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Louis Van Dijk Trio。2回目の紹介。名盤です。イチオシ。【No.583】 ・Louis Van Dijk Trio:Ballads In Blue (2005)オランダを代表するジャズヴォーカリストAnn Burtonの歌伴で知られるピアニスト:Louis Van Dijk(ルイス・ヴァン・ダイク)…、って前にも書いたと思うんですが、この人の作品は、以前に「The Summer Knows」【No.553】を紹介済みです。その際に少し触れていた作品が本作。非常に評価が高い一枚です。この作品、ジャケがいいという人もいるんですが、前にも書いたように個人的には好みではありません。アルバムの内容とも乖離している気がしますから。とはいえ、内容は抜群に良いので買って損のない一枚です(というか買わないと損)。まずAnn Burtonの名盤「Blue Burton」に収録されていたアルバムトップの「Go Away Little Girl」(Ann BurtonやMarlena Shawは同じ曲のGirl→Boyバージョン)が絶品。ホント素晴らしい出来で、ジャズピアノが好きなら、この1曲でLouis Van Dijkと、このアルバムが好きになるのではないかと思います(勝手に決めつけ)。聴いた瞬間、買って良かったと思いました。なんて歌心があって優しいピアノなんでしょう。Louis Van Dijkのピアノは、メロディーが美しく、スウィングしながらも上品でクラシカルなテイストがあって凄く好みなんですよね。さすが長年活躍してきた欧州ジャズ界のベテランピアニストです。アルバムは、先の曲と同じく「Blue Burton」に収録されていた「I Can't Give You Anything But Love」、同じくAnn Burtonの傑作アルバム「Ballads & Burton」に収録されていた「The Shadow Of Your Smile」といった有名スタンダードや、Louis Van Dijkのオリジナルで構成されており、どれも良い出来。私の好きな「The Summer Knows」も演奏されてますが、コレは本人のお気に入りなのかアルバム「The Summer Knows」(2007)でも再び演奏されています。幸せ感の高い素敵な作品で、気持ちが和らぎますね。Amazonで試聴可能。「The Summer Knows」と共に私の愛聴盤になっています。これからジャズを聴こうという人にはピッタリでしょう。きっとジャズピアノが好きになれると思いますよ。
2008.12.29

Marlena Shaw。77年の傑作。Patti Austinに続き女性ヴォーカルを連続で。【No.582】 ・Marlena Shaw:Sweet Beginnings (1977)Marlena Shawといえば、何と言っても「Feel Like Makin' Love」を収録したBlue Noteでのアルバム「Who Is This Bitch, Anyway?」(1974)が代表作ですが、あまりに有名なのでスルーしております(笑)。本ブログでは、Blue Note以前の作品としてCadetからリリースされた69年の2nd「Spice Of Life」【No.237】を紹介済みですが、今回紹介するのは70年代後期の代表作として知られる作品で、Blue NoteからCBSへ移籍後最初にリリースされたアルバム。良く聴いた作品です。フリーソウルでも人気だったので幸い日本盤でリイシュー済み。Marlena Shawもジャズ・ソウル・フュージョンなどジャンルを横断しているシンガーで、コンテンポラリーさが魅力の一つですね。時代によってサウンドは変化していますが、先の「Spice Of Life」におけるゴッタ煮感(?)もカッコいいですし、本作のような洗練されたサウンドもはまっています。Marlena Shawはリズム感が抜群で、曲のタイプに合わせて何でも歌いこなせる万能型のシンガーだと思いますね。昔購入した時には70年代後半の作品ということもあり、サウンドがディスコっぽくなっていないか少し気になっていましたが、そんな心配は無用でした。バックを固めるのはJames Gadson(ds)、Jay Graydon(g)、Jerry Peters(key)等で、コチラも幅広く活躍している実力派ミュージシャン。アーバンでメロウな心地よいグルーヴとサウンドです。バックのコーラスもイイ感じ。本作では人気曲「Look At Me, Look At You」や、カバーの「Go Away Little Boy」、アップテンポの「Pictures & Memories」や「Sweet Beginnings」がオススメ。特に「Pictures & Memories」が痛快でイチオシですね。穏やかな「Walk Softly」「Johnny」や、楽しい「I Think I'll Tell Him」も好きな曲。Marlena Shawの存在感のある歌のせいか、どの曲もワンランク上の仕上がりに聴こえます。トータルでも高い完成度を持った傑作アルバム。HMVで全曲試聴可能。日本盤で比較的安く入手できます。爽やかで楽しいジャジー・フュージョン・ソウル(?)といった趣でオススメですよ。少なくともJazzではないので、Soulのカテゴリーに入れておきます。
2008.12.26

Patti Austin。久々に歌ものを紹介。「Say You Love Me」収録。【No.581】 ・Patti Austin:End Of A Rainbow (1976)Patti Austinのデビューアルバム。CTIレーベルから出ているものです。ジャンルをまたいで活躍している人ですし、他に代表作・曲もありますが、この1stは外せない内容。まあ有名な人・グループの1stアルバムというのは大抵当たりですよね。Patti Austinはコレ以前にも同レーベルにおいて他のアーティストのアルバムに参加していますが、その頃から話題になっていたようです(解説より)。全9曲中8曲が本人のオリジナルで、良い曲が多いのには少し驚かされます。歌に関しても余裕があって、デビューアルバムとは思えないポテンシャルの高さ。非凡な才能を感じさせてくれます。本作では特にアルバムトップの「Say You Love Me」が有名で、名曲として知られていますね。Minnie Ripertonの「Loving You」に似たタイプで、お気に入りの曲。参加メンバーも実力者揃いで、Richard Tee(key)、Steve Gadd(ds)、Ralph McDonald(per)、Eric Gale(g)、Barry Miles(syn)、Will Tee(b)。メンツを見る限りフュージョンって感じを持たれる方が多いと思いますが、主役はあくまでPatti Austinであり、フュージョン臭さは控えめで、洗練されすぎていない感じがイイです。70年代中期のメロウなサウンドで、浮遊感のあるキーボードも心地よいですね。アレンジはDavid Matthews。HMVで全曲試聴可能。先の曲以外では「In My Life」「You Don't Have To Say You're Sorry」「More Today Than Yesterday」「What's At The End Of A Rainbow」「This Side Of Heaven」あたりが気に入っています。「Say You Love Me」を筆頭に親しみやすい曲が多くオススメ。CTIのヴォーカルものでは好きな一枚です。日本盤で安く入手可能。
2008.12.21

Wayne Shorterの傑作。定番です。【No.580】 ・Wayne Shorter:Night Dreamer (1964)リーダー作はモチロン、多数の傑作に参加し、Jazz Messengers時代やMiles Davisグループ、70年代のWeather Reportでの活躍で知られる天才Wayne Shorter。今までも本ブログで名前を頻繁に出していますが、リーダー作を紹介するのは今回が初めて。本作はBlue Noteにおける1作目(コレ以前にもVee Jayにリーダー作を録音してます)。Blue NoteではHerbie Hancockが参加した3作目「Speak No Evil」が名盤として知られています。またグルーヴィーな代表曲「Yes Or No」を収録している2作目「Juju」も捨てがたく、この時期の作品は良いものばかりですね。最初に本作を紹介するのは、1作目ということもありますが、一番よく聴く作品だから。参加メンバーは、Lee Morgan(tp)、McCoy Tyner(p)、Reggie Workman(b)、Elvin Jones(ds)。私の好きなLee MorganとElvin Jonesが参加しているのが嬉しいポイント。同年録音の「Juju」は本作からLee Morganが抜けたワンホーンになってますが、本作では2管編成。共演の多いLee MorganとWayne Shorterですが、Morganとの2管はコントラストがあって個人的には好き。本作でも良いコンビネーションで上手くまとまっています。収録曲は全曲Wayne Shorterのオリジナル。グルーヴィーな「Black Nile」と、ピアノから始まる「Night Dreamer」がイチオシ。あと「Virgo」や「Oriental Folk Song」も好きだなあ。Shorterの曲は、中々文章では表現しにくいので聴いてみるのが一番かと(逃げです…)。HMV等で全曲試聴可能。1作目らしく力の入った傑作になってます。タイトルどおりの雰囲気を持つ作品ですが、これはShorterだけでなくMcCoy Tynerの貢献度が大きいと思いますね。Wayne Shorterの作品中でも敷居が高くなく入りやすい作品だと思います。「Speak No Evil」もモチロンいいですけどね。
2008.12.18

Ketil Bjornstadのピアノトリオ作品。静かなピアノが好きな方に。【No.579】 ・Ketil Bjornstad:Floating (2005)Ketil BjornstadはECMを中心にアルバムを発表しているノルウェーのピアニスト。ECMでのDavid Darling(Cello)とのデュオアルバム「Epigraphs」が代表作だと思います。コレは静かなピアノトリオが聴きたくて、あとジャケが良くて買った一枚。本作はECM作品ではないですが、サウンドや雰囲気はまんま。録音は例によってオスロ レインボウスタジオ。この作品には、最近紹介したMonica Dominique「Tillagnan」【No.577】に参加していたベースのPalle Danielssonが参加しています。知らないなんて書いておきながら、知らない間に聴いていたようです(よくあるパターン)。本作でも、この人のベースはカッコいいですね。Monica Dominiqueを紹介した後で、自分が持っているジャズCDをチェックしてみたところ、本作と何枚かのECM作品にクレジットされてました。ブログ書くまで注目してなかったな~。まあ広く浅くやってますからね…。さて肝心の内容ですが、本作は一般には静音ジャズと呼ばれる部類(ECMによくあるタイプ)。ジャケからは爽やかなイメージが漂っているのですが、マイナー調の曲が多めで、しっとりとした作品だと感じます。軽くもなく重くもなく、聴感温度も低すぎずといった感じなので、結構好みの音。哀愁漂う美しいメロディーラインをもった曲が多く、どの曲も旋律がシンプルで聴きやすい。ズバリ日本人好みのピアノでしょう(勝手に決めつけ)。時折明るさも感じますし、ダークな作品では決してないので、メロディアスなピアノが好きな方にはオススメ。静寂の中、芯のあるピアノが印象的です。北欧らしい透明感のあるサウンドもイイ。特に「Floating」「The Sorrow In Her Eyes」「Caravan Moving」「The Rainbow」「The Course」「The Face」「The Waiting Room」あたりが気に入っています。似たような曲調で全16曲、68minあるので、単調に感じる方も中にはいるかもしれませんが、曲は充実しており良い出来だと思いますよ。元々クラシックを学んでいた人のようで、そういった部分も随所で感じられますね。コチラで試聴可能です。
2008.12.14

Lee Morgan。60年代 Blue Noteでの傑作アルバム。【No.578】 ・Lee Morgan:Search For The New Land (1964)Lee Morganについては、リーダー作やJazz Messengers在籍時の作品など多数紹介済みですので詳細は省略。本作も個人的に外せない一枚で、Blue NoteにおけるLee Morganのリーダー作でも密度が高い作品の一つだと思います。参加しているのは、Wayne Shorter(ts)、Reggie Workman(b)、Billy Higgins(ds)とBlue Noteではお馴染みのメンツが並びますが、本作でポイントとなっているのは、Herbie Hancock(p)とGrant Green(g)の参加でしょうね。まずアルバムトップの大作「Search For The New Land」が素晴らしく引き込まれます。イントロにおけるGrant Greenのギターがシンプルなんですが凄く印象的。重厚なナンバーでスピリチュアル・ジャズとも言える雰囲気が漂っており、ファンキーなLee Morganに慣れている人には、コレがLee Morganのアルバム?と感じる方もいるかもしれません。アルバム全体をとおしてはHancockの存在感が目立ちます。この人が参加するだけで、アルバムの雰囲気が変わってしまうところがあり、その影響力は流石。先のタイトル曲以外では、穏やかながらタイトル曲に近い雰囲気を持つ「Melancholee」、テーマが魅力的な「Mr. Kenyatta」が特に好きですね。この3曲は本作の聴き所。Lee Morganらしい爽快な「The Joker」や「Morgan The Pirate」も良い出来で、どの曲もポテンシャルが高いです。全曲Lee Morganのオリジナルで、コンポーザーLee Morganの魅力に触れることの出来る作品と言えるかもしれません(モチロン演奏も良いです)。本作に限らず、いい曲作るな~といつも思いますね。HMVで全曲試聴可能です。
2008.12.09

Monica Dominique。スウェーデンのピアノトリオ。タイトル曲が素晴らしい。【No.577】 ・Monica Dominique:Tillagnan (1980)11月に発売されたばかりのリイシュー盤を紹介。Monica Dominiqueはスウェーデンのピアニストで、コンポーザー・アレンジャー・女優としても活躍していたというマルチな才能の持ち主。解説によると元プログレッシヴロックグループ:Solar Plexusのメンバーだったようで、これは知りませんでした。チョット意外な経歴ですね。本作は自主レーベルから発表されていたマイナーな作品ですが、全曲Monica Dominiqueのオリジナルで構成された内容は抜群です。まず冒頭の「Tillagnan I」が名曲。旋律が上品かつ爽やかで、透明感のあるピアノの音色と演奏が◎。少しクラシカルな趣もありますね。美旋律系のピアノは内省的なものが多いですが、この曲はベクトルが外に向いていて開放的。スウェーデンではウェディングソングとしても親しまれているとか(解説より)。本当かどうか知りませんが幸せ感は高いです。この曲のインパクトが大きいんですが、他の「Visst ar det skont」「Karleken」「Var nara mig」「Karusell」もイイ曲ですね~。「Karusell」あたりは、アップテンポの痛快なナンバーで、クラブジャズでもウケそうですね。透明感のあるメロディアスなピアノトリオですが、ラウンジ系の緩いジャズではなく、適度なテンションがあり、凛とした演奏なのもポイント。このテンションに効いているのが、ベースのPalle Danielsson(Monica Dominiqueの弟)かなと思います。私はよく知りませんが、この人はBill Evansと共演経験のある実力者とのこと。カッコいいです。ピアノトリオファンだけでなく、日頃ジャズを聴かない方にもオススメできる傑作アルバムですね。近年の欧州ジャズ人気でリイシューされたのだと思いますが、こういう作品は廃盤になることが多いので気をつけましょう。
2008.12.06

Freddie Hubbard。Blue Noteでの傑作アルバム。【No.576】 ・Freddie Hubbard:Ready For Freddie (1962)Blue Note時代の作品では、最も有名な「Open Sesame」【No.529】を紹介済みですが、本作もBlue Noteにおける代表作の一つ。この時代では「Hub Tones」も代表作として知られますが、名手Elvin Jones(ds)が参加しているコチラを紹介。Freddie Hubbardのオリジナルが多いのもポイントです。「Open Sesame」は名盤ですが、Freddie Hubbardのオリジナルは1曲のみで、以前紹介したTina Brooks【No.404, 552】のオリジナルの方が多いんですよね。本作では5曲中3曲がオリジナルで「Birdlike」「Crisis」は代表曲。「Crisis」は、Freddie Hubbard在籍時のArt Blakey & The Jazz Messengersの傑作「Mosaic」【No.513】で既に録音されていた曲です(ちなみに「Mosaic」もカッコいい作品なので要チェック)。冒頭の「Arietis」も好きなナンバーですが、イチオシは「Birdlike」。カッコいいです。他のメンバーは、Wayne Shorter(ts)、McCoy Tyner(p)、Art Davis(b)、Bernard McKinny(euphonium)。Freddie HubbardとWayne ShorterはJazz Messengersで本作より先に一緒に演奏していますが、リーダー作では本作が初の共演。肝心の内容ですが、まず先のElvin Jonesのドラムがカッコいいです。Elvinが真っ先にとりあげられるのは、私がまず聴くのがドラムだからです(笑)。Art Davisとのリズムセクションは凄くスウィングしていて、ソチラに耳がいってしまいますね。Freddie Hubbardのトランペットも流麗で流石といったところ。あとBernard McKinney(後のFreddie Hubbard作品にも参加)が使用しているeuphoniumという楽器はジャズでは比較的珍しく、これで3管編成となっているのもサウンド面で特徴になっています。全体的にはElvin JonesとMcCoy Tynerが参加しているせいかタイトで洗練された印象を受けますね。HMVで全曲試聴可能。グルーヴィーな「Arietis」「Birdlike」、Shorter作の「Marie Antoinette」、美しいバラード「Weaver Of Dreams」、印象的なテーマと展開が楽しい「Crisis」と、構成もメリハリが効いていて退屈することはありません。オススメな作品です。
2008.12.02
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