全8件 (8件中 1-8件目)
1

LTC。イタリアのピアノトリオ。中々カッコいいです。古い作品が続いたので最近のジャズ。【No.541】 ・LTC:A Different View (2007)LTCはNicola Conteのコンボで活躍しているメンバーで構成されたイタリアのピアノトリオで、これは昨年発売された1stアルバム。クラブジャズで話題になっていたようです(最近はそういった雑誌は全く見ないんで、どの程度の人気なのかは分かりません)。グループ名がいかにもメンバーの名前の頭文字をとって並べた感じだなあと思っていたら、そのとおりでした(笑)。曲によっては確かにクラブジャズとしてウケそうな感じで、現代風なサウンドではありますが、普通にジャズとして楽しめる作品になっています。想像していたよりも、ファンキーな雰囲気の曲もあったりして内容は多彩でした。新世代ジャズとか、スタイリッシュなジャズ(何か意味不明…)とか帯に書かれていますが、オシャレ度は確かに高く、Nicola Conteの作品同様に心地よい仕上がり。メンバーのPietro Lussu(p)、Pietro Ciancaglini(b)、Lorenzo Tucci(ds)は、以前紹介したNicola Conteの「Other Directions」【No.530】に参加しています(気になる方は他にも参加作品があるので調べてみて下さい)。但し、これを新世代ジャズと感じるかは人それぞれでしょうね(本音をいうと、それほど新しいとは感じなかったです…)。HMVで全曲試聴可能。特にピアノのPietro Lussuが好印象でした。「Easy Does It」が12インチで発表されて、「あまりのカッコよさにしびれるファンが続出」とか大袈裟(?)に書かれてますが、この曲が突出しているわけではなく、ジャズボッサの「Just Give Me Time」「Meninos Das Laranjas」や「A Differnt View」の方が個人的には好み。ブラジリアンな要素はNicola Conteの作品同様、彼等の中でも重要なポイントのようですね。穏やかで優しいメロディーの「Antony And Cleopatra's Love」や、爽やかな「Magic Mirror」「Shibuya Crossing」も良い曲でお気に入りです。もう少しダンサブルな4ビートナンバーがあっても良かった気はしますが、全体的には良い出来だと思いますね。これからの季節に聴きたい感じです。
2008.06.30

Kenny Dorham。代表作の一つ。オススメなアルバムです。Blue Note連続アップ。【No.540】 ・Kenny Dorham:Una Mas (1963)Kenny Dorhamは2回目の登場で、過去クラブジャズ定番としても有名な「Afro-Cuban」を紹介しています【No.523】。「Quiet Kenny」といった穏やかな作品も知られていますが、今回も前作と同様に熱い作品を紹介。同じくBlue Noteからのもので好きな作品です。他にもカッコいい作品がありますので、色々探してみることをオススメしますね。この人の曲や奏でる旋律は、どこかメロディアスで印象に残ります。コンポーザーとしての才能も素晴らしい。本作では、Miles Davisのグループに加入する前のHerbie Hancock(p)、Tony Williams(ds)が参加しています。Joe Henderson(ts)も本作が初レコーディングとのこと(今回調べるまで知らなかった…)。オリジナルLPは全3曲で全てDorhamのオリジナル。CDではボーナストラックとして1曲「If Ever I Would Leave You」が追加。曲は少ないですが、密度は濃いです。HMVで全曲試聴可能。中でも冒頭のタイトル曲「Una Mas」は有名で、これはブラジリアンテイストのカッコいいナンバーです。15分以上あるんですが、そんな事は感じさせない演奏。クールなイメージが強いHerbieも、本作ではノリの良いピアノが印象に残りますね。続く「Straight Ahead」もアップテンポでグルーヴィーなナンバー。これもお気に入りの曲。Tony Williamsがカッコいいです。ラストの「Sao Paolo」もブラジリアンなテーマのメロディーがイイ感じ。ボーナストラックの「If Ever I Would Leave You」も素晴らしい内容で、こういうのがホントのボーナストラックかなと思います。Dorhamの曲ではありませんが、切なくてノスタルジックな雰囲気が魅力的。全体に彫りも深くて聴き飽きない内容。ブラジル音楽が程よく盛り込まれたグルーヴィーな本編+素敵なボーナストラックという素晴らしいCDになっています。Kenny Dorhamは他の作品についても紹介する予定。
2008.06.28

Lee Morgan。カッコいい作品。愛聴盤です。【No.539】 ・Lee Morgan:The Gigolo (1965)「Leeway」【No.492】、「Tom Cat」【No.535】に続いてLee Morganのリーダー作を紹介。一般の音楽ファンにも知られる定番「The Sidewinder」ほどではないにしろ、本作はBlue Noteにおける代表作の一枚として有名です。これもよく聴くアルバムでLee Morganの作品では外せないですね。Wayne Shorter(ts)との2管編成なのが個人的には嬉しいポイント。この2管フロントはJazz Messengers時代にも多くの傑作を残していますね。他のメンバーは、Harold Mabern(p)、Bob Cranshaw(b)、Billy Higgins(ds)。アルバムトップのパワフルな「Yes I Can, No You Can't」で聴けるようなジャズロック(あくまでジャズファンが言うところのジャズロック)色が濃いナンバーも良いですが、やはり「Trapped」「Speedball」「The Gigolo」といったグルーヴィーなナンバーがオススメ。随所で聴けるモーダルな雰囲気もクールで素晴らしいです。「You Go To My Head」も爽やかでお気に入りの曲ですね。どの曲も凄く良い出来ですので、ジャズが好きなら買って損のない傑作。40年以上も前の作品ですが今聴いても非常にカッコいい内容です。Morganの演奏も実に痛快で楽しい。本作に限らず、ShorterとMorgan、この2人が入った作品は好きなものが多いです。演奏だけでなく、この2人はカッコいい曲をかきますからね。本作では「Yes I Can, No You Can't」「Speedball」がMorgan、「Trapped」がShorterのオリジナル。HMVで全曲試聴可能。CDには「The Gigolo」のAlt.Takeが追加収録されてます。Lee Morganのアルバム紹介は、まだ続く予定(もう飽きた人も多いでしょうけど…)。
2008.06.22

George Bensonの傑作ライヴ。イチオシです。久々にフュージョンを紹介。【No.538】 ・George Benson:Weekend In L.A. (1978)邦題「メローなロスの週末」。メロウではなくメロー…。なんか笑ってしまうタイトルですが、George Bensonの傑作ライヴアルバムとして知られる作品です。George Bensonは過去定番の「Breezin'」【No.334】を紹介しています。この時期の作品はフュージョンにカテゴライズされてますので、少し抵抗のある人もいるかもしれませんが、若い人にも是非聴いて欲しいですね。ソウルフルなGeorge Bensonの歌(上手いです)入りの曲も多いですし、もちろんギターは抜群に上手い・カッコいい・気持いい。グルーヴィーな曲もありますし、アシッド・ジャズやレアグルーヴが好きな人をはじめ幅広い層にウケそうな気がしますね。この時期のGeorge Bensonは軽いイメージを持たれがちですが(それはそれでOKですけど)、一流ギタリストとしての一面とコンテンポラリーな面とのバランス感覚が抜群で素晴らしいと思います。バックを支えるメンバーは、Phil Upchurch(g)、Ronnie Foster(key)、Jorge Darto(p)、Harvay Mason(ds)、Raiph Macdonald(per)など、70年代のジャズファンク・フュージョンを支えてきた豪華なメンツ。冒頭の「Weekend In L.A.」から爽やかさ炸裂で、最後まで一気に聴かせてくれる楽しいアルバム。相変わらず歌とギターのユニゾンも心地よいです。ウェスに捧げた「We All Remember Wes」もオクターヴ奏法が最高。全体の構成もメリハリが効いてます。Harvey Masonのグルーヴィーなドラムもカッコいいですし、二人のキーボードもメロウでお気に入りです。代名詞的な「Breezin'」や「This Masquerade」が収録されていないのに、こんなに良いのですから、この時期のBensonの充実度は凄いですよね。HMVで全曲試聴可能。輸入盤はコチラ。買うならリマスターされている日本盤がいいと思います。HMVにはレビューがありませんが、間違いなく傑作です。本作の「Greatest Love Of All」はホイットニー・ヒューストンもカバーしてましたね。良い曲です。うっとうしい梅雨の時期には、こういう作品を聴いてみてはいかがでしょうか。ギターが気持ちいいですよ~。
2008.06.19

Buddy Miles。Johnny Bristolプロデュースの傑作ソウル。オススメ。ジャケも好きです。【No.537】 ・Buddy Miles:All The Faces Of Buddy Miles (1974)Buddy Milesといえば、Jimi HendrixのBand Of Gypsysのドラマーとしてロックファンには知られていますが、本作はソウルアルバム。Johnny Bristolがプロデュースした作品として有名な一枚です。Johnny Bristolは過去何回か紹介していますが、Motown時代はライターとして、また70年代は自身のソロ作品だけでなく、名プロデューサーとして活躍したアーティスト。本作は所謂ニューソウルではなく、この頃のJohnny Bristolのソロ作に近い作風です。レアグルーヴ・フリーソウルで人気のあったアルバムで、特に「I'm Just A Kiss Away」は有名。これはキャッチー&グルーヴィーなナンバーで文句なし。私も本作を聴くまでに、この曲だけは知っていました。でも解説によると、この曲についてもUKでは昔から人気があり、ノーザンソウルシーンでは知られていたようです(さすがUK、ブラックミュージック好き)。2005年に日本で世界初CD化済み(鈴木啓志氏によるSonyのグローリアス・ソウル・ジェムズ・シリーズ中の一枚)。10曲中6曲がJohnny Bristolのオリジナル、かつ同プロデュース作品という事で、Bristol節が堪能でき、かつ得意のメロウなサウンドも楽しめる一枚になっており、ファンは必聴といったところ。タイトなグルーヴもカッコよく、その辺がレアグルーヴとしても注目されていた理由でしょうね。Buddy Milesの歌も中々良いです。Otis Reddingを敬愛していたようですが、Johnny Bristolの曲を歌っているせいか、歌い回しはJohnny Bristolに似ている感じ。先の曲以外では、アルバム冒頭のヒット曲「Pull Yourself Together」や「We Got Love」「Got To Find Ms. Right」が高揚感のあるナンバーで凄くオススメですが、他にも「All The Faces」「Pain」「Wants And Needs」や、ファンキーなインスト「Baby Don't Stop」等良い曲が多く、アルバム全体としても傑作と言える内容。爽やかな雰囲気も心地いいですね。本作は発売当初、完全限定生産ということでしたが、この作品を含むシリーズ第I期の作品(過去紹介したMaxin Brownの傑作「Out Of Sight」【No.5】もコチラ)はII期の発売に合わせて少し前に再販されているので、本作についても入手できると思います。このシリーズはI期、II期共に良い作品が多いので、今後もアップ予定。
2008.06.16

Miles Davisのライヴ。有名な作品です。これはイチオシ。【No.536】 ・Miles Davis:Four & More (1964)意外かもしれませんが、Miles Davisは初めての紹介です。現在に至るジャズというかポピュラー・ミュージックの歴史上、外せないアーティストの一人ですよね。名盤・傑作と呼ばれる作品は凄く多いんですが、ご存知のように時代によってMilesのスタイルは変化していますので、作品によって私の場合好き嫌いが結構分かれます。正直なところ、世間の評価と自分の好みが合わない作品も少なくないですね。レアグルーヴが日本で注目されていた頃(90年代)は、エレクトリック期以降のジャズロック・ファンク色が濃いものが頻繁に紹介されていたように思いますが、近年はそれ以前の作品をよく聴きます。特に今回紹介する作品は凄く気に入っている作品の一つで、名盤として知られる一枚。時期的には、Jazz Messengersに在籍していたWayne Shorterが加入する前の作品で、バックは当時まだ20代のHerbie Hancock(p)とRon Carter(b)、18歳のTony Williams(ds)の3人に加えGeorge Coleman(ts)という編成。この作品はバラード中心のアルバム「My Funny Valentine」と同日のライヴから、アップテンポのナンバーを集めたもので、終始アグレッシヴかつハイテンションな演奏が楽しめる名盤。冒頭の「So What」から音とグルーヴの洪水といった感じ。全体に若いメンバーの躍動感溢れる演奏が素晴らしく、特にTony Williamsのドラムが凄い切れ味で抜群に良いです。主役であるMilesもパワー全開で、本作での演奏は文句なしにカッコいいと思いますね。HMVで試聴可能。この辺は、ジャズファンでなくても聴いてみることをオススメします。チェックして損はないと思いますよ。Miles入門としてもOKでしょう。
2008.06.13

Lee Morgan。好きなアルバムです。カッコいいですよ。6月に入って2枚目のアップ(遅…)。【No.535】 ・Lee Morgan:Tom Cat (1981, Rec.1964)Lee Morganは過去「Leeway」【No.492】を紹介済みですので詳細はソチラを参照願います。Jazz Messengers在籍時の作品も「Freedom Rider」【No.531】など何枚か紹介済み。「Leeway」を紹介した際に書いたアルバム以外にも傑作が多い名トランペッターですが、今回紹介する作品は、録音当時お蔵入りになってしまい、81年になって発表された作品。言うまでもなくBlue Noteからのリリース。Art Blakey(ds)、Jackie McLean(as)が参加しているのは先の「Leeway」と同じですが、本作ではCurtis Fuller(tb)が参加しており、フロントだけみると3管編成で、Wayne ShorterがJackie McLeanになったJazz Messengersといったところ。他のメンバーはMcCoy Tyner(p)、Bob Cranshaw(b)ですが、特にMcCoy Tynerの参加が良いアクセントになっていると感じます。Jazz Messengersが好きな私にとっては、かなりツボなアルバムで、お蔵入りだったのが理解できない内容ですね。McCoy Tyner作の「Twilight Mist」とLee Morganのオリジナルを4曲収録。特にLee Morganのオリジナル「Exotique」「Twice Around」は大好きなナンバー。ダンサブルでカッコいいです。Jackie McLeanも良い演奏を聴かせてくれますね。「Riggarmortes」もグルーヴィーでお気に入り。「Twilight Mist」はMcCoy Tynerのピアノが印象的なメロディアスで美しいナンバー。良い曲です。冒頭の「Tom Cat」もチョット変わった雰囲気とファンキーさがイイ感じですし、全体に捨て曲なし・聴き所の多いアルバムになってます。HMVで全曲試聴できますが、試聴では良さが伝わらないかもしれません。個人的には傑作と言っていい内容だと思いますし、ジャズファンの間でも評価の高いアルバムのようですので、興味のある方はチェックしてみることをオススメします。日本盤は出ていませんが、輸入盤で容易に入手可能。Lee Morganは好きなトランペッターですので、また色々紹介する予定です。
2008.06.09

Jazzmanのディープファンクコンピ。昨年発売されたもの。ファンクは久しぶりの紹介です。【No.534】 ・V.A.:Carolina Funk (2007)Jazzmanのディープファンクコンピは全部買っています。というかJazzmanのCDは全部というのが正しいですね(笑)。レーベル買いしてます。ファンクコンピに関しては、近年発売された「Florida Funk」【No.72】、「Sister Funk 2」【No.187】、「The World's Rarest Funk 45s Vol.2」【No.423】を紹介済み。本作は地域別のシリーズで、「Texas Funk」「Midwest Funk」「Florida Funk」に続く4作目になります。ちなみに「Sister Funk 2」はIan Wrightがコンパイル、「The World's Rarest…」はQuanticがコンパイルしています。ディープファンクの盛り上がりは、もう10年近く続いており、すっかり根付いた感がありますね。ここ数年のディープファンク系のリイシューに関しては、質・量ともに驚くほどで、とても追いつけてないです。正直ディープファンクの知識は、かなり前から停滞気味ですね。今年も凄いのが出るんでしょうけど、その前に昨年のものを紹介しておきます。タイトルにあるように、本作は南北Carolinaのレアなファンクをコンパイル。本作も知らないグループや初めて聴く曲が多く、新鮮な内容でした。こういったコンピによく収録されるCarleen & The Groovers「Can We Rap」やThe Soul Drifters「Funky Soul Brother」、James Reese & The Progressions「Let's Go」等のナンバーも含んでますが、地域別というスタンスなんで、これでいいかなと思います。定番なんで当然カッコいいですし、トータルのバランスも良くなりますね。全22曲収録で内3曲は未発表音源。前述の3曲を除くと「M3」「4」「6」「9」「12」「15」「16」「17」「18」「21」あたりが好きなナンバーですね。全体でみても今回のコンピは4作中では上位の出来で、カッコいいドラムブレイクも多くオススメです。本ブログのBookmarksにあるJazzmanのサイトで試聴可能。ライナーも充実していますし、ファンクが好きなら要チェック。
2008.06.03
全8件 (8件中 1-8件目)
1

![]()
