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洋食って昔は横飯なんて呼ばれたことがあったそうです。ということはつまり縦飯って言い方もあってそちらは和食を意味しています。まあそれだけの話ですが、どうして縦横で和洋食を分けたのかはちっとも分からないのです。死語となった理由は何となく推測はできます。というのが中華料理や米国発祥のファーストフードなどをはじめとした和洋食には縦横だけでは収まりきらなくなったといった程度の事情があったのではないかと推測されます。それはまあともかくとしてお馴染みとなった吉田健一氏の文章に以下のような一節があります。日本酒を飲んでいるとついほかのことを忘れてしまって、飲む一方になるからいけないのだと胃病の専門家に注意されたことがあったが、そういう特質があるものだから、どうも洋食の時に日本酒を註文する気になれない。 洋食は食べものが酒を呼ぴ、酒が食べものに答える仕組みになっていて、その酔い心地には格別なものがある。またその方が自然であるのはいうまでもないことで、日本酒も、これに合うように出来ている日本の食べものを肴に飲むのに越したことはない。「洋食は食べものが酒を呼ぴ、酒が食べものに答える仕組みになっていて」っての一読するとなかなか気が利いているように思われますが、何となく分かったような分からないような文章であります。というのが不粋でグルメなさざるぼくとしては如何な酒と肴の組合せに寄らず何だってそれ相応に楽しめるのだかし、実際、多くの酒を呑ませる店ではよほど酒に拘る店でもない限り、どんな料理にどんな酒を合わせて頼もうとも特に拒絶されたり怪訝な表情を浮かべられるということはないからです。 とまあ引用による誤魔化し癖に拍車がかかってしまい恐縮ですが、たまには面白い文章も混じっていると思うのでご容赦を。さて、都営三田線の板橋本町駅を出てすぐ、中山道と環七の交差地点に「ランチハウス 美味しん坊 板橋本町店」はあります。場所は良さそうに思えますが、駐車場完備のお店ではないのでむしろ地下鉄利用者は店の前を通過しない限りは見落としてしまいそう。むしろ自動車利用者の方がご存じだったりするんじゃないでしょうか。夕方前の微妙な時間帯でありましたが、中休みなしのぶっ通し営業が嬉しい洋食店になります。ネットによると『洋包丁』との類似点が認められるみたいですが、ぼくは案外こうしたどちらかというと食欲旺盛な若者をターゲットにした洋食店の知識は浅いのでふ~ん、そうなんだって感じです。まあ都内に数店舗ある「洋包丁」の店舗そのものは知っているし、店の前を通過することもたまにはあってその様子は何となく分かっていて、でもここ「美味しん坊」はちょっと印象が異なるのです。というのは閑散時間帯だったせいもあるのでしょうが、他にお客さんもなくとても空いている。このお店の雰囲気は学生向きというよりは都内だと神田とか新橋とかのお気楽サラリーマン系のお店に近い印象です。少しも気取ったところがないのです。ぼく的には、正統派/学生向けガッツリ系/お気楽サラリーマン向けの洋食店の分類できています。さて選び放題なのについ店の置く側に席を決めてしまうのですが、以前ならもう少し眺めのいい場所を選んだものですが、そこまでの気概が失せてしまいました。とにかく寛いでのんびり呑んで過ごせるならそれ以上は求めないって気持ちになびきつつあります。瓶ビールを注文。肴に揚げワンタン、コロッケ、お新香を注文一応和洋中でバランスを取ったつもりですが、ここは洋食店だからしっかり洋食メニューを注文すべきだったか。年配の男性2名でやっていて、非常に物静かにテキパキと仕事をなさっており、こうしてだらしなく呑んでるのが申し訳なく思えてきます。と一応は書いてみる。遅めの昼食を取りに来た若者がとても嬉しそうに食事していたのが印象的です。こうしたどうってこともないけれど、ちゃんとした店は失われて初めて激しい損失を感じることになるのでしょう。
2023/06/30
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日本人初の国際的なオペラ歌手として知られる三浦環(世界ではマダム・バタフライと呼ばれていた、瀬戸内晴美著『お蝶夫人』((講談社文庫)の主人公として描かれています)の自伝的エッセイに読んでいて無性に食欲を掻き立てられる描写があって,気になったので調べてみたら青空文庫に収蔵されていました。-- この下宿で先ず私を喜ばせてくれたのはイタリー料理でした。マカロニやスパゲッティは殆ど毎日のように出ますし、ポルペッタとか[#「ポルペッタとか」は底本では「ボルベッタとか」]ラビオーラという素晴らしくおいしい御馳走が出て、前のスコットランド人の下宿で毎朝塩辛いソーセージと、毎晩のように出る紙のように薄いローストビーフ責めの憂鬱さを、綺麗に追払ってしまいました。ポルペッタと[#「ポルペッタと」は底本では「ボルペッタと」]いうお料理は肉、パン粉、パセリ、人参を刻んで作ったコロッケのようなものでして、ニンニクで味をつけ粉チーズを沢山使った、それはそれはおいしい御馳走だし、ラビオーラは鶏の肉とホウレンソウをあんこにしてお柏かしわ餅のようなものに、ドレッシングをかけ粉チーズをふりかけた、これも大変おいしい、まるで頬ッぺたが落ちそうな御馳走なのです。-- う~む。改めて読んでも涎が溢れてきます。美味しいものを文章で表現するのってとても技術が必要なはずで「それはそれはおいしい御馳走」とか「まるで頬ッぺたが落ちそうな御馳走」などといった慣用的な表現はどこかアホっぽい気もするのだけれど、こうした直接的な言葉が刺さる点が魅力です。どんなに緊張感が漂う小説だったりしてもこういう食べ物の事や食事のシーンが挿入されることで息抜きできるものなんですね。村上春樹に限らず多くの作家が自身の文章に組み入れています。さて今回は「ラビオーラ」や「ポルペッタ」のことを書くかというとさにあらず、相変わらずスパゲッティの話なのでした。しかもきっとこれには三浦氏も落胆を隠せぬであろう貧乏っぽいスパゲッティメニューだったりするのです。 まずは、ゆかりスパゲッティ。いかにもありがちなレシピではありますが、ゆかりって貧乏臭いイメージがあるけれど実際にはそれほどお安くお得なものではないと思うのですが、いかがでしょ。【材料】スパゲッティ(茹でる)・ゆかり・バター・顆粒だし・塩・青ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. 青ねぎ以外の全ての材料を混ぜて皿に盛って青ねぎを散らす。 バターでコクを出して、顆粒だしで旨味をプラスするという涙ぐましい工夫をしましたが、まあどうしたってゆかりで和えたスパゲッティでしかないのです。それなりに美味しく腹を膨らませる分には過不足ないかな。 続いては、ミルクポテトパスタ。どっかのサイトで見たんだろうな。ぼくならマッシュポテトスパゲッティとかじゃがいもスパゲッティにするだろうし。【材料】スパゲッティ(茹でる)・じゃがいも(皮を剥く/一口大/茹でる/軽くマッシュ)・牛乳・にんにく・顆粒コンソメ・塩・胡椒・オリーブ油・粉チーズ 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。牛乳、顆粒コンソメ、スパゲッティを加える。塩、胡椒する。皿に盛って粉チーズ、胡椒を散らす。 こういうシンプルなのって案外旨いんですよね。本場式だとコンソメなしでパルミジャーノをたっぷりふるんだろうなあ。 これまたいかにも思い付きの香菜パスタです。きっとイタリアにも似たようなレシピあるんだろうなあ。ナンプラーの代わりにコラトゥーラを使うのかな。先日、一度コラトゥーラを売ってるのを見たので買おうと思ったら結構な値段だったので見送りましたが味の違いって案外あったりするのかなあ。【材料】スパゲッティ(茹でる)・香菜(みじん切り)・にんにく・オリーブ油・ナンプラー 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。スパゲッティ、香菜、ナンプラーを加える。 う~ん。まあ悪くないんですけどねえ。ゆかりと同様に何か満たされない気分が尾を引くのです。食感がスパゲッティだけなので退屈しちゃうのかな。 続いてはもやしとコーンのスパゲッティです。これは冷蔵庫の残り物を単に混ぜ混んだだけ。もやしとコーンとひき肉の炒め物はそれだけで美味しいからまあ不味いはずがないです。【材料】スパゲッティ(茹でる)・もやし・コーン・豚ひき肉・にんにく・赤唐辛子(砕く)・塩・胡椒・オリーブ油・バター 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。豚ひき肉を加える。もやし、コーンを加える。スパゲッティを加える。塩、胡椒する。皿に盛ってバターをのせる。2023/3/30 おや、美味しい事は美味しいのだけど味付け全然違うのに焼きそばっぽくなるのはどうしてなのだろう。キャベツメインのオーソドックスな野菜炒めでも美味しくなるはずですが、これまた焼きそばみたくなっちゃうのかな。
2023/06/29
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ことさらに酒場に限った話でもないですし、語るのが億劫な位に自明なことでもあるのですが、店というのが人によって成り立っている以上は意気揚々と開店する店もあれば閉店に追い込まれる店もある訳です。前者にはさほど感情が高まることもないけれど、後者の場合には絶望的な悲嘆に暮れてしまったりするのです。ぼくは、人間の誕生がもたらす喜びに対するエモーションの高まりが希薄なのに対して死者への追悼の気持ちが圧倒的に根深く巣食うのです。それは自分が死へと着実に歩を進めているからかと想像してみたけれど、どうやらこの感情の有り様は子供の頃からそう変わっていないように思えます。死だったり失われゆくことへの恐怖に慄いていたわけです。今ではそれを恐怖とは感じなくなりましたが、もっと切実な近い将来の出来事として漠然とした不気味さが頭から離れなくなったりするのです。まあ、かなり俗な考えではありますし、死を語る人の誰一人として死んだことなどないのだから考えたところで無駄なのかもしれませんが、答えなど出しようもない死について思いを馳せざるを得ないのが人間なのかもしれません。なんて不安にも似たような感情をいだくのであればならばいっそのこと失われつつあるものに近寄るのをやめてしまえばいいじゃないか。すっぱりと酒場巡りなどやめてしまえば多少は健康面も財政面も改善するだろうと思わぬでもないけれど、この思い切るというのが案外難しいものなのです。筋トレなどのように始めるのは億劫でもやめるとなると簡単な行為もあります。年末年始位は休もうと自分を甘やかあしてしまいそのままになるなんてことは散々経験しました。逆に酒場巡りと同様に入口の敷居は低くとも出口の扉を開け放つのに難儀することもあります。映画を捨てると決心するのには涙なくしては語れぬ程の未練と葛藤で満たされた逸話がありますが思い出すのも辛いのでそれを詳らかにはせぬことにします。とにかく失われつつあるものに魅せられる感情が変わらないのだから仮に酒場巡りを放棄したところでまた別の何事かに捉われて生きていくことになるのだろうなあ。 などととても読み返す気になれない厭世的な文章を書きましたが、酒を呑めばそんなことは消し飛んでしまうから酒に溺れる人がいるのも分かるというものです。ってまあぼくがそこまで深刻な状況に陥っていると思われちゃうと事実とかけ離れ過ぎてしまうので、ここまでの文章はひとまずご放念いただきたい。駒込駅東口を出てすぐ、アザレア通りを進んですぐの場所に入口が2か所ある焼鳥店があります。いや、つい先達てまであったはずですが、どうしたものかそこは「BAR SPICE17」なるお店に変貌を遂げているのでした。特に気になるお店ってこともなかったのですが、折からの悪天候で散策する気力もなかったので特に同伴者と互いの意思を確認するまでもなく自然とお邪魔することになってしまいました。こうしたカジュアルなタイプのバーというのはぼくが寄り付かないタイプの酒場の典型です。その理由をちょっと考えてみるのですが、恐らくはこうしたお店の客層は若者が主体であるからだと思うのです。どうも偏屈なオヤジであるぼくはより偏屈なジジイたちの方がウマが合うのです。何度でも言いますが、今のぼくは若さなど微塵も羨ましいなどとは思えないのです。店内の造りそのものはかつてと同様で入口もやはり2か所のままですが、所狭しと並ぶ酒瓶などかつての風景とは全く違って見えます。何より違うのが客層がやはり若かったことです。それでも店主はぼくよりもちょっと世代は上なのかなあ、この方の存在が店の雰囲気に多少なりともアダルト要素を添加してくれているようです。おやおや20時まではサワー類はお手頃なのねと早速オーダー。カウンターに腰を下ろすとかつての焼鳥店の印象は薄まってカジュアルなショットバーの光景と変化して感じられます。ドリンクはいつものウーロンハイ(いつもと書きましたがコロナ拡大以降はウーロンハイを呑む機会も格段に減ってしまいました)ではありますが、ミックスナッツなんかをちまちま摘まんで呑む感じはぼくのイメージするところのものです。店主ってかこういう店ではマスターと呼ぶべきか、彼の話によるとここを初めてもう2年(?)になるって話だから、その間何度もここを通過しているのにどれだけ自分の目が節穴だったかを思い知らされるのでした。
2023/06/28
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今回はちょっと趣向を変えてこれはさすがに人様にはお出しできないなあという仕上がりとなった料理を報告したいと思っています。そりゃ案外ほぼレシピ通りに作ってもこれは口に合わないなあなんてことが少なからずあるものです。それはぼくの料理の技術の問題というより(それも少しはあるかと思うけれど)は、もともとのレシピの出来が良くなかったり、単純にぼくがあまり好みじゃない味付けの料理だったりといったもので、これはまあ料理に失敗したとは言わないんじゃないか。とはいえ実のところ失敗は失敗でも大失敗というのはあまりなくて、そりゃまあたまに食パンを焼き過ぎて真っ黒にしてしまったり(うちにはトースターを置くスペースがないのでトーストを用意する際は魚焼きグリルで焼くのでしばしば焦がしてしまうのです。でもこの焼き方がフライパンで焼いたり、オーブンで焼くよりも手早いし何より美味しく焼けるのです)、うっかり保存が良くなくて黴させてしまったなんていう凡ミスはしばしばあることですが、これを含めてはキリがない。まあ、包丁で指を切ったり、フライパンの縁に腕が当たって火傷するなんてこともしょっちゅうだからこれも含めない。つまりは、実作業というよりはそれ以前に立てたプランだったり出来上がる料理のイメージに基づき作っては見たものの出来上がったものが想定とは全く違ってしまったという場合をここでは語りたいと思うのです。 失敗に至った料理はいくつかにパターン化できるようで具体的に分析したことはないけれど個別に見ていけばそのうち明瞭化してくるでしょう(ってことを期待します)。まずは残り物の再利用パターン。前夜の食べ切れなかったシーフードグラタンの消費狙いです。【材料】ごはん・シーフードグラタン・絹豆腐・ほうれん草・粉チーズ 適宜【作り方】1. 耐熱皿にごはんを盛って崩した絹豆腐、ほうれん草、シーフードグラタンをのせ、粉チーズをふる。オーブンで180℃10分焼く。 ドリアってごはんに具入りのホワイトソース掛けてチーズのっけりゃいいと思いがちですが、やはりごはんとホワイトソースを絡めるひと手間は必要なようです。単にグラタン皿にごはんを敷いて残り物グラタンをのっけるだけだとドリアというよりは単なるグラタンのせ丼になってしまうのでした。 続いても残り物料理。先日作った鶏とマッシュルームのフリカッセですが、結構な量のソースが残ってしまいました。これを捨てちゃう手はない。軽く呑んで帰宅後にやはり食べ残しのそばがあったので合わせることにしました。名付けるとしたら鶏とマッシュルームのフリカッセ(鶏なし)のそばとなるのでしょうか。そのままですけど。【材料】そば(茹でる) 1膳分/鶏とマッシュルームのフリカッセの残り・粉チーズ 適宜【作り方】1. 皿にそばを盛って鶏とマッシュルームのフリカッセの残りをかけ、粉チーズを散らす。【参考】鶏とマッシュルームのフリカッセ【材料】にんにく 1/2片/生姜 1/3片/オリーブ油 大さじ1.5/バター 8g/マッシュルーム(8等分) 150g/玉ねぎ(みじん切り) 60g/鶏胸肉(一口大/塩、胡椒、薄力粉をまぶす) 150g/薄力粉 小さじ1/白ワイン 50ml/生クリーム 150ml/カレー粉 小さじ1/2/塩・胡椒・パセリ 適宜/【バターライス(混ぜる)】ごはん・バター・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油、バターを熱してにんにく、生姜を炒める。玉ねぎを加える。マッシュルームを加える。鶏胸肉を加える。白ワインを加えて蓋をし、1分蒸し煮する。生クリームを、カレー粉、塩、胡椒を加える。2. 皿に【バターライス】を盛って1.を添え、パセリを散らす。"【備考】パリ生活社ミルクとマカロン2https://milketmoi.blog.jp/ う~ん。不味いとかそういうことはないのですが、実に非常にぼんやりとした味なんですよねえ。とある解説によると「フリカッセは、フランスのロワーヌ地方メーヌ地域の冬場の家庭料理。バターで野菜と鶏肉を生クリームで煮込んだ料理」であるとのことで野菜はちょっとは入っていますが鶏肉は食べてしまってだししか入っていないからもはやフリカッセではなくフリカッセのソースの残りでしかないのですね。少しでも鶏肉が残っていたらもう少し満足感があったかも。 どこぞやのレシピサイトで見掛けたほうれん草のドライカレーを作りました。手抜き料理風の触れ込みですが、玉ねぎ、ニンジンのみじん切りはちっとも手抜きな気がしません。やればどうってことはないけれど、みじん切りするってイメージするだけでかったるくなるのですね。味付けもやけにあれこれ入れるのにメインはカレールーといかにもチグハグなのです。【材料】ごはん 3人分/合びき肉 200g/玉ねぎ(みじん切り) 1個/ニンジン(みじん切り) 1本/ほうれん草(粗みじん切り) 1束/醤油 大さじ6/はちみつ 大さじ3/カレールー 1/2パック/酒 100ml/砂糖 大さじ3/赤唐辛子 3本/にんにく 小さじ1/サラダ油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してにんにくを炒める。玉ねぎ、ニンジンを加える。ほうれん草、豚ひき肉を加える。塩、胡椒する。酒、はちみつ、砂糖を加える。カレールーを加える。醤油を加える。皿にごはんを盛ってのせる。 別に不味いとかではないのですが、面倒さと横着さが混じっていてメリハリがないのが味にも反映されていてなんか食べていてアホらしい気分に陥ってしまうのでした。半端系の残念レシピですね。しかもほうれん草をみじん切りにしていないというおまけつき。 最後は問題がレシピにはなくて、作り手たるぼくがレシピをちゃんと頭に叩き込まずに作ってしまったパターンです。ヤムマクアというタイ風の焼きナスサラダを作ったんですが、見映えを左右するであろう食材抜きで作ってしまったのでした。【材料】ナス 2本/卵(茹でる/4等分) 1個/豚ひき肉(茹でる) 30g/水 60ml/ナンプラー・砂糖 小さじ2/レモン汁 小さじ1/【トッピング】紫玉ねぎ(薄切り)・パクチー・ミント・ディル・ピーナッツ(刻む) 適宜【作り方】1. ナスをグリルで焼いて皮を剥き、一口大に切る。2. ボウルに豚ひき肉、ナンプラー、砂糖、レモン汁を入れて混ぜる。3. 皿に1.をのせて2.をかける。茹で卵、紫玉ねぎ、パクチー、ミント、ディル、ピーナッツをのせる。【備考】料理リレー レシピ集 「【ヤムマクア(焼きナスのサラダ)】」http://cookingrelay2020.jp/2020/06/14/post-11415/ 茹で卵を添えるのを忘れたのですね。まあ、味には大差はなさそうですが、見た目が大いに違ってしまいます。しかもレシピにはないもやしやニンジンの千切りを勝手にプラスしてますね(これは悪くなかったと思います)。調理プロセスの写真はなくてもまあ何とかなりますが、仕上がりの写真はあるとなしとでは大いに出来栄えに影響を及ぼすようです。実はこのパターンが非常に多くて後でネットなどで確認すると全く別物に仕上がるなんてことが結構あるのでした。今後もきっと同じことを繰り返すんだろうなあ。調理しながらネットなんて眺めてらんないです。 ところで、最後に念のため補足しておきたいのですが、これらの料理、けして旨くはなかったけれど、ひどく不味くて食べられなかったってことはなくて、まあそれを食べることに喜びを感じることはなかったけれど、ちゃんと空腹を満たすだけの役目は果たしたのでした。そういやこのところ、自分で作ったにせよ、外食したにせよ本当に食えないものに出逢った覚えがないのです。満腹でもう食えないとかやたらにしょっぱいもしくは甘い、逆に味付けが薄過ぎる、それから十数年も前になるけれどもう何十年も冷凍庫で保存されていたかのように冷凍焼けし切った焼鳥を食べるなど食材に難があった以外でもう食えないってなったことはなかったと思うのです。どうやらぼくには本当に不味い料理を作る才能が欠如しているようです。でも今回のは写真を見る限りでは結構不味そうに見えますね。
2023/06/27
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酒場巡りを趣味にしてきました。今でも初めての酒場を訪れるのは楽しい事であることに変わりありませんが、これを始めた頃の狂熱ぶりに翳りが生じていることは否定のしようもありません。慣れもその理由の一つで、それなりに相当な軒数の酒場を訪れたのだからそれも致し方のないところです。それこそ酒場で呑んだ回数は全人生の通算日数を遥かに凌駕するはずだからそりゃまあ飽きてきたって不思議でもなんでもない。それを言うなら酒を呑むことすら面倒に思えてもおかしくないのですが、これはどうしたものか未だに飽きてはいないのでした。そういう内的な要因に加えて外的な要因もあります。言うまでもないことですが、古き良き酒場が次々と閉業に追い込まれていて、ここぞと目を付けていた酒場がいざ訪れてみたら跡形もなかったりといった経験を繰り返すと嫌気も刺そうというものです。テレビ番組などで取り上げられるようなメジャー店の情報は容易に事前調査もできますが、そうした酒場は大概は訪れているので、どうしても食べログなどでも現況が確認の取れない店が多くなって畢竟、無駄足になることが多くなるのでした。駒込も町が新陳代謝の頃合いなんでしょうか、駅の近隣でぼくが認知しただけでも短命だった「じゃんぼ総本店 ジャンボ酒場 駒込駅前店」、中華料理屋「尚徳楼」、本郷通り沿いの貴重な町中華「月山亭」が閉業しています。逆におにぎり定食の店「けんちゃんおにぎり大塚風」や「吉野家 駒込駅東口店」が開業しており、今回はさつき通りにいつの間にか開業していた「新鳥 駒込店」にお邪魔することにしたのでした。 この居酒屋の名前、どこかで見掛けたような気がしたのでチラリと調べてみたけれど、パッと見にはそれらしい系列店はなさそうでした。まあ、店舗一つでも××店を称するお店は多々存在することは過去にも何度も述べてきたのでここでは繰り返すまい。にしても店構えはいかにもチェーン店のそれなんだよねえ。先般は本店だったり××店を称するのはこれから店舗の拡大に向けた意気込みの表明ではないかと推測してみせたけれど、もしかするとそれとは逆に××店を標榜する(チェーン店風のルックスとする)ことで安心・安全をアピールしてみせているだけなんじゃないだろうか。チェーン店が安心・安全などという根拠や保証などありはしないことは昨今のインチキキャンペーンなどの不祥事やおバカな連中による迷惑系トラブルの数々で明らかであるけれど、それでも特に若者たちの多くにとってチェーン店というのは信頼できるもののようです。複数店舗の営業を継続できるってことは一定の集客ができていて経営状態も健全であるってイメージを与える物なんでしょうか。それを当て込んでの××店標榜戦略っていかにもありそうだなあ。とまあ語らぬつもりが語ってしまった。店内は明るくて居酒屋というよりはカレースタンドっぽい雰囲気です。まあ一人でも気軽に入れそうでこれはこれでありかな。店の売りは焼鳥と天ぷらの2本立てであります。どちらも店の人の拘り次第で手軽にもなり得るし、奥深いものともなるという料理でありますが、その両方をラインナップするということはまず後者を目指してはいないということは間違いなさそうなのでした。まあそこは価格が相応でありさえすれば文句をつける箇所ではありません。その意味ではこちらはその基準は満たせているようです。ところが、こうした居酒屋の定番料理である煮込みを注文したのですが、なんと切らしているようです。いきなり出鼻をくじかれてしまいました。数品を頼みましたが値段相応ってところでしょうか。まあ、そういう意味ではチェーン店っぽく無難に使えて、お値段は通常のチェーン店よりはお手頃だからまあこれはこれでありかな。カウンター席の女性はベジタリアンなのかサラダを中心とした野菜ばかりお替りしています。生ビールも随分お替りしていたから果たしてヘルシーかどうかは知らんですけど、ご本人は至ってリラックスしてこちらを上手に活用しているように思えました。
2023/06/26
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ぼくの実家ではカブを食べることはまずありませんでした。というか全くなかったような気もします。意識して食べるようになったのは随分後になってからで、自ら買い求めて食べるようになったのは就職する頃になってからのことでした。買うようになった理由は極めて単純で野菜が高値の際にちょっと傷んだ葉を切り落とされたカブが10個で100円とかの安価で売られていたのを買って以来です。当時通っていたスーパーではそういう売り方が頻繁にされていたので、カブに関しては安定して供給を受けられたのでありました。でもその当時はまだ好んで食べていたわけではありません。カブの料理で本当に旨いと感動したのはさらに時を経てからのことになります。それはとある正月。百貨店にておせち料理の足しにと購入したとある食材が美味しくてすっかりハマってしまったのでした。そのとある料理を紹介した文章があります。-- 金沢の郷土の漬け物に、かぶらずしというものがある。大きいかぶらを、厚さ一センチくらいに切り、中に切れ目を入れて、その中に塩ブリをはさむ。それを重石おもしを強くしてこうじでつけたもので、非常にうまい漬け物である。 北陸地方では、すしといえば、たいてい押しずしであって、江戸風の握りずしは、近年になって、はいってきたものである。普通は米の上にマスやサバあるいはイワシを乗せて押したものであるが、米のかわりに、かぶらを使ったものも、やはりすしといったらしい。 このかぶらずしは、このごろは、市販品になっているが、昔はみな自分の家で漬けたものである。魚を発酵させるので、漬け方と時期との微妙な差で、味がひどくちがう。ひとつうまく行くと、まさに天下の美味となる。百万石ごくの城下町に、いかにもふさわしい漬け物であって、それぞれ自分の家のかぶらずしを、自慢にしたものである。-- 人工雪を世界初めて製作させた物理学者で随筆家としても知られる中谷宇吉郎の「かぶらずし」からの引用になります。これを読んで今にも食べてみたいって文章ではありませんが、とても丁寧で平明ないい文章に思えます。 ということで,カブ料理を数品。まずはカブのベーコン巻き 香りローストです。元レシピは豚肉で巻いていますが、冷蔵庫にベーコンがあったのでこれに代えて調理しました。【材料】カブ(皮を剥く/ラップに包む/電子レンジで600W4分加熱) 5個/ベーコン(薄切り/塩、ガーリックパウダー、エルブ・ド・プロヴァンスをまぶす) 5枚/エルブド・プロヴァンス・タイム・ガーリックパウダー 適宜/塩・塩・胡椒・オリーブ油 適宜【作り方】1. 耐熱皿にベコンを巻いたカブをのせてオリーブ油をかけ、タイムをのせる。オーブンで220℃30分焼く。粗塩、胡椒を添える。【備考】ELLE GOURMET 「かぶの豚肉巻き 香りロースト」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a34867625/7024/ これはいいなあ。シンプルながら(だから)カブの甘さがダイレクトに感じられます。カブというのは凝らずとも美味しくなる素直な野菜だなあ。 以下の2つのパスタレシピはいずれもネットで見たものです。いずれも最小限程度の材料で単純rに作られていて、余りにも単純で仕上がりが想像できちゃうので、なかなか試みる気になれなかったのでした。かぶのパスタ【材料】スパゲッティ(茹でる) 200g/カブ(皮を剥く/半月切り(各2個:3mm厚/5mm厚)) 4個/パルミジャーノ 40g/にんにく 4片/水 240ml/塩 4g/オリーブ油 50ml【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。カブを加える。水、塩を加えて煮る。カブを潰す。スパゲッティーを加える。パルミジャーノを加える。【備考】ELLE GOURMET 人気の料理レシピ 「かぶのパスタ」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a43171874/8005/カブとベーコンのパスタ【材料】パスタ(モリサーナ/茹でる) 160g/カブ(茎:くし型切り/葉:4cm幅) 100g/ベーコン(拍子木切り) 50g/生クリーム 20ml/オリーブ油 15ml/塩 9g【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してカブ(茎)、ベーコンを炒める。パスタ、茹で汁を加える。生クリームを加える。カブ(葉)を加える。 これ位に手を加え過ぎないのがカブ料理のコツのようです。それとカブの色である白なりを活かしたままで調理するのが見た目にも大事そうです。 最後にカブを使ったごはん物のレシピを見つけたので作ってみました。無国籍なカブの炊き込みごはんです。かぶとハリッサのピリ辛炊き込みごはん【材料】米 2合/カブ 3個/水 330ml/ハリッサ(オリーブ油を混ぜる) 小さじ1/2/ピスタチオ(刻む) 大さじ1/塩・オリーブ油 適宜【作り方】1. 鍋に米、カブ、水を入れて蓋をし、弱火で10分、強火で10秒炊く。火を止めて15分蒸らす。ハリッサをかけて塩、ピスタチオを散らす。【備考】ELLE GOURMET 「かぶとハリッサの ピリ辛炊き込みごはん」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a29361045/4057/ 意外やしっかりとカブの風味が染みわたっています。というかむしろそのまま食べる以上にカブの味が際立つようです。優しい味わいのカブにハリッサはどうかと思いましたが違和感なく調和しています。
2023/06/25
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北大路魯山人は「衰えてきた日本料理は救わねばならぬ」で次のように綴っております。-- すべて材料はなんでも新鮮がいい、ということになっておりますが、しかし、魚類等の種類によっては、いろいろと違うので、だいたい大魚はある程度まで時間を経過させると、獲りたてよりもよりよい人間の考慮したうまさになります。また、小魚は出来るだけ新鮮がよいので一日も二日もおいたのでは決してうまくありません。鳥類でも、雁がん、鴨というふうに大きいのは時間をおいた方がよく、小鳥等はやはり獲りたてに近い新鮮な方がよいのです。しかし、ことに野菜は、大概は採りたてがよいので、時間を経過したものは、決してうまくはありません。そらまめでも畑からとってすぐゆでますと、町で買う普通のそらまめのようではないように思われます。(以下略)-- 大家の発言にしては、その中身は非常に凡庸でありますが、真実というものは往々にして平凡極まりなかったりするものです。さて、今回はこの文章の最後に出てくる「そらまめ」を使った料理です。ところで魯山人は「そらまめ」と綴るのがお好みのようでありますが、牧野富太郎は「植物一日一題」で以下のように語っています。-- ジャガタライモは、今世間一般の人が呼んでいるようにジャガイモと仮名で書けばよろしい。もしこれを漢字で書きたければそれを爪哇芋か爪哇薯かにすればよい。なにも大間違いの馬鈴薯の字をわざわざ面倒くさく書く必要は全くない。いったい植物の日本名すなわち和名はいっさい仮名で書くのが便利かつ合理的である。漢名を用いそれに仮名を振って書くのは手数が掛り、全くいらん仕業だ。例えばソラマメはソラマメでよろしく、なにも煩わしく蚕豆と併記する必要はない。キュウリはキュウリ、ナスはナス、トウモロコシはトウモロコシ等々で結構だ。胡瓜、茄、玉蜀黍等はいらない。--面倒でないという理由から、牧野は「ソラマメ」と書くのを好むようです。その理由には共感があります。どうでもいいことかもしれませんが、ぼくは「空豆」と綴るのが好きです。文字数が短くてコンパクト、そして「蚕豆」よりは自覚も少なく日常的によく使う平易な文字だから馴染みもあるというのがまあとってつけた理由ですが、日本語の文字面というのは案外その人の性格を表すもののようです。 とっくに春は過ぎ去りましたが、作った当時、旬でありましたこごみ、うど、空豆とホタルイカのソテー(下写真真ん中)を作りました。これだけの素材があればどうしたって美味しいに決まってるよなあ。【材料】こごみ(2等分) 1パック/うど(短冊切り) 1/2本/空豆(茹でる) 10粒/ホタルイカ 100g/にんにく 1片/赤唐辛子1本/塩・胡椒 適宜/オリーブ油 大さじ2【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。こごみ、うど、空豆、ホタルイカを加える。塩、胡椒する。 こごみって天婦羅にしちゃうと味もそっけもなく辛うじて食感に春を感じるしかないものと思っていました。胡麻和えも味が濃い目でこごみの味を楽しむに適当な料理ではないのかもしれません。その点、このシンプルな食べ方だとこごみの苦味など直接的に味が分かるのが良かったです。 空豆が苦手な人ってきっと独特の青臭みが苦手なんだと思います。茹でたり焼いたりしてしばらくしてさやと豆の間に溜まった水分が独特の生々しい青臭さを放つのが苦手な人がいるのはよく分かります。どこかちょっと性的なエロティックな臭いにも感じられます。そんなちょっと時間の経った空豆が冷蔵庫にあったので、せっかくだからその独特の香りを楽しんでしまおうということで、シンプルな空豆のパスタを作ってみました。【材料】スパゲッティ(茹でる)・空豆(茹でる)・にんにく・オリーブ油・塩・胡椒・パルミジャーノ 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。スパゲッティ、塩、胡椒を加える。皿に盛ってパルミジャーノを散らす。 この単純なパスタには臭みも調味料の一部となるようです。臭みは調理次第で旨味に化けたりするから面白い。ぼくは臭い食材や料理に比較的強い方だと思っていますが、臭いのが苦手な人はもしかするとぼくなんかより余程に嗅覚が鋭敏なのかもしれないななんて思ってみたりもするのです。 臭みを活かしたパスタとは逆にこれはミントの清涼感のある香りとクミンの曰く言い難い独特の香りで臭みを抑え込んだレシピになります。じゃがいもと空豆のミントドレッシングですが、臭い物好きには何か臭いを香りで中和するのはもったいない気もします。【材料】じゃがいも(数種類/一口大/米油をまぶす) 250g/空豆 5本/米油 大さじ1/クミンシード 小さじ1/4/【ドレッシング(混ぜる)】スペアミント(葉/みじん切り) 2g/酢・米油 大さじ1/塩 小さじ1/4【作り方】1. 耐熱皿にじゃがいもを並べてクミンシードを散らす。空豆(房ごと)を並べる。オーブンで230℃20分焼く。じゃがいも、空豆(房、薄皮を剥く)を皿に盛る。【ドレッシング】をかける。【備考】ELLE GOURMET 人気の料理レシピ 「じゃがいもと空豆のミントドレッシング」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a40552597/7778/ でもまあこれが美味しくないはずがないってことも分かっていたのです。じゃがいもと空豆を荒くマッシュして混ぜ合せてみても面白いかもしれません。 最後は、中東で食べられているルッズ・ビ・フール(ソラマメごはん)になります。【材料】米 2合/空豆 250g/牛ひき肉 200g/オールスパイス 小さじ1.5/塩 小さじ1.5/水 400ml/胡椒・油・ナッツ(アーモンド・カシューナッツ・松の実) 適宜【作り方】1. 鍋に油を熱して牛ひき肉を炒める。空豆、オールスパイス、塩を加えて蓋をし、10分加熱する。水を加える。米を加えて蓋をし、弱火で炊く。皿に盛ってナッツを散らす。【備考】料理リレー レシピ集 「【ルッズ・ビ・フール(ソラマメごはん)】」http://cookingrelay2020.jp/2020/05/02/post-4532/ これはいいなあ。シンプルな癖に濃厚かつ香りも複雑で箸が止まらなくなります。ぼくは日本式のそぼくな豆ごはんも嫌いではないけれど、中東料理などの豆使いの方が好みです。
2023/06/24
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もう何度も書いているから長々と繰り返すことはしませんが、やはりどうしても「町中華」って呼び方には馴染めません。馴染めないと言いつつも知人・友人らと「町中華」のことを語る際にいちいちそうした個人的な事情というか感想を語るのも面倒だから、結局通りのいい「町中華」と口にすることになるのです。これだけ世間的に一般化した言葉をぼく独りで好き嫌いだけを頼りに抗ってみせるのも労のみ多くて益が好きないし、大体においてそうした便宜上の符牒のようなもののことを熱くなってみせるのも大人気ないように思うのです。そういえばもう随分前のことになりますが、「まじ」もしくは「マジ」という言葉がどうしても好きになれませんでした。当時はぼくもガキに過ぎなかったわけですが、ガキが「マズィ~」と語るのを聞くと何か世間を舐めている一方でどこか甘えてる感じがしてどうにも不愉快だったのです。どうしたものかぼくはその出典が立原あゆみ著『本気!』だと不覚にも思い込んでいたのです。でも実際には「まじ」って天明元(1781)年初出の洒落本『にゃんの事だ』にて用いられたそれなりに古い言葉だったようです。国立国会図書館デジタルコレクションに収蔵されていますね。https://dl.ndl.go.jp/pid/2534134/1/1616枚目の左頁4行目 古いからって好きになれないのは一緒ですが、それでも幾分かは抵抗感が薄まらいだ気がします。でも「まじ」という言葉すらが「ガチ」に置き換わりつつあって、日本ナイズされた「町中華」に対する本場の風か料理の呼び方である「カチ中華」(以前であれば「マジ中華」と呼ばれる)と呼ばれるのがその一例です。にしても時代によって言葉が映ろうことは仕方がないけれどその度に不快さが増大するのはどうにかしてもらいたいものです。 ということで、この夜はひどい豪雨に振られましたから、駒込駅からすぐにある「珍々亭」であればさほど雨に濡れることもなく辿り着けるからありがたい。いいやむしろ逆にそんな天候だからこそ近場で済ましたんじゃないかと思われるかもしれませんが、それは違っています。実は以前、この界隈の町中華に案内sてすっかり駒込が好きになった人と一緒でその人のたっての希望でここにしたのです。この後、結局3軒をハシゴすることになったのですが、ここで腹一杯食べて(食べさせて)おけば次の酒場での肴代が浮くと考えたのではないでしょうか。そんな気にしなくてもぼくは吞んだらそうは食べないってしってるはずなんですけどね。でもぼくがここを訪れるのは10年振りです。なので異論などあろうはずもないのです。店内は案外空いてますね。天候のせいか、それとも町中華ブーム(らしい)はとうに過去の話となったのか。両方かもしれないし、たまたま空いていただけかもしれない。でも窮屈な思いをするよりはずっと居心地が良いからこれまた構わぬのです。席に着くと近頃ここに足繁く通っているという知人は早速瓶ビールを注文。チャーシューメンマも一緒に頼んだところチャーシューを切らしているとのこと。恐らく天候が悪くなることが分かっていたから予め少なめに仕込んでいたんじゃないか。まあ、ラーメン用にある程度の取り置きはしてるんでしょうかね。なので餃子の大きいのを頼みます。こちらの餃子は美味しかったという覚えがあったのですが、奇を衒わずごくごく真っ当な餃子がとても美味しく感じられました。追加の瓶ビールを頼むと併せてかた焼きそばを注文。これはパリパリとして酒の肴にも最適なんですね。ぼくの場合は大概の食べ物が酒の肴になるのですが。これまた美味しいですねえ。確かにここはいいですねえ。通いたくなる気持ちも分かります。駅近にこういうお店の一軒も当たり前にあって欲しいものです。
2023/06/23
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今回は鶏肉を題材にちょっとしたディナーのメインに据えてもまあおかしくない料理を作ってみました。と冒頭からテーマとなる食材を明らかにしたのは大した意味があってのことではないのです。というよりはいつものパターンであれば鶏肉をネタに何かを語るべきところではありますが、鶏肉について改めて語るようなことはもはや残されていないのだ。ぼくは大概の肉類を好む者でありますが、近頃は鶏肉を食べることが多くなりました。特に胸肉を好んで食べています。ささ身も食べる機会が増えたかな。つまり脂身の少ない部位が食べやすいと思えるお年頃となったのです。そういや関西に住んでいた時代によく鶏肉をかしわと呼ぶのを耳にしました。中高年より上の世代の人に多かったような。しかしどうもそれは年長者の気取りみたいなもので、もともと「かしわ」は日本の在来種の鶏のことで、茶褐色の見た目が柏の木と似ているからそう呼ばれるようになったことは、知らなかったんだろうなあと今にして思います。関西方面の人間は関東人を気取っているとか評するけれど、関東の目線からはよほど関西人が気取っているようにも思えます。どちらでもあってどちらでもないぼくのような日本各地を転々としたものにはどっちもどっちでしかないのであるけれど、「かしわ」って気取って呼ぶならさらに別称もあること位は知っておきたいものです。「かしわ」を略して「わ」って呼んでいたらしいのですね。出典は以下であります。尾佐竹猛著『下等百科辞典』わ 関西で鶏肉をわと云ふことがある。かしわの略で前に述べた家鴨をひると同じ格である。 つまり言いたいことは、知ったかぶりでカッコつけるのはいいけれど、その言葉の裏付けを知っておくことは当然のこととして、とっておきの蘊蓄の一つや二つは隠し持っておくのが肝要であるということです。 ということでまずは、鶏肉のプロバンス風煮込みであります。近頃ようやくフレッシュなトマトの価格が下がってきたので作ってみることにしました。【材料】鶏肉(塩、胡椒する) 700g/玉ねぎ(みじん切り) 1個/にんにく 2片/オリーブ油 大さじ3/トマト(角切り) 5個/白ワイン 180ml/タイム 2枝/ドライタイム 小さじ2/ローリエ 1枚/黒オリーブ・グリーンオリーブ 45g/胡椒 小さじ1/2/塩 適宜/パセリ or バジル(みじん切り) 大さじ3【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して鶏肉を焼いて取り出す。玉ねぎ、にんにくを加える。白ワインを加える。トマトを加える。塩、胡椒、ローリエ、タイム、ローリエを加える。鶏肉を戻して蓋をし、弱火で30分煮る。オリーブ、塩、胡椒を加える。皿に盛ってハーブを散らす。 やはり水煮だったりパサータなんかで作る煮込みよりフレッシュな風味が感じられて美味しいですね。トマトの煮込み料理は美味しいけれど単調になりがちなので近頃は作り過ぎないように注意しています。 これをアメリカ料理と見做すのはどうなのかなって気もしますが、余りか料理の紹介サイトで見掛けたらしく便宜上そうしておきます。鶏肉のタラゴンクリームです。【材料】鶏胸肉(塩、胡椒、小麦粉をまぶす) 1000g/塩 小さじ1/2/胡椒 小さじ1/3/小麦粉 大さじ1/にんにく 1片/玉ねぎ(薄切り) 1/3個/オリーブ油 大さじ2/チキンブロス 235ml/シェリーヴィネガー 大さじ2/コニャック(ブランデー)・生クリーム 大さじ4/クリームチーズ 大さじ1/ディジョンマスタード 小さじ1/フレンチタラゴン(枝:糸で縛る) 8枝【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して鶏胸肉を焼き、取り出す。玉ねぎ、にんにくを炒める。シェリービネガー、ブランデーを加える。チキンブロス、タラゴン(枝)を加える。鶏胸肉を戻して蓋をし、弱火で15分煮る。鶏胸肉を取り出して煮詰める。生クリーム、クリームチーズを加える。タラゴン(葉)、ディジョンマスタードを加える。塩、胡椒する。皿に鶏胸肉を盛ってソースをかける。 ハーブやスパイスって何をどのくらいの分量を使うかで料理に大きな幅をもたらすものでありますが、どうもまだまだ使いこなしきれていない気もします。日本でも結構な種類を入手できるようにはなりましたが、日常の料理に用いるにはまだまだ高嶺の花のようです。いや手頃なのも売られているけれど、いつだってあるわけじゃなかったりして。今回のタラゴンも生が手元になかったので乾燥ものを使いましたが、それでもそれなりにタラゴンってハーブの印象を朧気ながら感じることができたと思います。 ヨーグルトジェノベーゼマリネ鶏のオーブン焼きを作りました。タンドリーチキンのスパイスをハーブに置き換えるというアイデアですね。バジルとヨーグルトの組合せがちょっと虚を突かれますが味のイメージはなんとなく作る前から浮かびます。【材料】鶏胸肉(【マリネ液】に一晩漬ける) 2枚/【マリネ液】ヨーグルト 大さじ4/ジェノベーゼペースト 小さじ3/塩・胡椒・砂糖 適宜【作り方】1. 耐熱容器に鶏胸肉、【マリネ液】をのせてオーブンで270℃10分焼く。【備考】パリ生活社ミルクとマカロン2https://milketmoi.blog.jp/ 大体予想通りの味に仕上がりました。手軽に作れて便利なレシピではありますが、そのお手軽さが分かりやすい仕上がりに繋がっているようです。 これまた同じ方のレシピから。鶏とマッシュルームのフリカッセを作りました。たっぷりのマッシュルームが安価に手に入ったので贅沢にも大量に加えてみました。カブも余っていたので付け合わせを兼ねて一緒に煮込みました。【材料】にんにく 1/2片/生姜 1/3片/オリーブ油 大さじ1.5/バター 8g/マッシュルーム(8等分) 150g/玉ねぎ(みじん切り) 60g/鶏胸肉(一口大/塩、胡椒、薄力粉をまぶす) 150g/薄力粉 小さじ1/白ワイン 50ml/生クリーム 150ml/カレー粉 小さじ1/2/塩・胡椒・パセリ 適宜/【バターライス(混ぜる)】ごはん・バター・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油、バターを熱してにんにく、生姜を炒める。玉ねぎを加える。マッシュルームを加える。鶏胸肉を加える。白ワインを加えて蓋をし、1分蒸し煮する。生クリームを、カレー粉、塩、胡椒を加える。2. 皿に【バターライス】を盛って1.を添え、パセリを散らす。【備考】パリ生活社ミルクとマカロン2https://milketmoi.blog.jp/ うん。想像通りの美味しさです。でもちょっとパンチに欠けるかなあ。思ったよりも仕上がりが淡泊なのですね。ってかこの方のレシピは手軽だけどちょっと洒落てるって感じのものが多くのですね。お洒落な家庭料理が簡単に作とうってのはとてもいいと思いますが、個人的にはもうちょいヘビーな料理が好みかな。って冒頭の発言と真逆なことを言ってますね。
2023/06/22
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以前も似たようなことを書いたかもしれませんが、基本的にはぼくは静かな酒場が好きです。静かな酒場にもいくつかタイプがあって、そのすべてが好みというわけではないのです。頑固というか狂喜を孕んでいるかのような高圧的な店主が客に酒と肴に集中せよとして飲食/飲酒中の会話を一切認めないお店であるが、これは言うまでもなく拒絶したい類の酒場であります。酒なんていうものは味の良し悪しもまあそれなりに重要だけれど、それ以上に人を饒舌に駆らせるためにあるものであって、仮に一人黙々と呑みたい時であってもこういう緊張を強いられる店では吞みたくないものです。沈黙することと沈黙を強いられることとは天と地ほどの開きがあるものです。スカした感じで大声で喋るのが恥ずかしくなるよう周到な備えをしたお店というのも気詰まりなもので、どうにも好きになれません。全く客もおらず店主もむっつりと黙りこくる酒場の場合は微妙で、こういう店主はケチ臭く呑む客に対して舌打ちしたりする傾向の店主が多くいるようで、つまりはこういう類の店主もケチ臭い訳でケチ臭いもの同士が上手く同じ場を共有することは非常に難しいようです。人に無関心であるようでその実、気になって仕方ないんでしょうね。だからぼくの好むのは若干のお客がいてそれが皆それぞれにひそひそ話をしたり読書やテレビを眺めるといった気ままな雰囲気があってそれを少しの意に介さずむしろ自らもその雰囲気に溶け込んでいるような店主がいうお店がいいのだ。つまりぼくはうるさい酒場/静かな酒場から始まり、後者であってもさらに選り好みがあるという静かながら喧しい客なのだ。 なんてことはまあどうでもいい話で今回お邪魔した「酒菜 せさみ」はどうやらぼくの気に入りそうなタイプのお店であるようなのだ。行ったくせにその曖昧な感想はどういうことなのか。答えは簡単でこの夜はぼく独りではなく四人で伺ったからなのです。ではどうして好みのタイプでありそうかというと、まず人数分の酒を頼むとうっかり話し込んで肴の注文を失念していたのですね。ひとしきり話を終えて腹減ったなあ、あれまだ肴を注文してなかったじゃんと気付いたのは十分程度経ってからのことだったと思うのですが、店の年配ご夫婦からの注文の最速は一切なかったのです。それどころか品書きも出されることはなくってこのほってけぼり感はなかなか腹が据わっています。実際、しばらくしてちょっとお話させていただきましたが、すごく控えめで物腰柔らかでほっこりするようなお二人だったのです。実のところ品書きはあるけれどないようなもので、カウンター席前に短冊が下がっていてそこから選んで欲しいとのことでした。全部で10品程度と極めエ控えめな種類というのもそれはそれで悪くありません。人数もいたので結局端から端までひととおり貰って、それがいずれもちゃんとしていて満足度も高いのも特筆すべきでしょう。酒もこういう店にしてはお手頃です。なのにどうしてかなあ、独りの客も入ってこないのです。不思議なことです。ぼくの好きな酒場って、他の多くの人にとってちっとも好きになれないものなんだろうか。まあ、第一条件として空いてる酒場が好きなぼくにとっては、その方が都合がいい事は間違いありません。
2023/06/21
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子供の頃は、ナッツ類が全く好きではありませんでした。だから余程小腹が空いて食欲を抑えきれない場合などのごく限られた機会に、殻付きの落花生などを口にすることはあったけれど、少しもそれが美味しいなどとは思っていなかったのです。今思い起こすに口にナッツ類を放り込んで咀嚼すると口中の水分が全て持っていかれて嚥下するのに難儀したからかもしれません。当時からカプセルタイプの薬剤なんかも水なしでも平気で数畳程度は吞み込めていたから、これはぼくの嚥下能力が低かったからだとは思えないのです。ナッツそのものの場合、味気がなかったことも美味しいと思えなかった理由になります。特に落花生なんかは空から割って口に入れてもぼんやりとした風味があるだけでこれを好んで食べる人のことが理解できませんでした。柿の種にピーナッツが混じっていますが、種と同時に咀嚼するならまだしも、ピーナッツだけで食べるのはできれば遠慮したかった。だから大きな缶入りの柿の種をもらったりしてもやたらとピーナッツばかりが残ったものです。その後、好んで食べたものもあります。アーモンドチョコレートとマカダミアナッツチョコレートです。チョココーティングされたナッツは好きになったのですね。でもチョコなしでポリポリ摘まむ気にはなれませんでした。酒を呑むようになる前に唯一たまにうちにするようになったのがカシューナッツです。とまあつまりは酒の肴としてはいつしか食べるようになっていたのですが、あれば食べるという程度なのは今でも変わりません。料理のトッピングやらに散らすのはありですが、主役扱いで食べることはまずなかったのです。中華の鶏のカシューナッツ炒め程度か。湯で落花生は茹でた時点でナッツというよりは本来の豆に近しいものになるようです。インド料理の炊き込みご飯、プラオなんかにカシューナッツを入れた場合も豆っぽくなりますね。柔らかくなったナッツは豆よりも濃厚な風味が感じられます。ところが最近になってペーストにしたナッツが大好きになりました。ピスタチオペーストのパスタは麻薬的な旨味がありますし、それから今回のくるみもそうですね。以前こちらでパスタ・アッレ・ノーチ、つまりはくるみのパスタを作った際にその旨さを書いたはずです。日本でもそばにくるみだれの組合せは抜群ですから分かっていたはずなんですね。 ということで今回は、くるみペーストを色んな料理に使い回してみることにしました。おさらいの意味でいかに分量を記載します。量は適宜となってますね。まあ、味のバランスは足したりして自分好みの味を探れば良さそうです。【材料】くるみ(煎る/砕く)・にんにく・パルミジャーノ・オリーブ油・塩 適宜【作り方】1. 全ての材料をミキサーにかける。 これはなんとも贅沢でありますし、圧倒的に味わいが濃厚です。くるみの挽き方加減で風味も変化するからあれこれ試すのも楽しそうです。 無難にくるみペーストのトーストを作ります。これはもう間違いないはずです。【材料】食パン(トースト)・くるみペースト 適宜【作り方】1. 食パンにくるみペーストを塗る。 少しも間違いがなくてしかも旨い。このまま販売したら結構な売れ行きが期待できると思うんだけどなあ。 くるみペーストのこんにゃくステーキを作りました。こんにゃくステーキはダイエットのつもりはないけれど、思い付いたように作っていますが、どうも味が決まらずこれまでこれぞという仕上がりになったことがありません。【材料】こんにゃく(隠し包丁)・バター・めんつゆ・くるみペースト 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱してこんにゃくを焼く。めんつゆを加える。皿に盛ってくるみペーストをのせる。 でも、この食べ方ならソースの味もぼやけることなく濃厚な味わいをキープできました。定番にできそうです。 余ったカレールーがあって、半膳分の冷や飯があったのでカレーリゾットにしました。このままじゃつまらないとくるみペーストを加えました。くるみ入りカレーリゾットです。【材料】ごはん・くるみペースト・くるみ(煎る/砕く)・豚肉(一口大)・玉ねぎ(薄切り)・ニンジン(拍子木切り)・じゃがいも(皮を剥く/一口大)・にんにく・生姜・カレー粉・小麦粉・カレーフレーク・サラダ油・水 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜を炒める。豚肉、玉ねぎ、ニンジンを炒める。カレー粉、小麦粉を加える。水、じゃがいもを加えて煮る。ごはんを加える。カレーフレーク、くるみペーストを加える。皿に盛ってくるみを散らす。 これは不味くはないんですが、どうしてもカレーの味が勝ってしまってペーストを加えた意味が余り感じられませんでした。でもナッツ系を用いたカレーも面白そうだなあ。豆カレーとはまた違ったナッツの存在感が際立ったものとなりそうで、試してみる価値はありそう。でもカロリーオーバーになりそうではあります。
2023/06/20
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これはあくまでもぼく個人の感想と受け止めていただきたいのですが、ぼくは赤羽で呑むのが苦手です。というかここ10年程の赤羽にはどうも馴染めないのです。いや、違うなあ。赤羽の呑み屋街は本当ならそこそこ好きなはずなのだ。すごい好きかと問われたらそこまでではないと答えてしまいそうだけれど、お気に入りの店だって数軒はあるのだ。苦手なのは赤羽の呑み屋街ではなく、無論個々の酒場ではないのだ。無論嫌いな酒場や許せない酒場もあるけれど、それはどの町でも同じことで赤羽に限ったことではないのです。これ以上書かずともこのブログの記事を何件かお読みいただいた方には無用のことかと思いますが、せっかくなので一応語っておくことにしますひと言で語るとすれば赤羽に呑みに来る人々の群れが嫌いなのです。長年に亘って通っていた人たちのことを悪く言ってるんじゃないのです。新参者たちの群れが町の雰囲気までぶち壊してしまっているようです。それはもう呑み屋街のみならずどこにだっているってことは理解しているけれど、ハシゴを重ねるごとにますます目障りになるのが新参者なのです。彼らも始めこそ多少は恐る恐るといった風で場の雰囲気を壊そうなんて様子でつまりは猫を被る程度の嗜みはあるようなのだが、そんな取ってつけたような化けの皮は酔いが回るにつれて剥がれるものです。最近の若い奴らってとにかく必要以上に声がでかいのだ。笑いが喧しいのだ。ってそんなの若い奴らに限った話じゃないって。まあ確かにそうなのだ。そうなのだ。ぼくは若い奴らが他人の町に踏み入って大手を振って我が物顔に振舞っているのが我慢ならないのだ。そしてそんなガキどもを嬉々として(いるように見える)町の人々(無論、全てがそうではない)が腹立たしいのであります。といかにも書き過ぎな文章になってしまったけれど、このある程度までは嘘偽らざる本音なのだから仕方がないのです。ってこんな話を書きたいわけじゃなかったんですよね。いずれにせよ混み合った場所が嫌いなぼくとしては、赤羽で呑むなら極力人混みは避けたいと願うのでありまして、嫌いという割にはこの1年で5回は訪れているから浮気っぽくて一つの町に留まれぬぼくとしてはそこそこ訪れていますが、実際に入る酒場は観光呑み屋街化したOK横丁など将来の再開発地域を必然的に咲けることになるのでした。 今回お邪魔した「稲一」はアーケード街の赤羽スズラン通りを抜けて横断歩道を渡った先にあります。ちょうど志茂駅との中間地点辺りに位置しています。これは以前も書きましたがぼくは赤羽より志茂にシンパシーを感じるのでここまで来ると少し気が楽になったように思えます。明らかに駅前とは往来する人の数が違っています。ってか立派な商店街なのにこの人出っていかにも寂しくないかねえ。個人的にはありがたいけれど、さすがに町の将来が心配になります。でその焼鳥店ですが、外観だけ見るとぼくの関心をそそる要素は見当たらないのです。この町には余り期待もないからつい立ち寄ったというのが正直なところです。同行者もいましたし早めに店に入りたかったということもあります。ところが店内はなかなかに渋い雰囲気です。というかカウンター回りは散らかり放題となっているのはどうしたものだろう。結構広いのにお客さんは年配の女性グループのみというのも気持ちを侘しくしてくれてなかなかいいのです。ホッピーセットに焼鳥の盛合わせと砂肝唐揚げを注文。愛想の欠片もない男性2名でやってるのですが、やけによく喋るのよりよほど良い。ホッピーは中身がたっぷりでしっかりと飲みごたえがあります。それも良かったけれど何より焼鳥がいちいちでかいのだ。特につくねの大きさには驚愕させられます。なにせゴルフボール大が3つ串に刺さっているのです。これは盛合わせ一皿を一人で食べ切るのは相当難儀なことです。いや二人でも肴はこれだけで十分すぎる量です。しかも味もいいからご安心を。この後訪れたのは夫婦だけ。彼らはボトルをキープしていたけれど、さっと呑んでさっと帰られました。〆に注文していたおにぎり150円は2合分位の米の量があったんじゃないだろうか。いやはやまだまだ知らぬちょっといいお店が赤羽にあったんだなあ。
2023/06/19
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昨日、すでに退職して久しい知人に偶然お会いしました。特に親しかったわけではないけれど、当時は互いに適当に付き合っておけばいいだろう程度の関係だったし、今でもこちらはその程度の関係で一向に不都合はないのだけれど、仕事を辞めると人と会う機会が少ないのかねえ、なんやかんやと話をしたくなるようです。こちらとしては話題を提供するのが面倒ではあるけれど浮世の義理もありますので、瞬時にその人を観察しどうも以前よりスリムになられているらしいことに気付いたのです。で、まあそれが誤りであってもさして悪影響が及ぶこともあるまいとその旨を告げたのでありますが、これがいけなかった。わが意を得たりとばかりに自身の体質改善の努力について得々と語り出したのであります。どうも押したら面倒なスイッチをうっかり押してしまったらしいのだ。そりゃまあ、健康関連の話題など老後の生活を過ごす人にとっては最優先とすべきテーマでありますからいくらだって語ること語ること、いつになったら話が途切れるんだと途方に暮れそうになるのです。これが酒場で呑んでる時なら気持ち半分で拝聴することやぶさかでないのです(そしてその人のご馳走であればなおさら)が、そうじゃないから酷い苦痛なのです。結論としては小麦食材を中心とした炭水化物を抜くことがポイントであるという極めて凡庸な内容であったわけで、出だしでそれが語られたから後の話は無駄に長く思えるのでした。パン、うどん、そして今回のテーマであるパスタを食べない生活はとてもじゃないけれど思いもよらぬのだ。近頃は、糖質0g麺や大豆麺など小麦製品ではない商品も販売されているけれど、安い買い物ではないからつい購入を躊躇してしまうのです。まあ、将来の健康維持を考えれば多少高くても切り替えをするのが本当は効率がいいのかもしれないけれど、つい目先のことを優先してしまうのですね。というかそのうち食も落ちてくることを信じて生きていくことにします。 いつもちょっとメジャー路線から逸れたパスタばかり食べていると思われるかもしれませんが、たまには大定番も作ることがあるのです。今回はタラコスパゲッティを作りました。もう随分昔のことですが、某スーパーマーケットでパスタのレシピ本が無料で配布されていたのに掲載されていたのが気に入って未だに作り続けています。【材料】スパゲッティ(茹でる) 120g/タラコ 1腹/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/バター・昆布茶・塩・胡椒・カイエンペッパー・刻みのり 適宜【作り方】1. ボウルにカイエンペッパー、刻みのり以外の全ての材料を入れて混ぜる。皿に盛ってカイエンペッパー、刻みのりを散らす。 今では驚きませんが、当時は玉ねぎや昆布茶を使うのにびっくりして、さらに作ってみたらそれがまたとても旨かったらまたもびっくりしたことを覚えています。今はびっくりはしなくなったけれど,それでもやはり美味しいものは美味しいのです。 すごいシンプルなレシピですが、案外全ての材料が冷蔵庫にあるってことは珍しくなかなか作るまで至らぬ料理があったりするものです。以前からハラペーニョのトマトクリームスパゲッティは作りたいと思いつつなかなか作るに至らなかったのは滅多に牛乳を買わないこと、カッテージチーズはお高いのでまず買わないからなのです。でも前者がたまたまあって、後者はクリームチーズで代用するってことで妥協することにしました。ちなみにハラペーニョピクルスは瓶詰めで大概いつでも冷蔵庫に鎮座しているのです。【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/【ソース】牛乳 200ml/トマト水煮 1/2巻/ハラペーニョピクルス(薄切り) 1本分/顆粒コンソメ 大さじ1/2/塩 適宜/オリーブ油 大さじ1/にんにく 小さじ1/2/カッテージチーズ 大さじ3【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。玉ねぎを加える。牛乳、トマト水煮を加える。火を止めてハラペーニョピクルス、顆粒コンソメ、塩を加える。スパゲッティを加える。皿に盛ってカッテージチーズを散らす。Kurashiru 「ハラペーニョのトマトクリームパスタ レシピ・作り方」https://www.kurashiru.com/recipes/e96c37d8-118e-4366-988a-9a42cfb9b212 妥協はしたけど、これなかなか美味しいですねえ。パスタってやたら潤沢に贅沢な材料を使ったものも美味しいけれど、凝った材料など使わず見た目に質素と思える位のが非常に旨いこともあるから不思議なものだなあ。 マンガの小林有吾著『フェルマーの料理』に数学的に正しいナポリタンというのが登場するとのことなのでいずれ作ろうと思っていました。ウインナーがうちの冷蔵庫にあることは稀だし、稀に買うならいいソーセージを買っちゃうものだからナポリタンに使うのがつい惜しくなってしまうのです。この日はたまたま別にソーセージを使いたいレシピがあったのでその一部を援用することにしたのでした。【材料】スパゲッティ(1.8mm/茹でる/冷水で冷やす) 200g/玉ねぎ 1/4個/ウインナー 4本/ピーマン 1個/トマトケチャップ 大さじ7/白ワインビネガー 大さじ1/マヨネーズ 大さじ2/油 適宜【作り方】1. ボウルに白ワインビネガー、マヨネーズを入れて混ぜる。スパゲッティを加えて冷蔵庫で寝かす。2. フライパンに油を熱して玉ねぎを炒める。ウインナー、ピーマンの順に加える。フライパンに直接ケチャップを加える。スパゲッティを加える。【備考】FRaU 「数学的に旨さが証明された「究極のナポリタン」をつくる方法」https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75678 フェルマーとはなんぞやとご存じない方もおられるでしょうが、各位ご自身でお調べいただきたい。フェルマーを持ち出す割にはちょっと情けないレシピでありますが、食べてみると確かにいつもとどこかがちょっと違っていますが、どう作っても大概ナポリタンは美味しいものだからこのひと手間に意味があったかどうかはぼくの馬鹿舌では証明できませんでした。 くるみのクリームパスタを作りました。洋風のくるみペーストの旨さについては、この半年余りで何度か力説しているから繰り返すことはしません。ベーコンと生クリームでコクを出し、ほうれん草でさっぱり感と野菜を食べてるって気分を足したらこれはまあ間違いがないはずです。【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/ベーコン(1cm幅) 1枚/ほうれん草(5cm幅) 1/2把/生クリーム 大さじ2/塩・オリーブ油・胡椒 適宜/【ペースト(ミキサーにかける)】くるみ 大さじ2/水 大さじ1【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してベーコン、ほうれん草を炒める。【ペースト】 、生クリームを加える。スパゲッティを加える。皿に盛って胡椒を散らす。 間違いのない美味しさですが、やはりくるみペーストが濃厚だからそれだけでも十分に満足に思えたのでした。
2023/06/18
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今回は気付かぬうちに溜まっていた色んなトーストの食べ方を試してみましたよの報告です。ってもトーストした食パンはとにかく大概のものと合わせられてその可能性は無限大(ってどっかの学習塾みたいだな)なので、少しは意外性のある組合せを見出したいぼくとしてはいかにも面白みのないレシピばかりですが、まあそれがトーストの宿命であり限界(さっき無限大って書いたばっかりなのに)なのであります。ところで、高校生の頃にハマっている(ように振舞っていた)作家に坂口安吾がいます。ぼくも新潟の住民であったこともあるからたまには夥しい数の蝙蝠を飛び交う暗く風説激しい日本海を望む海岸を彷徨ってみたりして文学青年ぶってみたものです。誰も見てるはずがないのに見られてる気分に浸ったりしてね。今思い起こすと寒風吹き荒れる暗い海岸を一人歩いてる若造を見掛けたりしたら余程のナルシストか若いくせに早くも人生に絶望してしまったのかと良くて憐れみ普段ならアブナイ奴と思うのだろうなあ。そこは新潟市内からほど近い寄居浜でありまして坂口安吾の碑があったりするのです。「ふるさとは語ることなし」と記されていてふるさとでもなんでもない場所に思いを馳せる自分は安吾を読んだつもりでちっとも読めていなかったのかもしれません。で長々と自身の思い出話を振り出しに安吾のことを書いたのには一応意味があります。安吾もトーストをよく食べたようなのです。コロナ・ブックス編集部『作家の食卓』に以下の記載があります。 坂口安吾もトーストをよく食べた作家の一人です。安吾はトーストにバターを塗り、そこに魚肉(タラコ、イクラ、焼き鮭の醤油漬け、味噌漬けの魚など)をはさんで食べることが多かったそうです。 とまあ当時としては大胆であったであろう食い合わせをごく自然に行っていたということになります。今のぼくにしてみたら、いかにも旨そうでちっとも不思議でない食い合わせですが。と書いたけれど、ほとんどの全ての食べ方に意外性が感じられないのだからそれも仕方のないことです。 まずはトマトトーストです。トマトなんてちっとも意外性がないですね。焼いたトマトってとこが若干ポイントになっています。というか「ト」の字の多さが多少なりともユーモラスに思えたので一応記録しておきます。【材料】食パン(6枚切/トースト) 1枚/トマト(湯剥き/4等分) 1/2個/バター 小さじ2/塩・胡椒・マヨネーズ 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱してトマトを炒める。塩をふる。食パンにのせて胡椒を散らし、マヨネーズをかける。 味付けもバターに塩コショウ、マヨネーズじゃさすがに想像どおりの地味な出来栄え。よっぽどデコレートでもしない限りはこれはすごいってならないのだろうなあ。 これはどこかのレシピで見掛けた紅生姜トーストです。料理名だけ見るとちょっと意外性がありそうですが、われわれはすでに紅生姜入りの定番総菜パンの存在を知ってますからねえ。【材料】食パン(6枚切) 1枚/ハム 1枚/溶けるチーズ・紅生姜・マヨネーズ 適宜【作り方】1. 食パンにマヨネーズを塗って紅生姜、ハム、溶けるチーズをのせる。トースターで焼く。 そうなんですね。焼きそばパンには紅生姜が付き物ですから。まあこれは思ったよりは美味しかったかな。 続いては、ペルーの定番トースト(らしい)、パン・コン・パルタ(PAN CON PALTA)です。なんてことないアボカドのディップをのせたパンです。目に留まったレシピも極めてシンプルです。【材料】食パン 2枚/アボカド(マッシュ/【調味料】を混ぜる) 1/2個/【調味料】レモン汁・塩 適宜/マヨネーズ 小さじ1【作り方】1. 食パンにアボカドをのせる。 まあ美味しいですけどね。少しも驚きはありません。 これはちょっと意外な組み合わせ。春菊トーストです。でも子供の頃からぼくの実家ではごく普通に醤油をかけた青菜炒めや野菜炒めをトーストにのせてたからなあ。【材料】食パン(6枚切/トースト) 1枚/春菊(4cm幅) 2把/ベーコン(2mm幅) 1枚/バター 小さじ2/塩・胡椒・醤油 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱してベーコンを炒める。春菊を加える。塩、胡椒、醤油を加える。食パンにのせる。 こうして改めてレシピ風にするとそれなりに料理っぽくなりますが、昔普通に食べていたのと少しも違わなかったのです。
2023/06/17
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もう何度も書いていることですが、日暮里駅界隈は行きたかったもしくは行けそうだったお店は大概お邪魔しています。行きたくなかったもしくは行けなさそうだったお店にもそこそこお邪魔しているからまあ、かなりの軒数はこなしているのではなかろうかと思うのです。このこなすという言い方に御朱印帳にハンコを集めるような邪さを意識しないわけではないけれど、酒場っていうのはその定義の曖昧さもそうだし、生まれては消えのイタチごっこで永遠に終わりがないものだから、あっちもこっちも行ってみたくなるのはそれ程不順ではないと思っています。なにせぼくがいくら古くからの酒場が好きといっても新しいお店にももしかするとこれまで知らなかった新たな酒場のあり様を見せつけられることも皆無ではないからです。ってまあ、とんでもなく安いとか旨いって程度の驚きはあたけれど、酒場の酒場たる所以を足元から揺るがしかねないなどという驚くべき酒場とは未だ出会えていないのが正直なところです。例えば観覧車酒場とか昭和風お茶の間酒場とかつまみもデザートにもアルコールをたっぷり用いた真の辛党酒場とかまあ思い付きはいくらでも語れるけれど、こうした適当なコンセプト系酒場ってのは一度は行っても二度は行かぬ定めだからどうもうまくはいかなさそうであります。って話が日暮里の酒場から逸れてしまいました。しかもそこはちっとも奇を衒わぬごくごくありふれたお店だったからここまでの無駄な饒舌は何だったのだ、ってなりかねないがご容赦頂きたい。 ということで日暮里駅の北側の長いエスカレーターを下って、西日暮里駅方面に歩き出してすぐに「ひぐらしの里 五所車」があります。どうしたものかぼくはここをずっとそば屋だと思い込んでいたのですね。ご存じのとおりひぐらしは夏の夕暮れ時に鳴くセミのことで、ひぐらしってのは「日を暮れさせるもの」の意から来ているようですね。ぼくのブログ名にも似合ったいいネーミングだなあと思ったら、「日暮里は江戸時代、四季折々の自然が楽しめる景勝地として親しまれた。風光明媚(めいび)な情景を眺めていると、「日が暮れるのを忘れてしまう」ことから「ひぐらしのさと」と呼ばれていた」そうな。日暮里では「ひぐらし」(出典は朝日新聞DIGITAL「「ひぐらしのさと」と呼ばれた日暮里 今も受け継ぐ俳句との縁」)の意は一般とは違って用いられていたのだなあ。っていうか「日を暮れさせるもの」と「日が暮れるのを忘れてしまう」こととはほとんど逆の意味合いに思えるのだが、どうなのだろう。それと「五所車」って何か想像はできるのだけれど、こりゃ一体何を意味するのだろう。ネットで調べてみる。ほとんど日暮里のこの店の情報ばかりなのですが、以下が混じり込んでいます。文化遺産オンライン 「五所車ト紋《車図》」https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/570140きっとこれを典拠してるんでしょう。でも広辞苑にも掲載されていない単語を店名に据えるのって店のオーナーには余程の思い入れがあるのでしょうか。平塚にも同名のお店があるようです。なんてここまで店名の事ばかりなのに随分長くなってしまいました。最後に一言だけ。店の外観写真はありませんが、これまで素通りしたのはそば屋と思い込んでいたこともあるけれど、ガラス張りで秘密めいたところのないところが物足りなく思えたからだと思います。店内は表からの印象とは違って案外落ち着いた雰囲気です。酒も肴も種類が揃っていますし、特に肴はとても美味しいのです。ちょっと毎日使うにはお高めな価格設定となっていますが、たまに来るならちょっといい店だなあと思えました。と、なんか投げやりな文章で締めくくるのでした。
2023/06/16
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そば打ちにハマる人がいる。大概の場合、そば好きが昂じて自らも売ってみようと思い立つようです。叶うことなら自身が理想とするそばを打てるようになって、親しい人にそれを食べさせてみたいと考えるようです。実際、ぼくの知人にもそば打ちに打ち込んで納得のいくそばが打てるようになって友人、知人を自宅に招いた人がいます。ごく稀に本気でそば職人を目指してそば打ち名人に弟子入りするなんてこともあるのでしょうが、大概の場合、定年で仕事を退職している人に多く見られます。その理由としては、それに要する時間的余裕があるから、通勤定期がなくなりそういつものように遠出する予算がなくなるからといったこともあるのでしょうが、あえて友人、知人を呼び寄せる人には、実は退職しても自分には打ち込むべき趣味があるし、自分が呼び掛ければこれだけの知り合いが参集してくれるのだという自己肯定感に至らしめることを目的としているんじゃないだろうかと思うのです。そうそうそば打ちって求道的な印象がありまして、そこには承認欲求を満たしたいという本音が見え隠れして感じられるんですね。とかなんとか難癖をつけているけれど、お呼ばれしたらホイホイとお邪魔しちゃうんだろうなあ。そして、見てくれが悪かろうが、さして旨くなかろうがしゃあしゃあと褒め称えてしまうのだろうなあ。と自分の心根の卑劣さを露呈してしまうけれど、世の中の人は大概似たような考えをお持ちなんじゃないか。ぼくは退職してもそば打ちなどせずに市販されているそばで済ますことにさほどの不満など抱かぬはずなのです。乾麺のそばすら茹でるのが面倒かもしれない。だから最近はせっせとそばの実を食べています。そばの実は茹でるのも楽だし、アレンジも豊富だから今のうちに詳細困らぬようせっせとレシピをかき集めることにします。 といったことで今回は吉田健一氏が酒田で食べて大いに気に入ったそばの実料理で、向こうではむきそばと呼ばれているようです。【材料】むきそば 100g/水 600ml/【かけ汁】昆布・干し椎茸・焼干 適宜/水 160ml/みりん・醤油 20ml/【トッピング】鶏ささみ(茹でる/裂く/【かけ汁に浸す】) 2個/干し椎茸(細切り)・わさび・刻みのり 適宜【作り方】1. 鍋に湯を沸かしてむきそばを中火で20分茹でる。火を止めて5分蒸らす。冷水で冷やす。2. 鍋に水、昆布、干し椎茸、焼干を入れて加熱する。煮立つ直前に昆布を取り出して弱火で5分煮る。濾す(干し椎茸は細切りにする。)。みりん、醤油を加えて沸いたら火を止め、冷所で一晩寝かす。3. 器に1.を盛って2.を注ぎ、【トッピング】をのせる。【備考】山形の地酒 木川屋https://www.kigawaya.com/tokusan/mukisoba.html 確かにこれは美味しいなあ。食欲のない朝なんかには最高にいいかも。って今のぼくは基本的に朝食は食べないし、食欲のない時もないんですけどね。 胡瓜とそばの実のスープというレシピを見つけました。こんな簡単なレシピで果たして本当に美味しいのだろうか。【材料】そばの実(一晩浸水) 100g/きゅうり(皮を剥く/4cm角) 1本/ねぎ油 大さじ1/酒 小さじ1/中華スープ 100ml/塩・砂糖・胡椒 適宜/香油 小さじ1/【薬味】生姜・にんにく 小さじ1【作り方】1.フライパンにねぎ油を熱して【薬味】を炒める。酒、中華スープを加える。そばの実を加える。塩、砂糖を加える。きゅうりを加える。香油を加える。器に盛って胡椒を散らす。【備考】エピレシピサービス 「胡瓜とそばの実のスープ」 美味しかった。きゅうりって皮を剥くと青臭さが弱まってすごい上品になるんですよね。生姜を効かせるのが好みでした。 先般作ったきゅうりと鶏肉のスープが冷蔵庫で余っていたので、悪くなる前にとそばの実と合わせてみたのです。そばの実入りのきゅうりと鶏肉のスープであります。【材料】そばの実(茹でる)・きゅうりと鶏肉のスープ 適宜【作り方】1. 器にそばの実を盛ってきゅうりと鶏肉のスープを注ぐ。【参考】鶏肉ときゅうりのスープ【材料】きゅうり(2等分/斜め薄切り) 1本/鶏胸肉(茹でる/斜め薄切り) 100g/生姜(千切り) 1片/水・鶏がらスープの素・塩・胡椒・ごま油 適宜【作り方】1. 鍋で茹で汁、水、鶏がらスープの素を沸かす。きゅうり、鶏胸肉、生姜、塩を加える。器に盛って胡椒、ごま油を散らす。 これまた夏の朝にはピッタリだろうなあ。冷えたスープとそばの実は相性がいいようです。ナスやトマトなどの夏の野菜って冷たいスープに合いますねえ。これからがいい季節になります。 そばの実のタブレ風サラダを思い付きで作ることにしました。夏を前にして夏野菜をふんだんに使ってみました。【材料】そばの実(茹でる)・きゅうり(5mm角)・ミニトマト(4等分)・ピーマン(5mm角)・玉ねぎ(粗みじん切り)・黒オリーブ(粗みじん切り)・枝豆(茹でる)・ミント(粗みじん切り)・青ねぎ(小口切り)・ドライオレガノ 適宜/【ドレッシング】レモン汁・ディジョンマスタード・塩・胡椒・オリーブ油 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 タブレってクスクスとかブルグルを使うのが定番ですが、あちらはむしろパセリを美味しく食べるための料理だと思っています。これはプチプチした食感がクスクスやブルグルよりもはっきりしていて添え物じゃなく主役として食べられます。
2023/06/15
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住宅街で酒場に遭遇することは滅多にありません。スナックや喫茶店なんかは住宅街に突如出没することはあっても居酒屋があることは極めて稀です。稀だからこそたまたま住宅街に居酒屋と遭遇するようなことがあると非常に嬉しいのですが、さて日も落ちてきたからそろそろ呑みたいなあと思った時点で住宅街に酒場探しに乗り出すのはいかにも無謀な話なのです。こういう普通居酒屋どころか飲食店すらなさそうな場所で呑めるのは、基本的に散歩や仕事だったりの吞み以外の用事で偶然見つけていた場合だったり予め綿密な下調べをした場合に限られるのであって、もし偶然あるとしても次なるハシゴ先への移動の最中(2つ以上の駅間に跨っている場合、幾分可能性がアップするようです)にたまたま見出す場合に限定されるものであります。つまり到底酒場などなさそうな場合には大抵の場合はやはり酒場など存在しないのが普通であって、それでもなお酒場に遭遇したとしたらそれは僥倖としかいいようのない稀有な出来事であるのです。世の中の酒場巡り好きの文章を読むとあたかも自身が酒場探しに特別な嗅覚を持ち合わせていて、やたらと偶然に酒場に遭遇したと語るのを目にするがそれはまず9割方作り話であると思っています。酒吞みが、いかにも酒場などなさそうな場所にあえて足を運ぶ理由などまずないはずです。まあ、余程方向音痴な人であれば目当ての酒場に向かって歩いているつもりであったのに全然見当違いの方角に向けて歩みを進めたりした場合には、引き返すのも癪だからとどんどんと深みにハマってしまう場合があったりするもので、今回は新松戸から馬橋に向かって歩いた際に深みにハマった挙句に偶然遭遇したお店のことを書くつもりなのです。 まあねえ、都心部で住宅街に酒場がある場合は少ないけれど、ちょっと郊外の新松戸だったり、馬橋だったりの場合にはまだそういう酒場が残っていても不思議ではないのかもしれません。迷い込んだのは両駅の中間地点の住宅街。といってもその酒場の両脇は一応お店のようです。角地には葬儀屋、「鉄板焼 小島」を挟んでクリーニング店(こちらは閉業しているみたい)と周辺には他に飲食店らしきものは見られません(とGoogle Mapを確認するとそう遠くないところに弁当屋位はあったみたいです)。青いテントの地味な店構えです。これはもう立ち寄らない理由はありません。鉄板を囲むように10人弱分のカウンター席があり2人掛け席も2卓あります。カウンターには50代位の女性2名と同年配の男性が一人とちょっと窮屈そうなので、卓席にしました。もう1卓にはご高齢の男性が腰掛けておられましたが、この方は厨房で奮闘中の女将さんの旦那さんのようです。時間も5時過ぎと呑むには早い時間でしたが思っていたよりお客さんが入っていますね。こういうとこって近所の人が都心なんかから帰ってきて、ほっと安心して立ち寄るという状況を当て込んでるんだと思ってましたが、案外そればかりじゃなさそうです。何にせよ女性客が通ってくるようなお店なんだからきっといいお店なのでしょう。ということで、実は写真を撮り損ねていますが、氷結酒だったかなあ、大手メーカーのちょっと変わった酒を呑んだんですけどそれが何だったか今では思い出せないのです。お通しのほうれん草お浸しは思えてるんですけど。興味のある方は実地にてお確かめを。余りお目に掛かることのないエビ入りのお好み焼きととん平焼きを頂きました。前者はふんわり系の逆のみっちり系でしたがこの方が酒の肴にはいいかも、具材のエビの旨味がしっかり感じられました。後者はなんといっても肉の量がタネの量に比して非常に多くこれまたつまみにはぴったりでありました。近所の人が通ってくるのよく分かるなあ。ぼくがここに来る機会はもうないんだろうなあ。
2023/06/14
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退職した後には料理にはできるだけ手間を掛けないようにしたいのです。今、せっせとあれこれの料理を作っているのは、まずは料理することに慣れるためということがあります。共働き世帯だったから、子供の頃から夕食ばかりでなく弁当なんかも作らざるを得なかったのですが、当時は食べたいものもしくは食べられればいいといったものばかり作っていたし、予算を気にしたり手頃な食材を使うという条件もなかったのです。そういった経済的配慮や健康面への目配せも含めての料理作りに慣れようということです。なので試行錯誤の結果、手早く簡単に作れてさらには経済的かつ健康的な料理のレシピを退職後、飽きることなく過ごせる程度には収集しておきたいと考えるようになったのです。退職後を見込んだ未来志向の方針で、将来、身体に不具合が生じたりしても調理作業が負担にならず、食費に充てることができる予算がわずかになっても退屈することなく満足できるような食事をしたいと目論んでいるのです。結局のところ、将来に向けてあれこれ準備するってことはそれなりの時間を要するわけで、現在なし得る何事かを犠牲にしているってことなのですが、それを逆手にとってブログにて公開することで自身の承認欲求を満たすこと(ほぼ全くというほどに反響はないけれど)に繋げているのです。ところで安価な食材と書きましたが、以前はそうしたお得食材であった白いんげん豆が従来の2倍近い価格に跳ね上がってしまい今のところ下落に転じる様子は見受けられません。困ったものです。今回はその白いんげん豆を取り上げますが、缶詰が安くならないようであれば今後は乾燥豆で購入して自ら茹でるということも検討せねばならないかもしれません。なにせ美味しいですから。 地中海風白いんげん豆のサラダです。白いんげん豆のみならずフェタチーズやケーパーの値上げも只事ではなく、こうした輸入食材頼りの料理を作り続けることは当面は自粛すべきなのかなあなどとも感がてしまうのでした。【材料】白いんげん豆 1缶/ミニトマト(2等分) 200g/きゅうり(半月切り) 1本/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/フェタチーズ 50g/オリーブ(薄切り) 10個/ケーパー(刻む) 小さじ2/イタリアンパセリ 大さじ2/ドライオレガノ 小さじ1/2/にんにく 大さじ1/【ドレッシング(混ぜる)】赤ワインビネガー・レモン汁 大さじ1/オリーブ油 大さじ4/塩・胡椒 適宜【作り方】1. ボウルに全ての材料を入れて混ぜる。【備考】アメリカ南部の台所 「Mediterranean White Bean Salad 地中海風白いんげん豆のサラダ」https://southern-kitchen.com/mediterranean-white-bean-salad/ だけどこの料理、無茶苦茶お手軽なのにすごく美味しいんですよね。味付けはシンプルなのに素材の組合せでこんなにも味が豊かになるもんなんですね。 そのまま食べてはもったいないと、そばのトッピングにしてみました。こういうサラダとそばの組合せはアメリカでも普及しだしているみたいですね。地中海風白いんげん豆のサラダそばです。【材料】そば(茹でる) 1人前/地中海風白いんげん豆のサラダ・めんつゆ・オリーブ油 適宜【作り方】1. 丼にそば、めんつゆ、オリーブ油を入れて混ぜ、地中海風白いんげん豆のサラダをのせる。 おお、思った以上にぴったりハマりましたねえ。この体でいけば大概の料理をそばなどにのせれば一品として成立しちゃいますね。安直に陥るのでできるだけ禁じ手にしときます。 ギリシャ風の豆とトマトのオーブン焼きです。これまたとてもシンプルな料理です。どこぞのレシピを拝借したのですが、オリーブ油の分量がとんでもないことになっているからぼくは半分、いや1/3量程度で作ったかな。【材料】白いんげん豆 1缶/玉ねぎ(みじん切り) 1個/パセリ 5束/フェタチーズ 400g/トマト水煮 1缶/オリーブ油 1.5カップ/塩・胡椒 小さじ1【作り方】1.耐熱皿に白いんげん豆、トマト水煮、玉ねぎ、パセリ、オリーブ油の順にのせる。塩、胡椒、ほぐしたフェタチーズをふる。2. オーブンで180℃50分焼く。 それでも美味しいし間違いなくヘルシーだから手持ちのレシピは修正しておくことにしよう。元レシピを活かしたい方のためにここではあえて元の分量を記載しておきます。 中途半端に白いんげん豆と空豆が残っていたので、思い付きで米と一緒に炊いて白いんげん豆と空豆のスパイスごはんを作ってみました。【材料】米・白いんげん豆・空豆・ドライタイム・ドライオレガノ・ドライマジョラム・オールスパイス・ガーリックパウダー・オニオンパウダー・塩・胡椒・水・くるみ(炒る/砕く) 適宜【作り方】1. 炊飯器(内窯)に全ての材料を入れて炊く。 スパイスは中東料理風にハーブたっぷり、オールスパイスを効かせてみました。予想はしていたけれど食べ出すと止まらなくなりますねえ。豆や野菜の量を増やして米を減らすとよりヘルシーになりそう。炭水化物を減らすためにも炊き込みごはんってもっと作った方がいいと思っています。
2023/06/13
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どうしても好きになれない酒場があります。といった書き方をすると、世の中の酒場の大部分は好きだが、ごく少数の酒場が嫌いであるといった解釈をするのが自然な受け止め方に思えます。それは実際とはまるっきり違っているのだ。ぼくは非常に狭量な人間であるので、好きな酒場はごく少数に限られており、ほとんどは嫌いな酒場ばかりなのだ。それは以前からこのブログをご覧いただいている方には自明であると思うけれど、万が一にもたまたまこの記事に触れた方がいるかもしれないので、一応お断りしておきます。とまあ、結局ぼくにとっての「好きになれない酒場」は、どういう酒場かというと「一見様お断り」を掲げる酒場なのです。この夜はO氏と一緒だったのですが、O氏はぼく以上の原理主義者(本人は口を尖らして異を唱えるだろうけど)でありまして、自分がこうと決めた基準に収まらぬ酒場を頑なに拒否するのですが、彼の嫌う酒場の筆頭に挙げるのがこうした「一見様お断り」の店なのです。ちなみに確かにぼくも「一見様お断り」の店にはその高邁な態度(実はこの断り書きを掲げる理由はそれだけに限られてはいないのだけれど)が大いに不快に思っているクチなのですが、この夜訪れた一見様お断り酒場はそうした不愉快な気分を押してでも入ってみたい気持ちが掻き立てられたのです。無論O氏はぼくを見て気は確かかってな表情を浮かべて拒否の態度をアピールしていたのだけれど、ぼくはそんな素振りは見て見ぬふりで制止される前に戸を開け放ったのでした。 やって来たのは「酒処 ままや」です。何が気になったってここは以前、「餃子舗 芙蓉」として営業しておられて近いうちにお邪魔しようと心の片隅に留めておいたのが、当の片隅がしっちゃかめっちゃかになってしまって埋没してしまったままになってしまったのでした。今では看板に過去の残滓を見出せるばかりです。と思ったらどうやら内装は当時の基礎はそのままに表面のみ磨いた風のようです。女将さんはおやっって表情を浮かべましたが、何とも呆気なくどうぞって迎え入れてくれました。どうやらぼくは人畜無害な酒吞みであるとの判断が下されたようです。こうも呆気ないとちょっと物足りない気持ちになるのだからわがままなものです。きっと安全保身のためにアブナイ客への牽制の意味で例の貼り出しをしているのでしょうが、いざ入れてしまうとこうしたアナウンスもなく一見はお断りしていると告げられる(そんな無体がコロナ禍中は頻繁に発生したのです)よりはずっと納得がいく話のように思えるのでした。セットが400円、中が200円とリーズナボーなホッピーをお願いしました。お通しと一緒に届きました。ワカメときゅうり、茗荷の酢の物のようです。よく見るとイカのゲソなんかも紛れ込んでいます。いいじゃないの。ってさらに掘り下げるとなんとトリガイまでがちょろちょろと顔を覗かせるのです。すごい立派なお通しじゃないの。つい嬉しくなって贅沢にも600円(あららセコい)の馬面ハギを注文。ぶりっぶりに弾力のある身が美味であります添えられた肝がまた濃厚ながらしつこくないのだ。カワハギの代用品として低く扱われた魚ですが、少しもカワハギに負けていないように思えました。それと箸休め程度に頼んだお新香がまた素晴らしい。茗荷の酢漬けに大根の糠漬けに加えてしゃくしな漬けまでしっかりとした量で出されるのだからついつい中だけで4杯も頼んでしまったのだ。先客のカップルはこちらが勘定待ちで苛立つほどに賛辞を送っていました。我々もそうしたけどね。すると女将さんによくあれ見て入ってこれたねえだって。これには酔っていても返事のしようがなかったのでした。
2023/06/12
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ぼくが子供の頃はイタリア料理ってまだまだ未知の料理って感じで、当然ながらパスタなどと気取った呼び方はせず、今では多様な種類があることを知っているパスタもせいぜいスパゲッティとマカロニ程度でした。って一体お前は戦後の人間かよと思われる若い方もおられるかもしれないが、そう考えるのは30代以下の人たちなんじゃなかろうか。多種多様なパスタが比較的容易に買えるようになったのはせいぜい30年前位からのことでしょうし、仮に入手できたとしてもそれを活用するレシピなどほぼ存在しなかったんじゃないでしょうか。日本の家庭料理も間違いなくインターネットの普及に甚大な影響を受けているように思います。といった訳でぼくの子供の頃には「料理バンザイ! 」ってテレビ番組の「たまに行くならこんな店」というコーナーで照会されるイタリア料理店なんかを羨望の眼差しで見るのが精々だったのです。その後、嬉し恥かしのイタメシブームや大衆向けの「サイゼリヤ」を筆頭としたファミレスタイプのイタリア料理店が進出もあって、かつてはナポリタンやミートソース、マカロニグラタンにマカロニサラダとお決まりのメニューしかなかった日本の家庭にも一挙に多様なパスタ料理が浸透し始めたように思われます。イタリア料理の需要の歴史を書きましたがこれは具体的なエヴィデンスなしの実感のみに拠ったものであります。言いたいことは多様なレシピの増加に伴いイタリア料理にも様々なビンボー人向けレシピが存在することを知れたのは実に愉快だったのです。日本のビンボー人向けレシピにはねこまんまを代表に数々ありますが、基本的に主食に最低限の食材と調味料をプラスした簡単かつ短時間で作れるというのはイタリア料理も同様なようです。 話題の暗殺者のパスタ(Spaghetti all'assasina)を作りました。これといった厳格なレシピはなさそうですが、これがかなり本物っぽいので今回はこれを採用。最初にレシピを見た時には具ナシのナポリタンじゃんと思ったのですが、どうでしょう。【材料】スパゲッティ 100g/オリーブ油 大さじ3/にんにく(潰す) 1片/赤唐辛子 2本/トマト水煮 1/4缶/【ソース】トマトペースト 大さじ3/砂糖 適宜/塩 小さじ1/2/水 300ml【作り方】1. 鍋に【ソース】の材料を入れて沸かす。2. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。にんにくを取り出してトマト水煮を加える。スパゲッティを加える。おこげが就いたら裏返す。1.(半量)を加えて1.を少しづつ加える。【備考】BACCHETTE E POMODORO「【本場イタリアの“本当”のレシピ】暗殺者のパスタ」https://bacchetteepomodoro.com/ja/spaghetthi-allassassina-2/ これがなんととても旨いのですね。イタリア人はトマトケチャップを馬鹿にするというけれどケチャップでもイケそうな気がするけどなあ。 グリーンオリーブパスタです。グリーンオリーブを安いとみるか判断に迷うところですが、1食当たりの費用は確実に手頃に作れるはずです。アメリカ料理の紹介サイトで見つけたレシピなのでイタリア料理としていいのか判断に迷うところです。【材料】ロングパスタ(茹でる) 200g/オリーブ油 大さじ2/グリーンオリーブ(茹でる) 40g/レモン汁 1/2個分/にんにく 1片/塩 小さじ1/2/イタリアンパセリ or バジル(みじん切り)・パルミジャーノ 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してにんにくを炒める。ロングパスタを加える。グリーンオリーブ、レモン汁、パルミジャーノを加える。イタリアンパセリを加える。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「Green Olive Pasta グリーンオリーブパスタ」https://southern-kitchen.com/green-olive-pasta/ これがシンプルではありますが、かなり美味しいのです。黒オリーブと生クリームのパスタは昔からよく食べますがグリーンでしかもひどく食材も貧弱に思えるのにこれほどの仕上がりになるとは驚きでした。 パスタ・アッレ・ノーチ(くるみのパスタ)はお気に入りのくるみペーストのパスタで鵜。くるみもペーストにすると練りごま同様に濃厚かつウマウマな絶品ペーストになります。めんつゆなんかを加えても良さそう。【材料】ショートパスタ(茹でる)・くるみ(炒る/刻む)/【ソース(ミキサーにかける)】くるみ(炒る)・オリーブ油・パルミジャーノ・にんにく・牛乳 適宜【作り方】1. ボウルにショートパスタ、【ソース】を入れて混ぜる。皿に盛ってくるみを散らす。 まあ間違いのない旨さ。一度作ったらハマってしまてもう何度目かの追加となります。大抵の食材と合いそうですが、さすがにごはんにかけるのは気乗りしまsん。 最後にチーマディラーパのパスタ。カブなどの青菜部分を刻んだのを入れただけのものでまさに貧乏そのもののパスタになります。【材料】スパゲッティ(茹でる) 80g/カブ(葉/粗みじん切り/茹でる) 3本分/アンチョビ 5枚/にんにく 1片/赤唐辛子 1本/オリーブ油 大さじ1+1/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒めるアンチョビを加える。スパゲッティ、カブ(葉)を加える。オリーブ油をかけて皿に盛る。【備考】料理リレー レシピ集 「【チーマディラーパのパスタ】」http://cookingrelay2020.jp/2020/05/09/post-6424/ 見るからに質素なのですが、驚いたことにとても合っているのです。さっぱりしているのにちっとも不足感がないのです。余りがちなカブの葉ですが、今後はその利用に困ることはなさそうです。
2023/06/11
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とある女性にパクチーって呼び方が嫌いって言われました。ぼくは別に嫌いや好きはないんですけど、そんなことで他人を不快にさせる趣味はないので「じゃあ、どう呼ぶのがお気に召すの?」と聞くと「コリアンダー」との答えでした。コリアンダーという語は古代ギリシャ語でカメムシを意味するらしいと伝えると、じゃあ「香菜(シャンツァイ)」でいいと仰る。というわけで今後はタイ料理や欧州料理を作る機会があってもレシピ上は香菜と記載しようと思うので、それは変だと思っても意見などなしにしていただけると幸いなのです。まあ、日本で入手できる香菜は、仮に同じ種から育てられたものであってもあくまでも日本の天候や土壌、水質などの影響を被っているわけでそういう意味では呼び名以前に別物と考えるべきなのかもしれません。といった次第で今回限りでパクチーという語は基本的には禁じることにしようと思っています。ただし、例外として既存のレシピをもとに作った料理をアップした場合は、原則として料理名はオリジナルレシピを踏襲しておくことにしたいと思っています。と使用上の注意みたいなことを書きましたが、まあ原則はあくまでも原則であって、いちいちの修正に見落としが生じることもあろうかとは思いますが、その辺は甘受いただけると幸甚です。とどういうわけか今日のぼくは「とある女性」に対してもこのブログをご覧いただいている方々に対しても随分とへりくだっておるなあ。 ということでパクチーカレーと書きのも基本的には今回が書き収めとなりますが、まあこの語にはさほどのこだわりはないからどうでもいいかな。【材料】ごはん 1膳分/豚肉 50g/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/サラダ油 小さじ1/水 200ml/カレーフレーク 大さじ2/パクチー(3cm幅) 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して豚肉、玉ねぎを炒める。水を加えて煮る。カレーフレークを加える。パクチー(半量)を加える。皿にごはんを盛ってかける。パクチー(半量)を散らす。 もともと大抵の場合、香菜はカレーに何某かの形で用いられているものだからこの組合せ事態はちっとも意外性はないのです。この料理のキモは香菜を青菜のようにして大量に食べるという点にある訳で、コリアンダーパウダーなどは一定量を超えるといくら足したところでさして味に差異は生じない気がしますが、生のままだと確かにほうれん草や小松菜をカレーにトッピングしたようなフレッシュさがあってなかなかに美味しいものでありました。 香菜を買い過ぎたり料理に時間をかまける余裕がないなどの時にはパクチーと豆腐のサラダが最も手っ取り早い一品になります。まあ買い過ぎて困ることは少ないし、時間に余裕がないなどとどの口裂けても言えない程度には自由になる時間を確保できてるんですけど。【材料】パクチー(4cm幅) 1束/絹豆腐(1cm角) 1/2丁/ピーナッツ(砕く) 適宜/【ドレッシング】ナンプラー・酢・ごま油・赤唐辛子(砕く)・スイートチリソース 適宜【作り方】1. 皿にパクチーを盛って絹豆腐をのせる。【ドレッシング】をかけてピーナッツを散らす。 料理って程のものでもないですね。でもとても美味しいです。唐突ですがまだ当分先のことになるけれど、退職後は料理にはできるだけ手間を掛けないようにしたいのです。よくよく思い起こしてみると手間や時間の掛かり具合が必ずしも料理の出来の良し悪しに比例しないことが分かってきました。それに素人料理では限界があることも承知しているので、本当に美味しいものが食べたいなら年に2、3度でもいいからちゃんとしたお店で食べるのが正解だと思うのです。この話はまだまだ語りたいことがありそうだから続きはまたにします。 続いては、焼き椎茸のパクチーとミント、生姜のチャツネ添えです。ELLE GOURMET 人気の料理レシピ 「冷奴の香菜とミント、生姜のチャツネ添え」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a48610/gco-2843/の安易な援用です。【材料】椎茸(焼く) 5枚/トマト(5mm各) 適宜/【チャツネ(混ぜる)】パクチー・ミント 1/4カップ/生姜 1/2片/塩 適宜/砂糖 小さじ1/2 【作り方】1. 皿に椎茸を盛って【チャツネ】をのせる。 なるほど。これはいいですね。ちょっとさっぱりし過ぎてるから何かしらオイルをちょい足しするとなお美味しくなりそうです。椎茸は塩だけとか醤油だけとかせいぜいバターを加えるとかシンプルなレシピがメジャーなようですが、そればっかりじゃ飽きちゃいますからね。 ずっと作ってみたいと思っていましたが、タイでもカオパッ パクチー(パクチーチャーハン)があるというので敬意を表して現地風レシピを作ってみることにしました。【材料】タイ米(炊く) 1合/ナンプラー 小さじ2/きび砂糖 適宜/油 大さじ1.5/【A(潰す)】香菜 1房/にんにく 1/2片/青唐辛子 適宜【作り方】1. フライパンに油を熱して【A】を炒める。タイ米を加える。ナンプラー、砂糖を加える。【備考】料理リレー レシピ集 「【カオパッ パクチー(パクチーチャーハン)】」http://cookingrelay2020.jp/2020/04/21/post-1941/ なるほど。まあ悪くないけれど、余りにも淡泊過ぎるかな。これに鶏ひき肉を加えるとかすればかなり美味しくなりそう。あと生の香菜を大量に散らすのもいいかもしれません。何にせよ、このレシピは完成形というよりはあくまでもベースになるものでこれ単独で食べるのはちょっと弱いかなあというのが正直な感想です。
2023/06/10
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駅と駅の中間地点にある酒場ってどうしても気になってしまいます。だからGoogle Mapなどをたまに眺めていると繁華な駅前をチェックするのはすぐに飽きてしまってさあどうしようかってことになり、いつのまにか気付くと画面は鉄道線路に並行して走る通り(当たり前ですが線路から離れると必然的に距離も伸びる訳で寄って帰るのも大変ですが、それ以前に訪れる意欲が湧きにくくなるのでした)を眺めてみたりします。そうするとたまに良さそうな物件が見つかることがあります。しかも線路に面した通り沿いであれば、車窓をじっと眺めていればよいまでのことで実際そうして視界を捉えた物件を求めて訪れて大当たりしたことだってあるのです。でも現実には線路に面した道沿いにそうしたいい感じの酒場を見出すことができることは極めて稀なのでした。大抵の場合、実は歩いてないとお目に掛かれぬ酒場の方がずっと多いように思えるのです。ってまあちゃんとした調査・統計データに基づく情報ではなく、あくまでも個人的な実感に基づくものでありますのでご留意ください。といったことをさももっともらしく欠きましたが、現実問題としては絨毯爆撃風に虱潰しにするのが結局効率よくリサーチできるはずで、じゃないと同じ場所を何度も行ったり来たりしてしまうのは実際に町を歩くのと似たようなものです。あちゃ~、うつらうつらしながら書いていたら何だかもう収拾が付かなくなってきたのでこれはそのまま放置して本題に入ることにします。 最寄り駅は新八柱駅になるでしょうか。JRの武蔵野線の駅です。でも最寄りといっても実際にはそこと新京成線の常盤平駅の代替中間地点にある酒場で、新京成線の線路に並行しているし、線路に面した通りから奥まった通りにあるから上段の文章はウトウトするうちに今回限りの実態に沿うよう後付けで書いたのだという気もしてきます。線路を挟んで向こう側には縄文の森があってそこには松戸市の文化会館である森のホール21や松戸市立博物館(常盤台団地を再現した展示は昭和マニアにはよく知られているところ)などがあるし、目指す酒場のある通りは常盤平さくら通りと呼ばれて桜の季節(八柱駅側がオオシマザクラ、常盤平駅を抜けてから五香駅側にはソメイヨシノが合わせて600本以上植えられているそうです)になると多くの花見客が訪れるようです。だからそんな季節に訪れていたら「とり藤」もきっと活気があったのかもしれません。しかし、とっくに桜の餅った今の季節は人通りもまるでなく周囲は鎮まり返っています。すぐそばにはスナック風の外観と「歌族」なる店名を持つ酒場もあったけれどこちらからも少しも客の気配は感じられぬのでした。さて、店内に入るとこうした酒場ではありがちなむっつりと言葉少ななキツイ視線を浴びせることになんら躊躇のない初老の夫婦が待ち受けていました。でもやけに愛想のいいのよりこういう風なのが初訪の酒場のあり様としては気分が盛り上がるのです。店内はオーソドックスな造りではありますが、程よく枯れていて好みの雰囲気です。酒も肴も値段はお手頃で焼鳥は手堅く美味しいし、煮込みは味噌仕立てのあっさりスタイルなのが嬉しいなあ。濃厚こってりなのは胃もたれするし何より食べていて飽きてしまうのです。つまりなかなかいいのですよ。自分の行動範囲であれば月に一度程度は通ってみたいなあなんて思うし、そのうちにこちらの夫婦の態度が軟化する過程も経験したいなんて思うのですが、現実には難しいのが残念です。
2023/06/09
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今回のテーマは鶏肉であります。ただ今日は文章を書く気力が減退しているので、生きているうちに一度でいいから是非食べてみたいけれど、このまま惰性で日々を過ごしていては今後まず出会うことも口にすることもなく人生の終焉を迎えることになるであろう鶏肉料理を紹介することにします。と言っても吉田健一氏が英国の批評家県作家による小説からその手順などを要約したものを引用したということをお断りしておきます。出典は「文学に出てくる食べもの」であります。-- その作者のシリル・コノリーというのは英国では知られている批評家で、それが久し振りに、「月桂冠に蔭を」という小説を書いたのがそれなのである。そして献立にもあとで触れることになるかも知れないが、ここで挙げたいのは、一同が食事がすんで応接間に行ってから、その老大家の妻が皆に話して聞かせるあるとてつもない料理の作り方である。これは林房雄氏の海百足のバタ焼き以上に、ありそうにもないものであるが、やはり、食べてみたくなる。 先ず大きなオリーヴの実を一つ取って、種を抜き、中にアンチョヴィーと白花菜の蕾の漬けものを詰め、これを上等のオリーヴ油に漬けてから、ヨーロッパ産で無花果を食う種類の頬白の頭と爪を落とした中に入れ、これを、骨の大部分を除いてやはり頭と爪を取った太った嵩雀に詰め、更にそれを肥えた鶉の中に入れる。そしてこれを葡萄の葉で包んで中位の千鳥に詰め、その廻りに薄く切ったベーコンを巻いて若い小綬鶏の中に入れ、それを食べ頃の山鴫に詰めて、パン粉を軽くまぶして小鴨に入れ、その廻りにもベーコンを巻いて、生まれてからまだ一年たっていないほろほろちょうの中に入れ、これを最上の鷄の中に、そして鷄を、ちょうど、食べ頃になるまで吊しておいた雷鳥の中に、雷鳥は殺したばかりの、まだ足も嘴も軟い鵞鳥の中に、そして鵞鳥はクリスマス用の七面鳥の中に入れて、もし出来れば、これを更になるべく大きな野雁に詰める。 しかし仕事はまだこれからで、今度はこの手が込んだ詰めものの隙間という隙間を粟とこま切れの肉とパン屑で塞ぎ、これを丁子を刺した玉葱と、ハムを細く刻んだのと、セロリと、荒く砕いた胡槻と、多量のベーコンと、塩と普通の胡椒とその他の香料と大蒜と一緒に大きな鍋に入れて、上にパイの皮を被せて密閉し、天火で二十四時間、とろ火で煮る。そうするとつまり、これだけの森や、沼や、野原や農園の滋味が次第に溶け合い、同時にその一つになった精気が中まで染み込んでオリーヴの実に溜る。そこで先す野雁を聞いてこれを捨て、次には七面鳥、その次は鵞鳥、雷鳥、鷄、ほろほろちょう、小鴨、山嶋、小綬鶏、千鳥、鶉、嵩雀の順で捨てて行き、最後に残った頬白の中からオリーヴの実を出して、つまり、それを食べる、というのである。 これ以上に贅沢な料理は先ずないと思うが、そこまで行くならとてものことに、そういう方法で大きな入れものに一杯になる位、オリーヴの実を煮て、これを擦り潰してパンにつけて食べたらうまいだろうと思う。 コノリーは食通、殊に果物の通人、および酒通として知られていて、この小説は確かに食べられる。実は、この晩餐の翌日がこの老大家の誕生日で、その時はもっと凄い御馳走が出ることになっているのであるが、小説では、老大家がその御馳走を見ずに翌朝、心臓麻癖で死ぬのは残念である。老大家も、しまった、と思ったに違いない。-- これを果たして鶏肉料理と称していいものか疑問も残るところでありますが、夥しい種類の食材の旨味のエッセンスが全てちっちゃなオリーブの実に集約されるというのが凄まじいです。コンソメなんかもそうですが、素材の旨味を極限まで引き出して単なる出汁殻と成り果てた食材は廃棄するのがグルメの極致かもしれませんが、どうやらぼくにはそこまでの境地に至る資質はなさそうです。余程の衝撃がぼくにもたらされぬ限りはこれまで通りブロイラーも食べるだろうし、旨味の抜けた出汁を取った後の肉だって食べ続けることになりそうです。 まずは、「鶏モモ肉の赤ワインヴィネガー煮込み」です。鶏肉の白ワインビネガーの煮込みは何度も作っていて大いに気に入っていますが、赤ワインビネガーだとどんな感じになるのか楽しみです。【材料】鶏もも肉(塩、胡椒する/小麦粉をまぶす) 2枚/小麦粉 適宜/にんにく 2片/ベーコン(1cm角) 2枚/玉ねぎ(1cm角) 1個/マッシュルーム(2等分/薄切り) 6個/トマト(1cm角) 1個/タイム 1枝/オリーブ油 大さじ2/赤ワインビネガー 200ml/白ワイン 100ml/水 200ml/バター・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して鶏もも肉を焼いて取り出す。ベーコン、にんにく、玉ねぎ、マッシュルーム、塩(順に加える)を入れて蓋をし、弱火で加熱する。鶏もも肉を戻す。赤ワインビネガー(半量)を加えて煮詰める。赤ワインビネガー(半量)を加えて煮詰める。白ワインを加えて煮詰める。水、トマト、タイムを加えて蓋をし、中火で煮る。鶏もも肉を取り出す。バターを加える。切り分けた鶏もも肉を戻す。【備考】料理リレー レシピ集 「鶏モモ肉の赤ワインウ゛ィネカ゛ー煮込み】」http://cookingrelay2020.jp/2021/01/31/post-15682/ 美味しいですねえ。でもビネガーの違いがどう仕上がりに影響しているかどうも感じ取りにくいのです。このレシピ、ビネガーは赤なのにワインは白というのもちょっと不思議な感じです。赤―赤の組合せならかなり仕上がりに違いが出るんだろうなあ。 トルコ料理のタヴック・キョフテシ(下写真右側)を作りました。キョフテシって中東を中心に世界各地で食べられていてその呼び名はキョフテだったりコフテだったりするけれど、肉や豆の団子みたいなものですね。ちなみに想像通りタヴックは鶏肉を意味しています(ちなみに羊肉はクズ、牛肉はダナ)。一見すると面倒そうですが、作ってみるとあっという間です。【材料】鶏ひき肉 400g/パン粉 100ml/玉ねぎ(おろす) 1個/パセリ 1枝/トマトペースト 大さじ2/卵 1個/牛乳 50ml/塩・胡椒・カイエンペッパー・クミンパウダー・サラダ油・ケッチャプ 適宜【作り方】1. 鶏ひき肉、玉ねぎ、パセリ、トマトペースト、卵、牛乳、塩、胡椒、カイエンペッパー、クミン、パン粉を加えて捏ねる。ゴルフボール大のミンチを小判型にまとめて揚げ焼きにする。2. 好みでケッチャプを添える。 近頃は肉の塊よりもこうしたハンバーグっぽい肉料理が気に入っています。年齢相応の体質にはこちらが合ってるみたいです。ビニール袋で練るようにしてからは手にくっついてイライラすることもなくなったからってのもありますけど。きっちり絞り出し切れるのもいいですね。 このレシピ、どこかから拾ってきたのですが、なんか解せないのです(その理由は後述)。を中近東風ひな鶏のマリネ(上写真左側)です。【材料】ひな鶏(2等分/【マリネ液】に漬ける) 2羽/オリーブ油 小さじ1/【マリネ液(混ぜる)】にんにく 2片/塩 大さじ1/胡椒 適宜/白ワイン 大さじ4/ザター 小さじ2/スマック・クミンシード 小さじ1/オールスパイス 小さじ1/2/レモン汁 1/2個/オリーブ油 大さじ1【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱しひな鶏(皮目下)を入れて蓋をし、中火で5分、弱火で15分蒸し焼きにする。裏返して【マリネ液】を加え、10分蒸し煮する。【参考】ザター(ザタール)[中東全般]【材料】ドライタイム・ドライマジョラム・金ごま・スマック・クミンシード 大さじ1/塩・胡椒 小さじ1【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 美味しいなあ。で解せない理由ですが、この料理の唯一のキモになるのがザターとしうミックススパイスを用いる点ですが、ザターで用いている材料がかなり被っているのが不思議なのです。まあどうでもいいことですけど。 ジャマイカ料理のブラウンシチューチキン(brown stew chiken)です。ってどこがジャマイカ風なのかよく分からないのですが、まあきっとそれなりに美味しくなりそうなことは材料を眺めていて分かります。【材料】鶏肉(一口大/ライム汁、塩、胡椒を揉み込む) 500g/ライム汁 1/2個分/塩・胡椒 小さじ1/玉ねぎ(1cm角) 1個/長ねぎ(粗みじん切り) 1本/ピーマン(1cm角) 2個/トマト(1cm角) 3個/にんにく 3片/生姜 1/2片/赤ワイン 大さじ2/オリーブ油・ドライタイム 大さじ1/バター 10g/中濃ソース 小さじ1/醤油 小さじ2/水 2カップ/小麦粉(水と混ぜる) 大さじ1/水 大さじ2【作り方】1. ボウルに鶏肉、玉ねぎ、長ねぎ、ピーマン、トマト、にんにく、生姜、赤ワインを入れて揉み込んで一晩寝かす。鶏肉を取り出す。2. 鍋にオリーブ油を熱して鶏肉を炒めて取り出す。バターを熱して1.の野菜を炒める。ドライタイム、中濃ソース、醤油、水を加えて中火で10分煮る。鶏肉を戻して弱火で30分煮る。水溶き小麦粉を加える。 ジャークシーズニングを用いた料理ほどには味が複雑じゃなくて、むしろ食べやすいかもしれないです。ぼくはスパイシーな味を好みますが、体調がイマイチならこちらがいいかもなんて思いました。
2023/06/08
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あの人に会いたいという理由で呑みに行く酒場があります。会えるうちに会っておかないともう二度と会えなくなるかもしれませんから。と、人恋しいとか懐かしいとかあの人と会いたいといった感情の有り様を昔のぼくは大いに嫌ったし、そうした感情を抱いてしまう自身の弱さを大いに恥じたものでした。今はそうした感情には無理に突っ張ってみせるなどという子供っぽさは抜けたと思っていますが、それでも矢鱈に人に見せる発言だったり仕草ではないものと思っています。最近の若者(といったことをいうのがおっさんの証左となります)はそれにしても余りにも簡単に懐かしいとか言いますね。まだ20歳そこそこのガキに過ぎに野に数年振りに会った程度の相手や物事にあっさりと懐かしいとか言えてしまうのです。その傾向は女性たちに多く見られましたが、今では性別に関係なくすぐに懐古的な言葉を発してはぼくをゲンナリとさせるのです。それはもしかすると若者たちが未来に希望を見出せず過去の良い思い出にすがっているようにも思えて苛立つと同時にそんな後ろ向きの思考を招いたのが年長たる我々にも責任の一端があるかと思うと暗澹たる気持ちにもなるのでした。と話が思いっきり脱線しましたが、ぼくにも年に一度、いやそれよりも少ないかもしれませんが、たまにその健在ぶりを確認したくなる人が何人かはいます。その中には居酒屋の店主なんかもいて、馬橋のとある酒場の主人にもその健勝を見届けるためにお邪魔することもあるのです。 馬橋で呑む機会もめっきり減りましたが、「ニカカレーショップ」のバングラデシュ出身のトニーさんにもたまに会いに行きたくなります。初めて訪れたのはもう随分前のことになりますが、当時はわずかなお客さんがいるばかりだったのが、テレビで放映されたりして今ではすっかり人気店になりおおせたのです。やはりこの晩も混み合っていてとても入り込む隙はなさそうです。以前は別な店舗跡だったのがいつしかお隣は壁を隔ててはいるけれど拡張した店舗となっていました。混雑したらそちらに回されるってことね。ところが、これまた気付かぬ間に「カネル スタミナラーメン」なるお店に変わっているようです。もしやと思い、混み合うトニーさんの店に顔を出すと、隣で大丈夫かいとラーメン店を標榜する店舗に案内されました。こちらにも店の女性がおられますが、トニーさんと対等の関係なのかそれとも別店舗を任された従業員なのかは最後まで知り得ることは叶いませんでした。とにかく両店は地続きで双方で互いのつまみを注文できるスタイルのようなのです。先客はお二人。母子で来られているトニーさんとこの最古参の常連さんとのこと(ちなみにお亡くなりになられたこの方のご主人はγGTPが4,000越えだったそうです、すごい)。定番のマカサラのお通しに自家製厚揚げを注文。せっかくなのでこちらの店舗でお勧めのスパイス担々麺も注文しました。とてもスパイシーで美味しい。こちらでは牛肉のリエットや手羽先パクテーなどのオシャレもしくは個性的な品もあって飽きさせないのです。ここのお客さんはご高齢の方が多いのですが、高齢者って食に保守的なイメージがありますが、ここの常連たちはこうした料理も好んで召し上がっているのが頼もしいのです。今回は滅茶苦茶忙しそうでトニーさんにあまり構ってもらえませんでしたが、元気なお顔を見れて嬉しかったです。
2023/06/07
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今回のお題はきゅうりです。トマトと並んで夏の野菜というイメージの強いきゅうりですが、今では年中食べられるからさほど季節感のある野菜ではなくなってしまったのが少し寂しい気がします。と書くとさもぼくがきゅうり好きって感じですが、実はそこまでではないのです。糠漬けで食べるもしくはきゅうりサンドイッチは確かに好きだけれど、きゅうりが主役の座を占める料理はそれ以外はあまり思い当たらないのです。古風な日本式サラダや刺身のツマなどの付け合わせ程度になる位です。スティックサラダと言わず丸のままの丸かじりはまあ悪くないけれど、いかにも脇悪扱いなのです。ちょっと気になっているのは食い合わせです。食い合わせ次第で思いがけない食材風に変貌するんじゃないか。先般、取り上げた都甲潔著『プリンに醤油でウニになる-味覚センサーが解明した仰天の食の謎』でありますが、プリンに醤油でウニ風といった体できゅうり+ハチミツ=メロンというのはよく知られたことでありますが、恥ずかしながらまだ試したことがないのです。まあ、どちらも瓜の仲間どうしだから驚く程ではないかもしれません。もう一つ例として挙げられているもの「メロンサワー=焼酎+キュウリ」といものがあります。これもまあ先とそうは変わりませんが、きゅうりに限らず様々な食材の食い合わせというのは面白いと思っています。でもそれできゅうりの新しい魅力に気付いたとして、それが例えばメロンって美味しいものだなあと感じるのであって、きゅうりってメロンに負けぬ位に美味しいものだってことにならないのがこの食い合わせの限界なのかもしれません。 北欧各国でもきゅうり甘酢漬けは食べられているようです。かの地のきゅうりは太くて硬いとかいうことだから日本のきゅうりで作ったところで、また別物ってことになりかねませんが、まあどちらにせよ美味しいと思われます。【材料】きゅうり(小口切り) 500g/【漬け酢(混ぜる)】砂糖 130ml/塩 大さじ1/酢 100ml/水 170ml/ディル /ディルシード 大さじ1/マスタードシード 大さじ1/2【作り方】1. 保存容器に全ての材料を混ぜて漬ける。 うん。ちゃんと美味しいけどこれだけで酒が呑めるとか飯が食えるってものではないですね。やはり付け合わせの域を越えません。 続いては思い付きのヨーグルトソースときゅうりのパスタです。ケバブチェを食べた際に作ったソースを使いました。ヨーグルトときゅうりは相性が良くて世界中で食べられていますが、ようやくぼくもこの組合せになれました。【材料】カッペリーニ(茹でる/冷水で冷やす)・きゅうり甘酢漬け・【ケバプチェ用ヨーグルトソース】・塩 適宜【作り方】1. カッペリーニ、【ケバプチェ用ヨーグルトソース】を和えて皿に盛ってきゅうり甘酢漬けをのせる。【参考】ケバプチェ用ヨーグルトソース【材料】ヨーグルト(水切り) 200g/塩・パプリカパウダー・マジョラム・ディル・油 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 ひんやりとして比例数でしっかり冷水で冷やしたカッペリーニにこのさっぱりしたソースはてても合っていました。久々のヒットレシピかも。 きゅうり甘酢漬けとじゃがいもを混ぜた1つ目のレシピです。ポテトときゅうりのヨーグルトソースです。【材料】じゃがいも(皮を剥く/一口大/茹でる)・きゅうり甘酢漬け・【ケバプチェ用ヨーグルトソース】 適宜【作り方】1. 皿にじゃがいもを盛って【ケバプチェ用ヨーグルトソース】をかけ、きゅうり甘酢漬けをのせる。 実に想像通りの味でしたね。もうちょっとコクがあった方が美味しいかな。これだとちょっとさっぱりし過ぎに思えました。 銀座の老舗洋食店『煉瓦亭』にはキウリサラダがあります。『dancyu』ではその『煉瓦亭』のクラシカルなサラダのレシピが数品が紹介されていました。当然に作ってみることにしました。【材料】きゅうり(ピーラーで縞目に剥く/) 2本/ドレッシング(煉瓦亭) 大さじ1.5/マヨネーズ(煉瓦亭) 大さじ1/【飾り用】レタス・紫玉ねぎ(薄切り)・パセリ・塩 適宜【作り方】1. きゅうりの①端から大きな斜め切りを2つを切って縦薄切り(10枚)。②長さ5㎝に切って中央に切り込みを入れ、上下から斜めに切り込みを入れて切り離す。③残りの部分を縦半分に切り、表面に細かく切り込みを入れて切り目に逆らうように切り込みを入れる。器の奥にレタスを敷いてきゅうりをのせる。塩をふってドレッシングをかけ、マヨネーズをのせる。紫玉ねぎ、パセリを添える。【備考】dancyu 「孔雀のような美しい盛りつけの""キウリサラダ""」https://dancyu.jp/recipe/2020_00003177.html 他に煉瓦亭のドレッシング、マヨネーズ、レタースサラダ、セロリーサラダ、アスパラサラダ、トマトサラダなどのレシピが掲載されていましたので興味のある方はそちらを参照ください.,.
2023/06/06
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容易に足を踏み入れ難い酒場などほぼ存在しないと豪語するつもりはないけれど、行列のできる店、見るからに高級店、見るからにその筋の息が掛かったお店なんてのを別にすると、さして躊躇することもなく暖簾をくぐる程度の度胸はあるとひとまず言ってみる。でもこれは全くの嘘なのだ。店の前に立ってみたはいいけれど、いざ足を踏み入れる段になるとすくんでしまってあと一歩がどうしても踏み出せないこともあるのです。例えば目星を付けていた酒場に向かってさあもうすぐだという段になって遠目にDAMの看板を見ると途端に警戒警報が鳴り響くのであり、それでも何とか店の前に立ってみるとあろうことかカラオケ大合唱なんていうことがある。酔ってたらまあ思い切る場合もあるけれど素面ならまず見送ることになるのです。こういう店というのはもともとはオーソドックスな居酒屋だったのが徐々に客の要望なんかを受け入れてカラオケスナック化するというプロセスを経る場合が多いように思うけれど、店の開業時から歌とともにある酒場というのが存在します。民謡酒場であります。かつては演芸の町、浅草を中心に多くの民謡酒場が誕生し大いに繁盛したそうですが、今はどの位、現存するのか調査結果を知りたくはあります。苦手とする酒場について調べる根性はありませんけど。喫茶店では歌声喫茶が苦手なんですが、歌声喫茶はカラオケのある居酒屋同様に客自らが歌うのに対して、基本的に民謡酒場はプロもしくはセミプロなりの歌い手の歌声を聞かせること目的としている点に違いがあるもののいずれに対しても苦手意識を拭えぬ点で一致するのです。そういうコンセプトらしいのでオーソドックスな民謡酒場にはステージがあってそこが他の居酒屋にはない独特の風情をもたらします。ちょうど今や失われつつある慰安旅行における宴会会場の大広間といった場で呑むのと似ているようにも感じられます。千駄木に「民謡の店 おばこ」がありますが、そこは基本的には一般的な居酒屋が店の方と語らううちに自慢の喉を披露頂ける場合もあるというスタイルとなっているから標準的な民謡酒場とは別物と捉えるべきでしょう。 さて、そんな絶滅危惧種の民謡酒場がなんと八柱に残存しているらしいのです。とさも極秘情報を受け取ったかのような素振りをしましたが、実はこちらのことは以前から見知ってはいたのです。「民謡酒場 おけさ」です。ただ入ってみるだけの勇気が持てずにいたのです。今回は何があっても入るという強い意志をもって臨んだのでありまが、それ以前に果たして今でも営業しているのかが気になるところです。とまあこうして書くからにはちゃんと営業していたのですけど。迷いのある場合は迷う間もなく突撃するに限ります。が、ここは戸を開けても玄関で靴を脱ぐ式なので、二段構えの気合を要します。襖の向こう側に人の気配がするので声を掛けると上がってくださいとのお返事あり。靴を脱いで上がると年配の女性が迎えてくれました。典型的な民謡酒場ですね。広間にステージという店内は酒場好きの好むそれとは幾分違っているようですが、いつもと異なる状況に気分が高揚するのでした。瓶ビールを呑みながら年配ご夫婦から民謡酒場やこの店の歴史などいろいろお聞きすることができました。1960年代の高度成長期に園芸文化の中心地である浅草を筆頭に雨後の筍のように次々と開業したようです。先般復活を遂げた「民謡酒場 追分」(現在は「和ノ家 追分」として営業)などが知られています。こちらはやや遅れて昭和44年に開店、当初は注文建築で結構な費用を充てたそうですが、とある事情から7年目には取壊したそうです。その意外な理由は直接ご本人からお聞きください。当時は、近隣でも柏と流山にそれぞれ2軒存在したそうでその隆盛からの衰退の過程の速さに驚かされます。そういえばつい最近にも駒込の「民謡酒場 つがる茶屋」が店を畳んでおられました。1年前には営業してた気がするんだけどなあ。結局迷ってばかりで一度の入店も叶わなかったのが今となると至極残念に思えます。ぼくの手持ちのメモには押上に「民謡 栄翠」、戸田に「民謡居酒屋 べに笠」が残っているようです(例外的に沖縄にはまだ数多くの民謡酒場があるそうです)。といった次第で今ではステージが使われる機会もめっきり減って、広間は普段はお二人の茶の間状態となっているようですが、お二人から店の盛衰などのお話を伺っているだけでも貴重な時間を過ごさせてもらったなあと思い出に残る一軒となりました。
2023/06/05
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そば好きを自称しておきながら、久しくちゃんとした美味しいそばを食べていない気がします。そもそも美味しいそばといっても感じ方は人それぞれでありますから、ここで言うところの「ちゃんとした美味しいそば」というのは町場のそば屋や立ち食いそば屋なんかのそばではなくて、そば職人が手打ちした麺を提供するようなお店のそばのことです。そうした本格派のそば屋に行っていないわけではないのです。それなりに知られたそば屋にも行ってるんですが、なんともお恥ずかしい話ながらうっかりそば前を食べ過ぎ呑み過ぎてしまったりしてそばにまで至らないことが続いているのでした。そういう無作法的所業を続けていては出禁店が増えるだけならまだしも、自分自身が大事なものを取りこぼすことに慣れ切ってしまいそうです。恐らくはまだしばらく呑み歩くことになるだろうから,そろそろ本気で己の振舞いを正さねばならないと思ってみたりするのです。といった反省めいたことを語ってはみるけれどそば前なしに酒を呑むのもなんか違う気がするし、でも一人ならまだしも人と吞んで何かつまみながら呑むとたかだかもりの一人前すら食べるのが億劫に思えるから、己の食欲の減退が恨めしいのです。それで帰宅すると腹が減るんだからどうにもやり切れないのです。ということでそば屋への提言があります。ミニそば、板わさやだし巻き、そば味噌などの定番おつまみとドリンク1杯(できれば2杯)のセットメニューを提供して欲しいと切に願うのであります。ということで今回はそばです。一人で呑むならそばでもラーメンでも肴になるからそばで呑みたければ自宅とするのが穏当なのかなあ。 おかめそばなりのそばにはちょくちょく茹でたほうれん草が飾られています。だからまるで新規性がないのでありますが、買ってきたほうれん草の状態が良くなく急いで食べねばならなかったので、こうした安直レシピになってしまいました。ほうれん草そばです。【材料】そば(茹でる) 1人前/ほうれん草(茹でる) 1/3把/鶏胸肉(そぎ切り/茹でる) 40g/めんつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそば、そばつゆを盛ってほうれん草、鶏胸肉をのせる。 これが案外美味しいんですね。同様のものでは春菊そばもしくはせりそばが一番と思っていたけれど、ほうれん草も負けてはいないです。あったかいパクチーそばなど菜っ葉系は大概イケそうです。 シンプルな茹で卵のディップが気に入って最近時々作ってます。これだけでもまあいけなくはないけれどちょっと弱い気がしたので、冷蔵庫にあったベーコン、レタスものせてBLTそばにしました。【材料】そば(茹でる) 1人前/卵(茹でる/マッシュ/塩、胡椒、オリーブ油を混ぜる) 1個/ベーコン(3mm幅/炒める) 1枚/レタス(千切る) 適宜/めんつゆ・マヨネーズ 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってすべての材料をのせる。 まあ、これも悪くはないですが、これはやはり食パンでサンドして食べる方がより美味しいです。 冷蔵庫に調味料やピクルスなどしか入っていなかったのでありあわせでハラペーニョそばを作りました。【材料】そば(茹でる) 1人前/ハラペーニョピクルス(小口切り)・フライドオニオン・刻みのり・めんつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそば、めんつゆを盛ってハラペーニョピクルス、フライドオニオン、刻みのりを散らす。 これはこれで普通に美味しく食べられます。でもちょっとコクが足りない気もするので、オリーブ油を垂らすとかしたらもう少し満足度が上がったような気もします。 シンプルなレンズ豆のスープを作ったのですが、シンプル過ぎて飽きちゃったので、そばを入れてレンズ豆そばにしました。【材料】そば(茹でる) 1人前/レンズ豆・ニンジン(みじん切り)・玉ねぎ(みじん切り)・にんにく・顆粒コンソメ・塩・胡椒・オリーブ油・水 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して、ニンジン、玉ねぎ、にんにくを炒める。水、レンズ豆、顆粒コンソメを加える。塩、胡椒する。2. 丼にそばを盛って1.を注ぐ。 ちっとも違和感がないです。これはそのままこのスープの炊いたそばの実を入れても間違いなく違和感がないのと同様です。ベーコンなんかを加えるのもいいですね。でもレンズ豆のスープって悪くないのですが、どうしても脇役感が強過ぎて、どことなく貧乏くさい気がしちゃうように思えるのです。
2023/06/04
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米が好きです。若い頃にはごはんが好きと声高に訴えるのが恥ずかしいことのように感じられる時期があって、それは世間でパスタに代表されるイタメシやらが流行ってみたり、メインディッシュにはパンを添えるのがオシャレなんて風潮があったりしたからかもしれません。ファミレスなんかでもランチセットでパンかライス(!)を選ばされると、ついパンを頼んでしまったりしたものです。インド料理店でも然り、ライスはいかにも農耕民族たる証のようでついインド人がそれほど食べているってことでもないというナンを付けて貰ったりしたものです。でも、それはとてもアホらしい拘りだったと思えるようになりました。食べたいものを食べりゃいいんだよって近頃は思えるようになりました。そして一方で、米を主食として食べるだけでなくある料理の食材の一つとして捉える視点を持ちえたのです。特にヨーロッパなんかでは米を野菜として扱うなんて言われますが、それが理解できるようになってきたのです。なので、米を食材の一つとした世界各地の料理を作るようになっています。ぼくはバスマティライスやインディ米などの長粒米も好んで食べていたのですが、最近はそうした料理にもふるさと納税で手に入れた日本の米を使って調理しているのです。まあ水加減を控えめにしたらそうは違わないと思っていたのです。ところが以下の書籍を読んでぼくがこれまで食べていたと思っていた世界の料理は現地のものとはもしかすると全くの別物と思えてしまうに考えが至ったのでした。-- 輸入米は国産米に比べ、味の違いが大きいのである。(中略)国産米と輸入米でそれぞれグループを作っていることがわかる。タイ産米、中国産米、アメリカ産米は国産米とかなり違ったところに位置する。味が違うのである。ところが、オーストラリア産米は福岡天恵米と近いところに位置する。都甲潔著『プリンに醤油でウニになる-味覚センサーが解明した仰天の食の謎』-- なんちゅうこった。斯様に明らかな差異があるのであれば仕上る料理の味も違ってくるはずです。仕方ない。今後はできるだけ現地の米に近いものを入手してできるだけ似た味の米で料理することにしよう。ってことを思っているのですが、今回はほぼ無国籍かつ出鱈目な主食としての料理であるからして米もどこの国のものだって構わないということにするのでありました。 ゆかりと粉チーズごはん……、う~ん、載せるのやめておこうかなって、改めて見ると思わず思ってしまうけれど、ここまで書いてやめるのも悔しいので恥を忍んで書くことにします。【材料】ごはん・ゆかり・粉チーズ 適宜【作り方】1. 茶碗にごはんを盛ってゆかり、粉チーズを散らす。 でもまあ間違いなく美味しい事は美味しいんですよね。でも食事できる回数も限られているし、残りの機会をこのような粗食で費やしてもいいのかは検討の余地がありそうです。 といってたくあんとザターのごはんなんてものも作ってしまうのでした。SDGsやら至極もっともな目標ではあるけれど、節度ある程度の食べ残しは仕方ないんじゃないかねえ。とわずかに残っていた古くなったたくあんを消費するのでした。【材料】ごはん 1膳分/たくあん(千切り)・ザター・バター 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 ザター(ザタールの呼び方が一般的かな)ってこれにもゆかりと似た風味のスマックを使っているので、最初のと被っているけれど気にしないのだ。こうしたミックススパイスというかふりかけみたいなのって色々試してみたけど(デュカ、ハリッサ、ハワイジュ、ポルサンボルなどなど)、どれも個性があってごはんのお供には大概合わせられそうです。 初めて茹で落花生を食べた時のことは未だによく覚えていて思い出深いけれどここでは割愛。ラミネートパックされたのを入手したので、そのまま食べたらあっという間なので、茹で落花生のバターごはんに誂えて嵩増しすることにしました。【材料】ごはん 1膳分/茹で落花生(醤油に漬ける)・バター 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 このごはんで高級な食材を嵩増しするというのはSDGsに適っているのではないか。例えばトリュフ塩もそのままだとすぐになくなってしまうけれど、湯気の立ったごはんなんかと合わせるとその持ち味足る芳香を少量でも存分に楽しめるとは思うのです。 千葉の香取市にある老舗洋食店「東洋軒」の名物のひとつであるインディアンライスの格下げ模倣飯です。【材料】ごはん 1膳/豚肉(ロース/塩、胡椒する) 1枚/塩・胡椒・ウスターソース・みりん 適宜/サラダ油 小さじ1分/ピーマン(みじん切り) 1/2個/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/バター 10g/顆粒コンソメ 小さじ1/カレー粉 小さじ1/塩・胡椒・グリーンピース(茹でる) 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して豚肉を焼く。ウスターソース、みりんを加える。2. フライパンにバターを熱してピーマン、玉ねぎを炒める。ごはん、顆粒コンソメ、カレー粉を加える。塩、胡椒を加える。3. 皿に1.を盛ってグリーンピースをのせる。2.を添える。 ロース肉がなかったので豚の切落し肉を使用。ロースとはかなり食感が違うけれど、まあ冷凍庫になかったから仕方ない。と思ったのはグリーンピースを飾ればそれなりに様になるだろうと見越してみたのですが、うっかり見落としてしまいました。なので、現物とは全く見た目も違いそうです。まあ、そこそこ美味しくできたからいいかな。シンプルな割には美味しいですね。
2023/06/03
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日暮里駅前のタワマン建設ブームもひと段落したのか、近頃は町の様子も落ち着いたように見えます。このタワマン住まいの知人がいるのですが、彼と呑むことになりました。いつも思うのですが、ぼくにはこういうタワマン住まいは無理なんだろうなあと思うのです。理由はいくつかありますが、一つ目の理由は極度ではないけれどそれなりの高所恐怖症の気があるからです。タワマンでも下層階に住めばそれは解決するのでしょうが、こうした集合住宅にはカースト制度が導入されているようなのです。どうも都心のマンションに限った話ではないようですが、近頃はご近所付き合いという文化が廃れつつあるようです。他人事のように語っていますが、ぼく自身もそれを自覚しているのであります。だったらカースト制度など無視してしまえばそれで事は済むようにも思えますが、どうもそう簡単な話ではないようです。それと夜中にちょっと酒を切らしてしまったりしてコンビニなんかに買い物に行こうとしても高層階だと降りて買い物を済ませて戻るだけでも相応の時間を費やさねばならないと思われ、実際にはさほどの時間を要せずとも想像を巡らせるだけでウンザリしてしまうのです。大した時間ではないだろうっていう人もいるでしょうけど、ぼくは待つのが大嫌いなのです。時間を無駄にするのが必ずしも嫌なんじゃなくて待つという行為が嫌いなのです。尿意・便意が差し迫った場合にはどうするんだろう。ぼくは階段を駆け上がって何とか自宅に駆け込んで間に合う程度のフロアーで充分です。まあきっとこういう大きなマンションだと住民専用の共同便所もあったりするんだろうなあ。数年前の台風かなんかの天災により二子玉川の高層マンションの上層階の方たち(に限らず資産価値が大いに下がったとの報道もありましたから全ての居住者かもしれません)が大変な思いをしたこともあってますます苦手意識が強化されたのでした。 さてまあそんな巨大ビルだらけになった日暮里ですが、低層階がテナント物件となっている場合も多くて、大概は味気ないけれど時折ユニークなお店もあって実は案外嫌いじゃないのです。実は駅前ロータリーのマクドナルドの裏手にある「そば処 太宝家」もそんなテナントの一軒だと思い込んでいました。でも改めて眺めてみるとここは単独のビルで周囲からは埋もれて見える低層4階建ての建物だったのですね。昭和32年開業(この情報は店の便所のカレンダーにて知りました)の老舗そば店ですが、かなり以前にリニューアルしたということのようです(というのがこの店の存在を知った時点ですでに今の状態だったはずでそれも随分昔のことだから)。実は緊急事態でどうこうって時期に一度お邪魔しようと訪れたことがあったのです。呑めるか伺ったところ、酒の提供を自粛しているということでご遠慮差し上げた次第で今回はそのリベンジとなるのでした。品書きが表に下がっているので酒の肴も充実していることを知っていたのです。店内はモダンな装飾で表の屋外エレベーターにも視界を狭められた目に付きにくい立地に見合った洞穴風のドーム風の天井が洒落ています。そこそこ年配のご常連らしきお客さんたちが中心で2,3名程度でゆったりした雰囲気で呑まれています。リラックスしたいい感じだなあ。と余韻に浸るのもそこそこに矢継ぎ早に酒と肴を注文します。お隣さんは冷奴とそば味噌でちびりちびりやってますがそれもいいなあと思いつつも、目の前に次々並ぶ肴はどれも美味しかった。特にさほど食材として興味を抱けない牛すじの煮込みはぼくをして旨いと思わせるものでした。カツとじもすごい肉厚で旨いなあ。安くはないからちょっと贅沢ですけど、そば屋吞みってやっぱりいいなあと思うのです。ただ肴の食べ過ぎでそばまで至らなかったのは至極後悔の残るところです。先に2人で呑んでいたのですが、遅れてタワマン住民が登場。店の女将さんとは顔見知りのようで女将さんは驚いておられました。おやおや、前段にて現代はご近所付き合いという交流スタイルが崩壊しつつあるなどと書いたばかりですが、日暮里ではまだ保たれているようですね。
2023/06/02
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ぼくの育った家庭は、カブとはとんと無縁でした。だから実家を離れて自炊するようになっても食材としてカブを手に取ることはないままに、稀に定食屋なんかで外食した際に添えられていたお新香にカブを認めた位でしかなかったのです。当たり前のようにカブを食べるようになったのは社会人になって随分だってからのことだったと記憶します。そこまでの浪費家ではなかったけれど、家計はいつだって火の車で(それは今でもそうは改善されてはいないかも)、近所のスーパーに出掛けては見切り品や特売品などに頼っていたものです(これまた今でもそう変わっていません)。そんな見切られ品の定番だったのがカブでした。一般にカブは、根(いわゆる実の部分ですね、胚軸と呼ぶのが正しいようです)と葉になりますが、見切られた商品では傷んだ葉が切落されて胚軸部分のみで売られていました。葉は葉で確かにまあ美味しいのですが、やはり本命は本体部分でありますからそれで十分でした。当初は糠漬けにしたり、スライスしてサラダに加えたりと専ら生で安部ることが多かったのです。日本の家庭料理レシピにある煮付けにしたのはぼくには実がホロホロと柔らかすぎてどうも好きになれなかったのです。今ではそれも悪くないと思えるようになりましたが、火を通すのであればグリルしたものを好んで食べるようになりました。その方が表面がパリッとして、中は多少の噛み応えを留めつつも柔らかくなってとても気に入りました。焼いたカブの美味しさを知ってからは食卓に登場する機会も格段に増えました。しかし、特にこの半年ほどは元値そのものが高くなったように思われ、食べたいと思っても手に取るのを躊躇してしまう状態が続いているのです。見切り品をほぼ常時扱っていたスーパーマーケットは既に廃業してしまいましたが、今もやっていたとしたら当時の価格通りお手頃に買えたんだろうか、気になります。 ネットで見掛けたレシピ、かぶの生ハム巻きを作ってみることにしました。無茶苦茶お手軽でしかもカブ本来の優しい甘さを存分に生かしてレシピに思えました。【材料】カブ(6等分/生ハムで巻く/片栗粉をまぶす) 2/生ハム(2等分) 6枚/片栗粉・油・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンに油を熱して焼く。皿に盛って胡椒を散らす。【備考】料理リレー レシピ集 「【かふ゛の生ハム巻き】」http://cookingrelay2020.jp/2021/01/23/post-15284/ 実際に作ってみるとちょっと淡泊過ぎるように思えます。途中パルミジャーノをおろして散らすと味にぐっと深みが増してこれは美味しかった。それでもソースを添えるなどアレンジの余地もあって良いレシピだと思いました。 グリルして食べることを覚えて以来、生のカブを食べる機会はかなり減りました。カブと生ハムのカルパッチョはよく作りましたが、突如思い立ってはちみつで甘味を加えてみたらまた旨味がアップするんじゃないかと思い立って作ってみることにしました。【材料】カブ(2等分/薄切り/塩をまぶす) 2個/生ハム(2等分) 6枚/クリームチーズ・塩・ピンクペッパー・オリーブ油・シェリービネガー・はちみつ・くるみ(砕く) 適宜【作り方】1. 皿にカブ、生ハムを盛ってクリームチーズをのせ、塩、ピンクペッパー、オリーブ油、シェリービネガー、はちみつ、くるみを散らす。2023/5/6 あっ、これは正解でした。以前は甘い料理ってそんなに感心しなかったのですが、近頃は甘味で変化を付ける、いやいやもっと積極的にしっかりとした旨味を加えることに躊躇がなくなりました。カブも軽く塩をまぶして余分な水分を出すというひと手間を掛けるだけでしっとりとするばかりじゃなく、とろりとした食感になってとても美味しく頂きました。 好みの焼いたカブとマスタード入りのクリームソースとの組合せが外れなはずがないのであります。鶏胸肉とカブの粒マスタード炒めです。【材料】鶏胸肉(縦2等分/8mm厚そぎ切り) 1枚/カブ(茎:4等分/葉:3cm長) 2個/オリーブ油 大さじ2/塩 小さじ1/2/胡椒 適宜/粒マスタード 大さじ1/生クリーム 大さじ2【作り方】1. フライパンにオリーブ油(半量)を熱してカブを焼く。葉を加えて取り出す。オリーブ油(半量)を熱して鶏肉を炒める。カブを戻して塩、胡椒し、粒マスタードを加える。生クリームを加える。 うんうん。これは美味しいなあ。単純だけど美味しい料理ってあるんですよねえ。それこそぼくのような横着者は極力手間なしで短時間でできるこういうレシピこそを望んでいるのでした。 そういやカブを具にしたカレーって食べたことないかもとカブのカレーを作ってみることにしました。【材料】ごはん 1膳分/合びき肉 30g/生姜・にんにく 適宜/カブ(実:4等分/茎:ざく切り) 1/2個/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ニンジン(短冊切り) 3cm/サラダ油 大さじ1/水 150ml/顆粒だし・カレーフレーク・醤油 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して合びき肉、生姜、にんにくを炒める。玉ねぎ、ニンジンを加える。カブ、、カブ(茎)、水、顆粒だしを加える。カレーフレーク、醤油を加える。皿にごはんを盛ってかける。 先述したとおり、グズっとなったカブはあまり好みではないので煮込まずに軽めに火を通すに留めました。それでも口に入れると多少グズっとしてしまいました。これも焼き目を付けてから煮た方がいいのかなあ。それだと楽したいというぼくの目論見から逸れてしまうかな。まあいずれ一度は試してみましょ。
2023/06/01
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