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Pharoah Sandersの81年ライヴ。名盤。必聴です。【No.575】 ・Pharoah Sanders:Live (1981)Pharoah Sandersについては、この時期の作品を一時期集中して3枚紹介済みです【No.483, 484, 487】。どれも甲乙付け難い出来で全てオススメできますが、中でもこのライヴアルバムは名盤とされる一枚で外せません。愛聴盤です。クラブジャズシーンでも有名な作品ですね。メンバーは、John Hicks(p)、Walter Booker(b)、Idris Muhammad(ds)で、John HicksとIdris Muhammadの二人が参加しているのは名盤「Journey To The One」【No.484】と同じ。ボーナストラック含め全5曲収録。既に紹介したライヴ「Heart Is A Melody」【No.483】が「Rejoice」【No.487】の曲を含むのに対して、コチラは先の「Journey To The One」に収録されていた曲が中心(M1,2,5)。いきなり名曲「You've Got To Have Freedom」から始まり、これが素晴らしい出来。14分という長さですが、退屈することは全くありません。スタジオ盤を凌ぐ躍動感と熱さ・グルーヴィーな演奏が素晴らしい。Pharoah Sandersについては聴いていただくのが一番なのですが、とにかく凄いですよね。演奏もメンバー紹介も叫んでます(笑)。咆哮という形容がピッタリでしょう。個人的に好きなJohn Hicksのピアノがフィーチャーされているのも嬉しいですね。ソロ以外でもフロント(Pharoah Sanders)とリズムセクションの間で、上手くバランスとっているなという感じ。全員の熱い演奏にも関わらずアルバムから爽やかさを感じるのは、この人のピアノがあってこそ、という気がしますね。ベテランIdris Muhammadのドラムもボトムが効いていて相変わらずカッコいいです。先の曲の後は、Pharoah Sandersのテナーが素敵な穏やかなナンバー「Easy To Remember」とブルース「Blues For Santa Cruz」をはさみ、少しラテン・アフロテイストを盛り込んだクロスオーバーな「Pharomba」という構成。どれも良い出来だと思います。ラストはLP未収録の「Doktor Pitt」(21分)ですが、これがまた1曲目と同じく強力な演奏で圧倒されます。HMVで全曲試聴可能。小難しくてリスナーを置いていくかのようなJazzもありますが、この時期のPharoah Sandersは、幅広い音楽ファンに受け入れられるJazzだと思います。是非聴いてみることをオススメします。長らく輸入盤のみで入手可能でしたが、12/5にP-Vineから待望の日本盤が出ます(←タイミング合わせました~)。
2008.11.27

Helge Lien Trioの傑作アルバム。久々にピアノトリオ。コレは好きだなあ。【No.574】 ・Helge Lien Trio:To The Little Radio (2006)Helge Lienはノルウェーのピアニスト。ジャズピアノが好きな人は、ご存知な方が多いと思います。ノルウェーのピアニストとしては近年ではTord Gustavsen【No.426】あたりも人気ですし、北欧は良いピアニストが多いですね。本作は5枚目のアルバムで代表作の一つ。タイトルも好きなんですが、ジャケが何となくECMを連想させ非常に魅力的。これが店頭にあったら手にとってみる人が殆どではないでしょうか(勝手に決めつけ)。ECMの諸作品で知られるオスロ、レインボウ・スタジオでの録音で、サウンド的にもECMに近いです。この作品では、スタンダードや有名アーティスト(Freddie HubbardやWayne Shorter、Carla Bley、Tony Williams等)のナンバーをとりあげていますが、選曲がその辺のピアノトリオ作品とは一味違っていて新鮮なのがポイント。実に多彩な選曲がされており、ジャズに対する造詣も深そうですね。ピアノも繊細で美しく、かなり好みな音。アルバム全体の聴感温度(造語です)は低めですが、だからといって冷たい印象は受けません。音数が適度で、旋律と同時に音空間も楽しめる作品ですね。空間的な拡がりを感じさせつつ芯は一本とおっている感じ。文章では伝えにくいのですが、色んな面で絶妙。75年生まれの若手とは思えない思慮深い演奏が素晴らしいと思います。他のメンバーも若いですが、トリオとしてのコンビネーションも抜群。バラード中心の穏やかな作風で「Grandfathers Waltz」「Look For The Silver Lining」「So In Love」「Amapola」「To The Little Radio」をはじめ良い曲が多く、敷居の高い作品ではありません。ジャズピアノに興味のある方ならジャケ買いでOKでしょう。特にECMや欧州のピアノトリオが好きな人は要チェックなアーティストですね。丁度、新作「Hello Troll」が今秋に発売されています(こちらは全曲オリジナル)。
2008.11.24

ノーザン(モダン)ソウルのコンピ紹介。第35弾。昨年Sony/BMGから発売されたもの。良いです。【No.573】 ・V.A.:The Northern Soul Story Vol.3:Blackpool Mecca (2007)恒例(?)となったノーザンコンピ紹介。まあスルーしている人もいるかもしれませんが、読んでやって下さい。このCDは昨年、UKのSony/BMGから4枚発売されたノーザンコンピシリーズのVol.3です。大手レーベルからこういったコンピが出ることは珍しく、さすがに使用権利を持つ音源が多いのか幅広いレーベルの音源が収録されており、レアなものが多数。おそらくUKでは話題になっていたでしょう(知らないけど…)。私は発売後すぐに購入してました。まさか今年になって日本盤(こちらはVol.1と2、Vol.3と4がセット)が発売されるとは思いませんでしたが…。UKほど人気があるとは思えない日本で、はたして売れたんでしょうかね。よく分かりません。1枚で25曲も収録されており、買ってかなり経つのですが正直まだVol.2と4は聴きこめてません。さて、このシリーズはノーザンソウルの有名なクラブをタイトルに冠しており(Twisted WheelとかWigan Casinoとか)、本作は有名なBlackpool Mecca編です。Vol.1のTwisted Wheelもキャッチーで本作と同様にオススメな内容ですが、Vol.3は試聴サイトがあったので、先にコチラを紹介。ノーザンに興味のある方はチェックして損のない内容だと思いますね。良い曲が多いです。収録曲は66年から76年の音源。ノーザンコンピにしては、70年代の音源が11曲と多いのが特徴で、この辺はノーザンというよりモダンソウルと呼ぶべきかも。70年代当時の状況は知りませんが、Blackpool MeccaのDJ Ian Levineのコンピは、そういう傾向があるので、このクラブの特徴なのかもしれません。でも、こういうバランスの方が初めての方には聴きやすいと思います。収録されている曲やシンガー・グループもマイナーからメジャーまで多岐にわたっており、普通に洋楽を聴く感じで聴けますよ。Towerで全曲試聴可能。リンク先は日本盤でDisc1が本CDに該当。調べたところAmazonでは943円!と凄く安いので買うならソチラがオススメ。今回は全然紹介になってないですね。すみませんが、収録曲などの詳細はショップでチェック願います。
2008.11.19

Sammy Davis, Jr.とBuddy Rich Big Bandによるライヴを紹介。オススメです。【No.572】 ・Sammy Davis, Jr. Buddy Rich:The Sounds Of '66 (1966)Buddy Rich率いるビッグバンドをバックに熱唱するSammy Davis Jr.…。私なんかは、この組み合わせで買いって感じです。二人とも好きなアーティストですし、とにかく楽しそうなのが理由。しかも、この時期のBuddy Rich Big Bandは充実しており傑作を多く残してますからね。共演盤とくれば期待できます。本作はラス・ヴェガスでのライヴアルバム。先に紹介した「Sammy Davis, Jr. Sings Laurindo Almeida Plays」とは異なる作風で、コチラは、まさにショーって感じですね(まあ実際ショーなんですけどね)。Sammy Davis Jr.のエンターテナーとしての一面が強く出た作品で、バックのBuddy Richのドラムも熱くてグルーヴィー、ホーンセクションのキレもよく、実に痛快なアルバムだと思います。特に「Come Back To Me」が非常にスリリングかつグルーヴィーな曲で、イチオシですね。躍動感があってアルバムトップにピッタリ。本作のハイライトでしょう。「Ding-Dong! The Witch Is Dead」あたりもアップテンポのナンバーでカッコいいです。HMVで全曲試聴可能。Sammy Davis Jr.って名前は知っているけど聴いたことない人って、意外に多いように思います。選曲も良くサウンドも温かいので、本作あたりから聴いてみるのもいいかもしれませんね。まだまだ過小評価な一枚だと思います。残念なのは10曲アッという間に聴き終えてしまうことですね。もう少し長かったら良かったのに…。カットされた曲があるなら完全盤とか出して欲しいなあ。
2008.11.16

Sammy Davis, Jr.の名盤。イチオシです。秋や夏の終わりに聴くとはまる感じでしょうか。【No.571】 ・Sammy Davis, Jr.:Sammy Davis, Jr. Sings Laurindo Almeida Plays (1966)Sammy Davis Jr.というと、歌って踊れるヴォーカリスト・エンターテナーというイメージを勝手に抱いていたのですが、本作はいい意味で予想外だった作品で、とても印象に残っている一枚です。簡単に言うと、非常に味わい深く渋い作品ですね。タイトルどおりLaurindo Almeida(g)とのデュオアルバム。Laurindo Almeidaはブラジリアンなリーダー作を多く残しているギタリストで「Guitar From Ipanema」なんかは洒落たジャケで有名ですね。ブラジリアンテイストのAlmeidaのギターと丁寧なSammy Davis Jr.の歌が素晴らしいです。二人の相性もバッチリ。HMVで全曲試聴可能。音もいいですし、落ち着きたい時によく聴く作品です。ジャズスタンダードが多く、大半がどこかで耳にしたナンバーばかりですが、ギターとのデュオというシンプルな編成による本作は、何ともいえない哀愁・サウダーヂ感に満ちています。Sammy Davis Jr.の歌の上手さが堪能できる一枚ではないかと思いますね。ジャケも素敵で、本作の内容とピッタリ合っています。古い作品ですが、ずっと聴き続けられる作品でしょう。リンク先のHMVで「ゆるゆるとした感性」なんて書かれてますがチョット安直な気が…。穏やかな作風ではありますが、実に研ぎ澄まされた歌と演奏だと思います。是非チェックしてみることをオススメします。Sammy Davis Jr.の作品は、また近いうちに紹介する予定。
2008.11.13

East Of Underground。久々ファンク。激レア盤を紹介。強力盤です。【No.570】 ・East Of Underground:East Of Underground (1971)このグループの存在を知ったのは、J.B.トリビュートのコンピ「Good God!」【No.202】で、コンピに収録されていた曲が良い出来だったので注目していたのですが、同年(2007)にタイミングよくリイシューされたので購入。レアグルーヴやファンクマニアでもない限り、知らない方が殆どかと思います。某サイトで調べたところ、アメリカ陸軍が催したショーバンドコンテストで優勝したグループらしく、本作もプロモーションアルバムとして世に出たもので、プレスされたのは100枚。Egon、DJ Shadow、Keb Dargeらが血眼になって探していたとか…。ホントかどうか知りませんが、ここまで書かれると買いたくなりますよね(笑)。リイシューしたのはWax Poeticsで、アメリカの雑誌「Wax Poetics」が作ったレーベルです。この雑誌はブラックミュージックを中心に取り扱っており、ご存知な方も多いかもしれませんね。こういうメガレア級のアルバムはDJやマニア・ショップの評価が高くても、期待が大きい分、聴いてガッカリということも少なくありません。幻のままの方が夢があっていい場合もありますから…。とはいえ本作は期待以上の出来で、正直驚きました。非常にマイナーなグループにも関わらずポテンシャルが高いです。ボトムの効いたカッコいいドラム、ラフでパワフルなサウンドが最高。ショーバンドということで、ブラックミュージックファンにはお馴染みのカバー曲ばかりですが、いかにもディープファンクな雰囲気のグルーヴィーな演奏は期待どおりですし、ヴォーカルについてもファルセットやハーモニー含め中々のもの。先のコンピに収録された「Popcorn」はモチロン収録してます。元の曲が良いという点を差し引いても、レアグルーヴやファンクが好きなら絶対買いだと思いますね。捨て曲はありません。大手ネットショップでは既に取り扱ってないところもありますし、見つけたら購入されることをオススメします。こういうCDは、そのうち消えますから…。毎度のことながら当時のブラックミュージックの深さには驚かされます。レコード落としですが、マスターなんてあるのか分らないですし、オリジナルLPがあったとしても途方もない値段でしょう。CD化されただけでも幸いですね。マニアだけのものにしておくのは勿体ない内容。輸入盤で入手可能です。
2008.11.09

Agustin Pereyra Lucena。3rdアルバム。オススメです。【No.569】 ・Agustin Pereyra Lucena:Climas (1973)Agustin Pereyra Lucenaはアルゼンチンのギタリストですが、大御所Baden Powellに影響され、ボサ・ノヴァをはじめとするブラジル音楽の作品を多く残しています。本ブログでも、リーダー作「Ese Dia Va A Llegar」【No.189】、欧州で結成したグループCandeiasの「Sambaiana」【No.186】を紹介済み。初期のリーダー作の中では、この3rdアルバム:邦題「友との語らい」が過小評価されている気が(勝手に)したので紹介しておきます。チョット調べてみましたが、予想どおり廃盤でした…。先の2作品や「La Rana」といった作品に比べると、雑誌や書籍・ショップなどで紹介される機会が少なかったように思いますし、一時期この人の作品が一気にリイシューされた際にも、本作のみVictorからのリイシュー(他はCelesteからのリイシュー)だった事が、廃盤になってしまった理由かもしれません。でも内容は凄く良いんですけどね。正統派なボサ・ノヴァ ギターアルバムで、随所にストリングスなどを加えた穏やかな作品に仕上がっています。サウダーヂという言葉がピッタリはまる感じですね。帯によるとAgustin Pereyra Lucenaが自己のスタイルを確立したアルバムとのことです。HMVで全曲試聴可能。特にBadenのカバー「Para Que Chorar」(これは曲が素晴らしいというのもあるが…)、ストリングスが美しいM. Leglandのカバー「Verano Del 42」(これも曲が大好きというのもあるが…)が気に入っていますが、他のオリジナルやボサ・ノヴァ定番も良い出来で、お気に入りの作品です。中古などで、安くみつけたらチェックしてみて下さい。この人の作品では一番よく聴いているアルバムかもしれません。
2008.11.06

Esperanza Spalding。旧譜の紹介が続いたので今年発売された新譜をアップ。良いです。【No.568】 ・Esperanza Spalding:Esperanza (2008)ジャケ(CDの裏もイイです)が印象的だったんで購入したもの。Esperanza Spaldingはそれなりに話題になっていると思いますので、聴いたことのある人が多いかと思います。バークリー音楽院出身の女性ジャズベーシスト・ヴォーカリストです。84年生まれということで、かなり若いんですが、作曲やプロデュースも彼女自身が手掛けており、その辺は流石といった感じ。ベース(ウッドベース)というのにも魅かれました。ベーシスト兼ヴォーカリストというと最近ではNicki Parrottもそうですが、Esperanza Spaldingの方がルックスも好みですし、音楽性が多様なところが良いですね。本作は2ndアルバム。ブラジリアンジャズ・クロスオーバー色が濃く、MiltonやBadenのカバー曲を含むことからもブラジル音楽の影響を受けているのは明らか。随所に今風なアレンジはみられますが、こういったブラジリアンテイストのジャズ・クロスオーバー・女性ジャズヴォーカルものでは王道と言えるサウンドだと思います。彼女の歌はソフトで爽やか、スキャットもカッコいいですし、ブラジリアンテイストの作風にピッタリですね。とはいえ、流石にベーシストだけあってベースの音量が少し大きいのも本作の特徴。その辺はプレイヤーとして譲れないんでしょう(笑)。彼女のベースはモチロンですが、ドラムも中々カッコよくグルーヴィー。個人的にはアルバム前半や後半の「Precious」あたりが気に入っています。HMVで全曲試聴可能。Leo Genovese(p)のツボを押さえた演奏も好印象です。全体的に良い曲が多く、今年の新譜ではよく聴いた一枚ですね。幅広い層でウケそうな感じですので、未聴の方はチェックしてみることをオススメします。次作がどういった方向性になるのかが気になりますね。なお夏に発売された日本盤にはボーナストラックが追加されてます。
2008.11.03
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