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セロリも子供の頃は苦手だったのにある時期から急に好きになった食材のひとつです。苦手というよりはそもそもそんなに食べる機会がなかったのです。この野菜は子供時分のぼくに限らず苦手な人の多い野菜だと思うのですが、ぼくはそういう大方の人が苦手とする理由である独特の香りにはほとんど抵抗がなかったのです。むしろ香りの強さに比して味が淡泊で持て余していたんだと思うのです。ウドなんかも独特の香りと淡泊な味という点では似たようなところがあると思うのですが、不思議とウドはガキの頃から好んで食べていたから不思議なものです。セロリをクリアしたのは、父親がどこぞやの居酒屋で習ってきたお新香のセロリを食べてからです。習ったといっても単に当時流行り始めていた浅漬けの者で着けただけなんですけど、ぼくもこれにはすっかりハマってしまった訳です。好きになるとこれまた不思議なものでどんな料理に加えても気にならなくなるというか大好きになってしまうのですね。値段の上下はするけれど、中から下にある場合はほとんど冷蔵庫から切らすことのないまでになってしまいました。近頃はメキシコなんかからの輸入品も販売されていたりして、これなんかは日本で作られたものより香りが強く、食感もしっかりしていて農薬など品質には若干も不安は抱きつつも好んで食べています。といった次第で今回はセロリを使った料理のいくつかを書き残します。登場するのはワンパターンですが、お決まりの料理にセロリを入れてみただけってもので恐縮です。 まずは、セロリチャーハンです。セロリはできるだけ風味を飛ばさぬよう、さっと炒めるに留めました。【材料】ごはん 1膳分/セロリ(茎:1cm角/葉:ざく切り) 1本(80g)/鶏ひき肉 30g/卵 1個/赤唐辛子(砕く) 1本/鶏がらスープの素 小さじ1/2/ナンプラー 小さじ2/塩・胡椒 適宜/ごま油 大さじ1【作り方】1. フライパンにごま油(半量)を熱して溶き卵を炒めて取り出す。セロリ(茎)、鶏ひき肉、赤唐辛子を炒める。ごはん、セロリ(葉)を加える。卵を戻して鶏がらスープの素、ナンプラー、塩、胡椒を加える。ごま油(半量)を加える。 これはもう当然に美味しいに決まってますよね。って言えないのがセロリという野菜なんですね。でもセロリ好きであればよっぽど無茶な材料の組合せをしない限りは大抵はセロリの風味が効いてて旨いってことになりそうです。 なので無論、セロリカレーも作ってしまいます。念のためネット上のレシピなど眺めてみましたが、大概の場合は玉ねぎやニンジンなどと一緒にみじん切りしてしまうものが多いのだ。これはこれで旨いけれど、もっと直接的にセロリを感じたい。【材料】ごはん 1膳分/豚肉 50g/玉ねぎ(くし型切り) 1/2個/ニンジン(銀杏切り) 1/2本/じゃがいも(皮を剥く) 1個/セロリ(茎:斜め切り/葉:ざく切り) 1本/サラダ油 小さじ2/水 200ml/カレーフレーク 大さじ3【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して豚肉、玉ねぎ、ニンジンを炒める。じゃがいも、セロリ、水を加えて煮る。カレーフレークを加える。皿にごはんを盛ってかける。 ということで葉の部分も含めてなるべく火が通り過ぎぬよう調理したのでした。ベースはなるべくセロリが入っていることの差異を感じ取れるようにオーソドックスにしてみました。ああ美味し。セロリのシャクシャクした食感が普段のカレーにはないものでそれも楽し。 きっと本場にもセロリスパゲッティ的なものはあるんだろうなあ。でもイタリアのパスタって多くのレシピがちょっと素材の風味を存分に引き出そうということなんだろうか、とてもシンプル過ぎてちょっと物足りなく感じることがあります。ということで近頃多用している合びき肉に助力を願い出たのです。【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/赤唐辛子(砕く) 1本/セロリ(茎:薄切り/葉:ざく切り) 1本/鶏ひき肉 30g/にんにく 1片/オリーブ油 大さじ1/胡椒 適宜【作り方】1. フライパンに油を熱してにんにく、赤唐辛子、セロリ、鶏ひき肉を炒める。茹で汁、スパゲッティを加える。皿に盛って胡椒をふる。 これまた、セロリの風味が抜群に活かされていて美味しいと思うのですね。セロリは2茎位で売られていることが多いけれど、株単位でお手頃に買ってもっと色々な料理に使ってみたいなあ。多少無茶な料理に加えてもきっと旨いと思うのです。例えば肉じゃがとかセロリ味噌汁なんかもイケるんじゃないかな。
2023/02/28
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先般書きましたが、綾瀬で「トリトサケ」に入りました。ここが活気もあるし、従業員の人たちも生き生きとしていたので気分よく店を出たのです。気分がよくなるとそりゃまあもう一軒ってことになりますね。といった次第に気分よくハシゴしたのでありますが,その明るい気分を打ち消すような状況を垣間見ることになったのです。楽天的だった気分が一転して将来に対して暗澹たる前途を抱かされたのです。これは必ずしも綾瀬に限られた話ではないのであって日本の古い酒場全般に言える事なんじゃないか。と何がどうしたかの説明をせずにただひたすらに憤ってみせても仕方のないことです。ということで普段の前置きと比較するとかなり短くなってしまいましたが、取り急ぎ先に話を進めてまいりたいと思うのです。 さて、お邪魔したのは、「串揚げ 典」です。再訪になりますが、以前訪れたのは十年以上前のことになります。同行したA氏もやはり同様で向かいつつ話した限りにおいて双方ともに好ましい印象を抱いていたのです。店の前はそれ以後も何度となく通り過ぎているから表から眺める限りは当時とほとんど変化がない状態に思えます。しかし、外見と中身が必ずしも一致しないことは人間と同じ。何と言っても店を運営するのも育てるのも同じ人間なんだから入ってみない限りはその真の姿は拝めはしないのです。ということでいそいそと戸を開くと何だか以前とはちょっと雰囲気が変わったように思われます。店には先客が4、5名ほどいたでしょうか。皆顔見知りのようでけして広くはない店内の中央に椅子を寄せ合って、ここがあたかも自分たちだけの店のように傲岸不遜にいるのです。いやまあ、ここがすでに常連のみに開放しているとか営業時間外だったりするのであればいちいち文句を述べることもないけれど、通常に営業していて通りすがりの客も受け入れる体制にあるのにこの状況はどうしたものか。かつては、地味なお店ながらも都内でそう多くはない串揚げの専門店として頑張っておられ、客の側もカウンター席で行儀よく呑んでいたという印象がありました。どうしてしまったというのか。せっかくなので串揚げを頼もうとすると女将さんか今は串揚げはやっていないとのこと。ご主人の体調が悪いとかそういった理由で串揚げを出すだけの余力がないそうです。それはまあ仕方のないことです。そういった事情を愚痴るつもりもありません。でも常連たちの傍若無人を許すのも色々と事情がありそうであまちキツク言いたくはないけれど、それより何より常連たちは新たな客を排除するような暴言を吐きまくったのであります。それはいくら酔っていたとしても許されぬ言葉でA氏は激昂しました。その気持ちはぼくにもひしひしと伝わってきました。特に調子に乗っていた常連はそれで一度は引き下がったもののその後もちょくちょくとこちらにちょっかいを掛けてくるからボディーブローのような怒りが蓄積するのです。酔っ払いってのは叱られると束の間シュンってするけれど、すぐにそんなことは忘れてしまうようです。まあこれは自分だって似たようなものだし、自戒としたところでどうにかなるもんではないですけどね。女将さんは串揚げが作れず申し訳ないと断りつつ、イカ焼きや焼きそばなど屋台風の肴ではあるけれど、実の立派な盛りでありましたし、味もちゃんと美味しかったからもったいない。価格もサービスしてくれたのかな、とても安かった気がします。A氏はこんなにいい店なんだから常連はちゃんと盛り上げてあげないといかんじゃないか、といった説教をかましたけれど、当の酔っ払いは「しいましぇん」とあくまでもふざけた態度を取るのでした。
2023/02/27
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出版業界ではもう何年も前から、空前のグルメ漫画、料理マンガブームが到来しているようです。ぼくは以前から感想を述べてきたようにこうしたグルメとか料理を主題としたマンガの一ジャンルに対しては懐疑的な立場を取っています。その理由はかねてより述べてきたのでここでは繰り返しません。などと語ってはみたけれど、実際のところぼくもかなりのグルメ漫画を読んで来たし、現在も読み続けているのです。 さて、杉村啓著『グルメ漫画50年史』(講談社, 2017)という書籍がありまして、同署によると、グルメ漫画「祖」は望月三起也著『突撃ラーメン』(集英社)、一ノ木アヤ原作・萩尾望都作画『ケーキケーキケーキ』(小学館)、亀井三恵子著『台所剣法』(しんぶん赤旗)とのことでいずでも1970年に刊行されています。この3作品を皮切りに約50年間で700作以上が発表されたということです。当時、日本は高度成長期の真っ只中で外食産業などの隆盛により食への欲求や好奇心を満たす余裕が生まれたことによって、マンガにもグルメブームが導入されたというのです。まあ、この分析には少しも新鮮味や驚きはないけれどまあそういうものなのでしょう。ともあれ1970年以降、数多くのマンガが刊行され続けてきましたが、ぼくがそれなりに読み続けていながらも否定的な意見を抱いているのが今なお継続している長期連載作品である雁屋哲原作・花咲アキラ作画『美味しんぼ』(小学館, 休載中)とうえやまとち著『クッキングパパ』(講談社)です。前者は食を巡る諸々の蘊蓄がテーマとなっており、後者は様々な食材を駆使したレシピの提供に主眼が据えられています。ぼくが思うにこうした敢えてマンガである必要のなさそうなテーマに基づくマンガは不経済に感じられるのです。 一方で、マンガ飯という趣味があるようで、不思議なのがこの手のサイトを眺めたりもしますが、ちっとも面白くないのです。だってこうしたサイトに登場する料理ってそもそもレシピが掲載されていて、作者はそれなりに本気で料理と向き合っているから実際に自ら作って食べたものを載せていることが多いように思われるのです。だったらそれはごく普通に食べてしまえるものでしかないのではないかと思います。つまり、ぼくも度々こうしたマンガのレシピを参照させてもらっていますが、蘊蓄系やレシピ系の料理ってちっとも面白くないのです。それは美味しいのかもしれませんが、ぼくとしてはマンガ家はマンガというものと本気で向き合っていて欲しいと思うのです。ってきっとぼくは頭が古いんだろうなあ。 などなど色々文句を垂れておきながらマンガに登場するレシピをネタにしているのだから浮かばれない。きくち正太著『瑠璃と料理の王様と』に出てきたナポリタンは、ちょっとだけ高級感漂うレシピなので気になって作ってみました。【材料】スパゲッティ(茹でる/冷水で冷やす) 200g/ウインナー(斜め薄切り) 4本/玉ねぎ(くし型切り) 1/2個/ニンジン(短冊切り) 1/2本/ピーマン(細切り) 1個/マッシュルーム(薄切り) 4個/トマトケチャップ・トマトピューレ 50ml/パプリカパウダー・ピクルス(漬け汁) 大さじ2/塩・胡椒 適宜/赤ワイン 大さじ1【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してウインナーを焼く。ニンジン、玉ねぎ、マッシュルーム、ピーマンの順に加える。スパゲッティを加える。ケチャップ、トマトピューレを加える。パプリカパウダーを加える。ピクルス(漬け汁)、塩、胡椒、赤ワインを加える。 どの辺が高級化というとパプリカパウダー、ピクルスの汁、赤ワインを加えるといった程度でありますが、これがいずれも一定の効果を与えているようです。特にピクルスの汁は余りがちなのでSDGsの実践と思って大いに活用させてもらっています。 こもとも子著『ごほうびごはん』から滝さんのフライパンカルボナーラを作ります。カルボナーラを名乗りつつ、卵を使わないというイタリア人が卒倒しそうなものですが、材料を見てもいかにも日本人好みの優しい味わいのスパゲッティに仕上がりそうです。【材料】バター・にんにく・ベーコン(1cm幅)・コーン缶・水・塩・スパゲッティ(2等分)・牛乳・顆粒コンソメ・溶けるチーズ・塩・胡椒・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱してにんにくを炒める。ベーコンを加える。コーンを加える。水、塩を加える。スパゲッティを加える。牛乳、顆粒コンソメ、溶けるチーズ、塩、胡椒を加える。皿に盛って胡椒を散らす。 昭和の時代の日本人はこれをカルボナーラとして食べさせられて旨い旨いって言ってたんだろうなって味です。これはこれでありです。 寺沢大介著『ミスター味っ子』から味皇料理会イタリア料理部主任の丸井善男による特製クルミ入りミートソーススパゲティです。【材料】スパゲッティ(茹でる)・オリーブ油・にんにく・玉ねぎ(みじん切り)・ニンジン(みじん切り)・セロリ(みじん切り)・椎茸(みじん切り)・マッシュルーム(みじん切り)・パセリ・ズッキーニ(みじん切り)・タイム・ローリエ・合びき肉・塩・胡椒・トマトソース・顆粒ブイヨン・赤ワイン・くるみ(炒る/粗みじん切り) 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。玉ねぎ、ニンジン、セロリを加える。椎茸、マッシュルーム、パセリ、ズッキーニ、タイム、ローリエを加える。合びき肉を加える。塩、胡椒する。トマトソース、顆粒ブイヨン、赤ワインを加えて煮る。くるみを加える。皿にスパゲッティを盛ってかける。 あらら、レシピと違って混ぜ合せてしまってますね。まあいいか。それにしてもくるみっていいアイデアですね。色んな料理に使ってみたくなりました。ズッキーニの効果はよく分かんなかったけど。
2023/02/26
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近頃、酒や食べ物に関するエッセイなどを読み返してみたりしています。かつては同じエッセイでも分析的というか理論的な文章を好んで読んで読んだものですが、今ではそういった才気ばしったものより、麩での走るがままにあてどなく綴ったような気楽な文章を好んで読むようになっています。人生の髄まで知り尽くしたかのような老齢期に差し掛かったような人の書いた文章は、脳が活性化されるような刺激はないけれど、しみじみと文章に読み耽ってしまうような誘引力が強く感じられるようです。ってな感じで適当な前振りをしてみせて、実は言いたいのは書き出しに困った際には作家たちの文章を引用して茶を濁すことがあるってことを断っておきたいと思っているのです。 特に好んで読み返しているのが吉田健一氏の著作です。文藝春秋『ノーサイド』編集による『美食家列伝』には、四十二歳の年に胃の手術をしてからは小食になり、料理はほとんど見て楽しむだけでひたすら酒を飲んでいたという吉田健一だが、人をもてなすことに蕩尽した後半生であったとも言えようか。とあり、数々のエッセイでの健啖家ぶりが四十二歳以前のことであったのだろうかと驚かされもするのですが、それはともかくとして「飲む場所」と題された文章に以下のような記述がありますが、これを一読するだけで今晩はおでんの卵を食べずにはおられなくなるのです。 この道頓堀のおでん屋で出すおでんでは最近では茄で卵が好きになった。ただの茄で卵が銅壺の中で煮えているだけで、この店にはもっと知られた売りものがあるということであり、そう言えばそれを旨いと思って食べたこともあるような気がするが、ただ茄でただけの卵の白身を通しておでんの汁が染み込んでいる味はいつ食べても間違いがない。 話は変わりますが、敢えて不遜なことを申し上げると、ぼくの文章というのは多分に吉田氏の影響を受けているとこの頃氏の著作を読みながらひしひしと感じるのです。若い頃から好んで読んではいるけれど、集中してまとめて読んだという訳ではないのに、どうしたものかぼくの文章の基調をなしているように感じられるのです。といったことを述べつつ、今回のお題は全国各地のパスタ店の名物パスタを写真を見ることもなくレシピのみで再現した果敢かつ無謀な試みの顛末とご理解ください。 八重洲地下街(というか大丸の地下?)にあったというパスタ店「チャオ」のシーフードパスタ風を作ってみました。どうやら「チャオ」は東京駅からもそう遠くない京橋店はまだ営業を続けているようです。【材料】エビ・茹でタコ・アサリ 適宜/にんにく 1片/玉ねぎ 適宜/ピーマン 1個/マッシュルーム 適宜/ハーブソルト・塩・コンソメ・ドライバジル・赤唐辛子(輪切り)・オリーブ油・大葉(千切り) 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子、エビを炒める。エビを取り出す。アサリ、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームを加える。塩、ハーブソルト、コンソメを加える。スパゲッティを加える。タコを加える。エビを戻す。皿に盛って大葉を散らす。 これレシピの出所は不明ですが、まあ材料を改めて眺めてもいかにも日本式のスパゲッティスタンドのレシピって感じで、もしかするとこのレシピがなくとも写真を見ていたらそっくりな仕上がりになっていたかもしれません。ってこれをこき下ろしているわけじゃなくて、こういうのって日本人が好む味なんだろうなって味でした。ってこのレシピをネットに上げた人とそれを作った自分をもって日本人を代表してしまうような振る舞いは禁ずべき行為でした。 続いては、「イルキャンティ」の真夜中のパスタです。【材料】パスタ(1.4mm/茹でる) 100g/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/ベーコン(細切り) 40g/にんにく 2片/マッシュルーム(薄切り) 2個/エビ(塩水で戻す) 6尾/トマト水煮 1/2缶/オリーブ油 大さじ1+1/パセリ 適宜/【スープ】水 240ml/コンソメ 小さじ2/パプリカパウダー 小さじ1/一味唐辛子 小さじ1/2/ドライバジル 小さじ1/2/塩 適宜/胡椒 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してベーコンを炒める。玉ねぎを加える。トマト水煮を加えて煮る。マッシュルームを加える。【スープ】の材料を加える。エビを加える。パスタを加える。にんにくを加える。皿に盛ってオリーブ油、パセリを散らす。 これまたいかにもなレシピですね。イタリア人が見たら呆れたりするのかな。でも日本人ってこういうちゃんぽんとか五目焼きそば風の多様な具材を一緒くたに食べるのが好きですよね。ぼくも無論好きです。 福岡にあるという「らるきい」なるお店のぺぺたま風を作ってみました。昭和の頃、カルボナーラというものを知らぬ人が現地で食べたという人の話を伝聞のみで再現したらこうなりましたって感じのレシピです。【材料】スパゲッティ(茹でる) 120g/にんにく 2片/赤唐辛子 1/2本/オリーブ油 大さじ2/顆粒だし 小さじ1/水 100ml/卵 2個/塩・イタリアンパセリ 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。赤唐辛子を加えてボウルに取り出す。2. フライパンに水、顆粒だしを入れて加熱、1.に注ぐ。溶き卵、スパゲッティ、塩を加えて混ぜる。皿に盛ってイタリアンパセリを散らす。 顆粒だしってのが大胆ですね。でもぼくにはとても美味しいと感じられたのです。たまに本場のちゃんとしたパスタを食べても美味しいなあと思うし、こうした日本風にアレンジされたものも美味しいなあと感じられるなんて、なんと幸せなことだろう。
2023/02/25
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もはや北松戸がどうとか、北松戸のどこで呑んだかなんてことはあえて語るべきことなど残されてはいないような気がします。いやまあ語ろうと思えばそれはそれで語れなくもないのでありますが、その語りが自分にとってもさして面白いものではないし、自分以外の方にとってはますます退屈なものになるだろうと思っています。だから今回は特別に北松戸でなくたって、この夜伺った店でなくたって一向に構いはしないのであります。しからば何について語るべきであろうか。と書きながら思い出したのがこの夜一緒に行った男というのがけして若いって訳ではないけれど、最近になって突然入籍して、さらにはその奥方の出産が控えているということなのです。さて、その事実がぼくにもたらされたことによって、果たしてこの夜の?みに対する向き合い方に何かしらの影響を及ぼしただろうかとふと思ったのです。単なる呑みが祝杯を挙げるといった気分の高揚だったり癌買いをもたらしたかということです。ところが当の彼自身が子供はできたらできたで構わないけれど、無理して産もうなんてことはこれっぽっちも思わないと公言して憚らなかったのですが、実際にそれを告げる彼の表情は常日頃と何ら変わらぬ通常営業中であったのです。となるとこの夜の?みもまた常日頃と変わらぬものとなるのでありました。 この夜向かったのは「あみ焼元祖 しちりん 北松戸店」でした。上段の告白を聞いたのは店に入ってからのことで、ハナからその事実を知っていたならばもう少し位はハイクラスなお店ということもあり得たわけですが、時既に遅しなのでありました。って彼自身はそんなことはちっとも望んではいなかったのかもしれないですね。自分でいうのは面映ゆいけれど、ごく少人数に限られはするもののぼくのことを好きで仕方ないって知り合いがいるんですね。それは圧倒的に年上に多くて、年下は稀有なんですがその数少ない一人が彼なのです。って何が言いたいかといえば彼はぼくと吞みたかったというのが根っこにあって、そのついでに報告もしておこうかってところなのでしょうねえ。酒を呑みながらの方が話しやすいことってありますからね。でもこのホルモン焼き酒場で肉を焼き焼きしながらおちおち落ち着いての会話ってのもあまり様にならぬから、席に着いてミックスホルモンなどを摘まみつつまずは吞み食いの欲求を満たすことになるのです。つまりは会話もそこそこにまずは吞み食いに集中するということです。ひたすら呑んで食べる時間というのが健全な呑み方であるかどうかはともかくとしてせっかく吞み食いする場所にいるのだから一時的ではあってもそこに注意を傾けるのは必ずしも悪い事ではないと思うし、むしろその後はゆっくりと吞み語りへと気持ちを傾けられるんじゃないか。なんて実際にはお腹がそこそこ溜まっている分、食わずに呑む時間と量が増すのであって、翌朝酷い目にあうことが多いようです。チューハイやホッピーといった吞み物は特段に美味しいとか味わうようなものではないのであって、喋りで喉を潤すためのものみたいなものだからそう思って呑むとますます酒が進むのでした。このお店、カウンター席で呑んでるとシャキっとした姿勢で呑めるのですが、奥の卓席はファミレスっぽいクッション性のある椅子なもんだから寛ぎ過ぎちゃうんですよねえ。やはり酒場ってのはあんまりリラックスできるところってのは考えもののように思うのですね。ってまたも長々と無意味な文章を残してしまうことになりそうです。
2023/02/24
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ぼくに限ったことではないと思うのですが、子供の頃は好きじゃなかったのに、大人人なってから好きになる食材ってのがあるようです。今回取り上げるカリフラワーなんかは、ぼくにとってはそうした食材のひとつです。子供の頃からそこらのスーパーマーケットでも普通に売られて流通していたと思われるのですが、実家の食卓でこれが出てくることはまずもってなかったように思います。だから子供の頃に好きではなかったと強く主張するほどには、食べていなかったと思うのですが、好きじゃないって言える程度には食卓に登場したということでしょうか。この野菜が好きになれなかったのには、ひとつには今書いたようにあまり食べ慣れていなかったということもあったと思うのです。それからそれ以上に大事なのは食べ方を知らなかったということもあると思います。はっきりとした記憶はないけれど、ぼくの子供の頃にはカリフラワーは茹でたものに単にマヨネーズをかけて食べるというのがお決まりだったと思うのです。 カリフラワーが好きになった今ではそれもまた楽しいもので、今では立ち吞みで提供があれば喜んで頼んでしまうのです。でもその理屈でいえば乳幼児の頃から食べさせられていた食材以外はすべて最初は食べ慣れていなかったはずだし、食べ方に関してはブロッコリーだって似たようなものでした。なのにブロッコリーは子供の頃から好きだったのだから理屈が合わないのです。今にして思えば形状がどこかしら脳みそっぽく見えるのに抵抗があったんじゃないか。似たような形のブロッコリーはその色のせいか逆に髪の毛ふさふさのアフロっぽく思えたのもいい加減なものです。といったわけで締まらないけれど4品ほどをお伝えします。 まずは、カリフラワーのピクルスです。別に必ずしもカリフラワーである必要もなく、この日は冷蔵庫にあったニンジン、レンコン、セロリ、九条ねぎなんかも漬けました。【材料】【根菜類】カリフラワー・ニンジン(8mm厚)・レンコン(8mm厚)・セロリ(拍子木切り)・九条ねぎ 適宜/【マリネ液】酢 150ml/水 300ml/砂糖 20g/塩 10g/胡椒 3粒/ローリエ 1枚/赤唐辛子 1本/ドライタイム・ドライディル・ドライオレガノ 適宜【作り方】1. 鍋に【マリネ液】の材料を沸かして【根菜類】を加熱し、保存容器で漬ける。 なかなかピタっと決まらないことが多いのですが、今回は美味しく仕上がりました。これをメインに考えるんじゃなくてあくまでも脇役って決めて作るとほどよい味加減になるような気がします。 続いては、カリフラワーのミルク煮です。カリフラワーはミルクとの相性がいいですね。【材料】カリフラワー(一口大) 1/2株/じゃがいも(皮を剥く/一口大) 1個/玉ねぎ(粗みじん切り) 1/4個/固形スープの素 1個/ガーリックパウダー・オニオンパウダー 小さじ1/水 300ml/牛乳 200ml/バター 10g+α/ドライタイム・塩・白胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にバターを熱して玉ねぎを炒める。ガーリックパウダー、オニオンパウダーを加える。水、固形スープの素を加えて煮る。牛乳を加える。塩、白胡椒、バターを加える。 ぼくが本当にカリフラワーを好きになったのはグラタンを食べた時です。ベシャメルソースじゃなくチーズを加えたモルネーだと最高のご馳走です。このミルクにも味変でチーズを加えたり、それをオーブンで焼いたりと変身させることもできそうです。 トマトとの相性もとてもいいのです。って近頃になって急にカリフラワーをライスに見立てるレシピが見受けられるようになりました。昔からあるのにね。最近では冷凍のカリフラワーライスも売られているのを見掛けました。何を言いたいかっていうと米に見立てられるってことは米を使った料理の代わりになり得るってことなんでしょうね。トルコのカリフラワーのトマト煮です。【材料】カリフラワー(一口大/茹でる) 1/2個/合びき肉 100g/玉ねぎ(粗みじん切り) 1/2個/トマト水煮 1/2缶/サルチャ(代替:トマトペースト) 大さじ2/赤唐辛子・塩・胡椒 適宜/サラダ油 大さじ1/2/水 1カップ【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して玉ねぎを炒める。ひき肉を加る。カリフラワー、トマト水煮、サルチャ、赤唐辛子、塩、胡椒、水を加えて煮る。 これは、どこかで拾ったレシピなんですがすごいシンプルですね。クミンとかのスパイスを加えたくなるところです。って途中で加えたんですけどね。ミルク煮同様にベースとなるレシピと考えて自在にアレンジするのがいいのかも。 スペインのアロース・クレモソっていう料理のレシピです。これまどまさしく米との組合せで、ナチュラルに米の嵩増しレシピとなっていると考えていいのかも。【材料】カリフラワー(2cm幅) 150g/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個分/米 1/2カップ/バター 20g/野菜スープ 600ml/生クリーム 60ml/塩 小さじ1/オリーブ油 適宜/パルミジャーノ 適宜【作り方】1. 鍋にバターとオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。カリフラワー、野菜スープ(200ml)を加えて蓋をし、弱火で10分蒸し煮する。カリフラワーを潰す。米、野菜スープ(400ml)を加えて弱火で12分煮る。塩、生クリームを加える。皿に盛ってパルミジャーノを散らしてオリーブ油をかける。 これがとても美味しいのですよ。リゾットみたいなものだから肉料理や魚料理のソース風に使っても美味しそうです。
2023/02/23
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千住大橋駅っていうのは背後に墨田川が背後で町の拡張を妨げているからなのか、お隣に比較的大きな繁華街の北千住が控えているからなのか、それとも駅間に東京都中央卸売市場 足立市場という比較的大きな市場があって町の何割かを占拠してしまっているからか、周辺は人気も少なく飲食店を含めた商店が少なく思えます。特に夜に訪れると寂しく感じるのは、市場の開場時間の関係で市場関係者が夜にこの界隈を徘徊することが少ないからではないかと思うのです。彼らが呑もうと思ったら北千住に向かえば早い時間から営業している店も少なくないですから。って何の根拠もない戯言を呟いてみせているのは例の如くに単なる体裁を整えるためでしかないのであります。まあ駅のガード下には不思議に充実していてショッピングモール化しているし、細い通りを挟んだ至近には太田和彦氏がお気に入りの料理屋もあったり、定評ある蕎麦屋があったり、ごっつい盛で知られるラーメン店の暖簾分け店もあったりと数こそ限定されはしますが、まあそれなりに粒選りの店もあるのです。でもそれにしたって呑み屋街の閑散としているのはいかにも侘しかろうと思うのです。数年前に訪れた際には人気の立ち吞み店を中心にそれなりの酔っ払いが徘徊していたように思うのだけれど、どうしたことなのだ。と書いた以上はそれなりに原因を究明すべきところなのでしょうが、そうちょくちょく訪れる町でもないのにそこまで気に掛けるのはむしろお節介というものです。 ということでガード下の角打ちを出るとすぐに呑み屋街を一巡りし―巡るってほどでもないのですが―、一度行ったっきりの酒場もきになるっちゃなるし、何度かお邪魔していて久々に顔を出したい店もあったりしたのですが、この夜は何となく未訪店に行ってみたい気分が勝ったようです。奇を衒わぬ上品な構えの「居酒屋 篠」にお邪魔することにしました。卓席がメインの30名程度は入れそうなお店ですが、先客はカップル一組のみです。ありゃりゃ、これはやってしまったかな。しかしまあ後悔は先に立たぬものであります。まあ、とても小奇麗だしゆっくりと寛いで呑むには悪くはないでしょう。カップルの表情からもリラックスしたムードが感じられます。とりあえずは酎ハイをお願いしてお通しで様子を見ることにしよう。店は物凄く物静かな(とその夜は感じられました)女性が一人でやっておられて名物女将とかそういった類の方たちとは全く違っていますね。ぼくも最近はやたらとちょっかいを出して構ってくれるような人よりずっと楽に思えてこの方がいいと感じることが多くなった気がします。なんてことを思っていると酎ハイとお通しが届きました。さすがにお通しだけって訳にもいかぬから目ざとく―って程でもないけれど―メヒカリの唐揚げが品書きにあるのを見つけていました。ぼくはこれに目がないのです。でお通しがポテトサラダでしたが、プチトマトが飾られて彩りがいいのもそうですが、見るからにこのポテサラは旨そうです。これはもしかして当たりの店だったか。味も多分何ら特別な小細工はしていなさそうなのですが、しっとりと濃厚で旨いのです。このポテサラならこれだけで呑んでいられそうです。でもお楽しみも控えています。そのメヒカリもまたしっとりと柔らかな身の風味や食感を留めつつ、歯が当たる瞬間にはカリリと香ばしいのでありましてこれは嬉しいなあ。ということで大いに気に入ったのでまたちょっと美味しいものが食べたくなったらお邪魔してみようかなって思うのです。
2023/02/22
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以前、一度ジャークチキンもしくはジャークポークを作りました。これらはその名の通りチキンかポークかの差でしかなくて、まあどっちだっていいのですが、その際にレシピに従ってジャークシーズニングを作ったのです。でこのシーズニングで作ったチキンだったかポークだったかは大変美味しかったのでありますが、さすがに肉ばかり食べるのも無理のある年頃なのです。ホントは食えって言われればまあそんなに量がなければ毎日だって肉位食らえるわけですが、食えることとおいしく食うこととは雲泥の差があるのであって、だから毎度このシーズニングばかりでは飽きてしまうということを語っておくべきでしょうか。いやまあ複雑なスパイスとハーブの風味が効いた刺激のあるこのシーズニングは結構気に入ったのだ。ええい、まだるっこしい、何を言いたいかというとこのシーズニング、結構な量を余らせてしまったのだ。また肉を漬けた後のシーズニングをどう処理すればいいのか思案に暮れてしまったのであります。なので先日たまたまどういう変遷により辿り着いたか思い出せないけれど、日本で作るジャマイカ料理のサイトhttp://jamaicanheats.com/recipe/このサイトに遭遇していたのであります。HOME画面が見れなかったり、痕跡を辿れるレシピページを見ても最終更新日がMay/02/2015であるらしいから、惜しいことに運営は休止してしまっていると考えて良さそうであります。ともかくこれを見てまたもジャークなんとかを食べたいと思ったのだ。しかしこれだけの充実したサイトでもこのシーズニングを用いたレシピはジャークポーク、ジャークフィッシュ、ジャークシュリンプといった動物性たんぱく系料理に偏っているのであります。これはもう自力でアイデアを出し切ってからシーズニングに臨もうと目論んだのでした。ということで、準備万端、シーズニング作りに移行するわけであるけれど、この意欲を掻き立ててくれた休止中サイトに敬意を表する意味で、当該ページのシーズニングレシピを若干のアレンジを加えて活用させてもらうことにしたのでした。ジャークシーズニング(ウェット)(Wet Jerk Seasoning)[ジャマイカ]【材料】オールスパイス 大さじ1/ドライタイム 小さじ2/胡椒 小さじ1/2/塩 小さじ1/はちみつ・カイエンペッパー・トマトケチャップ・ナツメグ・シナモンパウダー・ドライバジル 適宜/にんにく 小さじ3/生姜 小さじ1/2/玉ねぎ(おろす) 1/4個/長ねぎ(みじん切り) 1/3本/オリーブ油 大さじ2/ライム (or レモン汁) 大さじ1/水 1/2カップ【作り方】1. ライム汁以外の材料を全て混ぜる(ライム汁は食材に揉み込む)。 で早速、ジャークチキン(jerk chicken)[ジャマイカ]を作ることにしたのです。【材料】鶏胸肉(ライム汁,ジャークシーズニングを揉み込み一晩置く) 400g/ライム汁(or レモン汁) 1個分/ジャークシーズニング 大さじ1【作り方】1. オーブンで180℃20分焼く。アルミホイルで包んで30分置く。スライスする。 うんうん、非常に旨味の感じられる結構な出来栄えでありました。こりゃ確かに豚や鰹なんかにもぴったりであります。 さて、想定どおり漬込んだシーズニングがたっぷりと残りました。これ普通の人はこのまま捨てちゃうんですかねえ。とっても気になります。が、いずれにせよケチなぼくはちゃんと活かす道を検討済みです。 と偉そうなことを言う割には、作ったのはジャークコーンであります。プロレスラーみたいな料理名ですが、作ったのは想像どおりのシロモノなのです。【材料】コーン(冷凍)・バター・ジャークシーズニング・醤油 適宜【材料】1. フライパンにバターを熱してコーンを炒める。ジャークシーズニングを加える。醤油を散らす。 でもこれむっちゃ簡単なのに意外といいじゃんとおもうのですがいかがですかね。このシーズニング自体が複雑に味を重ねているので余り余計なものを加えない方が美味しく使えそうです。 と言いながらジャークチャーハンなんていうごちゃまぜ炒め飯を作っちゃうのでした。コーンが美味しかったのでこれにもコーンを入れてみました。【材料】ごはん 1膳分/豚ひき肉 30g/もやし(刻む) 1袋/コーン 大さじ4/長ねぎ(小口切り) 3cm/サラダ油 小さじ2/ジャークシーズニング 大さじ1/鶏がらスープの素 小さじ1/2/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して豚ひき肉を炒める。ごはんを加える。もやし、コーン、ジャークシーズニング、鶏がらスープの素、塩、胡椒を加える。長ねぎを加える。 コーンともやしの組合せ、正解だったと思います。もやしって以前はシャキシャキが生命線と思っていたのですが―水分出すと栄養も逃げちゃいそうと思っていた―、案外絞ったり炒め切ったりした際の食感や風味も悪くないものと思うようになったのでした。ということで前回チキン漬け置き分のシーズニングを消費できました。でもまだ作った分の半量が残っているからまだまだシーズニングレシピは終わらぬのです。
2023/02/21
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以前は口を酸っぱくして綾瀬のことを褒め称えてきたものですが、ひとしきり探索し尽したこと、それからガード下時代には愛用もしていた立ち吞みが移転してすっかり閉鎖的な酒場へと変貌したことに愛想を尽かしてしまったので、めっきり足が遠ざかってしまったのです。だったら今になってどうして再び綾瀬を訪れたかと問われたら魔が差したという出鱈目な回答をもって代えさせていただきたいのです。久し振りに降り立った綾瀬ですが駅改札を抜けると―西口側です。ぼくは綾瀬駅では決まって西口側を利用するようにしていて、このガード下や沿道のうらびれたムードがとても気に入っているのです―、どこか以前と違って感じられます。縁が薄くなったとはいえコロナ禍の渦中にもこの界隈には来ていたのですが、それでもその頃と比べても明らかに人通りが少なくなったと思えるのです。3年以上前であっても人通りは疎らではあったのですが、今はふと背後に視線を遣ると人っ子一人歩いていない瞬間もあったりするからこの界隈に何事かが生じているのではとつい懸念してしまうのです。このままではこの町の呑み屋街は壊滅してしまうんじゃないかって、とても悲観的な想像すらしてしまったのです。が、久々に一度そんな様子を眺めただけで、町の現況を見極められるはずもないから、この夜がたまたま人手が少なかったのだと思うことにしよう。だって、この後、訪れた酒場は通りの様子とは一転、すごい活況振りでそのギャップにお届かされることになったからです。 駅に接するマーケットのような呑み屋長屋はその個々の店の良し悪しはともかくとしてその風情だけで充分に呑みに来たって気分に浸れるのです。できれば内側に入り込みたいところですが、そこはマスコミ等で報じられ大変な人気店になってしまったようでとても入り込めそうにありません。なので、通りに面した店で手を打つことにします。按配よろしく新店舗ができていますね。お邪魔したのは、「トリトサケ」というお店。特段目星を付けていたわけではないけれど、かつて「居酒屋 てんちゃん」だったお店から短命だった「もつ焼き専門店 綾瀬酒場」を経てのお店で、この2店舗は寂しい位に空いていたけれど、この綾瀬に似つかわしくないモダンな店名のお店は大盛況で、辛うじてカウンター席のみ空きがありました。でも席に着いて冷静に観察すると10名前後のグループ2組でほぼ埋まっているらしく、1グループが帰っただけで急激に寒々しい雰囲気になったのです。そんなに長居するつもりはなかったので、すぐに出てきそうな鶏もつポン酢(商品名は不正確)を頼みました。焼鳥店で焼鳥を食べぬのもどうかと思うけれど、これはグルメブログとは無縁の場なので構わないでしょう。これが柔らかくもありコリコリと良い食感もありで何だか味も濃く感じられてとてもよかった。ポテトフライ(引き続ぎ商品名不詳)はというと直接フライヤーの前で大きなスライサーでじゃがいもを削り始め揚げ油に放っていくのでした。刀削麵みたいな感じですね。こりゃなかなかやり手ではないかと思ったけれど、この芋はちょっと苦味が立って旨味も感じられず残念賞でありました。が、こうした意欲的な試みは高く評価したい。っていつの間に料理評論家になったのだ。ってな具合に今後の活躍を見守りたくなるようなお店なのでありました。
2023/02/20
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日本という国は、世界各地の食材を取り入れて自国民の味覚に沿った味に独自かつ自在にアレンジをしてきたと言われているようです。カレーやラーメン、餃子なんかもそうなんでしょうね。でもそれって日本に限られた話じゃ少しもないと思うのだけれど、どうなんだろう。日本におけるカレーの伝来に関する経緯は多くの記述があるのでご興味のある方はいくらでも情報が流布されているからここでは差し控え指して頂きますが、日本のみならず世界各地でカレーないしはカレー風の何か(実際のところカレーってものの定義が困難な訳で、ぼくの浅い考えでは料理名に"curry"なりのカレーを意味する単語が付いていたのであれば、それがいかにインド人乃至は日本人がイメージするカレーと違っていたとしてもそれはカレーと思いたいのです。ってインドにはカレーって名前の料理はないって話もありますが)が食べられているのでありまして、それはその国を含めた地域性だったり民族性だったりで自由気ままに翻案してきたわけであります。そうした背景には帝国主義体制がもたらした植民地支配の歴史なども見て取ることができて実に興味深いところです。そうした世界のカレーの普及については、カレー研究家・スパイシー丸山氏の以下のサイトが参考になります。スパイシー丸山 Official Brog.https://ameblo.jp/maruyamashu/ このサイトの世界のカレーがそれですが、氏には是非より深く広く掘り下げていっていただくことを期待したいのです。 とここまで書いてお話がカレー一辺倒になってしまいましたが、実は今回取り上げるのはパスタなのです。カレー同様にパスタも世界中の食文化に変幻自在に取り込まれているようです。パスタはカレーよりもその影響が料理そのものに如実に現れるから扱いやすく思えます。カレーだと、果たしてこれをカレーと分類するのが適当か迷ってしまうところですが、パスタはクスクスなどの特殊な形状のものは迷いが生じるものの大抵は見た目でこれはパスタだって大概は分かりますから。でも名古屋にはインディアンスパゲティなるカレーをかけたパスタ料理もある位だからあんまり厳密に考える必要はないのかもしれないですね。以下のレシピは出典不明の一時期ネットでかき集めたものになります。レシピに著作権はなしといいますが、もし当該レシピの掲載者の方でぜひ参照した旨を追記しろって要請があればもちろん応じさせていただきます。 パキスタンのチーズパスタです。材料そのものにパキスタンを想起させる何物も見受けられません。果たして。【材料】パスタ(スパゲッティ/茹でる) 240g/ペンネ(茹でる) 80g/塩・胡椒 適宜/ピーマン(細切り) 3個/ミックスベジタブル 大さじ2/溶けるチーズ 大さじ3/オリーブ油 大さじ1【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してピーマン、ミックスベジタブルを炒める。塩、胡椒する。パスタ、ペンネ、チーズ、茹で汁を加える。 しかしよくよく見ると、スパゲッティとペンネというパスタ2種を同時に使ってますね。これは面白い。と束の間思ったりもしたけれど、実のところ、半端に残ったパスタをそれだけでは一食分に満たぬとあり合わせの種類違いのものを茹でるなんてことはそうしょっちゅうはないけれど、ままあることです。でもそれを常態化して普通にレシピ化するところが面白みになるか。味は普通です。 ボリビアのソパ・ア・ラ・ミヌータなるレシピです。クミンパウダーが入る辺りが南米っぽいと言えるのか。ニンジンとパスタの組合せって本場イタリアではあまりなさそうに思えますが、南米や中東のレシピでは案外見掛けますね。【材料】ニンジン(銀杏切り) 1本/玉ねぎ(薄切り) 1個/ウインナー(1cm幅) 5本/ショートパスタ 80g/水 100ml/牛乳 500ml/にんにく 1片/サラダ油 大さじ2/塩・クミンパウダー 適宜/ガーリックパウダー 小さじ1【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにくを炒める。ニンジン、玉ねぎ、ウインナーを加える。水、牛乳を加える。パスタを加える。塩、クミンパウダー、ガーリックパウダーを加える。 よくよく見るとにんにくとガーリックパウダーを併用してますね。美味しい事は美味しいのですが、特段個性的ってほどには思えませんでした。 ブラジルのブラジルのパスタって身も蓋もない料理名で照会されていました。ブラジルらしいっていえばらしいと思えなくもないですが、【材料】パスタ(コンキリエ/茹でる/水で冷やす) 200g/リコッタチーズ 150g/トマト(ざく切り) 2個/にんにく 2片/パルミジャーノ 大さじ3/オリーブ油 大さじ2/塩・胡椒 適宜/青ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. ボウルにトマト、にんにく、オリーブ油、塩、胡椒、リコッタチーズを入れて和え、冷蔵庫冷やす。パスタを加える。パルミジャーノを加える。皿に盛って青ねぎをふる。 普通に美味しいですね。そのままイタリア料理って言われたらそう思っちゃうかも。所謂冷製パスタでありますが、個人的には熱い方がいいかな。 続いてはブラジルのキビです。料理好きの方ならすぐにお気づきのことかと思いますが、これはパスタ料理ではありません。今回ブルグルを使って作ったのですが、これは単にひき割りにした小麦であるのに対してクスクスはデュラムセモリナ小麦の粉を極小パスタ化したものになります。ぼくにはどっちも似たようなものに思えるんですけどね。【材料】牛ひき肉 250g/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/ミント 適宜/キビ用粗挽き小麦(代替:ブルグル/浸水) 1カップ/シリアペッパー(代替:ナツメグ、胡椒、オールスパイス、クミンパウダー) 適宜/塩 小さじ1.5/レモン 適宜【作り方】1. ボウルにレモン以外の全ての材料を入れて捏ねる。20等分して丸める。鍋に油を180℃に熱して揚げる。レモンを添える。 スパイシーで肉肉しいところがブラジルっぽいかも。でもこれはいかにもパスタっぽくはないですね。ブルグルの代わりにクスクスを使っても見た目からはとてもパスタ料理とは思えそうもありません。
2023/02/19
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新潟の妙高で食べられているというとん汁ラーメンを先般作ってみました。確かに悪くないんですよね。だってちょっと単調になると腐してみせながらも舌の根の乾かぬうちにちょっと具材を足して作っているんだからやはり結構気に入っていたと思うのです。秘密のケンミンショーで得た情報によるととん汁ラーメンの基本的なベースとなるのは醤油ラーメンではあるけれど、他にも塩ラーメンや味噌ラーメンもあるらしいからもはやどんなラーメンだって構わないようなのです。それは実は最初に食べた時にぼくも気付いていて、このとん汁はかなり広く応用が利くと察しが付いたのでした。というのが大量の玉ねぎを使って汁気が少なくなった「とん汁の店 たちばな」(https://tontachi.com/)のとん汁は汁とあるが、ほとんど味噌仕立ての肉豆腐みたいなものだから他の料理への展開がいくらだって出来そうに思えたのです。 ちなみに具材を追加したとん汁の材料は以下のとおり。大根、ニンジン、もやしが加わっているだけであります。大根、ニンジンは極めつけに凡庸でありますが、固く絞ったもやしが食感に良いアクセントをもたらしているように思うのですが、いかがでしょ。とん汁 具材増しver.【材料】玉ねぎ(くし型切り) 1.5個/豚肉(3cm幅) 100g/木綿豆腐 1/2丁/大根(銀杏切り) 3cm/ニンジン(銀杏切り) 3cm/もやし(茹でる/搾る) 1/2袋/白味噌 大さじ4/ラード 大さじ2/水 100ml だからってとん汁丼っていくら何でもいい加減すぎやしないかい。なんてご意見は聞き流すことにさせていただくのでありますが、まあめしに味噌汁をぶっかけたねこまんまの豪華ヴァージョンだから不味いはずがないのです。【材料】ごはん 1膳分/とん汁 1杯分【作り方】1. 丼にごはんを盛ってとん汁をのせる。 汁気が好きないので思った以上に丼っぽくなりました。でもとん汁ラーメンのようにある程度の普遍性を勝ち取るってなことにはなりそうもないですね。 続いてもなんの工夫もなくラーメンの代わりにかけそばにとん汁をのせてしまいました。とん汁そばなどと料理名を付けるのもおこがましい。【材料】そば(茹でる) 1玉/豚バラ肉(3cm幅) 80g/玉ねぎ(くし型切り) 1玉/木綿豆腐(6等分) 1/2丁/サラダ油 小さじ1/味噌・塩 適宜/めんつゆ・水・胡椒・七味唐辛子 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して味噌を炒める。豚肉を加える。玉ねぎ、塩を加える。木綿豆腐を加えて煮る。2. 丼にめんつゆ、湯を入れてそばを加える。1.をのせる。 でももしかするとこれってラーメンよりも美味しいかもよ、なんて思うのは身贔屓にすぎるかなあ。言うまでもなくうどんにだってあうのでしょうね。 やっぱりなどと言ってくださるなかれ。ってまあ、やっぱりやっちゃいました。とん汁カレーです。【材料】ごはん 1膳分/【カレー】玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ニンジン(銀杏切り) 3cm/青ねぎ(4cm幅) 1束/にんにく・生姜 小さじ1/ラード 小さじ2/カレー粉・カレーフレーク 大さじ1/水 200ml/【材料】1. 鍋でラード、白味噌を炒める。玉ねぎを加える。豚肉、大根、ニンジンを加える。木綿豆腐を加えて弱火で20分煮る。もやしを加える。2. 鍋にラードを熱してにんにく、生姜、玉ねぎ、ニンジンを炒める。青ねぎを加える。カレー粉を加える。水を加えて煮る。カレーフレークを加える。3. 皿にごはんを盛って2.、1.をかける。 あえて通常のカレーととん汁を別個に盛り付けました。だって合わせて煮込んだら単に豆腐入りのカレーでしかないし、味噌だってちょっと分量は多めですが、カレーの隠し味によく使われますからね。ってわけでやっぱりね。最初に別盛にして正解でした。カレー皿に注いだ時点でほぼ一体となってしまったのでした(と書いたけれど、実際に写真をアップするとそうでもないか)。辛味がマイルドになるので、途中一味唐辛子をふりかけましたが、当たり前のようですが、非常に合うのです。でもまあこのためにわざわざカレーを作るのもどうかと思うので、お手軽なとん汁丼で十分ではなかろうかと思った次第であります。 ところで、こうして改めて「たちばな」のHPを見てみると、どういうことだろうか、品書きのとん汁を見ると結構汁気があるじゃないか。もしかするとぼくは比較的オリジナルに忠実なものを作っていると思いながら、実のところは全く別の料理を作ってしまっていたのではないだろうか。と茫然自失に陥るかというとそんなことはなくって、これはまあこれで旨いからいいじゃんと開き直るのであります。
2023/02/18
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両国というとぼくの場合、両国国技館からのお相撲さんというイメージが充満する町となっています。でも実際には国技館での大相撲の開催は、一月場所(初場所)、五月場所(夏場所)、九月場所(秋場所)の3場所、計45日間ってことになって、大体年間の1/8程度を占めるに過ぎないのであります。残りの7/8の日々は大相撲とは直接的には関係のない日々が流れているということになります。無論、場所日だけで相撲興行が成り立っているはずもなく、相撲協会関係者のみならずマスコミ各社や以外にも「相撲観戦チケットの販売、弁当・お土産の販売、国技館土産の通信販売、国技館内売店の運営等を行っている」国技館サービス株式会社を始めとした関連企業があってこそのお相撲さんたちなのであります。なので両国が相撲一色ということはないにせよ、少なからぬ恩恵に町は預かっているといってもけして大袈裟ではないと思うのです。とまあ何やかや書いていますが、けして呑み屋が多いってことはないように見えますが、相撲関連でちゃんこ屋ばかりって訳でもないわけで、桜鍋や泥鰌料理の老舗店があってみたり、餃子酒場や立ち吞みもあったりするわけで、まあちょっとやそっとでは回り切れない程度には酒場もあるのです。そんな次第でぼくも頻繁ってことは全然ないけれど、たまには両国で呑む機会があるのですが、いくら事前に調べたとて現場に着くとどうしたものかそこを訪れるのを躊躇してしまうことが少なくなかったりするのです。端的にはそこに入ってみたいっていう積極的な気持ちになり切れるだけの魅力ある酒場にはほとんど出会えていないのです。だからこうしたたかだか酒場に入るだけなのについつい迷ってしまうような町ではいっそのこと、人に頼ってしまうのもありだと思うのです。 ということで連れられてやって来たのは、「元太丸」でありました。外観からしてもまずぼくだと選びそうもない酒場であります。どうやら寿司や海鮮料理を売りにしたお店のようです。寿司とか海鮮料理って言葉がまずこの店のことをお伝えするために無意識に用いてしまったということは、ここはあくまでも寿司や海鮮料理を肴に呑ませる店だってぼくが受け止めたってことだと思うのです。自身で店を選ぶ場合に最初の判断基準として何を食わせるかってことを持ち出すことはまずもってあり得ないから―逆に他人を伴って出掛ける場合はそれが第一の優先事項となる場合もままあるのですが―、ある意味で新鮮な印象で好意的に受け止めました。相撲の開催日ということでそれなりには混み合っていますが、ちゃんこ屋なんかは予約もなかなか取れなかったりするってことを聞くからそういう意味ではぼちぼちの入りといった程度なんでしょうか。客たちの様子を眺めていると観戦帰りの人たちが多いようです。大きな土産袋を皆さん抱えておられますからね。奥が掘り炬燵式の小上がりになっていて、こういう腰を据えて呑む機会がとんと減っていたからそれだけで気分が高揚するのを感じます。この日は4名でお邪魔したのですが、高揚しているのはぼくだけではなく皆大人気なくも大はしゃぎです。日頃はやかましい客に眉をひそめる癖に酔っ払ったら自分も似たり寄ったりなんだからどうしようもないのです。でもぼく以上に興奮したのがいて、店を出る際にボブ・サップに失神させられた曙太郎のように床に突っ伏したのには驚かされました。そのまま置き去りにして逃げたくなるような見事な陥落ぶりでした。ところで、ここの酒や寿司のことについて何も触れていませんでした。酒については特に補足するべきことはありませんが、こちらで〆で頂いたのり巻きが美味しかったなあ。ここのが特別ってわけではないのですが、近頃のり巻きがお気に入りなのです。特にかんぴょうわさび、あれれ,わさびかんぴょうだったかな、まあどっちでもいいけれど、そういう関東圏以外ではちっともありがたがられないらしいのがお気に入りでここでも美味しく頂きました。
2023/02/17
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例年であれば漁獲量の落ち込むしらすが今年1月に記録的な大漁となったといったニュースが放映されていた、はずなのに改めて調べるとそんな報道が見つからないのであります。でもそもそもしらすって旬の時期や漁獲高の多い漁港など知らないことばかりであります。ので例のごとくウィキペディアなどで調べてみました。漁の最盛期は春漁と秋漁とのことで、それだと確かにこの時期に漁獲量が多くなるのは異例のことなのかもしれません。また、漁場は主に太平洋沿岸の温暖な地域で広く漁獲されるようなので、それを念頭に改めて検索してみると、ありました。Yahoo! JAPANニュース 「1月最多...季節外れのシラス 福島・相双で水揚げ57トン、水温影響か」https://news.yahoo.co.jp/articles/ae8322a89c8955c599f66174938d8f9bd8020d7a 宮城県南部が北限とのことなので、それに近い相馬市の松川浦漁港でごの時期に大漁となるのは相当に異例の出来事なんだろうなあ。地球温暖化がここでも自然環境に影響を及ぼしているようであります。めでたいような手放しで喜んではいけないようなことになったもんだと思ったのだけれど、実のところはスーパーマーケットなんかで売られているしらすの価格に影響を与えるまでは至っていないらしく、地球の未来を杞憂する気持ちばかりが惹起するのでありました。とにかくもうぼくはもともと好きだったのが、昨年になってますます大好きになったから今でも値段が手頃になると買い求めているのです。 非常に安直アイデアのしらすとキャベツと大根おろしのサラダです。味付けはこれまた昨年来気に入っているチョレギサラダ風でキメてみました。【材料】キャベツ(ざく切り/茹でる) 3枚/大根(おろす) 3cm/しらす 大さじ3/大葉(千切り) 3枚/【ドレッシング】鶏がらスープの素・醤油・酢・ごま油 適宜【作り方】1. 皿にキャベツを盛って大根おろし、しらす、大葉をのせる。【ドレッシング】をかける。 って気張るまでもなく当たり前に美味しいのですね。これにやはりマイブームのおろし生姜乃至は千切り生姜を散らしてもいいだろうなあ。 イタリアでもしらすはよく食べられるようだから洋風の料理にもしらすという食材はすんなり収まるようです。ということでしらすのグラタンを作ってみました。【材料】しらす 50g/長ねぎ(斜め切り) 2本/しめじ 1/2パック/ズッキーニ(薄切り) 1本/バター・小麦粉 大さじ2/牛乳 300ml/塩・白胡椒・ナツメグ・溶けるチーズ 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱して長ねぎ、しめじ、ズッキーニを炒める。小麦粉を加える。牛乳、塩、白胡椒、ナツメグを加える。しらす(半量)を加える。耐熱皿に移して溶けるチーズを散らす。オーブンで200℃10分焼く。しらす(半量)を散らす。オーブンで200℃10分焼く。 まあねえ。これで美味しくならないはずがないですね。しらすの旨味をねぎやしめじ、ズッキーニが受け止めてこりゃもう旨いはずです。しっとりとパリパリの2種の食感を活かしたのは当たりでした。しらすのトーストでも使い回せそうなアイデアに思えます。 野菜価格が安定せぬけれど時折サラダが無性に食べたくなります。お手頃な野菜は淡泊な野菜ばかりでしたからしらすで旨味を加えるというスタイルが定着しました。ということで大根としらすと大葉のサラダを作ってみました。【材料】大根(千切り) 10cm/大葉(千切り) 2枚/しらす 大さじ3/刻みのり 適宜/ポン酢 大さじ1/ごま油 小さじ1【作り方】1. ボウルに大根、しらす、ポン酢、ごま油を入れて混ぜる。器に盛って大葉、刻みのりを散らす。 さっぱりしたのが食べたかったのでポン酢をベースにしました。こりゃまあわざわざレシピを出すほどのものではないけれど、美味しく頂けました。 アスパラガスがすごく好きなんですが、これといったレシピが思いつきません。焼いたアスパラにパルミジャーノとポーチドエッグをのせたビスマルク風は悪くないけれどそればかりだと飽きてしまうし、ポタージュは絶品ですが原型を失っていてなんか寂しい。ということでアスパラとしらすのチーズ焼きとしてみました。【材料】アスパラガス(茹でる)・しらす・塩・胡椒・オリーブ油・溶けるチーズ 適宜【作り方】1. 耐熱皿にアスパラガスを並べてしらすをのせ、塩、胡椒、オリーブ油、溶けるチーズを散らす。オーブンで180℃10分焼く。 あっ、単純な料理ともいえぬものではありますが、とてもアスパラガスの良さを活かせているように感じられます。これは覚えておいて損はなさそうです。
2023/02/16
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近頃はあまり語らなくなったけれど、ぼくは青井の酒場に何度も驚かされてきました。「居酒屋 あおい」「もつ焼 りき」「居酒屋 たむら」「もつ焼 五月(さつき)」「虎の子」「もつやきの店 富ふじ」「なかむらや(ナカムラ)」「やまびこ」。これは手持ちのメモだけを頼りにして列記したもので、正直なところ半分は記憶に残っていない酒場なのでありますが、○印が付してあるところからも気に入ったことは間違いありません。一応お断りしておくとぼくが○印を付すことはよほどのことがない限りないほどに珍しい事でありまして、それだけをとっても青井の酒場をいかに愛しているかお察しいただけるものと思うのです。その筆頭に挙げるべきが「もつ焼き みやま」でありまして、ここは本当に大好きで、引っ越してきたいと思うほどでした。こちらの店の方のご家族の方から書き込みをいただいたことをよく覚えています。ところが、憎らしいことにこの近所に住んでいるという羨むべき男が身近に存在したのであります。そしたらその彼の家の近くにぼくのいかにも好きそうな酒場があると教えてくれるのですね。でもぼくの趣味をホントに理解しているか不安だったので、調べてみることにしたのです。これまで渋い酒場が好きといって、実際に渋かった試しなどついぞなかったから疑い深くもなっているのです。そしたらそれなりに情報がありました。でも大概は最低限の情報があるだけであまり参考になりませんでしたが、以下のサイトでははっきりと店の様子を見て取ることができたのです。https://saka-navi.com/archives/38976 しかし、クリックして画面を開いた時点で見るのをやめました。その理由は分かる人には分かるはず。それはともあれ、知人から店の概要は聞いてしまったので、これはもう行かない理由など存在しません。 ということで訪れたのは、「とん平」であります。かつてはつくばエクスプレスの沿線上に道路はなかったらしいのですが、今は2車線の通りが我が物顔で通っています。地元の人は便利になったのでしょうが、味気ないことは否めません。A氏と一緒に酒場を目指して歩いていると当の知人と遭遇。彼は家族と所用があるようで、ご家族とあいさつをしただけで別れたのですが、この息子もそこを気に入ったとのこと。楽しみだなあ。やがて五反野駅に繋がる商店街―五反野ふれあい通り商店街なる看板が出ています―が見えてくるので通りを進むとすぐに脇の路地に赤提灯が見えます。これはまた本格的な渋さでありますねえ。これはもうこの雰囲気だけで好きになってしまいます。じっくり記憶に刻み込みたいところですが、寒さに追い立てられるように店に入ります。カウンター10席、小上がり2卓と奥にも小さな座敷があります。先客は2名のみ。A氏は戸の閉め方が半端でオヤジに叱られました。うんうん、いいねえ。カウンター奥の席にお邪魔しました。厨房ではご高齢の女性が一人で奮闘中。ちょっと注文に気を遣うのだけれど、あまり躊躇てるのも変なので頼んだけれど反応なし。耳が遠いのかなあ、でも聞こえて内容でオーダーが通っている場合もあるのですね。じゃあツンデレなのかというとそういう訳でもなくて単に忙しいのだと思うことにしよう。鮪刺身はそこらの海鮮居酒屋なんかよりよほど立派だったし、ソーセージやイカフライはすごいボリューム、お隣の頼んでいた鮪山かけもすごい。そして250円のチューハイがしっかり濃い目なのも嬉しい事です。ここは聞きしに勝るすばらしい酒場であることを確信しました。「もつ焼き みやま」にも匹敵しうるかもしれないなあ。ということで両店をハシゴすることを推奨しようかとも思ったけれど、両店ともに青井駅から700mの位置にあって、それぞれが近ければいいけれど、「とん平」と「みやま」までの距離は1kmあってちょっと不便かもしれないなあ。こうなると青井にはまだまだ余所者の手の届かないすごい酒場が眠っているようで探索気分がふつふつと湧き上がるのでした。
2023/02/15
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そういや最近、パスタをあまり食べていないなあ。と思っていたところにO氏から平日の真っ昼間というのにサイゼリヤだかで4杯目のワインを吞んでいるとの連絡が入りました。こう書くとO氏がいかにも自堕落な生活を送っているような印象を与えかねませんが、実際のところどうなのだろう。最近になって身近な人の親たちが立て続けになくなっていて、彼もその渦中にあるのです。世代的に当然といえば当然に待ち受けている出来事ではあるのですが、こう不幸が続くとなんだか気分が塞いでくるのをかんじるのでした。O氏とは若い頃からの付き合いになりますから、彼と親との関係については、時に漏れ聞かされているところで、そうは言ってもその心中はいかなるものか凡そ見当も付かないのでした。今彼は何を物思いながらサイゼのパスタをすすっているのだろうか。とかいいながらかつては大いに活用させてもらったサイゼに自身が随分長いこと行ってないなあなどと、彼の複雑な胸中を推し量ることよりも自身の食欲の方に関心を傾けてしまうのであります。今晩にでも久し振りにパスタを食べることにしようかなあ。 さて、最近こそパスタを食する機会が減ってはいますが、それでも書き残しておくべきパスタレシピはまだまだたくさんストックされていたりするのです。そんな中で今回はうえやまとち著『クッキングパパ』のパスタレシピ3品というマンガ飯で固めてみました。 まずは、荒岩流スパゲティーボンゴレです。通常のボンゴレでは用いられることのなさそうな乳製品と大葉が使われています。果たしてどうなることやら。【材料】スパゲッティ(茹でる)・オリーブ油・バター・にんにく・アサリ(砂抜き)・白ワイン・大葉(粗みじん切り)・牛乳 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油、バターを熱してにんにくを炒める。アサリを加える。白ワインを加える。大葉、牛乳を加える。胡椒、オリーブ油を和えたスパゲッティを加える。 意外と違和感なく食べちゃいました。このマンガに出てくるレシピって、基本的に思い付きで味を重ねてみましたってなものが少なくなくて、だったら調和しそうな味を増やすよりももっと大胆にぶつかり合うような味を期待したいところです。まあ、作者もぼくと同様に実食する以上は失敗したくないという堅実な考えに基づかれているのだと思います。 大葉を使った和風バジリコに昆布茶の旨味を加えたバジリコブです。非常に貧乏くさいけれど、きっと美味しいだろうなあってレシピです。【材料】スパゲッティ(茹でる)・バター・大葉(みじん切り)・ドライバジル・昆布茶・塩・胡椒 適宜【作り方】1. ボウルを湯煎してバターを溶かす。大葉、ドライバジルを加える。昆布茶、塩、胡椒を加える。スパゲッティを加える。 大葉を使う以上は大葉の風味を大いに活かすべきところをドライバジルを足してしまっていいんだろうか。ぼくのような馬鹿舌には風味が増してこれはこれでありだと思うのですが、これがイタリア料理を目指しているとすれば素材そのもの味や風味を最大限に活かそうという考えからは外れやしないかと思った次第なのです。オリーブ油とバターってのもいいのかなあ? アンチョビの代わりにイカの塩辛を用いるという安直アイデアに基づくイカの塩辛スパゲティであります。【材料】スパゲッティ(茹でる)・にんにく・赤唐辛子(輪切り)・オリーブ油・イカ塩辛 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。イカ塩辛を加える。スパゲッティを加える。 蒸かしたじゃがいもにアンチョビや塩辛の相性が良い事は誰もが知っているからこのレシピも極めてありふれて思えますが、こうしてマンガ飯というお題目でもない限りはお披露目の機会がないでしょうからまあ良しとします。
2023/02/14
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駒込って町は、山手線各駅で知名度だったか魅力度だったか定かでないけれど、とにかく印象の薄い駅の最上位に当たる駅であるとテレビニュースだったか情報ヴァラエティーだったかで揚げ沙汰されていたように記憶します。いかにも危うい記憶をもとに話を初めていいものかとも思うけれど、まあとにかくぼくの記憶レベルにぼんやりとした駅と認知されているらしいことは言えそうであります。ぼくには駒込は見所も少なくなく思えるんですれど。でも印象が希薄ってことは、逆に言えば地域の人々が根付いていてリアルに生活を送っているという風に言えると思うのです。新宿だったり渋谷だったりは余所者が通り過ぎるばかりの町なのに対して駒込は地元の方の生活が密着して息づいていると感じられるのです。だからオオバコの酒場なんかもそう多くないし、そうした酒場はオオバコであるにも関わらず概して空いているようなのです。地元の方は身近な仲間たちの体温が感じられるこぢんまりしたお店に集いたくなるもののようであります。それは酒場のみならず中華料理店でもそのようでありまして、駅の東口には今でも至近に3軒の町中華と呼ばれるようなお店が残っていてしかも盛況ぶりを誇っているのであります。この夜ぼくを誘ってくれた知人はその一軒を体操お気に召したとみえ、以前お邪魔して後に時には奥さんも連れ立って電車を乗り継いで来られているようなのです。でも今回はせっかく他にも2店あるのだからそこではないお店にお邪魔しようとなったのでした。 今回お邪魔したのはさうき通りだか駒込銀座通りなのか判然としないけれどまあちんまりした商店街を進み一軒目の町中華を見送ってすぐに姿を現す「中華料理 味楽亭」にお邪魔しました。狭い店内ではありますが、それでもみっちりと客席を設けているので詰めれば20名以上は入れそうであります。この夜は10数名が入っていてこれはもう繁盛しているといってもあながち間違いではないはずです。多分に気分に左右されるもののやはり中華料理屋ってのは賑やかな位の方が気持ちが上がるもののようです。とはいうものの混み過ぎて入れないのでは元も子もありません。幸いにも空き卓があったので助かりました。ビールと一緒に手羽元の煮付と餃子を注文します。そうそう、こちらでは以前もこの煮付けを頼んだことを思い出しました。自分でも作れそうですが、こういうちょっとしたなんでもない肴って嬉しいですねえ。そうそうここは餃子も上出来なのです。だから当然のことにチャーハンも間違いがない。ぼくは大概の店のチャーハンだったら自分で作ったのとそうは変わらないと思ってしまって、注文するのに二の足を踏むのですが、久々に食べてみてやっぱりプロの作ったのはちょっと違うねえなんて思うのです。老人も若者も男も女も皆楽しそうに呑んで食ってしていて実に気分よく過ごすことができました。
2023/02/13
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生姜が好きです。塊の生姜があってもあっという間に食べてしまいます。色んな保存法があるけれど、クッキングペーパーでくるむなどの工夫をするまでもなく消費してしまいます。でもいちいちおろすのも面倒だから国産のそこそこのいい生姜が変えた場合には一気に粗く刻んでミキサーにかけて大量のおろし生姜を作って瓶に詰めるのです。そりゃまあ消費のペースは場合に応じてマチマチではありますが、凡その話では500mlの瓶を2週間程度で食べ切ってしまったりもするのです。生姜って案外すぐに傷んでしまって瓶詰めして数日冷蔵庫に奥だけで赤茶色く変色してきます。酢やレモン汁を加えるといいということで試してみましたが、ネットでは酸味は気にならないという人もいますが、ぼくにはちょっと気になります。まあいずれにせよ使い切れるからいいんですけどね。でも切らした場合のために常に大容量のチューブも用意してあります。色々な混じり物もあって臭いも独特の香りがあるけれど特に加熱する場合は重宝しています。といった具合に生姜は欠かすこともできない食材なんですが、生姜ってなかなかこれが主役の料理ってないんですよね。谷中生姜とかだとそのまま味噌ってのもありですし、新生姜であれば紅生姜や岩下の新生姜風にしてもいいし、糠漬けや味噌漬けもありだったりしますが、土生姜だとそれこそ崎陽軒のシウマイ弁当に添えられた佃煮や弁松総本店のしょうがの辛煮みたく煮付ける以外に主役級レシピが思い当たらないのです。ということであくまでも生姜がメインであることに拘った料理を作ってみることにしました。とはいえ主役という割には今回作ったすべての生姜を勢いでおろしてしまったので、次回があればその際は塊感を残したレシピが残せればと思っています。 定番の生姜ごはんですが、初めて作ってみました。基本的にはごはんにおろし生姜と醤油を加えて混ぜたものですが、多少アレンジしてみました。【材料】ごはん 200g/生姜(おろす) 1片/鰹節 1袋/揚げ玉 大さじ2/白ごま 小さじ2/醤油 大さじ1/2/ごま油 小さじ1【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 シーチキンなどのおにぎりの具になりそうな食材を追加するなどさらなる工夫ができそう。これは思った以上に美味しいものですね。勢いで何度が作ってしまいました。針生姜やみじん切りの生姜を加えて食感を重ねたり、刻んだ紅生姜を加えるのも良さそうです。 生姜カレーってもいつもの数倍増しで大量の生姜を加えただけなのです。これはもう作る前から間違いなしでしょう。【材料】ごはん 1膳分/合びき肉 50g/生姜(おろし) 1片+(千切り) 1片/にんにく 1片/玉ねぎ(千切り) 1/2個/ニンジン(千切り) 1/4本/じゃがいも(拍子木切り) 1/2個/トマト水煮 1/4缶/カレー粉・カレーフレーク 大さじ1/醤油・酒 小さじ1/水 50ml/ローリエ 1枚/サラダ油・バター 小さじ1【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して生姜(おろし/半量)、にんにくを炒める。合びき肉、玉ねぎ、ニンジンを炒める。トマト水煮、カレー粉、ローリエを加える。じゃがいも、醤油、酒、水を加えて煮る。カレーフレーク、バターを加える。 生姜好きには答えられない味ですね。どうしてこれまで試してみなかったのだろう。今回はやり損ねましたが仕上げにおろし生姜じゃなく千切り生姜をどっさりのせるのも食感が楽しそうです。これまた定番入りです。 発想がまるっきり一緒ですが、生姜カレーそばを作ってみました。和風の味付けと青いねぎを大量に加えてみました。【材料】そば(茹でる) 1人前/玉ねぎ(くし型切り)・鶏胸肉(斜めそぎ切り)・青ねぎ(4cm幅)・ごま油・生姜(おろす)・カレー粉・水・顆粒だし・酒・みりん・醤油・塩・片栗粉・水 適宜【作り方】1. 鍋にごま油を熱して生姜を炒める。玉ねぎ、鶏胸肉を加える。カレー粉を加える。水、顆粒だし、酒、みりん、醤油、塩を加える。青ねぎを加える。水溶き片栗粉を加える。丼にそばを盛って注ぎ、生姜をのせる。 カレーであることは変わらないはずなのにこちらはさらに風味が強く感じられて美味しいですねえ。今回生姜の大量使いをしてみてますます生姜が大好きになりました。今度じゃがいもの代わりに生姜を煮てみようかなって思う位です。さすがに生姜の主張が強過ぎるかな。
2023/02/12
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もう散々っぱらカレーについて語ってきたから今回語りたいことが思いつきません。という次第でありますから、何かまた益体もない話でもと思っているのです。そうそう、ネットで世界各地のカレーのレシピなど探していたら以前書いたこともあるお気に入りのテレビ番組が引っ掛かってきたのです。グラハム・カーの『世界の料理ショー』のことなんですが、以前調べた際には存在しなかったのか、それとも単なる見落としに過ぎぬのか、恐らく後者だとは思うのですが、なんと嬉しいことに番組で彼の作った料理のレシピが公開されてるではないですか。TV TOKYO 『世界の料理ショー』https://www.tv-tokyo.co.jp/ryouri_show/index.html まだつぶさにチェックしていないので確実なことはいえないけれど、かつてはとんでもなくゴージャスで見慣れぬ食材ばかりが使われた料理ばかり作ってるなあとあえてレシピを入手したいとまでは思っていなかったのですが、改めて眺めると案外気張らずとも作れちゃうんじゃないかと思えてしまうのです。そういう意味ではぼくがこの番組にハマっていた頃以降、日本の食生活も少しは当時のカナダのそれに近付いてきたんじゃないかとも思えるのです。でもそれって必ずしも日本が豊かになったとは言い切れないという気もするのです。この番組を見ていた当時は田舎暮らしの子供に過ぎなかったので、単に無知だっただけかもしれませんが、今では容易に手に入る多くの輸入食材なども当時は目にする機会はまずなかったように思うのです。だって当時も『きょうの料理』『キューピー3分クッキング』『ごちそうさま』『金子信雄の楽しい夕食』などなど多くの料理番組を見ていたけれど、そうは聞き覚えのない食材が使われることはなかったような気がするのです。つまり、日本の食卓は、輸入食材に頼らずとも満足するに足る料理が並んでいたということではないだろうか。それとも味覚というものは変化を求めぬ限りは現状に満足できる一方で未知の味との遭遇を繰り返すことで際限のない多様性を求めるようになってしまう特性を有するということなんだろうか。カレーにしたってS&Bの赤缶かせいぜいジャワカレーで満足もできていたはずなんでしょうけど、ぼくの舌はもうそこだけに留まっていることはできぬのであります。 まずは、餃子カレーから。記憶が定かではないのなら調べれば済むのだけれどどうもそういう気分になれぬので、曖昧な情報に基づくけれど、確か札幌のカレーチェーンにこの餃子カレーを出すところがあるとテレビで放映していたのを見たことがあったのです。なるほどねと思いながらこれはありかもと思いつつずっと記憶の隅に追いやられていたのをあまりうちの冷凍庫には存在しない冷凍餃子があったのでふとこれを作ることを閃いてしまったのでした。【材料】ごはん 1膳分/冷凍餃子 5個/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ニンジン(銀杏切り) 3cm/じゃがいも(一口大) 1/2個/サラダ油 小さじ1/カレー粉 小さじ2/カレーフレーク 大さじ1/鶏がらスープの素・水 300ml【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して玉ねぎ、ニンジンを炒める。カレー粉を加える。じゃがいも、鶏がらスープの素、水を加えて煮る。冷凍餃子を加える。皿にごはんを盛ってかける。 カレーにだって大概はにんにくが使われているのに、餃子のにんにく臭はまた別物のようであります。なんかちょっと臭く感じて今一つ調和が取れていないように思えたのです。この餃子にはにんにく抜きの方がいいのかも。インドと中国の関係に関連付けてもっともらしい話をしても仕方がない。この体でいけばワンタンカレーもいいですね。焼売カレーは崎陽軒のHPで公開していたかも。 春菊が安かったのでうっかり3袋も買ってしまったはいいけれど持て余してしまったので、カレーにすることにしました。ネットで調べると鯖缶との組合せがちらほら見当たります。でもどうもどのレシピもピンとこないのでこの2品を用いて適当にそれらしく仕上げてみました。春菊と鯖缶カレーです。【材料】ごはん 1膳分/玉ねぎ(くし型切り)・大根(8mm厚銀杏切り)・ニンジン(3mm幅銀杏切り)・じゃがいも(皮を剥く/一口大) 適宜/春菊(ざく切り) 1/3袋/鯖水煮 1/2缶/ごま油・生姜・カレー粉 小さじ1/ガーリックパウダー・オニオンパウダー・クミンシード・カイエンペッパー 小さじ1/3/顆粒だし・鶏がらスープの素 小さじ1/2/水・めんつゆ 適宜【作り方】1. 鍋にごま油を熱して生姜、玉ねぎ炒める。大根、ニンジンを加える。カレー粉、ガーリックパウダー、オニオンパウダー、クミンシード、カイエンペッパーを加える。水、めんつゆ、顆粒だし、鶏がらスープの素、じゃがいもを加えて5分煮る。鯖水煮を加える。春菊を加える。器に盛ってごはんを添える。 う~ん。別に不味いって訳じゃないんですけどね。どうも色んな風味や味を重ね過ぎて曖昧な仕上がりになってしまいました。春菊と鯖缶なら簡単にマヨネーズで和えてサラダとかの方が美味しいかな。春菊をカレーにするならひき肉の方が分かりやすくて美味しかったんだろうな。まあ失敗とも言えぬ程度の残念賞でありました。 ヨーロッパでは思ったより普通にはカレーは食べられていないようです。そんな中で普段から普通にカレーが食べられている稀有な国にポルトガルがあるそうです。かつてインドがポルトガルの植民地であったことの名残らしいのですが、その経緯は割愛です。定番はチキンカレー(Caril de frango)だそうです。2種のレシピが簡単に見つかりました。大体、似たようなレシピですが、りんごが入る/入らないが大きな違いといったところです。【材料】ごはん 1膳分/鶏胸肉(皮なし/一口大) 800g/玉ねぎ(みじん切り) 1個/にんにく 3片/ココナッツミルク 400ml/オリーブ油 100ml/バター 50g/カレー粉 小さじ3/ライム(皮) 1枚/パクチー 1枝/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎ、にんにくを炒める。鶏胸肉を加える。カレー粉を加える。バター、塩、胡椒を加える。ライム(皮)、パクチーを加える。皿にごはんを盛ってかける。【備考】TeleCulinaria - Receitas que resultam sempre.Teleculinaria "Caril de frango"https://www.teleculinaria.pt/receitas/carnes/caril-de-frango/ なるほど、シンプルなだけあってとてもマイルドで食べやすいカレーです。ちょっと単調なのでもうちょっと具を加えてみたくなります。次作る時はそうしよ。【材料】ごはん(バスマティライス/炊く) 280g/鶏胸肉(塩、カレー粉、小麦粉をまぶす/一口大) 350g/コーヒー 小さじ1/カレー粉 大さじ2/小麦粉 大さじ1/玉ねぎ(みじん切り) 150g/にんにく 2片/オリーブ油 大さじ2/白ワイン 100ml/ココナッツミルク 200ml/りんご(ロイヤルガラ or 王林/千切り) 250g/パクチー 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎ、にんにくを炒める。鶏胸肉を加える。コーヒー、白ワインを加える。ココナッツミルクを加えて蓋をし、煮る。りんごを加えて20分煮る。皿にごはんを盛ってかける。パクチーを散らす。【備考】Pingo doce "Caril de frango"https://www.pingodoce.pt/receitas/caril-de-frango/ フルーツを料理に加えることにも随分抵抗がなくなりました。ほとんどフルーツを食べることのないぼくにはりんごなんて料理の材料に思える位です。このカレーにもしっくりハマっていて美味しいです。こちらなら他の具は不要ですが、何か日本のカレーにおける福神漬けのようなちょっとした付け合わせがあるといいかも。
2023/02/11
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子供の頃、寿司屋にはとんと縁がありませんでした。たまに食べるとことがあっても親がスーパーマーケットで買ってくる助六寿司か「小僧寿し」のバッテラといった程度でした。そのうち両親の仕事がちょっとばかり忙しくなったことがあって、そこで初めて寿司屋との縁が生じました。といっても実際に店舗に赴くという記憶は残っておらず、もっぱら出前寿司を頼む程度でした。いつも決まって並みか梅の1人前。それと並行するように盛り込みのパック寿司が家庭にお目見えすることになりました。それだって当時のぼくには大変なご馳走に思えたものです。その頃、酒?みだったならこれじゃいかにも貧相に思えたかもしれませんが、幸いまだ飲酒するような年頃じゃなかったからそれだけで十分満足できていました。だからちゃんとしたカウンターで目の前で握ってもらう寿司屋で食べることができるようになったのは、長じて日常的に酒を嗜むようになってからのことでした。それどころか回転寿司なる店舗に入ったのもちょうど同時期だったのです。だから未だに寿司屋には苦手意識というか抵抗感が付きまとうのです。だからずっと寿司なんて食ってたらすぐに腹に溜まってまともに酒も呑めないだろう、なんて強がってみせたりもしたものですが、いかにも見え見えな強がりと悟られていたはずです。なんて書くといかにも貧しい家庭自慢みたいですが、まあ実際には実家は典型的な中流家庭でありまして、普段は慎ましく過ごしても時には贅沢に旅行したり食事に出掛けたりということもあったのです。家庭で寿司は滅多に食べなかったけれど、刺身は頻繁に食卓に上っていましたから。と手前の寿司遍歴を語るつもりはなかったのですが、長くなったので本当に書きたかったことは次に寿司屋に行ったときまで撮っておくことにします。ってきっと忘れちゃうんですけどね。 さて、知人に車で日暮里まで送ってもらい、そのついでに寿司までご馳走してくれるという。寿司を食べる機会が多少はあるとはいえ、日頃一人もしくは友人たちと?む際に寿司屋という選択肢はあり得ないのです。いい年をした大人が寿司屋で自腹で呑むことなどないと強く断言することに少なからず恥じらいを感じているのだけれど、事実であるから隠し立てせず打ち明けることにします。なので、誘われたら断る理由など見当たらないのです。しかし、この日は違っていたのです。なぜかというにこの2日前にgo to eat TOKYOの期限が迫ったため、慌ててテイクアウトの寿司を持ち帰って食べたばっかりであったし、その前夜は厳密には寿司屋というよりは寿司居酒屋といった方が実態に近いお店で呑み食いする機会があったばかりなのです。寿司は大好きでありますが、連日続くとどうにも身体が生の魚介を受け付けなくなってしまうのです。魚介というのは思っている以上に脂が強くてぼくのひ弱な臓器にダメージを与えてくれるようです。でもちゃんとした寿司屋で呑める機会など我が残りの人生にそう何度もなさそうである。というわけで重い胃腸ながらも向かったのは「喜せん」でありました。日暮里だから限界はあるけれど、この界隈の店舗としては瀟洒な外観であり期待を抱かせてくれます。店内もカウンターよりは卓席がメインの落ち着いた内装となっています。職人の2名は親子なんでしょうか。努めて表には出さないようにしたけれど、どうもこのお二方には確執があるようにお見受けしました。時折ぎすぎすしたムードが揺蕩うのを鋭敏なぼくの感性は捉えてしまったのです。でも出される刺し盛やお好みの握りは実に立派なものでした。胃腸の調子さえ良ければ当然に日本酒としたいところですが、この夜は生ビールにウーロンハイの流れで目一杯です。赤貝が美味しかったなあ。鮮度の差なのかよく分からないのですが、貝類ってきっちり値段の差が味の差に反映される気がします。昔は貝類にはあまり興味がなかったんですけどね。年を重ねるごとにゆっくりと好きになっています。それと都内ではシャコがなかなか食べられないので頼んだのですが、今年はシャコの入りが良くないみたいでお預けとなりました。でも勘定の金額を聞いて、この先ぼくがちょっと寿司でも摘まんでいこうかってなることはやはりなさそうに思えるのでした。
2023/02/10
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ぼくはどちらかというとそば好きだと思っています。どちらかというとって書くとうどん派かそば派かみたいな議論に持ち込もうとしているんじゃないかという誤解を招きそうでありますが、そうではないのです。そばの好き嫌いのどちらかというと好きに傾くといった程度にご理解いただきたいのです。でもねえ、好きなのは間違いないのだけれど、そばなんて本来的には地味な食べ物のはずで通ぶる人は多いけれど、シンプルなもりやざる、かけだけで食べるのに実のところ大方の人は飽き飽きしているんじゃないだろうか。仮にそば打ち名人が極上のそば粉と水を使って打ったもりそばを一生涯毎日食べさせてくれるという申し出があったとする。一方で町場のそばではあるけれど毎日好みのそばを選んで食べることができるとする。仮にとはいえかなり荒唐無稽な話ではあるけれど、無理に答えるとすればぼくは必ずや後者を選ぶに違いありません。多分多くの人たちも同様であると思うのです。そう考えてみると名人の打ったそばは当然美味しい(貧乏性のぼくでもそこそこ定評のあるそば店のそばを食べたことがあるのだ)。でも小麦粉の含有量の多い立ち食いそば屋の茹で麺もあれはあれで美味しいものだし、自宅で茹でた乾麺だって決して悪くないと思うのです。そればかりでなく実のままのそばだって大好きだし、そば粉を練ったそばがきやクレープ上にしたガレットなどもたまに無性に食べたくなったりするのです。だから求道的に至高のそば打ちに邁進する方のそばも無論食べてはみたいけれど、ぼくにとっては数あるそばレシピの中に埋没してしまいかねないと思っているのです。てまあ先ほどの仮の話のように未来に亘って保証されたりしない以上、目の前に名人のそばと見た目には豪華な天ぷらそばを選ばされた場合、きっと前者を選んでしまうのでしょうね。 ってまあどうでもいい無駄話になりましたが、ぼくは変わりそばが好きなのです。でも町場のそば屋って言ってもそれなりに値が張るのでありまして自宅でもその気分だけでも味わえるならそれで良しと思える程度の変わりそば好きでしかないのです。と何やら言い訳めいた発言を残しつつ今回も性懲りもなく多様なそばの世界を切り開くのであります。 静岡県に「富士見そば」ってお店があるらしくて、そこでチーズそばなる品があります。そばとチーズが相性のいいことはガレットで分かってはいるけれど、汁を張ったかけそばでチーズってのはどうなんだろうか。【材料】そば(茹でる) 1人分/溶けるチーズ 40g/青ねぎ(小口切り)・揚げ玉 適宜/めんつゆ・水・タバスコ 適宜【作り方】1. 鍋にめんつゆ、水を入れて沸かす。溶けるチーズを加える。丼にそばを盛って注ぐ。青ねぎ、揚げ玉をのせてタバスコをかける。 無茶苦茶、違和感なく食べられちゃいました。タバスコが思いの外いい仕事をしています。 江東区に「そば茶屋 愛知」ってお店があるらしくて、そこで花山椒そばなる品があります。そばと山椒が相性のいい事は分かり切っています。なのでこの中華風味を加えたレシピも美味しいに違いないと思ってます。【材料】そば(茹でる) 1人分/めんつゆ 適宜/卵 1個/花山椒 小さじ1/2/【肉味噌】酒・豆板醤・醤油・味噌 小さじ1/2/豚ひき肉 50g/にんにく・生姜 小さじ1/4/サラダ油 小さじ1/花山椒 小さじ1/2【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して豚ひき肉、にんにく、生姜を炒める。酒、豆板醤、醤油、味噌を加える。花山椒を加える。2. 鍋にめんつゆを沸かして卵を加える。3. 丼にそばを盛って2.を注ぎ、1.をのせる。花山椒を添える。 そりゃまあ美味しいよねえ。この肉味噌はごはんにだってうどんにだってパスタにだって合うに決まってるし。 レンコンが好きで安く売られていたらたくさん買って無水調理風に蒸かしておくのですが、それを転用してレンコンそばにしてみました。【材料】そば(茹でる) 1人前/レンコン(5mm幅) 1/4節/鶏ひき肉 30g/青ねぎ(3cm幅) 1本/めんつゆ・水 適宜【作り方】1. 鍋に湯を沸かしてめんつゆ、レンコン、鶏ひき肉を入れて加熱する。青ねぎを加える。丼にそばを盛って注ぐ。 そばとレンコンの一体感はまったくありませんが、サクサクとした食感とほんのりとした甘みが好ましいです。レンコンを粗みじん切りにしてきんぴら風の味付けをしたのをトッピングするのも当然ありだと思うのです。 レンコン同様にタケノコも好きなんですが、旬の時期のものをこうした変わりそばに用いるのはいかにももったいない。贅沢言わずに中国産の水煮で良しとします。タケノコそばも前述のレンコンそばと似たような発想で作ることにしましたが、あまり似てしまうとつまらんのでこちらは冷やしとしました。【材料】そば(茹でる/冷水で冷やす) 1人前/タケノコ(薄切り) 2cm/青ねぎ(小口切り) 2cm/刻みのり・めんつゆ(水で希釈)・水・マヨネーズ、一味唐辛子 適宜【作り方】1. 皿にそばを盛ってタケノコをのせてめんつゆ、マヨネーズをかける。青ねぎ、刻みのり、一味唐辛子を散らす。 無難に美味しく仕上がりました。これもみじんに切って下味を付けてみてもよかったかも。まあ色々と工夫のし甲斐はありそうですが、まずはシンプルにということで。
2023/02/09
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子供の頃、ぼくには数多くの夢がありました。映画監督や映画評論家、小説家に批評家、料理人に美食家と相互に補完したり敵対する関係だったりの職業を夢見る辺りが今更ながらひねていますが、まあそういった仕事に就く夢を抱いていたわけです。身に余る夢を持つことがいいことか悪いことなのか、それを叶えるための精進を怠らなかったかというと何ら努力もせずに夢ばかりを追い求める気まぐれでいい加減な子供だったのです。子供なんてのはそんなもんだろうと思う一方で、近頃の子供たちのなりたい職業にサラリーマンだったり公務員だったり、果てはユーチューバーになりたいなんてのを目にすると暗澹たる思いにとらわれるのはぼくだけではないはずです。でもちょっと考えてみると身勝手な思い込みでなりたい職業を夢見ているということでは何ら違いはないのかもしれません。そんな将来のなりたい職業の一つに力士、お相撲さんがありました。小学校の高学年になってちょっとぽちゃっとした時期があって、その頃ちょうど実家で週末に隔週でちゃんこ料理屋に通うのが定例となっていて、こんなのを毎晩好きなだけ食べられるなんて、なんていい商売だって思ったんです。ちなみに毎週ちゃんこ屋に行けたなんて贅沢だと思われるかもしれませんが、当時住んでいた町で歩いて行ける飲食店が2軒だけだったのとそんな辺鄙な場所だったからお値段がすごいお安かったようなのです。とまあ今思い返すとなんとも浅はかな考えでありましたけど、子供の夢なんてそんな程度なんじゃないですかねえ。今の子供がサラリーマンに憧れるのは適当に仕事して夜は酒呑んで給料もらえるって思ってるからなんだろうし、ユーチューバーは面白おかしくやって大儲けできるって思ってるんでしょうか。大人のことを舐めくさっとるわけですよきっと。 とまあ、そんな前置きはさておいて、今のぼくは相撲に全く興味はないのでありまして、というかそもそも力士に憧れた子供の頃ですら相撲中継など見ることはなかったというのが正直なところなのです。でも土俵を目の前にすると日本男児たるもの血が騒ぐわけで、知人の知人がやっているお店という「横綱とんかつ どすこい田中」に連れていかれて呑むことになった訳です。先般も書いた通り酒を呑むようになってとんかつとちゃんと向き合えるようになったぼくでありますが、すでにいい具合に呑んでいたから肝心の土俵の写真すら撮り損ねています。唯一の写真の画面上部に微かに痕跡が見て取れますが、まあ店内の様子は公式HPなどご覧いただければ確認いただけると思います。肉厚でボリューム感のあるとんかつを齧ったきりで他の酒の肴の記憶は朧気であるが、きっと美味しい料理を出してもらえたのだと思います。ここではひたすら酒を呑み、幼かった頃の夢を取り戻そうと思ったか思わなかったか、ガキの頃の夢を再びとばかりにいい年をしたおっちゃんが土俵と戯れてしまったのでした。その写真は後日送り届けられてきたけれど、とても公衆に晒すわけにはまいらぬのです。にしてもあんなにはしゃぎまくっている自分を目にするのはこれが初めてかもしれないなあ。店の方からは、土俵で遊ぶ人がいてもあれ程までに大はしゃぎしたお客は初めてと評されていたとお聞きしました。といった次第でもっとちゃんと吞み食いレポートすべきでしょうが、それだけの情報は持ち合わせていないのです。翌日這う這うの体で職場に着いてコートを脱ぐと服に大量にまとわりついた前夜の狂態の痕跡が盛大に舞い散ったのでした。
2023/02/08
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かつて美味しいうどんを自宅で食べることはできませんでした。無論、自らちゃんとした粉と水を用意して自身でうどんを打つだけの強いモチベーションがあれば自分ちでもかなり美味しいうどんが食べられていたはずです。しかし、そんな面倒を買って出るまでの根性の持ち合わせはないのです。今では冷凍うどんがかなり本格的な味わいが楽しめるようになったから当面はこれ以上の質は求めようと思わないのです。そもそもぼくはそこまでうどんに対して執着していないのです。と書くと誤解を招きそうですが一応お断りしておくと、コシが強くて何杯だって食べられちゃう讃岐うどんは食い倒れツアーを何度か敢行しているし、ゴリゴリの食感が癖になる武蔵野うどんや逆にコシも何もない伊勢うどん、名古屋の味噌煮込みうどんに甲府のほうとう等々、並べてみると自分がいかにうどんが好きだったんだなあと思い知るのであります。でもそうは言っても日常生活でうどんに気持ちが傾くことは稀でありまして、うどんを食べるならそばを食べようってなっちゃうのです。うどんは冷凍がいいのにそばは冷凍がイマイチ、それとは逆に乾麺はそばがかなり品質が向上したのに対してうどんでこれぞっていうのには未だ遭遇できていないのです。そんなだからつい乾麺のうどんで未食のものがあるとつい手に取ってしまい、ますます美味しいことが保証されている冷凍うどんを求める機会が少なくなるのでした。といった訳で、前回の焼きうどんトーストのうどんも乾麺を使ったものであり通常のたぬきうどんがイマイチだったので強引にアレンジしてしまった慣れの果てだったのです。ということで今回はうどん特集であります。 と言いつつまず登場するのはうどんならざるソフト麺なのです。良く給食の人気メニューとして紹介されますが、実はぼくはこのソフト麺を食べたことがなかったのです。小学校の6年間と中学校の2年間(3年目は給食がありませんでした)、何度か転校をしたものの一度たりともソフト麺を食べる機会がなかったのです。たまたまローソンストア100に立ち寄ったところなんと扱いがあるんですね。つい出来心で買い求めてしまいました。さてどうやって食べようか。ネットで調べるとミートソースをかけて食べるもしくはカレーソースで食べるのがメジャーかつポピュラーみたいなので前者にて食べてみることにしました。ふくい学校給食のレシピがアップされていたのでそちらを参考に作ってみることにしました。ソフト麺トマトソース【材料】ソフト麺 3袋/合びき肉 140g/にんにく・生姜 1.2g/トマト 200g/ニンジン(みじん切り) 80g/ 玉ねぎ(みじん切り) 160g/セロリ(みじん切り) 8g/ひらたけ 40g/ほうれん草(下茹で/2cm幅) 40g/鯖のへしこ 3g/トマトケチャップ 大さじ2/ウスターソース 小さじ1/赤ワイン・白ワイン・オリーブ油 大さじ1/塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してにんにく、生姜を炒める。鯖のへしこを加える。合びき肉を加える。ニンジン、玉ねぎ、セロリ、ひらたけを加える。塩、胡椒する。赤ワイン、白ワインをえる。トマトを加えて煮る。トマトケチャップ、ウスターソースを加える。温めた麺の上にかけ盛り付ける。 赤白ワインを使うなんてちょっとユニークなレシピに思えましたが、思った以上に古系のミートソースの味わいでした。ソフト麺はねえ、そんなには美味しいと思えないんだけどねえ。当初はカレーソースも試してみることを想定していましたがわざわざリピートはしないのだろうなあ。 愛知県岡崎市にはもろこしうどんという変わりうどんがあるようです。うどんととうもろこしの組合せは間違いないでしょう。【材料】冷凍うどん(茹でる) 1玉/コーン 大さじ5/卵 1個/三つ葉・ねぎ(みじん切り) 適宜/【だし】めんつゆ・醤油・みりん・酒・塩・水 適宜/片栗粉 大さじ1/水 大さじ2【作り方】1. 鍋で【だし】の材料を沸かす。水溶き片栗粉を加える。コーンを加える。溶き卵を加える。2. 器にうどんを盛って1.を注ぐ。三つ葉、ねぎを散らす。 うん、想像通りで美味しいです。でも味が単調なので段々と飽きてくるのです。甘みも飽きに拍車をかけるようです。少な目ならいいのですが、少量で作るのは面倒です。ということで次の登場はあるのかなあ。 カニカマで作るインチキかに玉風がチープに思えますが、あんかけが寒い日にはありがたい。ってことでかに玉うどんです。【材料】袖る(茹でる) 1玉/カニカマ(割く) 4本/卵 1個/長ねぎ(小口切り) 5㎝/めんつゆ 50ml/みりん・酒 大さじ1/オイスターソース 適宜/水 300ml/片栗粉 大さじ1/水 大さじ1【作り方】1. 鍋で水を沸かしてカニカマ、めんつゆ、みりん、酒、オイスターソースを加える。水溶き片栗粉を加える。溶き卵を注ぐ。丼にうどんを盛ってかける。長ねぎを散らす。 うん、まあ美味しいですね。でも中華の卵料理全般に言えることですが、味がのっぺりと平坦な感じで途中味変できるような仕掛けが何かあった方がいいように思っていたのです。これもそうですね。食べるラー油だったりを途中加えるのもありかもしれません。
2023/02/07
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京成本線の千住大橋駅を最寄りとするエリアのとある酒場に随分以前にお邪魔したことがありました。その夜は千住寿町方面でぼく好みの酒場に遭遇できてすっかりご機嫌になった勢いで北千住駅には引き返すことはせずに千住大橋駅に向かったひたすら南下するという帰宅コースを辿ったのでありますね。当時(今でも?)、そのエリアは地の利もなく闇雲にうねうねと酒場捜索を兼ねて彷徨い歩いたのでありますが、随分歩き回ったと思った頃、そのサッシ戸の安普請な酒場が視界に飛び込んできたのです。無論、嬉々としてお邪魔することにして界隈らしい少しやさぐれた雰囲気を堪能したのです。後日、その酒場のことを呑み友達たちに語って聞かせたところ、興味を抱く者が少なくなかったので、ではいずれご一緒しようと約束したはいいけれど、肝心の場所がすっかり出来上がっていたものでネット上ではどうにも探し出せなかったので、幾度か足を運んでみたのです。ところが一向に見つかる気配がない。酔ってしまって存在しない酒場を存在するものと勘違いしてはいないはずである。なんてったって写真は残ってるんですからね。やがて歳月は流れすっかりその存在を忘れかけていたのですが、知人からとあるサイトの存在を知らされたのです。言われるままにそのページを見ると当の酒場は「陸の孤島」にあるそうだ。ぼくが知る限りでは、千住大橋駅から10分程度の場所だったはずだからこの人独自の「陸の孤島」の定義があるか―というかぼくはこの陸の孤島という表現に常々疑問を抱いています―、店名が一緒で見てくれも似通った全く別の酒場と解釈せざるを得ない。何と言ってもぼくが知るその酒場は2013年にこのブログで公開していて、各種ネット検索でも結果として表示されていたはずだから「ネット情報一切なし」ということは、やはり似て非なる全く別の酒場なんだろうなあ。 ということでその方の情報を参考に千住大橋駅から歩いてその酒場に向かうことにしました。徒歩10分弱歩くと到着しました。やはり「陸の孤島」とは思えぬ住宅街でしかないですねえ。この方は住宅街を海と見立てているのかなあ。またぼくは駅からもそう遠くないと思ったけれど、この方は歩くのがちょっと遅いのかもしれません。そうしたあっさり辿り着いた「やきとり 長平」でありますが、やはりほぼ記憶のままなんですよね。まあ、実のところそんなことはどうでも良くて、似ているだけかもしれないこの酒場に巡り合わせてくれたことには感謝しているのであります。ホントのとこ。よもや未だ現役なことに驚かされました。しかし、残念ながらこの夜はお客が帰ったので営業を終了したとのお達しでありました。まあ仕方ないですね。なのでそのすぐ傍にある「中華・洋食 味楽」にお邪魔することにしたのでっす。外観写真は撮り損ねたようですが、まあ住宅街の取り立てて目立ったところのないむしろかなり滋味目な構えのお店でした。が、店内に入ってみるとすぐにテーブル2卓があってそこでは地元のちょっといかつそうな2世帯が大いに賑わっておりました。奥に伸びる暗いカウンター席ではご老体が一人ラーメンをすすっております。相当に濃いムードのいかにも足立区って感じのお店です。なんて書くとぼくの偏見を糾弾されても仕方がないな。S氏とぼくはその奥の席に通してもらいました。酒の品書きは見当たらないけれど、焼酎の有無をお聞きするとあるとの答えなのでウーロンハイをお願いしました。肴は手早く作れてすぐに出てきそうな餃子と焼きそばをお願いしました。餃子は見掛けはともかくとして味は良かったし、焼きそばは肉もたっぷりと食べ応えがあり、当然酒の肴にもぴったりなのでした。こちらのお店、ネット情報があるかどうか知りませんが、地元に密着しているからあんまり言いふらさない方がいいのかな。でもまあこのブログなんて「ネット情報一切なし」ってなるから気にするまでもないかな。
2023/02/06
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これまで何度か取り上げてきた食パンレシピでありますが、ちょっと見直す必要をひしひしと感じています。というのが似たようなことばかり言っていて申し訳ないのですが、基本的に食パンっていうのは素朴な味わいだから大概の食材を受け止めちゃうんですよね。だから何をのせたってそれなりに美味しく食べられちゃうのです。無論、のっけるものが一般にゲテモノと呼ばれるようなそれ自体が食べるのに躊躇するようなものが合うはずもないわけであります。それ単独であれば美味しく食べられるもので合わない食材が思い至らないのです。あっ、グミは辛うじていけそうだけどチューインガムはダメだろうなあ。やはり最終的に嚥下することを前提としていない食材もダメでしょうね。ってかチューインガムはどんな食材ともなかなか交わることのないだろうな。複数の食材を組み合わせるというアイデアも浮かびはする。しかし、例えばステーキにジャムがあったらこれはきっと食パンの有無に関わらず避けておきたいと思うのです。では食パンに似た食材と組合わせたとする。というか食パンをトーストで挟むというレシピがあって以前報告したけれど、これが究極かとも思えるけれど案外しっくりハマって普通に食べれてしまうのだ。そういやカレートーストはあるけれど、カレーライストーストはやったことがないなあ。チャーハンとかチキンライスはどうだろう。きっとそんなに違和感なく食べれちゃうんだろうなあ。水に浸した食パンは不味い―実際に調理中に水が掛かったのを食べたらかなり不味かった―から、水っぽいものではどうか。トーストした食パンをスープやサラダに浮かべたりのせたりして食べるは美味しいですよね。でもそれって洋風のスープだったりサラダ向きに思える。和風だとどうだろう。味噌汁はやった事がないけれど麩みたいなものだろうし、かけそばに乗っけたのも以前試したけれど、まあ旨いってもんではないけれどそれなりに食べられてしまったのだ。ああ、食パンレシピに未来はあるのだろうか。 といいながらも地道にチャレンジングメニュー、焼うどんトーストをやってみました。焼きそばがあるなら焼うどんもねってことでやってみたのです。【材料】食パン(8枚切/トースト) 1枚/うどん(茹でる) 1/3人前/豚ひき肉 20g/もやし 1/4袋/中濃ソース 小さじ1/トマトケチャップ 小さじ1/2/サラダ油・塩・胡椒・マヨネーズ 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して豚ひき肉を炒める。うどん、もやしを加える。中濃ソース、トマトケチャップ、塩、胡椒を加える。食パンにのせる。 まあねえ。全く普通に美味しいのですね。それ以上コメントしようがありません。 アボカドトーストをわざわざ書く必要があるかねえ。これはアボカド嫌いじゃなければ不味い訳があるまい。【材料】食パン(8枚切) 2枚/アボカド(5mm幅) 1個/マヨネーズ・溶けるチーズ 40g/胡椒 適宜【作り方】1. 食パンにマヨネーズを塗ってアボカド、溶けるチーズをのせる。胡椒を散らす。トースターで3分焼く。 ってまあ当然美味しいですね。定番入りしてもおかしくない安定感です。 和風の食材との組合せは一見するとアンマッチな印象ですが、ちょっと想像してみるだけでそんなことはないってすぐにわかってしまいます。ネットに海苔チーズのたけのこトーストなるレシピがあったので、まあ食べた印象は想像できるけど、ちょうど食材が揃ったので作ってみました。【材料】食パン(8枚切) 1枚・のり・オリーブ油・胡椒・タケノコ(薄切り)・溶けるチーズ 適宜【作り方】1. 食パンに溶けるチーズ、のりタケノコをのせてトースターで焼く。オリーブ油、胡椒を散らす。【備考】NEWS123 「【スッキリ】のりチーズのたけのこトーストの作り方 山口萌子さんアレンジトーストレシピ(4月30日)」https://news123.work/gourmet/sukkiri210430nori/ タケノコも懐の深い食材ですね。味付けが物足りないかと思いきや、オリーブ油が実にいい働きをしています。 おせちに飽きた頃に作ったのが、伊達巻サンドイッチです。おせちの残りを食パンと組合すのは定番ですね。【材料】食パン(8枚切/2等分) 1枚/伊達巻 2枚/マヨネーズ・マスタード 適宜【作り方】1. 食パンにマヨネーズ、マスタードを塗って伊達巻を挟む。 きんとんとか黒豆、数の子なんか普通に使えそうです。カマボコを単に並べたのはちょっとダメな感じもするけれど、工夫すれば相性は良くなりそう。あっ、田作りは味は問題なさそうだけれど食感がかなりミスマッチな気がするけれどどうだろう。この辺に突破口的アイデアが潜んでいそうです。
2023/02/05
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ご当地ラーメンが花盛りのようです。この年末年始は、例年以上に退屈でテレビ放映を視聴する機会はほとんどありませんでした。たまに読書に飽きてニュース番組でもやっていないかとテレビのスイッチをオンにしてチャンネルをいじってみても、スポーツ中継やお笑いばかりでうんざりさせられました。それに混じって何度かラーメン特集を目にしました。日本人の身体の何割かはラーメンでできてるんじゃないかと思うほどです。以前も書きましたがぼくはラーメンが大好きですが、外食として食べるのはほぼオーセンティックないわゆる中華そばがほとんどです。1杯千円とかそれ以上するようなラーメン専門店に自ら好んで食べに行くことはまずないのです。別に嫌いとかそういうことではなくて、ご馳走してもらえる場合にはむしろ喜んで食べたりもするのですが、少なくとも自腹で千円とかそれ以上を支払うのなら酒なしは是非とも遠慮しておきたいと思うのです。ラーメンは無論、ぼくにとっては酒の肴となり得ますが、高級なラーメンは大概はこってりとしていてとてもだらだらと酒を呑む気になれぬのです。でもオーソドックスな中華そば以外でも自ら好んで食べたいと思うラーメンがあります。それがご当地ラーメンと呼ばれる日本各地にある他所とは違った具材だったり製法で作られたラーメンでありまして、この種のラーメンは旅先なんかだとつい食べたくなるのです。しかし、具材の変化に勝負を賭けた北海道なんかの各種魚介のふんだんに使われたラーメンなんかはその材料さえ用意できればどうやら自分でも作れそうに思えるのですね。実際に実物を食べると全く別物だったりすることもあってそれはそれで愉快なものです。そして一見するとショボい位のものの方が食べてみたくなるものなんですね。果たして今回作った4食は本物にどれ程迫れているのか確認してみたいと思うのです。 最初は、サンマーメンであります。横浜なんかで食べられているご当地ラーメンで、これは実食したことがあります。一言ではタンメンの醤油スープヴァージョンといったところですが、うるさ型には全くの別物と言われてしまいそうです。様々なのレシピがありますが、今回は、うえやまとち著『クッキングパパ』のレシピを参照しました。【材料】中華麺(醤油/茹でる)・豚肉(一口大)・キャベツ(一口大)・もやし・ほうれん草(茹でる/一口大)・ニンジン(一口大)・長ねぎ(斜め切り)・キクラゲ(水で戻す)・サラダ油・ごま油・鶏がらスープの素・塩・胡椒・片栗粉・水 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して豚肉を炒める。ニンジン、キャベツ、長ねぎ、キクラゲ、もやしを加える。塩、胡椒する。鶏がらスープの素、水、ほうれん草を加える。水溶き片栗粉を加える。2. 丼に中華麺に添付のスープ、湯を入れて混ぜる。中華麺を加える。1.をのせる。 実にまあ普通に美味しいです。これは具材がトロミ付きですが、トロミなしもありそうです。でも材料から見て取れるとおり少しも意外性も驚きもなくてちょっと物足りません。 名古屋の「萬珍軒」なる町中華で提供される玉子とじラーメンというのをテレビで見ました。予め溶き卵を入れた丼に熱々のラーメンスープを注いでかきたま状にしたちょっと酢の酸味が効いたラーメンです。【材料】中華麺(醤油味/茹でる) 1玉/酢 大さじ1/醤油 小さじ1/2/豆板醤 小さじ1/2/白ごま・長ねぎ(粗みじん切り) 適宜/卵 1個/鶏がらスープの素 小さじ1/2/水 200ml【作り方】1. 鍋で湯を沸かして鶏がらスープの素を加える。2. 丼に長ねぎ、付属のスープ,酢、醤油、豆板醤、溶き卵を入れる。1.を注ぐ。中華麺を加える。白ごまを散らす。 酢の種類や分量の加減に工夫すればこれは自宅でもそれなりの仕上がりが期待できそうです。二日酔いの朝にも良さそう。 新潟県の妙高市で食べられているとん汁ラーメンもテレビでその存在を知りました。某有名店(らしい)の店主曰く玉ねぎや味噌に並々ならぬ拘りがあるようですが、調理自体は極めて簡単でこれぞ家庭ラーメンの定番となり得るのではないかと期待して作ってみました。【材料】中華麺(醤油味/太麺/茹でる) 1玉/豚バラ肉(3cm幅) 80g/玉ねぎ(くし型切り) 1玉/木綿豆腐(6等分) 1/2丁//サラダ油 小さじ1/味噌・塩 適宜/水・胡椒・七味唐辛子 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して味噌を炒める。豚肉を加える。玉ねぎ、塩を加える。木綿豆腐を加えて煮る。2. 丼に付属のスープ、湯を入れて中華麺を加える。1.をのせる。 なるほど、これはいいですねえ。定番は醤油ベースのようですが、塩や味噌のベースのものもあるらしく自由度は高そうです。というかこれをそのままごはんにかけても美味しいでしょうし、そばやうどんでもまず間違いがなさそうです。具がシンプルなところが大事なポイントなのでしょうが、ぼくはニンジンやじゃがいもも入れてみたいと思いました。 中華麺と和風だしの組合せは案外日本各地で提供されているようですが、鳥取では「武蔵屋食堂」なるお店で出されていた素ラーメン(すラーメン)というのが知られているようです。具材も普段から冷蔵庫にあるものが多く、なけりゃないで適当にあるものを浮かべれば良さそうです。【材料】中華麺(ちぢれ細麺/茹でる) 1玉/もやし(茹でる) 1/4袋/揚げ玉・青ねぎ(小口切り)・かまぼこ(5mm厚) 適宜/胡椒 適宜【だし汁(沸かす)】鰹節・昆布・煮干し・水・塩・薄口醤油・みりん 適宜【作り方】1. 丼に中華麺をもってもやし、揚げ玉、青ねぎ、かまぼこをのせる。【だし汁】を注ぐ。胡椒を散らす。 ぼく、この淡泊なスープで中華麺を食べるの好きなんですよね。わざわざ外でお金を払って食べるのもどうかと思うから、これからも自分で作ることになりそうです。
2023/02/04
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「名は体を表す」とか申しますが、どうもぼくにはしっくりこないのです。少なくとも自分の名と体を思い描いてみただけでも名前と実体に大いにギャップを感じているのです。もともと名前なんていうのは、親などが手前勝手な期待を込めたり、おふざけで付けたりするもので、実体とかけ離れるのは当然のことであります。芸名だったりペンネームなど後付けの名前であれば、それなりに自身の容姿性格を反映させることもできるのでしょうが、それはそれでキャラクターが固定化されてしまうから将来の転機や再帰を図る際の重石にもなりかねません。それに引き換えると店名というのは色んな意味で自由度は格段に高いように思えます。物件が完全に前代を継承する場合は例外として、基本的には外観だったり内装に想定している店名のイメージを付与することも可能だし、人物の固有名詞に拘らず用いることができるのだから選択肢は人の名と比較すれば圧倒的に多くなるはずです。まあ、自由度が高すぎるのも良し悪しがあるのでしょうね。大体において真の自由というのが現実に存在すると仮定するとそれに耐えうる精神性を維持し得る人など存在しないと思うのです。まあ、仮定の話などはこのブログにおいては無用なものだからここでは具体的な「名は体を表」さなかった事例を酒場の店名に見ていきたいと思うのです。 松戸駅西口-西口-から徒歩5分弱。ここには以前「カプリチョーザ」があったと思います。ガラス張りの見通しの良いお店でこうした構えは、安心感と引き換えに初めての店に入る際の緊張感が希薄なのが玉に瑕。まあ、多くの人にとっては、妙な緊張感など不要なのでしょう。この夜は冷え込みがキツかったので駅近物件がよかろうと開店情報を得ていたぼくは迷わず「炭火焼鳥 暖」というお店にお邪魔しました。店名もいかにも温かそうだしね。戸を開けると店の方がカウンター席もしくは入口付近の卓席を勧めるのですが、同伴者もいたので卓席に案内してもらいました。ところがこれが大間違い。戸の隙間から寒風が吹き込んできて寒いのなんの。一度は脱いだコートを着直すことになりました。これが前段の長いフリの意味するところの全てでありますが、予め屋台で呑むなど寒い事を覚悟していたならまだしも、開店早々のお店で寒いというのはいかにもいただけません。きっと客からの指摘で今は改善したものと思いますが、薄着の従業員の方たちは寒くないのだろうか。きっと寒くないんだろうなあ、だって寒けりゃとっくに何らかの対策が取られていただろうし。だとすれば寒がっていたのはぼくと同伴者のみということで未だに状況が変わっていないこともあり得るということですね。さて、こちらは焼鳥のお店とのことなので盛り合わせを頂きますが、まあごく普通に美味しかったかな。でも寒いから唐辛子をバンバンかけます。ちょっとお得なポテトフライにもたっぷりと使わせてもらうことにします。額に薄っすらと汗が浮かびますが、むしろそれで冷えてしまうのです。後から来た客たちは暖かそうな奥の席に通されていきます。2人組の客も混じっていたから釈然としません。もう少し後に来ていたら温かく呑めたということでしょうか。映画を一度見ただけで良し悪しは言えないし、酒場も同様だと思うけれど、少なくとも冬真っ盛りの今はまだ再訪する気分になれないのでした。
2023/02/03
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昨日の続きです。「流し込み制」は戦後、映画人口にたいして映画館数が絶対的に不足していたことに起因していた。急造の「バラック建ての映画館」では、観客側も列をつくって待たされるよりも、立ち見でもよいから映画が見られれば満足だという時期があったのである。『映画館と観客の文化史』(2006年、中公新書) 映画館でも酒場でもその内装の雰囲気であったり収容人数だったり、客層の良し悪しなど設備面には差異があります、また、基本的に同系列の映画館であれば同じ映画が上映されるのが普通ですし、チェーン店の居酒屋はどこだって同じ酒や肴が提供されます。一方で「列をつくって待たされる」の場合はいささか事情が違ってくるようです。大ヒットしている映画の場合は、同系列の映画館はどこも「列をつくって待たされる」ことになりますが、酒場では「列をつくって待たされる」ような事態は基本的に皆無です。しかし、独立した映画館の場合、上映される機会が極めて稀な映画だったり古い映画が上映されるとなると観客は「列をつくって待たされる」ことを唯々諾々と受け入れて、「立ち見でもよいから映画が見られれば満足」といったことが生じます(ぼくが映画をまともに見ていた頃にはまだまだ立ち見で映画を見るという機会は少なくなくて、特にリバイバル上映された長尺の『風と共に去りぬ』(ヴィクター・フレミング監督、1939年、 222min.)や『『木靴の樹』(エルマンノ・オルミ監督、1978年、186min.)』は印象に強く残っています)。酒場の場合も同様でそこで提供される酒や肴を求めて訪れる客たちは「列をつくって待たされる」ことを苦にしないかのようなのです。これは現在でも事情は変わっておらず、「時期」の問題ではなく「マニア度」の問題も別個検討する必要があるように思うのです。さらに映画館では立ち見専門館は存在しないのに対して酒場には立ち吞み専門店が「時期」に左右されることなく存在していたのです。どういうことでしょう。同書に触れられていますが、第二次世界大戦前にはニュース映画専門の映画館があって自由に出入り可能なシステムだったというから、これなど立ち見式の劇場が存在したって不思議ではなかったと思うのです。確かに映画を立ったままで見るのはしんどそうですが、むしろ眠りに落ちる可能性が低いから映画全篇を通じて隈なく見通したいという勘客にはその方が適しているともいえるんじゃないか、ってなことをつらつらと考えたわけで、ぼくだったら立ち吞みと立ち見映画のハイブリッドはあり得るんじゃないかなどと想像してみるのです(今も現役かどうかは知らないけれど、かつては映画を上映する居酒屋は存在しました)。と長くなったので、ここで打ち切り。まったく話に繋がりはありませんが、今回はまたもカレー特集なのでした。 まずは、春雨カレーです。麻婆豆腐+カレーライスが想像以上に美味しかったから麻婆春雨+カレーライスを試してみたまでです。【材料】ごはん 1膳分/豚ひき肉 30g/春雨 20g/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/ニンジン(細切り) 1/5本/ピーマン(5mm幅) 1個/キクラゲ(水で戻す/一口大) 3個/サラダ油・ごま油 小さじ1/にんにく・生姜 1片/赤唐辛子(砕く) 1本/鶏がらスープの素・豆板醤・甜面醤 小さじ1/カレー粉・カレーフレーク 小さじ2/水 200ml【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜、赤唐辛子を炒める。豚ひき肉、玉ねぎ、ニンジンを加える。ピーマン、豆板醤、甜面醤、カレー粉を加える。水、鶏がらスープの素、春雨を加えて煮る。カレーフレークを加える。皿にごはんを盛ってかける。 可もなく不可もなし。普通に美味しいですねえ。でもこれなら春雨でなく豆腐に置き換えて麻婆豆腐カレーがやっぱりいいかな。もっと春雨らしさを味わえるようにスープカレーっぽくした方が良かったかも。 麻婆豆腐カレーが想像以上に美味しかったから麻婆抜きの豆腐カレーを作ってみることにしました。和風だしでちょっと和の味わいを加えることにしました。【材料】ごはん 1膳分/木綿豆腐(水切り/一口大) 1/2丁/ニンジン(銀杏切り) 3cm/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/豚ひき肉 40g/サラダ油・カレー粉・水・顆粒だしの素・カレーフレーク・醤油 適宜【作り方】1.鍋にサラダ油を熱して木綿豆腐、ニンジン、玉ねぎを炒める。豚ひき肉、カレー粉を加える。水、顆粒だしの素を加えて煮る。カレーフレーク、醤油を加える。皿にごはんを盛ってかける。 ふうん。もしかしたらダメダメかと思ったけれど思ったより美味しいですね。学生の頃、貧乏だけれどどうしてもカレーが食べたくなって作った際に豆腐を入れたのですが、その時は違和感が強くてどうも口に馴染まなかった印象が残っていたのです。今は変わり種カレーを色々食べてきて偏見がなくなったから全く違和感なく頂けました。ルーのみだとトロトロし過ぎたのが良くなかったのかもしれないです。 すっかりレギュラー化したうえやまとち著『クッキングパパ』からタケノコのゴロゴロカレーです。この人はカレーとビーフシチューのルーを加えるのが好きだなあ。【材料】ごはん・タケノコ(一口大)・鶏ひき肉・玉ねぎ(みじん切り)・トマト(一口大)・りんご(おろす)・にんにく・生姜・トマト水煮・オリーブ油・ローリエ・クミンシード・ガラムマサラ・胡椒・塩・カレールー・ビーフシチュールー・鶏がらスープ・水・【アレンジ】赤ワイン・ブランデー・トマトケチャップ・ウスターソース 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、生姜を炒める。鶏ひき肉を加える。クミンシード、ガラムマサラを加える。塩、胡椒する。鶏がらスープを沸かした鍋に加える。2. フライパンにオリーブ油を熱してにんにく、生姜を炒める。玉ねぎを加える。トマト、ローリエを加える。トマト水煮を加えて煮る。1.に加える。3. フライパンにオリーブ油を熱してタケノコを炒める。塩、胡椒する。1.に加える。4. 1.にカレールー、ビーフシチュールー、りんごを加える。皿にごはんを盛ってかける。 いやまあ、なかなか美味しいんですけどね。もともと日本のカレールーはビーフシチュールーと被る旨味たっぷりが添加されているからわざわざ合わせる必用もないようにも思えますけどまあ美味しく食べたから何某かの役割を果たしていたと思うことにしよう。タケノコは入っていてちっとも不思議な感じがしません。 たまたまカニカマを職場の知人からもらったので、自宅に持ち帰りました。レシピを眺めていたらカニカマカレー(驚きのタイ風かにかま炒カレー)なるものを見つけたので早速作ってみることにしました。【材料】ごはん 1膳分/カニカマ(縦2等分) 5本/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/にんにく 1片/サラダ油・ラー油 小さじ1/2/アンチョビ 2枚/卵 1個/カレーフレーク 大さじ3/水 125ml【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してにんにくを炒める。ラー油、玉ねぎ、アンチョビを加える。カニカマを加える。水、カレーフレークを加える。溶き卵を加える。皿にごはんを盛ってかける。【備考】Jalan Makan -ペナンと日本でJalan Jalan Cari Makan!-https://blog.goo.ne.jp/larme_12548/e/2a4bc4073c3549c0d644123d403957e0 これがHPにも記載のあるように実にちゃんとした料理として成立しているのですね。タイ風であるかどうかはともかくとして、これが東南アジアのカレーの一種であると出されていたら、なるほどねって一切の違和感なしに美味しく頂いていただろうなあ。
2023/02/02
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唐突でありますが、ぼくは映画研究者の加藤幹郎氏の著作を好んで読んでいた時期があります。幸か不幸かアカデミズムの動向には無頓着でありますが故に、加藤氏が2020年に63歳という若さで亡くなっていることをつい最近偶然知ることに至ったのであります。人の生き死には自然の摂理であって殊更に特別な出来事として見做すことは必要以上に特定の人を神格化することなどにも繋がりかねないので常識の範囲内に留め置くべきだと個人的には思っております。ただまあ、その著作を読み返す程度の追悼は許されるべきとも思っています。ってな訳で、さて何を読み返すべきか、氏の著作を代表する(とぼくが思っている)『「ブレードランナー」論序説 映画学特別講義』(2004年、筑摩書房)、『ヒッチコック「裏窓」 ミステリの映画学』(2005年、みすず書房)も気になるところですが、もう少し軽めでエッセイ的な味わいもある『映画館と観客の文化史』(2006年、中公新書)を読むことにしました。読み返していると映画館という公共空間とホーム・シアターという私的空間は映画創成期直後から並行して発展してきたことなど示唆に富んでいて改めて読むと極めて興味深いと同時につい酒場と関連付けて考えを巡らしたりしてしまったのです。例えばこんな一文。「流し込み制」は戦後、映画人口にたいして映画館数が絶対的に不足していたことに起因していた。急造の「バラック建ての映画館」では、観客側も列をつくって待たされるよりも、立ち見でもよいから映画が見られれば満足だという時期があったのである。 この一文を読んで立ち吞み酒場に引き寄せて考え込んでしまったのです。しかし、長くなりそうなので、明日の「自宅ではお手軽ディナーでも大満足 その259」に続くのでした。 さて、かなり強引ではありますが、立ち吞み繋がりということで話を進めることにしたいのです。先般、千住大橋駅が最寄りの立ち吞みに北千住駅から向かったのですが、そのまま引き返すのも芸がないってことで、最寄りの千住大橋駅に向かうことにしたのです。この駅舎に来るのも久し振りだなあと思いつつ眺めたらガード下に立ち並ぶ店舗が随分変わっているようです。その一軒に「荒井屋 千住大橋店」がありました。あえて千住大橋店とあるからきっと系列があるのだろうな。ネットですら調べていませんが、ぼくの手持ちメモには浅草の「荒井屋」の記載があります。立地的にこことの繋がりが濃厚そうです。まあ、こうした新しい店舗の角打ちの場合、どこだってそう違いはないでしょう。かつても書いたことがありますが、よほど風情のある構えの酒場でない限りは都内の角打ちはさほど面白味がなくてあまり興味がないのですが、せっかくだから立ち寄っておくことにしよう。まずレジで100円×5枚のチケットを購入するシステムのようです。店舗脇の立ち吞みスペースに移動すると奥が酒や乾き物の清算スペースになっているようです。奥に進む壁に酒の品書きが記載されていたので、さっと横目に眺めて銘柄を決めます。あっ、こう書くと日本酒のみと誤解を招きそうですが、焼酎や酎ハイなども基本的に300円となっています。日替わりの500円とかの銘柄もあるようです。乾き物はごく限られていますが、サービスで糠漬けを出してくれました。それなりのお年を召した女性が応対してくれますが、陽気で元気な方でした。ちょうど新年の抽選があるようで名前を尋ねられてチケット裏に書いておられましたが、果たして当選していたのでしょうか。清潔感があって過ごしやすいからお客さんも混んでこそいないけれど途切れなく入ってこられて気分よく滞在できました。余談ではありますが駅舎を抜けた一角の「立ち飲み 八ちゃん」はやけに空いていました。内装も新しくなっているような。かつては大盛況だったのにどうしたのでしょうか。
2023/02/01
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