全50件 (50件中 1-50件目)
1

クリントンさんが「正しい方向への、控えめな第一歩」と自讃しているが、時間稼ぎは北朝鮮の勝ちなんだけどね。2/29Hillary Clinton said on Wednesday that North Korea's nuclear moratorium is a "modest first step in the right direction" onto the path of peace.The United States still has "profound concerns," Clinton told a House of Representatives committee, and will be watching closely and "judging North Korea's new leaders by their actions."North Korea agreed on Wednesday to stop nuclear tests, uranium enrichment and long-range missile launches and to allow nuclear inspectors to visit its Yongbyon nuclear complex to verify the moratorium has been enforced.クリントンさんのステートメントは自国の選挙対応と思われるが、北朝鮮の時間稼ぎを止めれられないならば、即ち北朝鮮の勝ちであり・・・・核の脅威下にある、日本、韓国の存在は選挙戦以下と表明したようなものである。
2012.02.29
コメント(0)

エルピーダという「日の丸半導体」の終焉を見たが・・・・この公的資金適用第1号の倒産ということは、特異事例なのか?日本製造業一般に言えることなのか?と不安を覚えるのです。記者会見する坂本幸雄社長(左)ところで、最近はじまった朝日新聞の「カオスの深遠」シリーズを読みながら、日々怒りがおさまらない大使である。デリバティブ(金融派生商品)を生んだような金融市場の肥大が止まらないならば・・・・世界の製造業は株主優先ゼロサムゲームを操る金持ち層のしもべとなるだけである。ここまで金融市場を野放しにしたツケに、世界中の貧乏人が苦しんでいる。このような市場がよい方向に改まることは大使存命中には、若しかして見ることはないかもしれないと、やや厭世的にならないでもない。こんな負け犬根性では、だめやで!日本は製造業志向から、おもてなし国家を目指すのがいいのかもと思ったりするのです。即ち、まだ国力のあるうちに、自然環境維持システムと再生エネルギー網を築き、スマートコンテンツと観光で生きてゆくのである。(世界の富裕層の駄賃と先端技術特許料で、身の丈にあった自給自足で生きてゆく)米中の価値観に対抗して「華美を避け、生活の質を変える」という強い意志を持って・・・アメリカ富裕層が要求するTPPに反対し、アメリカの99%の貧乏人と手を結ぶ戦術が必要だと思うのである。かなり、言いたい放題で吹いたけど・・・さて、さしあたってどうすればいいのか?誰か教えてほしい(泣)
2012.02.29
コメント(0)

「タイトロープの女」最終回が良かった。父をつうじて、絆を持ったふたりの女がハッピーエンドを向かえる。社長(由梨)の頑張りを見直して社員が結束するという・・・・プロゼクトX風なお話に絡んで、顔を合わすのも嫌だと思っていた由梨と恭子が、お互い功成りて穏やかに手をあわす♪やっぱりドラマはハッピーエンドでなくっちゃ~♪我々サラリーマンの世界でも、価値観が違って毛嫌いしていた同僚がいるんですね。でも、別のやり方で頑張ってきたことは、良く言えばライバルの関係だったのでしょう。引退して利害がなくなると・・・仏さんの心境でんがな(コレ コレ)【タイトロープの女】金子ありさ脚本、H24.2.28観賞<大使寸評> 社長令嬢が、心ならずも中小企業の社長となって負債をしょってしまう。ホステス上がりの義母との確執もあるという設定も面白い。ふだんテレビドラマを見ないのだが・・・・大使好みのドラマといえば、どうしても経済が絡むプロジェクトX風なものになるな~♪<金子ありさ氏インタビュー>よりお嬢様の由梨から、借金をかかえた会社の経営者としての由梨へ。それに連れて変化していく心情の移り変わりや成長の過程を1話1話に書き込んでいったつもりです。また同時に、1つの言葉の奥にそれとは違ったさまざま感情をもっている、言葉とは裏腹の感情を抱いている女性の不可思議さも描ければいいなと思いました。タイトロープの女|NHKドラマ10
2012.02.28
コメント(2)

メビウスとブレードランナーをつなぐということで、『ブレードランナーの未来世紀』という本を読んでいるんですが・・・・【ブレードランナーの未来世紀】町山智浩著、洋泉社、2006年刊内容(「MARC」データベースより)保守的で能天気な80年代ハリウッド映画の陰で、スタジオから締め出された映画作家たちは、異様な悪夢の世界を描いた映画を作っていた。その理由を、入手可能な資料と監督自身の言葉を手がかりに解きほぐす。<大使寸評>ブレードランナーの原点はディックの小説かと思っていたが、メビウスの漫画だったのが意外でした。Amazonブレードランナーの未来世紀メビウスとブレードランナーをつなぐものとして、『ロング・トゥモロー』という短編の漫画があったのです。ブレードランナー誕生秘話とでも言うんでしょうか♪<ロング・トゥモロー>p229~230 リドリー・スコットとハンプトン・ファンチャーは80年4月、ハリウッドに合宿して脚本の練り直しに入った。「映像においてスタイルはテーマそのものになる」それが、CM出身のスコットのポリシーだ。彼は、まずファンチャーに尋ねた。「窓の外はどうなっている?」『ブレードランナー』の舞台はどんな世界か、と訊いたのだ。ファンチャーが答えられないと、スコットは言った。「ヘヴィ・メタルだ」 それは、フランスのコミック雑誌『メタル・ユルラン』の英語版の名で、スコットがとくに意識したのはメビウスが描いた『ロング・トゥモロー』という短編だった。メビウスはスコットの『エイリアン』に宇宙服のデザインで参加している。『ロング・トゥモロー』はまさに「未来のフィリップ・マーロウ」だ。舞台は未来。主人公のピートは私立探偵。彼は美女の依頼で荷物の回収に行かされ、命を狙われる。ピートはその美女と恋に落ちてベッドをともにするが、彼女の正体はアメーバのように不定形の怪物だった。それは地球大統領暗殺のために異星から送り込まれたスパイだったのだ。タフな探偵の一人称の語り、依頼人の美女の誘惑、そして裏切り。『ロング・トゥモロー』はハードボイルド探偵小説のパターンを未来世界で展開する。 メビウスは『ロング・トゥモロー』の未来都市を空にそびえる摩天楼ではなく地下に向かって何百層も続く地獄のように描写した。さらに、すべての風景にゴミやガラクタをゴチャゴチャと描きこんだ。それはそれまでのSF映画で描かれるピカピカに清潔な未来都市とは正反対だった(ただし、ゴミと手垢で薄汚れた宇宙船なら72年にソ連のタルコフスキーが『惑星ソラリス』で見せている)。『ロング・トゥモロー』のストーリーを書いたのはダン・オバノン。スコットの『エイリアン』の最初のシナリオを書いた男だ。彼はフィリップ・K・ディックの大ファンで、『トータル・リコール』と『スクリーマーズ』でディックの原作を二回も脚色している。 この『ロング・トゥモロー』こそが、スコットにとっての『ブレードランナー』の「原作」である。何しろ彼は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を読んでいないからだ!『LongTomorrow』ロング・トゥモロー
2012.02.28
コメント(0)

最近になってフランスの漫画作家メビウスを知ったのですが・・・おお 松本大洋と似たテイストやんけ♪ (松本大洋がメビウスの画風に影響をうけていると言われておるそうです)松本より先行していたかも知れないが、なかなか、いい味出てますね。Moebius.fr公式サイトメビウスって誰?Moebius met sa patte sur“Télérama”!松本大洋のナンバーファイブをおまけだ♪ナンバーファイブ
2012.02.27
コメント(2)

中国がレアアースの輸出規制を始めて以来、世界各地の生産拠点の立ち上げが加熱するなかで・・・マレーシアのレアアース精製工場の完成前に、工場近くの町では住民数千人が参加して抗議集会が開かれそうです。2/26レアアース工場建設に抗議集会より電気自動車などの製造に欠かせない希少な資源、レアアースの中国以外の生産拠点として日本などが期待しているマレーシアで、精製工場から出される廃棄物の環境への影響を懸念する住民が大規模な抗議集会を開き、レアアースの供給計画が遅れる可能性が出ています。電気自動車のモーターや携帯電話などを製造するために欠かせないレアアースは、世界の生産量の90%以上を占める中国が輸出量を制限しているため、日本など各国の企業は、新たな供給元の開拓を急いでいます。マレーシアの精製工場は、オーストラリアの資源開発会社「ライナス」が東海岸のパハン州に建設を進めているもので、中国以外から安定的に供給を受けるための生産拠点として期待する日本は、年間およそ9000トンを輸入する計画です。しかし、工場周辺では、工場から将来的に出される放射性の廃棄物が環境に悪影響を及ぼすとの懸念が広がっていて、工場近くの町では26日、住民数千人が参加して建設の中止を求める抗議集会が開かれました。参加した住民の1人は「将来、問題が起きた場合、工場が対処できるのか不安だ」と話していました。工場の建設はほぼ完了し、マレーシア政府は会社に対して操業許可を出すことを決めていますが、住民側は、裁判所に操業を認めないよう申し立てを行うなど混乱が広がっており、レアアースの供給計画が遅れる可能性が出ています。多分、豪州企業が廃棄物処理と住民に対する補償を行って、操業することになると思うけど・・・やはり、この種の迷惑工場は人口の希薄なオーストラリアやカナダあたりが適しているのであって、アジアに拠点を求めるのは難しいようですね。もっとも、人権意識の希薄な中国では共産党の意向次第でどうにでもなるだろうけど。(内モンゴルでは反対する住民をトラックでひき殺したりしましたね)
2012.02.27
コメント(0)

大学図書館と市立図書館から常連のように本を借りているが・・・・最近借りた本の一覧を紹介します。読んだ本のテーマとは何か?何のことはない、手に当るを幸いにということで・・・・支離滅裂でおます。なんかこれらの本を並べてみたら・・・我ながら並べた表紙がきれいである(笑)・カラオケ、海を渡る 1月28日読破・PK(井坂幸太郎) 1月31日読破・ワークルール・エグゼンプション 2月2日読破・知識的大衆諸君、これもマンガだ 2月10日読破・池上彰の新聞勉強術 2月20日読破・ベースメタル枯渇 2月24日読破・映像+ 2 2月25日読破・地図でみる日本の外国人 観賞中【カラオケ、海を渡る】「カラオケ、海を渡る」大竹昭子著、筑摩書房、1997年刊、H24.1.28読破<この本の感想、エッセンス>Amazonカラオケ、海を渡る【PK(井坂幸太郎)】井坂幸太郎著、群像2011年5月号、H24.1.31読破<大使寸評>「勇気も伝染すると思う。明るい未来について語ろう」・・・・伊坂さんならではポジティブシンキングですね。3つのお話を行き来しながら、ラストで実を結ぶ構成は伊坂幸太郎ならではの鮮やかさなんでしょう。<でもラストに対する大使苦情>ラストが冒頭のプロットに繋がるという構成は、気が利いているが・・・・この短編が再読を強いるというか、それほどプロットを凝らすと気楽に読めないことでしょうか。伊坂幸太郎 トピックス Twitterなんてのがあります。【ワークルール・エグゼンプション】脇田滋編著、学習の友社、2011年刊、H12年2/3読破<「BOOK」データベースより>残業代不払い、最低賃金以下、突然の解雇、安全基準以下、社会保険未加入、団交拒否…どれも違法行為だ。これを「違法」にしないウルトラCがある。「労使関係はない」「これは労働ではない」として、最初から労働関係の法律を適用しないことにしてしまうのだ。本書では、「適用されない労働法規」という観点から、実効ある「働くルール」のあり方を考える。 <この本の感想とエッセンス>Amazonワークルール・エグゼンプション【知識的大衆諸君、これもマンガだ】関川夏生著、文芸春秋、1991年刊(単行)1996年刊(文庫)、12年2/10読破<「はじめに」より> マンガの敏感さは、流行に弱いとも、ある年代層の関心を強く投影するともいいかえることができる。読者はその年代によってマンガを選ぶのだが、読者もまたマンガによって選別されている。陸続と発芽する骨細胞のように新しいマンガ作家と新しい読者は誕生しつづける。しかしそれらのマンガを、先行する読者は理解できないことがある。新しいマンガはしばしば既成の読者を拒否するのである。すなわちマンガ作家たちは、彼らの作品の読者とともに成長し、読者によって成熟し、そして読者としめしあわせて老化していく傾向があるのだ。そして、そのような限界を超えた作家と作品は、巨匠であり古典である。<この本の感想とエッセンス>Amazon知識的大衆諸君、これもマンガだ【池上彰の新聞勉強術】池上彰著、ダイヤモンド社、2006年刊、2/20読破<内容紹介>より▽記事の読み方、速読術、メディアミックス活用、文章力、要約力、スクラップ情報整理から自分探しまで、新聞の徹底活用術とは。本書では、新聞記事の読み方から情報収集・整理術、文章力の鍛え方など、新聞を最大限に活用する“勉強術”について紹介。▽NHKの人気ニュース番組「週刊こどもニュース」の元キャスターで、現在はジャーナリストとして長年ニュースの現場に携わっている池上彰氏。年間300冊もの本を読み、朝、昼、夕、夜のテレビニュースは欠かさずチェック、自宅ではCNNを流しっぱなし、英字週刊誌も購読。新聞は一通りの全国紙に目を通し、フィナンシャルタイムズも購読。書店には1日3回足を運ぶという。このように膨大な情報量を扱う著書の、新聞の読み方と徹底活用術を伝授! <この本のエッセンス>Amazon新聞勉強術【ベースメタル枯渇】西山 孝・前田 正史著、日本経済新聞出版社、2011年刊、<内容紹介より>レアメタルばかりが注目される金属資源問題だが、リサイクルをはじめ誤った理解が跋扈している。たとえば、いまだに枯渇した資源は一つも見あたらない! 金属資源研究のプロが資源経済学のアプローチで問題を解明。 <この本の感想とエッセンス><大使寸評>国家資本主義でないと起こし得ない「高値狙いの売り惜しみ」に世界は出し抜かれて、なす術もなく代替品の開発に着手したわけであるが・・・この際、メタル枯渇について備えるいい契機となったと思うほかないのです。Amazonベースメタル枯渇【映像+ 2】 グラフィック社、2007年刊<この本の感想とエッセンス><大使寸評>拘りのシリーズ本であるが、今回は特集「美術・セットデザインの現場」となっていて・・・「ブレードランナー」や種田陽平「ザ・マジックアワー」がとりあげられています。Amazon映像+ 2【地図でみる日本の外国人】石川義孝著、ナカニシヤ出版、2011年刊<「BOOK」データベース>より詳細な分布、教育、労働、移民、ビジネス、国際結婚など、日本に住む外国人に関する30のトピックを、主に初出の統計(国勢調査等)をもとに分かりやすく解説。 Amazon地図でみる日本の外国人
2012.02.26
コメント(0)

「たけしの日本人白書」というテレビ番組を見たが、目からウロコの面白さであった。若者の間で「エアーイン」という言葉があるようで、「空気を読んで抵抗なく仲間入り」するスキルが望まれるそうです。言葉は新しいけど、このスキルははるか以前から日本では当たり前だったような気もする。欧米の文化人類学者の評価によると、コンテキスト能力(空気を読む力)は日本人が世界一でアメリカが最低らしい。日常生活において日本人の会話量はアメリカ人の半分とか・・・・どうりで話がかみ合わないわけだ。また、古来、俳句や短歌にはコンテキスト能力が要求されたという説明に納得した次第です。アラブ世界で抜群の人気のサウジアラビア人のキャスターが日本取材を行った場面で、そのキャスターが驚いた事は・・・・落した財布が出てきたこと(翌日、交番から連絡あり)・小学校で学童が掃除すること・その他、食券販売機、会社で体操とかま~、日本人にとってサウジアラビア人の生活などというものが、もっともかけ離れたものなので・・・逆に、サウジアラビア人が驚くのも分かるが。(個人的には、サウジであっと驚く苦境に陥った大使であるが、それはさておく)不安を感じる遺伝子というものが有り、3タイプの遺伝子が有るそうで・・・・・なんかよくわからないが、日本人にはセロトニントランスポーター遺伝子が影響しているそうです。不安を感じる割合は日本人97%、白人64%、アフリカ人32%で、日本人は世界でいちばん不安を感じる民族だそうです。およそ30カ国のなかで、日本人のランキングが興味深いのです。・結婚前の同棲:日本32位、1位スウェーデン・暇なときは一人でいたい:日本1位/33カ国、・自国民として誇りを持っている:日本30位/30カ国そのほかに、車が来ないのに信号を守る日本人とか、目線を合わさない日本人とか、集団の中で決断する人がいないとか・・・・・世界各国では独特な日本が大人気だそうだが、これは「弱肉強食の生活態度」という世界標準がまだ日本人に及んでいないためだろうと思うのです。でも、新自由主義に毒され格差が広がる昨今では、日本人の特質も世界標準によって薄まってゆくのでしょう。慎ましやかで、治安の良い日本は、守っていきたいものですが・・・・
2012.02.25
コメント(6)
震災復旧予算はひも付き交付金の形で給付されるが・・・・申請書の提出、審査と手続きが煩雑であり、震災で人が減った地方の役所では申請をあきらめたところもあると聞きます。震災復旧予算のインフラ分(主に国交省管轄)の8割は未執行とのニュースがあるが・・・・2年間という使いきり期間では使いきれないのではないか?ひも付きで使いにくい震災復旧予算は結局国庫に戻り、その一部は国交省の財布に残る可能性さえあるかも?2/23震災復旧予算、半分手つかず インフラは8割未執行より 東日本大震災の復旧費として、今年度第1次・2次補正予算で積まれた6.7兆円のお金が、昨年末時点で、半分しか使われていないことがわかった。なかでも、道路や学校、被災者向けの公営住宅などのインフラ整備(公共事業)は、予算の2割に満たない額しか使っていなかった。自治体の人手が足りず、予算の申請ができなかったり、国の施策が被災地の現状と合っていなかったりすることが背景にある。 民主党の川内博史衆院議員が各府省庁に請求した資料と、朝日新聞が入手した資料を分析した。インフラ復旧や雇用関連の特別会計を含む第1次補正(昨年5月成立)と、原発事故対応などの第2次補正(昨年7月成立)を対象にした。本格復興策を盛り込んだ第3次補正は、昨年11月に成立したばかりなので除いた。 1次と2次をあわせた6.7兆円のうち、使われたのは55%の3.7兆円。うち1兆円は政府系金融機関への出資金などが占めており、これを除けば執行率はがくんと落ちる。 公共事業では、1.4兆円の予算の15%にあたる2100億円しか、実際に使われていなかった。内訳をみると、公共事業のなかでもっとも予算が大きい道路や堤防、下水道などの災害復旧費(7665億円)の執行は3.8%の292億円。被災した学校を建て直す予算も、3割しか使われていない。被災者向けの公営の復興住宅や、ダムの修理など16事業の執行率はゼロだった。スピード感のある支援が望まれる震災復興時でも予算給付方法を変えられず、一方、住民の嫌がるダム工事に60年間も紛糾するとは・・・・平成の関東軍と言われる由縁である!震災復興補助金のからくり でも書いたが、今のやり方では「国交省に復興財源をわたしてはダメ!」それから今後の治水のあり方に関する有識者会議 において、有識者会議を非公開とする理由について説明責任が求められています。
2012.02.25
コメント(0)
チャイナ・ウォッチャー平野聡さんの鋭い洞察を紹介します。「漢族は56の兄弟民族からなる祖国大家庭における最も先進的な存在であり、漢族がおくれた少数民族を発展の道に導くことは中国の特色ある社会主義の先進性のあらわれ」なる言説が国是としてあるようですね。驚いた。・・・・これって五族協和の大東亜共栄圏の焼き直しみたいなもんだよ。中国が中国である限り 真の民主はありえないより中国の現在と過去を覆い尽くす息も詰まらんばかりの社会矛盾。その袋小路にひとしきり風穴を開けるかのように、昨年秋以降広東省で「烏坎(うかん)事件」が起こった。この事件は、近年の中国における「群衆性事件」の中でもひときわ大規模にして持続性があるのみならず、中国の社会矛盾の一つのあり方を最も典型的に示していることから注目を集めている。果たして、この事件は今後の中国を良い方向で変えうるものなのだろうか?<土地の錬金術が横行した烏坎村>事件の舞台となった広東省の東部沿岸・陸豊市は、かつて貧しさのため華僑を多数送り出してきたという土地柄である。しかし、改革開放が加速した1990年代以後、在外華僑・華人が祖先の故郷に錦を飾るのを兼ねて活発に投資するようになり、労働集約的な工業化が進んだ。工場をつくるには開発区が必要であり、華僑は農村の党幹部に対し安く土地を融通してもらえるよう接近した。そして党幹部も、開発区が成功すれば自らの利権と業績にもつながることから、土地国有制という金科玉条のもと、農地を裁量一つでかき集めて売りつけた。烏坎村も、そのような党官僚による土地の錬金術が横行した村の典型である。 しかもこの村は、同族結合の社会文化的遺産が根強く残る華南の農村らしく、特定の宗族(同族集団)が村の党支部と村民委員会を約40年来独占し、他の宗族に属する人々を排除してきたのみならず、予め候補者と当選者の数が一致した形式的な官製選挙(中国語で定額選挙と呼び、これを以て「人民民主主義」の体裁を取り繕う)すら実施されなかったという。そこで、村の運営から排除された人々は市・省などに上訴を繰り返し、公正な村落運営を目指したものの、単に成果は得られないばかりか、党支部による土地使用権売却益の独占までもが明るみになり、ついに昨年9月以降止むにやまれぬ行動に打って出た。<度重なる衝突 広東省トップの汪洋が動く>具体的には、まず昨年9月22日に陸豊市政府が3000~4000人の村民によって包囲され、以来しばしば公安当局との衝突が発生した。さらに12月9日には、陸豊市を管轄する汕尾(さんび)市政府が「大陸外の勢力やメディアに唆された勢力が、小さな村の問題を無限に拡大した」という陰謀論的な判断を下し、既存の村党委員会を擁護した。これに激高した人々と当局の対立は頂点に達し、当局は異議申し立て側の代表である薛錦波氏を拘束、薛氏は2日後に拷問で死亡したのみならず、人々は遺体の返還と問題の徹底解決を求め、村の中心にあたる天后宮(媽祖廟)前の広場で連日集会を繰り返した。日本のメディアやネット上に掲載された写真画像には「独裁反対」「民主選挙を我に」「中央は烏坎を救え」「腐敗官僚は無道」「天理は何処にあらんや」などというスローガンが氾濫し、あたかも解放区さながらの観を呈したのである。 事がここに至り、改革派として知られる汪洋・中国共産党広東省委員会書記が動いた。住民の過激な運動について一律に不問として、各宗族の代表からなる「烏坎村代表臨時理事会」の正統性を認めたのである。それを受けて今年1月には新たに烏坎村党総支部が設立されたほか、先日村民代表選挙が開催されて新たな村民委員会が組織された。こうして、長らく専横を尽くした旧党支部・村民委員会は解散し、烏坎の人々は一応勝利した。<中国史における農民の存在とは>(文字数制約のため省略)<農村が変貌を始めてから節目の2012年>(文字数制約のため省略)<烏坎事件は民主化につながるのか?>しかし筆者の見るところ、それが果たして本当に中国における民主化の端緒になるのか、些か疑問を禁じ得ない。 漢語の各種ネット記事を閲覧するにつけ、確かに農民の主張には、末端の変革に満足せず、国政に至るまで民意代表を選出するよう求めるものもあったらしい。とはいえ彼らは同時に、まず何よりも共産党中央を擁護し、党中央が反腐敗の旗幟を鮮明にして適切な判断を下すことを求めている。それは一応、直接体制と対峙することにより即座に鎮圧されることを避け、現在の国家体制と妥協しながら漸進的に社会変革を目指すものであるのかも知れない。とはいえ、「各《宗族》の代表による村党支部・村民委員会の再組織」という主張は、全ての村民の意見が個人の意見として尊重され、その集積として村民自治を構築するというよりも、宗族という末端の利益集団を社会の基本的単位として、各宗族が等しく村政という資源に均霑することを求めているものであろう。それが新「党総支部」を通じて首尾良く実現されたのち、もし各宗族が新たなクライエンテリズム(コネと権力の占有が生み出す上下関係)の末端となるのみで、多くの人々がそれに安住してしまうとすれば、 逆に「宗族間の利害調整」という枠組みに異議を申し立てる個人の訴えが封じ込まれる可能性も否定できない。宗族という末端の社会的結合は、たしかに同族の血縁集団として個人個人に近い存在であるかも知れないが、宗族の内部においても厳然とした権力関係や格差がある。発言権のある者が専横し、発言権のない者はいつまでたっても利益に与れない可能性もある。<共産党に「正しさ」を託しても信頼できない>(文字数制約のため省略)<中国自身の政治改革こそ必要>(文字数制約のため省略)<極点に達する漢人と少数民族> しかし中国の国家統一問題は、単に台湾のみを対象としたものではない。中華人民共和国の圧政に長年来あえぎ、現状への問題意識を表明するだけで「国外勢力の影響を受けた分裂主義分子」として厳しく弾圧され続けている内陸アジアの少数民族をめぐる問題でもある。 中華人民共和国がもし本当に「統一された多民族国家」であるのならば、その一部分で始められた民主的な地方自治の試み=烏坎モデル(?)は速やかに全国へと広げられるべきであり、当然の前提として政治的な意見表明の自由も認められるべきであろう。しかしそのようなことになれば、少数民族が即座に中国からの独立を求めることになるのは、2008年以後のチベット問題、09年夏のウルムチ事件、そして11年の内モンゴル抗議運動など、漢人と少数民族対立が極点に達している状況からして余りにも明らかである。 では、漢人社会には自由で民主的な自治を認め、少数民族には一切それを認めず、相変わらず森厳たる軍事力や警察力で抑圧を続け、少数民族地域の経済的利益を漢人(及び中国語を母語とするムスリムの回族)資本がほしいままにするのであれば、それは中国が激しく憎む日本帝国主義の植民地支配と同じようなものに過ぎないだろう。いやそもそも、 「漢族は56の兄弟民族からなる祖国大家庭における最も先進的な存在であり、漢族がおくれた少数民族を発展の道に導くことは中国の特色ある社会主義の先進性のあらわれ」なる言説が何らの躊躇いもなく横行すること自体、この国家を国家たらしめるものは大漢族主義そのものであり、大東亜共栄圏論の出来の悪いコピーに過ぎない。したがって、既に明白に漢人優位となっている国家において、さらに「祖国中華」への忠誠心の度合いに応じて政治的権利の付与に差をつけるとすれば、それは改めて明白に「少数民族は能力と忠誠心の両面で劣っているので二等・三等国民に過ぎない」と宣言するようなものである。そのあかつきには、さらに少数民族の怒りを激発することになろう。<このままでは少数民族との大混乱は避けられない>(文字数制約のため省略)<中国人に突き付けられる究極の選択肢> かくして、中国の人々には究極の選択肢が待ち受けていることになる。 中国における真の自由と民主の実現と国際的な尊敬を望むのであれば、「大漢族主義」の矛盾が根深い現状では少数民族の独立論は抑えられない以上、中国地図が今のかたちであることを諦めなければならない。これは中国近現代史における中国ナショナリズムと少数民族の不幸な関係の絶対的帰結である。 中国の巨大な領域と、漢人主導の共産党が「おくれた」少数民族を多数従えて「正しい」発展に導いていることを誇りに思い、「偉大な祖国」への忠誠を覚えるナショナリストであり続けるのであれば、それらの価値に比べて自らの自由と民主などは全く大したことはないと諦めなければならない。それではもう一つの選択肢として「大漢族主義」を捨て、完全に各民族が平等な社会をつくれば良いではないか? しかしそれは、漢族優位の価値観と不可分な近代中国ナショナリズムと抵触する。 そもそも漢字文化を共有しない少数民族にとって、「中国」という文字が発する価値自体が不明である以上、「漢字文明の偉大さや先進性」なるものとともに立ち現れ自らを圧迫する「中国」に従う理由などない。モンゴルやチベットが清に従っていたのは、満洲人皇帝が草原世界共通の信仰であるチベット仏教のパトロンであったからであり、東トルキスタンのトルコ系ムスリムが清の領域に組み込まれたのは、この地を支配していたモンゴル系の王国ジュンガルが清に滅ぼされ、満洲人皇帝はイスラーム信仰を認めたからである。だからこそ辛亥革命による清の崩壊以後モンゴルは独立に走り、チベットや東トルキスタンも独立しようとして失敗したのである。 辛亥革命が近現代中国の一大慶事であるなどという議論は、清から受け継いだ領域の安定的維持という立場からすれば著しい誤謬であり、むしろ昨年の辛亥革命100周年は清の崩壊による領域不安定化100周年として記憶されるべきある。<中国問題は日本問題でもある>結論として、国家のありかたそのものがリベラル・デモクラシーの実現と直結しており、しかも計り知れない混乱につながりかねないという一大問題に比べれば、広東の農村における事件がもたらしたものは、当事者にとって気の毒ながら小さな問題に過ぎない。今後中国で引き起こされるあらゆる下からの要求が果たして平和的な体制転換につながるか否かは、常に「国家の統一」という、中国にとって最も困難な問題との関連で考えられるべきであろう。 そして、この当面考え得る極端かつ悲劇的な二分法ではない穏健な解決策を模索するのは、第一に中国の全ての人々の問題であるが、同時に中国と関わり合いを持つ全ての国々の問題でもある。何故なら、投資や技術供与など諸外国の経済的な対中関与、そしてそれを加速させた「チャイナ・ファンタジー」、すなわち「経済発展による社会の開放こそ、中国が西側と同じ価値観を共有するに至る最良の道である」という、中国ナショナリズムの過激な信念を正面から捉えようとしない甘美な思い込みこそ、過去20年来の中国の経済発展を加速させ、中共が動かし得る政治資源を圧倒的なものにし、人々を抑圧する構造を固定化したからである。文字数制約のため省略したヵ所がありますが、全文は孔子批判4に載せています。
2012.02.24
コメント(0)

中国の自己中心的なレアアース輸出統制があって以来、大使の中国観は修復不能にまで悪化したのである。私のブログに「中国のレアアース統制」というテーマを設けて延々とフォローしているのは、中国にたいする怒りもあるわけです。中国はこの暴挙の代償として、世界中に敵対者を増やすという愚を犯したことにもなるのでしょう。ということで、図書館で「ベースメタル枯渇」を借りてきて鋭意読み込んでおります。【ベースメタル枯渇】西山 孝・前田 正史著、日本経済新聞出版社、2011年刊、<内容紹介より>レアメタルばかりが注目される金属資源問題だが、リサイクルをはじめ誤った理解が跋扈している。たとえば、いまだに枯渇した資源は一つも見あたらない! 金属資源研究のプロが資源経済学のアプローチで問題を解明。 <大使寸評>国家資本主義でないと起こし得ない「高値狙いの売り惜しみ」に世界は出し抜かれて、なす術もなく代替品の開発に着手したわけであるが・・・この際、メタル枯渇について備えるいい契機となったと思うほかないのです。Amazonベースメタル枯渇この本の勘所を引用します。<序章>p4~7「資源があと何年もつか」というときによく使われているのが、耐用年数(埋蔵量/年間消費量)である。ところが、耐用年数は実際に枯渇する時期を表してはいない。現在の状況がそのまま続くと仮定したときの話である。新鉱床の発見や消費量の増減があると大きく変化する指標である。 しかし、近年のウナギ上りの需要増加を見ると、人類が「資源の枯渇」という厳しい現実に初めて直面する日もそう遠くないのではないかと思わせる節がある。ローマクラブが『成長の限界』で1971年に指摘した資源の枯渇が、現実のものとなりつつある。というのは、中国やインドといった人口大国が急速な経済成長を遂げているために、これまでとは桁違いに速いスピードで消費量が増大しているからである。 このような背景のなかで、わが国は、戦後の欧米キャッチアップ政策から脱却し、工業生産による国家成立を標榜している。そのためにハイテク産業の拡大を図り、さまざまなメタルを駆使して新たな機能的社会の構築に励んでいる。レアメタルをはじめとする多種・多様な資源を輸入し、その安定供給を図ることは社会の発展のために不可欠の条件となっている。 2010年秋、尖閣諸島中国漁船衝突事件をきっかけに中国による事実上の対日禁輸がなされ、「レアアース危機」が一気に表面化した。(中略)その後、中国からの輸出が部分的に再開されたことから現在は小康状態が保たれているが、依然として輸出規制は変更されていない。この事件はわが国に深刻な影響を与えたのみならず、わが国のメタル供給体制の脆弱さを世界に露呈し、無防備で放置されていることが明らかになった。<リサイクルの限界>p102~105 リサイクルはどこまで進められるか。それはメタルの市場価格よりいかに安い費用で再生できるか、あるいは毒性のあるメタルでは社会的影響をどの程度軽減できるのかの二点に絞られる。 リサイクルは、厳しいメタル市場で勝ち残れるコストでないと続かない。ときに、資源の枯渇がクローズアップされると、招来の不足分をリサイクルで補うことで資源問題がすべて解消するかの如く論じられるが、今後のリサイクルを推進するには、きわめて制約があることを念頭におく必要がある。経済的に合理性のあるリサイクルはすでに国際メタル市場のなかに組み込まれており、収集システム、メタル再生コストから、リサイクルの対象にならないものが残っている。<近・中未来の需給予測の重要性>p168~169 資源産業は組立工場と違い、来月から生産ラインを増やして増産できるようなものではない。だからこそ、近・中未来の視点で考えるとともに現未来への配慮は欠かせない。今回のように価格がどうこうではなく、まったく入ってこないとなれば死活問題になる。場当たり的な対応しか行ってこなかったツケが一気に表面化した事実を重く受け止める必要がある。 レアアースが使われているハイテク製品の最終価格において、素材費が占める割合はごく小さなものである。したがって、産業界も政府も安定確保を軽視して、真剣に取り組んでこなかった。しかし、このままではすまされない。少し割高になったとしても、緊急の対策が必要となっている。 問題はレアアースだけにとどまらない。わが国は、生産活動と国民生活の質を維持するための多くの資源を海外輸入に頼っている。安定確保に向けた抜本的な対策がとられない限り、第二、第三の資源危機を回避することはできない。今回の事件を踏まえて、早急に現未来の需給予測から始め、対策を立て直さないといけない。 もちろん、近・中未来の対策も現未来と同様に重要である。耐用年数は現在の状況がそのまま続くことおを前提にしているため、非常に流動的である。たとえば、この30年の間、亜鉛の耐用年数はずっと20年程度のままで、縮まっていない。新しい鉱床が発見されて埋蔵量が増えたり、技術が進歩して経済的かつ合理的に回収できる資源も増えたためである。 いたずらに耐用年数に振り回されるようなことは厳に慎まなければいけない。しかしながら、一方で銅をはじめ、亜鉛、鉛の新交渉の発見はいよいよ困難なものになってきている。いつまでも20年が続くとは考えられない。 <わが国の資源戦略>p170~172 具体的に現未来、近・中未来に区分し、レアメタルとベースメタルの資源戦略をまとめると次の4項目になる。(1)現未来におけるレアメタルの供給障害には、新素材の急激な需要増加による供給不足と人為的に作り出される突発的な障害の二つがある。たとえば、21世紀になって携帯電話や液晶テレビの爆発的な普及によりタンタルやインジウムの価格が一時的に5倍以上に高騰し、やがて価格は元に戻っているが、これは需要増加に対し新規鉱山の開発などに手間がかかり増産体制の確立が数年遅れたためである。類似した事例はほかにも多数存在する。 このような時間的ずれを発生させないためには、わが国に先端技術産業と資源産業が一体となった組織を作り、現未来の需要量をあらかじめ産出し、この予測に基き鉱石から素材にいたるまでの流通にボトルネックができないようにつねに見張ることが肝要である。 次にレアアースをはじめタングステン、ビスマス、インジウム、シリコン、白金、パラジウム、コバルトなどの資源は、特定国の政策や紛争などによる人為的な障害が潜在しているので、供給先の多様化を図り、生産国における極端な偏在が起こらないようにする必要がある。 この場合も、先端技術産業と資源産業がリスクを共有し、政治問題、経済問題を含む広範な視点からコスト依存性に幅を持たせ、偏在を減少させ、流通にボトルネックができないようにすることである。(2)現未来におけるベースメタルについては、世界市場が資源メジャーにより支配されているので、わが国が世界戦略に参入することは困難である。したがってレアメタルとは戦略が大きく異なり、わが国がリードして世界の安定供給が考えられるような立場にはない。わが国の資源技術、経済力、消費量を背景に、優秀な精錬所に適切な価格で、しかも滞りなく鉱石あるいは製鉱を提供できるように専念すべきである。 このような状況から、資源メジャーの一部に参画し協力を深めて輸入品の安定確保を図り、また資源メジャーが対象としない中・小規模鉱山の独自開発を行い、資源確保とともに人材育成を目的にすることである。(3)近・中未来におけるメタル確保は、おおむねこれまでに手がけられている事柄の踏襲、促進が主体になる。新鉱床の発見による埋蔵量の増加、メタル消費量を少なくする省資源化、代替材料の開発および実用化、リサイクルの四つである。 レアメタルでは、新鉱床の発見が期待できるメタルも多い。想定される需要に呼応した探査・開発計画が重要である。また省レアメタル、レアメタルを使わない代替材料の開発、リサイクルも重要で、白金やジスプロシウムのように極端な埋蔵量の偏在から抜け出せないメタルでは特に必用である。(4)ベースメタルでは、鉄、ボーキサイトを除き、銅、亜鉛、鉛は枯渇が心配される。これまでに枯渇した資源種はないが、中国やインドといった人口大国が急速な経済成長を遂げているためである。これまでとは桁違いに消費量が増大する。低品位鉱など準経済的資源の開発準備が肝要である。 地球化学的に見ると、人類がこれまで使ってきた金属資源量、エネルギー資源量は地殻にあるものに比べるとわずかで、まだまだ余裕がある。しかし、現存の掘削技術、精錬技術に限定すれば、そう遠くない招来、人類は「資源の枯渇」という厳しい現実に初めて直面することになるかもしれない。<あとがき>p191~193 資源・エネルギー分野でも、資源統計などを容易に手にすることができるようになってきたが、一見、つじつまは合っているが視点を少しずらすと、現実離れした、あり得ない結論がしばしば誘導されている。さらに困ったことには、この議論に賛成意見や反対意見が重ねられ、矛盾が拡大していくことである。 マスコミでもつじつまの合わない結論がもっともらしく報じられることがある。たとえば、2010年秋、尖閣諸島の事件を契機にレアアースメタルが供給不足になった。ハイブリッド車や液晶の製造ができなくなってしまう。この危機を乗り越えるためにもっとも有効な対策として、新規鉱山の開発や休止鉱山の再開が準備されている、代替品の可能性がある、リサイクルできるなどと華々しく報道された。 見かけ上は矛盾していないが、前者と後者では時間スケールが全く整合していない。本文でも詳しく述べたが、新規鉱山開発によってメタルが製造されるようになるまで急いでも数年ではできない。 レアアースを使わない強力な磁石が実験室で成功したからといっても実用化できるかどうかはこれからの話で、リサイクルも回収できるような多量の廃棄物が出てくるのはまだまだ先である。 すなわち、資源開発では生産ラインを増やして来月から増産できるようなすばやい動きはできない。もしこのような対策が成功すれば数年先にはレアアースの供給は安定するということであって、在庫が数ヶ月もないときの解決策にはならない。 このような矛盾が定着しないようにつねに心がけてきたが、まだまだ不十分で、随所に誤解が見受けられる。そこで、このたび出版のお話をいただいたことを契機に、事柄を改めて取り上げ、さらにわが国が今日解決しておかなければならない資源問題および資源戦略にも言及して『ベースメタル枯渇』としてまとめた。問題の所在はかなり指摘したつもりである。
2012.02.24
コメント(2)

五百旗頭さんが「政変中毒やめたほうがいい」と苦言を呈しています。それから、大使の嫌いな米中とどう付き合うべきか陳べていますが・・・・防衛大学校長の戦略的な提言であることはもとより、わりとリベラルで柔軟な提言であると思うわけです。朝日新聞 <政治時評2012>よりI:五百旗頭真(防衛大学校長)U:宇野重規(東大教授:政治思想史)(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、2/21朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)U:「3.11」から間もなく1年。野田政権は奮闘していますが、政権運営は苦しい。自民党など野党は民主党に政権を任せられないと、総選挙を求めています。I:政変ばかりを求める悪い癖です。特にメディアは好きですね。ドラマティックかもしれないが、民主的にできた政権に仕事をさせるという視点が欠けている。小泉純一郎さんの後はいずれの政権も1年しかもたない。これでは仕事はできません。課題を設定し、やり遂げる意志がある政権なら、仕上げるよう国民が圧力をかけるべきです。U:矛盾が集中する現在は日本の大転換期だった、となるかもしれません。五百旗頭さんは歴史学者として「時代を生み出すことに苦闘している世代は、その時代について評価するいとまを持たない。視界不良のなかで眼前の障害物を避けること、次の一歩を誤らないことに全神経を集中する」と著書に書かれています。今は、政権が課題を一つずつこなす環境を作るべきである、と。I:その通りです。日本が岐路に立っているのは確かです。バブル崩壊後の「失われた10年」は2000年代も続き、「失われた20年」になりました。経済も政治も社会もダラダラと下がり、そこの東日本大震災が起きました。 でも、とどめを刺されたと思いきや、そうではなかった。被災地の人びとの振る舞いは世界の賞賛を浴びました。新幹線は脱線せず、サプライチェーンもいち早く復活しました。「部分」は実に立派です。その部分をいい方向に結集できれば、日本全体の再生の機会になり得ます。歴史を振り返ると、日本には国難にあたり再生バネを利かせるDNAがあるんです。U:ややもすれば悲観論に陥りがちですが、再生バネを信じるべきだと私も思います。I:先の敗戦から20年で高度成長を実現し、80年代には世界最強のモノづくり国家になりました。明治期には黒舟来航(1853年)から50年の近代化により、ロシアに勝つ国力を持つに至りました。古くは663年に朝鮮半島の白村江の戦いで唐・新羅の連合軍に負けた後、唐の来襲に備えつつ、唐文明に学び、50年後に律令国家の都、平城京を造営しました。今回も日本は再生できると信じています。U:これまでは対外的な危機と政治体制の大転換が、再生を後押ししました。今回も政権交代を越える転換が必要なのでしょうか。I:体制を変えれば内容も良くなると考えがちですが、違います。敗戦でも明治でも、旧体制から新体制への政変が心の整理になったのは確かですが、再生はそれとは関係なく進んでいました。政権交代が期待はずれだったからと既存政党を見限り、橋下徹さんらの動きに飛びつくのはどうかと思います。U:人びとが短期的な視点で政治を見るようになっている。さらに最近は、民主主義を懐疑的にとらえる気分の蔓延すら感じます。I:政友会と民政党が政権交代を繰り返した大正から昭和にかけての時代、足を引っ張り合うだけの両党に国民はあきれ、既存政党以外なら何でもいいと軍部に政治を委ねて国を滅ぼした。その過ちを繰り返してはいけません。民主党や自民党に足りないところはいっぱいあります。だけど、新しい何かに期待しすぎるのは間違いです。 「あなたは防衛大の校長でしょう。自衛隊を率いてクーデターを起こさないのか」と私に本気で言う財界人がいました。これも一種の病気です。今ある民主主義の制度をどうすればより良いものにできるか、まず考えるべきです。不満はあっても民主主義以外にありません。問題はしっかりした視座を持つリーダーをどうつくるかです。U:民主主義を担う人材をどう育てるかは大きな課題ですが、どこに人物を求めればいいでしょうか。I:戦後しばらくは政策立案の訓練を受けた官僚がリーダー役を担いました。その後、地方政治出身者などリーダーの幅も広がりました。私は首長経験者に大きな可能性を感じています。橋下さんもその一人ですが、首長は大統領的な権限がある。ガバナンス(統治)の経験はリーダーに不可欠です。被災地でも福島県相馬市長や宮城県東松島市長は元気ですよね。廃墟から再出発した戦後日本に通じる歴史を、被災地は体験している。現場で鍛えられた人材に期待したいですね。U:民主主義と外交の関係は難しい。特に政権が代わる時はそうです。中国の台頭など国際環境が動くなか、鳩山政権は日米関係を揺るがせました。I:政権交代後、民主党は自民党のやり方の多くを否定しようとしました。外交・安全保障の基盤は、ここに海がある、島があるといった地政学的な環境に規定されます。政権が代わっても日本がおかれる条件は変らない。むやみに変えてはいけない部分があります。 鳩山さんの考えは対米対等、対米自立、そしてアジア共同体です。日米機軸を変更するなら、米国の力を借りずにこの島国を守るだけの備えが必要ですが、それには現在の防衛費では到底足りません。そこまでの覚悟なしに、軽い調子で対米自立を言うのは危うい。 U:占領下で米国との関係を重視し、二度と戦争しないと決意したのが、戦後日本の出発点です。I:防大生は3年生の冬、栗林忠道中将が米軍を相手に熾烈な攻防戦を展開した硫黄島で研修します。彼はこの戦いで戦局を転換できるとは夢想だにしなかったが、抵抗することで米軍の本土上陸を遅らせようとした。日本軍はほぼ全滅したが、米兵はそれ以上多く死傷し、米軍と米政府は大きな衝撃を受けました。それが本土決戦以外の穏当な終戦の方法はないか模索する機運を生み、ポツダム宣言路線が出てきたわけです。 太平洋戦争でのこうした死闘を経て、日米とも互いに甘く見てはいけない、大事にしなくてはいけないという認識を持ちました。それほどのコストを払って築いた同盟関係なんです。日米機軸は戦後、保守本流の教義になり、首相の座を狙うような自民党の有力者はこの教義をたしなみとし、それを土台に戦後の復興と繁栄を図ってきました。U:歴史的に培われた基本原則は、政権が代わっても十分に尊重する必要があります。I:政権交代という革命的機運の中で日本の基本原則に揺らぎが生じましたが、その後、首相が交代し、3人目の野田さんになって保守本流の人たちと同じ日米機軸に戻ったのではないでしょうか。U:その野田政権で在日米軍再編が見直され、沖縄の海兵隊のグアム移転、嘉手納基地以南の米軍基地の返還と、普天間飛行場の移設を切り離して進めることになりました。辺野古移転を進められない日本政府に米国が業を煮やしたという見方もありますI:切り離しの議論は日本にとっても米国にとっても良かったと思います。普天間移設が鳩山さんの時に行き詰まり、切り離さなければ日米が求める海兵隊のグアム移転ができませんでした。普天間の固定化を懸念する向きがありますが、何も動かないよりずっといい。よく踏ん切りをつけたと思います。動かしながら、日本と地域の安全を沖縄の方々と考えたいものです。U:中国とはどう付き合うべきでしょうか。歴史的にみても、日本の対中世論はブレがあり、感情論に流されがちです。I:私は中国は二つあると思います。一つは「改革・開放」から30年間、世界の市場経済のなかで高度成長を続ける中国。国際協調が基本です。もう一つは20年間軍拡を続ける中国。帝国主義列強の支配と戦い、「銃口」から生まれた新中国です。軍事力は中国の存立に不可欠な装置で、今では古めかしく見えるパワーポリティクスを信奉する。どちらか一方だと思うと認識を誤ります。 日本とすれば、中国が「第一列島線」と呼ぶ南西諸島で無軌道な力の行使をさせないよう、自らの防衛能力を整える一方、相互利益の関係も進める必要があります。 米国のプレゼンスを失えば、日本単独の防衛は難しいでしょう。日米同盟プラス日中協商が私の持論です。U:日米機軸が揺らぎ、中国は存在感を増す。震災復興の負担を社会でどう分け合うか議論が定まらず、政治は迷走を続ける。再生バネは容易ではありません。I:復興だけでも大変なのに、財政再建や税と社会保障の一体改革、TPPなど超ド級の問題が山積みです。いずれも時間的な余裕は乏しい。政治が厄介な問題を先送りしてきた結果です。 例えば消費増税を野田政権にやらせ、次に政権を担当するときにやりやすくする。自民党がそうした達観を持たなければ、2大政党は共倒れでしょう。対外面では、20世紀の日本が滅んだのは、両側の中国、米国と戦争したからです。21世紀は両超大国との関係をこなし、一緒にやっていかねばなりません。
2012.02.23
コメント(0)

大学図書館で観たDVD映画のその後です。見た映画のテーマとは何か?何のことはない、個人的に見逃した名画、迷画集ということで・・・・支離滅裂でおます。強いて傾向が出ていると言えば、SF映画が多いくらいでしょうか。・アバター 2月6日観賞・川の底からこんにちわ 2月8日観賞・雲のむこう、約束の場所 2月13日観賞・第9地区 2月17日観賞 ・鉄コン筋クリート 2月18日観賞・純喫茶磯辺 2月20日観賞・オールドボーイ 2月22日観賞大学図書館でDVD観賞(その2) 大学図書館でDVD観賞(その1) 【アバター】ジェームズ・キャメロン監督、H24.2.6観賞<大使寸評>この映画でマッチョな海兵隊が壊滅するのが、大使には小気味いいのだが・・・・アメリカの映画界や観客に非対称戦争や環境破壊に嫌悪感があるようだから、ハリウッドは意外に健全なのかも・・・・と思ったのです。goo映画アバター【川の底からこんにちは】石井裕也監督、H24.2.8観賞<大使寸評>これ以上後のない者が、中小企業の社長として開き直るときのパワーが炸裂しています。それもプロゼクトX風というより、もっと底辺の火事場の馬鹿チカラみたいな感じです。佐和子が自分を「中の下」とランクするけど、「中の下」にしては美人すぎるが・・・・美人なら許す♪goo映画川の底からこんにちは『川の底からこんにちは』石井裕也監督 インタビュー【雲のむこう、約束の場所】新海誠監督、H24.2.13観賞<大使寸評>日本が南北に分断されたもうひとつの戦後。米軍統治下の青森で暮らす中学生の男女が3年後に小型飛行機を組み立てるために再会するという設定そのものが、お話として面白い。ユニオン軍がパラレルワールドを戦略に組み込むところの説明が少ないが、ま~いいか。映像美がいいだろうとの期待で見たが、SF映画としてもそれなりに面白い映画でした。ただ、客先ターゲットが若者なので純愛ものとして描くのは当然なんでしょう。大使としては、これだけの設定があれば・・・・もっとオタク好みのハードSFが見たい気もするのだが。goo映画雲のむこう、約束の場所【第9地区】ニール・ブロンカンプ監督、H24.2.17観賞<大使寸評>今は改善されたと言われる南アの人種隔離政策であるが・・・・ヨハネスブルグをSFの舞台にする辺りに、言外に人種隔離政策への批判があったりして。 <goo映画第9地区>よりキャストは無名、監督は新人にも関わらず口コミで評価を集め、全米興行収入1億ドルを突破、本年度アカデミー賞で作品賞をはじめとする4部門にノミネートされた話題作。SF娯楽作でありながらも、根底には人種差別、国家や企業のモラル、格差社会などを想起させるメッセージ性の強い内容が評価されたのだろう。第9地区byドングリ【鉄コン筋クリート】マイケル・アリアス監督、H24.2.18観賞<大使寸評>宝街の街並みを描きたかったというマイケル・アリアス監督そのものが、興味深いのです。NHK番組のトップランナーで映画監督マイケル・アリアスが出ていたが・・・・監督は友人のもっていた松本大洋の原作漫画をたまたま見て、それにはまって、アニメに取り組んだそうです。スタッフと共にアニメをつくった3年間が楽しくて、いつまでも作っていたかったとも、もらしていました。劇中のキャラクターもさることながら、新旧入り混じった東京の街並みを描きたかったそうです。「ブレードランナー」で見た酸性雨の降りしきる雑踏を彷彿とするけど・・・・監督も「ブレードランナー」の描く、混沌としたアジアテーストの街並みに惹かれたそうです。goo 映画鉄コン筋クリート「鉄コン筋クリート」公式サイトマイケル・アリアス監督インタビューより映画業界というと派手な場所のように思われるかもしれませんが、制作の現場は本当に小さな努力の積み重ねで成り立っています。周りのクリエイターを見ていても、本当にモノづくりが好きでこの仕事をやっている人たちばかりです。だから、憧れだけではダメですね。憧れと現実の間には、必ずギャップがありますから。「本当にこの仕事をしたいんだ!」という熱意と努力が必要だと思います。【純喫茶磯辺】吉田恵輔監督、H24.2.20観賞<大使寸評>こういう不機嫌な女子高生がいるんだよね。美人に惹かれる男は、ま~我が身に照らすと納得します(笑)リアルな本音炸裂の喜劇だと思うが・・・監督のしつこい観察眼がいいのではないでしょうか。goo映画純喫茶磯辺【オールドボーイ】パク・チャヌク監督、2003年作品 H24.2.22観賞<大使寸評>15年間、理由も分からず監禁された男が、理由を知るために復讐相手を追い詰めるが・・・逆に復讐されるお話になっています。原作の過激さに、更に韓流の過激さが加わっている感じで、タランティーノ監督が絶賛するのも分かる気がします。Yahoo映画オールドボーイよりカルト的人気を誇る日本の同名漫画を原作に、『JSA』のパク・チャヌク監督が映画化したアクション・サスペンス。2004年カンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、韓国映画のパワーを見せつけた話題作。15年の理由なき監禁生活を強いられ、突如解放された男の復讐劇を描く。『シュリ』のチェ・ミンシクを主演に、『春の日は過ぎゆく』のユ・ジテ、『バタフライ』のカン・ヘジョンが共演。完成度の高さに注目したハリウッドメジャーによるリメイクも決定している。 goo映画オールドボーイ
2012.02.23
コメント(0)
老朽空母ワリヤーグを中国に売ったロシアであるが・・・ちょっと旧聞になるけど、ロシアも軍拡中国を警戒しているようです。11/23艦載機制動ワイヤ調達失敗 中国の空母開発に壁より空母開発を進める中国が、艦載機の着艦に不可欠な機体制動用ワイヤをロシアから購入しようとして、拒否されたことが22日、分かった。民間軍事研究機関、漢和情報センター(本部カナダ)がロシア当局者らの話として明らかにした。購入失敗で「中国の空母開発計画は大きく妨げられる」としている。 ワイヤは甲板に設置され、艦載機の機体フックを引っかけて急停止させる仕組み。製造には特殊な技術が必要で、中国の空母はワイヤ装備のめどが立たなくなっているもようだ。 同センターによると、中国側とロシアは2007年にはワイヤ4セットの売買交渉をしていた。ロシア側の拒否理由の一つに、中国がロシア製戦闘機「スホイ33」をコピーして艦載機「殲15」を製造していることへの不満があるという。日本の防衛関係者には「ロシアの最近の軍拡には対中警戒感があると考えないと十分には説明できない」との見方が強いそうです。おお 安保のうえでは、中ロは一体ではないのか♪このニュースも私が収集している「中国包囲網ニュース」に取り込んでおこう。経済的な結びつきを加速している中ロであっても、領土に関しては、お互い譲らない関係が続いていると思うのです。歴史を紐解いてみると、ダマンスキー島事件があるが、日本が中国と対峙する場合の参考事例となるのでは?wikipedia中ソ国境紛争より中ソ国境紛争とは、中華人民共和国とソビエト連邦の国境問題により生じた紛争である。1969年3月2日、15日にアムール川の支流ウスリー川の中州であるダマンスキー島(中国語名は珍宝島)の領有権を巡って大規模な軍事衝突が発生した(珍宝島事件、ダマンスキー島事件)。同年8月にも新疆ウイグル自治区で軍事衝突が起こり、中ソの全面戦争や核戦争にエスカレートする重大な危機に発展した。同じ共産党独裁国家でありながら、かつて蜜月を誇った中華人民共和国とソビエト連邦の対立が表面化した事件でもあった。これに関しては双方とも「先に相手が攻撃を仕掛けた」と主張している。戦闘で31人の死者と14人の負傷者を出したソ連軍は、中華人民共和国東北部国境に展開している中国人民解放軍に砲撃を行い、ダマンスキー島に部隊を突入させた。ソ連側はこの攻撃で80人の死傷者を出し、中華人民共和国側に死者800人の損害を与えたとの記録が残っている。またソ連側によると、中国人民解放軍部隊が民間人・農民・家畜に部隊を囲ませながら前進する戦術を取ったという。
2012.02.22
コメント(0)

昨夜の「タイトロープの女」が良かった。まさか由梨が龍司の子でなかったとはね。 プロゼクトX風ドラマが一躍、人情劇風に深化した感じだよ。これまで由梨と恭子が織り成す駒の反転のような確執が・・・・明るい方に力強く深化しています。次回も必見です。【タイトロープの女】金子ありさ脚本、H24.1,2月観賞中<大使寸評> 社長令嬢が、心ならずも中小企業の社長となって負債をしょってしまう。ホステス上がりの義母との確執もあるという設定も面白い。ふだんテレビドラマを見ないのだが・・・・大使好みのドラマといえば、どうしても経済が絡むプロジェクトX風なものになるな~♪<金子ありさ氏インタビュー>よりお嬢様の由梨から、借金をかかえた会社の経営者としての由梨へ。それに連れて変化していく心情の移り変わりや成長の過程を1話1話に書き込んでいったつもりです。また同時に、1つの言葉の奥にそれとは違ったさまざま感情をもっている、言葉とは裏腹の感情を抱いている女性の不可思議さも描ければいいなと思いました。タイトロープの女|NHKドラマ10
2012.02.22
コメント(0)

日経ビジネス2月20日号の2大特集(オオクボと楽天)が興味深いので、ネットからそのさわりを紹介します。楽天の三木谷さんは英語公用化を宣言してから、気になる人である。(楽天ブログを利用している者としても、当然、気になるが)日経ビジネス2012年2月20日号目次より沸騰する街・オオクボと楽天。今号の2つの特集は一見、何の関連性もないように見えて、根底では同じテーマを扱っています。日本人はどこまで外国人を受け入れる覚悟があるのか。現在、最も過激な人材の多国籍化が進行している地域社会と企業を題材にして、この点を読者の皆様と一緒に考えてみたいと思います。 <オオクボの磁力>不夜城、東京・歌舞伎町の北辺、職安通りと大久保通りの間にその街はある。大久保──。かつては街娼とヤクザがたむろする物騒な地域だったが、今では多様な外国人が集まる国際都市に姿を変えた。特に、「韓流の聖地」と化した最近は観光客が大挙して訪れる一大スポットに変貌している。成長が止まった夕暮れ時の日本にあって、強い磁力でヒト、モノ、カネを引き寄せる「オオクボ」。可能性と矛盾をともに抱える内なる「新興国」の実態に迫った。 ●波に乗り損ねる日本 韓流ブームの活況をよそに、大久保商店街の商店主の表情は暗い。目の前の膨大な需要を取り込めない姿は、アジア市場攻略に苦しむ日本企業に重なる。変革は摩擦と衝突から生じるが、日本はそれを起こす気力すら失いつつある。<楽天の焦燥>昨年、流通総額1兆円を突破し、大手流通業に比肩する規模になった楽天。円高を背景に次々と海外拠点を作り、その数は今や10の国・地域に及ぶ。三木谷浩史・会長兼社長は、なぜこれほどまでに海外展開を急ぐのか。危機に直面しても変われない日本の産業界を断ち切って、楽天は日本発の新たな世界企業になることができるだろうか。 ●決別、そして世界へ楽天は2011年12月、国内の年間流通総額が初めて1兆円を突破した。社内公用語の英語化、経団連の脱退など日本企業が抱えるしがらみを断ち、退路も断った。前人未踏の領域を突き進む三木谷浩史・会長兼社長。彼が目指すものとは。 ●世界でヨコテン「ヨコテン」という言葉をご存じだろうか。これは横展開の略で、自社で培った技術やノウハウを買収先などに広げていくことを指し、自動車メーカーなどでも使われている用語だ。 ●アマゾンに挑む「帝国」を凌駕せよ 日本のECでは敵なしの楽天だが、世界ではアマゾンの背中はまだ遠い。逆転への切り札として電子書籍を手に入れ、「連邦戦略」で世界制覇を狙う。楽天は「日本発世界企業」の新たな地平を拓くことができるのか。 ●楽天は「トランスナショナル戦略」を目指すべき流通・サービス業が海外展開するには3つの方法がある。楽天が目指すべき戦略は、自国のビジネスモデルの良さを残しながら、国ごとにある程度ローカライズをさせていく「トランスナショナル戦略」しかないと思う。 ●海外展開は「まだまだ遅い」三木谷会長兼社長「日本のサービス業でも成功できることを証明したい」。この思いが世界へと駆り立てる。英語公用語化にメドが立ったと判断、グローバルマネジメントの本格化へと歩みを進める。日本経団連は護送船団をやめ、日本の良さを広める努力をすべきと説く。 三木谷社長はツイッターで経団連の退会をほのめかしたそうですね・・・・たいしたもんだよ♪2/20「経団連に入っている意味もないしね、正直言って」より 昨年、流通総額1兆円を突破し、大手流通業に比肩する規模になった楽天。円高を背景に次々と海外拠点を作り、その数は今や10の国・地域に及ぶ。危機に直面しても変われない日本の産業界を断ち切って、楽天は日本発の新たな世界企業になろうとしている。世界企業を目指す楽天に今、何が起きているのか。三木谷浩史会長兼社長をはじめ、楽天の各国の経営を担う幹部たちに語ってもらった。 僕が日本経団連を辞めたきっかけね。もともとなぜ経団連に入ったのかを振り返る必要があります。 奥田碩元会長(トヨタ自動車元社長)に誘われたのが直接のきっかけでした。当時は小泉純一郎政権下。経団連は改革の旗手を担う組織でした。ただ、その後、会長が奥田さんから御手洗さん(御手洗冨士夫・キヤノン会長兼社長)に代わり、それからまた米倉さん(米倉弘昌住友化学会長)になるにつれ、どんどん風向きが怪しくなっていった。 辞めようと思った直接的なきっかけは、やはり震災後です。経団連は(電力の)発送電分離の話が出たときには早々に反対し、原子力発電所については早々と賛成であると表明した。「多分経団連ってそういうために作られたんだな」とその時、初めて分かりました。 経団連が言っていることがあたかも経済界の統一見解のように言う。だから僕は「そんなことないよ」と世の中にはっきり言いたかった。違う意見だってあるんだよ、ということですね。<「経団連は日本企業の護送船団方式を擁護する団体」>ツイッターで退会をほのめかしたのは確信犯。全く入っている意味もないしね、正直言って。経団連は日本企業の護送船団方式を擁護し、これが世の中の共通認識だとカムフラージュするために作られた団体なんですね、そもそもが。そこはたぶん経済同友会とは違うんだと思うんですよ。 僕はあまり深く考えていなかったんですけど、今回の一連のことがあっていろいろよく考えてみると、ああ、そういう構造なんだな、これはと。要するに政官財の構造の一角。いや、中核なんですね。経団連を辞める時には仁義を切りました。諸先輩方の元に一人ひとり全部回りました。すると、みんな口を揃えて「その通り」だとか「いいね」と言う。けど辞めたのは結局僕1人。呆れましたよ、結局本当に反対したのは1人だけかと。まぁ、そんなものですよね。よほど強烈な人を会長に持ってきて、方向性を明確にしなければ今の経団連は変われないでしょうね。 ところで、英語公用化のその後が気になるのです。「英語化が成功したら日本に対する最大の貢献だと思う」・・・・・英語嫌いの大使であっても、そうかなと思うのです。
2012.02.21
コメント(0)

「池上彰の新聞勉強術」という本を図書館で借りてきたのです。ハウツー本はあまり読まないのだが、今、旬の池上彰さんだけに気になるわけです。「週刊こどもニュース」の元キャスターという池上さんだけに、新聞の成り立ち、読み方に関してはエクスパートなんでしょう。もしかして、池上さんの原点は新聞だったのかもしれませんね。あまり読まずに返したんですが・・・・本の内容をネットから紹介します。【池上彰の新聞勉強術】池上彰著、ダイヤモンド社、2006年刊<内容紹介>より▽記事の読み方、速読術、メディアミックス活用、文章力、要約力、スクラップ情報整理から自分探しまで、新聞の徹底活用術とは。本書では、新聞記事の読み方から情報収集・整理術、文章力の鍛え方など、新聞を最大限に活用する“勉強術”について紹介。▽NHKの人気ニュース番組「週刊こどもニュース」の元キャスターで、現在はジャーナリストとして長年ニュースの現場に携わっている池上彰氏。年間300冊もの本を読み、朝、昼、夕、夜のテレビニュースは欠かさずチェック、自宅ではCNNを流しっぱなし、英字週刊誌も購読。新聞は一通りの全国紙に目を通し、フィナンシャルタイムズも購読。書店には1日3回足を運ぶという。このように膨大な情報量を扱う著書の、新聞の読み方と徹底活用術を伝授! <目次>より・・・・〇:私が注目したヵ所プロローグ:一本の新聞記事が世の中を動かす!▼小さな記事がソニーの株価を急騰させた!〇新聞は“元祖ケータイ”“元祖モバイル”▼新聞を読むのは毎日二冊の本を読むことと同じ他第1章 「ニュースを見る目」は、新聞で養う▼どの数字を使うかで、事実は正反対になる!?〇新聞を読むことで、「ニュースを読む力」を身につける他第2章 まず、何から読んだらいいのだろうか▼そもそも新聞にはどんな種類があるのか?▼東京にいれば全国のニュースがわかる…わけではない▼海外の最新ニュースは、夕刊で読む▼夕刊には、夕刊しか載らない記事がある!▼新聞でワイドショーのネタ探し〇日経新聞を読むときには、ここに注意 他第3章 速読から読解まで 池上彰流・新聞の読み方作法〇新聞記事は「逆三角形」に書かれている〇左ページの右上から。時間がないときの「新聞速読術」▼一段の行数や改行の記号にも、新聞ごとのこだわりがある▼同じ日の新聞でも、「早版」「遅版」がある▼わずか一段の「ベタ記事」から、大きなニュースが予測できることも〇新聞記事には「事実」と「意見」がある▼「一両日中にも」「把握している模様」など、微妙なニュアンスの真意とは?▼新聞の信頼性は? 署名記事に注目する▼「政府首脳」とは、いったい誰のこと?▼新聞で「新語」「略語」に敏感になる!▼「わかりやすい日本語」の勉強にも▼新聞広告で、これから伸びる会社を探す〇書籍広告・雑誌広告は宝の山。読むだけで流行やニーズがわかる▼書評欄で、読みたい本を探してみよう他第4章 「新聞の読み比べ」で身につく情報力▼新聞はみな同じ、ではない▼白く塗りつぶされた新聞広告〇新聞は世論を誘導しようとすることも▼「ゆとり教育」か「学力重視」か〇見出しでトーンは大きく変わる▼社説の読み比べで考える力をつける▼新聞には「社説」はあっても「社論」はない他第5章 ネットにテレビに! 池上流・メディアミックス新聞術▼テレビのニュースと新聞をリンクさせる▼ネットで早食い、テレビでつまみ食い、新聞で食いだめ!?▼無料ニュース配信も! 海外新聞社のメールサービス他第6章 知れば知るほど面白い、新聞の取材現場▼取材記事はどうやって紙面に載るのか▼論説委員と編集委員は別の仕事〇新聞には「自主取材記事」と「発表記事」がある〇通信社はどんな役割を果たすのか?▼特ダネ競争って何?▼おわび記事、訂正記事は特ダネ競争の副産物?他第7章 新聞の情報整理術&知的活用術▼新聞は記録性にすぐれている〇「アナログ」だからこそ発見できることがある▼文章だけの新聞記事を図解してみる〇思いつくままの新聞スクラップで自分探しができる〇新聞は一定期間「寝かせて」から、まとめてスクラップ〇新聞を読むことで書く力をつける▼「つかみ」の工夫を新聞から学ぶ▼新聞記事と見出しづくりで「要約力」を鍛えるエピローグ:新入社員の新聞勉強術Amazon新聞勉強術<気になったヵ所>・官庁側が記者クラブでおこなう発表は、お役所主催だと思っているかもしれませんが、実は、すべて記者クラブの主催なのです。記者クラブが存在するのは、日本のほかには韓国と台湾だけです。・新聞には「事実」と「意見」の両方が盛り込まれています。特に特集記事は、同じ記事の中に「事実」と「意見」の両方が盛り込まれているので、注意深く読む必要があります。 たまには、鉛筆やマーカーで線を引きながら、どこまでが「事実」で、どこが「意見」「予測」なのか、分類してみると面白いと思います。新聞は“元祖ケータイ”“元祖モバイル”とも言えるが・・・・生まれたときからパソコンとケータイに囲まれて育った新人類は、我々とは違ったサイバーリテラシーを持っているんでしょう。米新聞界では、既にデジタル最優先の新聞社が牛耳っているようですが・・・・日本で、紙の新聞の先行きは、今後どうなるんでしょうね?
2012.02.20
コメント(0)
youtubeにTPPの農業・食料問題に対するメッセージが、カナダから出ていました。TPPについて - 日本の皆さんへのメッセージやはり、ここにもモンサントやカーギルが出ていましたね。ところで、フランスではモンサント社に対して有罪判決を下したようです。さすがに、アメリカ嫌いのフランスの面目躍如というところですね(拍手)モンサント 農薬使用による農業家被害に有罪判決ロイターより「モンサント社有罪」報道です。2/13Monsanto guilty of chemical poisoning in Franceモンサントの手口です・・・・えぐいですね。
2012.02.20
コメント(0)

<日本の漫画への感謝>図書館に予約していた四方田犬彦著『日本の漫画への感謝』をゲットしたのです。予約して、待つこと3日ほどで準備OKの速攻メールが届いたが…発刊後、2年以上置くくらい古い本が狙い目なのかも。それにしても、忘れかけていた漫画家に光を当てているのが、ええでぇ♪【日本の漫画への感謝】四方田犬彦著、潮出版社、2013年刊<「BOOK」データベース>より悲哀を、差別を、闇の恐怖を、復興を、希望を、安らぎを教えてくれた、「日本漫画」に捧げるオマージュ。【目次】偉大なる魔術師ー杉浦茂/少女の満洲ー上田としこ/かぎりなく平穏な日常ーわちさんぺい/いやなこというねー前谷惟光/南海からの帰還ー水木しげる/ぼくは日本少年だー益子かつみ/いつまでも喧嘩、喧嘩ー伊東あきお/衝突する宇宙ー大友朗/蛇になったママー楳図かずお/屈辱、復讐、執念、修行ー平田弘史〔ほか〕<読む前の大使寸評>忘れかけていた漫画家に光をあてているのが、ええでぇ♪<図書館予約:(3/16予約、3/23受取)>rakuten日本の漫画への感謝この本の冒頭に、漫画に対する四方田さんの執着が語られています。p3~4<はじめに貸本屋ありき> この文章の冒頭に記したように、わたしは十円玉を握り締め、せっせと貸本屋に通って漫画を読んだ最後の世代に属している。だがそれは同時に、戦前から続いてきた月刊少年漫画誌が、腹にぶ厚い付録を内蔵しながら最後の光芒を示していた時期でもあり、その間隙を縫うように創刊されたばかりの週刊少年漫画誌が熾烈な闘いを展開していた時期でもあった。 ハイブローな月刊誌が創刊され、そこを舞台に前衛的な実験が繰り広げたり、新書版サイズの単行本が次々と刊行された時期でもあった。 1990年代の中ごろ、日本の出版産業において漫画は未曾有の絶頂に達した。ほどなくして漫画学会が設立され、少なからぬ大学が漫画の創作と歴史を教える講座を設け始めた。そして現在では漫画は、アニメやTVゲームとともに、日本文化を代表するサブカルチャーとして、国際的に巨大な産業と化している。 わたしはこうした漫画の変貌に対し、つねにその開始の時点において立ち会ってきた。それは作品としての漫画そのものの変貌でもあり、漫画をめぐる制作・販売・消費のシステムの変貌でもあった。また漫画が論じられる知的文脈の変貌でもあった。 そして半世紀にわたる目まぐるしい動きの後に、わたしはふっと一息をついて、自宅の書斎の床一面に積み上げられている段ボールの山を眺めている。いったいそこには何冊の漫画の単行本が、雑誌が収蔵されているのだろうか。『ガロ』や『COM』が創刊号から残されていることはいうまでもない。 70年代に地方を旅するたびに、店を閉じようとする貸本屋を目敏く見つけては、ほとんど反古同然にまで読み込まれた漫画を一箱いくらで買い取った。ここにはその時の戦利品もあれば、コミケットで販売された無名の同人誌もある。「漫画が論じられる知的文脈の変貌」ってか、漫画って、そんなに難しいものなのかと思わないでもないが・・・とにかく四方田さんが、子どものときから一貫して関わってきた熱意が感じられるわけです♪四方田さんがとりあげた25人の漫画家のうち、杉浦茂を見てみましょう。p12~14<偉大なる魔術師 杉浦茂> 第1章は誰から始めようか。 おそらくたいていの読者は手塚治虫を期待していることだろうな。戦後の日本漫画の主題も技法も、多くが手塚に端を発しているし、彼が創造した登場人物たちは漫画の枠を超え、現在でもいたるところに氾濫している。だがへそ曲りのわたしはあえて手塚を外し、杉浦茂を取り上げることから自分の漫画体験を語り出してみたい。(中略) 杉浦茂(1908-2000)は東京の下町に生まれ、最初は洋画家を志した。だがそれを諦めると、田河水泡の門下生として教育漫画を中心に活躍した。戦後は西部劇や忍術ものに新境地を拡げ、その人気は1950年代に絶頂に達した。 手塚治虫が偉大なる啓蒙家であり、白土三平が扇動的な思索家であるとすれば、杉浦は偉大なる魔術師であった。作品の画風や主題、また筋運びや科白、あらゆるものを取ってしても、杉浦漫画は特異であり、追随できる者がいなかった。 杉浦は週間漫画誌や劇画の流行にほとんど関心を向けず、生涯を通して同時代からは超然とした位置を保った。そして年少の漫画家たちから敬愛すべきお爺ちゃんとして仰ぎ見られていた。20世紀の芸術家で彼に似ている人がいたとしたら、誰だろうか。音楽の世界ではエリック・サティやジョン・ケージが思い浮かぶが、画家や漫画家では相応する人物が思い浮かばない。 わたしが子供のころ、杉浦漫画を好きだった他の子供たちのことを思い出してみる。彼らはけっして、少年雑誌の最新号を教室に持ち込んで騒ぎ立てるような漫画マニアではなく、どちらかといえば地味で大人しい少年や少女だった。『ドロンちび丸』や『猿飛佐助』といった杉浦漫画は、誰にも見せずにこっそり眺め入って愉しむものであり、物語の続きを唾を飛ばしながら論じあうといった興奮からはほど遠い、静かな読まれ方をされていた。 第一それは他の漫画のように、素早く頁をめくって結末に駆け込むといった風には読めなかった。1コマずつ丁寧に科白を読み解き、人物の細かな表情を見定めた上でようやく先に進むという風であって、読者の子供は、いつしかちび丸なり怪傑ガンモドキーといった主人公の顔をノートの空白に写してみたり、そこから別の遊びを思いついたりして、ともかく1冊の書物を読み終えるのにひどく時間がかかるのだった。
2012.02.19
コメント(0)

「中国船、日本のEEZで海保船に調査中止を要求」とのニュースに・・・・やはりそうかとも思うが、中国はどこまでエスカレートさせるか読めないので、怖い気もするのです。2/20中国船、日本のEEZで海保船に調査中止を要求より 海上保安庁は19日、同日午後7時半頃、沖縄県久米島の北北西約170キロ沖合の日本の排他的経済水域(EEZ)で、海洋調査をしていた海保の測量船「昭洋」が、中国国家海洋局所属の「海監66」から無線で調査の中止を要求されたと発表した。 同庁によると、中国船は昭洋の約550メートルまで接近した上で、「中国の法令が適用される海域だ」と調査の中止を要求。 これに対し、昭洋は「日本のEEZ内であり、正当な調査だ」と回答し、中断の必要はないとして海洋調査を続けている。中国船は5時間たった20日午前0時半現在も、昭洋から約15キロ離れた海域にとどまっているという。 外務省は19日、中国政府に「中止要求は受け入れられない」と申し入れた。 現場は、日中の海岸から等距離の中間線から約110キロ日本寄りの海域。海保では年に数回、海図作成などに使う海底データ収集のため、同様の調査を行っているという。 東シナ海のEEZを巡っては、日本は日中中間線をEEZの境界としているが、中国はこれに反対している。「海監66」の行動は、中国が領土を増やすときの手順(プレゼンスを増やす)に乗っているが・・・・中華の手順に対して、政府は落としどころをどう求めるのでしょうね。中国の手順について「中国の海洋戦略にどう対処すべきか」を引用します。「中国の海洋戦略にどう対処すべきか」大田文雄・吉田真著、芙蓉書房出版、2011年刊 <海洋進出のパターン>p33~34 海洋において中国が侵攻していく過程を辿ってみると、そこには一定のパターンがあります。(中略) 第二のパターンは、最初に領有権の主張を行い、次いで海洋調査を開始し、次に海軍艦艇や航空機によるプレゼンスを図り、最後に実効支配するというパターンです。領有権主張の例としては1992年の領海法や2005年の反国家分裂法が挙げられます。東シナ海では1992年の領海法で既に尖閣列島を含む海域は中国の領海であると領有権の主張をし、その後周辺海域での海洋調査が活発化しています。2008年12月には中国海督総隊の船舶2隻が魚釣島領海内を約9時間半にわたり周回し、日本の抗議に対し劉建超報道官は「船舶をいつ派遣して魚釣島のパトロールを行うかは、中国の内政次項。正常なパトロールであり、非難の余地なし」との声明を出しました。(中略) 南シナ海では建国当初から南沙、西沙諸島の領有権を主張、1984年から海洋調査が始まり、1987年にはユネスコとの間で海洋観測所の設置で合意して、これが1988年のヴェトナムとの軍事衝突の契機になりました。最近では海軍のプレゼンスも顕著であり、かってフィリピンが領有していたミスチーフなどは事実上、中国が占拠していますので、一部の島は、第4段階まで至っている解すべきでしょう。
2012.02.19
コメント(0)

DVDケースの説明が、いかにもB級映画風だけど・・・・何かが匂うのでチョイスしたわけだけど、これが大当たりでした。【第9地区】ニール・ブロンカンプ監督、H24.2.17観賞<大使寸評>今は改善されたと言われる南アの人種隔離政策であるが・・・・ヨハネスブルグをSFの舞台にする辺りに、言外に人種隔離政策への批判があったりして。 <goo映画第9地区>よりキャストは無名、監督は新人にも関わらず口コミで評価を集め、全米興行収入1億ドルを突破、本年度アカデミー賞で作品賞をはじめとする4部門にノミネートされた話題作。SF娯楽作でありながらも、根底には人種差別、国家や企業のモラル、格差社会などを想起させるメッセージ性の強い内容が評価されたのだろう。宇宙船が故障かなんかで難破してヨハネスブルグの上空に止まってしまいました。心ならずもヨハネスブルグに避難した「エビ」と呼ばれる宇宙人たちが、なんとも小汚い連中ですが・・・・その宇宙人が住む第9地区のとなりにテント村を作り、そこに宇宙人を隔離する計画が持ち上がります。妻のオヤジが実は悪いヤツで・・・そのオヤジが根がオッチョコチョイのヴィカスを宇宙人隔離計画の責任者に異例の抜擢するところからお話が始まります。ヴィカスが宇宙人の家に立ち寄り、移転確約書を取り付けて回るが・・・このあたりのドタバタがB級映画なんでしょうね。とにかく、アップテンポでドキュメンタリータッチのドタバタが続くのです。ヴィカスがウィルスに感染して、エビ症状が出たあたりから、インテリ風のエビ父子と情が通じるわけです。そしてエビ父子は宇宙船で故郷に帰る為、ヴィカスはエビ症状を宇宙人に治療してもらう為という共闘関係が成立するのがSFなんでしょうね(泣かせるぜ)ナイジェリア人のオカルト的な武器商人グループと、MNUの二つから追い立てられるという四面楚歌のような状況で、ヴィカスとエビ父子が火事場の馬鹿ちからを発揮する・・・・こんな「頑張れベアーズ」風な映画はA級、B級にかかわらず大使のツボにヒットするわけです♪ラストシーンで、妻の家の前にヴィカスが置いたと思われるつたない造花が出てきます。・・・・これがエビ父子との約束で、3年後に宇宙船が現れるという希望を表しているのです。goo映画の解説をよく読めば、ヴィカスはマルチ・ナショナル・ユナイテッド社(MNU)の社員であり、妻の父は社のお偉方であったようです。<goo映画より>エイリアンの管理事業は民間企業マルチ・ナショナル・ユナイテッド社(MNU)に委託されることになった。軍事企業でもあるMNUの傭兵部隊によって力による平和が訪れるかと思われたが、MNUが彼らの世界に介入することはなく、第9地区はスラムと化していく。市民とエイリアンの対立が激化したことを受けて、MNUは第9地区から郊外にある第10地区へ彼らの強制移住を決定。第10地区は第9地区よりもさらに劣悪な環境だったが、MNUは彼らの福利厚生に興味はなかった。
2012.02.18
コメント(2)
中国が有人宇宙船「神舟9号」を6月から8月にかけて打ち上げるそうです。でも、中国の有人宇宙飛行プロジェクトが世界から祝福されないのは(少なくとも大使は祝福しない)、軍事色が見え見えのせいなのでしょうね。2/17有人ドッキング実施へ 中国、6~8月に神舟9号より新華社電によると、中国の有人宇宙飛行プロジェクト報道官は17日、宇宙飛行士3人を乗せた有人宇宙船「神舟9号」を6月から8月にかけて打ち上げ、昨年打ち上げた無人宇宙実験室「天宮1号」と有人ドッキング実験を行うことを明らかにした。 実験では飛行士3人がドッキング後に天宮1号に乗り込み、科学実験などを行う。有人のドッキングが成功すれば、中国が2020年前後に予定している独自の宇宙ステーション建設に向け、大きく前進することになりそうだ。 中国は昨年11月、無人宇宙船「神舟8号」と天宮1号のドッキング実験に成功。初の有人ドッキングに向け、実験の成果を詳細に分析していた。 一部中国紙は、神舟9号は無人で、有人のドッキング実験は来年に延期と伝えていた。今のところ、中国の有人宇宙飛行プロジェクトは順調に推移しているようですね。プロジェクト当局者は「われわれには軍事任務に直接使うプロジェクトはない」と言ったそうだが・・・・ハイそうですかとは思えないわけですね。11/18来年もドッキング実験 中国、宇宙船2基打ち上げより 中国の有人宇宙飛行プロジェクト当局者は18日、無人宇宙船「神舟8号」が宇宙でのドッキング実験に成功して帰還したのを受け記者会見し、神舟9、10号を予定通り来年打ち上げ、同様の実験を行う方針を明らかにした。年内に8号の実験結果に対する評価をまとめ、9、10号を有人とするかどうか決めるとしている。 同当局者は今回のドッキング実験について「今後の宇宙ステーション建設に向け良好な基礎を固めた」と意義を強調。軍と一体化した宇宙開発との批判に対しては、宇宙技術が軍事にも応用できることを認める一方で「われわれには軍事任務に直接使うプロジェクトはない」と述べた。(共同) 2007年には衛星破壊実験を行ったりした為、破壊後の塵が地球の周囲で宇宙ステーションや人工衛星の脅威となって迷惑このうえないそうです。はたして、中国の宇宙開発の真意はどのあたりにあるのか?共産党指導部交代を前に露骨な軍拡を進める中国の不透明さは疑心暗鬼を生むわけで・・・・宇宙軍拡という視点で、wikipediaなどで調べてみまます。中国の宇宙開発より 中国の宇宙開発では中華人民共和国の宇宙開発計画全般について述べる。現在の中国の宇宙計画は中国国家航天局によって進められている。中国における宇宙技術の始まりは、1950年代後半の弾道ミサイルや原子爆弾の開発にまで遡ることができる。 中国が本格的に有人宇宙飛行に乗り出すのはその数十年後であったが、2003年、ついに楊利偉を載せた神舟5号の打ち上げに成功する。この成功により中国は世界で3番目に、単独で有人宇宙飛行を成し遂げた国となった。 2006年度の中国科技統計年鑑によると、宇宙開発予算は119.4億元、宇宙開発に係わる研究者は3.6万人である。<宇宙実験室 > 921計画の第二段階は中国初の宇宙遊泳計画、神舟7号によって始まる。そして初の中国宇宙実験室の有人計画が実行に移される。中国は当初、神舟宇宙船をロシアからのドッキング技術を元に設計していたので、国際宇宙ステーションとの互換性がある。無人宇宙実験モジュール神舟8号、有人の神舟9号、神舟10号は小型宇宙ステーション天宮1号とのドッキングを果たす予定である。この計画で中国は次の恒久的宇宙ステーションへの主要技術を獲得する。神舟11号で921計画の第二段階は終了する。<目標> 中国の宇宙計画にはいくつかの目標があり、中国の宇宙開発白書を要約すると・長期的地球観測システムの確立 ・独自の衛星通信ネットワークの配置 ・独自の衛星測位システムの配置 ・商業衛星打ち上げ事業の提供 ・リモートセンシング技術の確立 ・微小重力環境、宇宙物質、生命科学、天文学といった宇宙科学の研究 ・月探査計画 長期的な計画として・宇宙科学分野における中国の地位向上 ・有人宇宙ステーションの設置 ・月への有人宇宙計画 ・有人月面基地の設置 <現在進行中・計画中の一覧 >●人工衛星計画 ・双星計画:ESAと共同の地球磁場観測計画 ・東方紅衛星:1970年に始まった中国の衛星シリーズ。 ・天鏈2号:東方紅4号の衛星バスに基づく次世代データ中継衛星。 ・北斗測位システム:60から70機の衛星による衛星測位システム ・天体物理学研究:2008年に世界最大の太陽望遠鏡を打ち上げ。・夸父計画:宇宙天気予報用の人工衛星計画。2012年までに完遂予定。 ・環境減災衛星:環境監視用衛星コンステレーション計画。 ・遥感衛星:リモートセンシング衛星 ・資源:資源探査衛星シリーズ ・実践:技術実証衛星シリーズ ・烽火:通信衛星シリーズ ・海洋:海洋観測衛星シリーズ ●宇宙探査 ・921-1計画 - 神舟有人飛行計画 ・921-2計画 -宇宙ステーション計画・貨運飛船 (Shenzhou Cargo)-神舟を改造した無人宇宙補給機 <嫦娥計画 - 中国の月開発計画> ・嫦娥第1段階(嫦娥-1 工程)- 長征3号Aによる2機の月探査機 ・嫦娥第2段階 (嫦娥-2 工程)- 2012年に打ち上げ予定の長征5号Eによって無人月面 車による初の月面軟着陸。 ・嫦娥第3段階 (嫦娥-3 工程) - 2017年に打ち上げ予定の長征5号Eによる月のサンプ ルリターン。 ・嫦娥第4段階 (嫦娥-4 工程) -2024年に打ち上げ予定の長征7号による有人計画、月 面基地。 ・中国火星探査計画 -蛍火1号が2011年にロシアのフォボス・グルントと共に打ち上げ予定。 宇宙開発競争より<日本> 特筆して1990年代初頭までは、商用衛星・ロケットなど実用衛星への参入に積極的であった。しかし、衛星の国際調達を求める日米通商協議での日米合意(事実上、米国からの衛星輸入を義務付けるもの)によって頓挫させられた過去がある。宇宙開発は巨額のコストが掛かる為、宇宙産業が成熟段階を迎えるまでは、国による需要が見込まれなければ、国内の宇宙産業の発展は滞ってしまう(それが真の米国の狙いであったとも言われる)。 それでも日本の宇宙開発は着々と進んでいる。とくにPLANET計画による地球外天体の探査などに顕著であり、月探査衛星かぐやが活躍したほか、イオンエンジンの長期可動実証機と小惑星探査を目標に開発されたはやぶさで小惑星からのサンプルリターンに成功している。地球外天体の探査でははやぶさ2、ベピ・コロンボなどの打ち上げが予定されている。また、国際宇宙ステーションへの補給機であるこうのとりをH-IIBで打ち上げており、アメリカのスペースシャトルの引退後は最大の補給機になる予定である。有人宇宙飛行には積極的ではないもののHOPE-Xという日本版スペースシャトル計画が存在し、現在もスペースプレーンという名称で研究が進行中である。 以前は宇宙開発の中で行われなかった情報収集衛星も打ち上げ、4基体制になっており、宇宙基本法で安全保障用の利用も行えるように法律を変更した。近年は米国だけでなく欧州の宇宙機関との協力もみられる。<中国、インドなどの台頭> その他、新興国のインド、イスラエル、中国などが宇宙探査競争に参加できる能力を有している。中でも、新興国の中では、インドと中国がESAやNASAと組まず米日欧を追い上げているといわれる。 特に中国の場合、中国国家航天局による有人宇宙船計画、「神舟計画」を進め、神舟5号と神舟6号の有人飛行を成功させた(有人船成功国としては3番目、人工衛星では5番目)。さらに2007年には衛星破壊実験を行い宇宙軍拡競争も誘発しようとしているほか、独自の宇宙ステーション計画、無人月探査計画「嫦娥計画」、有人での月および火星探査計画をも計画している。 またインドはインド宇宙研究機関による宇宙開発を進め、2007年には、国産ロケットでイタリアの天文観測衛星を打ち上げたのを始め、2008年4月には、国産地球観測衛星2機や日本の小型衛星2機を含めた、世界5カ国の計10基を搭載した国産ロケット「PSLV-C9」をサティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げ(一度に打ち上げた衛星の数としては世界最多)、商用衛星ビジネスへの参入に積極的である。さらに、2008年には更に無人月探査機「チャンドラヤーン1号」の打ち上げや、独力での有人宇宙飛行などを計画し、猛烈に中国を追い上げている。JAXA法が防衛利用が可能に改正されるそうだが・・・・08年の「宇宙基本法」では、「非軍事目的に限る」から「非侵略目的に限る」と解釈を変更していたそうです。・・・・対中、対北朝鮮の戦略として当然でしょうね。2/16日本がJAXA法改正 宇宙研究の防衛利用が可能により日本政府は14日、「宇宙航空研究開発機構」(JAXA)の設置法(JAXA法)から「平和目的に限る」との規定を削除し、防衛利用を可能とすることを閣議決定した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。 日本政府は宇宙研究を防衛分野の衛星攻撃兵器(ASAT)開発、偵察衛星や早期警戒衛星の研究開発、ミサイル防衛(MD)の精度向上にまで応用したい考え。JAXAはまた、国産主力ロケット「H2A」の改良を発表、運搬力を倍以上に高め、大型衛星の打ち上げも可能にし、ビジネス分野の競争力を高める方針だ。改良後のH2Aロケットは2013年に初打ち上げの予定。 準天頂衛星システムも日本が今後重点を置く分野だ。このシステム開発を通じて日本はA-GPS(アシステッドGPS)を強化するねらい。日本は7基の準天頂衛星を打ち上げ、正確なポジショニング・システムを確立する計画だ。 日本の宇宙開発利用を強化するため、首相らに意見や勧告をする権限を持つ「宇宙政策委員会」を内閣府に設置する。各省庁の施策を調整する「宇宙戦略室(仮称)」も設置する方針で検討している。14日に決定した関連法の改正案は今国会に提出され、国会で成立後正式に施行となる。 宇宙開発をめぐって日本は1969年に初の宇宙開発に関する決議、「わが国における宇宙の開発および利用の基本に関する決議」が成立、宇宙開発を「非軍事目的に限る」と規定した。08年に再び「宇宙基本法」が成立し、「非軍事目的に限る」から「非侵略目的に限る」と解釈を変更した。お 雪だ♪ 今シーズン2度目で、初の積雪です。
2012.02.18
コメント(2)

<電力システム改革に関する経産省の本気度?>これから経産省の「電力システム改革に関するタスクフォース論点整理」を読んで、その権益、利権の仕組みについて勉強しようと思うのだ(大使、性格ゆがんできたのでは)電力システム改革に関するタスクフォース論点整より◇ 我が国の電力供給システムは、「部分自由化」と呼ばれる日本型の漸進的な自由化市場を構築してきた。すなわち、料金規制、供給義務が課された地域独占の「一般電気事業者」を電力供給システムの主体としつつ、大口需要については新規参入の電気事業者(PPS)の電力供給を認める等、部分的な自由化を導入し、順次自由化市場の範囲を拡大してきた。これにより、安定供給を確保しつつ、PPSの参入や、競争による効率化も図られるなど、一定の成果をあげてきたとの評価も一部にはある。他方、一般電気事業者の地域独占を中心とする基本的な供給構造に変化はなく、自由化や競争は極めて不十分との指摘もある。他方で、諸外国の多くにおいては、国営事業・独占事業の事業体制を変革し、競争原理や価格メカニズムを活用した効率化が進められている。◇ 翻って、我が国が現在直面している喫緊の課題は、震災を契機とした大規模電源の停止による供給力の不足に対応し、どのように効率的に安定供給を確保していくかである。とりわけ、計画停電や電力使用制限の発動という強制的・画一的な需要抑制手段によって多くの国民や企業に多大な負担と苦難を強いざるを得なかったことは反省すべき大きな課題であり、この震災の教訓を十二分に踏まえた制度設計が必要である。◇ さらに、今般の東京電力福島第一原子力発電所における過酷事故の発生とその影響による全国的な原子力の稼働停止は、大規模電源の遠隔地集中立地によるリスクを顕在化させ、次世代型の分散型エネルギーシステムへの関心の高まりをもたらしており、こうしたニーズに適確に対応した制度設計とすることも重要な課題である。経産省は東西の周波数変換所の増設を促すそうだが・・・・「発送電分離」に舵を切ったのか?今後も注目することにしよう。2/12電力融通拡大へ国が助成 東西の周波数変換所増設促すより送電線網 東日本と西日本の間でやり取りできる電気の量を増やすため、経済産業省は、東西で違う電気の周波数を変換する設備の建設を支援する方向で検討に入った。これまで設備の建設は電力会社任せだったが、建設費を国が補助するといった支援策を考え、増設を促す。 日本では、周波数が東日本で50ヘルツ、西日本で60ヘルツと違うため、周波数を変換しないと東西での電気のやり取りができない。周波数を変える設備の「変換所」は現在、東西の境にある東京電力と中部電力の2社の管内に計3カ所ある。 だが、変換できるのは計100万キロワットで、全国の発電能力の1%に満たない。昨夏は三つの変換所をフル稼働させて西日本から東日本へ電気を送り込んだが、東日本の電力不足を解消するには力不足だった。 このため、経産省は16日に大学教授ら専門家による研究会を新設し、変換所の増設や設備の増強を促す方策を話し合う。設備の建設費を国が補助したり、政府系金融機関を通して融資したりすることを検討する方針だ。具体策を5月ごろまでに基本計画としてまとめる。 さらに経産省は、風力など再生可能エネルギーの普及にもつながる、と期待する。再生可能エネルギーは発電量が不安定なことが弱点だ。全国規模で大量の電気をやり取りできるようになれば、発電量が変動しても対応しやすくなる。 日常的に東西の電気のやり取りが増えれば、電力会社の「地域独占」にも風穴が開く。電力供給を受けている企業にとっては、今までよりも、料金が安い会社を選んで電気を買いやすくなり、電力会社間の競争が激しくなる。 このため、変換所をもつ東電など大手電力会社はこれまで、変換所の増設などには後ろ向きだった。政府は今後、電力会社を発電部門と送電部門に分ける「発送電分離」などの電力改革にも取り組む。送電部門は今までより幅広い地域に電気を流す役目を担うので、変換所に投資する意欲も生まれるとみられる。(中川透)
2012.02.17
コメント(0)

アメリカの新聞では、とっくにデジタル読者数が紙の読者を上回っているそうだが、やはり新聞は紙で読みたいと思うアナログな大使である。ところで、経営破綻した新聞ばかり75紙も手中に収めたデジタル・ファースト・メディア社の最高経営責任者ジョン・ペイトン氏へのインタビューが興味深いのです。ジョン・ペイトン氏へのインタビュー <デジタル最優先の新聞社>(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、2/16朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)ジョン・ペイトン氏Q:米国では伝統ある新聞が次々と休刊しています。A:米新聞界は2005年を境に、急坂を転げ落ちています。わずか7年の間に広告収入が半分に減りました。正真正銘の5割減です。もっと緩やかな衰退だったなら、手の施しようもあったでっしょう。でもこれほど激しく急落すると凡百の経営者にはなすすべがない。思いつくのは「コスト削減」と「人減らし」だけ。それが米新聞界の現状です。Q:あなたの会社の新聞の発行部数は、わずか2年で全米第2位になりました。いったい何をどうやった成果ですか。A:私が掲げる「デジタルが第一、紙の新聞は最後」という方針が、経営の行き詰まった新聞社の社主や投資家たちに支持された結果です。まず、18紙を抱えたまま倒産したジャーナル・レジスター社の債権者から請われ、2年前、CEOにつきました。ついで昨秋、デンバー・ポストなど57紙を抱えて行き詰まったメディア・ニュース社の経営を任された。グループ全体で従業員1万1千人、刊行先は18州に広がりました。Q:部数は伸びているのですか。A:そういうわけじゃない。経営を託された二つの新聞チェーン現有部数を足したら300万部になっただけです。ただ、紙の部数を比べて喜んでも意味は無い。私の会社は毎月、雑誌や週刊誌を含めると紙の刊行物を1600万部出していますが、紙を購読しないデジタル読者は4100万人に達しています。勝負は紙よりデジタルです。現状ではグーグルやヤフーに及ばず、全米で16位のサイトですが、これを5位まで押し上げたい。Q:紙の新聞を捨てて、デジタル専門のニュース社に脱皮したいと?A:違います。私は新聞社という陣容のままでデジタルビジネス界に打って出たのです。収益基盤である新聞を捨てるわけがない。私は毎朝、自分の新聞と競合紙を読み比べることに深い喜びを感じます。いま54歳の私が生きている間に新聞が地上から消えてなくなることはない。しかし、産業論で言えば、紙の新聞にもう未来はない。週7回発行の週3回か4回に細り、最後は週1回か休刊するか。それが運命でしょう。だから私は何度でも言うのです。「紙の新聞で育った連中の声にはもう耳を貸すな」と。Q:あなた自身、紙の新聞で育った一人です。。A:私はカナダの新聞の事件記者でした。1978年にトロント・サン紙に入り、社会部で犯罪報道に明け暮れました。でも正直に言うと、できる記者ではありませんでした。デスクになって「俺は記者よりデスクのほうが向いているな」とほくそえんでいたら、尊敬する上司から「君はデスクに向いていない」と言われました。「じゃあ私は何に向いているのか」と尋ねたら、「経営をやれ」それで腹を決めました。Q:記者より経営者の方が向いていたわけですね。A:もう断然。新興紙オタワ・サンの編集局長をやり、後に社長をやりました。大きく育てたサン紙を売却したら、驚くほどの金が私の口座に入った。まだ43歳でした。農園を買ったフランスでブラブラしていたが、やはり新聞の仕事をやりたい。ニューヨーク圏の外国語新聞を買収して米新聞界に参入しました。Q:「デジタルが先、紙は後回し」と強調しています。紙育ちの社員に対するショック療法ですかA:そうじゃありません。真意です。紙の新聞で長年うまくやってきた経営者たちは、だれも消極的な思考に陥ります。「我が社はあと何年持つだろうか」とか、「自分が経営陣の一角にある間だけ持続できれば御の字だ」とか。いま世界中どこの新聞社を訪ねても、紙の新聞を作る部門とデジタル新聞を作る部門が別々に置かれています。そしてどの社も経営幹部は紙育ちです。朝日新聞社もきっとそうでしょう。せっかくデジタルで打って出ると決意した社員がいても、その声は経営中枢に届かない。新聞社で意識改革が進まない最大の原因です。Q:では、あなたは社員の意識をどうやって変えたのですか。A:一つは、優れた社員にデジタル特命を与えること。傘下の全新聞社から18人を選抜し、iPadやアンドロイド携帯などの装備と月500ドル(約4万円)の手当てを支給した。「これで何か広告が付くような地元向けの新しいサイトやブログ、携帯向けアプリをつくり出せ」と。期間も1ヶ月に限定しました。Q:どんな成果が?A:ある記者は、起きた事件をライブで伝える犯罪ブログを立上げました。強盗事件が発生し、容疑者は逃げ、警察は住民に自宅待機を指示した。現場に出た記者とカメラマンはツイッターとブログを使って、断片情報を約90分ごとに更新していった。刻々と事態が変っていく経過を住民が面白がり、ページビューを稼げましあt。 販売社員は、豪雪地帯に住む購読者向けに、天気予報が降雪を告げた日だけメールを使って電子版を届け、晴れた日は紙の新聞に戻すという購読プランを効果的に宣伝した。雪による不配や遅配の苦情は消え、輸送費も減りました。広告社員は、趣味の馬術についての専門ブログを自社サイト内に立ち上げ、馬に関連した広告を呼び込みました。Q:それだけでデジタル会社に生まれ変われるとは思えません。A:ほかにもたくさん試みています。いくつかの傘下紙では編集会議を読者に公開しました。読者を会社に招き、翌日の新聞に何を載せるのかを伝え、読者の要望に耳を傾ける。その模様をネットで生中継するのです。住民からは「今まで近寄りがたい存在だった新聞社が身近になった」と歓迎されています。Q:あなたの「デジタル最優先」という理念は、日々の報道にどう反映されているのですか。A:劇的に変りましたよ。例えば昨夏、米東海岸をハリケーンが襲いました。記者たちはまず、襲来がいつごろかという情報を読者に短いメッセージを伝えました。そして災害専用に立ち上げたサイトやツイッターに断片情報をアップしていく。停電や浸水などの情報は住民に寄せてもらう。そういったデジタル用の作業を済ませた後の夕方になって、記者はようやく翌日の朝刊向けの新聞原稿を書くわけです。文字通り、紙の仕事が最後に来るのです。Q:四六時中、デジタル発信させると、記者が消耗しませんか。A:忙しすぎるという声は出ました。しかし、いつの時代も革新的な道具が記者の働き方を進化させてきた。タイプライターしかり、ワープロしかり、パソコンしかり。道具に不平を言う記者はどの時代にもいます。いま私たちはネットやツイッター、フェイスブックによる産業革命のただ中にいる。ジャーナリズム存続のためには避けて通れません。Q:他方、あなたは大量に記者を解雇することで知られています。A:それは違う。たしかに社員総数は減らしましたが、取材記者は逆に増やしました。この2年間で社員の17%に辞めてもらった。印刷と配送、経理などの部門が主な対象でした。編集と営業に力を集中したいからです。今どき「記者を増やした」と言うと、どの国の新聞人にも驚かれますが、記者こそ増やさなくてはいけない。私の社は、どの街でも競合紙よりも記者の数が多いことで知られています。記者が増えれば、ニュースも増える。ニュースこそ新聞社の商品です。記者の人数で他紙に劣るようではダメ。取材もしないでずっと社内に座っている記者は何も生産していない。「外へ出ろ、街を歩け」と尻をたたいています。Q:デジタル強化で収益が本当に改善するのか半信半疑です。A:この2年間でジャーナル・レジスター社は、デジタル読者が2倍に増え、デジタル広告収入は5倍になりました。紙に載せる広告に比べるとネット向けの広告は単価が低いので、米紙幹部たちは「」と嘆き合ってきました。しかし、紙の稼ぎがガタ落ちした結果、デジタルの細かな稼ぎを積み上げると結構な額に届くようになったのです。Q:あなたの新聞社では、ウォールストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズのようにデジタル読者に課金はしないのですか。A:報道サイトの有料化には懐疑的です。お金を払わないとニュース全文が読めないサイトはまちがいなく読者を遠ざける。読者が遠のくサイトに広告を出してくれる企業はありません。サイトは無料にして何の壁も設けず、編集会議ですらネットに公開して、徹底的に読者を自陣に呼び込むことが大切です。しかも無料のニュースサイトだけではまったく不十分。記者全員がもれなくニュースブログを書き、ツイッターで発信し、フェイスブックを更新する。紙の新聞には鋭い解説と読みごたえのあるコラムを載せる。それ以外に、新聞社が生き残れる道はありません。<取材を終えて>ジョン・ペイトン氏に対する米国内の評価は真っ二つに割れている。メディア研究者やIT企業家らは、「衰退著しい米紙を救う改革者がようやく現れた」と熱い期待を寄せる。対して、既存メディアの幹部らは「ありきたりのネット戦略。とても新聞社の経営再建ができるとは思えない」と冷ややかだ。なかには「倒産した新聞社を安く買ってリストラを済ませては高値で転売するハゲタカ投資家の先兵でないのか」と警戒する声もある。広告より販売収入の割合が高い日本の新聞社とは収益構造が違うため、単純に比較はできない。前例のないデジタル急転換策が果たして軌道に乗るのか、無残な結果に終わるのか。各国の新聞界が注視している。(ニューヨーク・山中季広)朝日新聞のネット記事の一部が有料のデジタル朝日でしか見えなくなり、その被害を被っている大使であるが・・・・ジョン・ペイトン氏の新聞はデジタル読者に課金はしないそうです。(太っ腹やで♪)
2012.02.17
コメント(0)

もっぱらDVDや半年遅れの旧作を観ることが多い大使としては、久々に映画館で新作映画を観たのです。【はやぶさ 遥かなる帰還】瀧本智行監督、2012年制作<大使寸評>漆黒の宇宙空間を、ただ無制御で回りながら慣性飛行を続ける「はやぶさ」・・・信号のやり取りに片道約16分もかかる距離を隔てて、数bit単位でとつとつと修復信号を送り・・・・それに応えた「はやぶさ」が機械であってもいじらしいわけです。goo映画はやぶさ 遥かなる帰還はやぶさ公式サイトはやぶさの軌跡一時は迷子になり、予定よりも遅れて7年もかけて満身創痍でヨレヨレになってもミッションを完遂するところに、心をもたない機械であってもけなげだな~♪と賞賛するわけです。「はやぶさ」の成功は、貧弱な予算でもNASAも驚くサンプルリターンをもたらしたことにあったが・・・・半世紀前の日本人なら当たり前だったかも知れないコストを度外視した職人技がもたらしたとも言えるのでしょうね。団塊世代ならいざしらず、今ではすんなり通用しないはずのプロゼクトX風の映画が、「はやぶさ」では例外的に通用するんだろう。例えば、山崎努が演じる町工場の社長のような職人肌のやりかたであるが・・・・今ではその職人芸をデジタル化して技術伝承しようとしたりする。それは、そのデジタルデータが、中国に流れたら即ち技術流出である。さもなくば、中国がそんな町工場を丸ごと買収すかもしれない。町工場の多品種一品生産というシステムそのものが、絶滅に瀕している昨今であるが・・・・そういうシステムは無くして悔やむたぐいのものかもしれないのだ。(だんだん団塊の繰言になってくるやんか)一方で、目利きの商売人が支援すれば、燕の技術が高級食器として、南部鉄瓶が民芸品としてフットライトを浴びるような希望も見えるのだが・・・・・斯様に、拘りの物づくりとは、老若男女を問わず、わりと日本人のツボにヒットするわけですね。「はやぶさ」の成功体験を再現するだけでもドラマティックであるだけに・・・大使としてはけれん味がない映画を観たいと思っていたが、ちょっとウェットなところもあったのです。(ま~いいか)小惑星探査機はやぶさ【電気推進】より「はやぶさ(MUSES-C)」の鍵となる要素技術のひとつに電気推進エンジンがあります。探査機は、M-Vロケットによって地球引力から脱出し、小惑星へ向かう軌道に 入りますが、その後の地球と小惑星との往復の軌道上では、電気推進が軌道変更を担います。「はやぶさ(MUSES-C)」で使われる電気推進エンジンは、まず、マイクロ波によって推進剤のキセノンをイオンに電離します。次に生成したイオンを強力な電場で加速、高速で噴射させ、その反動を利用して推進力を得ます。電気推進エンジンは、従来の(燃料と酸化剤を燃焼させるような)化学推進エンジンと比べて、燃料の効率が良いことが知られています。その一方で、その推進力は極めて小さいため、化学推進エンジンと同じだけの軌道変更を行うためには、非常に長い時間、連続して作動させなければなりません。それでも燃料の効率が高いことは非常に大きな魅力であり、将来の惑星探査などで、広く利用されることが期待されています。「はやぶさ(MUSES-C)」の開発にあたっては、このエンジンの耐久性能を確認するため、18,000時間を超える寿命試験を実施し、その高耐久性能を実証しました。推進系機器「イオンエンジン」でメーカーの情報が見られます。なお、この種のキラーテクニックが民生品技術であることに、同盟国アメリカの軍関係者は苦々しく思っているそうです(未確認情報ですが)
2012.02.16
コメント(0)

映画美術といえば、ブレード・ランナーの美術シド・ミードなんですね、大使の場合。表紙に「シド・ミード大特集」と大書した「映像+ 2」という本を大学図書館で見つけたのです。「これや、これや、この本や」・・・・ということで、エッセンスを紹介します。【映像+ 2】 グラフィック社、2007年刊<大使寸評>拘りのシリーズ本であるが、今回は特集「美術・セットデザインの現場」となっていて・・・「ブレードランナー」や種田陽平「ザ・マジックアワー」がとりあげられています。Amazon映像+ 2「シド・ミード、BLADE RUNNERを語る」の冒頭コメントです。監督のリドリー・スコットは、画集「SENTINEL」を見て、私のことを知ったそうだ。「ブレードランナー」に出てくる2020年の車をデザインして欲しい、と連絡をもらったんだ。私はいつもたくさんのスケッチを描いて、何度も打ち合わせを重ねるんだが、この映画はスムーズだった。ほとんどのデザインが数枚のスケッチで決まってしまったよ。デッガードが乗るスピナーも、最初にシンプルなスケッチを描き、あとはパーツを加えるくらいで、仕上げたイラストがそのまま映画の中に生かされているんだ。リドリーが求めているイメージが、私の中にそのままあったんだと思う。シド・ミードの未来がBLADE RUNNER ( filming location video ) のセットに見られるが・・・・ええで♪An Artist with Designs on the Future
2012.02.15
コメント(0)

テレビで見る東電の西澤社長のでかい態度には、被災者に対する謝罪が感じられないが・・・・これくらい面の皮が厚くないと、大企業の社長を張ってられないのかと思ったりする。東電問題の最新ニュースです。果たして“東電+財務省vs枝野大臣+経産省”という図式が存在するのだろうか?2/14東電問題の陰に枝野・橋下の暗闘より 政府と東京電力が公的資金注入後の経営権を巡って攻防を繰り広げている。経営の独立を訴える東電に枝野幸男・経済産業相は一歩も引かない構えだ。舞台裏をのぞくと、橋下徹・大阪市長も含む関係者の錯綜する思惑が渦巻く。 今月3日、東京電力の西澤俊夫社長は原子力損害賠償支援機構の運営委員会に出席。4月に予定する平均17%の企業向け電気料金引き上げの根拠を説明し、発表前に機構に値上げを説明しなかったことを陳謝した。 「総合特別事業計画に関わる東京電力の経営判断は今後、前もって報告してほしい」 機構の下河辺和彦・運営委員長はこうクギを刺しながらも、賠償請求の事務処理が進んだことなどを評価。東電が求めていた6900億円の追加の賠償資金援助を同日付で枝野幸男経済産業相に申請した。東電の2011年4~12月期決算の発表期限は今月14日。枝野氏がその前に認定することにより、東電はひとまず債務超過に陥る事態を避けられる見通しだ。 当面の経営危機回避へ足並みを揃えたかのように見える政府と東電。しかし、東電問題に関与する経済産業省関係者は疲れ切った表情でつぶやく。 「東電と機構、政府内などの攻防は激化している。総合特別事業計画の策定を控え、バトルはこれからが本番だ」財務省幹部が「賠償や廃炉などの責任が国に回ってきかねない」などと、国が経営権を取得することに懸念を表明しているのも、東電の働きかけが功を奏しているとの見方が有力だ。 昨年12月、東電が機構に事前の報告もなく、突然、企業向け電気料金の平均17%引き上げ方針を発表したのも「家庭向けも含め、電気料金の大幅値上げが実現すれば、資本不足は当面回避できる。廃炉費用は最終的に国が面倒を見てくれるはずで、資本注入など必要ない、という東電の意思表示にほかならない」と、経産省幹部は憤る。今後、消費増税論議がヤマ場を迎える。財務省の言いなりで増税する一方、東電を温存し、電気料金も上がる。そんなことは許さない、東電は解体し、脱原発も進めるべきだ――。大阪維新の会の代表を務める橋下氏の提唱でこんな論調が燎原の火のごとく燃え盛れば、次期衆院選の一大争点に浮上するのは必至だ。折りしも、東洋経済最新号が東電を特集しています。目次を見るだけでも、すごいですね。これは買いなのか?(年金生活では手元不如意なのだが)<東洋経済2012/02/18日号><目次>より【COVER STORY】東京電力 偽りの延命 [なし崩しの東電救済] ・東電をめぐるこれまでのあらすじ ・この春、東電は大きく動く ・INTERVIEW 細野豪志 原発事故担当相に聞く 原子力政策は変わりますか [抵抗する東電]「民営でありたい」勝俣発言の真意 ・COLUMN 発送電分離の無理筋 ・追加融資1兆円のリスク 一寸先は闇、退けば地獄 ・COLUMN 東京都、値上げに憤激! ・錯綜する思惑と駆け引き ―エネルギー政策をめぐる関係機関俯瞰図― [原発コスト8.9円の「ウソ」] ・〈全国原発地図〉あと15年以内に6割の原発が廃炉に ・COLUMN ストレステストの罪 ・火力はもっと安くなる 「上顧客」脱しタフネゴシエーターへ ・侃々諤々 どうする東電(1) 竹森俊平●慶応大学教授/荒井聰●衆議院議員/奥村宏●会社学研究家/塩崎恭久●衆議院議員 [関西大停電宣言]「原発全基停止」で待ったなし! ・COLUMN 意外に余裕な東日本 ・侃々諤々 どうする東電(2) 山口栄一●同志社大学大学院教授/橘川武郎●一橋大学大学院教授/河野太郎●衆議院議員/久保利英明●弁護士 噴出する問題(1) 東電の抵抗で進まぬ賠償 福島県双葉町 噴出する問題(2) むなしさと不安、混乱の除染現場 福島県福島市渡利地区 更に、電力システム改革については議論が本格化するようです。発送電分離はどうなるんでしょうね?2/10発・送・配電は大規模統合し、小売りサービス競争を促進より2011年12月27日、枝野経済産業大臣が「電力システム改革タスクフォース論点整理」を公表した。この論点整理をもとに、これから電力システム改革の議論が本格化する。 本稿では、そうした議論に一石を投じるために、筆者の考え方に基づいて具体的な電力システム改革の方向性と電力産業再編案を提示したい。発送電分離論や自由化問題に対して一定の回答を示しつつ、論点整理に含まれていない原子力発電の取り扱いも加えて、具体的な構想を述べる。 <電力会社は大規模化する方が合理的> 送電線の託送料(高圧で4.89円/KWh)がネックか?
2012.02.15
コメント(0)

民主主義政権下では政策は多数決で決定されるが・・・往々にして不十分な政策ができたり、決定が遅かったりする。でも、それは選挙民にも責任があるので、ある程度我慢せざるを得ないのが民主主義だと思うのです。大阪府の財政改革で目を見張るような実績をうち出し橋下さんは、この民主主義のルールにご不満のようです。橋下さんは、このレビューで「一旦選挙でえらばれたら、多数決よりは自分の決定を優先する」というかなり勇ましい趣旨で公言しています。公務員改革は橋下さんのような豪腕も必要でしょうが・・・そこまで簡潔に公言されると、ちょっと違うんじゃないのと思うわけですね。ま~橋下さんの意見を聞いてみましょう。橋下さんへのインタビュー <覚悟を求める政治>(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、2/12朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)Q:まず、政治家として実現したい「日本社会」の姿を聞きたい。あくまでも、経済成長を追いかけるのか、身の丈に合った暮らしがいいのか。どちらですか。。A:今の日本人の生活レベルは世界で見たら、五つ星ホテル級のラグジュアリー(贅沢)なものです。蛇口をひねればきれいな水が出る。教育も医療はレベルは高い。失業保険、年金もあり、最後は生活保護がある。これを享受するには、すごくコストがかかる。維持するかどうか最初に決めないといけない。今以上の日本を無理に目指す必要はありませんが、僕は少なくとも今のレベルを維持したいのです。Q:どうやって?A:東アジア、東南アジアの若者は日本の若者と同じような教育レベル、労働力になってきました。そのような状況で、日本人がラグジュアリーな生活を享受しようとするなら「国民総努力」が必要です。競争で勝たないと無理です。Q:競争ですか。A:今の日本のレベルを維持したいなら競争です。僕は次世代の子どもたちに少なくとも今のレベルの日本を引き継ぎたい。今のレベルに不満のある人は多いでしょうが、世界から見るとものすごく贅沢な国です。 労働集約型の製造業が海外に出て行くのは止められない。海外で稼いだお金を日本に戻す仕組みを考え、国内ではサービス業などの付加価値を高める環境をつくり、民間でお金が回る税制にする。円高で生まれた輸入業のもうけを、輸出業に回す「デリバティブ」のような仕組みを考えるのも国の知恵だと思う。 僕が一番重視しているのは、行政サービスをユーザーの選択にさらすことです。医療も教育も介護もニーズに合っているものは付加価値が高い。行政が一方的に供給するものはあまり価値がない。Q:そのニーズを判断するのは誰ですか。A:ユーザーです。僕は選択をすごく重視しています。ユーザーが選択しないものは(行政が)基本的にやっちゃいけないんです。今の行政はユーザーの選択に関係なく、とにかくお金を突っ込んで供給する。Q:国民みんながありとあらゆることで「選択」や「競争」を迫られるのは、けっこう大変ですね。A:国民の覚悟が必要です。その号令をかけるのが政治だと思います。 付加価値の創出は、努力がすべてだと僕は思っています。とことん能力を発揮してもらう。そこには規制はかぶせない。いったんは格差が生じるかもしれません。でも、所得の再配分もしっかりやります。また、格差を世代間で固定させないため、最高の教育をタダで子供たちに受けさせる。最低限の保障をすることは国の役目です。僕のやり方は事後調整型の格差是正です。 社会保障では「人生一生使い切り型モデル」を考えています。ある程度資産ができた人は、老後の生活をまずそれでやってもらう。資産のある人には掛け捨て型の年金もありかなと。究極の資産の再配分です。Q:70歳や80歳になっても、努力しなければならないのですか。A:何歳で努力から開放されるかは制度設計次第で、役人にはじいてもらわないと具体的には言えません。常識的には60歳あたりでしょう。Q:ちょっと逃げてません?A:それは役人が担当する領域です。Q:橋下さんは強い人ですが、世の中は強い人ばかりではない。そういう人にはどう言葉をかけますか。A:では、日本の生活のレベルを落としますか?東南アジアレベルにしますか?今の日本を維持しようと思えば、そりゃ努力をしないといけないですよ。Q:橋下さんは、「決定できる政治」を唱えています。リーダーの独善になりませんか。A:議論はし尽くすけれども、最後は決定しなければならない。多様な価値観を認めれば認めるほど決定する仕組みが必要になる。それが「」です。有権者が選んだ人間に決定権を与える。それが選挙だと思います。 弁護士は委任契約書に書いてあることだけしかやってはいけないけれど、政治家はそうじゃない。すべてをマニフェストに掲げて有権者に提起するのは無理です。あんなに政策を具体的に並べて政治家の裁量を狭くしたら、政治なんかできないですよ。選挙では国民に大きな方向性を示して訴える。ある種の白紙委任なんですよ。Q:大阪維新の会が国政で既存政党と連携することはありますか。A:国政の動きに僕がとやかく言うことはできないと思います。大阪市長の範疇外ですから。Q:維新の会を応援しているのは橋下さんに期待する人たちです。A:わかってほしいのは、永田町や霞ヶ関だけで複雑多様化した日本全体を動かすなんて無理だということです。だからまずはその仕組みを変える。どんなに首相を変えようが、新しい政策を出そうが、明治以来続いてきた社会システムや統治機構、すなわち体制を変えない限り、政策は絶対に実現できません。 本当に世を変えるには、政治家が課題にどんどん突っ込んでいかないとだめ。僕も大阪府でとことん、やりました。でも、今の国の統治機構は大きすぎる。野田首相が八ツ場ダム、普天間移設、原発、震災復興、消費税、社会保障にTPPもやるなんて絶対無理です。仕事があまりに多い。だから、国がやることと地方がやることをきっちり分け、それぞれを機能させる。国の仕事を絞り込み地方に自立してもらう。従来の体制を変えることが政治家の仕事です。Q:何年くらいかかりますか。A:最終的には道州制という形で、日本が八つから九つの地域で自立していくというモデルがゴールだと思いますが、5年、10年かかるんじゃないですか。Q:橋下さん自身は国政には?A:僕は国会議員にはなりません。公募で集めた維新塾のメンバーに期待しています。Q:なぜ?A:だって僕は市長ですもん。Q:でもそれは4年間ですよね。A:もうそれで賞味期限切れですよ。自分でわかってます。自分の賞味期限切れすらわからない人物は、政治家をやったらだめですよ。Q:かって「大阪府知事になるのは2万%ない」と言いながら、出馬しましたね。A:いやあ、結局この話(国政)になっちゃう。僕は近くの人にはまったく支持されない。分かっているんです。維新の会に100人の議員がいますが、議員からの人望と信頼は松井一郎大阪府知事の役割です。Q:既存政党が「橋下さんや維新の会の主張を丸呑みする。一緒にやろう」と言ったらどうしますか。A:道州制も大阪都構想も、僕が主張しているのは、日本の統治機構、政治や行政のシステム全体を変えようという話です。これまで出来なかった既存政党の人たち、既得権益の代表者たちにできますかね。本当にやろうとしたら、今の体制でよい人たちと大バトルになりますよ。Q:橋下さんが、みなが嫌がることをあえていう理由は何ですか。A:政治家をずっとやろうと思っていないからです。維新の会のメンバーにも、1期4年を合言葉にしよう、と。次の選挙を考えたら、有権者に嫌なことは言えないですよ。今の日本の状況で、国民に好かれることなんか何も言えません。Q:既存政党と丸ごと組むのは。A:まだわからないですよ。でも、制度を変えようとなると、今までの仕組みでやってきた国会議員のみなさんは耐えられるかなあ・・・・。Q:そのエネルギーはどこから?A:朝日新聞があるからですよ。負けないようにって。はっはっはっ。 いろんな人が意見言って、そのたびに「くそっ」って。それがまた、エネルギーになるじゃないですか。Q:メディアから厳しく批判されますね。なぜだと思いますか。A:メディアは批判することが仕事だからじゃないですか。メディアが権力に同調しちゃったら存在意義がないでしょう。こっちも燃えない。「くそっ」と思うから、僕も一生懸命勉強するんです。Q:明治以来の制度を壊すという人が、なぜ「維新」とか「船中八策」など明治が作ったものの名前をつけているんですか。A:まったく思慮はありません。そこは批判してください。(聞き手:政治部部長・鮫島浩ほか)レビューを聞いてみると、橋下さんの意見には、論理の飛躍があるけど、なんか勢いでごまかされたような気がするのです。(改革には勢いは必要ではあるが)最近、Twitterを始めたんですが・・・・自分が訪ねる先を「フォローしている」としてひかえて置くわけですが、この「フォローしている」には自分の性向が割りと良く表れているのです。それで、橋下さんの「フォローしている」を見てみると、割と勝ち馬の人が多いことが見てとれます。このあたりを、負け馬の人は判断材料にするのは、どうでしょうか?橋下徹ウェブサイト橋下現象は必然2/6市長のブレーン・古賀茂明氏が語る「国ができないことを大阪がやる」より「既得権益の破壊」を貫く橋下氏の周りには、各分野の改革派のエキスパートが集結。なかでも重要な役割を担うのが、大阪府市特別顧問として、脱原発や公務員制度改革を担当する元経産官僚の古賀茂明氏だ。官僚時代に公務員制度改革や発送電分離に取り組んだ経験を買われての抜擢だった。その古賀氏に、橋下改革のポイントについて語ってもらった。橋下市長は関西電力の株主総会で「脱原発」と「発送電分離に向けた体制整備」を提案し、再生可能エネルギーへの転換を進めようとしている。イデオロギーとしてではなく、大阪市民や企業の実利を守るためです。福井県には関電の「美浜原発」「大飯原発」「高浜原発」などの原発が集中していますが、もし事故が起きれば、莫大な被害を地域社会に与え、琵琶湖が放射能で汚染される恐れもあります。関西圏の住民の命と安全に直結する問題なのです。また関電にとっても脱原発で、事故による企業破綻のリスクを減らしたほうがプラスです。関電をはじめ電力会社は「脱原発はできません」と言っていますが、地域独占体制のもとで甘やかされた人たちの発言には、全く説得力がない。そこで9%の関電株を持つ、筆頭株主の大阪市が6月の株主総会で脱原発の提案をしようということになったのです。
2012.02.14
コメント(2)

「新書大賞2012」に『ふしぎなキリスト教』が決まったそうですね。この本はすでに買っているが、電子書籍配信というニュースが気になるのです。【ふしぎなキリスト教】橋爪大三郎×大澤真幸著、講談社、2011年刊<「BOOK」データベースより>日本人の神様とGODは何が違うか?起源からイエスの謎、近代社会への影響まですべての疑問に答える最強の入門書。挑発的な質問と明快な答え、日本を代表する二人の社会学者が徹底対論。 <大使寸評>マルクス・レーニン主義も一神教の考え方から生まれるとか・・・・プロテスタント(特にエヴァンゲリスト)のようなキリスト教原理主義から現在の強欲資本主義が生まれたのではないか?とか・・・・いろいろ考えさせられる本です。Amazon『ふしぎなキリスト教』講談社から電子書籍で配信する旨の発表です。出版社からの発表というところに電子書籍の浸透ぶりを感じるが・・・・そろそろ電子書籍の購入もいいかと思う昨今である。え? 配信会社が15社もあるけど、どれがいいか?・・・・わからんやんけ。2/10新書大賞2012第1位作品が電子書籍で配信! 講談社現代新書『ふしぎなキリスト教』 より 講談社は、2012年2月10日より電子書籍版『ふしぎなキリスト教』を配信開始いたします。本書は本日、「新書大賞2012」第1位受賞が決定しました。新書大賞とは、中央公論新社が主催する1年間に刊行されたすべての新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ賞です。受賞決定と同時に電子書籍版を配信することで、新たな読者開拓につながるものと確信しております。●2月10日配信開始書店(五十音順)GALAPAGOS STORE (運営:シャープ株式会社) 紀伊國屋書店BookWebPlus (運営:株式会社紀伊國屋書店) ソフトバンクブックストア (運営:ソフトバンクモバイル株式会社) TSUTAYA.com (運営:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社) dマーケット (運営:株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ)電子文庫パブリ (運営:株式会社モバイルブック・ジェーピー) どこでも読書 (運営:株式会社モバイルブック・ジェーピー) TOP BOOKS (運営:NECビッグローブ株式会社)BooksV (運営:富士通株式会社) BookLive! (運営:株式会社BookLive) BookPlace (運営:株式会社BookLive) honto (運営:株式会社トゥ・ディファクト) Raboo (運営:楽天株式会社)LISMO Book Store (運営:KDDI株式会社)Reader(TM) Store (運営:ソニーマーケティング株式会社)
2012.02.13
コメント(4)

99%が困苦にあえぐ新自由主義の世であるが・・・・フリードマンとFRBの罪は大きかったようです。wikipediaミルトン・フリードマンよりミルトン・フリードマン(英: Milton Friedman、1912年7月31日 - 2006年11月16日)はアメリカ合衆国ニューヨーク出身のマクロ経済学者である。マネタリズムを主唱して裁量的なケインズ的総需要管理政策を批判した。1976年、ノーベル経済学賞受賞。弟子にゲーリー・ベッカーがいる。シカゴ学派のリーダーとしてノーベル賞受賞者を含め多くの経済学者を育てた。マネタリストの代表者と見なされ、政府の裁量的な財政政策に反対する。政府の財政政策によってではなく貨幣供給量と利子率によって景気循環が決定されると考えた。また、1955年には、教育バウチャー(利用券)制度を提唱したことでも知られる。議論好きで討論に長けていたことで知られる。主著は『A Monetary History of the United States, 1867-1960』、『資本主義と自由』。池上彰×岩井克人対談「お金の正体」からフリードマンとFRBの罪状を見てみましょう。この「お金の正体」シりーズは、敵の正体を知る上で、とにかく明解なテキストに成っていると思う次第です。1999年にグラス・ティーガル法が廃止されたが、そのツケが大きかったようですね。1/16池上彰×岩井克人対談 お金の正体(その2)より岩井克人氏 <ユーロ危機=「知性の失敗」をもたらしたのは新自由主義?> (文字数制約のため省略) <ケインズはいらない。世界を市場で覆い尽くそう―?:フリードマンの野望> (文字数制約のため省略)岩井:90年代末にはアジアの通貨危機、90年代末から2000年代初頭にはITバブル景気とその崩壊、そして先ほど池上さんがご指摘されたサブプライムショックが2007年にあって、2008年にはリーマンショックが起きました。 経済のグローバル化が進んできたこの30年というもの、世界全体の生産性は大いに向上しました。ですが、同時にバブルの勃興とその崩壊が繰り返されてきたのです。自由放任一辺倒な経済は、効率性は上がるけれど、ひどく不安定的だぞ、ということが明らかになり始めたのです。 (中略)岩井:「マクロ経済は終わった」と言ったのは、シカゴ大学のロバート・ルーカス教授です。2006年に亡くなったフリードマンの最大の後継者です。米国経済学会の会長に就いた人物で、2003年の米国経済学会の会長講演で、そう高らかに宣言しました。景気変動はコントロールできる。経済学に残された仕事は、ミクロの効率性を向上させて経済を成長させることだけである。すなわちそれは市場を拡大することなのだ――と。それからもう1人、アラン・グリーンスパン氏を忘れてはなりません。 池上:2006年まで、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)の議長でしたね。 岩井:グリーンスパンは、こう説明しました。バブルが起きても何もするな。バブルを防ぐために行う規制や緊縮的金融政策は、金融市場の見えざる手を縛るだけで弊害が大きい。万一バブルが崩壊した時には、一時的に金利を下げれば良い。そうすれば再び景気が回復する道筋ができる、というものです。さらに、ベン・バーナンキ氏も2004年に「大安定」という題名の演説をしています。 池上:次はバーナンキですか。バーナンキはグリーンスパンの後のFRB議長です。アメリカの「お金の番人」のトップが2代続けて、マクロ経済の終わりと市場の万能性を主張した、というわけですか。 岩井:2004年当時、バーナンキはFRBの理事の一人で、また議長を引き継いでいませんでしたが、今述べたように、日本を除く先進国は「大安定」時代に入ったと自画自賛していました。ところがわずか3年後、その時には彼は議長になっていましたが、2007年夏に米国ではサブプライムショックが起こり、翌2008年9月にはリーマンショックに見舞われました。「大いなる安定」どころか、大恐慌以来の「大いなる不安定」の時代が到来したのです。なぜか? それこそフリードマン派が礼賛した、自由放任主義経済に本質的な矛盾があったからです。 池上:逆に言うと、サブプライムショックまでの間は、大いなる安定が先進国の間では続いていたわけですよね。なぜその安定が崩れ、突如として不安定化したのでしょうか? 岩井:大恐慌以降、米国経済がなぜ一定の安定性を保てたかを語るのに、グラス・スティーガル法を避けては通れないと思います。大恐慌を教訓に1933年に作られた法律です。 <商業銀行は「預金」という名のお金をつくる仕事> 池上:たしか1999年に事実上廃止されたといわれていますよね。 岩井:グラス・スティーガル法は、米国でいうところの商業銀行と投資銀行の間に垣根を設けました。日本でいうと、銀行と証券会社の事業を区別し、兼業できないようにするための法律だと思ってください。 池上:なぜ、米国は、商業銀行と投資銀行とを厳然と区分けしたんでしょうか? 岩井:「銀行=BANK」という名がどちらもついていますが、「お金」を作れるか作れないかで、両者の役割が根本的に異なるからです。 まず商業銀行は「お金」を作れます。預金者からお金を預かり、お金を借りたい人に融資を行う。それが商業銀行の主な仕事です。でも、単に借りたお金を貸すだけでは、どこからも利益が生まれません。実は、銀行預金とは、本来は銀行の「借金」ですが、同時にそれ自体が「お金」としての役割を果たしているのです。経済学でも「M1」と呼び、貨幣とみなします。だから、貸し出す利子よりも、はるかに安い利子しか払わなくて良く、商売が成り立つわけです。 一方の投資銀行の仕事は、商業銀行とは全く性質が異なります。投資銀行は、顧客のために様々な金融商品の売買を仲介し、手数料を稼ぐのが本来の業務です。 池上:商業銀行における預金が貨幣と同等の役割を果たす、というところをもう少し解説していただけますか? 岩井:何時でも預金者は「銀行預金」を現金化できる。つまり、預金は現金も同然なのです。これを「流動性」といいます。でも、この流動性とは、とても不思議なものです。 (中略) <リスクをとっていけない銀行と、リスクをとるのが仕事の銀> (文字数制約のため省略) <グラス・ティーガル法廃止がもたらしたツケ>岩井:すると今度は投資銀行が、収益の高い投資をやっているヘッジファンドをうらやましがって、ヘッジファンドまがいのハイリスクな投資に手を染めるようになりました。そしてついには、商業銀行までがハイリス投資を手掛けるようになりました。 池上:そもそも信用を売りにしていた商業銀行が、ハイリスクなお金の運用をする、というのはきわめて危ういですね。 岩井:ええ。自分で自分の投機のためのお金を作れるなんて、危うすぎます。結果として、本質的に不安定な存在である「お金」は、ますます不安定な存在になります。過剰な投資がバブルを生み、そしてその実態なきバブルが弾ける。90年代後半からの米国経済、そして世界経済はその繰り返しです。 池上:グラス・スティーガル法が骨抜きにされることによって、お金そのもののリスクが増大し、バブルを生んだというわけですか。となると、やはり一定の規制は必要だということになりますね。 岩井:米国では、FRBがその権限を与えられています。しかし、当時の議長であったグリーンスパン氏は、フリードマン以上の自由放任主義者でした。彼は、若い頃は米国の女性哲学者アイン・ランド氏の信奉者でもあった。ランドというのは、徹底的な自由主義者。オカルト的な自由主義者と言ってもいい。その影響下にあるグリーンスパン氏にとって、金融の徹底的な自由化は必然でした。 池上:FRBはバブルが崩壊しても、見えざる手で回復すると考えていたのですか岩井:そうです。1998年に、アメリカの有名ヘッジファンド・ロングタームキャピタルマネジメント(LTCM)が破綻したときにも、米国経済は非常に大きなショックを受けました。ですがこのショック時に、米国政府はこれといった財政政策をとらず、FRBによる金融緩和策で乗り切ろうとします。 池上:LTCMには確か、ノーベル経済学賞受賞者が2人、関わっていましたね。 岩井:その通りです。米国で最も信頼されていたヘッジファンドだったのですよ。米国は、その破綻ショックを低金利策でしのぎましたが、これが次のバブルを生んでしまう。それはIT革命による株高で、これは本物の成長だと突き進みました。ところが、結果としてはこちらもバブルだった。2001年にはITバブルが弾け、それも低金利策で何とか抑えるが、次のより大きなバブルが発生するというプロセスを繰り返してきたのです。 とうとう、サブプライムショックが起き、リーマンショックが起きて、今度こそは金融政策だけで乗り越えることができませんでした。つまり、自由放任思想が、米国発の今回の金融危機を作ったといえるのです。 池上:2012年の米国大統領選挙でも、ここは争点の1つになっていますね。再選を狙うバラク・オバマ大統領はリーマンショック以降、言ってみればケインズ型の規制を復活させようと、グリースパンの前にレーガン政権下でFRB議長を務めたポール・ボルカーを引っ張り出して、「ボルカー・ルール」という金融規制法強化案を発表しました。これに対して、共和党の各候補は、依然として徹底したフリードマン流を主張していますね。金融に対する2つの考え方が衝突しています。 (中略)岩井:完全には戻らないでしょう。1980年代からその骨抜き化が試みられていたグラス・スティーガル法が実質的な廃止になったのは90年代後半の、民主党のビル・クリントン政権のときです。実は、レーガン政権以降で米国の世論全体が最も共和党的なものに傾いたのが、クリントン政権の時代だったのです。 池上:国民の平等を訴える民主主義よりも、勝者劣敗の自由主義を求める声が大きかったんですね。 岩井:はい。そんな時代に民主党が政権を維持するためにはどうすればいいのか。共和党的になることです。クリントンの売りの一つは、「ビジネスマンと話ができる唯一の民主党議員」というものでしたから、金融規制緩和の方向へ進みやすかった。ただ私はクリントン政権は全体的には良かったと思っています。 (中略) <ニューディール政策と第二次世界大戦が所得格差を縮めた>(文字数制約のため省略) <米国の新しい金持ち、実はサラリーマンだった?>(文字数制約のため省略)ミラーサイトに省略無し記事有り。池上彰×岩井克人対談 お金の正体(その1)FRBという猫に、金融取引税という鈴を付けるには 「グラススティーガル法」ってなんや?
2012.02.13
コメント(0)

NHKスペシャル(11日)で気仙沼信用金庫の奮闘がオンエアされていました。被災した地元企業の復興は二重ローンとなる借金ができるかどうかに掛かっているわけだけど・・・・ここに顔が見えない復興交付金が絡んでくるわけで・・・焼け太りを狙うような5省の省益重視が見えるわけです(大使の場合)まったく、この中小企業すら救えないなら一事が万事で・・・復興庁は画餅に帰すおそれさえあるのだが。NHKスペシャル「魚の町は守れるか」より東日本大震災で被災し、不良債権寸前となった中小企業への融資をどう進めるか。被災地に基盤を置く金融機関の姿勢が問われている。その中で、宮城県の気仙沼信用金庫は震災直後からリスク覚悟で、地元企業の再生に全力で取り組んできた。有力な取引先のほとんどが津波被害の影響を受け、不良債権の総額は震災後すでに50億円を超えた。この期に及んでは、可能性のある企業に希望にかなう融資を進めなければ、地域の衰退は止められず、信金そのものの存続も危うくなる。番組は、信金の瀬戸際の融資に密着。他の金融機関とは一線を画し、震災破綻を乗り越えようと抗い続ける、被災地経済の苦闘を伝える。この番組を見ていると、大手銀行とか、補助金が腹立たしいのでTwitterでメモしたのです。<2/11Twitter>より復興交付金を民間に流すには各地の信金に融資することになるが・・・ 政策金融公庫が被災者の生活スピードに合わせたスピードで対応する必要があるが・・政策金融公庫も大手銀行もお役所的スピードしか出せない。紐付きの復興交付金とは、要するに縦割り補助金と同じで・・・・審査に手間取ると、各省に滞留するばかりである。 被災者の生活スピードに合わせた、特例スピードが望まれているはず。だいいち、補助金は復興施設が完成後に支給されるので、借金して復興するしかない。・・・・その借金と当座の運転資金はどこから借りたらよいのか・・・そのためにこそ紐なし交付金を払えと言いたい。被災した3300社に対して、補助金が支給されるのは200社だそうだ・・・・使いにくい5省40事業の復興交付金とは何だったのだろう。非常時の交付金支給方法という役所マニュアルに無い対応が望まれるが、千年に一度という頻度では、整合を崩すわけにゆかないのか?先日のNHKスペシャル「日本復興のために」に震災復興補助金のからくりが出ていました。
2012.02.12
コメント(4)

海底探査船「ちきゅう」が、メタンハイドレート掘削に向けて12日に出航するようです。2/11メタンハイドレート採掘へ 探査船公開より報道陣に公開された地球深部探査船「ちきゅう」愛知県渥美半島沖で次世代エネルギー資源として注目されるメタンハイドレートの採掘試験を実施する地球深部探査船「ちきゅう」が10日、停泊中の清水港(静岡市清水区)で報道陣に公開された。 「ちきゅう」は深さ約1000メートルの海底から、メタンハイドレートを含んだ地層がある約300メートル下までを掘削し、採掘に使う井戸を掘る。 人造ダイヤモンドなどが付いた直径約30センチのドリルの刃先や、6基のプロペラで風や波の影響を受けずに船体を一定の位置に保つ装置などを披露。 12日朝に渥美半島沖約70キロの海域に向けて出港し、14日午前から掘削作業に入る。「ちきゅう」は2005年7月に完成したが・・・一方、昨年4月に中国でも海底探査船が完成していたようです。最新鋭海底探査船「海洋石油720」が完成より2011年4月22日、最新鋭海底探査船「海洋石油720」の引き渡し式典が行われた。中国船舶工業集団公司上海船厰が建造した。新民晩報が伝えた。探査船・海洋石油720は、エアガンを使って地震波を放出。その反射をストリーマーケーブルと呼ばれる受信機がキャッチすることによって、海底の構造や地質を克明に探査することが可能となる。従来の探査船はストリーマーケーブルの数が2本から4本程度だったが、海洋石油720は全長8000メートルのストリーマーケーブル12本を装備。アジア最新鋭探査船の座についた。日本は2007年、ノルウェーの企業から230億円という巨額の費用で探査船「資源」を購入したが、ストリーマーケーブルは6000メートルが12本と「海洋石油720」に劣っている。昨年、試験運用に成功した潜水深度世界一の潜水艇「蛟龍号」に続き、海底資源調査を進めるうえでの大きな「武器」を中国は手にした。中国は2004年、日本の東シナ海海底探査に対し主権侵害であるとして抗議したほか、探査船「資源」の購入時にも「目的は東シナ海の資源争奪にある」との報道されるなど、強い警戒感を示してきた。その対抗策とも言うべき「海洋石油720」は、東シナ海や南シナ海などの係争地域における資源調査が最大の任務になると見られる。中国が狂ったように進める資源争奪の折り、気になるのは、日中の探査船の能力である。・・・で、探査船 ちきゅうを見て、能力を比較してみようと思うのです。比較結果は、後ほどに・・・・(暇なこっちゃで)とにかく、海底資源争奪戦はどうなることやら?ですね。************************************************************************<調べた結果>「ちきゅう」は掘削深度1万mで、GPS情報により荒天でもピンポイント位置を保持可能とのことです。また、中国の荒っぽい資源争奪マインドに驚いた政府は、61年ぶりに鉱業法を改正したところです。改正鉱業法についてより抜粋1. 鉱業法見直しの背景資源ナショナリズムの高まりをうけ、国際的な資源獲得競争はますます激化するなど資源確保を巡る状況は年々厳しさを増している。また、資源開発に関する技術開発の進展に伴い、これまで開発が困難であった資源の開発が可能な状況となっている。我が国においても、資源探査船「資源」による石油・天然ガスの賦存を確認することなど、そのポテンシャルの評価の見直しが進められるとともに、メタンハイドレートや海底熱水鉱床、コバルトリッチクラストなどの非在来型の資源の開発可能性が高まっている。このため、我が国の資源開発を巡る厳しい内外環境を踏まえ、国内資源を適正に維持・管理しつつ、適切な主体による適正な開発が行われることが制度的に担保されるよう、61年ぶりに鉱業法を改正することとした。5. おわりに日本が置かれた北東アジア地域を含め、資源を巡る国際関係は緊張感を増している。また、我が国の周辺海域において、従来の石油・天然ガスに加え、今後、メタンハイドレート、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラストといった新たな資源の具体的な開発の可能性が高まることが期待されるなど、海洋資源開発を巡るフロンティアは広がりを見せている。こうした状況を踏まえ、我が国においても、鉱業法の制定以来、数十年の時を経て、資源を巡る新たな時代とパラダイムに見合った鉱業法制が求められている。このため、今般の鉱業法の改正は、我が国が置かれた厳しい国際環境やこの国の在り方を強く意識しつつ行われた。本改正鉱業法が、資源を巡る厳しい国際環境の中で、我が国の資源開発の新たなフロンティアを切り拓く礎となることを切に期待している。(2012.1.23)
2012.02.11
コメント(0)
人民元で株・社債の売買を開放拡大外国人が売買できる総額の上限も2倍以上に引き上げるとのこと。金持ち投資家には朗報かもしれないが、株をやらない大使にはどうでもいいのだが・・・・金余り金融が拡大しないようお願いしたいものです。(中国の金融の拡大は、個人的にはあまり気分が良くないのだが)中国証券監督管理委員会主席:郭樹清さんへのインタビュー <中国に潜むリスク>(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、2/10朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)Q:欧州債務(借金)危機が深刻になり、中国では輸出の伸びが落ちています。不動産の価格も一部で下がり始めました。中国経済に急ブレーキがかかるのでは、と心配する声もあります。バブル崩壊か、と。A:欧州はいま、2008年のリーマン・ショックのときのように、金融機関が突然つぶれたりしているわけではありません。中国はほかの国に比べて財政にゆとりがある。必要になれば、いつ、どんな景気刺激策を打つか、練る時間がある。十分対応できます。 中国の成長率が極端に落ち込む可能性は低いでしょう。中国政府は15年までの5年間の平均成長率を年7%とみている。重視すべきは成長のスピードを10%に戻すことではなく、その質を変えることです。Q:では、中国経済にとって最大のリスクは何でしょうか。A:都市と農村の二元構造です。これをうまく解決できれば、中国経済の問題は半分は片づいたと言えるほどです。あちこちの地方で起きているデモや座り込みの主な原因だし、広東省のウーカン村で起きた(地元共産党幹部の腐敗に怒って村民が決起した)事件も、格差への不満が根底にある。出稼ぎで都市の生活を知っている村民が増えているのです。Q:いちばんの問題は。A:中国には農村戸籍と都市戸籍があります。農民が都市に出て農村戸籍のまま働くと、同じ仕事でも、都市戸籍の人より社会保障や教育、住宅、医療などさまざまな点で不利になるのです。実際の収入の差は3倍ぐらいでも、それ以上に生活の差が出る。競争する前から差があるわけで、社会の公平感が損なわれる。貧しい農村の子どもは教育も十分に受けられず、格差が固定化する傾向があります。 たとえば私の部下たちも1代か2代さかのぼれば、みんな農民です。勉強ができて大学に入ったことで、都市戸籍を得ることができた。いまは大学の定員が増えたから農村出身の学生が増えたようにみえますが、エリート校ではどんどん減っている。昨年、都市の人口が初めて農村をわずかながら上回ったが、農民はまだ6億人以上。彼らの教育レベルは、将来の人口の質にも関わってくる問題です。Q:13億人に社会保障を等しく提供するといっても、お金がかかるでしょう。A:農村と都市の待遇を分けたのは、工業化を進めた初期のころ、政府にお金がなかったからです。いまはもう、そんな言い訳は通用しません。成長を続けるにも、消費を増やすにも、格差の是正は欠かせない。お金がないのではなく、うまく配分できていないことが問題なのです。 土地制度の改革も必要です。出稼ぎにみんな行ってしまい、消えた村さえある。農地をほかの人に貸しやすくしたり、農地を集約して大規模化を進めたりすべきです。中央政府は問題点に気づき、少しずつ改善しようとしている。でも、村の一部の幹部が現場を牛耳り、なかなか変らない。土地の権利を差配して金儲けをしたがっているのです。Q:中国人民銀行(中央銀行)が管理している外貨準備は3兆2千億ドル(約246兆円)。郭さんが副総裁だった04年ごろの5倍に膨らんでいますA:外貨準備がこれほどのスピードで伸びているのは、利益より弊害が大きい。せっかく稼いだ外貨を倉庫にしまっているようなものです。しかも大量に保有するドルやユーロが値下がりしてしまった。外貨を抱えるということは、自分たちで統治できない別の国のリスクをしょいこむようなものですから。 中央銀行に外貨の管理・運用を集中する仕組みを改め、企業が外貨をもっと自由に使えるようにする必要がある。民間の判断で、産業の発展につながる海外投資を増やすべきです。外国企業を買収したり、資源確保のために投資したり。海外への直接投資額は10年に日本を抜いて世界5位になりましたが、2,3位になる日も遠くないはずです。Q:外貨を抱えこんだのは、人民銀が元相場の上昇を抑えるため、元を売ってドルを買う市場介入を続けているせいでもありますよね。A:人民元の為替相場はもっと自由に動かしてもいい。今年も値上がりするよ。Q:中国政府は、人民元建ての株式や債券を売買できる外国人投資家を増やそうとしています。貿易の決済に使うことも奨励し始めました。経済の安定を優先し、国境を越える取引を規制してきたのでは。A:人民元の移動を認めると、国内に入ってくるより、出ていく方が多いんじゃないか、と心配する人がいる。でも、人民元の取引の自由化をさらに進めても、経済への影響はそれほどない。いまは人民元が上がると思われていますから(急な流出は起こりにくい)。人民元のいろんな改革をやりやすいときです。貿易や直接投資が広がるにつれ、人民元を使った決済や投資の範囲が広がっていくはずです。 中国の株や債権に投資したい年金や大手投資家は米国や欧州、アジア、南米など世界中に広がっている。列を作って認可を待っているほどです。Q:欧州が不景気なこともあって、おもちゃや靴を輸出する会社がつぶれています。人民元の値上がりに反対の声も強いのではないでしょうか。A:コストの安さで輸出競争力を高めているような中国企業は、沿岸部から内陸部に移ったほうがいい。市場の力に任せればもっと早くそうなったはず。地元の政府が税金優遇で引き留めたり、労働者の賃上げ闘争を抑えてきたりしたので、沿岸部で操業を続けることもできたのです。 戦後の円相場をみると、1ドル=360円から70円台に値上がりしていますが、日本経済はつぶれていないでしょ。程度の差はあれ、経済が発展し、通貨が強くなるのは避けられないのです。Q:市場の力と開放政策。郭さんの考えは一貫しています。でも、既得権益を守ろうと、地方政府や国有企業が市場原理の導入を阻んでいるという指摘もあります。A:市場は資源(お金)を合理的に配分する。たとえば、株式市場や債券市場は、中国がたくわえてきた富を長期的な視野にたった投資に振り向け、経済全体を発展させる力がある。世界を見回しても、コンピューターや通信、インターネットやバイオといった新しい産業が育っていく過程で、資本市場がお金を提供し、発展を助けてきました。中国では、どの産業が育つかを考える役割が、政府にかたよりすぎてる。もっと市場の力を借りたほうがいい。Q:お金も技術もなかった時代が終わり、むしろ保護主義的な考えの人が増えているのではないですか。A:中国にも、いろんな意見があるほうが健全でしょう。ただ、中国が経済を開放し始めた80年代は、日本の家電メーカーに席巻されてしまうと恐れたが、中国メーカーは育った。90年代は自動車メーカーをどうするか大激論になったものの、中国は自動車生産で世界一の座についた。国内の改革を進めて何かを生み出していくには、今も昔も、国を開くことが欠かせないんですよ。 言えるのは、中国の歴史をみると、国を開放した時代の方が栄えているということです。隋も唐も宋もそうだった。世界からいろんな人がやってきて、中国発の新しい文化が世界に広がっていったのです。<取材を終えて> 中国の人口は米国や欧州、日本にオーストラリア、ロシアの合計にほぼ等しい―。学者肌で知られる郭さんのある論文のくだりだ。13億人って、そんな規模なんだな。これを束ねて、政治も経済も運営するのが中国。郭さんには、農村のもろさと中国マネーの強さの双方を知り尽くす自負を感じた。(聞き手:吉岡桂子)郭さんの回答は中国共産党の見解ともいえるのだが・・・・まだ呉敬リェンさんのいう国家資本主義の限界のほうが実態に近いように思うのです。
2012.02.11
コメント(0)

昨日深夜のNHKの「プロフェッショナル」を見ていたとき、梼原町役所が出たのです。おお ここは龍馬脱藩の道を見に行ったときに入った場所ではないか。地元産の杉を外装や内部の構造材として使ってあり・・・なんかタダモノではない感じがしていたが「プロフェッショナル」で隈研吾さんの設計でできたと知ったのです。梼原町HPによれば・・・・平成18年10月に完成した梼原町総合庁舎は、慶應義塾大学隈研吾教授の設計によるもので、町産材750m3を用いた木造建築です。その他の公共施設にも町産材を積極的に利用しているとのことです。【隈研吾】<隈さんの言葉>プロフェッショナルの言葉より自分の場所に誇りを持つ人間が好きだ自分の場所に誇りを持つ梼原の人たちと、もう一度建築と向き合おう。 wikipedia隈研吾より高知県高岡郡梼原町の「ゆすはら座」存続への関わりをきっかけとして、自然素材を生かした建築や、格子を多用したデザインが特徴的な作品を多く手がけるようになる。近年は活躍の場を海外にも広げ、国際コンペでの受賞も着実に増やしており、世界的に注目される日本人建築家の1人として認識されつつある。環境省チーム・マイナス6%ホームページに「環境モデル都市」があるが・・・梼原町の木質バイオマス地域循環モデル事業プロジェクトが載っていた。地域レベルでは、けっこう頑張っているけど・・・国レベルでは、どうなんでしょうね。環境モデル都市より2050年に二酸化炭素量の吸収量が排出量を大幅に上回る山村社会として「森の資源が循環する公民協働の“生き物に優しい低炭素なまちづくり”」を宣言しました。温室効果ガス排出量を2030年に50%、2050年に70%削減、吸収量を2030年に3.5倍、2050年に4.3倍(1990年比)にすることを目標としています。公民協働の木質バイオマス地域循環モデル事業の実施によって、山村型低炭素社会の実現と地域資源利用による電力自給率100%超を目指しています。
2012.02.10
コメント(0)

AKB48と韓国ボーカルグループとの違いがよくわかっていない大使であるが、それだけ若い子の歌に関心がないのである。(遅れてるで)それと同じように、大量に現れる最近のマンガにも関心が薄いのだが・・・・関川夏生氏が20年ほど前に、「知識的大衆諸君、これもマンガだ」とぶち上げていたので、拝聴した次第です。この本は、マンガをにくむ人を読者として想定しているそうです。【知識的大衆諸君、これもマンガだ】関川夏生著、文芸春秋、1991年刊(単行)1996年刊(文庫)、12年2/10読破<「はじめに」より> マンガの敏感さは、流行に弱いとも、ある年代層の関心を強く投影するともいいかえることができる。読者はその年代によってマンガを選ぶのだが、読者もまたマンガによって選別されている。陸続と発芽する骨細胞のように新しいマンガ作家と新しい読者は誕生しつづける。しかしそれらのマンガを、先行する読者は理解できないことがある。新しいマンガはしばしば既成の読者を拒否するのである。すなわちマンガ作家たちは、彼らの作品の読者とともに成長し、読者によって成熟し、そして読者としめしあわせて老化していく傾向があるのだ。そして、そのような限界を超えた作家と作品は、巨匠であり古典である。<目次>「女こども」がこわい 内田春菊『南くんの恋人』スナドリネコの人生 いがらしみきお『ぼのぼの』経済マンガってなんなの? 石ノ森章太郎『マンガ日本経済入門』努力する「破滅型」 柳沢きみお『男の自画像』「レトロ」にあらず 岡本蛍・刀根夕子『おもひでぽろぽろ』帰りたい風景 宮崎駿『となりのトトロ』日本人とはなにものか 手塚治虫『グリンゴ』手塚のほかに神はなし―追悼手塚治虫回顧的空気の今日性 さくらももこ『ちびまる子ちゃん』「男らしさ」「女らしさ」への忌避 上村一夫『関東平野』会社とはそんなにつらいところか 弘兼憲史『課長島耕作』自己嫌悪の日本 かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』〔ほか〕Amazon知識的大衆諸君、これもマンガだ本を読む前に紹介してしまったが、読後の感想は後ほどに・・・
2012.02.09
コメント(4)

NHKのドラマ「タイトロープの女」を見ているけど、この映画もちょっと似たお話になっています。つまり、主人公は心ならずも中小企業の社長となり、倒産の危機にある状況で開き直るわけです。テレビドラマの方は、絵に描いたような社長令嬢であるが・・・・映画のほうは家出して、男に五度捨てられた派遣社員というかなり過酷な設定となっています。【川の底からこんにちは】石井裕也監督、H24.2.8観賞<大使寸評>これ以上後のない者が、中小企業の社長として開き直るときのパワーが炸裂しています。それもプロゼクトX風というより、もっと底辺の火事場の馬鹿チカラみたいな感じです。佐和子が自分を「中の下」とランクするけど、「中の下」にしては美人すぎるが・・・・美人なら許す♪goo映画川の底からこんにちは『川の底からこんにちは』石井裕也監督 インタビュー社長である父が倒れたので、東京で働いていた佐和子は田舎に帰ってきて木村水産の社長となるわけですが・・・休みには昼間から発泡酒を飲み「しょうがないから」がすぐ口からでてしまう有様である。従業員は母親くらいの年配のおばちゃん達であり、辛らつなうわさ話で盛り上がるのが・・・・恐いですね。でも、佐和子の開き直った改革が奏功するのです。「川の底からこんにちは」公式サイトで木村水産の社歌が流れるけど、「人生・・・もうがんばるしかない!」という開き直りが爽やかですね♪新自由主義が吹き荒れる昨今ですが・・・・こういう人生応援ムービーが現れるご時世なんでしょうね。(ややヤケクソ気味ですが)この作品は2010年、モントリオール・ファンタジア映画祭で、最優秀作品賞と最優秀女優賞(満島ひかり)をW受賞したそうだが・・・・・世界に通じる笑いだったようです。監督インタビューよりQ:『川の底からこんにちは』では"中の下"という言葉が繰り返し登場しますね。監督:もともとこの"中の下"っていう言葉自体は、始めの方の段階では脚本に一度しか登場しなかったんです。ただ、プロデューサーと話し合っていくうちに、これがキーワードになるんじゃないか、ってことになって。 自分が"中の下"だと思っている人が実際にいるわけではないと思うんですけど、いまの時代の閉塞感、その状況を言い表した言葉です。いまの時代に閉塞感を持たない人は"中の下"に同感できないかもしれないけど、そもそも映画はダメな人のためにあると思っているので(笑)。僕は、映画を"何かを求めている人"に向けて作っている意識があるんです。
2012.02.08
コメント(2)

海兵隊のグアム、岩国移転などしびれの切れた米への強い不満が見られる昨今ですが・・・・ 加藤教授がインタビューで、日米開戦のメカニズムを原発の安全神話を引き合いに出して答えるところや、昇竜中国を語るところが今日的です。東大教授加藤陽子さんへのインタビュー <真珠湾が教えるもの>(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、2/8朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)Q:日米開戦の真相について、新しい見方は出てきていますか。A:これまで戦争回避に努めた側に焦点が当てられてきたのですが、近年、軍部以外で開戦に積極的だった勢力の対米観が新資料から明らかになりました。41年の日米交渉を担当した外務省アメリカ局の課長らがむしろ強硬で、「交渉は屈服だ」と考えた。また、国際法を担当する条約局などは、開戦する場合、無通告開戦の選択肢も準備していました。 国際合意として、自国を守るための自衛戦争であれば最後通牒などによる開戦通告は不要とされていました。仏領インドシナに日本が進駐したことで、米国は対日経済封鎖を断行した。軍部や外務省内の強硬派などは、この措置を、戦争行為の一環とみなし得ると考えるわけです。Q:なぜそこまで米国を敵視していたのでしょうか。A:37年から続く日中戦争への米国のスタンスが問題とされました。普通の国民から国際法の専門家まで「アメリカはずるい」との感情を抱いた。米国は41年3月に武器貸与法を作りました。合衆国防衛に必要だと認められる国、英国や中国やソ連に武器の貸与や無償譲渡を行う法律です。自らは参戦せず中立と言いながら、一方に与してよいのか、という批判です。Q:米国の意図はどこにあったのでしょう。A:武器貸与法が成立した時、ジャクソン司法長官は、米国が中立のルールを無視してよい理由を次のような言葉で説明しています「日本やドイツが行っている侵略戦争は国際共同体に対する内乱である。よってアメリカは中立に伴う義務を無視できる」。犯罪だから、戦争に関するルールを守る必要も、必ずしも宣戦布告する必用も無いという理屈です。 これは、9・11後の対テロ戦争で、アルカイダに対する態度と同じです。現に米国は、アフガニスタンにも、イラクにも宣戦布告していませんね。41年に日本やドイツに対して示した姿勢が、その後の米国の行動様式を規定したように思います。Q:その姿勢が外務省を反米に向かわせたと。A:米国は国際連盟に加わらないまま、欧州や極東に秩序を形成しようと図ります。しかし世界恐慌となると、国内産業を守るためとして関税を一気に引き上げ、国際社会に打撃を与えました。一方、日本も、武力で極東のルールを変更したのですから、日米は似ています。 当時の軍部や外務省の感覚では「日中戦争が長引き、結果的に多くの犠牲者が出ているのはアメリカのせいだ」という意識がありました。本来は早期に決着のつくはずの戦争がおわらないのは、米国と英国が中国を援助しているからだ、と見ている。手前勝手な論理ですが、対米強硬派にとっては、経済封鎖から真珠湾攻撃までは地続きの一本道に見えていたのかもしれません。Q:歴史修正主義者といわれる人たちは、米国が日本を挑発し、開戦に追い込んだと主張しています。A:それは違います。37年の日中戦争勃発時、米国政府、特に財務省や国務省は「日本には戦争を続ける能力がない。交渉で強く圧迫すれば日本は屈服するはずだ」と考えていました。国務省の極東担当の顧問だったホーンベックは41年11月の時点で「日本は8割方屈服する。日米開戦はない」と踏んでいました。だから絶対妥協しようとしなかった。 一方で、東条英機内閣の外相だった東郷茂徳は、日米交渉が成立する可能性は1割しかないと考えていた。東条首相はもう少し甘くて、交渉成功の見込みは3割と見ていましたが。戦争回避の可能性は1~3割しかないという日本と、8割避けられると思っていた米国の見方が決定的にずれていました。Q:なぜずれたのですか。A:米国財務省などは、日本の経済力を過小評価していました。実際には、日本は対米戦に備え財政的にも準備を進めていた。日中戦争以降、軍事費を特別会計とし、戦費の3割を中国に、7割を対英米、対ソ戦に向けて残しておいた。米国も戦争の抑止に失敗したといえます。Q:戦費を準備していたということは、日本は最初から開戦する気だったのでは。A:すでに23年の時点で、開戦の計画は日米双方にありました。どちらも、中国の経済支配をめぐる日米対立が原因で戦争が起こり、その戦争は日本の奇襲で始まり、米国の対日侵攻がそれに続く、という想定です。ということは、逆に、中国問題以外での日米対立はなかったとも言えるのです。東郷外相は、中国問題を交渉項目から抜くことで軍部を説得し妥協案を作りました。11月26日に中国と仏領インドシナからの即時撤兵を求めるハル国務長官の文書「ハル・ノート」に接し、東郷が「暗澹たる気持ちになった」と言ったのは大げさではないと言われています。Q:ハル・ノートで日米開戦は決定的になったといわれています。A:実はハル・ノートの冒頭には、「一時的にして拘束力なし」との文言がありました。必ずしも最後通牒とは言えません。戦争は違法だという考え方が浸透した時代ですから、それは避けたいはずです。ルーズベルト大統領も現地時間12月6日午後9時に、昭和天皇に平和的解決を呼びかける親書電報を出します。日本側の交渉打ち切りの暗号電報の解読が大統領に届いたのはその30分後ですから、分かっていて親電を出したわけではありません。 しかし、英米側が極東基地の防備などに時間をかけられないうちに、また、石油備蓄が最多の時に開戦すべきだとする軍部は、ハル・ノートを「天佑」ととらえます。米国の強硬姿勢を口実に、開戦に持ち込めると踏んだからでした。Q:最終的に開戦の決定を主導したのは誰だったのでしょう。A:形としては大本営政府連絡会議と閣議決定によって開戦が決定されたので、軍と内閣双方の一致がありました。しかし、意思決定に至る状況判断において、軍と文官では情報に大きな非対称性があったと思います。東郷外相でさえ、開戦が12月8日で攻撃地点は真珠湾とマレー半島だ、と12月1日まで知らされていませんでした。陸海軍はグルー米国大使がワシントンへ送った電報をはじめ、あらゆる暗号を解読していましたが、軍に不利になる情報は統帥事項として内閣に上げなかった。この点、日清、日露といった過去の戦争が伊藤博文など元老の指導下になされたのとは対照的です。Q:専門家が知識を独占していた点では、原発推進の過程と似ているような気がします。A:どちらも専門家が無謬性の神話にとらわれ、外部の批判を許さない点で共通しています。軍部は、日露戦争の戦勝を神話化し、自国軍の能力を客観視する目や、欠陥を指摘する人々を排除していきました。原発も安全神話ゆえに、最悪の場合の想定を行わなかったのでしょう。Q:多くの国民が開戦を明るく受け止めたことを指摘していますね。A:目的の見えない中国との戦争と違い、開戦後3日間で英米の戦艦10隻を沈めた事実などが大きいでしょう。日本人にとって戦争とは、勝利することで不平等条約状態から脱出を図れたという、力のリアリズムとしてプラスに理解されてきたはずです。屈辱を強いられてきた日本が、武力によって国際環境を自国に有利に切り開く、このような自己イメージだったのではないでしょうか。 30、40年代の日本の空気は、いまの中国に似ているように思います。中国は、環境・資源・貿易・資本のルールを押しつけてくる米国にいらだっている。自分たちのやり方ではなぜダメなのか、軍備を増強するとなぜ非難されるのか、と不満を持っているはずです。Q:戦争回避の失敗から、現在の日本は何を学ぶべきでしょうか。A:日本は、背負ってきた近代そのもの、明治以来の歴史全体を否定されたと考えて対米戦争に踏み切りました。原理的な対立が起きた時、どこまで退却しうるか、大正デモクラシー期に戻るか、など具体的な歴史イメージを豊かに持っておくことが大切でした。そうしたイメージを持っていない今の日本社会の状況が、昔のこの時代に似ていて心配です。<取材を終えて> ネットには、「真珠湾攻撃は謀略だった」という説があふれている。真犯人は米国。陰謀論はいつも単純明快だ。だが歴史家の話は逆だ。次々と人名が登場し、史料が引用され、細部にいり込む。検証に検証を重ねて、やっと事実が浮かび上がる。歴史に向き合うには、単純化の誘惑を退け、入り組んだ道を辛抱強くたどるしかないのだろう。(聞き手:尾沢智史)たまたま、加藤教授がサイパン島を訪ねるNHK番組を見たことがあるんですが、その戦略的視点と平和主義的言動には目を見張る思いがしたものです。原発もあの戦争も、「負けるまで」メディアも庶民も賛成だった? ところで・・・・だいたい海兵隊という部隊は、宣戦布告前に先制攻撃をかける部隊であり・・・・日本の抑止力というこじつけには若干疑問もあるわけですね。映画「アバター」を見た後だけに、特にそう感じるのです。
2012.02.08
コメント(0)

FRBのグリーンスパン前議長たちが主導した金余り金融政策により世界はもとより、アメリカ自身も疲弊し、機軸通貨ドルがゆらいでいる今・・・・・「通貨マフィア」のひとり、元財務官の行天豊雄さんへのインタビューです。(大使の勉強も兼ねて、朝日新聞より転記しました)元財務官の行天豊雄さんへのインタビュー <ドルの落日>(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、2/7朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)Q:外国為替市場の混乱が収まりません。円はこの1年で、戦後最高値を何度もぬりかえています。A:通貨変動の最大の原因は、米国という最大の原因は、米国という疑問の余地のない超大国がなくなったからです。戦後世界はよかれあしかれ米国の一極支配。ドルは米国の圧倒的な優位を支えとして、機軸通貨であり続けた。その米国経済がだんだん弱ってきた。稼ぐ以上にお金を使う宿あのような過剰消費体質に加え、金融や情報の役割りがとても大きくなり、実体経済を支えている生産や投資が力を失った。世界の貿易や生産に占める米国のシェアは下がり、ドルも信用できないという感じがじわじわ出てきています。 今の超円高についていえば、物価下落が続くデフレに日本経済が陥っている限り、購買力が増した円が買われて円高になる、という要因も有ります。しかし根本には、米国の覇権的な地位の低下がある。Q:そのことを米国自身は自覚しているのでしょうか。A:サブプライム危機以降、経済と社会を再生しないといけないという意識は強まっています。これまでは、機軸通貨国だから、財政や貿易の収支が赤字でも自分でドルを刷ればよかった。世界中からお金が集まってくるのをいいことに、膨大な借金で身の丈以上の消費をしてきたが、それはもはやできない。ドルが機軸通貨でなければ、借金が積み上がることはありえなかったわけで、米国はいま、機軸通貨を利用しすぎた代価を払わされている。Q:ドルが暴落する恐れは。A:米国の力が弱ってきたのは確かですが、まだドルに代われそうな通貨はない。ドルが売られて暴落すると唱えた人は何人もいたけど、結局、その予言は当っていない。各国の外貨準備っをみるとユーロはドルに次いで2番目に多いが、機軸通貨になる可能性はゼロでしょう。ユーロ圏の人たち自身が欧州の共通通貨で十分と考えている。今回の債務危機で、税や予算など財政面の統合ができないままでは共通通貨すら難しいことがわかりました。Q:人民元はどうですか。中国は米国と覇権を争う姿勢です。A:中国は、米国という一国の金融政策のもとで管理されているドルを、世界中が使わされているのはおかしいと明言している。貿易の決済に人民元を使い、資本規制を緩め、上海を国際金融センターにすることで、人民元を主要な国際通貨の一つにしようとしているのは確かです。 ただ、機軸通貨にしようとまで思っているいるのかどうか。中国は人民元をドルに事実上、固定してきた。人民元の相場を割安に抑えることで輸出を増やし、稼いだお金を資源の確保や途上国の援助などに戦略的に使う方が得だと思っているのでしょう。成長戦略とのかねあいで、為替政策も極めて現実的に考えている。Q:ドルが没落し、ユーロも人民元もとって代われないとすれば、通貨は無極化するのでしょうか。A:ポンドからドルへの機軸通貨の転換には、英国の衰退から約50年かかった。今後数10年はドルが一番使われる通過として残るでしょう。ドルに加え、ユーロ、ポンド、円、人民元が通貨の「新G5」になる。この5大通貨国・地域が話し合う仕組みを考えておく必要がありますね。Q:米国は機軸通貨国としての責任を果たしていますか。A:ドルの通貨価値を安定させることは重視してきた。ただ、米国にとって通貨の安定とは、国内のインフレをコントロールするということ。ドルとほかの通貨の関係には関心がなかったのではないかな。実話かジョークかわかりませんが、ロンドンで通過会議があった時、英国の蔵相が隣にいた米国の財務長官に「今朝のドルの相場はどうだね」と聞いたら、財務長官はきょとんとして「1ドルは1ドルだ」と言ったという。そうしたドル中心の天動説のような感覚があったのは確かです。Q:米国は「強いドル」とか「ドル安容認」とか為替政策を国益優先でやり、日本も振り回されました。A:ただ、米国も、世界が相互に依存しあう関係になったいることを身にしみて感じているはずです。いまの金融緩和策にしても、あふれたドルが海外に流れ、原油価格などが上がって米国でも大騒ぎになった。国際的にもインフレの輸出だと批判されている。失敗したという自戒の念が出てきていると思いますね。Q:米国は1971年に、ドルと金の交換を停止しました。その後、主要通貨は変動相場制(フロート)に移り、通貨価値の調整を市場にまかせました。それは正しかったか。A:好んで変動相場制にしたわけではない。ドルの値打ちが下がって固定相場制がもたなくなり、残された道がなかった。金と交換する必要がなくなったドルを膨張させ、経済成長をはかる麻薬みたいなもの、と危ぶむ人も多かった。でも変動相場制にすれば、黒字国の通貨は上昇し、赤字国の通貨は下落するから、貿易不均衡は自動的に調整されるはずだという理屈で正当化したんです。ところがそれが実現しなかった。Q:計算があったと。A:もう一つ予想外だったのは市場の肥大化です。アングロサクソンの市場で起きた金融改革が世界中に広がった。情報技術(IT)と金融技術が進歩し、デリバティブ(金融派生商品)や証券化商品がどんどん開発された。さらに米国を筆頭に成長維持のための金融緩和が続き、お金が市場にあふれた。いま通貨の取引規模は1日に3兆ドルにもなっている。世界の国内総生産(DGP)が年間で60数兆ドルなのに。モノやサービスなど実体経済の決済はわずかで、少しでも高いリターンを得ようとお金が世界中を動き回っている。Q:モノ作りの力が落ちた米国が金融で稼ごうと金融自由化を各国に迫り、市場を肥大化させたのでは。A:市場は自由にしておけば大丈夫だ、金融工学でリスクは管理できるという根拠のない過信があった。そうした考え方の象徴が、グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長でした。Q:85年のプラザ合意以来、日本は米国の政策につきあいすぎた、という反省はありませんか。A:我々も米国の財政や貿易の赤字には危惧を抱いてきました。だが、機軸通貨国であるのみならず、世界で一極支配的な力を持った米国の政策を変えられる国はなかった。特に日本の場合、自動車など雇用の裾野が広い輸出産業が米国市場に依存している。日米安全保障条約もある。米国に圧倒的に頼ってきたから、日本は切れるカードもなかった。Q:巨大なモンスターのようになってしまった市場をコントロールできるでしょうか。A:もうパンドラの箱は開いてしまった。市場を完全に管理するというのは不可能です。ただ、ITと金融の発展が、世界経済にプラスになった面があることも間違いない。グローバル化と金融情報化の流れがもとに戻ることはないのだから、各国が協力して、行き過ぎたマイナス面を少しでも減らしていくしかない。Q:不安定な市場の動きが続かざるを得ないということですか。A:変動相場制のもとでは、為替相場の安定、金融政策の独立、資本の移動の自由の三つを同時に実現するのは難しい。金融規制や政策協調で対応していくしかない。各国で話し合って金利差を調整したり、市場に介入したりすることで、少しは影響を与えることはできる。ただ、経済がグローバル化した以上、一つの国だけがいつまでも勝ち組で残り、ほかは負け組ということにはならない。その認識を共有しなければ。Q:世界で強まった自国の利益を優先する姿勢を変えられますか。A:突き詰めれば、民主主義が、資本主義や市場をどこまで管理できるかということです。資本主義である以上、利益の極大化は否定できないが、それを無条件で認めるのか。人間のつながりというものを市場経済の中で再生できないか。日本でも初期の産業資本主義のころは、事業は世のために役立たないといけないといういう信念が経営者にあった。東日本大震災でも、被災企業を競争相手が技術者を送り込んで支援しました。しかも何の対価も求めずに。そうした資本主義もあり得るということを理論的に体系化し、日本が世界に示していくことも必要でしょう。<取材を終えて> ドルが誰でも疑わずに使える機軸通貨だというのは、一種の共同幻想だったのではないか。行天さんの話を聞きながらそう思った。米国の経済力という裏づけを失い、幻想は崩れた。ドルの代わりはなく、世界共通通貨も夢物語だ。肥大化する市場で漂流する通貨を再び安定させる「錨」は何か。それが見えてこない。(編集委員:西井泰之、尾沢智史)経済がよくわからない大使が、FRBという猫に、金融取引税という鈴を付けるにはと思い悩んでいるさなか・・・FRBのバーナンキが、またインフレターゲットで低金利を発表したとか。
2012.02.07
コメント(0)

3D映画を見たことがないのに、へそ曲がりの大使は3D映画が嫌いである。・・・で、「アバター」を不当に低評価して今まで見ていなかったのだが、3Dのほとぼりも冷めた頃ということで2DのDVDで「アバター」を観たのです。(2Dでも充分に面白かった)【アバター】ジェームズ・キャメロン監督、H24.2.6観賞<大使寸評>この映画でマッチョな海兵隊が壊滅するのが、大使には小気味いいのだが・・・・アメリカの映画界や観客に非対称戦争や環境破壊に嫌悪感があるようだから、ハリウッドは意外に健全なのかも・・・・と思ったのです。goo映画アバター22世紀、鉱物資源に恵まれた「パンドラ」という星でのお話です。地球人たちはこのパンドラに眠る「石」を狙っている。この土地には、原住民である「ナヴィ」という種族が住んでいた。下半身不随になり、車いす生活を送るジェイクは、衛星パンドラにやって来る。彼は人間とナヴィ族のハイブリッドであるアバターに変身して、単身惑星の奥深くに分け入って行く。慣れない土地でこの地の獣に襲われていた彼は、ナヴィ族の王女・ネイティリに助けられる。人間たちはその場所からナヴィたちを立ち退かせようと攻撃を仕掛けたが・・・・・その結果、マッチョな海兵隊が壊滅するのです。(ほんとに、海兵隊の隊長はいやな奴である)それにしても、翼竜と意志を通わせて飛び回る飛翔が・・・素晴らしいですね♪この映画を見て思うのだが・・・・ハリウッドの感性に違和感はあるが、ハリウッドは思っていたよりは健全だったのかもしれないということです。ジェームズ・キャメロンの旧作『エイリアン2』のテイストが感じられるのは当然だとしても、その他に大使は次のような作品を思いだしたのです。ドキュメンタリー映画『ガスランド』、クラークの『地球幼年期の終わり』、『ブラックホークダウン』、『天空の城ラピュタ』、『となりのトトロ』、『獣の奏者』、『ジャングルブック』、押井守『アヴァロン』、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』・・・・など。ジェームズ・キャメロンは日本のアニメが好きなのかもしれませんね。
2012.02.06
コメント(2)
このところ頭を巡る二つの言葉がある・・・「独裁は民主主義の必然」と「世界の中国化」であるが、いずれの言葉も朝日新聞のインタビュー欄(下記)で見つけた言葉である。・「独裁は民主主義の必然」・・・・佐伯教授(京大)の12/2橋下現象は必然 より・「世界の中国化」・・・・與那覇准教授(愛知県立大)の2/1日本は「中国化」しつつある よりこの二つが繋がるものとして・・・・中国がよりどころとする規範は孔子思想または「共産党の権威」であり、橋下さんのよりどころは「自己の正義」である。・・・・・そして、どちらも「一君万民」という側面をもつのが怖い気がするのです。だが、希望がないわけではない・・・・與那覇さんは「中国とは進歩はなく反復しかない世界」とも言っており、この考えを敷衍すればいずれ共産党政権は倒れると読みとれるわけで・・・・これが、せめて大使の存命中に起きることを切望するわけです。與那覇准教授は、さらに続けて言います・・・中国は宋代に大変な経済発展をしても、むしろ皇帝独裁が進んだ。経済だけが自由化されて政治は独裁のままというのは、中国史の文脈では矛盾しないので、なかなか民主化を求める人々の声が届かない。・・・・国家資本主義あるいは、共産党の命脈はしたたかなようですね。(だけど、明けない夜はないのだ!)閉塞した現行システムに手をつける橋下さんについては、もうしばらく様子を見てみましょう。橋下徹ウェブサイト
2012.02.06
コメント(0)
パナソニックの7000億円という大赤字を見るにつけ・・・・円高を押し付ける米英主導の自由市場では日本の輸出産業がいくら頑張っても利益を出せないカラクリとなってしまったと思うわけで・・・・・製造業の利益が米中などのファンドや機関投資家達に吸収される現状のカラクリに手をつけないかぎり、日本の製造業の未来はないと思うのである。2/3<パナソニック>赤字7000億円…3月期予想、過去最大よりパナソニックの12年3月期の連結最終(当期)赤字が7000億円超となる見通しとなった。三洋電機を買収した際に発生する多額の「のれん代」(ブランド力や販売競争力などへの対価)を一気に会計処理することに加え、タイの洪水被害や欧州債務危機などによる採算性の悪化を反映させる。10月に公表した連結最終赤字4200億円を大幅に下方修正し、02年3月期の4277億円を上回る過去最悪の水準。連結最終赤字は2年ぶり。ただ営業利益の黒字は確保する見通しだ。 パナソニックは薄型テレビの販売が振るわず、半導体事業の不振もあって業績が低迷。昨年10月には、テレビ事業の縮小など構造改革費用5140億円を計上し、4200億円の最終赤字となる見通しを発表した。しかし、欧州債務危機による世界的な景気悪化の流れを踏まえ、経営体力のある現時点で、三洋の「のれん代」を償却する方向で調整に入った。また、タイの洪水被害が予想以上に長引き、本業に影響が及んだ。欧州債務危機に伴う円高・ユーロ安など為替差損もあって、営業利益は1300億円の見込みから、数百億円規模で減額する。 パナソニックは三洋電機、パナソニック電工と統合し、今年から新体制を始動。今期の最終赤字を一気に処理することで、「過去のうみを出し切り」(主力行幹部)、環境・エネルギー事業を軸に立て直しを図りたい考えだ。つまり、FRBのバカタレが独尊的にドル札を刷りまくる自由市場という土俵で、中国が国家ファンドをバックにして短期収奪的な物造りをすれば、日本は勝てないと思う。やはり、金余り市場に箍をはめる必要があるわけで・・・FRBが嫌がる金融取引税を推進する必要があるのだろう。ではFRBという猫に、金融取引税という鈴を付けるには、どうすればいいのか?それが分かれば、苦労はないが・・・・・とりあえず、金融取引課税「トービン税」の問題点を読んで考えてみます。金融取引課税「トービン税」は世界経済の劇薬である小川英治より<「他国がわれわれと一緒に動かなければ、英国は動かない」> このような議論の中で、イギリスのブラウン首相が、国際的な金融機関の破綻に備えて、国際的な仕組みを構築することの必要性を説いた。国際的な仕組みの提案の中には、破綻処理ファンドや自己資本規制強化や国際的な金融取引課税などが含まれている。とりわけ、国際的な金融取引課税の提案は、ノーベル経済学賞受賞者の、アメリカの経済学者であるジェームズ・トービンが、今から37年前の1972年にプリンストン大学でのジェーンウェイ講義において提案した通貨取引課税と類似するものなので、トービン税の導入ということで、マスコミに大きく取り上げられた。 トービン税と呼ばれた通貨取引課税は、1日に何度でも取引するデイトレーダーのような投機家による投機目的の外国為替取引を抑制するために、その取引に対して一定率の課税をしようというものである。それは、車輪とレールとの間に砂を撒いて、摩擦を高めて、車輪の滑りを抑制しようとすることになぞらえられる。通貨取引課税を導入することによって、通貨取引の回数を減らし、為替相場の乱高下を抑制しようというものである。ブラウン首相が提案する国際的な金融取引課税も、投機目的の取引を抑制することに加えて、そこで得られた税収を、国際的な金融機関の破綻に備える資金源にしようという、一石二鳥をめざしたものである。 投機抑制を目的としたトービン税を、投機とは関係ない地球環境のために利用しようという「目的外使用」であることは否めない。日本においても、環境省が地球環境税等研究会において、地球温暖化対策の資金調達手段としてトービン税を発展させた、トービン・シュパーン税、通貨取引開発税、国際通貨取引税などが検討された経緯がある。 G20財務大臣・中央銀行総裁会議においては、このブラウン首相による国際的な金融取引課税に関する提案は、必ずしもすべての参加者から賛同を受けたわけではなかった。とりわけ、アメリカのガイトナー財務長官は、「日々の金融取引税は支持する用意のあるものではない」と発言して、「とどめの一撃を加えた」と、ファイナンシャル・タイムズ紙は報じている。さらに、ガイトナー財務長官は、このような国際的な金融取引税が支持される条件の一つが、「他国がわれわれと一緒に動かなければ、英国は動かないであろう」と言ったことから、「問題は終わった」とも同紙に報じられている。 この「他国がわれわれと一緒に動かなければ、英国は動かないであろう」という発言は、まさしくトービン税が37年前にトービンによって提案されて、長い時間を経ても実現することのできない最大の理由となっている。 トービン自身も指摘しているトービン税に関する問題点が二つある。その一つは、前述したガイトナー財務長官の発言と関係する。そもそも金融取引や通貨取引は、貿易取引とは異なり、船舶や飛行機で輸送するというような費用はかからない。トービン税が提案された70年代から指摘されていたことであるが、とりわけ、情報通信技術が急速に進展した現代の情報化社会においては、極めて低い費用で、無限大のスピードで、換言すれば、一瞬のうちに地球の裏側に送金することができることから、金融取引や通貨取引に関する物理的な取引費用は極めて低い。<トービン税を回避するための「いたちごっこ」とは> ゲーム理論においては、このような状況は「協調の失敗」と呼ばれる。このことが、まさしくガイトナー財務長官が発言した「他国がわれわれと一緒に動かなければ、英国は動かないであろう」ということである。 トービンが指摘したもう一つの問題点は、金融監督当局がトービン税の課税対象となる金融取引や通貨取引を決めても、トービン税を回避するためにその対象外の金融取引や通貨取引、さらには、他の代替的な金融商品取引が開発されてしまうということである。そうなれば、金融監督当局はそれを追いかけて、さらに課税対象を広げるというような「いたちごっこ」が始まってしまう。このような「いたちごっこ」は、金融監督の仕事を増やしたいという金融監督当局(そのような金融監督当局はないと信じるが)にはよろしいかもしれないが、経済は確実に非効率的になっていく。悪いことに、経済が非効率化したとしても、トービン税の税収は確保できないということになりかねない。 何らかの規制や課税をしても、経済になんら影響せず、無駄だったというだけであれば、(日本の現政権の「事業仕分け」の対象となるかもしれないが)経済学的にはまだ許せるかもしれない。しかし、トービン税の場合には、期待した効果が上がらないにもかかわらず、資金移動の歪みを生じさせるとか、経済を非効率化させるとか、デメリットのほうが大きいことから、問題点が多い。このように、トービン税が問題の多い課税であることは、この37年間に議論されてきたところではあるが、そのことを再認識する必要があろう。ウーム・・・小川英治さんの説明では、トービン税の問題が上げられるばかりで建設的とは思えないのです。もう少し建設的な論調を探してみます。
2012.02.05
コメント(0)

大学図書館で、たて続けにDVDを観たのです。見た映画のテーマというか傾向とは何か?何のことはない、個人的に見逃した名画、迷画集ということで・・・・まことにすまんことです。・未来世紀ブラジル 1月23日観賞・パンズラビリンス 1月25日観賞・ミリオンダラーベイビー 1月27日観賞・アヴァロン 1月28日観賞・パリ、テキサス 1月31日観賞・アヒルと鴨のコインロッカー 2月2日観賞【未来世紀ブラジル】テリー・ギリアム監督、H24.1.23観賞<大使寸評>未来は徹底的な管理社会で、金持ちはアンチエイジング(若返り)なのか・・・・誇張されているとは言え、お先真っ暗な未来に暗然とします。goo映画未来世紀ブラジル【パンズ・ラビリンス】ギレルモ・デル・トロ監督、H24.1.25観賞<大使寸評>パンは羊の角を持つローマ神話の神とのこと。とうとう牧畜の文化を持たなかった日本にとって異質な神とも言える。goo映画パンズ・ラビリンス【ミリオンダラー・ベイビー】クリント・イーストウッド監督、H24.1.27観賞<大使寸評>マッチョだけど弱い者の味方という(桃太郎のような)イーストウッドの基本を押さえた作品です。終わり方が静かすぎるのはやや拍子ぬけという感もあるが、これがいいのかも知れません。goo映画ミリオンダラー・ベイビー【アヴァロン】押井守監督、H24.1.28観賞<大使寸評>日本人監督、スタッフによるポーランド映画という感がするレアな映画である。オンラインゲームに興味がない者にとっては、魅力が半減するのでは?goo映画アヴァロン【パリ、テキサス】ヴィム・ヴェンダース監督、H24.1.31観賞<大使寸評>出だしは、同じくドイツ人監督の「バクダッド・カフェ」のようにドライな不条理感あふれている。しかし、だんだんと「エデンの東」のような母親探しになり、ウェットになるのが意外でした。goo映画パリ、テキサス【アヒルと鴨のコインロッカー】中村義洋監督、H24.2.2観賞<大使寸評>観客をもてあそぶような意外な展開は、原作によるのか、監督によるのか?伊坂幸太郎の原作はまだ読んでいないが、周到なプロットとプロット明かしがあるだろうと構えて見たけど・・・見事にだまされたのです。goo映画アヒルと鴨のコインロッカー詳細な感想は観賞日あたりの日記に綴っているので、ご笑覧ください。なお今後の観賞予定です。お奨めがあればご一報ください。(気が向けば観賞します)・アバター 2月5日予定・オールドボーイ・悪人・ATG作品
2012.02.05
コメント(0)
米国防長官はイスラエルのイラン核施設攻撃を批判しているわけでなくて、攻撃が実行された場合に備えていると伝えられているようです。つまり、攻撃を黙認するつもりなんでしょうね。イスラエルの核施設攻撃は、イラクに対する成功例があるように・・・・かなりの実力、信憑性があるわけで、イランは今後どう対応するのでしょうか?2/3イスラエル、4~6月にイラン攻撃も 米国防長官危惧と米紙より米紙ワシントン・ポスト(電子版)は2日、イスラエルのイラン核施設攻撃が今年4~6月に実施される可能性が高いと米国のパネッタ国防長官が分析していると伝えた。イスラエルは、イランが間もなく地下施設に高濃縮ウランの貯蔵を完了し、米国以外に軍事攻撃が不可能になることを危惧しているという。 AP通信によると、パネッタ長官は滞在中のブリュッセルで記者団に対し、報道内容を肯定も否定もしなかったという。 ポスト紙の記事は、安全保障問題などで著名な記者のデビッド・イグネイシャス氏が執筆。「パネッタ氏はイスラエルが今年4~6月、イランを攻撃する強い可能性があると信じている」と伝えた。情報源は明らかにしていない。 記事によると、イスラエルは「短期間の戦争」を想定しており、限定的な攻撃をイランに加え、国連の仲介で停戦に至るシナリオを描いているという。 オバマ大統領は繰り返し「軍事行動も選択肢として排除しない」と強調しているが、まずは経済制裁の成果を見極めるべきだとの意見が政権内では主流で、イスラエルにも自制を求めているとみられる。 記事は「攻撃の最終判断を(イスラエルの)ネタニヤフ首相が下したと米政府は考えていない」と指摘する一方で、攻撃が実行された場合に備え、イランによるホルムズ海峡封鎖や米関連施設への報復攻撃について、対応策を検討していると伝えている。歴史的に見れば、十字軍連合がイスラム国家に防衛的な先制攻撃を行うことになるわけだけど・・・・日本は、核の脅威はさることながら、この宗教的な側面を無視してはいけないと思うのだが。イスラム教、キリスト教に染まらない大国といえば中国と日本くらいなもので、日本はこのフリーハンドを有効に使える立場にいるんですけどね。でも、そんな限定戦争より『"ホルムズ海峡"波高し? 私たちの暮らしも大ピンチ!??』のほうが身近に影響しますね。中東メディアから、イランの防衛体制、核開発に関する2/2付けイスラエル軍高官発表を見てみると、20万基のミサイルがイスラエルを狙っているようです。通常型ミサイルだとしても、桁数を疑うような数ですね。2/2約20万基のミサイルが常時、イスラエルを狙っているの概要イスラエル軍情報部Aviv Kochavi部長は、イスラエルを狙っているミサイルは現在20万基に達しているが、イスラエルはこれに対処できると陳べた。また、イランは現在4tの低濃縮ウラニュームと約100kgの20%濃縮ウラニュームを保有しており、これらすべてを90%の濃度にまで濃縮すれば、4個の原爆に必要なウラニュームとなる。そして、それから核爆発物を製造するには約1年を要するだろうと陳べた。イスラエルのイラン爆撃計画が興味深い。
2012.02.04
コメント(2)
日本は「中国化」しつつある。ムム!聞き捨てならないヘッドラインに惹かれて朝日のオピニオン欄を読んだのです。そして、「新自由主義の先駆が中国化である」という発想に、なるほどと思った次第です。愛知県立大準教授(日本近現代史)與那覇潤さんへのインタビュー <日本は「中国化」しつつある>より(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、2/1朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)Q:今の日本が中国化していると主張していますね。A:「西洋化」したはずの日本に閉塞感が広まっているのは、その内実が「中国化」だったからというのが自分の見解です。「中国化」は1千年前の宋朝に始まった「中国独自の近代化」のことです。 宋朝で起きたのは、経済の自由化と政治の集権化の同時進行。科挙による官僚登用の全面化で、貴族制度を全廃し、皇帝が権力を独占した。 一方で農民にまで貨幣使用を行き渡らせ、市場で自由に競わせる体制にした。1980年代の英米や日本の小泉改革のような新自由主義に似ています。トップダウンで競争原理を導入し、結果の平等を犠牲にしても成長を追及する。Q:日本はそうした変化の面では中国より遅れていたと。A:中世に中国化の芽はありました。宋銭を使って貨幣経済の導入を図った平家の政権や、中央集権や日明貿易を進めた足利義満が典型です。でも頓挫し、規制(身分)と共同体(ムラ)で生活を保障する江戸時代の体制になった。 ようやく明治維新で、身分制の廃止、試験による官吏登用、廃藩置県による中央集権、職業の自由化などの中国化が行われ、議会政治など西洋化も進みます。中国化が遅れたため、中国化と西洋化をたまたま同時にできたのが日本の「成功」の理由です。Q:それなら明治の時点で中国に追いついたのでは。A:ところが昭和初期に「再江戸化」が起こる。終身雇用企業という新しいムラができ、生活保障を担う「江戸時代のアップデート版」になった。バブル後に日本的経営が崩壊して「江戸時代」が終わると、再び中国化へ傾いた。小泉純一郎さんや橋下徹さんの政治が賛否両論をよぶのも、いわば「中国的な民主主義」だからでしょう。Q:どこが中国的ですか。A:民意という名で道徳感情に火をつけ、巧みに活用する点ですね。中国と西欧の政治の違いは、権力の暴走をコントロールする方法です。西欧は「法の支配」によって、議会が制定した法で王権を縛った。中国では「徳治」を掲げてモラルで縛る。強すぎる皇帝に対し、儒教道徳の体現者にふさわしい統治を、という期待で制御しようとした。 55年体制下の日本の政治家は、業界団体や労働組合などの「ムラ」の組織票が権力の源泉でした。組織が弱体化した今は、もう移り気な民意に頼るしかない。小泉さんも橋下さんも、既得権益という「悪」を設定して、それと闘う自分を「徳治者」に見せることで支持を得る。首相公選制など、行政の長との一体感を求める声が高まるのも、西欧的な議会政治がまどろっこしくて、むしろ中国式に「私利私欲を超越した道徳的なリーダーに全部任せよう」という「一君万民」的な方向へ向かっているからでしょう。Q:日本も「徳治」の国になりつつあると。A:ただ、徳治は為政者の道徳観が絶対的に正しいことが前提なので、価値の多元性を認めない。統治者と違う価値観に対しては、冷たい国になる危険が伴います。小泉さんや橋下さんのように「選挙で勝った以上、自分の考えこそ民意だから、妥協は必要ない。文句があるなら次の選挙で降ろしてみろ」ということになる。Q:今の中国共産党は徳治をしているのでしょうか。A:あれだけ資本主義になっても、建前だけは共産主義という「道徳」の看板を降ろさないのは、ある意味で徳治の伝統が生きているとも言えます。宋朝から千年間やっているから、建前と実態にギャップがある状態に国民が慣れきっているのでしょう。日本人はその点ウブで、本気で為政者のモラルに期待して、そのつど本気で絶望しちゃうから、政権が安定しない。Q:経済成長しながら、中国共産党が政治権力を独占する体制は不安定に見えます。A:いや、むしろ「経済発展が進めば、議会政治が定着して民主化が進む」という発想のほうが、フランス革命以降に作られたストーリーだと考えるべきなんです。中国は宋代に大変な経済発展をしても、むしろ皇帝独裁が進んだ。経済だけが自由化されて政治は独裁のままというのは、中国史の文脈では矛盾しないので、なかなか民主化を求める人々の声が届かない。Q:新自由主義の先駆が中国化なら、米国や欧州も中国化していくのですか。A:実際、徳治とは真逆の政教分離が西洋近代の特徴だったはずなのに、米国では新自由主義に並行して宗教原理主義の影響力が強まってきた。 欧州のポストモダン思想や環境政党の躍進などにも、政治の再道徳化とみられる側面があります。冷戦が終わったころのジョークに「社会主義とは資本主義への一番遠い回り道だ」というのがありましたが、西欧型の近代化は、実は中国化への一番遠い回り道だったのかも知れません。Q:世界の中国化は、人類に何をもたらすのでしょう。A:真の意味で「歴史の終わり」になると思います。中国では宋以降、王朝交代は起きても、「国のかたち」は変らなかった。明朝と毛沢東時代だけは例外的に共同体を強化する方向に行きますが、結局もとに戻った。進歩ではなく反復しかない世界。それが今日の閉塞感の源泉です。<取材を終えて> すごく面白い話だったが、いくら何でも極論ではないかと思えたのも事実だ。ところが與那覇さんは、「僕が作ったのは『中国化』という表現だけで、内容的には歴史学の常識です」という。最新の研究成果を組み合わせると、これまで常識だと思っていた「日本の近代化」がまったく違った姿に見えてくる。歴史学恐るべし。大学受験以来ごぶさたしている日本史や中国史をもう一度きちんと勉強し直したくなった。(聞き手:尾沢智史)與那覇さんは「中国化は歴史学の常識」、「中国は反復しかない世界」とサラっと言うが・・・・その希望のない冷徹な認識に、どっと力が抜ける大使であった(ハー)こうなれば、いくらかでも中国化に逆らうことに注力するしかないようです。與那覇さんの歴史学者としての客観性には恐れ入ったが、梅棹忠夫の客観性には歴史学専門でないだけに、もっと希望が見られるような気がするのです。関川夏生氏の弁を紹介します。梅棹忠夫は、日本の封建制を高く評価した。江戸期に成熟を見た封建制こそ「日本文明」の母であるというその言説は、封建時代イコール「悪」という戦後時代的通年をさわやかに破った。そうして、たとえば司馬良太郎の歴史地理紀行『街道をゆく』に深い影響を与えた。ベランダに出れば・・・・木枯らし途絶え~て、冴ゆる空より~冬の大三角形がくっきり見えます・・・・明日はいいお天気のようです♪
2012.02.03
コメント(3)

リタイアして一年以上も過ぎ・・・「暇やから仕事でもするか?」ということでシルバー人材センターへの登録を考えないでもないが。図書館で借りた「ワークルール・エグゼンプション」を読むと・・・・シルバー人材センターの仕事が、民間労働者の雇用を奪ったり、受注額のダンピング競争を引き起こしたりするという、罪な側面があることを初めて知りました。【ワークルール・エグゼンプション】脇田滋編著、学習の友社、2011年刊、11年2/3読破<「BOOK」データベースより>残業代不払い、最低賃金以下、突然の解雇、安全基準以下、社会保険未加入、団交拒否…どれも違法行為だ。これを「違法」にしないウルトラCがある。「労使関係はない」「これは労働ではない」として、最初から労働関係の法律を適用しないことにしてしまうのだ。本書では、「適用されない労働法規」という観点から、実効ある「働くルール」のあり方を考える。 <目次>第一部・守られない働き方1.「生きがい就労」には雇用のルールはなじまないのか―シルバー人材センターの問題点2.福祉的就労に従事する障害者は労働者ではない?―障害者の就労と労働者保護3.医師「聖職者」論がまかり通る病院―勤務医、研修医、大学院生の労働問題4.違法な天引きや労災時の使用者責任はどこに?―新聞奨学生の労働問題 5.分刻みに行動を管理されても労働者でないとは!―NHK受信料の集金現場6.夢を追うクリエーター意識を利用した過酷な働かせ方―アニメ・ビジネスの現場から7.使用者もあいまいで個人事業主を偽装される「銀座ルール」―ホステスの労働問題8.名ばかり個人事業主の労働者性を認めさせる裁判へ―商品個配労働者の戦いから9.生産組織に組み込まれた建設職人―建設業における個人請負労働者問題10.労働基準法を使えなくした家内労働法―靴工家内労働者の働き方から11.家事使用人に適用されない労働法規―フィリピン人女性家事労働者を例に第二部・ 労働法抜本改正、実効性のある「働くルール」の確立に向けて1.労働法を無視する雇用慣行の広がり2.労働者保護をめぐる国と使用者の責任3.労働法の規制緩和と脱法形態の蔓延4.個人請負労働者保護をめぐる課題Amazonワークルール・エグゼンプションハローワークやシルバー人材センターに行ったことがないので、世情に疎いのですが・・・・この本の目次を見るだけで、世情は過酷で貧困な仕事オンパレードになっているのが分かりますね。孫への小遣い稼ぎという感覚で働く高齢者も多いが、地域の賃金相場を押し下げるという・・・・恐い話になっているわけで、このあたりを心しておきましょう。ちなみに、「シルバー人材センターの運営における問題点」の一部を引用します。 埼玉県三郷市では、市内公立小中学校の用務員業務を委託しているシルバー人材センターとの契約について、校舎内外の清掃や樹木の管理、簡易な修理、来校者への接待、門扉の開閉、給食の準備・片付けなど、市が直接雇用する用務員と同じように働いており、埼玉労働局から違法な「偽装請負」だと指摘されたため、その是正指導を受けて7月に契約内容を大幅に変更しました。同じようなケースは東京の学校でも起きていて公共一般が改善交渉を行ったことがあります。 東京都江東区豊洲にある大型スーパーで働くAさんは、現在はシルバー人材センターの委託で働いていますが、以前は同じスーパーのパート労働者として時給1000円で働いていました。店の人から、シルバー人材センターとの契約になったのでそちらの身分で働いてくれと突然言われ、自給が950円に引き下げられ、さらにシルバー人材センターの会費、事務経費が差し引かれるようになりました。非常に不満だったが他に働くところもなく我慢している、と本人は言っています。
2012.02.03
コメント(2)

伊坂幸太郎原作、中村義洋監督の「ゴールデンスランバー」が面白かったので、同じコンビによる「アヒルと鴨のコインロッカー」を見たわけです。【アヒルと鴨のコインロッカー】中村義洋監督、H24.2.2観賞<大使寸評>観客をもてあそぶような意外な展開は、原作によるのか、監督によるのか?伊坂幸太郎の原作はまだ読んでいないが、周到なプロットとプロット明かしがあるだろうと構えて見たけど・・・見事にだまされたのです。goo映画アヒルと鴨のコインロッカー前半では河崎の異常な振る舞いに振り回され、やや長すぎる前振りと思わないでもないが・・・・ブータン人留学生ドルジが実は山形県人であり、ドルジが河崎と自称していたことが中盤に明かされるわけです。(それはないでしょう伊坂さん)その中盤以降、俄然と面白くなるわけで、つまり映画は畳み掛けるわけです。河崎の転生を強く意識したドルジは、振る舞いも河崎そっくりとなり、以前と違い格段の勇気を発揮して・・・・警察抜きで復しゅうを果たすことになるのです。先日読んだ伊坂さんの短編小説「PK」でも感じたが、人としての尊厳とか勇気を芯に据えた伊坂ワールドが出現するわけですね♪河崎がドルジに、そして椎名に伝えたデュランの「風に吹かれて」とは、尊厳とか勇気を表す象徴でもあったんでしょう。そして、ブータン人の死生観でもある「輪廻転生」をテーマにした作品とも言えるのです。ちなみに、短編小説「PK」に呈した賛辞と苦情です。<「PK」賛辞>「勇気も伝染すると思う。明るい未来について語ろう」・・・・伊坂さんならではポジティブシンキングですね。3つのお話を行き来しながら、ラストで実を結ぶ構成は伊坂幸太郎ならではの鮮やかさなんでしょう。でも、ラストが冒頭のプロットに繋がるという構成は、気が利いているが・・・・この短編が再読を強いるというか、それほどプロットを凝らすと気楽に読めないことでしょうか。
2012.02.02
コメント(0)

出だしはモハベ砂漠あたりを歩くところや、ドイツ人監督ということで「バクダッド・カフェ」と同じであり・・・・一言もしゃべらないトラヴィスが、このあとパリに行くんだろうか?と期待が膨らむツカミがいいですね。ネタバレになるが・・・・テキサス州のなかにパリという町があるそうです(笑)【パリ、テキサス】ヴィム・ヴェンダース監督、H24.1.31観賞<大使寸評>出だしは、同じくドイツ人監督の「バクダッド・カフェ」のようにドライな不条理感あふれている。しかし、だんだんと「エデンの東」のような母親探しになり、ウェットになるのが意外でした。goo映画パリ、テキサス画像はキー・ホール・クラブでマジック・ミラーを隔てて、トラヴィスがジェーンに語りかけるシーンです。トラヴィスが息子を泊めたホテルと部屋番号を告げたあと、ジェーンは息子に再会することになります。トラヴィスがこの町を去るところでラストとなるわけですが、このせつない終わり方が大使にはウェットに感じられて、浪花節やな~と思ったのです。言い換えると・・・ドイツ人監督のこの浪花節的感覚は案外と世界標準なのかもしれないですね。(ただし、別れる理由があまり確としていないように思うのだが)「エデンの東」では、息子が売春宿を経営する母に会いに行くが、「パリ、テキサス」では子連れの元旦那がいかがわしいクラブに、元妻に会いに行くのが似てなくもないのです。「エデンの東」のほうは、バッドエンドであったが・・・・「パリ、テキサス」のほうは、ややせつないが、ハッピーエンドとなるのが救われます。記憶喪失していて、不条理劇のような冒頭部分から、弟の尽力もあり次第に記憶をとりもどし・・・・完全に記憶を取りもどしたときにウェットな別れが待っている。惹き込むようにこのあたりの変化を描いたのは、監督の手腕なんでしょう。
2012.02.02
コメント(2)
2月1日から楽天ブログの写真アップロード機能が変更となり、フォト容量が無料で5GBとなったが・・・・・大使が2002年に楽天ブログを始めたときのフォト容量は5MBであり、実に10年で1000倍の増量となったわけですね♪(2次曲線カーブが目に浮ぶようです)昨年12月には50MBの容量リミットにぶち当たった手元不如意の大使が、泣く泣く有料プラン20GBに移行した苦労は何だったんだ!でも無料で5GBなら、良しとしよう♪フォト容量は次のように変わってきました。・容量の合計が?MB以内、画像1枚あたり200KBで200枚まで(02年10月27日入会時)・容量の合計が5MB以内、画像1枚あたり50KBで100枚まで・容量の合計が15MB以内、画像1枚あたり50KBで100枚まで・容量の合計が50MB以内、画像1枚あたり100KBで枚数無制限・容量の合計が20GB以内、画像1枚あたり500KBで、1日あたり2MB(11年12月4日より)有料・容量の合計が5GB以内、 ブログ1日あたり画像5枚?(12年2月1日より)無料この間の進展は楽天の企業規模とサーバ容量が順調に増えていった事の表れだったとも言えるでしょうね。<H12年2月1日の感慨>楽天写真館と楽天ブログの連携がスタートし、フォト容量が無料で5GBとなったことには不満はないのです。楽天写真館は巷の写真屋のような機能であり、この機能があることは、有るにこしたことはない・・・・さんざん心配したけど、今回のリニューアルは、ま~いいんじゃない♪<H11年12月4日の感慨>フォト容量の変遷1より大使が楽天に入った頃は、フォト容量5MB、1枚あたり容量50KBであり、その容量は今では信じられないくらい貧弱であり、隔世の感があるのです。発足時の容量はうろ覚えですが、会員増加のあをりで能力が1/8にダウンしたときは、トホホなやりくりをしていた覚えがあるのです。それでは・・・・容量、枚数を気にせず、再出発だぜ♪ところで、野辺地町の車100台立ち往生とか、新潟空港が欠航となるドカ雪ですが・・・今年の降雪量のすごいこと。
2012.02.02
コメント(2)

NHKドラマ10の「タイトロープの女」が面白いので、放送途中ではあるがくだんの鑑賞フォームを作ってみました。(鑑賞フォーム作り自体が面白かったりして・・・コレコレ)【タイトロープの女】金子ありさ脚本、H24.1,2月観賞中<大使寸評> 社長令嬢が、心ならずも中小企業の社長となって負債をしょってしまう。ホステス上がりの義母との確執もあるという設定も面白い。ふだんテレビドラマを見ないのだが・・・・大使好みのドラマといえば、どうしても経済が絡むプロジェクトX風なものになるな~♪<金子ありさ氏インタビュー>より女性の場合、男性と比べてやはり、周囲の環境や社会の仕組みによってまだまだ翻弄されることが多いと思います。でも、昔から翻弄されながらも、たくましく生きて行くのも女性です。そんな女性のか弱さのなかの強さを描きたいと思いました。今回のドラマでは、お嬢様育ちで世間知らずの由梨が、運命の糸に巻き付かれて町工場を経営することになります。お嬢様の由梨から、借金をかかえた会社の経営者としての由梨へ。それに連れて変化していく心情の移り変わりや成長の過程を1話1話に書き込んでいったつもりです。また同時に、1つの言葉の奥にそれとは違ったさまざま感情をもっている、言葉とは裏腹の感情を抱いている女性の不可思議さも描ければいいなと思いました。タイトロープの女|NHKドラマ10しかし、寒いがな。実に寒い。昨日は着こんで走りだしたが、45分コースを近道に変更して27分で帰ってきたのです。(こんなに、へたれていてはフルマラソンはどうなるんだろう?)青森県の野辺地町あたりで、車100台が立ち往生しているらしい・・・地吹雪はあっても、積雪でのスタックは無い道のはずなんだけど、それだけすごい雪なんだろうね。
2012.02.01
コメント(2)

31日のNHKニュースによれば、東シナ海ガス田「樫」から炎が見えるそうです。これは、一大事である。政府は「NHKの取材が事実であれば、改めて抗議や申し入れをしなければならない」と述べたそうだが・・・・そんな悠長なコメントで大丈夫?という気がするのだ。また、専門家は「天然ガスを燃やしているとみられ、中国側が単独で開発を続けている可能性がある」と言っているそうだが、専門家でなくとも一目瞭然ですね。1/31東シナ海ガス田 中国が単独開発かより日本政府が中国との共同開発に向けて協議の対象としている東シナ海のガス田で、採掘施設から炎が出ているのが、NHKが上空から撮影した映像で確認されました。専門家は「天然ガスを燃やしているとみられ、中国側が単独で開発を続けている可能性がある」と指摘しています。NHKは、今月26日、東シナ海の「日中中間線」付近にあるガス田「樫」を航空機で上空から撮影しました。中国が築いた採掘施設の先端からは、炎が吹き出しうっすらと黒い煙が上がっていることが分かります。また、映像を詳しく見ると、一部の区画では、作業員とみられる人の姿も確認できます。「樫」を含む海域について、日本政府は、平成20年6月、中国と共同開発に向けて協議を行うと発表しました。しかし、翌年の平成21年1月になって、「樫」の周辺の海面が茶色く濁るなど中国側が単独で開発を続けている疑いがあることが表面化しました。日本政府が「両国の合意を軽んずる行為だ」として抗議したのに対し、中国側は「開発作業を行うのは、中国固有の権利の行使だ」などと反論していました。今回、「樫」の施設から炎が出ているのが確認されたことについて、長年、技術者として石油・天然ガスの開発に携わってきた猪間明俊さんは「生産段階にあるのかどうか分からないが、炎や煙を見ると、採掘施設で採れた天然ガスを燃やしているとみられ、中国側が単独で開発を続けている可能性がある」と指摘しています。藤村官房長官は、午後の記者会見で、「政府としては、一方的な開発は認められないという立場で、常に抗議や申し入れをしてきたところだ。日中両国が、東シナ海を平和と友好の海にすべく、具体的な協力を進めていこうという状況にあって、申し入れを行わなければならない事態が生じることは遺憾だ。NHKの取材が事実であれば、改めて抗議や申し入れをしなければならない」と述べました。現代中国論が専門の横浜市立大学の矢吹晋名誉教授は「中国側のねらいは、資源の確保に加えて、中間線付近の海域に構造物を造って海軍がそれを守ることで、この海域の実効支配を拡大していくことにあるとみられる。日本としては、これを機会に、中国の真意を確かめるため対話を早急に再開する必要がある」と話しています。沖縄本島から北西に400キロほど離れた日中中間線付近の東シナ海には、天然ガスを埋蔵したガス田が複数あることが、日本や中国などの調査によって明らかになっていますが、このうち5か所については、日中両国によってそれぞれ名前がつけられています。5か所のガス田は、南から、▽「白樺」(中国名:春暁)、▽「樫」(中国名:天外天)、▽「楠」(中国名:断橋)、▽「桔梗」(中国名:冷泉)、▽「翌檜」(中国名:龍井)です。このうち、日中中間線より中国側に位置する「白樺」と「樫」について、中国は平成15年ごろから開発に着手しています。これに対し日本側は、平成17年に「白樺」や「樫」をはじめ4つのガス田について、中国側に共同開発を申し入れました。そして、平成20年、日中両政府は、「白樺」「翌檜」の南側にある海域の2か所について、日本側が中国企業に出資することや共同開発を行うことで合意するとともに、「東シナ海のほかの海域」についても共同開発に向けて継続して協議を行うことで合意しました。しかし、その後起きた尖閣諸島沖での漁船の衝突事件の影響もあって、具体的な交渉はほとんど進んでいません。こうした間にも、中国は単独で「樫」の開発に向けた動きを進めていた可能性が指摘されています。実効支配を積み重ねて拡大していくという中華の常套戦略になす術もなく立ちすくんでいるように映るのだが・・・・大使が思うに、経産省と外務省が縦割りの縄張り争いばかりしていて、このような失態時は責任を取らない・・・・内閣も含めてだが、政府中枢が中国の攻勢に対応しきれてないのでしょうね。wikipediaで、今までの経緯を見て見ましょう。wikipedia尖閣東シナ海ガス田問題より 東シナ海ガス田問題は、東シナ海での日本国と中華人民共和国(中国)のガス田開発に関わる問題。 問題となっている海域には中国側の調査で春暁(日本名:白樺)、断橋(日本名:楠)、天外天(日本名:樫)、平湖、冷泉(日本名:桔梗)、龍井(日本名:翌檜)の6ガス田が確認されているが、春暁(白樺)、断橋(楠)においてはその埋蔵地域が日中中間線の日本側海域に掛かっているため両国間の問題になっているほか、日本政府は天外天(樫)、龍井(翌檜)についても資源が中間線を越えて広がっている可能性を指摘している。日本は経済産業省が中国に対抗し民間開発業者への試掘権付与手続きを行うなどしているが、この問題における出遅れや対応の遅さが指摘されている。おお♪ リニューアル後の画像取込がバッチリ成功しました。<ブログへの画像取込要領>ブログのエディター画面の上部のPhotoアイコンをクリックすれば、パソコン内画像の取り込みが可能です。
2012.02.01
コメント(0)
全50件 (50件中 1-50件目)
1


