖、みりん、塩を入れて煮る。昆布、ふき、油揚げを取り出しす。米、煮汁を炊飯器に入れて炊く。ふき、油揚げを入れて混ぜる。 でもここは敢えて余計な食材を加えずふきだけでも良かったかなあなんて思います。甘めの味付けにしたのもとても良かった。今回の4品ではピカ一でした。
2023/04/29
コメント(0)

例えばネパール料理店があったとする。なぜ数ある料理店からネパール料理店を選択したかの理由は単にこの夜訪れたのがネパール料理店であったからなんですが、まず問題としたいのがいかなる理由をもってネパール料理店を標榜するのだろうか。ぼくはネパール料理を好きであるし、ひと頃は好んで通ったこともあります。でもネパール料理店を標榜するとある店のシェフはインド人だったのです。ここでハタと疑問が湧いてくるのです。ネパール料理店であるならばネパール人が料理を作るからネパール料理店であるわけではないのだということです。そりゃまあそうでしょう。ネパールと苦に出せば簡単にひと言で言い表せますが、実際のところは知らぬけれど、民族だったり宗教だったり、国内における地域性もあったりするだろうから、単純に統一されたネパール料理など存在しないはずに思えるのです。仮にネパールが単一の民族、宗教による国家であって、気候や土壌などの差異が存在しない国であったとしても、世代だったり年齢だったり性別、それこそ体質や味の好み、飲酒習慣の有無などなど次第でもどことなく似ていなくはないけれどでもやっぱり違う料理じゃないのっていうものも同じネパール料理として一括りにしてもいいものなんだろうか。さほど厳密でもないけれど、大雑把ではあってもちょっと疑問を抱いてしまうとこんな風にネパール料理と雑なカテゴリーで分類することが誤りのような気がしてしまうのだ。でもここでとりあえずの私的な見解を表明するとそれでいいのだってことになるのです。店の人がうちはネパール料理店だって標榜した時点でそこはネパール料理店であって、インド料理に近いなあなんて思ったとしてもそこはインド料理店ではないし、バングラデシュ料理でしか使われていたことのないスパイスが使用されていたとしてもそこは断じてバングラデシュ料理店ではないのだ。店の人がベンガル語でうちはネパール料理店だと告げたならそこはネパール料理店なのです。実際のところ、都内には数知れないほどのネパール料理店があって、個々の店を識別するのに新宿のネパール料理店に行こうなんて言い方はせず、店名で語ることが多いと思うのだ。逆に料理店が数軒しかない店でもネパール料理店とは呼ばれずカレー屋に行こうってな言い方がされていそうに思うのだ。まあ、何にせよ今回は三河島のネパール料理店の話をするのです。 その店を見つけたのは、三河島駅のホーム上からでした。以前は、「三河島焼き鳥酒場」なる極めて散文的なる素っ気ない店名の看板が知らぬうちに「ニューアユス(New Ayush)」なる得体の知れない看板へと置き換えられていたのです。いつものことではありますが、「アユス」とは何ぞやと気になったので調べてみたところ、Ayushとは、Ayurveda(アーユルヴェーダ)、Yoga and naturopathy(ヨガとナチュロパシー)、Unani(ユナニ医学)、Siddha and Sowa rigpa(シッダ医学とチベット医学)、Homeopathy(ホメオパシー)の略語とのこと。ぼくには、"A"、"y"、"h"しか聞き覚えがないけれど、つまりは西洋医学とは異なるインド医学の総称のようです。Ayushを管轄するAYUSH省なるインド政府じきじきの機関も存在するらしいけれど、それのNewだから事前に知っていたらよほど先進的かつ先鋭的な店主がやっているのではないかと警戒して訪れることはなかったかもしれません。でも以前と同じ場所に看板を掲げているということは業態のみ転換しただけではなかろうかという予想は少しの意外性もなく的中したのでした。内装こそ手が加わっていますが、以前の緩い焼鳥酒場の印象はそのままです。店内には先客がいて国籍不明のカップルだったんですが、イチャイチャしながら青菜炒めやらコールスローなんかを召し上がっておられました。ここがお手頃なのは知っていたので、まずレモンサワーを注文。メニューを眺めるとおお、ダルバート(この店ではダルバトセットの標記)が550円はお得ですね。これで味試しすることにしよう。ところが待てど暮らせど出てこない。豆の粉のお煎餅のパパドだって随分経ってようやく登場。3名のみの客なのにオーダーが通っていなかったみたいです。やがてレンチンの音が響き渡ります。ここですでに少し嫌な予感がしていました。出されたセットはちょっとチャチですが、まあそれなりの体裁は保っています。豆カレーのダルにマトンカレー、ニンジンときゅうりをスライスしただけのサラダに謎のチャツネ、大根のアチャール(でいいのかな)にもそもそのライス(インディ米でもタイ米でもない謎の古米)が盛り合されています。穏やかな風味の印象があるネパールのダルですが、ここのはドライな味わいで違和感があるけどまあこれはいい。マトンカレーは作り置いてレンチンしたのだろうかちょっと生臭いのです。でもこれはまだよかった。チャツネはトマトなのかなあ、食べられなくはないけどこのセットには合わないかな。問題はアチャールです。恐らく写真では見て取りにくいべっとりとまとわりついたオイル(多分マスタードオイルなのかなあ)がこれまで経験したことのない独特の刺激味と臭いだったのです。何の味も付いていないニンジン、きゅうりが清涼剤のように感じられました。それでも何とか食べ切ったところへ店の方がライスのお替りを尋ねてくれますが、丁重にお断りしました。きっと悪気もないし、彼らはこれを普通に食べてるのかもしれませんが、これまでぼくが食べてきたネパール料理とは全くの別物でした。その後、ラッシーも出てきたのですが、いろんな理由で呑み切れませんでした。店を出るといつもの立ち呑み屋に向かったのですが、普段はクリアな味のチューハイが謎のオイルの影響がとんでもなくえぐく感じられてちっとも進まなかったのです。ネットを見ると好意的な評価もあるので、これはあくまでもぼく個人の感想ということでお聞き流しください。
2023/04/28
コメント(0)

本来能天気なことこの上ない当ブログでありますが、冒頭に書くには重苦しくて人によっては深刻な糖尿病の話題から始めることにします。成人病、そしてその代表的な病気のひとつである糖尿病は、このブログをご覧いただいている少なからずの方にとって気掛かりなことであるとは思いますが、今回は酒と糖尿病の話ではなく、酒と小麦食材のお話をするつもりです。 まずは日本の現状から。日本における糖尿病人口数については、以下のサイトを見ると日本はかなりの上位にランクされています。OasisMedicalについて 「医療法人による糖尿病患者のためのコラム」https://oasismedical.or.jp/touseki_column/kisochishiki/world-ranking でもまあ日本という国が世界的に人口の多い国であることが影響していることもあって、以下のサイトの糖尿病有病率を見ると、グローバルノート - 国際統計・国別統計専門サイトhttps://www.globalnote.jp/post-12587.html 無料の利用者には有病率は定かではないものの123位と飽食国家としては思ったより低いんじゃないかって思ったりもします。 ここで小麦食材の話題に切り替えると香川県は日本では有数の有病者の多い都道府県であるようです。その要因のひとつとして言われるのが言うまでもなくうどんの摂取量が多さが指摘されています。かがわ糖尿病予防ナビ > 香川県の現状https://www.pref.kagawa.lg.jp/kenkosomu/yobou/tounyounavi/state.html まあそうなんだろうなあと思ったりもするけれど、ならばパスタをたくさん食べるイタリアはどうなんだって話になります。先の有病者率の世界ランキングではイタリアは134位にランクしていますから日本とそんな変わらないんじゃないかって気もするけれど、以下のような指摘もあります。ママテナ 「ダイエット中でもOK? パスタは麺類の中でも血糖値が上がりにくい!?」https://mama.smt.docomo.ne.jp/article/b/228738/「GI値が高いとそれだけ急激に血糖値が上がることを示しており、インスリンの分泌が盛んになり、エネルギーに変わらなかった糖分は脂肪に変わる」というそのGI価がうどんと比べると低め、というかうどんがめちゃくちゃ高いっていうことになって、その差が有病率の差に繋がっているのかもしれません。でもまあいずれも高めであることは一緒だから麺類を食べるならできるだけそばにして、うどんやパスタはなるべく控えた方がよさそうです。なんてそんなこと大体知っていたけれど、それでも時にはうどんを食べたくなるし、パスタはしょっちゅ食べたくなるのだから我慢してストレス溜めるよりもっていうお決まりの話となるのです。 えのきとピーマンのスパゲッティを作りました。えのきやピーマンなどと合わせて食べれば多少は身体に悪くないから作った、訳じゃなくて単に食材があったことと、この組合せならまずそれなりに美味しいと見越してのことだったのです。【材料】スパゲッティ(茹でる)・えのき(4cm幅)・ピーマン(横細切り)・豚ひき肉・にんにく・赤唐辛子・オリーブ油・バター・醤油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。豚ひき肉を加える。えのき、ピーマンを加える。スパゲッティを加える。バター、醤油、塩、胡椒を加える。 あれれ、写真を見ると上に大根おろしがのっかってますね。まあいいか。まあねえ、やっぱり普通に美味しくいただけます。甘いスパゲッティもある位どんな食材との組合せにも耐えうるのが重宝なもんだからついつい使っちゃうんですよね。 水菜としらすのスパゲッティでさらにサラダ感覚をましてやるといいかもしれません。これまた凡庸な組合せで面白味がなくてお恥ずかしいことです。【材料】スパゲッティ(茹でる) 120g/水菜(5cm幅) 1/2本/しらす 大さじ3/にんにく 小さじ1/赤唐辛子 1本/オリーブ油 大さじ1/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。水菜、しらすを加える。スパゲッティを加える。塩、胡椒する。 たまたまスパゲッティですが、これって間違いなくうどんにだって合いますね。というか次のパスタもそうですが、パスタに合うものはうどんにだって合うし、逆もまた然りです。デザート系パスタってありますが、先入観さえ抜きにすればうどんにだって合わせられると思うんですね。あえて食べたいとは思わないですけど。 うっかり先般作り過ぎてしまって持て余していた鶏手羽元の魯肉風を使っただけの安直レシピ、鶏手羽元の魯肉風スパゲッティであります。鶏手羽元の魯肉風のレシピは以前アップしたものをご参照ください。【材料】スパゲッティ(茹でる)・鶏手羽元の魯肉風(ほぐす)・にんにく・赤唐辛子・オリーブ油 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。鶏手羽元の魯肉風を加える。スパゲッティを加える。2023/3/14 八角なんかのスパイスの香りもパスタは全然受け止めてくれます。イタリア料理は色んな風味が混じり合うような複雑な味を嫌う傾向がありますし、日本料理もそうかもしれない。昔の日本人なら嫌うかもしれませんが、現在を生きるわれわれには少しも違和感なくいただけました。
2023/04/27
コメント(0)

事前調査もなくとある縁の薄い町で呑むことになった場合、ぼくは居酒屋を探し求めます。酒が呑めさえすれば居酒屋以外のどんな店で呑んだって構うまいってなわけにはいかないのであります。まあ、居酒屋であっても全国どこの店も変わらないチェーン系居酒屋やファミレスは選ばぬだろうし、バーは気分次第、店次第で選択肢に加えることはあるけれど、スナックなどの酒を呑ませることを第一義としない店には訪れることはないのです。まあ、スナックの場合は目的が酒の場合は純粋に酒場としても利用できなくはないけれど、一般には店の人や常連との語らいやカラオケなんかも同等の価値を置いているように思えます(これはぼくの未完成の定義でありまして、詳細については、Wikipediaの「スナックバー」に記載があります)。まあ、何だかんだ書いてみたけれど、とにかくスナックでは極力吞みたくはないのです。例えば最果ての町で酒を呑ませる店がそこしかないってことになればそりゃまあスナックにだって足を向ける可能性はなくもないのだろうけれど、久しくそのような町(そもそも酒を呑ませる店がせいぜいスナック位しかないような土地を町と呼んでいいものだか疑問ではあります)に赴いてはいないのだ。だけれどそんな特殊な条件でなくともごく稀にスナックへと足を踏み入れることがあるのでした。そんな事態に陥る理由はいくつか考えられるけれど一つには見た目には居酒屋なのに内情はスナックそのものである場合があります(適当な事例が見つからなかったけれど、以前書いた町屋の「初歩」(https://plaza.rakuten.co.jp/nilic/diary/202211090000/)がそれに近いかと)。場末の居酒屋に行くとこの手のお店は少なくなく、多くは客の要望からカラオケを導入することでスナック化するということが多そうです。もう一つの理由として考えられるのは、酔った勢いというヤツです。先の事例も少なくないが、実感としてはこちらの場合が多いのです。 町屋にも居酒屋を標榜しつつもその外観はどう見てもスナックというお店があります。ガラス扉の紫がいかにもいかがわしい雰囲気を店にもたらしていると思うのですがいかがでしょうか。店名は「居酒屋 町屋おんじ」と何だかよく分からないけれど、スナックとは程遠いのもユニークではあります。でも、普段の酒の入っていないぼくならまず近寄ろうとはしないタイプのお店なはずだったのです。足を踏み入れたのは、そうなのです、軽く酔っていたからなのでした。酔っていたから不安よりも好奇心が勝っていました。果たして内実はスナック風の外観に見合ったものかむしろ標榜する居酒屋に近しいか、躊躇もなく扉を開いたのでした。答えは後者でした。見た目からしていかにもな雑然とした居酒屋の風景が広がっていました。しかもかなりの客の入りです。カウンター席がないので一人だとちょっと辛そうですが、平気で一人で酒なしの食事をとっているお客さんもいます。品書きを見ると、なるほどいずれもお手頃価格であります。種類も豊富で小腹に溜まりそうなラインナップも充実しています。なるほどこれならねえ、そこそこ賑わう訳です。紫の扉だけでも手を入れたらいいのになんて一瞬考えが過りましたが、現状でこれだけの集客があるならあえて手を加えなくても十分成り立つということか。この客たちも皆さん、ぼくと同様にスナックか居酒屋かを賭けして入ってこられたのだろうか。きっとそれは違って、思い切って訪れた何名かの人たちか口伝で広めていったんじゃないかと推測されます。すっごい旨いとかそういう店ではないけれど、お手頃に立ち寄るにはなかなか悪くない居酒屋でありました。
2023/04/26
コメント(0)

自分がうど好きなものだからちっとも気に掛けたことがなかったけれど、うどを嫌いな人って案外いそうな気がします。独特な風味やほのかな苦みが苦手だって言われればそういうこともあるかもしれないなあなんて思ってしまいます。大体においてうどを通常の食事のための材料として用いるのは日本以外にあるんだろうか。中国なんかでも口にすることはあるようですが、、漢方や薬膳など薬用効果を目途としていることからも推測できるように美味しいものを食べるというのではなく、むしろ薬効を目途としている食べものとは別物として認識されているようなのです。うどって言っても大雑把に野生種(一般に山うどなんて呼ばれたりする)と栽培種(軟白うどが代表的)があって、一般に前者は山菜風味が強いのに対して後者は野菜化して上品で淡泊な味わいに感じられます。ぼくのような山菜好きには前者が苦手っていうのは分からなくはないですが、後者が食べられないっていうのはどうしても理解ができないのです(食べられない人には食べられる人の味覚こそ分からないのかもしれない)。そこにはマルクスの記すところの「命がけの飛躍」のような決定的かつ根本的な理解不可能性があるのではあるのだろうと思うのです。ともあれこの季節は憂鬱なことも多いけれど、うどをはじめとした山菜を食べることで何とか乗り切っていく所存です。 あえてレシピ風にするまでもないうどと豚ひき肉の炒め煮です。日本のトラディショナルな山菜料理っていかにも和風っていうものが多くって、これが山菜嫌いの人がいつでも一定数存在する所以なんじゃないかと思っています。山菜って油と相性がいいことは日本料理でも天ぷらに限らず調理の冒頭で油で炒めることが多いことからも明らかです。だから肉との相性も悪い訳がなくて、ぼくは大概の山菜はひき肉と一緒に炒めてしまえば大概美味しく食べられると思っています。【材料】うど(乱切り)・豚ひき肉・醤油・みりん・砂糖・酒・ごま油 適宜【作り方】1. 鍋にごま油を熱してうど、豚ひき肉を炒める。醤油、みりん、砂糖、酒を加えて炒め煮にする。 てことでちっとも意外性もなく美味しいのでした。これだったら多少変色しちゃっても大丈夫だから下拵えも手抜きできますしね。まあ、真っ白なまんまで他の白井食材と合わせて真っ白いお皿にのせた、そんな料理レシピを考えるのも楽しそうですね。 その炒め物をパスタと合わせても美味しいのです。うどと豚ひき肉の炒め煮のスパゲッティですが、これまた間違いなく美味しいでしょうね。【材料】スパゲッティ(茹でる)・うどと豚ひき肉の炒め煮・にんにく・胡椒・オリーブ油 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。スパゲッティ、うどと豚ひき肉の炒め煮を加える。皿に盛って胡椒を散らす。 山菜料理というと大定番は天ぷらだと思うのですが、何度も書いたように自宅で揚げ油の始末やらなんやらで天ぷらを始めとした揚げ物料理はまずしません。それでも山菜が食べたかったので、よく作ったのが山菜のペペロンチーノ風でした。それをパスタと一緒にして食べるのは春の定番料理になりました。当然うどでも良く作ったものです。天ぷらもいいけどこれも美味しい食べ方だと思ってます。ヘルシーだしね。 うどのアンチョビチーズ焼きも上記同様にチーズの油脂と相まって美味しいに違いない。というか以前はレシピ化するという習慣もなかったので記録はありませんが、きっと似たような料理を毎年作り続けてきたはずです。【材料】うど(乱切り) 1本/アンチョビ(粗みじん切り) 5枚/溶けるチーズ 60g/オリーブ油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 耐熱皿にうどを並べてオリーブ油をかける。アンチョビ、塩、胡椒、溶けるチーズを散らす。オーブンで200℃15分く。【備考】madame FIGARO.jp 「平野由希子の季節のおつまみ ウドを皮付きでグラタンに」https://madamefigaro.jp/series/yukiko-hirano/220325-udo.html 作り続けていたから美味しいに決まってる。たまたま似たようなレシピがあったので、参考にURLも付しておきました。ぼくに限らず山菜とチーズの組合せはとても相性がいいと考える人がいることで、自分の味覚が変でないことを確認できてちょっと安堵してみたりするのです。
2023/04/25
コメント(0)

どうしたものか最近になって実に久方振りにエスニックな料理への欲望がふつふつと湧き上がっているのです。その原因の一つとして3月下旬頃からパクチーの価格が非常に安くなっていて立派な1束が98円とかで売られていたりするから非常にありがたいのです。刻んで冷凍とかしておけばいいんでしょうけど、残念なことにうちの冷凍庫はいつだってギュウ詰め状態だからそうもいかぬのであります。なのでせっせと食べるしかないのですが、休みの日はともかくとして平日は寄り道してから帰宅、諸々の雑事を済まして後は食べて寝るだけって状態に至る頃にはもういい時間となってしまっています。さすがにパクチーを使ってどう料理してやろうかなどと思案に暮れている時間もないわけで、せいぜい適当に仕上げた料理にパラリと散らす程度の消極的な使い方になるのです。ってパクチーのことに長々と触れるつもりではなかったのだ。どこの国の料理が食べたいのかまだ正確に捉え切れていないけれど、東南アジア方面に解答がありそうな予感があります。そういや年明けしばらくは台湾料理に軽くハマっていたことを思い出しました。比較的日本人の味覚にも馴染みのいい台湾料理から徐々に個性的な味わいの東南アジア系の味へと接近するための準備段階にあったのかもしれません。で今気になっているのはベトナム料理です。タイ料理は若い頃に食べ過ぎたからもうさほど惹かれることもなくなりましたが、ベトナム料理はごく稀にしか食べる機会がなかったのです。でもそれがベトナム料理に惹かれる理由かどうかと問われたとしてもすんなり首を縦に振るだけの核心はありません。それこそ専門店で食べたことのない国の料理だってあるから全くの未知の味って訳ではないという点にこそ理由を求めるべきなのでしょう。ってまああれこれ語っているけれど、ベトナム料理が食べたかったんだって気付かされたのは全くの偶然がもたらしたその結果があってこその者だったのです。 というのが、近頃未訪店へ訪れる機会が少ないので通い慣れた町、田端を散策していたところ見知らぬお店を見掛けました。「ダンkitchen しんまち食堂」ですが、パッと見には普通の洋食中心の今風の食堂って感じです。定食中心のお店に思えますが、まあ単品でも注文できるだろうし、ビール位は置いてるだろう。食事しているお客さんもいるみたいだし入ってみるか。2人掛けのテーブルが10卓ほど並んでいます。ダンさんの奥さんらしき方に奥の席に通されました。席に向かう途中でようやくにして不可解な点に気付いてしまうのです。まず奥に輸入食品の販売エリアがあること、そして小さな黒板にフォーやバインミー(?)、それに揚げ春巻が記されているのでした。おお、ここは和洋食を中心とした食堂であると同時にベトナム食材店かつ料理店だったのですね。お客さんもベトナムの人らしくぼくにはチンプンカンプンな会話を交わしておられました。改めて厨房の方に目を遣るとうずたかく春巻が盛られています。これはいいとメニューを見るとおやおやベトナムのビールも揃っていますね。でもここは日本の瓶ビールに揚げ春巻を合わせることにしました。料理ができるまで奥の食材を眺めさせてもらいます。いやはやなかなかの品揃えだし、かなりお手頃価格であれこれ買い求めたくなります。冷凍のシャコもあってしかも手頃で無意識に手を伸ばしそうになりますが、ぐっと我慢。この量を食べ切る覚悟がなかったのです。調味料も色々揃っていたので、お買い物リストを作ってまた来ることにしよう。厨房を見ると揚げ春巻は奥さん(?)が担当。ベトナム料理は奥さんが担当しているのかもしれないです。さてお待ちかねの揚げ春巻が届きました。4本もあるなんて嬉しいですね。バインミーに挟まれている紅白なますとパクチーが添えられています。手作りらしき甘味控えめのさっぱりとしたスイートチリソースも美味しいです。厨房の棚の上に置かれた瓶がそうなんでしょうか。だとするとこのなますはソースで漬け込んだってことかもしれない。だとするとなかなか合理的に思えます。さてパクリ。おお、肉々しくて食べ応えも十分です。さっぱりしたタレを付けるというのがいいですねえ。お勘定の際にダンさんにもうちょっとベトナム料理も増やしてもらえると嬉しいなあなどと注文を付けてしまいましたが、和食食べに来てくださいね、って返されてしまいました。今度はそうするべきかなあ。ってきっとまたベトナムの料理を頼んでしまいそう。そうそう、改めて写真を見返すとおやおや店主のダンさんを模したらしい似顔絵の頭から日の丸に加えてベトナムの金星紅旗が刺さっていましたね。
2023/04/24
コメント(0)

うどの続きです。次回もうどを予定していてどれだけうどが好きやねんって感じですが、実際に好きってのもありますが、うっかり安いからって買いすぎちゃったんですね。山菜全般に言えることですがそう日持ちがする食材でもないので、途中レンチンして火を通しておきました。実際のところそれが正解なのか比較していないので分かりませんが、多分そのまま野菜室で放置するよりは長持ちするような印象です。さて、ご存じの方も多いかもしれませんが、実はうどの生産量は東京都が全国一なんですよね。たまに勉強になる『食彩の王国』(って今改めて見返してみるとなかなかに仰々しい番組名でありますね)で初めて知りました。東京のうどは地下に作った室で栽培されてるんですね。しかも三鷹市や立川市など都心近郊の町がメッカというのも何か愛着を感じます。栽培ものは天然ものよりも香りや風味は強いので天ぷらとして調理するのがお決まりですが栽培ものはそれはそれで汎用性も高く色んな料理に使えそうです。悪くなるまでに使い切りたいのでひたすら思い付くままに料理しました。 やっぱりやったかという溜息が聞こえてきそうですが、うどのスパゲッティを作りました。余り余計な食材を加える尾せっかくのうどの風味が負けてしまうのでシンプルにペペロンチーノ風に仕立てます。【材料】スパゲッティ(茹でる) 120g/うど(拍子木切り) 1/2本/ベーコン(5mm幅) 1枚/にんにく 小さじ1/赤唐辛子 1本/オリーブ油 大さじ1/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してベーコン、にんにく、赤唐辛子を炒める。うどを加える。スパゲッティを加える。塩、胡椒する。 予想通りの味ですが、いいですね。食感もお楽しみですからあまり火を通し過ぎないのがいいかな。まあイタリア人は憤慨するかもしれませんが、パスタって大抵の食材と合わせることができますしね。 これまたやっぱりなのうどカレーです。でもこれは前々から試してみたい食べ方だったのでちゃんとシーズン中に試すことができて良かったです。【材料】ごはん 1膳分/うど(乱切り) 1本/鶏肉(一口大) 50g/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/ニンジン(銀杏切り) 3cm/にんにく・生姜 小さじ1/2/カレー粉 大さじ1/水 100ml/和風だしの素 小さじ1/2/カレーフレーク 大さじ2/サラダ油 小さじ2【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜を炒める。鶏肉、玉ねぎを加える。うど、カレー粉を加える。水、和風だしの素を加えて煮る。カレーフレークを加える。皿にごはんを盛ってかける。 カレーに入れてもうどはうどのままです。無論想像した程度には美味しい訳ですが、もうちょっと工夫の余地がありそうです。うどにはルーのカレーよりもちゃんと複数のスパイスを使ったインド式の方が美味しくなりそうな気がしました。 チャーハンを作ると思った方がおられるかもしれませんが、ちょっとひねってうど入りチキンライスを作ったのでした。【材料】ごはん・うど(乱切り/電子レンジで600W1分加熱)・鶏胸肉(斜めそぎ切り/電子レンジで600W1分加熱)・トマトケチャップ・塩・胡椒・粉チーズ・バター 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱してごはん、うど、鶏胸肉を炒める。トマトケチャップ、塩、胡椒を加える。皿に盛って粉チーズを散らす。 ケチャップを使うとうどの香りが負けちゃうんじゃないかとも思いましたが思っていた以上に好相性のように思えます。チキンライスは洋食風というよりは中華料理店風にしっかりと焼き付けた方がいい気がします。チャーハンよりも味が濃い目なのも良かったかも。
2023/04/23
コメント(0)

これがアップされる頃はすでにシーズンオフとなっているかもしれませんが、今回は春の味覚うどを取り上げます。今、「うど」と書きましたが、一般的にはどう綴るのが適当なのかいつも迷ってしまいます。人によっては「ウド」と書くのがしっくりとくるかもしれないですし、漢字で「独活」と書くのがその意味合いを含めて適切であると感じる人もいるかもしれません(「独活」というのは「ウドの大木」という諺が表すように大きくなっても幹が軟弱で風に揺られてゆ~らゆらと揺れている様子から充てられたそうです)。でもぼくはどういう訳か説明する言葉は持たないのですが「うど」と綴るのが相応しいように感じられるのです。とさも物知り顔して語りましたが、実は「独活」と書くことを今しがた知ったのでした。これまでは「うど」が「うどん」と関連して白くて細長い食べ物という絡みから名付けられたのではないかと思っていたのですがどうも違っているようです(「うどん」も「ウドン」と綴るのが適当か「饂飩」と漢字にするのがいいのか迷う食材であります)。と書いていると気になってきたのでウィキペディアを調べてみることにしました。ウィキペディアでは「ウド」の綴りを採用していますね。その「名称」という一節を見るとこんなことが書かれています。和名ウドの語源については、古い書物に、葉が生育すると中空になることから宇登呂(うどろ)とよばれ、それが略されてウドとなったという説がある。漢字では「独活」と書くが、この由来についてはよくわかっていない。英語でも、日本語読みをそのままにした udo(ウド)でよばれている。中国植物名は土当帰(どとうき)という。 語源は「宇登呂(うどろ)」、「独活」の由来は不明と結局のところほとんどよく分からないのでありました。英語でもudoと綴られているのを知れたことが収穫でした。まあこれもうどが日本原産であることを考慮すれば当然なのかもしれないな。といった訳でうど料理を3種。 うどを使った定番料理というと天ぷら、きんぴらなどと並んでうどの酢味噌和えがあります。揚げても炒め煮にしてもいいし,生でも食べられるという重宝な食材であるのに食べ方のヴァリエーションは少ないような気がします。うっかりと勢いで大量購入してしまったのでせっせと処理せねばなるまい。ということでまずは生のままで食べることにしました。【材料】うど(短冊切り) 1/4本/【酢味噌(混ぜる)】味噌 大さじ2/酢・砂糖 大さじ1/みりん 小さじ1【作り方】1. 皿にうどを盛って【酢味噌】をかける。 何を作るかの想定もなしに作り始めたのでアクが浮いて若干変色してしまい巻いたが、まあ店で出すわけでなし構いはしまい。シンプルな料理とも言えぬものではありますがこれが酒のアテにはピッタリなんですよね。酢味噌に辛子を加えて辛子酢味噌で食べるのもいいですね。 うどはそんなに癖もなく上品な味わいなので洋風に調理しても美味しいですね。うどとしらすのマリネに仕立ててみました。【材料】うど(短冊切り) 1/4本/しらす 大さじ2/ケーパー(みじん切り)・レモン汁 小さじ1/オリーブ油 小さじ2/塩 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 まあどうっちゅう料理でもないのですが、食べると美味しいのですね。サラダ感覚で食べられれるので様々にアレンジできそうです。 山菜と味噌も相性がいいです。うど味噌も定番の食べ方ですが、ちょっとだけアレンジしてうど味噌のトーストにしてみました。【材料】食パン(6枚切/トースト) 1枚/うど(みじん切り) 1/4本/味噌 大さじ1/みりん・砂糖 小さじ2/サラダ油 小さじ1/2/溶けるチーズ 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してうどを炒める。味噌、みりん、砂糖を加える。食パンにのせてチーズを散らし、トースターで焼く。【備考】弘果 弘前中央青果株式会社 「【春の香り】うどを使って6品」https://sub.hiroka.jp/recipe/029/2023/3/11 うわっ、食パンが真っ黒。でも表面だけだからまあいいか。うどと味噌が相性が良くて、味噌とバター、バターと食パンも相性がいいから不味いはずがないです。というかもう何度も書きましたがごはんのおともは同時に食パンのおともでもあるのだから合わないはずもないです。同じことはごはんと同じ原料の日本酒にも言えます。
2023/04/22
コメント(0)

世の中が日常の生活を取り戻しつつある、なんて言葉を近頃よく耳にします。正確にこういう言い方だったかはともかくとして、こうした言葉の意味がぼくにはどうにも腑に落ちないのです。まず日常って言葉の意味がちっとも理解できないのです。広辞苑によると日常とは「ふだん。つねひごろ。」を意味するようで、ぼくの理解とそうもちがってはいないようです。でもそこに、ふだんの生活やつねひごろの生活って「生活」の二文字がくっつくともう何のことかよく分からなくなるのです。そこでまた広辞苑の登場となるけれど、生活には、①生きていて活動すること。、②人が社会の中で暮らしていくこと。また、その生計のあり方。の意味があるという。「ふだん」のように「生きていて活動すること」、「ふだん」のように「社会の中で暮らしていくこと」を「取り戻す」と言われても何のことやら解せぬのだ。一読すると恐らくこの文章は、コロナ禍の時期は奪われてしまっていた「ふだん」のように「生きていて活動すること」が最近になって「ふだん」のように「生きていて活動すること」ができるようになりつつあるってことになると思うのですが、ぼくにはそれがピンとこないのです。だって、コロナ禍の時期もその前後(まだ後であるかどうかは知らぬけれど)も変わらず仕事しているし、呑む食う寝るといった行為も続けているのだから何を取り戻そうというのかがちっとも分からないのです。人によっては「日常」の定義が一変するほどの変化がもたらされたのかもしれないけれど、ぼくには「日常」だったり「ふだん」を揺るがされるような時期ではなかったと思っています。余程自身の加齢に伴うかつての「日常の食生活」との差異の方が大きな変化を伴っているようなのです。 大きな変化の一つが濃い目の味付けが苦手になってきたこと、肉に対する欲求がかつてほどではなくなったこと、油っぽのがさらに苦手になった事、アルコールの摂取量が減少したこと、などかなりの影響を被っているのでした。そんな体たらくではありますが、先日、2月末に開店したと聞いていた松戸駅東口にできた新しいお店はそんなぼくが衰えたポイントを的確についてくる酒場だったのです。八柱にあるという「大衆食堂 あぶら」の支店とした開店した「大衆食堂 あぶら 松戸店」は駅東口から松戸市役所に向かう途中にあるお店。側にはつい最近まで営業していた昔ながらのゲームセンターがありましたが、そこは今休業中となっています。訪れたのは夕方前のふだんならまだ仕事をしている時間ですが、諸事情によりこの時間から呑むことになりました。ガラス張りの店内にはすでに2組が宴たけなわといった状態で酒場過疎地域の松戸にもこの時間から呑めるお店が増えることはまあ世の中がちょっとは変化しつつあるということでしょうか。19時までは曜日に応じた酒がハッピーアワー価格にて提供されるらしい。昨日の町屋での貼り紙見逃しの過ちを繰り返さずに済みそうです。杯数制限の有無を確認するの忘れちゃったんですけど。でもLINEのお友達登録したらファーストドリンクともつ煮込みをサービスしてくれるっていうのは見逃してしまいました。メニューと一緒に置かれていたのにね。とまあ席に着いてまずはこの日のサービスのレモンサワー。ちっちゃい錫(?)のグラスで提供されるので量は控えめですが99円なら文句はあるまい。お通しはたっぷりのもやしのナムル。もやしでたっぷりってのはさほど有難味はないけれど、箸休めに良さそうです。味付けも濃いから酒が進みそう。店名があぶらですが、ホルモン焼きメニューにもあぶらがあったんでしょうか。シロとカシラを頼んだらあぶらも出てきたので他の客のオーダーと間違ったのかと店の方に丁重にお伝えしたら他の客も頼んでないので食べてくださいですって。こういうのに素直に喜びを感じるのだ。タコの酢の物とキムチも追加。ちっちゃいけど見た目より食べ甲斐があります。いずれも濃い目の味付けで否も応もなく酒が進みます。個人的にはもう少し薄味が嬉しいけれど、お手頃価格だから不満は言うまい。勘定したらお通しのもやしでムムと唸ることになるかと思いきやそんなこともなくって実にお得なお店でありました。
2023/04/21
コメント(0)

今回はコーンです。日本人の癖にとうもろこしと言わずにコーンと呼ぶのは不届きであると言われかねないけれど、ぼくの場合、とうもろこしは生のものを指してつかうようにしており、缶詰だったり冷凍物はコーンと呼んでいます。缶詰や冷凍物は輸入品だからコーンと呼んでもさして誤りではなさそうに思うのです。とさももっともらしいことを書いてみたけれど改めて考えてみるとそれだとおかしなことになることにハタと気付いたのです。というのが例えばミックスベジタブルを思い起こしてみるとグリーンピースは他に呼びようがないからまあそれでいいとしてニンジンについては、先の理屈からすると冷凍物や缶詰(があるのかどうか知らぬけれど)の場合はキャロットと呼び習わすのでなければ通らないはずなのだ。しかし、果たしてぼくが日常的にニンジンをキャロットなどと呼ぶかといえばそんなことは決してないのであります。ひよこ豆をガルバンゾーと呼ぶこともないし、さやいんげんをグリーンビーンと呼ばぬのと同様なのです。あれこれと思い浮かべてみたけれど、生のものと加工されたもので呼び方を変えている食材は他に思い浮かばぬから困ったものなのです。いやまあ日本でもコーンは普通に通じるから実際に生活するに際して困ることは何一つないのでありますが、その呼び方の使い分けを理屈をもって説明できぬというのは非常にもどかしく思えるのです。その意味ではじゃがいもも曖昧な立ち位置に置かれていると言えるかもしれません。単なる冷凍物はポテトと呼ばぬけれど、ポテトフライやハッシュドポテトなど加工された途端にポテト呼びするのはどうも腑に落ちぬのです。まあどっちだっていいんですけどね。 インドにもコーンの料理ってあったんですね。たまたまネットで見掛けたコーンサブジを作ってみることにしました。サブジってのはスパイスを使った野菜の蒸し煮したり炒め煮した料理を指しますが、果たしてどうなることやら。【材料】コーン缶 200g/玉ねぎ(ミキサーにかける) 1個/にんにく 2片/トマト(ミキサーにかける) 1個/ピーマン(ミキサーにかける) 2個/ピーマン(みじん切り) 2個/油 大さじ2/水 1カップ/【スタータースパイス】マスタードシード 小さじ3/4/クミンシード 小さじ1/2/クローブ 3粒/シナモンスティック 5cm/ターメリック 小さじ1/カイエンペッパー小さじ1/2/塩 小さじ1/砂糖 大さじ1【作り方】1. 鍋に油を熱して【スタータースパイス】を炒める。玉ねぎ、にんにくを加える。トマトとピーマンのペーストを加える。ピーマンを加える。ターメリック、カイエンペッパー、塩、砂糖を加える。コーン、水を加える。 へえ、思った以上にスパイスとも相性がいいようです。日本人は塩茹でしたり、せいぜいバター醤油って食べ方が主流だと思いますが、スパイスをプラスすることで新たな味覚の世界が拓けるかもなんて思ったりしました。けどリピートしていないことを考えるともう少しシンプルな方がいいいのかな。 って感想に応じた訳ではないけれど、ヤングコーンのクミンバター焼きを作りました。コーンとクミンはいかにも相性が良さそうですから。【材料】ヤングコーン(2等分) 1/2缶/バター 大さじ1/クミンシード 小さじ1/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱してクミンシードを炒める。ヤングコーンを加える。塩、胡椒する。 うん。この程度の控えめなスパイス使いが日本人の口には合いそうな気がします。通常のコーンでも良さそうです。これなら普段から食べてもいいかもしれないです。つまりはまだリピートしていないのですね。 マクドナルドにえだまめコーンなるメニューがあるんですね。もうマクドナルドには何年も言っていないからちっとも知らなかった。にしてもなんとも質素なレシピです。【材料】冷凍枝豆 400g/コーン缶 120g/塩・胡椒・オリーブ油 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して枝豆、コーンを炒める。塩、胡椒する。 まあねえ。悪くないんですけどね。いかにも子供が好きそうなメニューでポテトを食べさせとくよりは体にいいんでしょうけど、もう少し工夫のしどころがありそうです。 レシピと呼ぶまででもないしめじとほうれん草とコーンのバター炒めです。しめじ、ほうれん草とコーンはまったく別種の食材に思えるけどいずれもバターと好相性。個別に食べても美味しいけれど、合体させてもやっぱり美味しいのだ。【材料】しめじ・ほうれん草(茹でる/ざく切り)・コーン 1/2缶・バター・塩・胡椒・醤油 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱してしめじを炒める。ほうれん草、コーンを加える。塩、胡椒、醤油を加える。 といっても1+1+1=3の倍になったりすることはないのでした。でもほうれん草は1.5位の効果を発揮しているかも。しめじやコーンを上手くからめとってくれるような気がします。これにクミンシードを加えたら案外倍になるかもしれないなあ。
2023/04/20
コメント(0)

いやはや全くもって呆れるばかりに時間の経過が早すぎて花見の季節もとっくに過去のことに成り果ててしまいました。というか桜の開花時期も年々繰り上がっているようで、桜を主題とした歌謡曲の数々もそう遠くない将来には不可解な歌詞と受け取られるようになってしまうのかもしれません。っていうか現在辛うじて新生活のスタートの時期と桜の季節が一致しているとして将来には夏の始まりとかに置き換えられてしまうかと思うとゾッとなるのです。それはともかくとして本当は花見、いや花見にかこつけて昼吞みについていっちょ語ってみようかと思ったのです。というのが、昼からやる花見の宴会が大好きだっていったような肯定的な話ではなくて、むしろぼくは昼酒というのはどうも体質に合わないのです。待ち遠しい夜に呑む酒は旨いのに昼に呑むと余り旨いと思えないばかりでなくどうもアルコールの蓄積が体調に悪影響を及ぼす、端的にはだるくなってどうにも気分よく酔えない気がするのです。でもこれって実は気のせいではなかったようなのです。超お酒が飲みたいッッ!! 「昼間の酒が酔う理由|気のせいじゃなかった!驚愕の事実が判明」https://beer-whiskey.com/2018/11/06/%E6%98%BC%E9%96%93%E3%81%AE%E9%85%92%E3%81%8C%E9%85%94%E3%81%86%E7%90%86%E7%94%B1%EF%BD%9C%E6%B0%97%E3%81%AE%E3%81%9B%E3%81%84%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%EF%BC%81%E9%A9%9A/ この記載の信憑性のほどは定かではないけれど、いちいちぼくには納得のいくことなのです。科学的というよりは経験的に合点がいくのです。特に昼は、アルコール分解酵素であるアセトアルデヒド酵素の分泌が少ないというのはもっともに思えるのです。確かに昼に呑むと量は少しあったとしても顔に出たり(赤くなる)、呼気もアルコール臭がいつもよりしぶとく残ったりするのです。そういった身体状態への説明がその理由だけでも充分に説明が付いてしまいそうです。というか他の3つの理由、「活動的な為」というのはぼくの場合、呑むと普段ならその気に慣れないような遠方に平気で歩いて出向いたりすることもあるからこれには当たらない気がするし、「空腹時が多い為」は、昼だとランチついでに呑むことが多いからむしろ夜よりも食べることが多いし、「気の持ちようの違い」は、つい呑んじゃった場合はともかくとして前日から昼吞みするって気合が入っていたところで事態は変わらないのです。ともあれぼくは昼吞みは夜の吞みに影響を与えることを経験的に知ってしまっているので、できれば避けたいと思っているのですが、それでもまあ出張先で所用が早い時間に終えられたときにはいそいそと営業している酒場を探し求めているのだからまあ困ったものであります。 さて、選り好みさえしなければ昼吞みできる店はファミレスなどを含めて少なくはない。でもぼくが好きな酒場らしい酒場は早い時間から営業している場合はそう多くはなし、同様に町中華や蕎麦屋も中休みなしの通し営業ってのは案外探し求めていると出会えなかったりするものです。案外見掛けるのはチェーン店風でありながら単独した店舗である場合だったりします。「大衆食堂 安ざわ 町屋本店」もまたそうしたお店のようです。といか町屋本店とあるから町屋支店もありそうだし、全く別の場所に××支店があるのかもしれないが未確認であります。近頃チェーン展開していないのに今後の飛躍への祈念を込めてチェーン店風にナントカ店って記載するお店ってよくあります。さて、すでに書いたようにここにお邪魔したのは夕方にようやく差し掛かるかどうかっていう時間帯でした。ですが、すでに中年カップルや中年女性の2人連れなんかが呑んでいますね。つまみはポテトフライの明太マヨ添え、激辛ナッツ、メンマ、酒は翠ッピーとお手頃メニューを中心に組み立てます。翠ッピーって初めて呑みましたが近頃よくお見掛けしますねえ。翠という銘柄の日本製ジンをノンアルコールビールで割ったもので、ぼくにはあまり口に合わなかったですね。ジンはオーセンティックな呑み方がいいかなあ。でもまあつまみは非常にお手頃で100円程度の激辛ナッツは量もしっかりでこれだけでもいい位。ってそれじゃあやっぱり「空腹時が多い為」に該当してしまいますね。そもそもこちらにお邪魔したのは、ここからさらに10数分町屋の奥地に踏み入った場所にある町中華で通し営業のはずがやってなかったから仕方なく昼吞み出来る酒場を求めて駅まで引き返してきたから「活動的な為」にも該当しちゃうなあ。そのおかげでこれまで認識していなかった実に風雅な酒場を目撃することが叶ったのだ。しかしそこが減益かどうかまでは確認できなかったからまた引き返さざるを得ないのでありますが。この酒場から駅寄りには昼吞みできる酒場がいくつもあるけれど、ここは時間調整には実に都合の良いお店ではありました。おっとそうそう店の出がけに気付いたのがハッピーアワーの存在でしたが時既に遅し。以前はこういう貼り紙を見逃すことはまずなかったんだけどなあ。
2023/04/19
コメント(0)

幼少時代、ぼくは牛肉とはあまり縁がありませんでした。関西で育ったというのにカレーライスに入っている肉も決まって豚肉でした。そしてそのことに疑問を感じたこともなかったし、たまに牛肉を口にすることがあってもそれほどには好きになることもなかったのです。ところが中学生になる頃になると味覚は一転、牛肉大好き人間へと変貌を遂げていたのです。牛肉好きになった発端ははっきりしています。とある公共施設に併設されたレストランでビーフシチューを食べたこと、それと関西から東北に引っ越して「ステーキ宮」に遭遇し宮ステーキを食べたことがきっかけでした。それ以降ときどきそれらを食べに行き、自宅でもすき焼きやしゃぶしゃぶ、焼き肉なども食卓に並ぶようになったのです。が、しかし、学生になり一人暮らしを始めるとパッタリと牛肉を食べる機会はなくなりました。そうです。貧乏になったからです。卒業までの4年間は一切牛肉を口にする機会はなかったのです。ところが就職した初日にいきなり高級鉄板焼き店に連れられてご馳走になってからは事あるごとに牛肉を口にする機会が増えました。当時は遅れてきた成長期とばかりに狂ったように食べまくり、禁断の食い放題にもしばしば訪れるようになっていました。この数年間がぼくにとっての牛肉との蜜月時代であった訳ですが、だから本当にちゃんとした牛肉は数える程度しか食べていないのです。今ではごくごく稀に塊肉が安価で売られていた場合は勢いで買ってきて食べたりもしますが、この前食べたのはいつだっただろうと思う位の頻度でしかなくなったのでした。だからというわけではないけれど、今回はどうしても写真が見つからない料理が多くて恐縮ですが、なんとなく覚えがあるのでレシピと簡単な感想を付しておくことにします。 ミャンマーのアメーダーヒンという料理を作っていました。レモングラスにしろカルダモンにしろかなり主張の強めなハーブとスパイスを用いているからこれは仕上がりが若干不安ではあります。【材料】牛塊肉(薄切り) 320g/ターメリック 1g/ナンプラー 大さじ1/サラダ油 大さじ2/玉ねぎ 240g/生姜(すりおろし)・にんにく(すりおろし) 5g/トマト水煮 200g/ブイヨン 200g/レモングラス 1本/粉唐辛子 適宜/カルダモン 小さじ1/塩・砂糖 適宜【作り方】1. 牛肉にナンプラー、ターメリックをすり込む。2. 玉ねぎを炒め、生姜、にんにくを加える。トマト、ブイヨン、肉汁を加え煮込む。粉唐辛子、レモングラス、カルダモンを加える。1.を加え、塩、砂糖で味を整える。 ぼくの記憶を辿る限りにおいて、どうもぼくの口にはあまり会わなかったようです。ついどうしてここまでややこしい味付けにするんだろうなあ。 オランダやベルギーのツールヘブラートなる料理です。これまた気分が萎えるような食材の多さです。【材料】牛塊肉 1kg/赤ワイン 300ml/酢 250ml/砂糖 大さじ1/塩 小さじ1/にんにく 2かけ/長ねぎ 1本/にんじん(粗みじん切り) 1本/玉ねぎ(粗みじん切り) 1個/胡椒 10粒/クローブ 5個/ローズマリー 小さじ1/ローリエ 2枚/プルーン(みじん切り) 4個/薄力粉(茶色く炒める) 大さじ1/ラード 大さじ2/ジンジャーパウダー 小さじ1/4/バター 小さじ1/黒糖 大さじ1【作り方】1. 赤ワインからローリエまでの材料を鍋に入れて、10分間弱火で熱する。粗熱が取れたら牛肉と一緒にビニール袋に入れて、冷蔵庫で1週間マリネする。2. 肉を取り出しす。漬け汁と野菜に分ける。3. フライパンにラードを入れて強火で熱し、牛肉を焼き取り出す。漬け野菜(ローリエは捨てる)を入れて、強火で5分焼く。薄力粉を入れて中火で炒める。プルーンを加える。4. ジンジャーパウダーとバターを入れて肉を加え、弱火で30分煮る。5. 牛肉を取り出す。鍋の中身をハンドブレンダーなどで撹拌して濾す。濾したソースを火にかけ、黒糖を加える。6. 牛肉を1cm厚さにスライスして皿に盛る。ソースをかける。 これだけは辛うじて写真が残っていました。写真ではあんまり美味しそうに見えないかもしれませんが、これは美味しかったですね。ネックはマリネに1週間の期間を要すること。これホントにこれほど長い漬込みが必要かどうかは疑問の残るところですが、まあ美味しくできたからいいか。 ケニアのスクマウィキ・ナ・ニヤマ・ヤ・ンゴンベという料理です。そうそう、ケールをたまたま入手できたのと冷凍庫に牛肉の残りがあったから作ってみることにしたんだったなあ。【材料】牛もも肉 100g/玉ねぎ(薄切り) 1個/トマト(1cm角) 1/2個/トマト水煮 1/2缶/クミンパウダー・コリアンダーパウダー・カイエンペッパー・ターメリック・シナモンパウダー・カルダモンパウダー 適宜/ビーフコンソメ 小さじ1/塩 小さじ1/ケール(細切り) 1袋/オリーブ油 大さじ3【作り方】1. 鍋に牛肉、水を入れて1時間煮る。牛肉を取り出す。2. 鍋にオリーブ油を熱して玉ねぎ、トマトを加える。牛肉を短冊切りにして戻し、トマト水煮、スパイス、塩を入れる。ケールを加えて15分煮る。 まあ、悪くないんですけどねえ。昔の牛肉はどうだったのか分からないけれど、今のはそう臭みもないからここまでスパイスまみれにしなくてもいいんじゃないかと思います。控えめにしておくのがいいようです。 ウクライナの名物料理ボルシチです。ロシアのものとは若干違っているようで、ビーツがふんだんに使われています。味付けはシンプル。【材料】牛もも肉(短冊切り) 150g/水 500ml/玉ねぎ(薄切り) 1個/ニンジン(銀杏切り) 1/2本/ビーツ(短冊切り) 2個/トマト水煮 1/2缶/トマトペースト 大さじ1/キャベツ(短冊切り) 3枚/ビーフコンソメ 小さじ1/塩・砂糖・胡椒・サワークリーム 適宜【作り方】1. 鍋に牛肉、水を入れて1時間煮る。牛肉を取り出して玉ねぎ、ニンジン、ビーツを加える。牛肉を短冊切りにして戻し、トマト水煮、トマトペースト、キャベツを加える。コンソメ、塩、砂糖、胡椒で調味する。 確かに昔何度か訪れたロシア料理店のボルシチよりずっと淡泊な味わいです。サワークリームでコクを追加するのが作法なんでしょうね。それにしても日本ってのは生クリームやサワークリームなどの乳製品が酷く高いですねえ。牛乳が余ってるって話だから、チーズは難しくても生クリームやサワークリームなら簡単に作れそうな気がするんだけどなあ。
2023/04/18
コメント(0)

世の中ってのは、たかだか個人的な尺度では測れないことが多々あるものなんですね。何を当たり前のことを呟いてみせているんだってツッコミが入りそうですが、日々忙しく余裕のない生活を送っていると自然と視野が狭まってくるもので、若い頃には確かにあったはずの鳥瞰的な視野が失われてきているようです。それって逆なんじゃないの、若い頃ってとにかく一目散で主観のみの流される傾向がありそうなものですが、ぼくはどうもそれって違うんじゃないかなと思いつつあります。老化現象としての目の機能低下と同様に世界の見え方も狭まってきているように思えるのです。って回りくどい話をしているけれど、何のことはない、先日、巣鴨を呑み歩いていたら見落としていた中華料理店にたまたま立ち寄ってみたら、そこそこ繁盛しているけれど、ぼくにはその理由がどうにも解せなかったのであります。でもすでに書いたようにぼくには疑問が残るところだけれど、他のお客さんにとってはぼくが解せないことこそが解せないってこともあり得るだけなのでしょう。 お邪魔したのは「新栄」というお店。店の手前は卓席で結構広いですねえ。それと奥には実際に確認した訳じゃないけれどスーパー銭湯の休憩所のような座敷がありますが、鰻の寝床みたくなっていて奥の客たちは出入りするのに気遣いが必要に思えるのです。あのエリアどうなってるのか今になって気になりだしました。ちょっと足を運んで眺めていたら今更モヤモヤとした気分に陥らずに済んだのにねえ。こういう無駄な後悔が近頃多いように思います。座敷は疲れるので卓席に着きます。その場所にはどこかの企業の面々10数名がいて紫煙をくゆらせてタバコの苦手な人は辟易する程度では済まず、戸を開いた時点でとって返す程のもうもうたる様でしたが、ぼくはさほど気にならないのです。席に着いてホッピーを頼むとすぐに小さなタッパーを3つ、店の奥さんが出してくれます。開いてみるとそれはザーサイ、高菜漬けなんかでこれは酒抜きで食事の実の場合でも各席にサービスされるようです。実のところこれだけあれば酒も呑めちゃうっていう意味ではいい店でありますが、いかにも量販品なのでけして旨いってシロモノではありません。餃子や腸詰なんかも食べましたが可もなく不可もなし。それなのにいつしか座敷に3組、卓席に1組ほどのお客が入っていたからこれはもうぼくには分からない良さがこの店にはあるってことなのでしょう。店の奥さんは愛想もいいけれど、忙しいからお喋りする間柄にはとてもなれそうもないしねえ。ということは、程よく客が入っている、タバコが吸える、大人数でも飛び込みで入れる、サービスの漬物が嬉しい、この辺に集客の理由を見出すしかなさそうです。あら、これならぼくにもやれそうだなあ。ってきっとそれだけじゃないんだろうなあ。
2023/04/17
コメント(0)

けして肉が嫌いになったわけじゃないけれど、明らかに肉への欲望、いやもっと切羽詰まった渇望が若い頃にはあったものですが、近頃は肉料理というカテゴリーにはきっと含まれない程度の料理にちょっと入っていればいいかなっていう程度に落ち着いてしまいました。そりゃまあ週に一度位はそれなりにボリュームのある肉料理を食べることはあるけれど、それは肉の方が魚介類よりも相対的に安価であるという理由が大きいと思っています。思い返すとかつてはほぼ毎晩のようにもつ焼きを食べていたことを思うと随分と油っけが抜けたようにも思えます。肉も牛、豚より鶏肉ばかりになったし、鶏肉もほぼ胸肉がメインだし、あらかじめ皮なしのものを買うことも多くなったなあ。なので、これから数回に亘って写真を探すのが面倒で放置しておいたレシピについて、記録に留めておくことにします。なにせ今の肉食ペースだとアップするのがいつのことになるやら見通しが立たないからであります。とまあ前口上はそこそこに先に進めます。 パキスタンのムルグ・チョレなる煮込み料理を作っていたようですが、正直全く覚えていないのですが、複雑なスパイスの配合、複数の豆や唐辛子の使用、生の生姜使いなどこれまで作ってきた中東料理とはちょっと異色な料理という感じです。【材料】鶏肉(一口大) 500g/ひよこ豆 1缶/玉ねぎ(薄切り) 1個/トマト(角切り) 2個/フェヌグリークシード 小さじ1/2/塩 適量/赤唐辛子(砕く) 小さじ1/カイエンペッパー・コリアンダーパウダー・クミンパウダー・胡椒 小さじ1/ターメリック 小さじ1/2/レンズ豆(赤) 50ml/バター 大さじ3/オールスパイス・カスリメティ 小さじ1/生姜・にんにく 大さじ1/青唐辛子(斜め切り) 2本/パクチー 大さじ2/生姜(千切り) 1片/水 50ml【作り方】1. 鍋にバターを熱し、玉ねぎ、フェヌグリーク、にんにく、生姜を加えて炒める。トマトを加える。鶏肉、レンズ豆を加える。コリアンダー、胡椒、クミン、ターメリック、赤唐辛子、カイエンペッパー、塩を加える。水を加えて中火で5分煮る。2. ひよこ豆、カリスメティ、ガラムマサラ、青唐辛子、パクチー、生姜半量を加えて蓋をして3分煮る。3. 皿に盛り、残りの生姜を散らす。 大概の材料はすぐに揃いそうなのでいずれ改めて作ってみたいと思います。 スペインのポジョ・アル・チリンドロンですが、これは作って食べたという記憶が鮮明に残っています。というか、トマト煮にオリーブを入れる料理って万能だからちっとも新鮮味はないという印象です。【材料】鶏肉(一口大/塩、胡椒、小麦粉をまぶす) 500g/玉ねぎ(1cm角) 2個/赤ピーマン(薄切り) 1個/マッシュルーム(薄切り) 6個/トマト水煮(ざく切り) 1缶/にんにく 3片/黒オリーブ(薄切り) 8個/塩・胡椒 適宜/オリーブ油 大さじ4/チキンスープ 200ml/小麦粉 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してにんにくを炒める。鶏肉を焼いて取り出す。玉ねぎ、赤ピーマンを炒める。マッシ ュルーム、トマト水煮、チキンスープを加えて煮る。鶏肉を戻して蓋をし、弱火で30分煮る。オリーブを加える。 実際、想像通りの仕上がりでしたが、こういう煮込み料理に入れる肉に小麦粉をふるかふらないかで味の印象は随分変わって感じられることを再確認できました。 アメリカ料理のハニーマスタードチキンです。ワインにマスタードにはちみつでソースってちょっと頼りなきがするのですが、どうなることやら。【材料】鶏胸肉(塩、胡椒する) 700g/塩 小さじ1/胡椒 小さじ1/オリーブ油 大さじ2/にんにく 小さじ1/白ワイン 120ml/ディジョンマスタード 小さじ1.5/はちみつ 大さじ1/じゃがいも(茹でる/皮を剥く/一口大) 3個/いんげん(冷凍) 120g【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して鶏肉を焼き、取り出す。にんにくを加える。白ワインを加える。ディジョンマスタード、はちみつを加える。 鶏肉を戻す。じゃがいも、いんげんを加える。オーブンで180℃30分焼く。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「Honey Mustard Chicken ハニーマスタードチキン」https://southern-kitchen.com/honey-mustard-chicken/ 非常にシンプルな材料なのに案外しっとりとした肉質とそれなりにしっかりと味わいあるソースになったのはやはりオーブンでじっくりと火を通したからではないかと思っています。レシピなしでも似たようなものは思いつきそうですが、ぼくが自分のイメージを頼りに作っていたら余計な味を使い過ぎてぼやけた味漬けとなったの間違いなさそうでう。
2023/04/16
コメント(0)

近頃の乾麺は、パスタのように従来から乾麺が主流のものは別にしても驚く程に進化しているように思います。でもそれはそばに限られていて中華麺やうどんの乾麺でこれぞというのに未だに遭遇できていません。例えば即席袋麺やカップ麺などのインスタントラーメンにはそれはそれで美味しいと思えるものが少なくないのですが、世評の高いマルタイラーメンなどいわゆる棒ラーメン系は生麺や冷凍?の本物感は感じられないのです。それはうどんも同様で冷凍麺がこれ程に本格的な食感や風味を獲得したにも関わらず乾麺については、あれこれ試しはしたものの残念感がつねに付きまとうのです。同じ小麦の仲間で作られたパスタに出来たことがどうして中華麺やうどんでは未だに実現できていないのだろう。とここで突然ですがこれまでの発言を日和った方向へと向けるようと思いました。自分の意見を補強しようと思ってネットを当たってみたけれど、どうもぼくの抱いている不満を後押ししてくれる意見が見当たらなくて、独り相撲を取っているような気分に陥ったからなのです。個人的には冷凍麺が茹で時間(レンチン時間?)も短時間で済むなどメリットが多いのですが(近頃は価格面でも他の麺類と遜色なくなってきている気がします)、何より障害となっているのが冷凍庫のスペースを大幅に食われてしまうということです。とつらつら書いてきたけれど、何だかんだ言っても乾麺のうどんや中華麺を好きって人もいるんでしょうし、賞味期限が長いなどのメリットも少なくないから上手に使い分けるのが賢い消費者としてのあり方だと割り切るべきなのかもしれません。 名古屋の「味仙」が提供していることで知られる(というかぼくは数年前に初めて知りましたが)台湾ラーメンってのが急速に名古屋のローカルフードとしての認知度を高めているようです。材料を眺めた限りでは非常に単純なレシピに思えるのだけど【材料】中華麺(醤油)(茹でる) 1袋/豚ひき肉(塩、胡椒する) 50g/ニラ(5cm幅) 5本/赤唐辛子(小口切り) 小さじ1/ごま油 大さじ1/塩・胡椒 適宜/にんにく 2片/酒 大さじ1/コチュジャン 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにごま油を熱してにんにくを炒める。赤唐辛子、コチュジャンを加える。豚ひき肉を加える。酒を加える。ニラを加える。麺を入れた丼に注ぐ。 あれれ、なぜだかとても美味しく思えます。どうしてですかね。似たようなラーメン、何度か作ったことがあると思うんだけどなあ。いつもはもやしだったりキャベツだったりの野菜を追加してしまっていたのが、ニラだけに特化したのが良かったのかもしれません。ダイレクトにニラの風味が広がるのが良かったのかも。 同じ愛知の一宮にもご当地ラーメンがあります。「新京」なんかで提供されているベトコンラーメンです。そうそう、これまで食べていたのはこれに近かったかも。【材料】中華麺(茹でる) 1玉/ラーメンスープ(醤油味)の素 大さじ2/にんにく(2等分) 10個/サラダ油 大さじ1/ごま油 大さじ1/2/豚ひき肉 100g/もやし 1袋/ニラ 5本/塩・胡椒・一味唐辛子 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油、ごま油を熱してにんにくを揚げ焼する。豚ひき肉を炒める。もやし、ニラ、にんにくを加える。塩、胡椒する。ラーメンスープの素、赤唐辛子を加える。茹で汁を加える。2. 丼に中華麺を入れて1.を注ぐ。 台湾ラーメンより辛味はぐっと控えめにした分、狂暴な量のにんにくが入るのが特徴です。にんにく好きとしてはそう悪くなかったのです。でもベトコンってどうなのかねえ。もともとが蔑称としてアメリカ側が南ベトナム解放民族戦線を呼ぶのに用いていたそうだし、今はベスト・コンディションの略称と弁明しているようですが、略すならベスコンが自然じゃないかな。 キクラゲを戻し過ぎたので大量にラーメンにのせてキクラゲラーメンに仕立てました。キクラゲは食感がすべてなので、味にはそんなに影響を及ぼすことはないはずですが、それでもぼくはキクラゲが大好きなので一度やってみたかったのです。【材料】中華麺(醤油味/茹でる) 1人分/キクラゲ(水で戻す/一口大) 10枚/鶏胸肉(茹でる/一口大) 30g/水・テーブルコショー 適宜【作り方】1. 丼に添付のスープ、湯を注いで中華麺を入れる。キクラゲ、鶏胸肉をのせる。2023/2/18 さすがに味は単調でしたがたくさんのキクラゲを食べられたのは良かったです。大量のキクラゲ入りの酸辣湯をラーメンスープにするともっと美味しいかも。
2023/04/15
コメント(0)

大好きだった酒場が装いを新たにすることでかつての親密さを失ってしまうというのはさほど珍しいことではありません。装いを新たにする方法は色々ですが、典型的なのは店舗そのものの改築だったり改装だったり、場合によっては移転だったりが考えられます。古い酒場が好きなぼくにとってはそれは由々しき問題であるのですが、時の流れには抗い切れぬ事情もあることを理解できないほどに身勝手な考えは持ち合わせてはいないと思っています。大体において問題となるのは、代替わりなどをきっかけにして老朽化した酒場がリニューアルすることが店舗そのものがあ鱈育なるばかりではない多様な影響がもたらされることにあるのです。変化のきっかけを代替わりと書きましたがそれ自体が大きな変化であることはもちろんですが、仮に単に店舗のみが変わっただけであれば始めこそ未練たらしくぼやいてみせたりするかもしれませんが、やがてその環境にも馴染んでくると元の店舗のことを懐かしがってみたり、当時のエピソードを振り返ることが会話を活性化させる起爆剤ともなり得てくることもあるのです。でも多くの場合は店舗のみの変化では済まされないのでありまして、そしてその変化が良い方に向かうかというと残念なことにそうした事例はぼくには皆無だったりするのでした。 町屋には何軒も知られた酒場があるけれど、「亀田」は酒場マニアよりもむしろ地元住民にこそ愛される酒場のように思っていました。酒場マニアが一目置くばかりではなく、実際に地元の方の支持を得ているというのはものすごい強みがあるはずでした。1950年の開業というから開業当初からこの店に通い詰めてこられた方はもうほとんどいなくなってしまったかもしれません。でももしたったお一人でも存在していたとしたらその方は現在の「亀田」で呑んでどうお感じになられるのだろうか。ぼくなどはこちらで呑んだのは片手程度の回数でしかないから偉そうに語れるはずもないのだけれど、だからこそその変化には敏感になってしまうのです。いややはり、それは常連さんたち―もはやかつての常連さんたちはそれ程残っていないのかもしれませんが―は、こそが身に染みて感じていたことに違いないのだろうと思うのです。端的に言うとかつての賑わいはどこへやら、驚く程に空いているのです。それは週末の20時頃という繁忙期の最高潮のタイミングで4人が待たされることもなく通されることからも察せられるのです。席に着いて改めて懸念したのは、まず接客がとんでもなく横柄だったり酷い対応に晒されるのではないかということでした。ところが店の方の応対はむしろ以前よりも親切だったように感じられます。と品書きを眺めて驚いた。何に驚いたかについては語らぬことにします。驚きの原因については語らぬけれど、これってぼくのようなごくごく稀に思い出したようにしか行かぬ者なんかより毎夜通い詰めていた人にとっては死活問題ではなかろうか。というより実際にそれで客足が遠のいたであろうことは想像に難くないのでした。そりゃねえ、ここに至るまでにはいくつもの苦渋の果ての決断があったんだと思うのです。客商売素人のぼくにでも思い当たる理由がいくつもあります。でもそれでもやっぱりぼくには残念に思えてならないのです。ああ、かつてのここの良ささえ知らなければ普通に褒める事すらできたかもしれぬかと思うとつくづく残念です。
2023/04/14
コメント(2)

最近、折々に登場する吉田健一氏でありますが、既にしつこく語ってきたようにぼくのお気に入りの作家のひとりではありますが、その語られる内容にはいつも戸惑いを感じずにはおられぬのです。というのが、どうも氏が語る文体の特異さとは無関係にどうにも得心し難い理屈が頻出するからなのです。例えば以下の文章を読んでいただいて素直に納得できる人がどれ程いるのだろうか。文章技法としてのレトリックでいうところのレティサンス(故意の言い落し)を用いているんじゃないかと考えてしまうのです。まあ、ぼくは、誰とは名指しはしないけれど、整備された水路を流れるせせらぎのように澱んだり逆流することのないような明快過ぎる文章を書く作家に人は魅力を感じたりすることはないと思っていて、そういう作家は明快さと平明であることの差異を取り違えているように感じるのです。吉田健一著「食べもの」 食べものの楽しみが、我々が知っている楽しみの中でも大きな部分を占めているのは、主に我々がもし食べなければ死んでしまうからであることは勿論であるが、同時に、食べものだけはどんな方法でも出来合いのものが作れないからであるということに、この頃になって漸く気がついた。 これはいわゆる、出来合いのものを作る要領で、どこでも六十円、七十円、あるいは百円のカレーライスが頼めるということとは関係がない。値段は同じ六十円でも、我々は同じカレーライスには二度と出会わない。そういってしまえば、食べものに限らず、何だってそのようであるが、食べものの場合はそれともまた少し違っている。 ものの味は、食べている時の我々の気持や体の状態に相当に影響されるものなので、この三つが一つになった結果はいつも違っている。中村屋のカレーライスは何度食べても中村屋のカレーライスなのだと思うのは、店や値段が一定しているのだから、そうなければならないという先入主が我々の方にあるためである。 しかしながら、「ものの味は、食べている時の我々の気持や体の状態に相当に影響されるものなので、この三つが一つになった結果はいつも違っている」と述べているが、これはもしかすると誤りかもしれない、いや誤りとなるかもしれないなどとも思うのです。熟練した寿司職人は客を見て寿司を握るので客ごとに出される寿司は違っているといったようなことを語るのを聞いたことがあります。ホンマかいなと思わぬでもないけれど、この職人の役割を近い将来にAIが担っていくのではないかと想像する。するとそれが全く突拍子もない将来とは思えないのです。特にカレーなんて言う料理はスパイスの加減や配合次第でいかようにも人の脳内の味覚を操作できそうです。とすればAIが「我々の気持や体の状態」を認識した上で調理したカレーはもしかすると以前食べたものと並外れた味覚の持ち主をも見(味)分けられぬカレーが提供される時代がすぐそこまでやって来ているのかもしれません。 などとまたも放言癖が口を衝いて出てきてしまったのでありますが、少なくともぼくの作るカレーは同じルーやカレー粉、さらに同じ材料を使っても、なぜか毎回ぼくのバカ舌をもってしても感知しうる程度に味が違って感じられるから不思議であります。 最近、アメリカ料理(というジャンルは存在するのだろうか)に興味があります。人種のるつぼ(現在はアメリカという国が人種同士が混じり合うことなく共立する状況にあるから人種のサラダボウルなんて不粋な表現が取られることが多くなっているそうです)というお国柄がいかに食事に影響を及ぼしたかに興味を抱くようになったからです。本国との食材や調理道具といった差異によりオリジナルの料理にいかなる変容が生じたかが面白いのです。一般にアメリカ人ってハンバーガーやホットドッグばかり食べているといった印象がありますが、思った以上に多様なレシピが存在するようです。当然、カレーのレシピもあって、カントリーキャプテンという野菜のカレーがよく知られていますが、お気に入りのサイトにはエビのココナッツカレーもアップされていました。レシピを眺めると約300万人ものインド系移民がアメリカには存在するようですが、その影響というよりはヨーロッパ(具体的には北欧のカレーと似ているかな)のカレーに近い気がします。【材料】ごはん 1膳分/エビ(カレー粉、胡椒、塩をまぶす) 500g/カレー粉 小さじ2/胡椒・塩 小さじ1/2/【カレーソース】玉ねぎ(みじん切り) 1個/にんにく・生姜 小さじ1/植物油 大さじ2/トマトピューレ 80ml/ココナッツミルク 200ml/カレー粉 小さじ1/胡椒・塩 小さじ1/2/パクチー(みじん切り) 適宜【作り方】1. フライパンに植物油を熱してエビを炒めて取り出す。玉ねぎを加える。にんにく、生姜を加えるる。カレー粉、胡椒、塩を加える。トマトピューレを加える。ココナッツミルクを加える。エビを戻す。皿にごはんを盛ってパクチーを散らす。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「Coconut Shrimp Curry 海老のココナッツカレー」https://southern-kitchen.com/coconut-shrimp-curry/ 実際に食べてみてもそれなりに美味しいんですけどこれぞアメリカのカレーだっていう驚きは微塵も感じられないです。もしかするとアメリカ料理っていうのは常に変化を被りつつそれを自在に反映させ続けていくものなのかもしれないななんて適当な言葉で締めくくるのでした。 果たしてカレーに強い臭いの食材は合うのか、というかカレーの強烈な香りに太刀打ちできる食材はあるのかという素朴な興味からニラカレーを作ってみました。だからあまり凝ったカレーにはせずに出来る限りノーマルなカレーにただ単に刻んだニラを投入することにしました。【材料】ごはん 1膳分/ニラ(3cm幅) 1/2束/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ニンジン(拍子木切り) 3cm/じゃがいも(皮を剥く/一口大) 1/2個/豚肉 30g/トマト水煮 30ml/にんにく・生姜・カレー粉・オイスターソース 小さじ1/カレーフレーク 大さじ2/サラダ油 小さじ2/水 200ml【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜を炒める。玉ねぎ、ニンジンを加える。トマト水煮、カレー粉をkウ和える。水、オイスターソースを加える。ニラ、カレーフレークを加える。皿にごはんを盛ってかける。 そうねえ、ニラの臭いもかなり頑張って拮抗しているけれど、さほどのインパクトは感じられないかな。ニラだけだとカレーの具材としてはいささか頼りない気もします。でもニラ玉をトッピングするのではちっとも意外性がなさそう。くさい食材については以前も書いたので繰り返しませんが、わが国が誇るくさい食材くさや、沢庵辺りは案外違和感なさそうだし、納豆は定番のトッピングとなっています。鮒ずしのような生ものは臭いというよりは刺身のカレーと同様にさすがに無理がありそうです。 トマトカレーって書くと実に凡庸な気がします。カレーにトマトを加えるのは定番ですし。でもそうした場合、基本的にトマトは形状を留めることなく煮溶けてしまってルーと混じり合ってしまうのがオーソドックスです。だったら一度は形状をそのまま留めたカレーを食べてみようと思い立ったのです。というかたまたまトマトが安く売られていたので買ったはいいものの持て余してしまっていたのですね。生のトマトを温まる程度に煮ることも考えましたが、軽く焼いたものをトッピングした方が美味しだろうと思い直しました。【材料】ごはん 1膳分/トマト(湯剥き/6等分) 1個/豚肉 50g/玉ねぎ(薄切り) 1/2個分/にんにく・生姜 小さじ1/サラダ油 小さじ1/カレー粉 小さじ1/ローリエ 1/2枚/赤唐辛子(砕く) 1/2本/水 1カップ/顆粒コンソメ 小さじ1/カレーフレーク 大さじ2/バター 大さじ1【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して豚肉、玉ねぎ、にんにく、生姜を炒める。カレー粉、ローリエ、赤唐辛子を加える。水、顆粒コンソメを加えて煮る。カレーフレークを加える。2. フライパンにバターを熱してトマトを炒める。1.に加える。3. 皿にごはんを盛って1.をかける。 うん、まあ美味しいんですけどね。ちょっと酸味が勝ち気味に思えました。もう少し甘味がでるようにじっくりと火を通してちょっと砂糖で甘味をプラス、カレー粉を軽くまぶしてみても良かったかも。
2023/04/13
コメント(0)

店にとって看板商品というのは一般的には集客のための最重要ファクターのひとつなんだろうと思います。ぼくの場合は肴はそりゃあるに越した方がいいとは思うけれど、2、3杯吞むだけならばなけりゃないで構いはしないし、さすがに酒はなくていいなんて言えぬにしろ、その種類や銘柄にとやかくいうことはしないわけで、だからそのお店に看板商品があろうがなかろうが、店選びの条件となることはほぼないと言ってもいいと思うのです。そりゃまあ時にはあれが食べたいこれが食べたいと食欲が訴える場合もあるけれど、それはもっぱらホリデイのお楽しみにとっておけばよくて、ウィークデイは簡単な肴と酒があれば満足なのです。とまあぼく自身の話はさておいて、店選びには個室の有無だったり、大人数での利用や予約の可否だったりと様々な条件があるものですが、そうした条件を撥ね退けてでも看板商品を目当てに店を選ぶ人は存外に多いようです。それだけの集客力が看板商品にあることは商売人にとっては周知の事であろうし、だからこそその選択には慎重であるはずだし、意欲的でもあるに違いないのだ。しかしですね、近頃、その本気度を思わず疑ってしまいたくなるような商品を店名に冠するお店が多く見受けられるようになったような気がするのです。良かれ悪しかれ昔の飲食店はこれと決めたら生涯を賭してひとつものを作り続ける気概があったものですが、今の経営者はもしかすると飽きっぽいわれわれ消費者の意向に応じるもしくは先んじるように定期的に商品の見直しを図っているようにも思えるのです。それがとても看板商品とは成り得ないであろう肴なんかを堂々と掲げられる所以なんじゃなかろうかなどと思ってしまうのです。 さて、市ヶ谷の外堀の先にある「肉豆冨とレモンサワー 大衆食堂 安べゑ 市ヶ谷店」では堂々と「肉豆冨とレモンサワー」が冠されています。果たして看板商品は肉豆腐とレモンサワーであるらしく、前者は2種用意されていて以下のような説明がなされています。肉豆冨《黒》 438円:国産の牛すじを店内で圧力調理。醤油ベースの甘目の出汁で煮込みました。肉豆冨《白》 438円:牛バラ肉と玉ねぎを共に鰹風味の出汁で煮込みました。 ふうん。なるほどねえ。肉豆腐なんてのは決まりがあってなきがごとしの食べ物で、この2種は牛肉を使っている(《黒》でわざわざ国産を謳っているということは《白》の牛バラ肉は国産じゃないのね)けれど豚肉でも構わないだろうし、鶏肉の店だってあるんじゃないか(「三州屋」だと鶏豆腐って呼んでますけど)。長ねぎ入りのものもあるし、白滝入りも食べたことがあります。豆腐にしたって焼き豆腐を用いた店もあります。つまりまあ、多様なヴァリエーションがあって不思議じゃないから10種程度を用意するなんてことになれば看板に掲げるだけあるなあとある意味感心したかもしれません。が、こちらではキムチなどのトッピングの種類でヴァリエーションを増やすという安直さに堕しているのがどうにも気に入らぬのだ。それと肉には国産だったり出汁は作り分けたりとそれなりの工夫がみられるけれど、商品名の中心となる豆腐へのこだわりが全くないというのも解せないところであります。鍋を片手に明け方タクシーで乗りつけて豆腐を買い求めたという色川武大氏までのこだわりはぼくにはないけれど、それでも肉に国産を訴えるなら豆腐にだって「北海道産大豆100%使用」位の攻めがあっても然るべきではないだろうか(って隈なくメニューを眺めたらその旨の記載などあるのかもしれないけれど)。ってケチを付ける位ならたった2種のみなんだから両方食べてから語れって意見もありそうですが、ぼくはすじ肉は余り好みではないから《白》にいくつもりが同行者が《黒》のみを頼んだようです。まあ味は普通かなあ。圧力調理の目的はきっと肉質を柔らかくするためなんだろうけれど、思った以上にしっかりとした噛み応えでありました。一方のレモンサワーも好みの問題かもしれませんが、ちょっと甘過ぎる気がしました。まあ、何にせよ勘定は安く上がったから文句をつける気はさらさらないのです。まあ、概して高くつくことの多い市ヶ谷でこのお店は財布の助けにはなりそうです。
2023/04/12
コメント(0)

魯肉飯(ルーロー飯)って好きなのですよね。台湾の料理って案外作ってみたら簡単ってことが分かってきたので、数カ月前に初めて作ってみたら思っていた以上に簡単でしかも味も専門店なんかで食べるのとそんなに差もないように思えたのです。こんなことならさっさと自分で作っておくべきだったと後悔した覚えがありますが、まあこの先の人生では自分で作ればいいのだから満更手遅れだったということでもなさそうです。で食べながら思ったのが、この味付けならば豚肉に限らず他の肉類でも美味しく頂けるんじゃないかってことです。例えば鶏肉なんて肉類の中では手頃で多様な部位も入手し易いから、これで作ってみてはどうかということなのです。ここでハタと思ったのが、魯肉飯の魯肉がどういう肉のことを意味するかということです。加えて検索サイトで「魯肉」をキーワードに検索してみたのですが、「魯肉」単独で結果表示されることがまずないのです。つまりは「魯肉」と「飯」は多くの場合セットになって用いられる料理名ってことになりそうなのです。いやいや魯肉飯にのっている豚肉は飯に限らず麺にだって饅頭にだって合わせられそうです。しつこく調べを進めると以下のサイトに遭遇しました。とんちゃん日記 「魯肉[沖縄と食]」https://onhome.blog.ss-blog.jp/2005-03-06ここの記載には、「醤油煮込み用汁の「滷汁」で煮た皮付き三枚肉が「滷肉」で、それに当て字されたものが「魯肉」」とあります。つまり「魯肉」というのは、「醤油煮込み用汁」で「煮た皮付き三枚肉」ということになって、「肉」は「豚の三枚肉」を意味すると考えるのが順当と思われます。とすれば「醤油煮込み用汁」で「煮た鶏肉」は「魯鶏肉」ってことになるのでしょうか。どうも違和感があります。だって台湾には鶏肉飯(ジーローハン)という料理もあって、「醤油煮込み用汁」で煮た鶏肉を飯にのっけたものだから、若干「魯肉」よりはスパイス感が控えめとはいえ「滷汁」で煮ているのは一緒なんだから、「魯鶏肉飯」とすべきではないかと思うのです。まあいいか。 ということで鶏手羽元が安かったので魯肉風に調理してみることにしました。と書いたけれど肝心の写真が見当たらぬけどまあ見た目は地味だから写真でお見せするまでもないか。【材料】鶏手羽元(下茹で) 10個/にんにく・生姜 2片/ごま油 小さじ2/長ねぎ(ぶつ切り) 1/2本/紹興酒・醤油・黒酢・黒砂糖 大さじ2/オイスターソース 大さじ1/塩 適宜/八角 1個/水 200ml/五香粉 小さじ1【作り方】1. 鍋にごま油を熱してにんにく、生姜を炒める。鶏手羽元を加える。長ねぎを加える。紹興酒、醤油、黒酢、黒砂糖、オイスターソース、塩、八角、水を加えて煮る。五香粉を加える。 案の定、美味しく仕上がりました。この甘じょっぱくてスパイスも香る味は肉類のみならず魚介に合わせても良さそうで、応用範囲も広そうです。 ってことなので、迷った挙句に鶏手羽元の魯肉風鍋という何でもありの料理名になりましたが、鍋仕立てにしてみました。野菜は適当に冷蔵庫にあったものを使ってみます。【材料】鶏手羽元の魯肉風・水菜・ニンジン(薄切り)・しめじ・木綿豆腐(一口大)・春雨(水で戻す)・キクラゲ(水で戻す)・酒・水 適宜【作り方】1. 鍋に鶏手羽元の魯肉風、水、酒を熱して残りの具材を加える。 やはり思った通りの美味しさです。元のままだとかなり味付けが濃くなるので水と酒でかなり薄めた方が良さそうです。 ワンパターンですが、鶏手羽元の魯肉風カレーを作ってみました。卵がなくなったので冷蔵庫で眠っていたうずらの卵を追加しましたが、煮汁も少なくなっていたので煮卵の様な色合いにはならずほとんど茹でただけの状態になってしまいまし揚が間ア構わないでしょう。【材料】ごはん 1膳分/鶏手羽元の魯肉風(鶏手羽元(ほぐす) 2個/うずらの卵 3個)/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ニンジン(銀杏切り) 3cm/じゃがいも(皮を剥く/茹でる/一口大) 1/2個/カレーフレーク 大さじ3/サラダ油 小さじ1/水 150ml【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して玉ねぎ、ニンジンを炒める。じゃがいもを加える。鶏手羽元の魯肉風(鶏手羽元、うずらの卵)、水を加える。カレーフレークを加える。 お、鶏肉からプンと漂う五香粉の香りが案外マッチしていますし、うずらの卵ももしかすると鶏卵より合うかもなんて思ってしまいました。 カレー同様にほぐした鶏手羽元をトーストした食パンにのせてみました。鶏手羽元の魯肉風トーストです。【材料】食パン(6枚切/トースト) 1枚/鶏手羽元の魯肉風(鶏手羽元(ほぐす) 1個/うずらの卵 1個)/バター・マスタード・マヨネーズ 適宜【作り方】1. 食パンにバター、マスタード、マヨネーズを縫って鶏手羽元の魯肉風(鶏手羽元/うずらの卵)をのせる。 これも間違いがありません。ジャンクな感じがそれはそれで台湾の屋台料理にありそうで美味しかったです。
2023/04/11
コメント(0)

どうもこのところ駅近好立地といわれるような場所でも空き物件が増えているように思われます。駅から遠い場所にある物件であれば分からなくもないけれど,駅の傍にこうも多くの空き物件が(しかも都内で)増えるというのはやはり日本が現状、相当に体力が落ちてきていることの証左のように思われて気が滅入ってしまうのです。それにはコロナの影響も多分に受けているはずではありますが、それだけが原因ではなさそうです。日本の衰弱化が思っている以上に加速しているような気配が感じられてそのことを考えると夜も眠れなくなるのです(嘘)。一方で在宅勤務の普及などに起因して都民の地方流出していたのが、また都内へと回帰しつつあるようだから住宅への需要が高まりに応じてそのうち駅近の空き物件も有効に利用されてくることも期待していいのかもしれません。西日暮里駅にも駅に隣接した空き店舗物件がありました。朧気な記憶が正しいならそこはかつてはケンタッキーフライドチキンだったんじゃないかなあ。まあ過去はともかくとして今では7つの店舗が入居する西日暮里スクランブルなる複合施設として用いられるようになりました。たまたま知人と一緒でその知人が待ち合わせまで30分程度あるとのことで、ならば駅近でサクッと呑むことにしようということになったのでした。 駅に着いた時点ではどこで呑むかなんてことは全く想定しておらず、取り敢えずは近場ということだけを条件としました。あわよくば未訪店だとなおいいと思っていたのですが、そうも上手くはいくまい。そう思いつつ存在だけは認知していた立ち食いカレー屋の「SPICESH(スパイセッシュ)」なるお店で呑めぬかとちらりと眺めますが、さすがにカレーも食べずに立ち寄るのは気が引けます。どうしたものか、かつてであればお向かいの雑居ビル2階にあった「居酒屋 さと」にお邪魔すれば良かったのにと眺めやりつつ視線を戻してみると、おやおやカレー屋の上のガラスの向こうにカップルがスツールに腰掛けてビールらしきものを飲んでいるのが目に留まりました。2階はバーにでもなっているようです。「西日暮里BOOK APARTMENT」の隅にある階段を恐る恐る上がるとバーカウンターがあるではないですか。短時間で呑むには好都合なスタイルのお店に思えます。そんな次第で立ち寄った「NIGHT KIOSK」は4種類のクラフト生ビールに加えて目にしたことのない缶のクラフトビールが多種揃っていました。店のお姉さんが店のシステムをフレンドリーに説明してくれましたが、その内容はさして説明を要するほどのことでもないけれど、大事なのはフレンドリーな点にあります。さっと1杯呑んで帰られる風景は駅近ならではです。4種の生から頼んだ銘柄はちょうど切らしてしまったらしく、似た風味のものをといって出してくれましたが、そこは客に選ばせた方がいいんじゃないかなと思いはしたもののまあ文句を言うまでもありません。肴はすぐに出るものとオリーブをお願いしましたが、そこまで手の込んだ品はないけれど、餃子などの肴も食べさせてもらえるようです。まあ、ここはさっと酒を引っ掛けて長っ尻しないのが粋な使い方に思えます。とかなんとか言って結局生を2杯と瓶を1本、ポテトフライも追加しちゃったんですけど。とまあ値段はけして安くはないけれど、気軽に立ち寄れて店の方もフレンドリーでこうした1杯サクッと吞んで多様なビール類が楽しめるこんな店も今後は各所に増えてくるように思えました。
2023/04/10
コメント(0)

ぼくは子供の頃にはよくお茶漬けを食べたものです。最初は父親が酒を呑んで帰ってきて茶漬けをさらさらと食べているのが無性に旨そうで食べるようになりました。極めて一般的ですね。お決まりの永谷園のお茶漬けの素をシンプルなもの、鮭、梅と食べ継いでいくうちにやがては冷蔵庫に残された漬物やらのりの佃煮など有り合わせのものを組み合わせたりして食べるようになりました。お歳暮なんかでもらった父親のとっておきの錦松梅を大量に食い尽してひどい叱責を受けることにもなりました。でも真に茶漬けの沼にハマったのはわさびを使うようになってからです。どんな食材をのせてもわさびさえあれば美味しく思えるようになったのです。ところがそんなに好きだったお茶漬けですが、酒を本格的に呑み始めた頃からさっぱり食べることがなくなったのです。普通の酒吞みの人って今でも呑んで帰宅したらお茶漬けさらさらなんてするのかしら。それともやはり北大路魯山人氏が言うように金持ちが放蕩三昧の末に辿り着く境地でしかないのだろうか。北大路魯山人著「お茶漬けの味」 お茶漬けの話にかぎらないが、料理というものは、財力豊かな人のものと、財力不自由な人のものとでは、常に天と地ほどの相違がある。しかし、財力豊かで、刺身よかれ、牛肉よかれと、どんな材料でも、手に入れることに少しも不自由のない人が、贅沢料理に飽きて、簡単な美味いもので食事がしたいという場合がある。これは体内にお医者さまの言う栄養が充ち満ちて、生理上、栄養が不必要になった時だ。かような時、茶漬けで飯が食いたいということになる。 だが、ただの茶漬けという分には差支えないが、贅沢なものの、特にもの好みして、なにか美味い茶漬けが食いたい意味で、茶漬けを要求する場合は、単にさけの切り身というわけにもいかないだろう。さけの切り身と言っても、いろいろあるので、ほんとうの新巻じゃけが手に入れば茶漬けも甚だ結構だ。しかし、近頃はそう特殊の新巻も手入れ茶漬も甚だ結構だ。か、近そ特殊の新巻も手に入るまい。そこら辺の店先で手に入れるとなると、さけは美味いもの食いには承知ができず、「ほかになにか…… 」ということになってくる。 このエッセイではこの後も長々と種々の茶漬けが紹介されるのですが、それのどこか「簡単な美味いもの」なのだと突っ込みたくなるところですが、確かに質素な品もあって、それを作ってみることにしました。 大定番の海苔の茶漬けです。海苔の茶漬け のりの茶漬けは至極簡単だが、やっている人は少ない。缶詰や壜詰になっているのりの佃煮には、いい香りのものは見られない。一年も二年も経って日増せになったのりとか、青のりのまじった生のりの屑だとか、言わば廃物をもって拵えたのが缶詰や壜詰ののりの佃煮である。悪いのになると、大部分青のりであるから、青のりの臭みと味とに満ちている。 ほんとうに美味しいのりの佃煮が食べたい人は、売りものにろくなものはないから、自前でつくるよりほか仕方がない。 自分で拵えるのは、生のりの採れる時分に、生のりを生醤油でごとごと、とろ火で煮つめることだ。生のりの手に入らぬ土地の人は、もらいものの干しのりなどを醤油で煮ればよい。煮つまらなくて、醤油がだぶだぶしているような煮方は不味い。そのねちねちと煮えたやつを、熱い御飯の上にのせて煎茶をかける。それに少量のわさびを入れる。それだけでいいので、のりの茶漬けほど簡単なものはない。酒の後などで食べるには、至極適した茶漬けと推奨できる。 こういうのりの茶漬けは誰しもやっていることだが、これから私が話そうとするのは、もっと手軽なのりの茶漬けである。 それは、いいのりをうまく焼いたものか、焼きのりのうんと上等のを、熱い御飯の上に揉みかけ、その上に醤油をたらし、適当にわさびを入れて、茶を注げばよろしい。熱い御飯をのりで巻いて食べる人たくさんいるが、焼いたのりを茶漬けにする人はあまり見受けぬ。 一椀についてのりの分量は、せいぜい一枚か一枚半を使う。これは朝によく、酒の後によく、くどいものを食った後には、ことさらにいい。多忙の時の美食としても効果がある。 こんな茶漬けをよろこぶ者は、通人中の通人に属するだろう。茶の代りに、かつおぶしと昆布のだしをかけて食べるのもよい。これらは副菜の漬けものを一切要しない。ぜいたくな泊り客でもあった際には、朝食に出すことである。もちろん、上等の煎茶を使用するにしくはない。【材料】ごはん・焼きのり・醤油・わさび・煎茶 適宜1. 焼きのりを焙る。【作り方】2. 茶碗にごはんを盛って焼きのりを揉みかけ、醤油を垂らし、わさびをのせ、煎茶を注ぐ。 確かに美味しいと感じたからぼくは氏のいうところの「通人中の通人に属する」のだと自負することにしよう。 ということで安倍夜郎著『深夜食堂』からコンビーフ茶漬けです。ノザキだったか他所のメーカーだったかのHPにもアップされているので案外定番の食べ方なのかもしれません。しかしねえ、こんなのが美味しいのかねえ。【材料】ごはん・コンビーフ缶・湯・醤油 適宜【作り方】1. 茶碗にごはんを盛ってコンビーフをのせる。湯をかけて醤油を垂らす。 あらあら料理とも言えぬシロモノでありますが、なかなか美味しいじゃないですか。思わず一気にさらさらっと食べてしまいましたが、これにもわさび、いやホースラディッシュなんかをのせてもいいかもしれないですね。でもかえってそぼくな味を邪魔しちゃうかな。 前々から脳内にて試作していたカレー茶漬けに取り組むことに決めました。もっとも安全性を確保するためにこれはネット上にあったレシピに若干のアレンジを加えたものになります。【材料】ごはん 1膳分/湯 150ml/刻みのり・フライドオニオン 適宜/【調味料】バター 小さじ1/カレー粉・顆粒コンソメ・にんにく 小さじ1/2/塩・胡椒 適宜【作り方】1. 耐熱容器にごはん、【調味料】を混ぜて電子レンジで600W30秒加熱する。茶碗に盛って湯をかけ、フライドオニオン、刻みのりを散らす。 一応湯を入れる前と後の写真を撮っておきました。あまり変わりなく見えます。なるほどね。まずまず美味しいですけど、コンソメで味を補強するのはちょっと違う気がします。これがせめて和風だしであれば茶漬けの範疇ともりかいできるのですが。ってかやはり今思い浮かべても和風のだしの方がずっといい気がします。どうして思いつかなかったんだろ。
2023/04/09
コメント(0)

近頃は、和え麺が密かなブームとなっているそうです。人気店では、行列,売切れ御免は当たり前なんだそうだけれど、ぼくには実際のところそういう印象はないのです。混ぜて食べるのが美味しさの秘訣らしい。という情報はほぼ以下からのパクリ情報であります。オリーブオイルをひとまわし 「熱狂的なフリークの多い「つけ麺」と「和え麺」の違いを総まとめ」https://www.olive-hitomawashi.com/column/2019/01/post-3651.htmlでも恥ずかしながら(って程のことではないかな)、ぼくは和え麺というのを見たことも当然食べたこともないのであります。「混ぜて食べる」らしいからかつて何度か食べたことがある油そばと似たようなものなのか。でも呼び名を変える以上はその程度の違いとも思えぬ気がする。なので調べてみました。現役らーめん屋店主の独り言 「まぜそば、油そば、和えそば、和え玉の特徴や違いを一挙解説!」https://takosaru.com/note/226/ なんだ。汁なしらーめんの呼び方のひとつで油そばとそう変わりはないようです。だったら食べたこともあるし、たまに見掛けることもあります。しかし、ここで根本的な話に戻すとうどんやそばは汁ありの温かいのもつけ汁が別の冷たいのも等しくうどん(かけうどん/ざるうどん)であってそば(かけそば/ざるそば)であると思えるのに、汁なしのラーメンはラーメンじゃないって気がしてしまうんですよね。つけ麺も同様です。その違いはきっとうどんが麺そのものがうどんやどそばと呼ばれるのに対して、中華麺で作った料理は温かい汁付きがラーメン(時には中華そば)と呼ばれ、冷たくてつけ汁の量が少ないのが冷やし中華と呼ばれたりと麺の名前と料理名が一致しないところに問題の核心が存在するのではないだろうか。というかそもそもが中華麺業界というのは余りにもジャンルにヴァリエーション(いや呼び名の違い)があり過ぎるように思うのです。温かいラーメンはラーメン、冷たくて汁につけて食べるラーメンはざるラーメン、汁気の少ないラーメンを汁なしラーメンといった風にシンプルにまとめればいいのになんて思ったりするのです。ということで今回は汁なしラーメン3品です。 拌麺(バンメン)なる極めてシンプルなレシピが存在することはかねてから知ってはいました。昼や夜に食べるには簡単すぎるし、朝や昼に食べるには胃への負担や臭いを考えると食べにくいし、休みの日の優雅な食事にはいささか役不足に思えるなど、なかなか食べるタイミングを見いだせずにいました。【材料】中華麺(細麺) 1玉/にんにく 2片/赤唐辛子(輪切り) 適宜/サラダ油 大さじ2/紹興酒 小さじ1/豆板醤 小さじ1.5/砂糖 小さじ1/塩・胡椒・味の素 適宜/水 大さじ5/片栗粉・水 小さじ2/青ねぎ(小口切り) 大さじ2【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。豆板醤、紹興酒、砂糖、水、塩、胡椒、味の素を加える。中華麺を加える。水溶き片栗粉を加える。皿に盛って青ねぎを散らす。 結局珍しくちょっと寝坊した休日のブランチにしました。思ったよりは美味しいです。美味しいんですが、これだけだとやはり単調です。いきなり唐辛子と豆板醤の辛みにガツンと見舞われるので、徐々に辛味を加える方式がいいかも。 問題の和え麺です。和え麵というものを樋口氏の記事で最近になってようやく知りました。拌麺以上にシンプルなレシピです。【材料】中華麺(茹でる) 1玉/湯 大さじ1/長ねぎ(小口切り) 適宜/酢 適宜/【調味料(混ぜる)】醤油 小さじ2/みりん 小さじ1/鶏がらスープの素 小さじ1/2/ラード 小さじ1/胡椒 適宜【作り方】1. 【調味料】を入れた器に中華麺を入れて混ぜる。長ねぎ、酢を散らす。【備考】東洋経済ONLINE 樋口直哉の「シン・定番ごはん」「超簡単なのに絶品「和え麺」100円中華麺で作る技」https://toyokeizai.net/articles/-/582058 まあねえ、悪くはないんですけど、これは辛味も控えめだからさすがに飽きちゃうなあ。だからトッピングや煮干しなどの旨味の変化が大事になってくるんでしょうかね。 これまた中国式の正宗炸醤面(ジャージャーメン)だそうです。これにはひき肉や干し椎茸などの具材らしい具材が入っているから多少は貧乏臭さが稀薄かな。【材料】中華麺(茹でる) 1人前/白ねぎ(みじん切り) 2cm+4cm/生姜 1/2片/にんにく 1/2片/豚ひき肉 50g/椎茸(みじん切り) 1/2個/甜面醤 大さじ1/鶏がらスープの素 適宜/水 25ml/ごま油 適宜【作り方】1. 鍋に油を熱してねぎ、生姜、にんにくを炒める。豚ひき肉を加える。椎茸を加える。甜面醤、鶏がらスープの素、水を加える。ごま油を加える。中華麺を皿に盛って肉味噌をのせる。ねぎを散らす。2023/3/4 う~ん。炒める最中に材料を加えながら脳内で食材同士を足し算してみたんですが、そのままズバリの味でした。麺と具材の混ぜ具合で味に陰影がつけられるのはいいですが、それでも食べ進むうちにやはり単調になってきます。やはりぼくはどんな味でもいいから汁のあるラーメンが好きみたいです。
2023/04/08
コメント(0)

日本人(といった書き方をするとあたかも日本は単一民族によって構成されているような印象をもたらしかねぬでしょうか)が好きなのはどこの国の料理なんだろうかと考えることがあります。ぼくが考える位だからきっと少なからぬ人が似たようなことを考えるはずだと調べてみるとやはり続々と検索に引っ掛かりますね。イエローモバイルJAPAN-公式サイト- 「日本人が選ぶ! 日本人の味覚にも合う料理が美味しい国ランキングTOP10!」https://blog.yellowmobile.jp/best-food-to-japanese-taste/ハピ研 「第350回 外国料理好きですか?」https://www.asahigroup-holdings.com/company/research/hapiken/maian/bn/201009/00350/食育博士の辛口レクチャー 「番外 お好きな外国料理は」https://www.mealtime.jp/shokublog/naohashi/2012/01/post-87.html調査方法が国別か料理のカテゴリーかで回答に多少の差異が見られますが、1位が台湾の料理もしくは中華料理、2位がイタリア料理というのは揺るがないようです。どちらも確かに日本では身近な料理となっていて、恐らくは店舗数もこの順位に比例しているもののように感じられます。外食もそうですが、家庭料理として食べられる機会も同様に思われます。しかし、中華料理もしくは台湾料理が店と家で作った料理にどうにも越え難い壁があるように思えるのに対して、イタリア料理はその差は極めて小さい気がするのです。だからぼくがイタリア料理を外食で食べるのはごく限られた機会に限られます。食材を惜しまず使う高級店でもない限りは、通常のイタリア料理店の料理程度であれば自宅でもかなり相応のものが用意できますから(思い込みかもしれない)。 でもまあ家で食べるにはその仕上がりに限界のある料理もあります。例えばちゃんとしたピザが食べたいと思った場合は店に食べに行くことも辞さないのです(近頃は輸入物の冷凍ピザも驚く程に品質が向上していますが)。昔はピザが大好きで機会を見つけては食べていたものですが、今でも好きなことは変わらないけれど、いざ腹が減ったと思ったとしてもピザを思い浮かべることはほとんどなくなってしまいました。だからこの夜に訪れることにしたのはピザを目当てにしてのことではなかったのです。そこと決めるにあたっては、例によって店そのものへの好奇心を優先したのです。「パセリ屋」ってイタリア料理のお店にお邪魔したのですが、ここはテレビなどのメディアへの露出が多く以前何かしらで見ていたという記憶があったのです。当然、店そのものも以前から見知ってはいました。でもきゅたなシュランで取り上げられているとは知らなかったなあ。きたなシュランはきたな旨いお店を取り上げることで知られており、果たして店内には栄誉あるミシュラン像が飾られていたのでした。しかしですね、外観からはちっともきたなくないとは思っていたけれど、店内に入ってもなおちっともきたなくないのです。というかこれまでもそれなりにきたなシュランに登場したお店にお邪魔してはいますが、ボロくはあってもきたないってことはそうはなかったように記憶します。飲食店できたないってのはさすがに放送禁止の対象となるはずです。そしてこちらはきたなくないのは当然としてボロくもないのだから、ぼくの目当ての半分は外れということになります。きたないを目当てにする人はもとよりボロくもないということを承知の上で訪れていただきたい。では旨いかというとけして美味しくないわけじゃなく、ちゃんと普通に美味しくはいただけますが、コストパフォーマンスは必ずしも良くないのであります。あまりあからさまに書くことは控えますが、ハウスワインもちょっといただけなかったなあ。次第に気分が沈みがちになるのを堪えるのは困難だったのです。これ以上続けると余計なことを口にしてしまいそうなので具体的な感想は有耶無耶にさせていただきます。
2023/04/07
コメント(0)

ぼくはずっとニンジンというのは嫌われ者の野菜だと思い込んでいました。というかぼくは子供の頃は間違いなくニンジンは苦手な野菜で、辛うじて食べることができたのはカレーに入っている場合のみだったのです。ところが以下の集計を見ると今の子供たちはニンジンをちっとも嫌いでないどころかむしろ結構お好きなようなんです。よろず堂通信 「好きな野菜&嫌いな野菜ランキング2022 大人と子どもの調査結果まとめ」https://yorozu-do.com/sukina-yasai-kiraina-yasai/ 2014年~2022年までが対象期間となっていますが、子供の好きな野菜ランキングにニンジンがランクインしていない年は2017年のみで、なんと2015年には3位、2021年には5位にランキングされています。嫌いな野菜としてランキングされたのは2014年、2015年に9位のわずか2度だけなんですね。好きと嫌いの両方にランキングされているなら納得もできそうなものですが。一方で大人が好きな野菜がこれまた驚くべき結果となっておりまして、ニンジンが一度としてランキングされていないのです。そして嫌いな野菜としては7度のランクインなのです。つまり、子供と大人の意見が真っ向から対立しているというなんとも主婦/主夫泣かせの結果となったのです。この結果を見てしばし途方に暮れてしまったのでありますが、ひとつの仮定が突如去来したのです。先に書いた通りぼくは子供の頃にニンジンが苦手でしたが今は見事克服し、好きな野菜とすることに成功したのでありますが、多くの大人たちは失敗のうちに苦手意識を抱き続けているというのが真実ではないだろうか。そして現代の子供がニンジンを好きなのはかつてぼくをして苦手と言わしめたのが、かなり強い独特の風味が今のものには余り感じられなくなったということではないだろうか。福島のいわき方面を中心にイカニンジンという料理が食べられていて居酒屋に行くと大概お通しでこれが供されるのでありますが、この場合のニンジンはかなり青臭くてぼくは今でもちょっと苦手なのです。恐らくぼくが子供の頃に食べていたニンジンというのはこういう青臭味が強かったんじゃなかろうか。悔しいから今の子供にはぜひ甘味を控えたこの青臭いニンジンを食べさせてみたいと思うのだが、いかがでしょうか。ということで、ニンジンレシピをいくつか。予めお断りしておくとニンジンの料理って大概は主役というよりは脇役というより端役みたいなのが多くなっているのでご承知おきください。 どこぞやで見掛けたイタリアの味レシピ、ママのニンジンであります。【材料】ニンジン(4mm厚輪切り) 600g/オリーブ油 大さじ1/玉ねぎ(2等分) 120g/にんにく 1片/タイム 小さじ1/2/ローリエ 1枚/パセリ(茎) 3本/塩・胡椒 適宜/水 200ml【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してニンジンを炊める。玉ねぎ、にんにく、タイム、ローリエ、パセリ(茎)、塩、胡椒、水を加えて弱火で20分煮る。 ハーブ風味のニンジンの煮ものです。非常にあっさりとしているのでグラッセより添え物としての応用範囲は広いかも。でもまあさすがにちょっと地味な印象。 これまたどこかで見掛けて作ってみたいと思っていたニンジンのわさびマリネです。【材料】ニンジン(千切り) 1本/くるみ(砕く) 適宜/【調味料】わさび 小さじ1/2/塩 小さじ1/4/酢 小さじ1/オリーブ油 大さじ1【作り方】1. ボウルに全ての材料を入れて混ぜる。 わさびとニンジンの組合せは考えてもみなかったですね。でもニンジンの風味と絡み合うとニンジンの青臭みが薄れるというよりはわさびの風味と交わってむしろ辛子のようなピリッとした味に感じられました。このレシピを知らない人に食べさせてみたのですが、結局わさびとは気づくことができませんでした。 グラッセはニンジンの定番の食べ方で皿上の彩りも良くなるのでちょくちょく作っています。このニンジンのグラッセメイプル風味はその名の通りメープルシロップを加えています。【材料】ニンジン(一口大) 500g/バター 大さじ3/三温糖 大さじ1/メープルシロップ 大さじ3/塩・胡椒 小さじ1/2/イタリアンパセリ(or ミント/みじん切り) 大さじ1/水・塩 適宜【作り方】1. 鍋に水、塩を入れてニンジンを茹でて取り出す。バター、三温糖、メープルシロップを熱してニンジンを加える。塩、胡椒する。皿に盛ってハーブを散らす。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「Maple Glazed Carrots 人参のグラッセメイプル風味」https://southern-kitchen.com/maple-glazed-carrots/ グラッセって思い切ってきっちり甘味を効かせた方が美味しいと思うのですね。だからこのレシピもきっちり甘くて美味しい。でも改めて参照先を見ると見た目が全く別物です。まあこれはこれでいいかな。 辻仁成氏のレシピが時折dancyuに掲載されているのを知ってからちょっとだけこの人が好ましく思えるようになりました。どうも食の趣味が近いような気がします。以前はスープ料理を連載していましたが、今は様々なサラダが紹介されています。今回は氏のオリジナルというキャロット・ロティの温サラダが掲載されました。で、早速作ってみることにしたのです。【材料】ニンジン(細いもの/縦2等分) 4本(太いニンジン(縦4等分) 2本)/生タイム 3本(ドライタイム 大さじ2)/にんにく(みじん切り) 1/2片/生姜(みじん切り) 小さじ2/エシャロット(みじん切り) 大さじ1/はちみつ 小さじ2/オリーブ油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 天板にニンジンを並べてオリーブ油をしかけ、塩、胡椒、タイムをのせてオーブンで200℃15分焼く。にんにく、生姜、エシャロット、はちみつを混ぜたものをまぶして15分焼く。【備考】dancyu 「辻 仁成の""パリ・サラダ""|第二十六回""キャロット・ロティの温サラダ""」https://dancyu.jp/recipe/2023_00006971.html 葉付の細いニンジン、以前は定期的に地方の食材を販売するとあるお店で入手出来ていたのですが、最近はめっきり足を運ぶのが面倒になって近場のスーパーの普通のニンジンでやむなしとしています。それでもこれだけ美味しいのだからいいのです。氏のレシピには書かれていませんが、ローストしたピスタチオを刻んでふってみました。これは大正解。ニンジンの風味とピスタチオは相性いいです。
2023/04/06
コメント(0)

今年度(これがアップされる頃には昨年度かな)を振り返ってみると、呑み歩きの勢いがガクンと落ちています。むしろコロナ初期の頃の方がよほど呑み歩いていたように思えます。近頃すっかり馴染みのある酒場で呑むのが楽なばかりでなく楽しく思えるようになったものですが、今でも未知の酒場に訪れるのはやはり楽しい事だから、ネットなんかで例えば日帰りで充分に行ける場所にある渋い酒場が紹介されていたりすると居ても立っても居られない気分にはなるのでありますが、すぐさまに行動に移せるかというとなかなかそうもいかない理由があるのでした。その理由を語ってみたところで事態が好転するとは思えないから端的にいうとやたらめったら慌ただしくてとにかく時間が足りていないのです。じゃあ時間をもっと効率よく使い回せばいいんじゃないかとも思うのですが、その場その場で色んな理由でバタバタしてしまいまとめて読書する時間はおろか、呑む時間すら削らねばならないという有り様なのです。仕事が忙しくなったわけでもないし、家事などを処理する速度が落ちた訳でもないと思うからますます不可解であるし、不可解であるから打開する術も見出せないのです。いや、分からないと書いたけれど、実のところは分からないフリをしているだけのような気がします。知らず知らずのうちに日々のノルマが増えてしまっているに違いないし、そのノルマの正体も察しが付いてはいるのです。でもそれがきっと削ぎ落としたところで支障がないものと分かっていてもなかなかのことで生活から切り捨てられないところがノルマというものの厄介さというものなのではないか。仮にノルマを剥ぎ取ることに成功した際の一時的な喪失感を恐れているだけではないだろうか。ノルマを捨て去るのは難しいとしても、ほんの一時しのぎでしかないけれどそんな場合の手っ取り早い解決策には多少の金額を支払うという方法があります。時間を金で買うということですね。となんかごちゃごちゃ語っていますが、馴染みのお店で呑むのは贅沢なことなのですよね。ってのは馴染みになるにはそれだけの訪問数を重ねる必要があるってことになるのであって、長期に亘って通い続けるもしくは足繁く通う、乃至はその両方を行うことで初めて馴染み客となれるのです。そんな馴染みの一軒に行ってきました。 前に訪れたのはつい先ごろのことのように思っていましたが、早くも半年が経過していたようです。護国寺ある「ル・マルカッサン(Le Marcassin)」にやって来ました。こちらには前身の「ル・モガドー」時代から通っているから20年以上のお付き合いということになるはずです。さすがに20年通ったら馴染みを自認しても罪はないと思うのですがいかがでしょう。ともあれここに来ることの愉しみは飲食だけに限った話ではないのです。いつものようにここでは7時過ぎで予約を入れます。大概の客は前菜を済ませている時間帯で人によってはすでにメインを済ませてデザート待ちといった頃合いです。辛うじて空きのあった店の真ん中の席に通されました。ここはどこも席間に余裕があるからどの席だってリラックスして過ごせるのです。この日はプレフィックスのメニューから白レバーのムース、鴨のコンフィ、いちごソースのパンナコッタをオーダー。もはや味がどうこうの話は不要でしょう。やはり一人でやってると忙し過ぎるのか、ここ数年はメニューの変化がやや少なめなのが残念でしたが、今回は以前と違った品の記載もあってちょっと嬉しくなりました。って大定番をオーダーしておきながらそんな感想を述べても嘘っぽいですかね。前夜呑み過ぎで酒のペースはややゆっくりになりましたが、こちらの料理は食べてる時点はいくらでも食べられそうですが、店を出て30分もすると強烈な満腹感に見舞われるから食べ過ぎ呑み過ぎには注意が必要です。もっと高級なフレンチなんていくらだってあるんでしょうが、ここでの食事は高級店とは全く別の喜びがあります。やがてぼくのとこだけになり、そうすると忙しそうに立ち働いていたシェフ(って呼んだ方がいいのかな?)もリラックスした表情を浮かべて近況を語り合ったりするのですが、この時間が至福なのですね。本当ならもう一歩踏み込んで一緒に一杯呑みたいと思ってしまうのですが、許されることなのかなあ。一時体調を崩されて断酒生活を送っていたそうですが、今はすっかり元気に呑んでいると窺っているのでいつか一緒に呑めたらいいんだけどなあ。
2023/04/05
コメント(0)

3月に入ってようやくニラがお手頃価格で買えるようになりました。町中華では、ニラは欠かすことのできない食材だと思うので、高値の時期は大変だったんだろうなと杞憂しておりました。そういう店の主力商品に切らすことのできない食材がさまざまな要因で高騰すると店の死活問題にも至りかねないのでしょうね。当たり前だけど。例えばキャベツにしたってとんかつ店の千切りキャベツや串揚げ屋で生キャベツのお替りし放題のサービスを売りにしている場合があるけれど、時折到来するキャベツに高値が付く際は店主も毎日の相場の確認で気が気ではないのでしょうね。高いからって突然にサービスを停止したり、提供条件が見直されたり、個数や提供人数を限定するという建前でハナから上限に達する無法が近頃耳にするから客引きのための目先のサービスに安易に手を出すのは慎むのが正解なんでしょうね。最近、知り合いから卵かけごはんのみの年間パスポートを販売したお店があったらしいのですが、予想を上回る大食漢がいたらしくあっさりと廃業に追い込まれたと聞きました。せっかくニラの価格が下がって来たのに価格の優等生といわれた卵も値上げが続いていまして、ようやく心置きなくニラ玉が食べられると思っていたのに肩を落とす方も少なくないんじゃないでしょうか。もやしや牛乳なんかも家計が苦しい際のお助け食材ではありますが、いつまでその役目を果たしてくれるのか懸念されて一般消費者たるぼくも気が気ではないのです。なのでせいぜい安いうちにニラを食べておくことにしよう。ってどうしたってニラってのは食べ方が似たり寄ったりなってしまうわけで、今回のレシピも定番のニラ料理と炭水化物とのコラボってだけでさほど新鮮味はありませんが、組合せによって思いがけない化学変化がもたらされることを期待して作りました。マスク生活もぼちぼち終焉を迎えそうなので今のうちにバンバン食べることにします。 まずは、ニラボナーラ(ニラ玉スパゲッティ)を作りました。ニラ玉とスパゲッティのコラボであります。正直言うとぼくはニラ玉ってあんまり興味がない食べ物なのです。材料を見ても特に特別な調味料を使っていないけれど果たしてこれで美味しいのだろうか。【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/ニラ(2cm幅) 1/2束/卵 2個/鶏がらスープの素 小さじ2/ごま油 大さじ1/胡椒・ラー油 適宜【作り方】1. フライパンにごま油を熱してニラを炒める。スパゲッティ、鶏がらスープの素を加える。フライパンの端にごま油を熱して溶き卵を注いで半熟になったら混ぜる。皿に盛って胡椒、ラー油を散らす。【備考】メシ通 「ニラ玉が茹でたてスパゲティに絡みつく「ニラボナーラ」。町中華感漂う一皿です【ヤスナリオ】」https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/yasunario/2019-00083 いかにも安直だなあなんて思って期待せずに口に運んだのだけれど、なるほどスパゲッティを炒めてから溶き卵を加えることでしっかり味がまとわりつきます。最初うっかりとラー油をかけ忘れてしまったのですが、かけた途端に味が引き締まった気が舌からくれぐれもお忘れのないように。 雁屋哲原作・花咲アキラ作画『美味しんぼ』から小泉局長の中華風スパゲティです。こういうごはん系の料理は酔っ払って作ることが多いから結構レシピを無視した(というよりは見逃した)オリジナルとは違った仕上がりになることが多くて,今回は椎茸を細切りにしてしまったがまあいいや。【材料】スパゲッティ(茹でる)・長ねぎ(みじん切り)・ニラ(1cm幅)・にんにく・椎茸(みじん切り)・豚ひき肉・ごま油・酒・八丁味噌 適宜【作り方】1. フライパンにごま油を熱して長ねぎ、ニラ、にんにく、椎茸を炒める。豚ひき肉を加える。酒で溶いた八丁味噌を加える。2. 皿にスパゲッティを盛って1.をかける。 あら、この食座だけで大丈夫なのかと思ったけど思ったよりもちゃんとしたパスタソースに仕上がってますね。こういう本場のレシピから外れたオリジナル風レシピってのは出典があって多少なりとも話のタネになるようなものでないとあまり作る気にならないのですが、外れも多くて近頃避けていたのですが、これはまずまず当たりでした。 最後は、西荻窪の「中華料理 八龍」台湾丼です。ニラ玉(ひき肉入りでトロミ付き)と丼メシのコラボであります。正直言うとぼくはニラ玉ってあんまり興味がない食べ物なのです。材料を見ても特に特別な調味料を使っていないけれど果たしてこれで美味しいのだろうか。【材料】ごはん 1膳分/豚ひき肉 100g/ニラ(5mm幅) 1/2束/卵 1個/にんにく 小さじ1/2/豆板醤 小さじ1/サラダ油 小さじ1/【調味料】水 150ml/酒 大さじ1/創味シャンタン 小さじ1/醤油・オイスターソース 大さじ1/2/【C】水・片栗粉 小さじ2【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して豚ひき肉を炒める。にんにく、豆板?を加える。【調味料】を加える。ニラ、水溶き片栗粉を加える。溶き卵を加える。皿にごはんを盛ってかける。 おお、これは意外な位に美味しいですねえ。とても簡単なので酔っ払っててもチャチャっと作れてしまいます。個人的な好みでいえばキクラゲ入りだとなお美味しいかもなんて思いつつ頂きました。
2023/04/04
コメント(0)

巣鴨という町は、旧中山道に沿って地蔵通り商店街があるなど下町情緒の残る町として紹介されることが少なくないようですが、ぼくの感性では巣鴨に下町の気分を汲み取ることは困難なのです。まあ自分の中で下町というものがどういった意味合いを持っているか確信を持っているわけでもないから、ここでは本来意味するところの山の手と対をなすところの下町でもなく、もっと感覚的な古びた商店街のある町を意味している程度と思っていただければそう遠くないと思うのです。そうした意味合いでぼくには巣鴨が下町という風には捉えにくい町であってそれは多分に町を切り裂くように連なる大きな通り、つまり白山通りの存在が作用しているようです。一般的に大きな通りに面して商店の連なる町は退屈になりがちであります。現代の東京の町がこうした大雑把で味気ないところが多いことは、諸々の事情があることは何となく承知しているつもりです。がそれにしたって巣鴨の場合はメインストリートのバックヤード、裏通りがいかにも活気がないのです。昨日、訪れた町では自分が暮らす様子を夢想すると書いたけれど、もし巣鴨に住む羽目になったら暗澹たる気分に陥りそうです。ってこれまた書きかけで放置プレイ。改めて読み直してみるとそんなに嫌な町なら行かなきゃいいじゃんってツッコミたくなるところですが、いくら内容がスカスカでも書き直すまでの気力がないのです。今回お邪魔したお店は以上の文章で批判的な描き方をしている白山通りに面して立地するお店なのでした。「朝ラーメン・チャーシュー弁当 じゅんや」なんですけど、またもせんべろネットさんの情報を参照させてもらいました。巣鴨はさすがに古い酒場には大概お邪魔しているはずなので、新規オープン店を狙うしかないのでありまして、新しくできたお店の情報はとにかく安さを重視した店に極力お邪魔したいと思っている次第なのです。コツコツと自らが動くことでしか情報を収集できない身にとってとても役に立つ情報をありがとうございます。と簡単に謝辞を述べさせていただきます。でも果たして安けりゃいいのかってことについては、近頃思うところがあるのです。安い酒場の存在を知ると一度は経験してみたいと思ったりしますが、繰り返し訪れることは極めて稀なのです。基本的に安いには安いなりの理由が当然ある訳で、安く楽しく呑んで欲しいなんていうことを本気で思っている店主が極めて少ないものです。そして少なからずの店がもう一度位行ってみようかと再訪すると明らかに値段が上がっていたりするからガッカリものなのです。その点、今回のお店は食事がメインでしかもお弁当のおかずと酒の肴を兼用するという至極合理的で賢明な二毛作、いや三毛作を目論んでいるようだからこれはひょっとすると上手く商売として確立するのではないかという期待を抱かされるのであります。しかしそんな期待が間違いだったかのように店内は閑散としています。いや、最初は数名のお客さんがおられて食事のついでに一杯を召し上がっておられた。その顔に笑顔がないのは一人客だからまあそんなに不自然ではないでしょう。でも彼らが去るとパタリと客足が途絶えてしまいました。ワンオペのお店らしいからそんなに大榮の客がいても捌き切れぬに違いない。その割には表側、置く側には立ち食い/吞みのテーブルも設置されているから混み合うようになれば従業員を雇うつもりなのだろうか。さて焼き鯖だったりナンコツ唐揚げだったりアジフライだったりを頼みましたが、お値段はお手頃で味もまあ悪くはないのでありますが、いかんせん少量なのだ。それは酒の提供も同様で値段は安いが量が少ないから果たしてこれをお得と理解しても良いのだろうか。多様な使い方ができてしかも営業時間が長い(6:30~9:00,11:00~14:00,16:00~22:99)など(中休みはあるけれど)などの意欲的なことは認めることやぶさかでないのです。でも今のままでは食事メインの利用はあっても吞みに使うのは躊躇してしまいそうです。
2023/04/03
コメント(0)

何度も書いたことで恐縮ですが、ぼくは見切り品が大好きです。特に高級スーパーマーケットの見切りワゴンには目がありません。何が楽しいってそこには存在すら知らなかった真に未知な食材も含めて手に取ったことのない食材がしばしば紛れ込んでいたりするからなのです。見切り品のワゴンにあるってことは通常の陳列棚にも並んでいたのだろうけれど、お手頃の価格であることが分かっているからこそ手に取ってみようと思えるのです。とここまではこれまでも何度も語ってきたことですが、売れ残るにはそれ相応の理由というのがある訳です。足が速くてあっという間にダメになったりするのは最悪ですが、希少ではあるけれどさほど美味しくないとか、見た目は奇抜だけど味は日本の他の食材と似たり寄ったりだったりとか、まあそういう失敗もあるけれど、何より残念なのは世界的にも新顔の野菜でその野菜に適したレシピが存在しない場合です。レシピなしでもそのまま小さく切り取って味見してみて自ら料理を想像するのもありだと思うのですが、ぼくはむしろその食材にもっとも相応しくある土地の人たちに膾炙されたような枯れたレシピに惹かれるのです。例えば輸入野菜(というか日本原産の野菜はほとんど存在しない以上、今日本で食べている野菜のほとんどは輸入野菜ということになるのでしょうが)を買ってきたとして、その原産地のレシピも気になりますが、例えば庄内地方で古くから育てられいて名産品となり土地の農家や住民に好んで食べられる野菜とそれを使った料理があったらそのレシピも試してみたくなるのです。ある商品があってその開発者や生産者が最もその商品の価値や優れた点を知っているとは必ずしも思いませんが、思い入れのある商品だからとても大事に扱ってきたと思うのです。とまあ落としどころを見失ってしまったので、近頃入手した見切り商品とそれで作った料理を4つほど記録に留めます。 青パパイヤは今ではそれほど珍しい野菜ではなくなりました。が、パパイヤは売れても青パパイヤは東京の一般家庭にはまだまだあまり浸透するには至っていないように思います。ほとんどの場合、東南アジアなんかの料理店だったり沖縄料理店に流れているんじゃないだろうか。一般家庭で買われないのは、あれこれ調べても料理のヴァリエーションがそんなに多くないのでそれほど大きくない1個でも持て余してしまうからなんじゃないか。って実は知らないだけで結構普及していたりしてね。ぼくは前回買った際に作った料理が今ひとつだったので、今回買い求めたのは見切り商品だったからなのです。今回は無難にタイ料理の定番メニュー、ソムタムタイを作ることにしました。【材料】青パパイヤ(ささがき) 1/2個/キャベツ 2枚/きゅうり 1/2本/ミニトマト(2等分) 5個/にんにく 1片/赤唐辛子(砕く) 2本/ライム汁 大さじ2/干しエビ(ぬるま湯で戻す) 小さじ2/ピーナッツ 大さじ1/ココナッツシュガー 大さじ2/ナンプラー 大さじ3【作り方】1. にんにく、赤唐辛子、ライム汁、干しエビ、ピーナッツをミキサーにかける。ボウルに移してココナッツシュガー、ナンプラー、ミニトマトを加える。パパイヤ、キャベツ、きゅうりを加える。皿に盛ってパクチーを添える。 なんかタイ料理店で食べるのと違ってるなあ。もしかすると日本の店で出されてるのには現地では使わない旨味調味料とか使ってるんじゃないかなあ。だとするとこれが本物に近いのかもしれないです。 ブラータチーズのことは以前から気になっていて近所の普通のスーパーでも買うことができるのですが、ちょっとお高め。安く売られていたからこそのお楽しみが実現しました。シンプルにブラータチーズのカプレーゼで頂きました。【材料】ブラータチーズ・プチトマト(2等分)・生ハム・オリーブ油・塩・胡椒・バジル 適宜【作り方】1. ブラータチーズ、プチトマト、生ハムを皿に盛ってオリーブ油、塩、胡椒、バジルを散らす。 いやまあ美味しいのですよ。でもここまで濃厚じゃなくてもいいんじゃないかな。単なるモッツアレラで十分に美味しいしもし濃厚にしたくなったら生クリームを好みの量で垂らせばいいんじゃないかな。 昔からたまに見掛けつつもなかなか手を出せなかったのが葉玉ねぎです。若いというよりは幼い玉ねぎでしかなかろうと想像していたのでわざわざ買うまでもないと思っていました。ホイル焼きなどグリルして食べるレシピもシンプルでいいなあと思いましたが、コンソメのスープにしてみました。【材料】葉玉ねぎ(鱗茎(球根):2等分/葉:3cm幅) 2個/ベーコン(5mm幅) 1枚/にんにく・顆粒コンソメ 小さじ1/オリーブ油・塩・胡椒・醤油 適宜/水 400ml【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して葉玉ねぎ(鱗茎)、ベーコン、にんにくを炒める。葉珠ねぎ(葉)、水、顆粒コンソメ、水を加えて煮る。塩、胡椒、醤油を加える。 これが想像を超えて穏やかな優しい味で美味しかったです。鱗茎は新玉ねぎとそう変わらないのですが、葉の部分、青いところは見掛けは長ねぎみたいですが、ずっと柔らかで癖もありませんでした。これは確かにグリルして食べるの良さそうですね。 イタリア野菜のセルバチコ(セルバチカ)が売られていました。ルッコラに近い風味であるとの情報を知ってはいましたが、見掛けた覚えがありません。きっと普通に売られていたんでしょうけど、見慣れぬ単語は記憶に定着することなくすぐに消え去るもののようです。量もちょっぴりで若干傷みつつある状態ですが、まあ味を試すにはちょうど良い分量かな。サラダにしてみました。【材料】セルバチコ 2袋/アップルビネガー・塩・パルミジャーノ 適宜【作り方】1. ボウルにセルバチコ、アップルビネガー、塩を入れて和える。皿に盛ってパルミジャーノを散らす。【備考】dancyu 「"セロリのサラダ"と"セルバチコのサラダ"|本誌連載「美味しいって何だろう?」で丸山隆平さんが修業した料理レシピ⑧」https://dancyu.jp/recipe/2021_00004378.html2023/2/26 サラダといってもビネガーと塩で和えたのにパルミジャーノを散らしただけ。すっごいシンプルなレシピで素材そのものの味を確認できるのはいいけれど、ちょっと不安もありました。でもこれ抜群に美味しいですねえ。ルッコラをさらに苦くして風味も強く(キツく)したようで、これはやたらな量を食べるようなものではないみたい。これを添え物扱いにするのは失礼というもの。これだけで立派なオードブルの一品となります。
2023/04/02
コメント(0)

ぼくが家で呑む場合、酒の種類にはさほど拘りはありません。大概の料理に大概の酒を合わせることに抵抗がないから基本的には家にある酒で呑めばいいという考えです。そりゃまあできることなら不味い酒より旨い酒の方がいいし、刺身に甘いサワーやカクテルというのはちょっとどうかなあと思わぬでもないけれど、居酒屋で刺身を頼んでサワーを頼んだら氷彩だった(つまり甘かった)なんてこともよくある訳で、それはそれでまあ仕方ないかと思うのです。多少美味しくなかったり甘かったりしても酒なしの食事よりはマシというものです。ところが吉田健一氏は日本酒の万能ぶり―あらゆる料理と相性がいい―について、語ってみせてカレーなどの辛い料理には合わないというのだ。吉田健一著「酒、肴、酒」勿論、日本酒の話で、日本酒というのが何にでも合うようなのはその作り方にそれだけの工夫がしであるのに違いない。 恐らく、合わないのはカレーライスというふうな辛い食べものだけで、こういう食べもので飲めるのはビル位のものだから、これは日本酒のせいではない。 ぼくなんかはそうかなあって思ってしまうのだけれど。何を疑問と感じているかというと吉田氏がビル(ビール)を呑むことで辛味を中和しようとかいうことだとすればそれは違うんじゃないだろうか。だって伝統的に日本ではカレーに水が添えられていますけど、辛味成分って水に溶けないらしいから呑んだところで辛味は取り除けないそうなのです。ビールも似たようなもので辛味を除去する機能はないらしい。むしろシュワシュワの炭酸の弾ける刺激は辛味成分が痛覚を刺激するのを助長するはずです。ぼくなどはその刺激が嫌いじゃないけれど、炭酸はすぐに腹が張ってしまって酔うほどには呑めぬのです。インドではラッシーやチャイなど乳酸菌飲料や乳製品を添えたりするけれどこれらはカプサイシンの機能を低下させるそうだけれど、ぼくにはせっかく辛い物を食べているのに辛味を抑えるという意味こそ理解できぬのだ。韓国のマッコリやチャミスルなんてのも同様なのです。であればぼくの場合、大概の酒は辛い物、カレーを食べるのに適しているのであります。 でも、近頃はカレーに無理矢理に辛さを求めるつもりはなくなりました。辛いカレーも美味しいけれど、辛くないカレーも美味しいのです。でも最初は辛めのカレーです。でも唐辛子の辛みというよりは生姜の辛みを前面に出した、生姜ドライカレーです。投げやりなネーミングであいすいません。【材料】ごはん・生姜(おろす/千切り)・豚ひき肉・玉ねぎ(薄切り)・ニンジン(銀杏切り)・カレー粉・水・顆粒だし・カレーフレーク・サラダ油 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して生姜(おろし)、玉ねぎを炒める。豚ひき肉、ニンジンを加える。カレー粉を加える。水、顆粒だしを加える。カレーフレークを加える。ごはんを加える。皿に盛って生姜(千切り)をのせる。 先般作ったおろし生姜をたっぷり入れたカレーが美味しかったので今回はおろし生姜は煮込んで、生の生姜は千切りにしてトッピングしてみました。こういうドライなタイプのカレーには卵黄をトッピングするパターンがよく見られますが、ぼくはカレーに生卵ってどうも抵抗があるのです。せっかくのスパイスの刺激が打ち消されちゃうように思うからです。ってその日の気分次第でのせることもあるし、それはそれで美味しいですしね。 カーボロネロをカレーに加えてみました。カレーに入れたことがない食材は何だって加えてみたくなるのです。【材料】ごはん・カーボロネロ(1cm幅)・鶏胸肉(斜め薄切り)・玉ねぎ(くし型切り)・ニンジン(銀杏切り)・にんにく・生姜・カレー粉・水・顆粒コンソメ・カレーフレーク・サラダ油 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜を炒める。鶏胸肉、玉ねぎ、ニンジンを加える。カレー粉を加える。カーボロネロ、水、顆粒コンソメを加える。カレーフレークを加える。皿にごはんを盛ってかける。 想像していた以上にすんなりと食べられちゃいます。キャベツというよりはほうれん草に似たような食感と味を感じました。だったらカーボロネロをコンソメで軽く似てミキサーにかけるなどしてピュレにしたものを加えてみるのもありかも。でもスパイスの風味に負けちゃうような気もします。 水菜もカレーに加えたことがなかったと思います。思い付いたら即実行。水菜は味こそほとんど主張するところはないけれど、食感は楽しいから思った以上に美味しいんじゃないかな。【材料】ごはん・水菜(5cm幅)・鶏胸肉(斜め薄切り)・玉ねぎ(くし型切り)・ニンジン(銀杏切り)・にんにく・生姜・カレー粉・水・顆粒コンソメ・カレーフレーク・サラダ油 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜を炒める。鶏胸肉、玉ねぎ、ニンジンを加える。カレー粉を加える。水、顆粒コンソメを加える。水菜、カレーフレークを加える。皿にごはんを盛ってかける。 予想していた通り美味しいですね。でも想像を上回ることはなくてそこがちょっと物足りないと思うのは無理があるかな。水菜って鍋に入れるなら5cm程度の幅に切ればいいけれど、カレーの場合はごはんとの兼ね合いもあるので、切り方に工夫の余地があるかもしれません。
2023/04/01
コメント(0)
全30件 (30件中 1-30件目)
1


