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Dieter Reith。欧州ピアノトリオの傑作。【No.554】 ・Dieter Reith:A Happy Afternoon (1966)ドイツのSABA(後のMPSレーベル)からリリースされたDieter Reithの代表作。この作品は、ジャズピアノファンだけでなく、クラブジャズでも知られる一枚ですね。内容だけでなく、この印象的な時計のジャケが有名で、本作は「時計のライス」と呼ばれてます。クラブジャズで注目されたのは「Wives And Lovers」で、これは何かのコンピ(忘れた…)に収録されていたと思います。アルバムにはお馴染みのスタンダードに加え、Reithのオリジナルが3曲収録されてます。ドイツらしく(?)サウンドは硬質な感じですが、スウィング感溢れる曲が多く、痛快な一枚に仕上がっています。よく聴いた作品ですね。Dieter Reithのピアノは良い意味でオーソドックスでバランスがよく、耳に心地よいですが、スタンダードのアレンジなどは他のピアニストとは一味違う新鮮さもあります。MPSの諸作品でお馴染みの職人ドラマーCharly Antoliniの参加もポイントで、トリオ作品のドラムとは思えないパワフルでグルーヴィーな演奏がカッコいいです。このドラムとPeter Witteのベースによるリズムセクションが本作の個性になっている気がします。HMVで全曲試聴可能。「Wives And Lovers」は確かにカッコいいですが、グルーヴィーな「A Happy Afternoon」や他のスタンダードも良い出来だと思います。近年、ユニバーサル・ジャズ・ヨーロピアン・コレクションより安く再販されていますので、ピアノトリオが好きな方はチェックしてもいいかもしれません。同シリーズでは、SABAの人気作であるElsie Bianchi「The Sweetest Sound」【No.38】も再販されています。
2008.08.31

Louis Van Dijk(ルイス・ヴァン・ダイク)の傑作ピアノトリオアルバム。素敵な一枚です。イチオシ。【No.553】 ・Louis Van Dijk Trio:The Summer Knows (2007)オランダを代表するジャズ・ヴォーカリストであるAnn Burtonの傑作「Blue Burton」「Ballads & Burton」の歌伴で知られる人気ピアニスト。ジャズが好きな人は、ご存知な方が殆どかと思います。私はAnn Burtonの作品で、この人を知りました。長いキャリアを持つ人ですが、近年では2005年にリリースされたピアノトリオアルバム「Ballads In Blue」の内容が素晴らしく話題になっていたと思います。本作はそれに続く2枚目で、邦題は「おもいでの夏」。期待を裏切らない出来で、演奏・選曲共に絶妙。これも傑作だと思いますね。全体に楽しく爽やかな雰囲気ですが、決して軽すぎない点が流石。ピアノに関しては、まさに職人芸といったところ。余分な音はありません。よく歌っていますし、音も優しく美しいです。選曲が素晴らしく、Ann Burtonの作品で演奏していた曲から、M. Leglandのカバー(4曲)、ジャズスタンダード、有名なF. Laiの「男と女」やL. Bonfaの「黒いオルフェ」など実に幅広いのが嬉しいですね。オリジナルも「Yokohama Waltz」を収録。メロディアスで親しみやすい曲が多いので、そういった作品が好きな方は買いではないかと思います。HMVで全曲試聴可能。タイトル曲「The Summer Knows」など凄く好きな曲が多く、最近の愛聴盤になっています。リラックスしたい時によく聴いてますね。日本盤で少し値段は高いですが、その価値はあると思いますよ。ジャズが初めてな方にもオススメできる作品。先の「Ballads In Blue」も良いので、是非聴いてみて下さい(こちらはジャケがイマイチですが…)。
2008.08.23

Tina Brooks。Blue Noteでのファーストセッション。ゴキゲンなジャズです。【No.552】 ・Tina Brooks:Minor Move (1958)Tina Brooksについては、リーダー作で名盤とされる「True Blue」【No.404】や、参加作品としてFreddie Hubbardの名盤「Open Sesame」【No.529】を紹介しています。才能のあるアーティストでジャズファンの間でも極めて評価の高い人ですが、短い人生だったのに加え、録音時はお蔵入り・後になって発表という作品が多く、その辺が一般的な知名度にも影響しているように思います。「Back To The Tracks」も良いのですが、今回はBlue Noteでのファーストセッションをセレクト。これも58年に録音されながら、80年に日本で初めて発表された作品です。「True Blue」の次に買ったTina Brooksの作品で聴いた回数も多いですね。スタンダードからオリジナルまで実に痛快で味わい深いハードバップ。5曲中2曲がTina Brooksのオリジナル。特にTina Brooksのオリジナル「Minor Move」やスタンダード「Everything Happens To Me」が素晴らしい出来。「Minor Move」はTina Brooksのオリジナル中でも好きな1曲です。グルーヴィーな「The Way You Look Tonight」も好み。先の名曲「Everything Happens To Me」は以前紹介したジャズピアニストDuke Jordanの「Flight To Denmark」【No.138】に収録された演奏が個人的には印象に残っていますが、サックスによる本作の演奏も魅力的で気に入っています。バックのメンバーは、Lee Morgan(tp)、Sonny Clark(p)、Art Blakey(ds)、Doug Watkins(b)とBlue Noteらしいメンツ。Lee MorganやSonny Clarkも良い演奏を聴かせてくれますし、伸びやかなTina Brooksのテナーが全体に心地良いですね。HMVで全曲試聴可能。聴きやすく楽しい作品ですので、この時代のハードバップが好きな人にはオススメですね。月並みな表現ですが、なぜお蔵入りだったのか理解できない作品です。
2008.08.19

Antonio Carlos Jobim。後期の名盤。かなり久々のアップになってしまいました…。【No.551】 ・Antonio Carlos Jobim:Terra Brasilis (1980)Antonio Carlos Jobimは最近CTIでの「Stone Flower」【No.549】を紹介しましたが、今回はClaus Ogermanと組んだ後期作品を紹介。Claus Ogermanとの作品は、前にも書いた「Wave」(1967)など名盤・傑作が色々ありますが、中でも本作は凄く好きな作品ですし、名盤として知られています。Ogermanらしいストリングスアレンジが相変わらず美しく冴えていますが、本作では全体にJobimの歌が入っているのも嬉しいポイント。ポルトガル語より若干英語が多いです。まあ個人的には気になりません。Jobimの名曲がこれでもかとばかりに揃っており、アレンジ含めて密度の濃さは相当なものですが、全体としては聴きやすいアルバムに仕上がっています。全20曲(!)素晴らしい内容で、まさに名盤といったところ。不滅のメロディーの数々に圧倒されます。参加メンバーは、Oscar Castro-Neves(g)、Bob Cranshaw(b)、Grady Tate(ds)など。「Voce Vai Ver」では当時Jobimの妻であったアナとのデュエットが聴けます。HMVで全曲試聴可能。文句なしの一枚で、ブラジル音楽に興味のある方はチェックして損はありません。Jobimが好きな人はマストでしょうね。輸入盤で入手可能ですが、こういう定番は日本盤で入手できるようにして欲しいです。
2008.08.14

ノーザン(モダン)ソウルのコンピ紹介。第34弾。シカゴソウルコンピ。Clarence Johnsonプロデュース作品集。【No.550】 ・V.A.:South Side Soul Survey (2007)Bill Brandon【No.467】、Tony Borders【No.391】(←これは必聴)といった傑作編集盤に続きUK Soulscapeの第3弾として発売されたシカゴソウルコンピ。以前に紹介したRozetta Johnson【No.476】も同レーベルで、そちらは4作目になります。Soulscapeはソウルファンに評価の高いGrapevineレーベルが設立したレーベルで、本作や先の作品以外にも何作かリリースしています(気になる方はチェックしてみて下さい。カタログNo.はSSCD70XX)。この作品のフルタイトルは「Clarence Johnson Presents Chicago's South Side Soul Survey」で、シカゴのプロデューサーClarence Johnsonが手掛けた作品集。68年から79年の音源でシングル盤を集めたもの。22曲収録で未発表を3曲収録。プロデューサーに着目してコンパイルするというのはソウルでは珍しくないですが、複数のレーベルをまたぐ場合が多いため、調査や権利上の問題など大変な気がします。本作の場合は、よくコレだけ集めたなと驚かされますね。流石といった感じ。収録されているのは、The Lovelites、Deniece Chandler、Morris Jefferson、Heaven And Earth、Jesse James、James Bloom、Bobby Jamesなど。The Lovelites、Heaven And EarthあたりはCDも出ていますね。シカゴなんで、大半がノーザン・モダンソウル系。キャッチーで軽快な曲が多いですし、切ないナンバーも良いメロディーを持っています。適度にラフで、洗練され過ぎないサウンドもいいですね。温かい雰囲気が良いです。既に他のCDで聴いたことのある曲もありましたが、気に入っているコンピ。Amazonで試聴可能です。特にJesse James「It's The Last Time Around For Me」は大好きな曲ですね。他にもThe Lovelitesの2曲など、お気に入り多数。印象に残る曲が多く、ポテンシャルは高いと思います。Clarence Johnsonは一般の洋楽ファンには知られていないかもしれませんが、こういう人が70年代ソウルの厚い層を支えていたんでしょうね。そんな事を本コンピを聴いていて感じました。Grapevineのシカゴソウルコンピとしては、有名なプロデューサーCarl DavisのDakarレーベルをコンパイルした「Chicago Soul Survey」【No.116】も紹介済み。こちらも良い出来ですのでチェックしてみることをオススメします。
2008.08.04
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