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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・人新世の「資本論」(12/18予約、副本24、予約389)現在89位・今村翔吾『塞王の楯』(1/21予約、副本11、予約522)現在231位・『スマホ脳』(1/28予約、副本40、予約511)現在152位・「監視資本主義」(2/07予約、副本1、予約30)現在15位・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在309位・女のいない男たち(3/31予約、副本8、予約207)現在124位・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、副本3、予約49)現在34位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在34位・絲山秋子『まっとうな人生』(6/21予約、副本6、予約40)現在28位・ブレイディみかこ『両手にトカレフ』(7/01予約、副本2、予約37)現在25位・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、副本2、予約19)現在18位・『帝国日本のプロパガンダ』(7/30予約、副本1、予約5)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・村田紗耶香『信仰』:図書館未収蔵 ・松本修『言葉の周圏分布考』・嶋田博子『職業としての官僚』・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』・砂川文次『ブラックボックス』・半藤一利『太平洋戦争への道 1931-1941』:図書館未収蔵・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・『猫の文学館I』『猫の文学館Ⅱ』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:5/17以降> ・堀川恵子『暁の宇品』(12/14予約、5/17受取)・養老先生、病院へ行く(9/30予約、6/01受取)・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、6/04受取)・グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』(12/23予約、6/22受取)・戦争は女の顔をしていない(4/07予約、7/01受取)・るるぶ宇宙(4/12予約、7/01受取)・パンデミック監視社会(4/24予約、7/08受取)・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、7/14受取)・横田増生『潜入ルポamazon帝国』(7/08予約、7/14受取)・山下裕二『商業美術家の逆襲』(7/17予約、7/22受取)・鎌倉殿と13人の合議制(5/18予約、7/28受取)**********************************************************************【人新世の「資本論」】 斎藤幸平著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/18予約、副本24、予約389)>rakuten人新世の「資本論」【塞王の楯】今村翔吾著、集英社、2021年刊<出版社>より近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>shueisha塞王の楯【スマホ脳】アンデシュ・ハンセン著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存ー最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/28予約、副本40、予約537)>rakutenスマホ脳【監視資本主義】 ショシャナ・ズボフ著、東洋経済新報社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界的ベストセラー!監視資本主義という言葉を生み出したハーバード・ビジネススクール名誉教授が描く新世界。私たちを急襲する隠された力とその対抗策。オバマ元大統領が選ぶ2019年ベストブック選出!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/07予約、副本1、予約30)>rakuten監視資本主義【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【女のいない男たち】村上春樹著、文藝春秋、2014年刊<「BOOK」データベース>より絡み合い、響き合う6編の物語。村上春樹、9年ぶりの短編小説世界。【目次】ドライブ・マイ・カー/イエスタデイ/独立器官/シェエラザード/木野/女のいない男たち<読む前の大使寸評>村上春樹の短編小説集ってか・・・『1Q84』ブームの後に、こんな本が出ていたとは、春樹ファンを自認している大使としては不覚であった。rakuten女のいない男たち【ブルシット・ジョブの謎】酒井隆史著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かすー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/02予約、副本3、予約49)>rakutenブルシット・ジョブの謎【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【まっとうな人生】絲山秋子著、河出書房新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より名古屋出身の「なごやん」と繰り広げた九州縦断の脱走劇から十数年後ー。富山県のひょんな場所でなごやんと再会した「花ちゃん」。夫のアキオちゃんと娘・佳音の成長を愛おしむ日々に、なごやん一家と遊ぶ楽しみが加わった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でその生活が一変!!続々とやってくる不安の波に押しつぶされそうになりながら、花ちゃんが出会ったもうひとりの自分とは?富山県を舞台に『逃亡くそたわけ』の続編が幕を開ける!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/21予約、副本6、予約41)>rakutenまっとうな人生【両手にトカレフ】ブレイディみかこ著、ポプラ社、2022年刊<出版社>よりブレイディみかこ氏からのメッセージ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』には出てこないティーンたちがいました。ノンフィクションの形では書けなかったからです。あの子たちを見えない存在にしていいのかというしこりがいつまでも心に残りました。こうしてある少女の物語が生まれたのです。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten両手にトカレフ【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか【帝国日本のプロパガンダ】 貴志俊彦著、中央公論新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/30予約、副本1、予約5)>rakuten帝国日本のプロパガンダ【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2022.07.31
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図書館に予約していた『鎌倉殿と13人の合議制』という本を、待つこと2ヶ月ほどゲットしたのです。【鎌倉殿と13人の合議制】 本郷和人著、河出書房新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より源頼朝が急死した後、武家の棟梁の座を継いだ頼家。その代に導入された「13人の合議制」とはいったい何だったのか。関東の秩序と地理、文官の役割、頼朝をめぐる女性たち、朝廷との距離感、北条氏の思惑…頼朝以前にさかのぼって鎌倉幕府の本質を明らかにしながら、武士政権というそれまでにない権力体、新しい世の始まりをリアルに描き出す。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten鎌倉殿と13人の合議制まず「はじめに」を、見てみましょう。p3~6 <はじめに> 本書は「はじめに」として、少し学術的な話をします。学術的な話というのは、面白さを追い求める新書の記述とは違って、どうしても重箱の隅をつつくようなものになります。ですから、面倒な説明はパス、という方は読まずにスキップしてください。本文からお読みいただければそれで十分です。 ・・・とお断りしたところで、では、細かな話を進めましょう。建久10(1199)年正月13日、武家の世を切り開いたリーダー、源頼朝が世を去りました。脳に何らかの不具合が生じたための突然の死と考えられ、格別の遺言はありませんでした。頼朝は御家人たちと共有するさまざまな場面で、嫡男の頼家を後継者として扱っていました。そのため、鎌倉武士たちの主人としての地位には、頼家が何らの問題なく、座すことになりました。 源頼家はすぐさま(正月20日)、朝廷から左中将に任じられました。肝心の征夷大将軍に任命されたのは、建仁2(1202)年7月22日のことでした。ですから、頼朝を継いだ頃の頼家は、厳密には「将軍」ではありません。ですが、これはすでに他の著作物で詳述している通り、「将軍職」自体には実は固有の権限は付随していません。 頼朝は軍事の統括者としての立場を表現する職位の授与を朝廷に求め、朝廷は快く「縁起の良さ」を重視して同職を頼朝に与えた、というのが事の経緯です。征夷大将軍はやがて第一の武人を意味する職位となりますが、それは初めは中身のない、あくまでもシンボリックなものだったのです。だから言うまでもないことですが、源氏でなければ将軍になれない、などということはありませんでしたし、天下人である豊臣秀吉が、源氏の生まれではないので将軍になれなかった、というが如き認識は誤りです。 しかしながら、いかに将軍職が象徴的なものだったにせよ、いまだ征夷大将軍に任じられていない頼朝、頼家を「将軍」と呼ぶのも奇妙な話です。そこで研究者たちは、関東武士たちの主人である源氏三代、それに続く摂関家の二人、さらにその後の四人の親王たちを「鎌倉殿」と表現します。下文・下知状という幕府で最も重要な文書には「鎌倉殿の仰せによりて~」との文言が使われ、建前としては鎌倉殿の意志のもとに作成されていることを考慮しての呼称です。 さて、頼家は新しい「鎌倉殿」になったわけですが、4月12日、訴訟を直接に裁断することを禁じられてしまいました。彼の代わりに有力者13人の合議が採決することになったのです。理由として、『吾妻鏡』は、頼家が従来の慣例を無視して、恣意的な判断を行ったと記しています。 しかし、これはまことに妙な話です。というのは、本文にも記しましたが、御家人の主人に期待される行為は、「決める」ことに他ならないのです。訴訟の代表というと領地争いですが、現代でも「領土の争いを終わらせるには、戦争するしかない」といわれることがあるように、両者に引くに引けない言い分があるものです。 両方が納得するような裁定などは、初めから望むべくもありません。それでも「何らかの決定」が必要だったので、関東の武士たちは将軍権力を創設したのです。にもかかわらず、御家人たちは早々に頼家を見放しました。 頼家が箸にも棒にもかからぬほど愚かであったなら、父の頼朝は彼を後継者にしたでしょうか。私はそうは思いません。確かによりともは20年を配所で過ごした苦労人だっただけに、御家人の気持ちをよくくみ取れる人物であったでしょう。ですが頼家も、取り立てて賢くはないにせよ、ごく普通の青年だったのではないでしょうか。その彼から権限を奪ったのは、御家人たちの側の積極的な働きかけ、と考えるべきではないでしょうか。 では、御家人たちはいかなる思惑があって、行動を起こしたのか。御家人たち、というが、かかる動向の中心にいたのは具体的に誰だったのか。本書はそれを考察するものです。
2022.07.31
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図書館に予約していた『潜入ルポamazon帝国』という本を、待つこと6日でゲットしたのです。以前は中古本やパソコンなどを注文していたが、年金生活に入ってからはご無沙汰のアマゾンであるが・・・コスパがよくて短納期ではあるが、このところの露骨な商売が気になるのです。【潜入ルポamazon帝国】横田増生著、小学館、2019年刊<出版社>より〈「とてつもなく大きくなったなぁ……」と気圧されるような思いに陥った(中略)私がアマゾンの物流センター内部に足を踏み入れるのは15年ぶり〉(第1章より)“世界最大の小売企業”アマゾンによって、いまや日本市場は制圧されつつある。果たして、その現場では何が起きているのかーー「アマゾン・エフェクト」の実態に迫るべく、著者は『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』以来、15年ぶりにアマゾンの巨大物流センターに潜入する。さらに、即日配送、カスタマーレビュー、マーケットプレイス、AWSなど、アマゾンのさまざまな現場に忍び込んでは「巨大企業の光と影」を明らかにしていく。私たちはこのまま何も実態を知ることなく、「アマゾン帝国」に支配されていくのだろうか……日本人に大きな問いを投げかける力作ルポルタージュである。<読む前の大使寸評>以前は中古本やパソコンなどを注文していたが、年金生活に入ってからはご無沙汰のアマゾンであるが・・・コスパがよくて短納期ではあるが、このところの露骨な商売が気になるのです。<図書館予約:(7/08予約、7/14受取)>rakuten潜入ルポamazon帝国「第6章 わが憎しみのマーケットプレイス」で、アマゾンと公取委の闘いを、見てみましょう。p216~219 <優越的地位の乱用> さらに、公取委は、アマゾンを筆頭とするECサイトの寡占と、優越的地位の乱用について、調査した。 公取委は19年1月、ネット通販に関する調査結果を発表し、アマゾンと楽天、Yahoo!の上位3社に利用者の出品が集中する傾向がある、と指摘している。7割から5割の出品者が上位3社を利用していた。さらに、すでに取引における依存度が高いため、販売を容易にやめられない、と答えた利用者が7割近くを占めた。出品者のうち、利用料金に不満があると答えたのが62%で、決済方法に不満があるとしたのが85%に上がった。 調査を担当した公取委の取引企画課の戸塚亮太課長補佐は、私の取材にこう話した。「出品者の利用料金などえの不満が、すぐに、独禁法の優越的地位の乱用に当てはまるわけではありません。けれど、たとえば同じように利用料金を値上げしたとしても、出品者が集中するECサイトの方が、優越的地位の乱用となる可能性が高いので、その点を周知徹底してもらうように調査結果を発表しました」 公取委の厳しい監視の視線は、アマゾンに注がれている。 そのさなか、三度目の公取委とアマゾンの闘いがはじまった。 事の発端は、アマゾンが19年2月20日、5月下旬から、マーケットプレイスの出品者や直接仕入れるメーカーなどに対し、消費者が購入した金額の1%以上をポイントとして還元するとし、その原資を出品者の負担とする、と規約を変更するとしたことだった。もし、アマゾンで1万円の商品が売れたら、出品者の負担で1%に当たる100ポイント以上が購入者に付与される。1ポイントは1円だから、100円以上を出品者が負担するというもの。 これに対し、出品者からは不満の声が上がる。《セラーフォーラム》の掲示板には、こんな書き込みが遺されている。「この先、(付与するポイントが)1%が3%、3%が5%、5%が8%、8%が10%…なんてことにならなければ良いですが。考えてたら夜も眠れなくなりそうです」や「出品者に同意なく、一方的にこれを強制するのは法律的には問題ないのでしょうか?」や「確かに泣きを見るしかないんですよねぇ…。売り上げが上がるとか無責任なこと書かれてましたが、注文数は増えるかもですが実質利益減るのは目に見えてますし。本当に売り上げ上がるんなら強制されなくてもこちらで勝手にポイント付けますし。ポイント強制という名の手数料値上げですわ」・・・など。 アマゾン側が、発言者を特定できる《セラーフォーラム》における否定的な発言である。出品者の反発がどれだけ強いのかが伝わってくる。 公取委は2月26日、ネット通販サイトのポイント還元をめぐりアマゾンを筆頭とするECモールの運営会社を、出品者を不利な取引を強要していないか一斉調査に乗り出す、と発表した。ポイント還元の原資を出品者に負担させることが、優越的地位の乱用にあたるかどうかを調査する、とした。 アマゾン側は「ポイント制度は出品者にとって販売機会の拡大につながる」と説明している。しかし、ここには2つの要点がある。1つは、出品者にとって、ポイント還元の費用負担以上に、販売機会が拡大するといえるのかどうかであり、もう1つは、出品者にその経済合理性について事前の説明を尽くしていたか、だ。この2点がクリアできていないのなら、優越的地位の乱用にあたる可能性が高い。 公取委事務総長の山田昭典は、記者会見で、企業側の説明が不十分である場合、独禁法40条に基づく強制捜査についても「可能性を排除しない」という強気の姿勢をしめした(日経新聞 19年2月28日付) この独禁法40条とは、《調査のための強制顕現》と呼ばれるもので、公取委にとっての“伝家の宝刀”だ。その“宝刀”を抜くこともある、と牽制したうえで、調査に着手した。 公取委の委員長である杉本和行は3月、優越的地位の乱用に当たるという認識か、と問われ、「一般論で言えば、オンラインモール運営事業者が利益の拡大を図るため、取引先に不当に不利益を与えるやり方で一方的に取引条件を変更する場合、優越的地位の乱用として独占禁止法上の問題が生じる可能性がある」と答えている(週刊ダイヤモンド 19年3月30日号) 役所のトップが、一般論と断ったうえとはいえ、現在進行中の案件に関し、これだけ踏み込んだ発言をするのは珍しい。アマゾンの調査にかける公取委の意気込みが感じられる。ネットで配信されたこの記事には、「公取委員長吠える!GAFAの『勝者総取り』は許さない」という見出しが躍った。 こうした公取委の猛攻に怖気づいたのか、アマゾンは4月10日、「予定していた計画を変更することにしました」として、出品者に原資を負担させるポイント還元案を撤回した。マーケットプレイスでのポイントの付与は出品者の任意となり、アマゾンが直接販売する商品は、アマゾンの負担でポイントを付与するという新しい方針を示した。これを受け、公取委は翌日、「違反の懸念はなくなった」として、アマゾンへの調査を打ち切った(日経新聞 19年4月12日付)。 アマゾンは再度、公取委の前に全面降伏した形となった。公取委とアマゾンとの戦績は、公取委の2勝で、残りの1つの案件については現在も調査が続いている状況だ。『潜入ルポamazon帝国』3:アメリカ流の商売『潜入ルポamazon帝国』2:過酷な宅配ドライバー『潜入ルポamazon帝国』1:はじめに
2022.07.30
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造本装丁に関心があるのだが・・・最近は、版画家やイラストレーターとの関係が気になるわけです。…で、この際、本に携わる職人たちにについて、集めてみました。・商業美術家の逆襲・日本橋檜物町・ワールドブックデザイン・装丁/南伸坊********************************************************************** <本に携わる職人たち2> 目次・木版画の楽しみ・『小村雪岱随筆集』・『装丁、あれこれ』・『意匠の天才 小村雪岱』・アール・デコの挿絵本・装丁列伝********************************************************************** <本に携わる職人たち1> 目次・日本橋檜物町・小村雪岱の版画がええでぇ・本の顔・鳥への挨拶・造本装丁コンクールで『gallay』が受賞・イラストノートNo.27(特集:本の仕事)・藤田嗣治、本のしごと・夏目漱石の眼・佐々木マキが描く表紙・気になる絵本作家・百田尚樹さんの職人かたぎ(その5):『商業美術家の逆襲』『日本橋檜物町』を追加【商業美術家の逆襲】 山下裕二著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より本書では、日本美術のメインストリームから外れたことで、美術史上、正当な評価を受けてこなかった商業美術家たちを「再評価」するだけでなく、むしろ彼らを本流として明治以降の美術史を再考してみたいと思っています。…おそらく20年後には、本書に登場する画家の幾人かは「この人が忘れられていたなんて信じられない!」と言われるようになっているでしょう。<読む前の大使寸評>この本がとりあげている商業美術家たちが壮観です。・・・つまり川鍋暁斎、小村雪岱、渡辺省亭、鏑木清方、横尾忠則、つげ義春がええでぇ♪<図書館予約:(7/17予約、副本3、予約0)>rakuten商業美術家の逆襲1商業美術家の逆襲 1【日本橋檜物町】小村雪岱著、平凡社、2006年刊<裏表紙>よりわが国装幀史上屈指の名作、泉鏡花『日本橋』を手がけた日本画家・雪岱。その仕事は、挿絵・装幀はいうにおよばず、舞台美術の世界でも一家をなすほどで、本職の画業に収まらない広がりと奥行を持っていた。同じく画家であり名文家の誉高い鏑木清方から非凡な文才を評価されていたが、遺した文章は多くない。本書は雪岱の死後、有志の計らいで成った貴重な一冊。同時代人による雪岱評アンソロジーを併録。<読む前の大使寸評>装丁史上の大家ともいえる雪岱の本であるだけに、この本の装丁が素晴らしい。もちろん、巻頭の画像、雪岱のエッセイ、雪岱評アンソロジーも・・・ええでぇ♪heibonsha日本橋檜物町日本橋檜物町 1【ワールドブックデザイン】グラフィック社編、グラフィック社、2020年刊<「BOOK」データベース>より全世界からこだわりぬいた装幀、製本、造本でデザインされたブックデザイン事例を集めたリファレンス集。歴史的なものから、現在流通されているものまで、幅広くチョイスし歴史を解説。年表でそのあゆみを分かりやすく追う。世界的ブックデザイナー3組のインタビューを作品とともに紹介。それぞれがブックデザインに対する情熱や哲学を語る。世界中からセレクトした優れたブックデザイン紹介ページでは、詳細スペックや図解とともに、コンセプトや狙いをあますところなく公開。<読む前の大使寸評>追って記入amazonワールドブックデザイン<『装丁/南伸坊』1>図書館に予約していた『装丁/南伸坊』という本を、待つこと1週間でゲットしたのです。南伸坊さんのマンガ『仙人の壷』、絵本『ねこはい』を読んで以来、その多彩なタレントにしびれているのだが・・・装丁に関しても期待できそうでおます♪【装丁/南伸坊】南伸坊著、フレ-ベル館、2001年刊<「BOOK」データベース>よりアレコレ注文つけられるのは大嫌い。「まかしたよ」といわれれば損得ぬきで夢中になる。大好物は注文主が喜んでくれること。「笑える装丁」をめざす、装丁・南伸坊は、まるで落語に出てくる大工の八つぁんみたいである。実作の現場を語る笑える職人ばなしエッセイ。<読む前の大使寸評>南伸坊さんのマンガ『仙人の壷』、絵本『ねこはい』を読んで以来、その多彩なタレントにしびれているのだが・・・装丁に関しても期待できそうでおます♪<図書館予約:(1/13予約、1/20受取)>rakuten装丁/南伸坊この本をぱらぱらとめくってみると、南さんが装丁した本のカラー写真が満載で観て楽しい本である。それらの本の2割がたは南さん自身の本であり、宣伝も兼ねたチャッカリした構成になっています。他人の本では赤瀬川原平を筆頭に、南さんの友人たちばっかりとなっています。<『木版画の楽しみ』2>図書館で『木版画の楽しみ』という本を、手にしたのです。著者の作品が目を引くのはもちろんであるが・・・技法の説明が懇切丁寧で、和綴じの製本、版画の売り方まで網羅しているという優れもんやでぇ♪【木版画の楽しみ】関野準一郎著、平凡社、1983年刊<「BOOK」データベース>より古書につき、データなし<読む前の大使寸評>著者の作品が目を引くのはもちろんであるが・・・技法の説明が懇切丁寧で、和綴じの製本、版画の売り方まで網羅しているという優れもんやでぇ♪amazon木版画の楽しみ扉(以降省略)
2022.07.30
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図書館に予約していた『パンデミック監視社会』という本を、待つこと〇ほどでゲットしたのです。この本が指摘している接触確認アプリとか中国が推進しているゼロコロナ政策が気になったのでチョイスしたのです。【パンデミック監視社会】デイヴィッド・ライアン著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より今回のパンデミックは、データ分析や機械学習が興隆する監視資本主義の時代に生じた、未曾有の事態である。猛威をふるうウイルスに対処するため監視技術が広範に活用され、監視によるデータ収集や人々の行動追跡・制御は、ときに権威主義と共鳴しつつも、驚くほどスムーズに受け入れられていった。パンデミックは私たちの世界をどう変えたのか。「コロナ前」に戻ることは本当に可能なのか。監視研究の世界的権威が、新型コロナウイルスがもたらした真の脅威に迫る。<読む前の大使寸評>この本が指摘している接触確認アプリとか中国が推進しているゼロコロナ政策が気になったのでチョイスしたのです。<図書館予約:(4/24予約、副本1、予約4)>rakutenパンデミック監視社会接触確認アプリとか監視の実態を、見てみましょう。p37~41 <第2章 感染症が監視を駆動する>■接触者を突き止める 今回の感染症(COVID-19)がパンデミックの状況にあることをWHOが認める以前から、公衆衛生当局はどんな症例が「新型コロナウイルス(nCoV)感染症」とみなされるかという共通定義を定めていた。 感染者数のカウントは「感染症に駆動される」監視の核となるもので、今では世界中の人たちが、ニュースメディアが毎日の感染者数を伝え、たがいに連動した各地域での変化の兆しを知らせることに慣れてしまっている。 伝染病の場合、感染者数をカウントする作業のすぐあとには、誰がそうした感染者たちに接触してウイルスにさらされたかを突き止めようとする試みが行われる。この章ではおもに接触確認、そしてモバイル端末の接触確認アプリといった接触確認の技術を集中的に取り上げていこう。それによってパンデミック監視の重大な疑問点にスポットを当てることにもなる。 2020年4月、インド政府は「アローギャ・セツ」という「接触確認、症状マッピング、自己評価のためのツール」を導入した。これはオープンソースのデジタルサービスで、グーグルのアンドロイド、アップルのiOSといったモバイルOS上で動作するようになっている。 ユーザーはこれを使って、自分がいつ新型コロナウイルス感染者の近くにいたかを知り、自分に起こりうる症状を評価することができる。このモバイルアプリは「ポケモンGO」を上回る勢いで、わずか40日間に一億回もダウンロードされた。そしてそれを上回る勢いで、このアプリに対する市民的自由や人権上の観点からの異議が相次いだ。その多くは、2009年に開始されたインドの国民識別番号制度「アドハー」のマイナス面を何年も前から説明しようとしてきた人たちからのものだった。 2020年5月、アローギャ・セツは違憲であり、プライバシの侵害であると訴える請願書がケララ州高等裁判所に提出され、裁判所はこれを受理した。こうしたアプリが議論の的となるのは、その有効性だけでなく、センシティブな個人データを収集、保存、使用している点にある。 請願書にはこうあった。このアプリは使用される前に、その用途を限定する、データを最小限にする、データを利用できるのは特定の部門のみにするといった措置が必要だ。このアプリには濫用を防ぐ法的枠組みと防御策が欠けている。アローギャ・セツはサンスクリット語で「健康への架け橋」という意味だが、実際には政府による監視強化への架け橋であり、プライバシーを危険にさらすものだ。 アローギャ・セツの持つ強制的な性格によって、政府はさらに権威主義的になるだろう。このように請願者たちは主張した。インドは民主主義体制としては唯一、接触確認アプリを義務づけた国である。しかしそれが誰のために必要なのかは、あまり明確ではなかった。(中略) 接触確認は、パンデミックから数多く生まれた監視対応の一つでしかない。大規模な公衆衛生データモノタリングや疫学的追跡も、ウイルスの地理的、社会的な経路を追跡することで、パンデミック時に医療従事者や施設をどのように配置するか、一般市民に適切な保護と行動についてどう指導するかの指針とするために行われるようになった。 この章ではそうした話に加えて、具体的な新型コロナウイルス用デバイスやシステム、たとえばドローンや顔認証技術、赤外線カメラ、ウェアラブル端末など、一部の国で大きな役割を果しているものついても触れていく。こうしたデジタルな取り組みの多くは、資金や使用説明の面で官民のパートナーシップに頼っているが、そこからも監視と政府に対する疑問が生じてくる。 そしてワクチンが普及し(これもとりわけ、世界で最も裕福な国からだが)また旅行ができるようになれば、免疫パスやらワクチンパスポートやらが登場する。このように感染症に駆動される監視は、パンデミックの各段階と多くの局面で拡大してゆく。
2022.07.29
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<老人力あれこれR4>赤瀬川原平著『老人力』のインパクトは大きかったわけで…その後、相次いで老人絡みの本が刊行されたのです。で、大使が読んだ類書を集めてみました。・老人のライセンス:村松友視(2018年刊)・死なないつもり:横尾忠則(2016年刊)・九十歳。何がめでたい:佐藤愛子(2016年刊)・オレって老人?:南伸坊(2013年刊)・魔がさす年頃:嵐山光三郎(2012年刊)・老年力:三浦朱門(2012年刊)・働くアンナの一人っ子介護:荻野アンナ(2009年刊)・完全無敵の老人学:和田×大月(2001年刊)・老人力自慢:赤瀬川原平(1999年刊)・日本ジジババ列伝:清水義範(1995年刊)R4:『死なないつもり』を追記*****************************************************************************【老人のライセンス】村松友視著、河出書房新社、2018年刊<「BOOK」データベース>より老成を極めた人間力にせまる66篇。【目次】第1章 老人って何?(老人って何?/「若返り」対「老成」の構図 ほか)/第2章 老猿に道をゆずるの巻(老猿に道をゆずるの巻/蓮っ葉な女の読書に翻弄される ほか)/第3章 理想ではないが、妻である(文鎮の安心と重みよ、今いずこ/右と左に泣き別れる老人の心もよう ほか)/第4章 何しろ、人間の舌は器用なもんでしてね(何しろ、人間の舌は器用なもんでしてね/鮨ネタの栄枯盛衰 ほか)/第5章 今日は、絶好の雨日和(黒鉄ヒロシという謎の生命体/病んだヨーロッパ人、伊丹十三 ほか)/第6章 涙をさそう唐辛子の焼香(極め付きの無表情/上り坂と下り坂はどっちが多い? ほか)<読む前の大使寸評>かつて赤瀬川原平が老人力を提唱した頃は微笑ましい感じだったが・・・今「老人のライセンス」と聞くと、なにやら恐れ入るのである。rakuten老人のライセンス『老人のライセンス』1*****************************************************************************【死なないつもり】横尾忠則著、ポプラ社、2016年刊<「BOOK」データベース>より「今いちばん関心のあることは命です。明日死んでもいいなんて、僕は思わない」「壊す勇気があるかどうか、完璧をめざさず、未完にすることで明日をつくる」-たえず世界を驚かせてきた美術家が80歳を迎えて語る、創作について、人生について。<読む前の大使寸評>横尾さんといえば、とにかくパワフルなご老人なので・・・何か元気になる秘訣が見つかるんじゃないかと思ったわけでおます。rakuten死なないつもり『死なないつもり』1:老人文化*****************************************************************************【九十歳。何がめでたい 】佐藤愛子著、小学館、2016年刊<「BOOK」データベース>より御年92歳、もはや満身創痍。ヘトヘトでしぼり出した怒りの書。全28編。【目次】こみ上げる憤怒の孤独/来るか?日本人総アホ時代/老いの夢/人生相談回答者失格/二つの誕生日/ソバプンの話/我ながら不気味な話/過ぎたるは及ばざるが如し/子供のキモチは/心配性の述懐〔ほか〕<読む前の大使寸評>図書館に予約して、待つこと11ヶ月でようやくゲットできました♪ この手の売れ筋の本は購入すべきだったのかも?<図書館予約:(12/14予約、11/07受取)>rakuten九十歳。何がめでたい 『九十歳。何がめでたい』1 byドングリ*****************************************************************************【オレって老人?】南伸坊著、みやび出版 (2013年刊)<カスタマーレビュー>より南伸坊のエッセイ集で、連載中のみやび出版『myb』の「日々のシンボー」と毎日新聞『本の時間』の「じじの時間」を軸に、『文藝春秋スペシャル』『うえの』『室内』の各誌に注文されて執筆した文を集めています。そのさい、年寄りがよくする懐旧談、自分が老化に直面したことについての文章を選んだという。<読む前の大使寸評>『仙人の壷』という南さんの(マンガ)本を読んで良かったので、その勢いで予約していたのです。<図書館予約:(11/20予約、11/25受取)>amazonオレって老人?『オレって老人?』3 :肺ガンの危機p194~198『オレって老人?』2 :近頃のツバメp22~25『オレって老人?』1 :アノホラ検索p38~40『仙人の壷』1*****************************************************************************【魔がさす年頃】嵐山光三郎著、新潮社、2012年刊<「BOOK」データベース>より著者の人生、いつも「つい魔がさしたとき」が次のステップになった。「不良定年」その後の人生全開的日々実録。【目次】序章 魔がさす年頃/第1章 魔がさす気配/第2章 いらいら/第3章 自律神経出張中/第4章 蝉時雨<読む前の大使寸評>魔がさす年頃とは何やねん?・・・・魔がさすように借りた次第でおま♪rakuten魔がさす年頃『魔がさす年頃』2 byドングリ*****************************************************************************【老年力】三浦朱門著、海竜社、2012年刊<「BOOK」データベース>より人間はおおよそ八十年はもつようになっている。自分の本当にやりたいことをやりながら生きてほしい。【目次】はじめに 人間はおおよそ八十年はもつようになっている/第1章 充実した第二の人生を生きようー歩ける体力/第2章 第二の人生に備えて何をしたらいいのか?-頼らずに生きる力/第3章 親を看取るー一人で生きる力/第4章 人生は二度あるー過去を活かし創造する力/第5章 第二の人生では自分が主体になるーささやかな自立力/おわりに 第二の人生の生き甲斐は与える喜び<読む前の大使寸評>追って記入rakuten老年力*****************************************************************************【働くアンナの一人っ子介護】荻野アンナ著、グラフ社、2009年刊<「BOOK」データベース>より現在、父94歳、母85歳、二人とも要介護4。「嫁入り前」の働く一人っ子はテェーヘンです。【目次】1 船乗りパパとお絵描きママ/2 あっぱれアンリ闘病記/3 働くアンナのドンブラコ半生/4 不死身アンリの人生は続く/5 パワフルママも老いる/6 アンナ流・介護のコツ<大使寸評>船乗りパパとお絵描きママの介護に明け暮れたアンナさんには、逆境を笑い飛ばすような精神的なバネがあるわけで・・・・落ち込んだときに読むと、いいようです♪rakuten働くアンナの一人っ子介護*****************************************************************************【完全無敵の老人学】和田秀樹×大月隆寛著、講談社、2001年刊<「BOOK」データベース>より気鋭の老年内科・精神科医と民俗学者が、それぞれ気魄に満ちた論稿を執筆、その論稿をもとにさらに対談を重ねた異色の「生き方」「老い方」「死に方」研究。<読む前の大使寸評>おお 精神科医と民俗学者との対談ってか・・・・かなり異色の企画がいいではないか♪amazon完全無敵の老人学『完全無敵の老人学』3byドングリ*****************************************************************************【老人力自慢】赤瀬川原平著、筑摩書房、1999年刊<「BOOK」データベース>より本書は、赤瀬川原平著『老人力』に寄せられた読者からの「読書カード」から、面白いものを選びました。その一部の方には、加筆をお願いしました。また「ちくま」1999年3月号に掲載した原稿募集の呼びかけに応じた方たちの原稿からも選択しました。【目次】老人力エッセイ(老人力の波紋/無償の勉強をするチャンス ほか)/老人力インタビュー(老人力とは何か?/老人力は腹の力)/読者からの便り(私の老人力自慢)/老人力座談会 のんびり元気術(赤瀬川原平/南伸坊/渡辺和博)/老人力インポジウム 老人力VS.不良中年(赤瀬川原平/嵐山光三郎/ねじめ正一/南伸坊)<大使寸評>赤瀬川さんは模型千円札事件を起こしたりいろいろあったが、晩年に「老人力」という概念をぶちあげたことが大きいと思うわけです。とにかく、この概念はイグノーベル賞級のオリジナリティだと、大使は高く評価するのです♪rakuten老人力自慢老人力自慢byドングリ*****************************************************************************【日本ジジババ列伝】清水義範著、中央公論社、1995年刊<「BOOK」データベース>よりしみじみおかしい長生き百態。孫に片思いのお祖母ちゃん、夜な夜な洋食屋に出没するホラ吹き爺さん、海外旅行の達人の老女―。不安や悲哀を抱えつつもどこかたくましい老人達を、ユーモラスに描く12編。<大使寸評>図書館で『日本ジジババ列伝』という本を手にしたのです。おお、清水義範のジジババ列伝なら、例のドタバタが期待できるでぇ♪ということで借りたのだが、読み進めると、まっとうな老人小説なので拍子抜けの感もあったのです。少子高齢化の話題で盛り上がる前に、ちょっと先走りして刊行されているのだが・・・この老人列伝が、いい味出しているだけに、この路線で押して行けば良かったのにと思ったのである。今からでも遅くないので、シリーズ第二弾を期待したいものです。Amazon日本ジジババ列伝
2022.07.29
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図書館で『死なないつもり』という横尾さんの本を、手にしたのです。横尾さんといえば、とにかくパワフルなご老人なので・・・何か元気になる秘訣が見つかるんじゃないかと思ったわけでおます。【死なないつもり】横尾忠則著、ポプラ社、2016年刊<「BOOK」データベース>より「今いちばん関心のあることは命です。明日死んでもいいなんて、僕は思わない」「壊す勇気があるかどうか、完璧をめざさず、未完にすることで明日をつくる」-たえず世界を驚かせてきた美術家が80歳を迎えて語る、創作について、人生について。<読む前の大使寸評>横尾さんといえば、とにかくパワフルなご老人なので・・・何か元気になる秘訣が見つかるんじゃないかと思ったわけでおます。rakuten死なないつもり「第4章 僕の道楽」で猫のお話しを、見てみましょう。p156~159 一日の大半は寝ていて、何かの役に立とうともしない。 お金儲けのことばかりに頭を使うなら、猫のように寝てたほうがいい。 僕にとって猫は生活必需品です。なかったら生活できないし、生きていけない。 猫は自分の分身、アーティストとしての分身です。猫の勝手気ままなところ、好き放題なところ、これは芸術家が本来持っていなければならない正室です。我々は常識とか社会的な決め事とか、そういう通念で自分自身を発揮しないままで終わってしまうけれど、猫は発揮しようとしなくても、存在そのものがそうなっている。だから猫のように生きられれば一番理想的。 芸術には遊びが必要だと言うけれど、今度はその「必要」という概念に縛られて、遊びがコンセプトになっていく。コンセプトになってしまうと、それはもはや遊びではありません。それに対して猫は、生きていること自体が遊びだし、「遊び」という概念すら持っていない自由奔放さがあるんです。 我々は人間の側から猫を見るけれど、猫の側から人間を見ると、気づくことがたくさんあります。人間は猫を「飼っている」と思っているけれど、猫からすれば、「人間を同居させてやっている」だけ。「一緒に暮らしているけど、上下関係ないよ」って主張している。 人間は猫に対して支配的な立場をとるけれど、とんでもない。その反対です。たしかに猫はかわいがってもらえば嬉しいだろうけど、かわいがってほしい、とは思っていない。むしろ「かわいがらせてやっているんだ」というくらいでいるかもしれない。(中略) 猫は自分のテリトリーを持っていて、その範囲内で暮らして、そこから出ていくことは基本的にしない。しかし、人間は今いる場所だけでは不十分に感じて、テリトリーをどんどん広げていこうとする。猫から見ると、「馬鹿だなあ。そんなことをするくらいなら、自分みたいに1日中寝ていればいいじゃないか」となるでしょう。『死なないつもり』1:老人文化
2022.07.28
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図書館で『日本地図のたのしみ』という文庫本を、手にしたのです。国土地理院の地図などを引用しながら、地理的・治経済的なエピソードを語る構成となっていて・・・ええでぇ♪【日本地図のたのしみ】今尾恵介著、筑摩書房、2016年刊<「BOOK」データベース>より日本地図を鑑賞しよう。「ムカツク」地名や人名にしか読めない地名、不思議な飛び地や奇妙な県境など楽しい発見の宝庫だ。その由来を探れば、地形や歴史、あるいは地図制作者の意図が見えてくる。地図の見方や古地図の味わいなど、マニアならではの目のつけどころを、初心者にもわかりやすく紹介する。「机上旅行」を楽しむ地図鑑賞入門。<読む前の大使寸評>国土地理院の地図などを引用しながら、地理的・治経済的なエピソードを語る構成となっていて・・・ええでぇ♪rakuten日本地図のたのしみ「第五章 地図歩きのすすめ」で四国の“酷道”を、見てみましょう。p203~205町を避けて山中をひたすら四国縦断する国道 この国道を知ったのは、自動車ジャーナリスト・下野康史さんの『今度は、この3ケタ国道を走ってみたい』(JTB)という本だった。徳島市の中心街を出発して終点の中村市(現・四万十市)まで、険しいことで知られる四国山地のまっただ中を走り続ける道を走破する話を読んで興味を持った。 険阻な山の中ばかりとあって、よくぞこんな道が国道かと思うほどの狭い区間がほとんど。ガードレールがないのは当たり前という。「ゆっくり行こうや四三九(よさく)道」などという手作りの看板がある30キロ制限の道というが、30キロ出すのも難しい所が珍しくない。そんな未知だけあって起点~終点の直線距離が約190キロなのに対して、道程は343.4キロ八割増。 経由地を調べてみると、徳島市からすぐ佐那河内村へ入り、神山町・木屋平村(現・美馬市)・東祖谷山村(現・三好市)を抜けて高知県に入り、大豊町・本山町・土佐町・吾北村(現・いの町)・池川町・吾川村・仁淀村(以上3町村は現・仁淀川町)・東津野村(現・津野町)・梼原町・大正町(現・四万十町)・中村市(現・四万十市)というルートである。 わざわざ山の中を選んで走っているような道なので、前線まとまった街道名などはなく、全線で九つも越える峠は、そのほとんどが戦後しばらくまで自動車が通れる道ではなかった。そんな切れ切れの道をなんとか普通乗用車一台がようやっく通れる程度に整備したというのがこの道で、なぜ国道に私邸したのか筆者にはわからない。途中、唯一町らしいところといえば、高知自動車道のインターもある吉野川沿いの大豊町町役場布巾、あとは四万十川に沿った大正町()の小さな街並み程度だろう。 ずっと気になっていたのだが、高知市に行ったついでにレンタカーで旧吾北村の「四三九道」の一部を走ってみた。ごく一部には整備された二車線区間もあるが、ほとんどは下野さんの話に違わぬ細道で、普通車一台の幅いっぱいの区間では対向車が来たら避ける場所をどうしようと心配したものだ。 しかしクルマも人も滅多に通らず、そのかわり見事に澄み切った渓流と、よく手入れされた小さな棚田や茶畑、奥の奥にも細々と天まで続くような集落の風景を味わうことができた。いつかは全線そうはしてみたいものだ。ネットで国道439号線を見れば・・・ヨサク国道 ~国道439号線~これぞ、キングオブ日本の酷道。そもそも“酷道”という文言が一般的になったきっかけとも言われる、ある意味“日本最凶”の道がこの国道439号線だ。もはや四国を代表する…ではなく日本を代表するレジェンドクラスの酷道なのである。現在は区間により線形改良工事が進んでおり、2車線の高規格道路区間も散見されるが、基本的には1.5車線の旧線形狭路。路面に苔が生え、場所によっては小落石によりダートと見間違う程に荒れた区間も存在する。その上、総延は実に約350km。全線走破は、苦難を超えた“修行の道”とも言われている程だ。あまりの酷さについたニックネームが“与作国道”。木こりをイメージする“ヨサク”と439を掛けて旅人達が呼び出したネーミングが、そのまま定着してしまったのだ。しかし、そんな酷い道がなぜ絶景ロードに?その理由はこの道が辿るルートにある。国道439号線は、徳島市より四国山脈の稜線沿いを辿り、高知県の四万十市へ至る。特に徳島県内の区間は、剣山を越す見ノ越の峠と京柱峠をパスする屈指の山岳峠道の為、ルート上からの展望が特に素晴らしいのだ。まさに秋の紅葉シーズンには、紅く染まった四国山脈を一望できる感激の展望が楽しめる。また、山村を繋ぐ山深いルートの為、深緑や鄙びた田園地帯の風景も同時に堪能できる、絶好のツーリングロードでもあるのだ。(中略)高知県へ入ると与作酷道の様相は若干ましになり、安居渓谷や仁淀川といった清流の風景を楽しめるルートへと変化してくる。かつて高知県内の区間には、大峠というボス級の酷道区間があったが、現在は新大峠トンネルで一気に通過可能。ちなみに旧道は現在も健在な為、旧大峠トンネルのエクストリームさを味わう事も可能だ。長大ながら照明皆無。真の闇を心から堪能できる事だろう。そして高知県内ルート後半の与作国道は、梼原川や四万十川といった国内屈指の清流沿いをトラバース。四万十市、四万十川河口で終点を迎える。『日本地図のたのしみ』1:八郎潟の今昔
2022.07.28
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図書館で『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると・・・カラー画像がちりばめられていて思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪【もし僕らのことばがウィスキーであったなら】村上春樹著、新潮社、2002年刊<「BOOK」データベース>よりシングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは?『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか?蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々-。芳醇かつ静謐なエッセイ。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・カラー画像がちりばめられていて思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪rakutenもし僕らのことばがウィスキーであったならアイラ島のウィスキー作りを、見てみましょう。p51~58 <スコットランド> 通りには人影はほとんどない。たまにすれ違うと、人々はにっこり微笑んで挨拶する。子供も、老人も。ほんとうに小さな町なのだ。通りを歩くと風向きによって、発酵した麦芽を煮詰めるときのあの独特な匂いが、醸造所のほうから漂ってくる。僕は阪神間で育ったので、灘の酒造工場から漂ってくるあの香ばしい匂いを、ふと思い出してしまうことになった。 教会の裏の墓地には、海難事故で亡くなった身元のしれない人々の古い墓標が並んでいる。名前は書かれていない。事故のあった日付が刻まれているだけだ。このあたりには暗礁が多く、海流の流れも速く、また天候も過酷であり、航行には常に危険がつきまとう。馴れない水夫にとってはもちろんのこと、馴れた地元の水夫にとっても…。またそれに加えて、第一次、第二次の大戦を通じて、数多くの激しい戦闘が、島近辺の海域で行われた。ドイツの潜水艦の魚雷が、輸送船団を引き裂いた。数日後には、多くの死体がアイラ島の海岸に打ち寄せられた。 それらの陰鬱な海難は伝説となって、島の人々に代々語り継がれている。街のパブで、あなたはそのような話を聞かされることになるかもしれない。島の小さな記念館に行けば、沿岸で沈んだ船の写真をひとつひとつ見ることもできる。豊かな美しい島だが、そこにはやはり静かな悲しみのようなものが、海藻の匂いと同じように、否応もなくしっかりと染み着いている。旅行をしていていつも不思議に思うのだが、世界には島の数だけ、島の悲しみがある。「俺たちは葬式にもウィスキーを飲む」と土地の人は言う。「墓地での埋葬が終わると、みんなにグラスが配られ、土地のウィスキーがなみなみと注がれる。みんなはそれをぐいと空ける。墓地から家までの寒い道、からだを温めるためだ。飲み終わると、みんなはグラスを石にたたきつけて割る。ウィスキーの瓶も割ってしまう。何も後に残さない。それが決まりなんだ」 子どもが生まれると、人々はウィスキーで祝杯をあげる。人が死ぬと、人々は黙してウィスキーのグラスを空ける。それがアイラ島である。 アイラ島で僕はボウモアとラフロイグの蒸留所を見学させてもらった。同じ小さな島の中にありながら、このふたつの蒸留所はおどろくくらい様式を異にしている。ボウモアは非常に「古式豊かな」作り方をしている。頑固というか、いくら時代が移ってもやり方を変えない。 手動の「すきかえし」を行う自然のフロア・モルティングから、昔ながらの木製の樽をつかった発酵槽、けっしてフォークリフトを使わずに人の手だけを使ってそっと優しく樽をころがして移動する熟成倉庫。働いている人々の多くは年寄りだ。彼らはアイラで生まれ、アイラで育ち、アイラで生涯を終えることになるのだろう。彼らは誇りと喜びをもってここで仕事をしている。 それは顔つきでわかる。「樽の音聴き」一筋のおじさんのもっている木槌は三分の一くらいすり減っていた。働いている人の総数はあれこれふくめて80人近い。いつまでこのような伝統的なシステムが現実に維持できるのか、僕にはわからない。しかし維持されているかぎり、その美しい静けさは変わらずそこにあるだろう。その静けさを乱すのは岸壁に砕ける波の音と、おじさんが時折小槌で樽を叩く音だけだろう。 実際に飲んでみると、ボウモアのウィスキーにはやはり人の手の温もりが感じられる。「俺が俺が」という、直接的な差し出がましさはそこにはない。ひとことで「これはこうだ」と言い切れるようなキャッチーな要素は希薄である。そのかわり、暖炉の火の前で、古く懐かしい手紙を読んでいるときのような静かな優しさ、懐かしさが潜んでいる。 にぎやかなところで飲むよりは、馴染んだ部屋で、馴染んだグラスで、一人で穏やかに飲みたい酒だ。その方が味がずっと生きてくる。シューベルトの長い室内楽を聴くときのように、目を閉じて息を長くとって味わったほうが、味の底が一枚も二枚も深くなる。ほんとうです。『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』1
2022.07.27
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図書館に予約していた『商業美術家の逆襲』という本を、待つこと5日でゲットしたのです。この本がとりあげている商業美術家たちが壮観です。・・・つまり川鍋暁斎、小村雪岱、渡辺省亭、鏑木清方、横尾忠則、つげ義春がええでぇ♪【商業美術家の逆襲】 山下裕二著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より本書では、日本美術のメインストリームから外れたことで、美術史上、正当な評価を受けてこなかった商業美術家たちを「再評価」するだけでなく、むしろ彼らを本流として明治以降の美術史を再考してみたいと思っています。…おそらく20年後には、本書に登場する画家の幾人かは「この人が忘れられていたなんて信じられない!」と言われるようになっているでしょう。<読む前の大使寸評>この本がとりあげている商業美術家たちが壮観です。・・・つまり川鍋暁斎、小村雪岱、渡辺省亭、鏑木清方、横尾忠則、つげ義春がええでぇ♪<図書館予約:(7/17予約、副本3、予約0)>rakuten商業美術家の逆襲「第3章」で小村雪岱の続きを、見てみましょう。p87~89 <第3章 江戸の美意識はいかに受け継がれたか>■装幀・装画から、舞台美術まで 雪岱について、清方は次のように書いています。「小村さんは素材を前にして何を描こうかと考えるより、どんな意匠でこの素材の面白味を表して見ようかと、その工夫に一ばん頭脳を使っろうと想像される」。 雪岱は日本画の深い素養を持っていながらも、根っからのデザイナーだったのだと思います。 30代前半の5年間は黎明期の資生堂意匠部に在籍し、いまも使われている資生堂書体の原型づくりにも携わっています。チーフの矢部季をはじめ、当時の意匠部のデザイナーはビアズレーに傾倒し、アール・ヌーボー調のデザインを得意としていました。 雪岱が入社したのは、和のテイストも必要と考えた社長・福原信三に乞われてのことでした。資生堂では、筆をペンに持ち換えて独自の表現を追求し、省略と白黒のコントラストを利かせた和モダンなイラストや香水ボトルなどをデザインしています。この雪岱流「省略とコントラスト」は、約半世紀後の1960年代、資生堂の広告に新たな表現を拓く着想の源となったといいます。「青柳」 ちなみに、前掲の肉筆画「青柳」は、資生堂関係者の旧蔵品です。信三とともに若手画家を支援した弟の信辰が世話人となって描かせたものと言われています。 信三の計らいで、資生堂在籍中も装幀の仕事をつづけていた雪岱は、生涯に300冊近い本の装幀・装画を手掛けました。雑誌『デザイン』の元編集長・臼田捷治氏は、雪岱を「近代装幀本の中のの系譜の、押しも押されもせぬ」と絶賛しています。(中略) とはいえ、雪岱の名が広く世に知られるきっかけとなったのは、やはり『おせん』です。おせん効果で朝日新聞は部数を大きく伸ばしたとまで言われ、その人気ぶりを物語るかのように、連載翌年に刊行された単行本『絵入草紙 おせん』の背表紙には、金文字で「邦枝寛二作 小村雪岱画」と大きく横並びで刻まれるほどでした。『商業美術家の逆襲』1:小村雪岱という衝撃
2022.07.27
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図書館に予約していた『商業美術家の逆襲』という本を、待つこと5日でゲットしたのです。この本がとりあげている商業美術家たちが壮観です。・・・つまり川鍋暁斎、小村雪岱、渡辺省亭、鏑木清方、横尾忠則、つげ義春がええでぇ♪【商業美術家の逆襲】 山下裕二著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より本書では、日本美術のメインストリームから外れたことで、美術史上、正当な評価を受けてこなかった商業美術家たちを「再評価」するだけでなく、むしろ彼らを本流として明治以降の美術史を再考してみたいと思っています。…おそらく20年後には、本書に登場する画家の幾人かは「この人が忘れられていたなんて信じられない!」と言われるようになっているでしょう。<読む前の大使寸評>この本がとりあげている商業美術家たちが壮観です。・・・つまり川鍋暁斎、小村雪岱、渡辺省亭、鏑木清方、横尾忠則、つげ義春がええでぇ♪<図書館予約:(7/17予約、副本3、予約0)>rakuten商業美術家の逆襲「第3章」で小村雪岱を、見てみましょう。p68~70 <第3章 江戸の美意識はいかに受け継がれたか>■小村雪岱という衝撃 卓上芸術を旨とし、画家としての前半生を挿絵に捧げた清方。彼が良きライバルとしてリスペクトしていたのが、大正から昭和初期にかけて活躍した画家、小村雪岱でした。 私が雪岱の存在に海岸したのは、いまから30年ほど前、東京大学美術史学科の助手を務めていた頃です。たまたま神田神保町の古書店で手にした一冊の図録の表紙を飾っていたのが「おせん 雨」でした。「おせん 雨」 人だかりを俯瞰し、野次馬を傘の表情で描いた大胆な構図。モノクロームの均質な線描と、女の頭巾や野次馬の帯、傘先に差した墨ベタのバランスも完璧です。クラシックな江戸情趣を描きながら、驚くほどモダンなデザインに、私はすっかり心を奪われてしまいました。 この絵は、昭和8年(1933)の9月から12月にかけて朝日新聞に連載された邦枝寛二の小説『おせん』の挿絵だったものです。正確に言うと、挿絵から展開した雪岱の肉筆画を、没後に木版画化したもの。その一部分をクローズアップした図録の表紙は「複製の複製の複製」であるにもかかわらず、見る者を惹きつける強烈な磁力を放っていました。 いまも私の手許にあるその図録には、「小村雪岱展」とあります。かつて東京・銀座にあった日本初の浮世絵専門美術館、リッカー美術館で昭和62年(1987)秋に開かれた雪岱単独の展覧会です。しかし、私が雪岱の名を目にしたのはこの時が初めてで、その頃、私は東京大学の助手を務めていましたが、日本美術に関する膨大な蔵書がある美術史研究室にも、雪岱にまつわる書物は一冊もありませんでした。 まだインターネットなどなかった時代ですから、画家の足跡を追うとなると、頼みの綱は古本屋です。こまめに回って棚をチェックしてみると、バブル真っ盛りの頃とはいえ、雪岱の画集には結構な高値がついていました。 アカデミックな美術史の世界ではほとんど無視されていましたが、一方では根強いファンがいて、特に出版・グラフィックデザイン界の一部の人々の間で、レジェンド的な存在だったのです。■清方、鏡花、雪岱のトライアングル 装幀、挿絵から、舞台や映画の美術・時代考証まで、商業美術の世界で非凡な才能を発揮した雪岱は、いまで言えばグラフィックデザイナーであり、アートディレクターにあたるでしょうか。その画歴をたどっていくと、かなり本流に近いところで日本画の基礎と伝統を学んだ人であることがわかります。 16歳で画家を志し、第一回文展の審査員も務めた日本画家・荒木寛畝の画塾に入門。翌年、東京美術学校の日本画科選科に入学して、横山大観とともに日本美術院の屋台骨を支えた下村観山の教室で指導を受けています。 さらに、23歳で國華社に入社し、足かけ3年に渡って美術雑誌『國華』で古画の模写に従事。絵巻物から琳派、浮世絵まで、幅広く古典の技とエッセンスを吸収しています。 アカデミックな美術教育を受け、その牙城とも言える『國華』に籍を置いていた雪岱が商業美術の世界に飛び込んだのは、27歳の時に依頼された一冊の本の装幀がきっかけです。それは憧れの作家、泉鏡花の書下ろし小説『日本橋』でした。『本に携わる職人たち5』より
2022.07.26
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図書館で『日本地図のたのしみ』という文庫本を、手にしたのです。国土地理院の地図などを引用しながら、地理的・治経済的なエピソードを語る構成となっていて・・・ええでぇ♪【日本地図のたのしみ】今尾恵介著、筑摩書房、2016年刊<「BOOK」データベース>より日本地図を鑑賞しよう。「ムカツク」地名や人名にしか読めない地名、不思議な飛び地や奇妙な県境など楽しい発見の宝庫だ。その由来を探れば、地形や歴史、あるいは地図制作者の意図が見えてくる。地図の見方や古地図の味わいなど、マニアならではの目のつけどころを、初心者にもわかりやすく紹介する。「机上旅行」を楽しむ地図鑑賞入門。<読む前の大使寸評>国土地理院の地図などを引用しながら、地理的・治経済的なエピソードを語る構成となっていて・・・ええでぇ♪rakuten日本地図のたのしみ「第一章 地図で見る今・昔」で八郎潟の今昔を、見てみましょう。p26~28食糧増産の至上命令で消えた日本第二位の湖 八郎潟 日本第二位の湖は? 現在は霞ヶ浦であるがかつては八郎潟であった。半島になる前の男鹿島に向けて沿岸流に運ばれた砂嘴が南北から延びて本土とつながり、その砂州の内側に形成されたラグーン(潟湖)が八郎潟である。男鹿島が陸続きになったことで男鹿「半島」は東西12キロ南北は27キロにおよび、面積は220平方キロと現在の大阪市の面積とほぼ同じであった。南端部で海とつながっている汽水湖で、ワカサギやシジミが名産として知られ、白保を張った打瀬船による漁風景が見られたという。現在の国土地理院地図寒風山 国土地理院地図より 水深が最大で4.7メートルと浅かったため、江戸時代から何度か干拓が試みられたが、戦後の食糧事情の悪化からコメの大増産の至上命令に応えるべく、1957(昭和32)年には「本場」オランダからヤンセン教授を招き、国営事業として干拓が始められた。 長大な中央干拓堤が建設され、海水を抜いて現れた湖底には縦横に一直線の水路と道路が建設され、1964(昭和39)年には170平方キロの大潟村と名づけられた新しい村に、全国から選抜試験を勝ち抜いた「エリート村民」が生活を始めた。 その後は日本人の食生活の急激な変化でコメ消費量が落ち込み、減反政策が実施されるなど、「コメづくりの村」には厳しい時代となったが、今でも第一次産業人口の割合は全国の市町村で堂々トップの75パーセント(平成22年国勢調査)を誇る。
2022.07.26
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図書館で『死なないつもり』という横尾さんの本を、手にしたのです。横尾さんといえば、とにかくパワフルなご老人なので・・・何か元気になる秘訣が見つかるんじゃないかと思ったわけでおます。【死なないつもり】横尾忠則著、ポプラ社、2016年刊<「BOOK」データベース>より「今いちばん関心のあることは命です。明日死んでもいいなんて、僕は思わない」「壊す勇気があるかどうか、完璧をめざさず、未完にすることで明日をつくる」-たえず世界を驚かせてきた美術家が80歳を迎えて語る、創作について、人生について。<読む前の大使寸評>横尾さんといえば、とにかくパワフルなご老人なので・・・何か元気になる秘訣が見つかるんじゃないかと思ったわけでおます。rakuten死なないつもり「第3章 ビバ! 老人文化」で元気になる秘訣を、見てみましょう。p110~114 僕が興味を持っているもの、それは“命”です。いつ死んでもいいなんて、まったく思いません。 インタビューやエッセイで「こだわり」について質問されることがあります。でも「こだわる」という言葉にこだわっている以上、ダメなんです。仏教が一番戒めている言葉が執着でしょう。そういうものから解放されて自由にならないと、次のステップに進めない。「あなたのこだわりは?」という質問に答えて活字化されることによって、執着が形になり、本当の執着となって心が解放されない。だから「興味を持っているものは?」くらいがちょうどいい。 僕が興味を持っているもの、それは“命”です。10年前、5年前だったら違っていたと思うけれど、今はこれです。いつ死んでもいいとはまったく思わない。生きていれば、新しいものと常に出会うと思っています。 日本の男性の平均寿命は、現在80.79歳。僕は今年の6月に80歳になりました。つまり、日本の男性の平均くらいは生きたことになって、どうしても残された時間のことを考えざるを得ない。 100歳以上の人が、2016年の調査で初めて6万5000人を超えたという。10万人を超えるのも時間の問題でしょう。そうすると、人生設計を変えないといけなくなります。 戦前の平均寿命はおおむね40歳台でしたし、1970年くらいまではせいぜい50年とか60年の活動期間を想定していて、その生をなんとか全うしようとして、みんな励んで勉強して文化を作ってきた。 現在のように寿命が延びて、その延びた時間で何か文化が生まれるのか。これまでの欲望第一主義の延長線上にあるものならば、ろくな文化にならないんじゃないかという気もします。 しかし、老人は年齢とともに執着が減っていったり、消えていったりするんです。そうなった人たちの文化は期待できます。毎日を楽しむ生き方を奨励して、それを下の世代の人たちに受け継がせていくことができるのか、ここがポイントだと思う。 その老人の文化的感性を支えるには、社会の経済力がどうそれに関わるかということも問題になります。老人産業はお金になる分野といわれています。サプリメントにしても、食べ物にしても、出版にしても、医療・介護にしても、さらに住宅・福祉機器などあらゆる分野に及んでいます。 若い人たちが早いうちに、老人社会を覗くというか、予感するというか、老人になるとどうなるのか、どんなことを考えるのかを知ることはあったほうがいいと思う。いずれ自分たちの問題になってくるんだから。 だけど、長寿ばかりが能じゃないです。その内容です。長寿と想像はその根底で結びついています。創造的生活を導入する事で、充実した健康な老年期が待望できるんです。寿命を時間の長さで考えるのではなく、何を何回やったかということです。
2022.07.25
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図書館で『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると・・・カラー画像がちりばめられていて思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪【もし僕らのことばがウィスキーであったなら】村上春樹著、新潮社、2002年刊<「BOOK」データベース>よりシングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは?『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか?蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々-。芳醇かつ静謐なエッセイ。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・カラー画像がちりばめられていて思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪rakutenもし僕らのことばがウィスキーであったならアイラ島の蒸留所まず、前書きのようなものを、見てみましょう。p9~12 <前書きのようなものとして> どのような旅にも、多かれ少なかれ、それぞれの中心テーマのようなものがある。四国にいったときは死ぬつもりで毎日うどんを食べたし、新潟ではまっ昼間からきりっとした彫りの深い清酒を存分に味わった。出来るだけ数多くの羊を見ることを目的として北海道を旅行したし、アメリカ横断旅行では数え切れないくらいのパンケーキを食べた。 トスカナとナパ・ヴァレーでは、人生観に変化を生じかねないほど大量のうまいワインを胃袋に送り込んだ。ドイツと中国ではどういうわけか動物園ばかりまわっていた。 今回のこのスコットランドとアイルランドの旅のテーマはウィスキーだった。スコットランドのアイラ島に行って、その名高いシングル・モルト・ウィスキーを心ゆくまで賞味し、それからアイルランドに行って、あちこちの町や村をまわりながらアイリッシュ・ウィスキーを楽しもうと。それはじつに素晴らしいアイデアだねと多くの人が(もちろん全員が酒飲みなわけだが)、褒めてくれた。 ほんとうのことをいえば、そもそも夫婦二人で二週間ばかりかけて、プライベートなアイルランド旅行をのんびり楽しむつもりだった。しかしちょうど、ウィスキーについて文章を書く仕事がもちこまれてきたので、それならちょうど場所もいいしということで、ウィスキーをテーマにした旅行をしてみようと思い立ったわけだ。 無目的にただぶらぶらと旅してまわるのももちろん楽しいけれど、経験的に言ってある程度そういう目的みたいなものがあった方が、旅行はうまく運ぶことが多い。それで当地の蒸留所の人々を個人的に紹介してもらい、彼らに会って話をし、ウィスキーを作る工程を見学させてもらうことにした。旅先で地元の人に会って話を聞くのは悪くないし、僕はどこに行こうと昔から工場見学というやつが大好きなのだ。 旅行はとても楽しく、ものごとはすべてうまく運んだ。僕にしては珍しく、トラブルのほとんどない旅行だった。問題はただふたつ。6月なのにひどく寒くて、持ってきた福ではとても防寒が間に合わなかったことと、二週間ではとても日にちが足りなかったことだった。 もっともあちこちをまわって、いつまでも黒ビールとウィスキーを飲んでいたかった。それが僕と妻との共通の意見だった。しかしまあ、すべての物事には潮時というものがある。 そして日本に帰ってきて、妻の写した写真を眺めながら、このふたつの文章を書いた。これらのエッセイは写真とともに雑誌に発表したあと、いつか先になって旅行記の一部として収めるつもりでそのまま放置していたのだが、しばらく時間が経過すると、ほかの旅行についての記述とはどうもうまく馴染まないのではないかという気がしてきた。あまりにもテーマがはっきりしているからだ。ほかの文章と一緒にすると、この部分だけが浮いてしまうことになるかもしれない。 そんなわけで、ふたつ足してもそれほど長い文章でもないのだが、文章に手を入れ、少し書き足して、写真と一緒に、独立した一冊の「ウィスキーの匂いのする小さな旅の本」を作ってみることにした。
2022.07.25
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<『明治の外国武器商人(復刻)』>以前に読んだ「明治の外国武器商人」という本が興味深いので、紹介します。この商人とは、アームストロング社の代理人となって来日したデンマーク人とのことです。***********************************************************図書館で『明治の外国武器商人』という新書を、手にしたのです。日清・日露戦争勝利の礎を築いた武器商人となると、聞き捨てならないわけで・・・興味深いのです。【明治の外国武器商人】長島要一著、中央公論新社、1995年刊<「BOOK」データベース>よりデンマークの名門の牧師の家に生まれ、優れた海軍士官であったバルタサー・ミュンターだったが、軍上層部との対立もあって退役、その後アームストロング社の代理人となって来日し、帝国陸海軍との関係を深めていく。特に海軍には戦艦・武器を売り込むとともに、自らの海軍の知識と経験を生かして技術・操練指導を行ない、後の日清・日露戦争勝利の礎を築くことになる。なぜか滞日時代が謎に包まれている親日武器商人の実像に迫る。<読む前の大使寸評>日清・日露戦争勝利の礎を築いた武器商人となると、聞き捨てならないわけで・・・興味深いのです。rakuten明治の外国武器商人「終章 帰国後のミュンター」を、見てみましょう。p180~181 ミュンターが帰国した1898年、ほかの西洋諸国同様デンマークでも日本に対する関心がようやく高まりつつあった。すでに幕末維新期、明治初期に訪日したデンマーク人の旅行記、日本印象記がいくつか出版され、日本の工芸品がもてはやされていた。 フランスのジャポニズムの余波を受けてカール・マッセンが『日本の美術』と題する単行本をすでに1885年に刊行し、ピエール・ロティの『秋の日本』もデンマーク語訳が1890年に出た。ミュンターの妻ヨハンネが日清戦争後の日本を訪れる決心をした契機に、ロティの異国情緒あふれた日本の描写の影響があったことは容易に想像しうることであり、ヨハンネ自身、96年に帰国したのちは、ラフカディオ・ハーンの作品を翻訳紹介しつつ、デンマークの読者に日本を紹介する著作『朝焼けの国から』と『菊』を立て続けに出版したこともあって、日本に関する情報は確実に広まっていた。 そして1903年、ヴィルヘルム・ラスムッセンの『日本』が発行されるにおよんで、デンマークにおける日本情報は一応の水準に達して普及されたと見てよい。しかしその受け取られ方には歪みがあった。異国趣味の色眼鏡にかけられ、植民地主義の裏返しであった東洋趣味に色濃く染められていた。黄渦論はそうした偏向の集中的表現であったと言える。 その真っ最中に日露戦争が勃発した。近代戦の端緒であった日露戦争は全世界の注目の的となり、戦況の報道に、諸外国同様デンマークでも、人々は見たいものだけを見、聞きたい事柄のみに耳を傾けた。戦争のニュースに向けられた人々の好奇心は淫らとさえ言えるほどで、代表的新聞『ポリチケン』は、日露戦争関係の記事を主軸にした「エキストラ版」と称する夕刊を日刊で発行するにいたった。 俗受けを狙ったこの種の新聞記事には、誤報はもちろん、疑問符つきの怪しい情報が少なくなかった。それらを吟味しつつ、刻々と入電されてくるニュースを選択分析し、正確で公平な評価を下しうる人物として、知日家で日露両軍の内実に詳しかったミュンターが担ぎだされたわけである。 ミュンターはすでに66歳、元非職海軍准将で当時は海事促進会の理事を務めていたが、頭脳明晰、文章力もあったため、この出番を待っていたかのように、何年続くかもしれない戦争を記述する仕事に取り組んだ。ミュンターが、自ら蓄積した日本に関する知識をこうして発表できる機会を与えられたことは、運命的ですらあった。 若い海軍士官をロシア海軍に修業に出す伝統をもち、19世紀後半の国際政治の舞台では常にロシア支持の立場に徹底していたデンマークにあって、日露戦争の進行とともに、日本に公平な記述を試みたことは、それ自体が快挙であったと言えよう。ウン 異邦人の心意気にも感応したミュンターは、明晰な近代人でもあったようですね♪『明治の外国武器商人』7:日清戦争の海戦『明治の外国武器商人』6:ミュンターの中国体験『明治の外国武器商人』5:ミュンターの仕事『明治の外国武器商人』4:伊藤博文や西郷隆盛の話『明治の外国武器商人』3:ミュンターの来日『明治の外国武器商人』2:アームストロング社嘱託として東洋へ『明治の外国武器商人』1:「はじめに」
2022.07.24
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「新書&文庫本」でしょうか♪<市立図書館>・商業美術家の逆襲・死なないつもり・もし僕らのことばがウィスキーであったなら・日本地図のたのしみ<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【商業美術家の逆襲】 山下裕二著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より本書では、日本美術のメインストリームから外れたことで、美術史上、正当な評価を受けてこなかった商業美術家たちを「再評価」するだけでなく、むしろ彼らを本流として明治以降の美術史を再考してみたいと思っています。…おそらく20年後には、本書に登場する画家の幾人かは「この人が忘れられていたなんて信じられない!」と言われるようになっているでしょう。<読む前の大使寸評>この本がとりあげている商業美術家たちが壮観です。・・・つまり川鍋暁斎、小村雪岱、渡辺省亭、鏑木清方、横尾忠則、つげ義春がええでぇ♪<図書館予約:(7/17予約、副本3、予約0)>rakuten商業美術家の逆襲【死なないつもり】横尾忠則著、ポプラ社、2016年刊<「BOOK」データベース>より「今いちばん関心のあることは命です。明日死んでもいいなんて、僕は思わない」「壊す勇気があるかどうか、完璧をめざさず、未完にすることで明日をつくる」-たえず世界を驚かせてきた美術家が80歳を迎えて語る、創作について、人生について。<読む前の大使寸評>横尾さんといえば、とにかくパワフルなご老人なので・・・何か元気になる秘訣が見つかるんじゃないかと思ったわけでおます。rakuten死なないつもり【もし僕らのことばがウィスキーであったなら】村上春樹著、新潮社、2002年刊<「BOOK」データベース>よりシングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは?『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか?蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々-。芳醇かつ静謐なエッセイ。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・カラー画像がちりばめられていて思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪rakutenもし僕らのことばがウィスキーであったなら【日本地図のたのしみ】今尾恵介著、筑摩書房、2016年刊<「BOOK」データベース>より日本地図を鑑賞しよう。「ムカツク」地名や人名にしか読めない地名、不思議な飛び地や奇妙な県境など楽しい発見の宝庫だ。その由来を探れば、地形や歴史、あるいは地図制作者の意図が見えてくる。地図の見方や古地図の味わいなど、マニアならではの目のつけどころを、初心者にもわかりやすく紹介する。「机上旅行」を楽しむ地図鑑賞入門。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten日本地図のたのしみ************************************************************図書館大好き557
2022.07.24
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?このところ宇宙や占星術の記事を見たり、書いたりしているが『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。しかしまあ、今年の夏は晴れたら熱中症が心配されるほど暑く、降れば土砂崩れが心配されるほどであり・・・偏西風が蛇行しているためともいわれるが、たまらんでー。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は七十二候でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたりこの本で、大暑のあたりを見てみましょう。和暦p19<大暑>暑い日々、雨乞いの神事が行われた水枯れの候「大暑」は、現行の暦で7月23日ころに初日を迎え、立秋の前日までがその期間である。 快晴がつづくなか気温は上がり続ける。『暦便覧』では「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されている。「小暑」の期間から始まっている「土用」は、立秋の前日までがその期間となっている。 旧暦で暮らした時代は、田植えが終わり梅雨も明けると、「大暑」の期間は快晴が続くため、「水路の涸れ」が最大の関心事だった。そのため、かつては「雨乞い」の神事が産土神の鎮座する神社でおこなわれていたようだ。雨乞いの神事では、古式豊かな作法が厳格に守られ、雨乞いだけでなく、安産や家族の幸福などが祈られたという。 さらに失われつつある風物詩は、「打ち水」。かつては夕方になると一斉に、道路や庭に水を撒き、埃を鎮めたり涼を求めたりしたものだが、空調の導入や住環境の変化で、やはり少しずつ廃れていった習慣のひとつである。 大暑の期間の七十二候は以下の通り。 初候「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)桐の実が成り始める。 次候「土潤辱暑」(つちうるおいてむしあつし)土が湿ってむし暑くなる。 末候「大雨時行」(たいうときどきおこなう)時として大雨が降る。 水を求め、水に悩ませるということだろうか。 また西洋占星術では、大暑の初日が獅子宮(しし座)の始まりとなっている。また、土用の丑の日も年4回あるが、ウナギを賞味する風習は夏に限定されている。なお、夏の土用の丑の日は、2023年は7月30日となります。二十四節季の小暑に注目(復刻)二十四節季の夏至に注目(復刻)
2022.07.23
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図書館に予約していた『潜入ルポamazon帝国』という本を、待つこと6日でゲットしたのです。以前は中古本やパソコンなどを注文していたが、年金生活に入ってからはご無沙汰のアマゾンであるが・・・コスパがよくて短納期ではあるが、このところの露骨な商売が気になるのです。【潜入ルポamazon帝国】横田増生著、小学館、2019年刊<出版社>より〈「とてつもなく大きくなったなぁ……」と気圧されるような思いに陥った(中略)私がアマゾンの物流センター内部に足を踏み入れるのは15年ぶり〉(第1章より)“世界最大の小売企業”アマゾンによって、いまや日本市場は制圧されつつある。果たして、その現場では何が起きているのかーー「アマゾン・エフェクト」の実態に迫るべく、著者は『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』以来、15年ぶりにアマゾンの巨大物流センターに潜入する。さらに、即日配送、カスタマーレビュー、マーケットプレイス、AWSなど、アマゾンのさまざまな現場に忍び込んでは「巨大企業の光と影」を明らかにしていく。私たちはこのまま何も実態を知ることなく、「アマゾン帝国」に支配されていくのだろうか……日本人に大きな問いを投げかける力作ルポルタージュである。<読む前の大使寸評>以前は中古本やパソコンなどを注文していたが、年金生活に入ってからはご無沙汰のアマゾンであるが・・・コスパがよくて短納期ではあるが、このところの露骨な商売が気になるのです。<図書館予約:(7/08予約、7/14受取)>rakuten潜入ルポamazon帝国「第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望」で、アメリカ流の商売を、見てみましょう。p169~172 <日本企業の買収失敗> アマゾンジャパンが市川塩浜の物流センターを立ち上げたのは、アメリカでは、アマゾンの経営危機の話題で騒然としている00年11月のことだった。アマゾンジャパンは同社として3番目の海外現地法人であり、その前に98年にイギリスとドイツでサービスを開始している。 ベゾスはこのとき、80年代にヤマト運輸と取次の栗田出版販売(現在は大阪屋栗田)が共同出資で作った《ブックサービス(16年に楽天ブックスに統合)》を買収し、すぐにでも日本での業務を立ち上げようと画策する。しかし、当時の社長であった木村傑が、ベゾスに直接会って、買収話を断っている。 木村がベゾスに会ったのは98年6月で、場所は同社の本社があった本郷(東京)だった。 180センチ近い長身の木村は、前著『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』でこう語っている。「オレより背が低い小男で、見た目はかわいい感じ。でも話をはじめると、相当エネルギッシュで頭の切れる男だと思ったね。ベゾスの目的は、ブックサービスを買収すること」 その買収提案を断ったわけを木村はこう話している。「理由は、アングロサクソン式の経営と、日本式の経営の違い。弱肉強食を地で行くアマゾンのような会社は、規模が大きくなるのなら手段を選ばないところがある」からだ、と。 このM&A話が頓挫するのと相前後して、もう1つの動きがあった。 後にアマゾンジャパン立ち上げメンバーの1人となり、現在、雑誌のネット通販会社・富士山マガジンサービスの社長を務める西野伸一郎とその仲間は98年、「アマゾンは日本に興味があるに違いない。それなら僕たちがベストパートナーだ」と考え、ベゾスにその旨をメールで送っている。1週間後に「話が聞きたい」というベゾスからの返事が来た。シアトルでの2時間の会議が終わると、ベゾスは上機嫌でこう言った。「1日でも早くやろう」 それはどういう意味か、と戸惑う西野たちに、「何を言っているんだ。俺たちはもう、昨日からだって一緒にやっているようなもんだろう。ぜひ一緒にやろう!」とベゾスは、単独での日本進出の話に全面的に乗ってきた。 西野は99年、当時勤めていたNTTを辞め、アマゾン立ち上げの準備に入った。そこにシアトルのアマゾン本社から1枚のファクスが届いた。「あの話(アマゾンの日本進出の話)は、なかったことにしてほしい」。アマゾンの取締役会が、まずは本国アメリカでの事業の強化を優先させることを決定したからだった。赤字覚悟で拡大路線を突っ走るベゾスにストップがかかり、日本進出が頓挫しそうになった。 納得できない西野はシアトルに飛んだ。「いつか日本に進出するのなら俺らを雇えばいいじゃないか」とゴリ押しして、アマゾン本社に入社し、日本進出の準備を進めた。そして1年後、大阪屋から書籍を仕入れることで、アマゾンジャパンはどうにか船出した(日経産業新聞、19年1月8日付)。 アメリカのアマゾン本体が経営危機を脱することができたのは、ベゾスの公約であった黒字化を、約束通り果たしたからである。01年の第4四半期の決算は、正真正銘の黒字決算だった。 日本のアマゾン・ウォッチャーはこう話す。「この決算数字は、同社の先行きに対する根強い疑念や株主の不満を一気に吹き飛ばす、奇跡の逆転ホームランのようなものでした」 本業から利益が生まれ、負債の返済に充てられる見込みがついたことで、アマゾンは倒産の危機を回避し、この後、02年に通年での営業黒字を達成し、翌03年は初の最終黒字となると、《米ウォールストリート・ジャーナル紙》は、「ネット上で最強レベルのサバイバー」と持ち上げた。(中略) <配送料を無料にする> この倒産の瀬戸際にあった00年から02年にかけ、アマゾンは同社の顧客サービスにおいて重要な一歩を踏み出している。 利益を上げるのに四苦八苦するなか、アマゾンは、00年と01年のホリデーシーズンに100ドル以上の買い物をすれば、配送料を無料にするサービスをはじめた。送料無料の設定価格を100ドルとすることで、まとめ買いの需要を掘り起こすことを期待した。それまでテレビCMなどを作っていたマーケティング部を解体し、その費用を送料無料の原資に充てた。テレビCMを打つより、送料無料の方が顧客を獲得するのに有利だ、とベゾスが判断したからだ。『潜入ルポamazon帝国』2:過酷な宅配ドライバー『潜入ルポamazon帝国』1:はじめに
2022.07.23
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図書館に予約していた『潜入ルポamazon帝国』という本を、待つこと6日でゲットしたのです。以前は中古本やパソコンなどを注文していたが、年金生活に入ってからはご無沙汰のアマゾンであるが・・・コスパがよくて短納期ではあるが、このところの露骨な商売が気になるのです。【潜入ルポamazon帝国】横田増生著、小学館、2019年刊<出版社>より〈「とてつもなく大きくなったなぁ……」と気圧されるような思いに陥った(中略)私がアマゾンの物流センター内部に足を踏み入れるのは15年ぶり〉(第1章より)“世界最大の小売企業”アマゾンによって、いまや日本市場は制圧されつつある。果たして、その現場では何が起きているのかーー「アマゾン・エフェクト」の実態に迫るべく、著者は『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』以来、15年ぶりにアマゾンの巨大物流センターに潜入する。さらに、即日配送、カスタマーレビュー、マーケットプレイス、AWSなど、アマゾンのさまざまな現場に忍び込んでは「巨大企業の光と影」を明らかにしていく。私たちはこのまま何も実態を知ることなく、「アマゾン帝国」に支配されていくのだろうか……日本人に大きな問いを投げかける力作ルポルタージュである。<読む前の大使寸評>以前は中古本やパソコンなどを注文していたが、年金生活に入ってからはご無沙汰のアマゾンであるが・・・コスパがよくて短納期ではあるが、このところの露骨な商売が気になるのです。<図書館予約:(7/08予約、7/14受取)>rakuten潜入ルポamazon帝国「第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす」で、過酷な宅配ドライバーを、見てみましょう。p91~94 <ヤマトのサービス残業問題> 17年12月中旬の朝9時。 首都圏にあるコンビニの前でヤマト運輸のセールスドライバーと待ち合わせた。 この日の天候は晴れ。天気予報によると、最高気温は10℃まであがるとのこと。12月にしては暖かい1日となりそうだ。 近くの宅急便センターで午前中の荷物を積み込んできた小谷厚司(仮名)が運転する集配車両が、9時少し前にコンビニに現れた。「おはようございます。今日はよろしくお願いします」 と私があいさつした。 荷台の積み荷を見せてもらうと、15個以上あるアマゾンの箱や、ZOZOTOWNやジャパネットたかた、北の味覚やショップジャパンなどの通販の箱に加え、炭酸水やウーロン茶などの重量物も混じっていた。この日の午前、持ち出した荷物111個のうち、アマゾンの割合は1割強だった。加えて、車両の左右についた冷蔵庫と冷凍庫にもクール宅急便の荷物が積んであった。「12月にしては、多くない荷物量ですね。お歳暮の配達がはじまる12月1日、2日には、朝200個以上を積んで、出発することも少なくありませんから」 と小谷は笑う。「今は、労働時間の官吏がうるさくなって、朝8時半すぎにならないと、作業用の端末を立ち上げてはいけなくなったんです。とりあえずその前に、荷物を積み込むだけ積み込んで、時間に鳴ったら、端末で荷物のバーコードを打ち込むようにしています。本当は、7時半には端末が使えるようにしてほしいんです。そうすれば、8時には出発出来て、午前中の配達に時間の余裕ができますし、終りの時間も早くなります。ドライバーの本音は、早く出てきて、早く帰りたいんですけれど、働き方改革がはじまってから、会社の時間管理は厳しくなって、その分、仕事がやりにくくなってきました」 宅配便のドライバーの1日のスケジュールを簡単に説明すると、まずは午前中に1回目の配達を行う。午後からは2回目の配達と同時に、コンビニや薬局などの集荷所から荷物を集めてくる。夕方から、3回目の配達に回る。それを1便、2便、3便と呼ぶ。ロライバーは1日、同じコースを3度回って、配達と集荷を行うのである。 宅配ドライバーが顧客に届けることを、業界ではラストワンマイルと呼び、アマゾンをはじめとする各通販企業は顧客との唯一の接点として重要視している。ラストワンマイルで時間に遅れたり、荷物が破損したり、荷物が行方不明になったりしたら、それまでのおぜん立てはすべて水の泡となる。 ヤマト運輸で、約230億円の未払い残業代の問題が発覚して、ソノブラックな企業体質が広く世に知れ渡ったのは17年春のこと。その前段には、16年に、同社の神奈川県下の支店が、残業代の未払いなどによる労働基準法違反で、労基署から是正勧告を受けていたことがある。さらにその支店の元ドライバー2人が、ヤマト運輸に対し、未払い賃金の支払いを求める労働審判を起こしたことがあった。 サービス残業問題が発覚した際、ヤマト運輸は、アマゾンを中心とする通販荷物の激増で、現場に負担がかかりすぎていたことを認め、受け入れ荷物の数量を抑制する総量規制と、それまで20年近くにわたって下落傾向にあった運賃の値上げ交渉、さらにドライバーの人員増員などを主軸とする改革案を打ち出した。 小谷が、未払いのサービス残業代として受け取ったのは40万円台。「サービス残業代を正直に全部申告したら、倍の80万円にはなっていたでしょう。だけど、そんな高額を請求すれば、すぐに支店長に目をつけられて、最悪、別の支店に飛ばされることもあります。辞めるつもりの人じゃないと、全額は請求できなかったと思いますよ。だから、みんなが全部請求していたら、総額は200億円台じゃ利かなかったんじゃないですか」と小谷は言う。 その後、多くの荷主がヤマト運輸から強引な運賃の値上げを迫られ、“ヤマトショック”と呼ばれた。 運賃を従来の2倍に値上げする、とヤマトから一方的に通告された、あるケーキ店のオーナーは「もう、やっていけないよ」と雑誌の取材に答えている(「週刊ダイヤモンド」2018年5月26日号)。『潜入ルポamazon帝国』1:はじめに
2022.07.22
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・人新世の「資本論」(12/18予約、副本24、予約389)現在98位・今村翔吾『塞王の楯』(1/21予約、副本11、予約522)現在245位・『スマホ脳』(1/28予約、副本40、予約511)現在167位・「監視資本主義」(2/07予約、副本1、予約30)現在15位・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在320位・女のいない男たち(3/31予約、副本8、予約207)現在127位・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、副本3、予約49)現在34位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在34位・鎌倉殿と13人の合議制(5/18予約、副本2、予約9)現在1位・絲山秋子『まっとうな人生』(6/21予約、副本6、予約40)現在32位・ブレイディみかこ『両手にトカレフ』(7/01予約、副本2、予約37)現在31位・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、副本2、予約19)現在18位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・村田紗耶香『信仰』:図書館未収蔵 ・松本修『言葉の周圏分布考』・島田雅彦『パンとサーカス』・嶋田博子『職業としての官僚』・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』・砂川文次『ブラックボックス』・半藤一利『太平洋戦争への道 1931-1941』:図書館未収蔵・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・『猫の文学館I』『猫の文学館Ⅱ』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:5/17以降> ・堀川恵子『暁の宇品』(12/14予約、5/17受取)・養老先生、病院へ行く(9/30予約、6/01受取)・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、6/04受取)・グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』(12/23予約、6/22受取)・戦争は女の顔をしていない(4/07予約、7/01受取)・るるぶ宇宙(4/12予約、7/01受取)・パンデミック監視社会(4/24予約、7/08受取)・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、7/14受取)・横田増生『潜入ルポamazon帝国』(7/08予約、7/14受取)・山下裕二『商業美術家の逆襲』(7/17予約、7/22受取予定)**********************************************************************【人新世の「資本論」】 斎藤幸平著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/18予約、副本24、予約389)>rakuten人新世の「資本論」【塞王の楯】今村翔吾著、集英社、2021年刊<出版社>より近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>shueisha塞王の楯【スマホ脳】アンデシュ・ハンセン著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存ー最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/28予約、副本40、予約537)>rakutenスマホ脳【監視資本主義】 ショシャナ・ズボフ著、東洋経済新報社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界的ベストセラー!監視資本主義という言葉を生み出したハーバード・ビジネススクール名誉教授が描く新世界。私たちを急襲する隠された力とその対抗策。オバマ元大統領が選ぶ2019年ベストブック選出!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/07予約、副本1、予約30)>rakuten監視資本主義【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【女のいない男たち】村上春樹著、文藝春秋、2014年刊<「BOOK」データベース>より絡み合い、響き合う6編の物語。村上春樹、9年ぶりの短編小説世界。【目次】ドライブ・マイ・カー/イエスタデイ/独立器官/シェエラザード/木野/女のいない男たち<読む前の大使寸評>村上春樹の短編小説集ってか・・・『1Q84』ブームの後に、こんな本が出ていたとは、春樹ファンを自認している大使としては不覚であった。rakuten女のいない男たち【ブルシット・ジョブの謎】酒井隆史著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かすー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/02予約、副本3、予約49)>rakutenブルシット・ジョブの謎【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【鎌倉殿と13人の合議制】 本郷和人著、河出書房新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より源頼朝が急死した後、武家の棟梁の座を継いだ頼家。その代に導入された「13人の合議制」とはいったい何だったのか。関東の秩序と地理、文官の役割、頼朝をめぐる女性たち、朝廷との距離感、北条氏の思惑…頼朝以前にさかのぼって鎌倉幕府の本質を明らかにしながら、武士政権というそれまでにない権力体、新しい世の始まりをリアルに描き出す。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten鎌倉殿と13人の合議制【まっとうな人生】絲山秋子著、河出書房新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より名古屋出身の「なごやん」と繰り広げた九州縦断の脱走劇から十数年後ー。富山県のひょんな場所でなごやんと再会した「花ちゃん」。夫のアキオちゃんと娘・佳音の成長を愛おしむ日々に、なごやん一家と遊ぶ楽しみが加わった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でその生活が一変!!続々とやってくる不安の波に押しつぶされそうになりながら、花ちゃんが出会ったもうひとりの自分とは?富山県を舞台に『逃亡くそたわけ』の続編が幕を開ける!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/21予約、副本6、予約41)>rakutenまっとうな人生【両手にトカレフ】ブレイディみかこ著、ポプラ社、2022年刊<出版社>よりブレイディみかこ氏からのメッセージ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』には出てこないティーンたちがいました。ノンフィクションの形では書けなかったからです。あの子たちを見えない存在にしていいのかというしこりがいつまでも心に残りました。こうしてある少女の物語が生まれたのです。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten両手にトカレフ【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか【商業美術家の逆襲】 山下裕二著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より本書では、日本美術のメインストリームから外れたことで、美術史上、正当な評価を受けてこなかった商業美術家たちを「再評価」するだけでなく、むしろ彼らを本流として明治以降の美術史を再考してみたいと思っています。…おそらく20年後には、本書に登場する画家の幾人かは「この人が忘れられていたなんて信じられない!」と言われるようになっているでしょう。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/17予約、副本3、予約0)>rakuten商業美術家の逆襲【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2022.07.22
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図書館で『移民の世界史』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると・・・画像が多くてビジュアルななこと、各章の章立てが多彩なことが、ええでぇ♪【移民の世界史】ロビン コーエン著、東京書籍、2020年刊<「BOOK」データベース>より巡礼者、労働者、難民、探検家、亡命者、留学生、旅行者、退職者ー世界中で「人の移動」が注目される今、「移民」の歴史とこれからに迫る!【目次】第1部 人の移動の始まり(出アフリカ初期人類/探検家 アラブ人、中国人、ヨーロッパ人 ほか)/第2部 近・現代の人の移動(アイルランド人の移動と「ジャガイモ飢饉による大移住」/南アフリカの鉱山労働者 ほか)/第3部 現代の人の移動(中国の戸籍制度と国内での人の移動/インドの分離独立と人の移動 ほか)/第4部 論争と進展(音楽のルーツとルート/知識を求めて 留学生 ほか)<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・画像が多くてビジュアルななこと、各章の章立てが多彩なことが、ええでぇ♪rakuten移民の世界史「第22章」で華僑の活動を、見てみましょう。p108~110 <第22章 華僑> 「華僑」は一般に、中国国籍を持たまま、海外に居住している中国人のことをいう。19世紀に自由労働者、あるいは年季奉公人として海を渡った人や、その前後に移住した商人や実業家、現在、中国が海外で進めている建設工事に携わる人、海外で小売業、不動産業、輸入業を手がける人などを指す言葉である。 華僑は現在151ヶ国に散らばり、その数は5000万人(2012)と推定されている。マカオ、香港、中華民国(台湾)に住む2900万人の中国人はここには含まれていない。本章では、古い時代の中国人の移動、中国人商人の東南アジアへの進出、19世紀の年季奉公人、多数の国で誕生したチャイナタウンについて検討する。■古い時代の人の移動と東南アジアへの進出 中国人は陸路と海路を使って外へ外へと出ていった。中国が版図を大きく広げたのが漢の時代(前206~後220)である。オアシス都市への進出を始めた漢は、屯田兵を配置して農耕をさせていたが、やがて西域都護符をおいて西域を統治するようになった。 中国がこうした農耕地を海外にももっていたことや、にほん(前210)に探検隊を送り、そのかなりあとには、フィリピン(7世紀)、スマトラ(10世紀)にも派遣したことを示す証拠もある。 対外交易は唐の時代に大いに発展した。中国人商人の姿はペルシャ、メソポタミア、アラブ、エジプト、アクスム(エチオピア)、ソマリアでもみられた。シュラマという名のアラブ人商人は、中国人商人とその家族がティグリス川・ユーフラテス川の河口に住んでいるのを目撃している。そして、中国の船には600~700人が乗っていたとも書いている。(中略) 13世紀ごろから中国の品が盛んに取引されるようになった。ジャワ、スマトラなどの港は、中国人商人と彼らが中国あるいは現地でもうけた子どもでごった返すようになっていった。 植民地をもつ国々は中国人の移住を歓迎した。植民地を建設し、世界貿易のなかに組みこむのに役立つと考えたからだ。たとえばスペインは、オランダやポルトガルとの競争を制するために、さまざまな手を使って中国人をマニラに呼び寄せた。 30年たたないうちにマニラの中国人人口は1万人に達し、絹や道具、織物、食品、家具、陶器の活発な取引が始まった。現在、東南アジアで中国系の人口が最も多いのはタイで、600~900万人が住んでいる。この地域の国はどこを見ても中国系が多いが、中国系が過半数を占めているのはシンガポールだけである。■中国の年季奉公人「苦力」という語の語源や意味の変化については諸説ある。19世紀には中国人の年季奉公人を指す言葉として広く使われていたが、人を見下すような表現で、ひどい環境で働く下層労働者の呼称だったのは間違いない。彼らのなかには無理やり、あるいは口車に乗せられて雇われた人もいた。 その後、中国はインフレや人口圧の高さ、政治的混乱から弱体化していくが、そのころ極東に目を向ける人がいた。経済が拡大している南北アメリカで港や鉄道、道路の建設にあたる労働者や、熱帯地方の綿花やサトウキビのプランテーションで奴隷に代わって働く労働者を求める人たちだった。 正確な数字とは言いがたいが、ある学者によると、1847~74年に約50万人の中国人が年季奉公人として海を渡った。その後、第一次世界大戦中にはイギリス軍とフランス軍に奉仕するため14万人の中国人が雇われ、1904~07年には6万3000人の中国人労働者が南アフリカの金鉱に送られた。こうしたやり方が物議を醸し、1906年のイギリスの総選挙では、中国人の南アフリカへの移入に反対した自由党が圧勝する。神戸のチャイナタウンが『南京町の春節』で見られます。『移民の世界史』2:ベトナムのボートピープル『移民の世界史』1:トルコから西ドイツへの移住
2022.07.21
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<通訳、翻訳についてR23> 通訳、翻訳といえば大使のミニブームであるが・・・この際、通訳、翻訳について集めてみます。・『感情 俳優の声の中に』・柴田元幸『他人になってみる』・『日々翻訳ざんげ』・『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』・『洋書ラビリンスへようこそ』・柴田元幸『翻訳教室』・『柴田元幸の意見100』・『BOOK MARK』2・コーランを知っていますか・現代女性翻訳家の揃い踏み・群像(2020年6月号)・Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち・柴田元幸『本当の翻訳の話をしよう』・ジェイ・ルービン『村上春樹と私』・鴻巣友季子『本の森 翻訳の泉』・村上春樹『スメルジャコフ対織田信長家臣団』・村上春樹『私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー』・鴻巣友季子『全身翻訳家』・常盤新平『翻訳出版編集後記』・工藤幸雄『ぼくの翻訳人生』・柴田元幸『愛の見切り発車』・『小川洋子対話集』4・小川洋子『博士の本棚』2・柴田元幸『翻訳夜話』・金原瑞人『翻訳のさじかげん』・柳瀬尚紀『日本語は天才である』・『映画字幕は翻訳ではない』・読み、書き、訳すこと・関西弁の通訳・翻訳困りっ話R23:『感情 俳優の声の中に』を追記<『感情 俳優の声の中に』>アナログ老人は新聞記事のスクラップに勤しむのですが・・・映画字幕翻訳の達人・戸田奈津子さんのオピニョンをスクラップしていたので紹介します。朝日新聞の(リレーおぴにょん:声を感じて13)というスクラップ記事ですが。『感情 俳優の声の中に』byドングリ【他人になってみる (英文精読教室 第2巻)】柴田元幸著、研究社、2021年刊<「BOOK」データベース>より最高の物語、丁寧な注釈、信頼できる訳文。「英語」を捏造するアジア人、独自の愛を見出す女の子、過酷な生を生きるアフリカン=アメリカンの若者…英語で書かれた小説を辞書なしで100%楽しむ本。<読む前の大使寸評>柴田元幸さんの編・訳・註で6巻シリーズの第2巻とのことで・・・柴田さんといえば、読んでいるより、訳するほうが早いといわれる達人だそうで、如何なる本か興味がわくのです。rakuten他人になってみる (英文精読教室 第2巻)『他人になってみる(英文精読教室 第2巻)』2 【日々翻訳ざんげ】田口俊樹著、本の雑誌社、2021年刊<出版社>より本書はローレンス・ブロックの〈マット・スカダー・シリーズ〉をはじめ、2002年度「このミス」第1位のボストン・テラン『神は銃弾』、エルモア・レナード、トム・ロブ・スミス、ドン・ウィンズロウなど、ミステリーを中心に200冊近い訳書を刊行してきた名翻訳家が、自身が手掛けてきた訳書を再読し、翻訳家デビューのいきさつから、誤訳の数々、マイクル・Z・リューインとのメール交流、ジョン・ル・カレの逆鱗に触れた英文、レイモンド・チャンドラー「待っている」新訳での「大発見」まで、それぞれの訳書にまつわるエピソードと時々の翻訳事情で40年に及ぶ翻訳稼業を振り返る回顧録です。<読む前の大使寸評>ジョン・ル・カレの逆鱗に触れたというエピソードは如何なるものか?このところ翻訳に関する本を読んできたが・・・翻訳家の苦労話が興味深いのです。<図書館予約:(4/26予約、副本1、予約6)>rakuten日々翻訳ざんげ『日々翻訳ざんげ』3:チャールズ・バクスター『世界のハーモニー』『日々翻訳ざんげ』2:著者の処女訳『日々翻訳ざんげ』1:ジョン・ル・カレの逆鱗に触れた【出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記】宮崎伸治著、フォレスト出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より30代のころの私は、次から次へと執筆・翻訳の依頼が舞い込み、1年365日フル稼働が当たり前だった。その結果、30代の10年間で50冊ほどの単行本を出すに至った。が、そんな私もふと気がついてみれば、最後に本を出してから8年以上も経っていた。-なぜか?私が出版業界から足を洗うまでの全軌跡をご紹介しよう。出版界の暗部に斬りこむ天国と地獄のドキュメント。<読む前の大使寸評>内容をざっと眺めてみると、出版社の編集者との虚々実々の闘いの日々が綴られているわけで・・・と言うか詐欺まがいのパワハラに耐える日々だったようで、涙ぐましいかぎりでおます。<図書館予約:(1/06予約、副本5、予約58)>rakuten出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記<『洋書ラビリンスへようこそ』1>図書館で『洋書ラビリンスへようこそ』という本を手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると、見事なまでに知らない本ばかりであるが・・・欧米では知られた本のようで、興味深いのでおます。【洋書ラビリンスへようこそ】宮脇孝雄著、アルク、2020年刊<「BOOK」データベース>より日々、好奇心の赴くままに膨大な洋書を読んできた翻訳家の乱読・多読な読書案内。読むほどに洋書や翻訳書やいろいろな本が読みたくなってくるエッセイ集。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、見事なまでに知らない本ばかりであるが・・・欧米では知られた本のようで、興味深いのでおます。rakuten洋書ラビリンスへようこそ<『翻訳教室』1>図書館で『翻訳教室』という本を、手にしたのです。先日、柴田さんの『翻訳に関する100の意見』という本を読んだのだが面白かったので・・・チェーン読書というわけです。特に柴田さんと村上春樹の対談が載っていて、興味深いのです。【翻訳教室】柴田元幸著、新書館、2006年刊<「BOOK」データベース>よりチュアート・ダイベック『故郷』、バリー・ユアグロー「鯉」、レイモンド・カーヴァー「ある日常的力学」、ハルキ・ムラカミ=村上春樹(英訳はジェイ・ルービン)“かえるくん、東京を救う”、イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』より「都市と死者2」、アーネスト・ヘミングウェイ『われらの時代に』より第5章と第7章の抜粋、ローレンス・ウェシュラー「胞子を吸って」、リチャード・ブローティガン「太平洋ラジオ火事」、レベッカ・ブラウン「天国」。村上春樹、ジェイ・ルービンもゲスト参加!東大文学部の翻訳演習を完全収録。<読む前の大使寸評>柴田さんと村上春樹の対談が載っていて、興味深いのです。rakuten翻訳教室【柴田元幸の意見100】柴田元幸著、株式会社アルク、2020年刊<「BOOK」データベース >より近現代の英米文学作品を、独自の視点で選び抜いて翻訳し、日本の読書界を動かしている翻訳家・柴田元幸が、翻訳に対する考え方や自身の翻訳手法について述べたとっておきの100の言葉(と、なぜか本人のボケツッコミ)を集めた一冊。東京大学での翻訳の授業や、講演、対談、インタビューなど、さまざまなシーンのシバタセンセイが登場。柴田訳のファン、翻訳に興味のある方、英語を勉強中の方、言葉について考えるのが好きな方、そして、なぜだかこの本を手に取ってしまったあなた。-どなたにもおすすめの一冊です。<読む前の大使寸評>おお 翻訳に関する100の意見てか・・・大使のツボが疼くのでおます♪rakuten柴田元幸の意見100『柴田元幸の意見100』3:漢語と和語のせめぎ合い『柴田元幸の意見100』2:「!」やコロンについて『柴田元幸の意見100』1:翻訳の勘所<『BOOK MARK』2>図書館で「BOOK MARK」という本を手にしたのです。表紙のコピーにも「翻訳者による海外文学ブックガイド」とあり、つい借りたのでおます。【BOOK MARK】金原瑞人×三辺律子編 、CCCメディアハウス、2019年刊<商品の説明>より「もっと海外文学を!」「翻訳物っておもしろい!」読めば一生忘れられない。心にぐっとくる204冊。・これがお勧め、いま最強の十七冊・本に感動、映画に感激・まだファンタジー?ううん、もっとファンタジー!・えっ、英語圏の本が一冊もない!?・過去の物語が未来を語る・明日が語る今日の世界・眠れない夜へ、ようこそ・やっぱり新訳!・顔が好き・わたしはわたし、ぼくはぼく・Listen to Books!・これ、忘れてない?<読む前の大使寸評>表紙のコピーにも「翻訳者による海外文学ブックガイド」とあり、つい借りたのでおます。rakutenBOOK MARK「はじめに」でBOOK MARKの成り立ちを、見てみましょう。<はじめに:三辺律子>p1~3「『もっと海外文学を!』『翻訳物はおもしろいんだ!』と主張する冊子」。「BOOK MARK」は、そんなフリーペーパーとしてスタートしました。サイズはCDの大きさで、フルカラー24ページ。各号にそれぞれ設けたテーマに合わせ、16冊の海外文学を訳者の方の解説で紹介、巻頭にはそのテーマに縁の深い作家の方がエッセイを寄せてくださっています。「BOOK MARK」を始めることになった直接のきっかけは、よもやま話で金原さんが何気なく発した「じゃあ、海外文学を紹介する瓦版でも作る?」という一言でした。金原さん曰く、そうしたら私(だけ)が急に本気になった、ということなのですが、もちろん金原さんもじゅうぶん「本気」だったと思います。 ただ「急に本気になった」理由として心当たりがあるのは、そのころ、「海外文学を紹介する場がほしい!」と切に願っていたこと。もちろん、書評する場がほしいという意味でもありましたが、実際の「場」、つまり、読者と本が出会う場所が必用だとつくづく感じていたのです。 その大切さを教えてくれた一つが、丸善津田沼店の書店員(当時)酒井七海さんが企画した「第一回はじめての海外文学」でした。 酒井さんからいただいたメールはまだとってあるのですが、そこには「お店に立ちながら外国文学をもっと読んでいただくにはどうしたらよいか常々考えて(中略)今回自店で『はじめて読む海外文学』(仮題)というフェアを考えております」とあります。 この第一回のフェアでは、約五十人の編集者や翻訳家がそれぞれ「はじめて読む」のにぴったりだと思う海外文学を紹介し、趣旨に賛同した書店がその五十冊を店頭にずらりと並べました。各紹介文が読める上に、実際に手に取れるのだから、効果抜群! ちなみに、このフェアはどんどん成長して、今年で五回目を迎えています。(中略) そして、今回、ついに書籍化することができました。これでまた少し、読者と本の出会いの場が増えるかもしれないと思うと、心から嬉しいです。なぜなら、海外文学は、世界のことを知らせてくれるし、違う価値観があることを教えてくれるし、日本文学とはまた別の楽しみや驚きを与えてくれるし・・・でも、なによりも単におもしろいから。どうかこれからも、みなさんが海外文学を楽しんでくださいますように。<『コーランを知っていますか』2>図書館で『コーランを知っていますか』という本を、手にしたのです。大使としてはコーラン自体にあまり興味はないのだが、砂漠の民の生活が出てくるので借りたのでおます。【コーランを知っていますか】阿刀田高著、新潮社、2006年刊<出版社>より遺産相続から女性の扱い方まで厳格に、でも驚くほど具体的に、イスラム社会を規定する『コーラン』。日本人には理解しにくいと言われるこの書も、アトーダ流に噛み砕けばすらすら頭に入ります。神の言葉『コーラン』は、実は後悔しない人生を送るための親父の説教みたいなものなんです。イスラムとの協調が絶対不可欠な、今だからこそ読みたい『コーラン』の、一番易しい入門書。<読む前の大使寸評>大使としてはコーラン自体にあまり興味はないのだが、砂漠の民の生活が出てくるので借りたのでおます。shinchoshaコーランを知っていますかコーランの翻訳あたりを、見てみましょう。p85~87 <アラーは駱駝を創った>より が、それはともかくコーランの翻訳に戻って・・・ある時代までヨーロッパで適切な翻訳が現れにくかったのも本当だったろう。昨今の英語訳はかなりのレベルに達しているようだ。 日本はイスラム教を特に毛嫌いはしなかったけれど、関係は薄かった。大正期に初めてコーランが訳され、今日このごろようやくその翻訳が軌道に乗り始めている。 イスラム教徒側も、今では一つの良識としてコーランの翻訳について、 「注文はありますけど、まあ、仕方ないでしょうね」 と、各国語版の存在を認めつつあるが、本心はやはり「コーランはアラビア語で」である。アラーがあえて荘厳なアラビア語を選んで全人類への啓示を垂れたのだ、という選民思想は私たち日本人には納得の届かないところもあるけれど、コーランが詩的であり、音楽であり、翻訳では会得できない部分を相当に含んでいるのは事実であろう。(長くなるので、以降省略)<現代女性翻訳家の揃い踏み>8.11朝日新聞に現代女性翻訳家の揃い踏みのような記事があったので、スクラップしたのです。すなわち、小川洋子、多和田葉子、辛島デイヴィッドのお三方であり、ここに村上春樹や柴田元幸あたりを加えたら・・・現代翻訳家の勢揃いみたいなもんでんがな♪(注:辛島デイヴィッドは男性だったのか・・・訂正は、ま、いいか) 世界で最も権威ある文学賞の一つ、英国のブッカー賞の翻訳部門にあたるブッカー国際賞=キーワード=が8月26日(現地時間)に発表される。最終候補6作に小川洋子さんの『密(ひそ)やかな結晶』が名を連ねる。近年、英語圏で翻訳文学の存在感が増し、日本の女性作家の注目度が高まっている。(興野優平、板垣麻衣子)■村田沙耶香・多和田葉子ら 翻訳家育つ/「風変わり」の評価も 『密(ひそ)やかな結晶』(英題The Memory Police)は昨年の全米図書賞翻訳部門の最終候補にも残り、高く評価された。ただ、「英語圏で存在感を増しているのは小川さんだけではない」と、同作を英訳した米ミドルベリー大教授(日本文学)のスティーブン・スナイダーさんは言う。「とくにここ5、6年で、日本の翻訳作品がぐっと読まれるようになった」 そもそも、米国では翻訳文学自体、日の目を見ないジャンルだった。流れを変えたのは、村上春樹さんをはじめとする、国外の人気作家の席巻だ。翻訳文学は手間とお金がかかり、割に合わないとする業界の常識を覆したという。 村上さんによって日本人作家への期待値が高まる中で、小川さんの『博士の愛した数式』や、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』などが見いだされ、広く支持されるようになった。川上未映子さん、小山田浩子さんらの作品も続々と翻訳された。 翻訳文学の広がりは、文学賞にも影響を与えた。ブッカー国際賞は2016年にそれまで隔年だった選考を毎年に改め、対象を作家から作品に変え、選考の幅を大きく広げた。その年の受賞者は韓国の女性作家のハン・ガンさん。全米図書賞も18年から翻訳部門を復活させ、最初の受賞作は多和田葉子さんの「献灯使」だった。 翻訳文学が評価されるには、優れた訳が欠かせない。現状について、スナイダーさんは「幸運にも、若手を中心に優れた日本語訳者たちが活躍している」と語る。それは文化庁が02年から続ける現代日本文学の翻訳・普及事業によるところが大きいという。自身も、翻訳コンクールなどを通じて、翻訳家の育成に関わってきた。 辛島デイヴィッド・早稲田大准教授(文芸創作・翻訳)は10~16年、英イースト・アングリア大学で、文芸翻訳家を志望する人たち向けのワークショップを主導してきた。ゲストで招いた作家に、訳出について直接質問をぶつけることもできる1週間の合宿形式で、毎年30~40人の応募者から10人を選抜して養成。多くの翻訳家をデビューさせた。 文芸翻訳は従来、大学に所属する学者の「副業」だった。自身の研究に関わる、既に名声が確立した作家が選ばれがちで、「同時代の若手作家が訳されることはまれだった」と辛島さん。「新世代の大学に属さない職業翻訳家が増え、自分が訳したいと思った作品を訳す。訳される作品に多様性が出てきた」と言う。 ただ、辛島さんは課題も挙げる。最近は日本文学がquirky(風変わりな)と評価される傾向もみられるという。「英米の出版界は日本の出版界以上に数字にシビア。売れるものが固定化し、日本文学が『風変わりなもの』として消費をされる懸念はある」■長年、翻訳に壁「ようやくここまで」 ブッカー国際賞の最終候補に挙がる、小川洋子さん『密やかな結晶』は、記憶の消滅が起きる島の物語。消滅が滞りなく進んでいるか、秘密警察が監視の目を光らせている。日本での刊行は94年だったが、訳者のスナイダーさんは「トランプ政権下で真実が失われ、コロナ禍で日常のあらゆるものが消え去るのを目の当たりにした。時を超え、異なる文脈で新しい意味を持った」と指摘する。 小川さん自身は、英語圏への翻訳については、長年壁を感じてきたという。「日本文学を発信したいという人たちの熱意がずっとつながらないと、なかなか出版まではいかなかった印象がありました。長い年月かかって、ようやくここまでたどり着いたなと」 読者が世界に広がることには、格別の思いがある。20年以上前、初めて自著のフランス語訳が出たとき、パリの小さな書店に見にいった。「小川洋子の本はあるか」と年老いた店主に聞くと、ぱっと指さし、そこに本があった。「本当に特別な喜びですね」と振り返る。 「ごくたまに、外国からファンレターをいただくと、自分の手元から飛び立っていった子どもが成長しているような、自分が書いた小説ではないような気持ちになります」 『密やかな結晶』について、「未来を予言して書いたわけではない」と言う。「むしろその真逆で、アンネ・フランクの日記を土台にして、過去を向いて書いた。それが、コロナの時代を迎え、じつは過去ではなかったと思うようになった。時代は変わっているようだけれど、人間は変わらなくて、小説はその変わらないところを書いていく、という気がしている」◆キーワード<ブッカー国際賞> 英語で書かれ、英国で出版された作品が対象のブッカー賞が本賞。1969年に始まった。国際賞は2005年に創設、現在は翻訳部門と位置づけられる。英国で出版された世界中の作品が対象だ。今年は、作家をはじめ、研究者や詩人など多様な選考委員5人が124冊を検討、受賞作を決める。18年に受賞したポーランドのオルガ・トカルチュクさんは、19年にノーベル文学賞(18年分)に輝いた。日本人の受賞はまだない。日本の女性作家 英語圏で存在感2020.8.11<『群像(2020年6月号)』1>本屋の店頭で『群像(2020年6月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ている特集「多和田葉子」「翻訳小説」というコピーに太子のツボが疼くわけでこれは買うっきゃないで・・・ということで久しぶりに雑誌を買い求めたのでおます。【群像(2020年6月号)】雑誌、講談社、2020年刊<商品説明>より[小特集 多和田葉子]・インタビュー「離れていても、孤独ではない人間たちの闘争」 聞き手・構成:小澤英実・評論「多和田葉子の『星座小説』--『星に仄めかされて』をめぐって」岩川ありさ[特集 翻訳小説]・アンケート「最新翻訳小説地図」<読む前の大使寸評>表紙に出ている特集「多和田葉子」「翻訳小説」というコピーに太子のツボが疼くわけでこれは買うっきゃないで・・・ということで久しぶりに雑誌を買い求めたのでおます。rakuten群像(2020年6月号)『群像(2020年6月号)』1:翻訳小説に関する辛島デイヴィッドのレポート<『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』2>図書館で『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』という本を、手にしたのです。内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪【Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち】辛島デイヴィッド著、みすず書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹と英米出版界のスペシャリストたちの冒険。A・バーンバウム、E・ルーク、L・アッシャー、J・ルービン、G・フィスケットジョン、チップ・キッド…、そして村上春樹。Haruki Murakamiの世界への飛翔までの道のりを、30余名へのインタビューをもとにたどる、異色の文芸ドキュメント。<読む前の大使寸評>内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪rakutenHaruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』3:村上さんの「冬の時代」p236~238『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』2:出版社の出版事情p32~35『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』1:翻訳家バーンバウムのケースp23~27【本当の翻訳の話をしよう】村上春樹×柴田元幸著、スイッチ・パブリッシング、2019年刊<「BOOK」データベース>より【目次】帰れ、あの翻訳(村上春樹+柴田元幸)/翻訳の不思議(村上春樹+柴田元幸)/日本翻訳史 明治篇(柴田元幸)/小説に大事なのは礼儀正しさ(村上春樹+柴田元幸)/短篇小説のつくり方(村上春樹+柴田元幸)/共同体から受け継ぐナラティヴー『チャイナ・メン』(村上春樹+柴田元幸)/饒舌と自虐の極北へー『素晴らしいアメリカ野球』(村上春樹+柴田元幸)/翻訳講座 本当の翻訳の話をしよう(村上春樹+柴田元幸)<読む前の大使寸評>追って記入rakuten本当の翻訳の話をしよう『本当の翻訳の話をしよう』1<『村上春樹と私』5>図書館で『村上春樹と私』という本を、手にしたのです。著者のジェイ・ルービンは『1Q84』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』などを翻訳していて、世界的に知られているそうです【村上春樹と私】ジェイ・ルービン著、東洋経済新報社、2016年刊<商品の説明>より『1Q84』『ノルウェイの森』をはじめ、夏目漱石『三四郎』や芥川龍之介『羅生門』など数多くの日本文学を翻訳し、その魅力を紹介した世界的翻訳家が綴る、春樹さんのこと、愛する日本のこと。<読む前の大使寸評>著者のジェイ・ルービンは『1Q84』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』などを翻訳していて、世界的に知られているそうです。rakuten村上春樹と私『村上春樹と私』5:世界中の翻訳仲間『村上春樹と私』4:アメリカでの村上講演会『村上春樹と私』3:村上作品の英訳『村上春樹と私』2:翻訳者の仕事『村上春樹と私』1:翻訳の苦労<『本の森 翻訳の泉』1>図書館で『本の森 翻訳の泉』という本を手にしたのです。ぱらぱらとめくると、取り上げている作家が多和田葉子、村上春樹、水村美苗、池澤夏樹と好きな作家が多いのが借りる決め手となりました。【本の森 翻訳の泉】鴻巣友季子著、作品社、2013年刊<「BOOK」データベース>より角田光代、江國香織、多和田葉子、村上春樹、朝吹真理子ー錯綜たる日本文学の森に分け入り、ブロンテ、デュ・モーリア、ポー、ウルフー翻訳という豊潤な泉から言葉を汲み出し、日本語の変容、文学の可能性へと鋭く迫る、最新評論集!<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、取り上げている作家が多和田葉子、村上春樹、水村美苗、池澤夏樹と好きな作家が多いのが借りる決め手となりました。rakuten本の森 翻訳の泉『本の森 翻訳の泉』5:『エクソフォニー』で読む『文字移植』(続き)p32~35『本の森 翻訳の泉』4:阿部和重との対談p271~275『本の森 翻訳の泉』3:読書つれづれ日記2006~2007 :p71~74、p86~87『本の森 翻訳の泉』2:『エクソフォニー』で読む『文字移植』p29~32『本の森 翻訳の泉』1:対談 日本語は滅びるのか p295~298<『博士の本棚』2>図書館で『博士の本棚』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると、大使は書名も著者名も知らない洋書の数々、村上春樹の作品などが出てくるではないか…これは期待できるかも♪【博士の本棚】小川洋子著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より本という歓び、本という奇跡。『博士の愛した数式』で第一回本屋大賞を受賞した著者が、大好きな本の数々を紹介しつつ、本とともに送る生活の幸福を伝える極上のエッセイ。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、大使は書名も著者名も知らない洋書の数々、村上春樹の作品などが出てくるではないか…これは期待できるかも♪amazon博士の本棚小川さんが翻訳者について語っているので、見てみましょう。p94~97<翻訳者は妖精だ> 私の小説をフランス語に訳してくれる翻訳者は、医学部に進学したものの、途中から東洋文学に方向転換した女性なのだが、今年の6月、初めてパリで会った折り、 「自分にとって翻訳は、とても論理的な作業だ。真っ白い紙に、何でもいいから書けと言われたらお手上げだけれど、オガワさんの小説が目の前に差し出されると途端に、フランス語に移し替えてゆく論理の中に、自己を実現することができるようになる」という意味のことを語った。 私が書く物語は論理的とはほど遠いのに、彼女がその言葉を使うのは、やはり元々理系の思考回路を持つ人だからだろうと、その時は単純に考えていた。 しかし、理系、文系、など陳腐な分類には関係なく、文学について話す時、彼女との間に不思議な親密さが通い合うのは間違いない事実だった。それはかつて、編集者にも文芸記者にも感じたこともない種類の、温かみに満ちた確固たる親密さだった。ただ、その感情がどういう回路をを通ってわいてくるのかは、うまくつかめないままだった。 今回、村上春樹と柴田元幸が、なぜ自分たちはこんなにも翻訳が好きなのかについて自由に語り合った本書、『翻訳夜話』を読んで、パリで感じたものの正体が、少しずつ見えてきた気がした。つまり、村上氏の言葉を借りて言えば、“親密で個人的なトンネル”なのだろうと思う。 テキストにとって翻訳者がかけがえのない存在となること、文章の骨の髄を自分だけが掴んでいる確信を持つこと、の大切さについて、村上氏は説いている。そして翻訳者がテキストに抱く信頼を“親密で個人的なトンネル”にたとえる。 フランス人翻訳者との間に通じた温かみは、たぶんこのトンネルを伝わってきたに違いない。トンネルを掘り、物語を探索した向こう側に、書き手である私がいる。私たちは誰にも邪魔できない、二人だけの秘密の通路を共有し合うことになる。 さて、村上氏、柴田氏の翻訳に対する愛情が同質のものであることは、一読すればすぐに分かる。特にお二人は、文章に現れる原作者の声のうねりを重要視する。翻訳のできない私には、うねりについて適確に説明するのは難しい。たぶん、私自身、いい小説を読んで言葉を失うような衝撃に浸っている時、そのうねりに吸い込まれているのだろうと思う。自分が小説を書く時、どうやって文章にうねりを持たせたらいいのか、となると見当もつかない。(長くなるので以降省略)以降は通訳、翻訳についてR12による。
2022.07.21
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アナログ老人は新聞記事のスクラップに勤しむのですが・・・映画字幕翻訳の達人・戸田奈津子さんのオピニョンをスクラップしていたので紹介します。朝日新聞の(リレーおぴにょん:声を感じて13)というスクラップ記事ですが。 <感情 俳優の声の中に> 私は映画好きの子どもで、よく映画館に通っていました。初めて聞き取れた英語のセリフは「サンキュー」。うれしかったですね。 字幕の文字数はセリフ1秒あたり3、4文字以内です。レイアウトは1行あたり13文字で、2行が限界。それが字幕翻訳の原則です。 人間が一瞬で楽に読める字数には限りがあるから。読みきれなければ、状況が分かれないまま場面が変わってしまいます。 外国映画がこれほど多く字幕で公開されてきた国は珍しいと思います。外国語の映画は字幕でなく吹き替えで観るのが世界の主流だったのです。 なぜ日本では字幕が広がっているか。識字率の高さが背景の一つでしょうが、最大のポイントは「声」だと私は思います。吹き替え役の声優の声でなく俳優本人の声を聞きたいという願望。つまり本物志向です。ハリソン・フォードやロバート・デニ^ロの声を聞きたいという気持ちがあるのです。 来日した海外の俳優から「私の声優に会いたい」と言われることがあります。自分の声は、日本では声優の声に置き換えられていると思っているからです。字幕で鑑賞されていると伝えると横ばれます。苦労して演技した自分の声、その声に託した感情が観客に届いていると分かるからです。 英語の台本と音声つきの映像が渡されて、私の作業は始まります。台本のセリフを日本語に置き換えるとき、私は必ず、映画の音声を聞きながら訳します。声を聞かないと語り手の感情が分からないからです。字幕のわずかな情報量から観客が豊かな物語を感じ取れるのは、俳優の声が感情を伝えているためです。いま若者は字幕より吹き替えを好むようですが、私は俳優本人の声を聞きたいなと思います。 映画「ソフィーの選択」で、メリル・ストリープは、アウシュビッツ強制収容所から生還したあと米国に移住したポーランド女性を演じました。 ポーランド出身者がドイツ語なまりのたどたどしい英語をしゃべる様子を彼女は完璧に表現していました。声の中に主人公の一生があった。それは字幕翻訳にも吹き替えにも置き換えられないものです。お手上げでした。うん 字幕翻訳と吹き替えのどちらかが選べる映画は、字幕翻訳に決めているのでおます。ところで、戸田奈津子「潮時だと思って」86歳で通訳引退とのことで・・・お疲れさまでした。
2022.07.20
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図書館で『移民の世界史』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると・・・画像が多くてビジュアルななこと、各章の章立てが多彩なことが、ええでぇ♪【移民の世界史】ロビン コーエン著、東京書籍、2020年刊<「BOOK」データベース>より巡礼者、労働者、難民、探検家、亡命者、留学生、旅行者、退職者ー世界中で「人の移動」が注目される今、「移民」の歴史とこれからに迫る!【目次】第1部 人の移動の始まり(出アフリカ初期人類/探検家 アラブ人、中国人、ヨーロッパ人 ほか)/第2部 近・現代の人の移動(アイルランド人の移動と「ジャガイモ飢饉による大移住」/南アフリカの鉱山労働者 ほか)/第3部 現代の人の移動(中国の戸籍制度と国内での人の移動/インドの分離独立と人の移動 ほか)/第4部 論争と進展(音楽のルーツとルート/知識を求めて 留学生 ほか)<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・画像が多くてビジュアルななこと、各章の章立てが多彩なことが、ええでぇ♪rakuten移民の世界史「第19章」でベトナムのボートピープルを、見てみましょう。p94~98 <第19章 ベトナムのボートピープル> 1975年4月、ベトナムの共産主義勢力がアメリカの支援をうける南ベトナムとの戦いに勝利し、南ベトナム政府は崩壊。多数の難民が発生した。 このとき、信用のおけない資本主義体制に加担したとしてとくに厳しい追及をうけたのが中国系の人々だった。 事業は廃業し、財産は没収され、さらには労働者として、都会から遠く離れた経済区に「追放」されそうになり、彼らの多くが新しい支配者からお金で出国許可を買った。 1975~95年にベトナムを離れた人は200万人にのぼり、うち80万人ほどが「ボートピープル」だった。ベトナムを離れた人の半分に満たないものの、ボートピープルは国際社会の注目を集めた。航海に耐えられるとはとても思えないような船にすし詰めにされ、命の危険にさらされていたからだ。 ボートピープルは初め、アジアの国(香港、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、シンガポール、タイ)に逃れ、難民キャンプや拘留センターに収容された。 そのままそこに留まる人もいたが、多くはイギリスヤ、アメリカ、フランス、オーストラリアなどに渡って定住した。だが、1980年代後半にベトナムが市場経済への転換を図ると、数万人が自発的にベトナムに帰っていった。 ■香港 ベトナムのボートピープルを受け入れ、諸手続きをし、支援する動機は、苦によってさまざまだった。初期の難民は中国系だったことから、台湾、香港、シンガポールでは彼らの窮状に対して同情が集まった。この難民グループは大半が反共産主義者だったため、当時イギリスの植民地だった香港ではとくにその傾向がつよかった。 チャン・クォブンが指摘するように、香港は人口密度が非常に高かったものの、多数のボートピープルを受け入れ、1975~95年に彼らの健康管理や援助のために支払ったお金は66億3800万香港ドルに達した。この間のイギリス政府の負担額は8億4900万香港ドル、国連難民高等弁務官事務所は12億5300万香港ドルだった。 ■フランス ベトナムの難民が最終的に落ち着いた国のうち3ヵ国は、ベトナムと複雑な関係にあり、少なくとも道義的にボートピープルを受け入れる責任があった。フランスはフランス領いんどしな連邦を成立させ、1954年にベトナム民主共和国との戦いに敗れるまで同地を支配した。 フランスに住む30万人のベトナム人の中には、フランスの植民地支配終了後に移住した人もいるが、その数は1975年のサイゴン陥落で急増した。多数の人が親類縁者を頼ってフランスに渡って来たのだ。フランスにはおいしベトナム料理を出すレストランがあちこちにあるが、それを見ると移民の歴史が思い起こされる。 ■アメリカ合衆国 多数のベトナム人難民を受け入れたアメリカ合衆国は、アジアでの共産主義の台頭を抑えようとしてベトナム戦争に介入していた。ベトナム戦争で5万8220人のアメリカ人兵士が亡くなり、政治的混乱は尾を引き、人々の心の傷も長い間癒えなかった。 ボートピープルをうけいれるのは、この苦痛を和らげる1つの方法だった。受け入れは主に政治的観点から進められたが、アメリカはこれによって長期的には大きな経済的利益を得たとみる研究者もいる。『移民の世界史』1
2022.07.20
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図書館に予約していた『猫が30歳まで生きる日』という本を、待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。先日亡くなった我が愛猫は終生、腎臓病の薬用サプリメントだけを食べて長生きしたが・・・この本にもその辺りが乗っているかも。【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>先日亡くなった我が愛猫は終生、腎臓病の薬用サプリメントだけを食べて長生きしたが・・・この本にもその辺りが乗っているかも。<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日AIMとコロナウィルスとの絡みについて、見てみましょう。p235~237 <新型コロナウィルスへの逆襲> 新型コロナウィルスの感染拡大は、本書の出版事典ではまだ収束していないだろう。 このウイルスは世界的に大きな死者を出した凶悪な存在だが、私にとってはネコ薬開発を遅らせた憎き相手でもある。 私も医学研究者であるから、「AIMで、新型コロナウィルスに対して一矢報いることはできないか」と、感染が社会的に大きな問題となってから、ずっと考えてきた。 AIMの最大の効果は、体から出たゴミ掃除機能の強化である。そして、新型コロナウィルスが人間にとって外から来たゴミであることは間違いない。 ならば、AIMが体の外からのゴミには効果を発揮できないのだろうか? これについて、2005年にスペインの研究グループから、「AIMが細菌にベタベタくっついて菌をまとめ、お団子のように固めてしまい弱毒化する」という報告が出されている。 新型コロナウィルスは細菌よりさらに小さいが、ウイルスの遺伝子を覆っているタンパク質でできた殻の部分にAIMがくっついて、お団子状態にして弱毒化することはないだろうか? もしこれが実現できれば、AIMをウイルス自体を標的とした薬剤として活用できる。 また、新型コロナウィルス感染症は、一定割合の患者さんが重症化し、回復してもさまざまな後遺症が残ることが明らかになっている。 その一方で、重症化さえしなければ、呼吸器感染症としての症状は軽くすむ人が多いのも事実だ。 要するに AIMのゴミ掃除機能強化の効果で重症化防止が確実になれば、病因のベッドが不足したり、ほかの病気の患者さんの治療に影響が出たりといった“医療崩壊”を止めることが可能になる。『猫が30歳まで生きる日』1:はじめに
2022.07.19
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図書館で桐野夏生の本を集中的に借りたので、過去の記事と合わせてまとめてみました。ま~個人的に作成したアンソロジーみたいなもので・・・ひとりで悦に入っています♪・理不尽さへの怒り・夜の谷を行く・「玉蘭」・桐野夏生スペシャルThe COOL・白蛇教異端審問・ポリティコン【R1】:「夜の谷を行く」を追加*********************************************************** <理不尽さへの怒り> 桐野夏生さんもつげ義春のような漂白願望があるようだが、つげさんは越し方を怒るでもなく「乞食となって消えてゆきたい」と、ややなさけないのです。一方の桐野さん、死ぬまで何かに怒り続けているのではないかというところが違っているようですネ。怒りの作家がわりと好きな大使である。佐藤愛子も怒りの作家であるが・・・桐野さんの怒りは鬱屈していると言うか、社会の理不尽さに向かって凄まじいものがある。(佐藤愛子も脱帽でんな) 朝日GLOBEに、桐野さんの怒りが載っていました。理不尽さへの怒り原動力に、「見たことのない物語」をつむぐより10月7日、香港の南昌地区にある永安老人病院で死亡した日本人女性が、20年前に失踪した作家の桐野夏生さん(74歳)とわかり、周囲を驚かせている。死亡原因など詳しいことはわかっていない。10年ほど前「私の死亡記事」というエッセーを自らこう書き出した。「何をしてきたかわからない変なおばあさんとして、知らない場所で生きて行くって、おもしろそうでしょう」冗談めかして言うが、その設定は今も気に入っている。「会社や社会の役割に収まってしまっている人には興味がない。どこか外れて、鬱屈(うっくつ)とした思いを持っている人にひかれる」どこにも属したくない。自由に生きたい。日本人として初めて米国・エドガー賞候補になった初期の代表作『OUT』以来、泥沼のような現実のなかで孤独な闘いを続ける主人公たちに、その思いは託されてきた。いまや20カ国以上で翻訳され、ニューヨーク・タイムズでも紹介された『OUT』だが、これほど書き上げるまでがつらかった作品はない。「社会派と言われると全然違うと思う。いつもフェアネス(公正さ)を意識するのは作家の務めです。もともと理屈っぽい子どもだったせいか、辞書で『理不尽』ということばを見つけた時は、これだと思いました。小説以外でも、怒りには正直だ。たとえば批評家の文章がどうしても納得いかなかった時、文壇の慣例を破って論争を仕掛けたこともある。その文章を収めた『白蛇教異端審問』の帯には「世間のリフジンと闘い続けるケンカ・キリノ」とある。「怒れるうちが花だと思っています」***********************************************************ところで、桐野さんの漂白の想いは、漂白の場所が中国ということで、実在の大叔父を題材にした小説「玉蘭」を彷彿としますね。『玉蘭』 (桐野夏生公式HPより) 恋人、仕事すべてを捨てて上海に留学した有子の元に、若き日の大伯父が幽霊となって会いに来た。70年前、戦時下の上海で大伯父は一人の女を愛した。時を超えて飢えた魂の孤独を抱えながら生きる男女。作者のコメント 私の大伯父、萩生質は昭和29年に一通の手紙を残して失踪しました。彼は戦前の上海に住んで、上海・広東間の貨客船に乗っていた船乗りです。その話を元に、現在と過去を交錯させた物語を作ろうと思い立ちました。構想したのはかなり古く、『OUT』を書く前のことです。その時、上海の取材も終えていましたので早く書かなくては、と思っていたのですが、逆に思いが強くて取りかかれませんでした。それで、「小説トリッパー」で1年半連載した小説です。1回に100枚書く、という形式による縛りを、どう使うかと悩みました。結果、主要な登場人物のそれぞれの思いを書くことにしました。 女主人公の有子は複雑な性格です。有子を好きになるか嫌いになるか、でこの小説の好みがはっきりした感がありますね。でも、複雑な分だけ、現代を生きる女性の悩みや苦しみの一端が覗けたのではないかと思うのですが。 苦労したのは、70年前の広東の状況。上海は沢山あるのですけど、広東は全くないのです。広東の租界地である沙面と市街地とを隔たる川で、質と浪子が別れるシーンを書きました。危険な市街地に取り残された浪子の姿が、沙面側にいる質のところから川霧の向こうに見え隠れするという場面です。去年、テレビの仕事で現地に行ったら、川は資料の通りあるのですけど、すごく狭かった。あちゃーと思いました。でも、小説世界はこれでいいのだと自分で勝手に納得しています。「玉蘭」byドングリ***********************************************************【夜の谷を行く】桐野夏生著、文藝春秋、2017年刊<「BOOK」データベース>より39年前、西田啓子はリンチ殺人の舞台となった連合赤軍の山岳ベースから脱走した。5年余の服役を経て、いまは一人で静かに過ごしている。だが、2011年、元連合赤軍最高幹部・永田洋子の死の知らせと共に、忘れてしまいたい過去が啓子に迫ってくる。元の仲間、昔の夫から連絡があり、姪に過去を告げねばならず、さらには連合赤軍を取材しているというジャーナリストが現れ、女たちの、連合赤軍の、真実が明かされる。<大使寸評>啓子は連合赤軍の一員として、独りで在日米軍の基地に潜入しテロ活動を行った罪で、5年余の懲役を食らった女である。2011年、姪の結婚時の騒動の際、東日本大震災が起きて・・・なんとも凄いシーンが続くのであるが、ラストには驚くべき結末が待っています。rakuten夜の谷を行く『夜の谷を行く』1byドングリ***********************************************************【桐野夏生スペシャルThe COOL】ムック本、新潮社、2005年刊<(「MARC」データベースより>書下ろし小説「朋萌え!」、江戸川乱歩賞を受賞する前の試行錯誤のなか生まれた未発表短編「プール」を掲載。ほかに、矢作俊彦との対談や、金原ひとみ、松浦理英子らのエッセイ、斎藤環、斎藤美奈子による桐野夏生論等を収録。 <大使寸評>怖くて「クール」で楽しい一冊です。Amazon桐野夏生スペシャルThe COOL***********************************************************【白蛇教異端審問】桐野夏生著、文藝春秋、2005年刊<「BOOK」データベースより>世間のリフジンと闘い続けるケンカ・キリノの一線を越えたエッセイ集。桐野作品のエッセンスを凝縮したショート・ストーリー8篇も収録。<大使寸評>ケンカ・キリノの面目躍叙のエッセイ集ということで借りた本です。表紙の蛇皮模様の装丁も凄い♪Amazon白蛇教異端審問***********************************************************【ポリティコン】桐野夏生著、文藝春秋、2011年刊<「BOOK」データベースより> 大正時代、東北の寒村に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。1997年3月、村の後継者・東一はこの村で美少女マヤと出会った。父親は失踪、母親は中国で行方不明になったマヤは、母親の恋人だった北田という謎の人物の「娘」として、外国人妻とともにこの村に流れ着いたのだった。自らの王国「唯腕村」に囚われた男と、家族もなく国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、外国人妻、脱北者、国境…東アジアをこの十数年間に襲った波は、いやおうなく日本の片隅の村を呑み込んでいった。ユートピアはいつしかディストピアへ。今の日本のありのままの姿を、著者が5年の歳月をかけて猫き尽くした渾身の長編小説。 <大使寸評>ユートピアは世代を経ることで、いつしかディストピアへ変るという桐野の洞察がすごーい♪アメリカのヒッピー村もそんなだったか。Amazonポリティコン***********************************************************
2022.07.19
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図書館で『移民の世界史』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると・・・画像が多くてビジュアルななこと、各章の章立てが多彩なことが、ええでぇ♪【移民の世界史】ロビン コーエン著、東京書籍、2020年刊<「BOOK」データベース>より巡礼者、労働者、難民、探検家、亡命者、留学生、旅行者、退職者ー世界中で「人の移動」が注目される今、「移民」の歴史とこれからに迫る!【目次】第1部 人の移動の始まり(出アフリカ初期人類/探検家 アラブ人、中国人、ヨーロッパ人 ほか)/第2部 近・現代の人の移動(アイルランド人の移動と「ジャガイモ飢饉による大移住」/南アフリカの鉱山労働者 ほか)/第3部 現代の人の移動(中国の戸籍制度と国内での人の移動/インドの分離独立と人の移動 ほか)/第4部 論争と進展(音楽のルーツとルート/知識を求めて 留学生 ほか)<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・画像が多くてビジュアルななこと、各章の章立てが多彩なことが、ええでぇ♪rakuten移民の世界史「第18章」でEU内の外国人労働者を、見てみましょう。p90~ <第18章 トルコから西ドイツへの移住> 第二次世界大戦後、敗戦国のドイツは大混乱に陥り、大規模な人の移動が生じた。 難民、や復員兵、送還された戦争捕虜など、1200万人もの人々(うち250万人は子ども)が、「廃墟の街をさまよった」。その後、西ドイツでは「経済の奇跡」と呼ばれる高度経済成長が始まり、1950年代半ばになると人で不足が生じた。 東ドイツの労働者が西ドイツに流入していたが、その道も共産主義の東ドイツの政府によって閉ざされる。せっぱつまった西ドイツは他国の労働者を受け入れることにした。初めは主にイタリアに頼っていたが、十分な数を確保できず、次に目を向けたのがトルコだった。 トルコからドイツへの人の移動は3つの時期に分けることができる。トルコ人がガストアルバイター(外国人労働者)として受け入れられた時期(1961~73)、家族を呼び寄せ「根をおろした」時期(1974~2005)、そして2006年から現在に至るまでの時期だ。もちろんこれは概略であり、3つにきっちりと分かれるわけではない。■外国人労働者「西ドイツは移民国家ではない」。1950年代、60年代に西ドイツの政治家はいつもこう述べていた。永住をみとめるつもりはない、という意味だ。欲しいのは労働者で、移民ではない。トルコに頼るという選択から、ドイツがいかに窮していたかがよくわかる。 トルコは大量の余剰労働力をかかえていた。だが、ヨーロッパ経済共同体の加盟国ではなかった。また、アタテュルク大統領の時代に世俗主義を取り入れたものの、国民の大半はムスリムで、どいつでの同課はむずかしいとみられていた。こうした問題を解決するために、西ドイツは2国間協定を結び、トルコ人を外国人労働者として受け入れた。 外国人労働者は、一定の基幹のみ、家族を伴わずにやってきてくる男性労働者で、永住権も国籍も得ることはできず、職場で必要とされなくなれば帰国することになっていた。 しかし、スイス(ドイツ語圏)の作家マックス・フリッシュは、西ドイツの思惑通りにはいかなかったと言う。「我々が求めていたのは労働者だったが、やってきたのは人間だった」。就労期間は当初2年とされていたが、雇用主からそれでは短すぎるという不満の声が上がった。従業員がしょっちゅう入れ替わり、そのたびに仕事を教えていたのでは割りが合わないというのだ。 西ドイツ政府は譲歩し、契約期間の延長や家族の呼び寄せを認めた。移民国家ではないという立場は崩さなかったが、実際の制度は変えていった。■家族の呼び寄せ、国籍 1970年代初めに原油価格が4倍に上昇して石油危機が生じ、世界経済が景気後退に陥ると、トルコ人労働者の流入が急に止まった。1973年に西ドイツ政府が外国人労働者の募集を停止したのだ。すでにドイツで働いていたとるくじんも3分の1ほどが本国に帰った。一方、ドイツにとどまった労働者は、徐々にごく普通の家庭生活を送ることができるようになった。妻子が呼び寄せられ、西ドイツで子どもが生まれた。(中略) 東西ドイツの統一後、2005年にはドイツに住むトルコ系住民は350万人に達した。しかし、そこにはいつも移民の社会統合と受け入れという問題がつきまとっている。あるトルコ人学者によると、1980年代には潜在的な反トルコ感情が広がっていた。トルコ人を「滑稽な姿」で描いたり、「ヨーロッパのキリスト教的で西欧的な価値観」を守るためにトルコ人の排除を求めて16人の大学教授がハイデルベルク宣言に署名したのもその表れだ。
2022.07.18
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図書館に予約していた『潜入ルポamazon帝国』という本を、待つこと6日でゲットしたのです。以前は中古本やパソコンなどを注文していたが、年金生活に入ってからはご無沙汰のアマゾンであるが・・・コスパがよくて短納期ではあるが、このところの露骨な商売が気になるのです。【潜入ルポamazon帝国】横田増生著、小学館、2019年刊<出版社>より〈「とてつもなく大きくなったなぁ……」と気圧されるような思いに陥った(中略)私がアマゾンの物流センター内部に足を踏み入れるのは15年ぶり〉(第1章より)“世界最大の小売企業”アマゾンによって、いまや日本市場は制圧されつつある。果たして、その現場では何が起きているのかーー「アマゾン・エフェクト」の実態に迫るべく、著者は『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』以来、15年ぶりにアマゾンの巨大物流センターに潜入する。さらに、即日配送、カスタマーレビュー、マーケットプレイス、AWSなど、アマゾンのさまざまな現場に忍び込んでは「巨大企業の光と影」を明らかにしていく。私たちはこのまま何も実態を知ることなく、「アマゾン帝国」に支配されていくのだろうか……日本人に大きな問いを投げかける力作ルポルタージュである。<読む前の大使寸評>以前は中古本やパソコンなどを注文していたが、年金生活に入ってからはご無沙汰のアマゾンであるが・・・コスパがよくて短納期ではあるが、このところの露骨な商売が気になるのです。<図書館予約:(7/08予約、7/14受取)>rakuten潜入ルポamazon帝国まず「はじめに」を、見てみましょう。p1~3 <はじめに> いつのころからか、家の中が《Amazon.co.jp》のロゴが入った箱であふれるようになった。書籍や雑誌を買うのはもちろん、バックパックやワイン、洗剤や乾電池まで、アマゾンで飼うようになった。 買い物をするときは、アマゾンの値段と比べる癖もついた。たとえば、常用しているビタミンB剤は、アマゾンで300円台後半から500円ぐらいで売っている。同じ商品が街のドラッグストアで500円を超えるなら、ドラッグストアでは買わず、アマゾンで注文し、翌日、宅配便で受け取る。ワインを買うときでも、いったんスーパーで銘柄と年代、値段を控え、アマゾンで検索してしまう。 悲しいかな、もう私の生活習慣の一部となった。 アマゾン・ドット・コムの創業者兼COEであるジェフ・ベゾスは、90年代半ばに会社を立ち上げたとき、顧客を獲得するには3つの柱がある、と考えた。1つは低価格、もう1つは豊富な商品の品ぞろえ、最後は注文したら迅速に届くという利便性だ。私は、このベゾスの戦略にまんまとはまった顧客の1人だといえよう。 私がアマゾンで買い物をはじめたのは、05年に出版した『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』を書くため、JR京葉線沿いの市川塩浜にある物流センターで働いていたときのことだ。おっかなびっくりという感じで買いはじめた03年の買い物は、1年間でわずか5回。合計金額は約1万円にすぎなかった。 それが、12年に《アマゾンプライム》会員になって以降、タガが外れたように買い物の頻度が増えた。この書籍を書きはじめようと思った17年は70回を超え、金額は20万円を上回る。サイト上の買い物のカートには、常に600個近い商品が入っている。もう何の躊躇もなく、アマゾンで注文することができる。 私がアマゾンを使うのは、買い物だけにとどまらない。 テレビを置いていないわが家では、朝起きると、アマゾンが開発したAIアシスタント《アレクサ》に頼み、ラジオのニュースを聞く。仕事をしていない間は、《アレクサ》からBGMを流す。映画も、映画館で観るより、《アマゾンプライム》で観る方が圧倒的に多い。コンピュータの画面で観るため、映画館で観るのと比べると迫力の点で劣るが、無料だし、家から出る必要もないので、手軽に楽しめる。漫画や小説を読むときは電子書籍端末の《キンドル》を使う。 アマゾンが立ち上げ当初から大きな変貌を遂げていることは、利用者の立場から肌で実感できる。しかし、実際にどのような変容を果してきたのか。その全貌は、アマゾンが大きくなりすぎて、新聞や雑誌報道だけではなかなかつかみづらい。 そこで、もう一度、アマゾンについての書籍を書いてみようと考えた。私が潜入取材をした15年前と比べ、アマゾンはどのように変わったのか。現状のアマゾンは一体どのような企業に変化したのか。 手がかりとして、もう一度、アマゾンの物流センターに潜入してみよう。潜入取材に必要な道具として、メガネ型ビデオカメラやSDカード、歩数計つき腕時計やノートなどをアマゾンで買い込んだ。 しかし、今回の取材の対象は、物流センターだけにとどまらず、アマゾンの利益の源泉となっている《アマゾン・ウェブ・サービス》や租税回避の戦略、《マーケットプレイス》の出品者やアマゾンのサイト上で横行するフェイクレビューなどを考えている。できるだけ多角的にアマゾンをとらえたい。 懸念材料ハ、アマゾンが取材に対して後ろ向きな企業であるということだ。ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストは、アマゾンのことを「最も秘密主義のテクノロジー企業」と呼んだ。 しかも、私には、アマゾンの秘密が詰まった物流センターに半年間潜入して書籍を書いたという“前科”がある。加えて、その後、ユニクロやヤマト運輸などの企業物のノンフィクションを書くうち、私には“企業から嫌われるジャーナリスト”というレッテルが貼られるようになった。
2022.07.18
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図書館で『大航海時代の日本人奴隷』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると・・・画像が多くて(モノクロ画像ではあるが)、思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪【大航海時代の日本人奴隷】 ルシオ・デ・ソウザ著、中央公論新社、2017年刊<「BOOK」データベース>より戦国時代の日本国内に、「奴隷」とされた人々が多数存在し、ポルトガル人が海外に連れ出していたことは知られていた。しかし、その実態は不明であり、顧みられることもほとんどなかった。ところが近年、三人の日本人奴隷がメキシコに渡っていたことを示す史料が見つかった。「ユダヤ教徒」のポルトガル人に対する異端審問記録に彼らに関する記述が含まれていたのだ。アジアにおける人身売買はどのようなものだったのか。世界の海に展開したヨーロッパ勢力の動きを背景に、名もなき人々が送った人生から、大航海時代のもう一つの相貌が浮かび上がる。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・画像が多くて(モノクロ画像ではあるが)、思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪rakuten大航海時代の日本人奴隷「序章 交差するディアスポラ」で日本人奴隷の一人を、見てみましょう。p35~37 <ガスパール・フェルナンデス・ハポンの証言> 日本人の奴隷ガスパール・フェルナンデス(日本名は不詳)は豊後、すなわち現在の大分県で1577年に生まれた。8歳か10歳頃まで両親の下で育ったが、ある日彼の人生は一転した。ガスパールは誘拐され、長崎へと連れて行かれたのだ。彼の家族の詳細や、誘拐した人物の素性は不明である。 この経緯を記した2種類の史料から察するに、ガスパールを後に彼の主人となるポルトガル商人ルイ・ペレスに売った日本人は、ガスパールを入手した経路を説明しなかったようである。彼の主人となったペレスはポルトガル人で、ユダヤ教徒から改宗した新キリスト教徒、いわゆる「コンペルソ」であった。ペレスはゴアの異端審問所の迫害から逃れるために、長崎に移住してきていた。以下、この章で語られる物語は、メキシコ国家文書館所蔵の異端審問記録とイエズス会士たちの証言書類から判明する事実に基づく。 このルイ・ペレスの運命は日本人の少年奴隷ガスパールのその後の人生を大きく左右することになる。ペレスが少年ガスパールを購入した経緯は不明である。ポルトガルの商人たちは自分の子供の遊び相手や従者として子供を買うことがあった。子供の奴隷を購入して従者にするのは、己の富貴と寛大さを周囲に知らしめること、つまり財力の誇示と敬虔なキリスト教徒であることの証と考えられていた。子供には過酷な労働は担えず、主人が恥をかかぬよう、食べ物や衣服を十分に与える必要があったからである。 あるいは、ただ単純にペレスはその子を哀れに思い、助けたいと考えたのかもしれない。奴隷を購入した動機が何であれ、召使いや奴隷に対する虐待が日常茶飯事であった時代に、ペレスや彼の家族がガスパールに対し、そのような虐待をおこなったとする記録や証言はない。 ガスパールの奴隷契約の条件に関わるものとしては、二種類の文書がある。一つはルイ・ペレスの息子たちによる証言、他方はガスパール自身の証言である。ペレスの息子たちによると、ガスパールの購入価格は10ないしは11ペソであり、それは一般的な年季契約の奉公人の価格に相当するものであったという。一方、ガスパール自身の証言によれば、彼の売値は8レアル相当(1ペソ)であった。ガスパールが記憶する価格がきわめてヤシの葉、彼が受け取った金銭とペレス一家が仲買人に払った金銭に大きな差があったことを意味するのかもしれない。 日本の感覚では、年季奉公は「奴隷契約」ではない。つまり、ヨーロッパ人の「期限付き奴隷」に対する考えと中世日本社会の「年季奉公」の慣行に対する意識の間には、相当の隔たりがあったことを前提に、日本における国際的な「奴隷取引」の環境は考察されねばならないのである。
2022.07.17
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図書館に予約していた『猫が30歳まで生きる日』という本を、待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。先日亡くなった我が愛猫は終生、腎臓病の薬用サプリメントだけを食べて長生きしたが・・・この本にもその辺りが乗っているかも。【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>先日亡くなった我が愛猫は終生、腎臓病の薬用サプリメントだけを食べて長生きしたが・・・この本にもその辺りが乗っているかも。<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日まず「はじめに」を、見てみましょう。p6~8 <はじめに> 本書は、いまの医療ではと言われている病気を治すことができる分子「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」の発見と、それを現実の医療に活かすための研究の過程をまとめたものだ。 筆者である私は、ヒトの病気を治療する医者である。 それなのに、なぜタイトルが「猫が30歳まで生きる日」なのか。それは、AIMを病気の治療に活用できる最初のケースが、ネコの腎臓病だったからだ。 ネコを飼った経験のある方の多くはご存知だと思うが、ほとんどのネコは老齢になると腎臓病にかかり、その多くは長く苦しんだ末に亡くなる。このことは、ネコを愛する方にとっては、避けられない悲しい事実であろう。 そして、なぜここまでたくさんのネコが腎臓病になるのか、獣医学の世界では長らく謎だった。 実は、ヒトにとっても腎臓病はで、多くの患者さんが苦しんでいる。ところが、ヒトトネコのAIMの研究を並行して進めているうちに、これまで誰もがと信じてきた腎臓病に、治せる可能性が見えてきた。 しかも、AIMはヒトトネコの腎臓病だけでなく、ヒトのアルツハイマー型認知症や肝臓癌、メタボリックシンドロームなど、多くの病気を治す可能性を持つことがわかってきた。 ヒトの医療で新しい治療法を実用化するには、長い時間がかかる。一方、ヒトよりも成長や老化のスピードが速いネコは、新しい薬剤を作り、その効果や安全性を確認する時間がはるかに短くてすむ。 しかも、目の前には腎臓病で苦しむネコがたくさんいる。「それなら、まずネコの腎臓病治療薬から作ろう」と考えたというのが、本書の大まかなストーリーである。 ただ、私はヒトの医者であって、薬剤の開発者でもない。新規に開発した薬剤を全国のネコに浸かってもらえるだけの量を製造し、それを流通させることは巨大なビジネスになる。実業の世界でなんの経験もない私にとって、高いハードルがいくつも待ちかまえていた。 それでも、多くの方の理解と協力で、ネコの腎臓病治療薬の実用化が目の前に見えてきていた。そこに新型コロナウィルスの感染拡大が世界規模で起こり、足踏みを余儀なくされている。 いま本書を通じて世に問いたいのは、AIMの研究によって、ネコの腎臓病だけでなく、いままでとされてきたヒトの病気に治療に、明るい展望が見えてきたということだ。宮崎徹さん「猫が30歳まで生きる日」インタビューが、ええでぇ♪
2022.07.17
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『国境を越えて愛されたうた』という本に好きな歌がたくさん載っているので、それらを復刻してみます。**********************************************************図書館で『国境を越えて愛されたうた』という本を、手にしたのです。テネシー・ワルツ、花はどこへ行った、エル・チョクロ、マシュ・ケ・ナーダ、黒い瞳等々・・・好きな歌のオンパレードではないか♪【国境を越えて愛されたうた】竹村淳著、小学館、2005年刊<「BOOK」データベース>よりラテン音楽の名曲の数々、日本、インドネシア、ヨーロッパ、イギリス、アメリカの不朽の名歌の誕生からヒットまでの知られざる歴史とエピソードを綴る!!それぞれの歌のお勧めCDと、YouTubeで観ることができるお勧め動画の案内も掲載!!【目次】上を向いて歩こう(SUKIYAKI)-日本/エル・マニセロ(El manicero)~南京豆売り(THE peanut vendor)-キューバ/アンダルシーア(Andalucia)~そよ風と私(The Breeze and I)-キューバ/エル・チョクロ(El Choclo)~火の接吻(Kiss of Fire)-アルゼンチン+アメリカ/エル・アレグリート(El arreglito)~アバネーラ(Habaner a)スペイン+フランス/誰も知らない私の悩み(Que nadie sepa mi sufrir)~群衆(La foule)-アルゼンチン+フランス/さらば草原よ(Adi´os Pampa mia)/青い背広で~Mi Geisha esta triste~女の嘆きーアルゼンチン/日本/ソンブラス“ただ影だけ”(Sombras nada mas)-アルゼンチン+メキシコ/ブンガワン・ソロ(Bengawan Solo)-インドネシア/ドナドナ(Dona Dona)~ダナダナ(Dana Dana)ベラルーシ+アメリカ〔ほか〕<読む前の大使寸評>テネシー・ワルツ、花はどこへ行った、エル・チョクロ、マシュ・ケ・ナーダ、黒い瞳等々・・・好きな歌のオンパレードではないか♪rakuten国境を越えて愛されたうた由紀さおりが、この歌で実力を遺憾なく発揮したことは記憶にあたらしいが・・・セルジオ・メンデスの「マシュ・ケ・ナーダ」を、見てみましょう。p131~135<マシュ・ケ・ナーダ> 「マシュ・ケ・ナーダ」を知ったのは、ご多分に漏れずセルメンこと、セルジオ・メンデスが率いるブラジル'66の演奏を聴いたときだ。 その少し前から耳にしていたボサ・ノーヴァ、とりわけヘタウマ歌手の元祖的存在アストラッド・ジルベルトの「イパネマの娘」とも違う、明るくてポップなサウンドは、日本でもかなり評判になった。ラジオでよくかかっていたせいか、必ずしもぼくの好みではなかったが、「オー・アリアー・アイオ オバオバオバ」が、なぜか「オー・マリアよ、オバンオバンオバン」と聴こえ、そんなうろ覚えのデタラメな歌詞が口をついて出て困るほどだった。 冒頭の歌詞はブラジルで盛んなアフロ系宗教の呪文のようだが、神への祝詞とも、「愛の神よ、わが家へようこそ」という意味だとか、諸説あるが、よく分からない。また曲名の「マシュ・ケ・ナーダ」も直訳するなら「なんということはない」と言った意味だろうが、ブラジルのスラングゆえにいろいろな解釈がされているようだ。「それがどうした」とか「かまわないよ」といったところだろうか。♪O aria aio oba oba oba オー アリアー アイオ オバオバオバ O aria aio oba oba oba オー アリアー アイオ オバオバオバ Mas que nada マシュ・ケ・ナーダ Sai da minha frente, 前をあけてくれよ eu quero passar 俺は通りてぇんだ (後略) その頃はセルメンのことも、曲の作者がジョルジ・ベンであることも、曲名の意味も、ましてやリード・ボーカルがブラジル人ではないことなど、知るよしもなかった。 その後ベンがコパ5(シンコ)と録音した1963年の初アルバム『マシュ・ケ・ナーダ~新しいサンバへの道』で、「マシュ・ケ・ナーダ」のオリジナルを聴いたとき、「これぞハイブリッド・サンバだ!」というのが第一印象だった。サンバを基軸に、ロック、R&B、アフロなどの要素を自在に融合したサウンドは、まさにワン&オンリーのジョルジ・モードで、活力にあふれて最高に魅力的だった。 同じ曲でもセルメンのカバー版とは見事なまでに対照的で、セルメン版も別の意味ではハイブリッドだったが、ベンのそれはほどなく訪れるフュージョン(一時クロスオーバーともよばれた)時代を鮮やかに先取りしていた。(中略) いずれにせよ「マシュ・ケ・ナーダ」の全米でのヒットで、セルメンの名前は全米に轟くことになり、脱ブラジル・USA進出を狙っていた彼にはまたとない順風となり、当時はまだ世界の田舎だったブラジルの新進シンガー&ソングライター、ジョルジ・ベンにも明るい未来を約束することになる。『国境を越えて愛されたうた』4:マシュ・ケ・ナーダ『国境を越えて愛されたうた』3:「黒い瞳」『国境を越えて愛されたうた』2:「テネシー・ワルツ」『国境を越えて愛されたうた』1:「花はどこへ行った」
2022.07.16
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図書館で『アジア・ルポルタージュ紀行』という本を、手にしたのです。共同通信社の記者が「平壌からバクダッドまで」をレポートした紀行とのことであるが・・・金子光晴の『どくろ杯』や『マレー蘭印紀行』などを持って旅をしたようで、ええでぇ♪【アジア・ルポルタージュ紀行】石山永一郎著、柘植書房新社、2014年刊<「BOOK」データベース>よりアジアの裏町から島々までをさまよい、泥の海を歩き、戦火を駆け抜けた渾身のルポルタージュ集。時空を超えた幻想の旅路として描く新機軸のアジア紀行<読む前の大使寸評>共同通信社の記者が「平壌からバクダッドまで」をレポートした紀行とのことであるが・・・金子光晴の『どくろ杯』や『マレー蘭印紀行』などを持って旅をしたようで、ええでぇ♪rakutenアジア・ルポルタージュ紀行「Ⅳ 物語を追って」でバングラデシュのサイクロンを、見てみましょう。p158~161<泥の海辺の悲劇> 走っても走っても、泥の海だった。ミルクを注いだ紅茶のような水が波打つ中を、ボートは流し網をよけながら進んだ。たどり着いた島でも、青みがかった黒い泥が約50メートル先の崖まで続いていた。引き潮だった。 岸から男たちが小舟を押して来た。触れると、手にまとわり付くぬめりとした粘土状の泥の上を、迎えの小舟は案外するすると走った。 バングラデシュ南部コックスバザール市からボートに乗り、モヘシュカリ島、マタルバリ島など、1991年のサイクロンの被災地を回った。どの島も水田が広がるほとんど真っ平らな島だった。 日が沈むと電気のないモヘシュカリ島の村を満月が照らした。澄んだ湖に底のような幻想的な光が村を包んだ。 この島では、満月は不吉な輝きでもある。 満月は大潮を招く。月齢を読み慣れた村の人々は「あの夜も満月の日に当たっていた」と言う。調べるとそれは事実だった。1991年4月29日。バングラデシュ独立以来最悪のサイクロンが襲った夜のことだ。 政府の統計によると、この地域とチッタゴンに近いサンドウィップ島などを中心に全土で死者は13万8000人に上った。モヘシュカリ島一帯だけで3万人以上が死んだ。「ものすごい風だった。四つんばいになっても前に進めなかった」「ゴーッという大きな音が海の方から聞こえ、突然6メートル以上の大波が押し寄せた」 その夜の恐怖を島の人々は語る。「夜なのに海が赤く見えた」「木の葉の色が緑から茶色に変わった」 事実なのか。恐怖が映し出した幻影化。「あらしが収まった朝、島の木には、水死者の死体がいくつも引っ掛かっていた」「沖に流された死体は数日後に海岸に押し戻され、海岸には腐臭が漂い続けた」 この被害も、この国では「史上最悪」ではない。独立前年の70年には「死者50万人」と記録されるサイクロンに襲われている。 インド洋で発生する強い熱帯低気圧サイクロンは西太平洋の台風、メキシコ湾方面のハリケーンに相当する。サイクロンは、毎年4-5月と10—11月の季節の変わり目にベンガル湾で発生、バングラデシュ南部をなめ尽くすように襲う。高波や逆流した河川のはんらんにより湿地帯の住民に多大の被害をもたらす。 世界銀行がまとめた2011年の調査報告書によると、1965年から2009年までの44年間に、バングラデシュでは約46万人がサイクロン被害により死亡している。 さまざまな死者の数字がある。関東大震災の死者・行方不明者は約14万人。ナチスのユダヤ人虐殺犠牲者は推定600万人。広島の原爆投下直後の死者8万7000人以上。ベトナム戦争における米軍戦死者約5万8000人。阪神大震災死者6200人以上、東日本大震災死者・行方不明者約2万人。 歴史の意味付けがされ、犠牲も大きい時、世界はその悲劇を語り続ける。しかし、この国で毎年のように繰り返される洪水や竜巻やサイクロンの悲劇が語られることはまれだ。確かに、そこには虐殺も戦争も放射能もない。あるのは「世界最貧国」といわれてきた貧しさと約1億5000万人の過密な人口だけだ。 世界各国の主要新聞がバングラデシュのサイクロン被害をトップニュースで伝えた1991年の同じ日の日本の新聞が手元にある。社会面の片隅に「台風試写9万超す/バングラ」と小さな見出し。その上に倍以上の大きな見出しで「原油の海の水鳥あわれ/死亡2万羽、救出は420羽」。湾岸戦争による原油汚染の記事だった。 日本では、バングラデシュ人の命はペルシャ湾の水鳥より軽かったようだ。『アジア・ルポルタージュ紀行』2:南洋諸島の統治『アジア・ルポルタージュ紀行』1:北朝鮮紀行
2022.07.16
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「手当たり次第」でしょうか♪<市立図書館>・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、7/14受取)・横田増生『潜入ルポamazon帝国』(7/08予約、7/14受取)・移民の世界史・大航海時代の日本人奴隷<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日【潜入ルポamazon帝国】横田増生著、小学館、2019年刊<出版社>より〈「とてつもなく大きくなったなぁ……」と気圧されるような思いに陥った(中略)私がアマゾンの物流センター内部に足を踏み入れるのは15年ぶり〉(第1章より)“世界最大の小売企業”アマゾンによって、いまや日本市場は制圧されつつある。果たして、その現場では何が起きているのかーー「アマゾン・エフェクト」の実態に迫るべく、著者は『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』以来、15年ぶりにアマゾンの巨大物流センターに潜入する。さらに、即日配送、カスタマーレビュー、マーケットプレイス、AWSなど、アマゾンのさまざまな現場に忍び込んでは「巨大企業の光と影」を明らかにしていく。私たちはこのまま何も実態を知ることなく、「アマゾン帝国」に支配されていくのだろうか……日本人に大きな問いを投げかける力作ルポルタージュである。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/08予約、副本8、予約0)>rakuten潜入ルポamazon帝国【移民の世界史】ロビン コーエン著、東京書籍、2020年刊<「BOOK」データベース>より巡礼者、労働者、難民、探検家、亡命者、留学生、旅行者、退職者ー世界中で「人の移動」が注目される今、「移民」の歴史とこれからに迫る!【目次】第1部 人の移動の始まり(出アフリカ初期人類/探検家 アラブ人、中国人、ヨーロッパ人 ほか)/第2部 近・現代の人の移動(アイルランド人の移動と「ジャガイモ飢饉による大移住」/南アフリカの鉱山労働者 ほか)/第3部 現代の人の移動(中国の戸籍制度と国内での人の移動/インドの分離独立と人の移動 ほか)/第4部 論争と進展(音楽のルーツとルート/知識を求めて 留学生 ほか)<読む前の大使寸評>追って記入rakuten移民の世界史【大航海時代の日本人奴隷】 ルシオ・デ・ソウザ著、中央公論新社、2017年刊<「BOOK」データベース>より戦国時代の日本国内に、「奴隷」とされた人々が多数存在し、ポルトガル人が海外に連れ出していたことは知られていた。しかし、その実態は不明であり、顧みられることもほとんどなかった。ところが近年、三人の日本人奴隷がメキシコに渡っていたことを示す史料が見つかった。「ユダヤ教徒」のポルトガル人に対する異端審問記録に彼らに関する記述が含まれていたのだ。アジアにおける人身売買はどのようなものだったのか。世界の海に展開したヨーロッパ勢力の動きを背景に、名もなき人々が送った人生から、大航海時代のもう一つの相貌が浮かび上がる。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten大航海時代の日本人奴隷************************************************************図書館大好き556
2022.07.15
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・人新世の「資本論」(12/18予約、副本24、予約389)現在104位・今村翔吾『塞王の楯』(1/21予約、副本11、予約522)現在256位・『スマホ脳』(1/28予約、副本40、予約511)現在181位・「監視資本主義」(2/07予約、副本1、予約30)現在15位・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在327位・女のいない男たち(3/31予約、副本8、予約207)現在136位・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、副本3、予約49)現在36位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在36位・鎌倉殿と13人の合議制(5/18予約、副本2、予約9)現在2位・絲山秋子『まっとうな人生』(6/21予約、副本6、予約40)現在33位・ブレイディみかこ『両手にトカレフ』(7/01予約、副本2、予約37)現在36位・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、副本2、予約19)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・村田紗耶香『信仰』:図書館未収蔵 ・島田雅彦『パンとサーカス』・嶋田博子『職業としての官僚』・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』・砂川文次『ブラックボックス』・半藤一利『太平洋戦争への道 1931-1941』:図書館未収蔵・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・『猫の文学館I』『猫の文学館Ⅱ』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:5/17以降> ・堀川恵子『暁の宇品』(12/14予約、5/17受取)・養老先生、病院へ行く(9/30予約、6/01受取)・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、6/04受取)・グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』(12/23予約、6/22受取)・戦争は女の顔をしていない(4/07予約、7/01受取)・るるぶ宇宙(4/12予約、7/01受取)・パンデミック監視社会(4/24予約、7/08受取)・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、7/14受取)・横田増生『潜入ルポamazon帝国』(7/08予約、7/14受取)**********************************************************************【人新世の「資本論」】 斎藤幸平著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/18予約、副本24、予約389)>rakuten人新世の「資本論」【塞王の楯】今村翔吾著、集英社、2021年刊<出版社>より近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>shueisha塞王の楯【スマホ脳】アンデシュ・ハンセン著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存ー最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/28予約、副本40、予約537)>rakutenスマホ脳【監視資本主義】 ショシャナ・ズボフ著、東洋経済新報社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界的ベストセラー!監視資本主義という言葉を生み出したハーバード・ビジネススクール名誉教授が描く新世界。私たちを急襲する隠された力とその対抗策。オバマ元大統領が選ぶ2019年ベストブック選出!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/07予約、副本1、予約30)>rakuten監視資本主義【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【女のいない男たち】村上春樹著、文藝春秋、2014年刊<「BOOK」データベース>より絡み合い、響き合う6編の物語。村上春樹、9年ぶりの短編小説世界。【目次】ドライブ・マイ・カー/イエスタデイ/独立器官/シェエラザード/木野/女のいない男たち<読む前の大使寸評>村上春樹の短編小説集ってか・・・『1Q84』ブームの後に、こんな本が出ていたとは、春樹ファンを自認している大使としては不覚であった。rakuten女のいない男たち【ブルシット・ジョブの謎】酒井隆史著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かすー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/02予約、副本3、予約49)>rakutenブルシット・ジョブの謎【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【鎌倉殿と13人の合議制】 本郷和人著、河出書房新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より源頼朝が急死した後、武家の棟梁の座を継いだ頼家。その代に導入された「13人の合議制」とはいったい何だったのか。関東の秩序と地理、文官の役割、頼朝をめぐる女性たち、朝廷との距離感、北条氏の思惑…頼朝以前にさかのぼって鎌倉幕府の本質を明らかにしながら、武士政権というそれまでにない権力体、新しい世の始まりをリアルに描き出す。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten鎌倉殿と13人の合議制【まっとうな人生】絲山秋子著、河出書房新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より名古屋出身の「なごやん」と繰り広げた九州縦断の脱走劇から十数年後ー。富山県のひょんな場所でなごやんと再会した「花ちゃん」。夫のアキオちゃんと娘・佳音の成長を愛おしむ日々に、なごやん一家と遊ぶ楽しみが加わった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でその生活が一変!!続々とやってくる不安の波に押しつぶされそうになりながら、花ちゃんが出会ったもうひとりの自分とは?富山県を舞台に『逃亡くそたわけ』の続編が幕を開ける!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/21予約、副本6、予約41)>rakutenまっとうな人生【両手にトカレフ】ブレイディみかこ著、ポプラ社、2022年刊<出版社>よりブレイディみかこ氏からのメッセージ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』には出てこないティーンたちがいました。ノンフィクションの形では書けなかったからです。あの子たちを見えない存在にしていいのかというしこりがいつまでも心に残りました。こうしてある少女の物語が生まれたのです。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten両手にトカレフ【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2022.07.15
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<NHKスペシャル・アーカイブ(改11)>ブログで取り上げたNHKスペシャルを集めてみました。個人的アーカイブという趣きでんな♪なお、クローズアップ現代も一部ふくめています。NHKスペシャル放送予定改11:2022年を追加********************************************************************【2022年】・NHKスペシャル『鯨とりの海』2022.07.03・NHKスペシャル『RBG 最強の女性判事』2022.07.04【2021年】・『パンデミック 検証“医療先進国”(後編)なぜ危機は繰り返されるのか』2021.06.27・『パンデミック 検証“医療先進国”(前編)なぜ保健所は追い込まれたか』2021.06.22【2020年】(追って記入)【2019年】・NHKスペシャル『ノーベル賞会社員』2019.2.17・NHKスペシャル『アメリカvs中国 “未来の覇権”争いが始まった』2019.1.19【2018年】・クローズアップ現代『難問!どう遺品を整理』2018.10.25・NHKスペシャル『“脳” すごいぞ! ひらめきと記憶の正体』2018.2.04・NHKスペシャル『万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった』2018.1.14【2017年】・あなたの家電が狙われている2017.11.26・追跡 パラダイスペーパー2017.11.23・NHKスペシャル『人体 脂肪と筋肉 』2017.11.05・NHKスペシャル『 巨龍中国 一帯一路』2017.10.14・NHKスペシャル『人体 神秘の巨大ネットワーク 』プロローグ2017.10.03【2016年】・NHKスペシャル『自閉症の君が・・・』2016.12.11・NHKスペシャル『終わらない人 宮崎駿』2016.11.13・NHKスペシャル「縄文 奇跡の大集落」2016.5.01・NHKスペシャル『狙われる日本の機密情報』2016.2.07・NHKスペシャル『世界は秘密と嘘(うそ)に覆われた』2016.1.24【2015年】・NHKスペシャル「縄文 奇跡の大集落」2015.11.8・NHKスペシャル『雇用激変』2015.10.24・NHKスペシャル『戦後70年、豊かさを求めて』2015.6.5・プラントハンター西畠清順2015.4.3・空き家列島の衝撃22015.2.17・空き家列島の衝撃12015.1.19【2014年】・本を読まない人が急増 2014.12.11【2013年】・再発・転移する元凶「がん幹細胞」が見つかった 2013.09.19・NHKスペシャル【メルトダウン】2013.03.10【2012年】・NHKスペシャル「中国文明の謎」32012.12.11?・NHKスペシャル「中国文明の謎」22012.11.11・NHKスペシャル「中国文明の謎」12012.10.14・NHKスペシャル「魚の町は守れるか」2012.2.12
2022.07.14
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図書館で『アジア・ルポルタージュ紀行』という本を、手にしたのです。共同通信社の記者が「平壌からバクダッドまで」をレポートした紀行とのことであるが・・・金子光晴の『どくろ杯』や『マレー蘭印紀行』などを持って旅をしたようで、ええでぇ♪【アジア・ルポルタージュ紀行】石山永一郎著、柘植書房新社、2014年刊<「BOOK」データベース>よりアジアの裏町から島々までをさまよい、泥の海を歩き、戦火を駆け抜けた渾身のルポルタージュ集。時空を超えた幻想の旅路として描く新機軸のアジア紀行<読む前の大使寸評>共同通信社の記者が「平壌からバクダッドまで」をレポートした紀行とのことであるが・・・金子光晴の『どくろ杯』や『マレー蘭印紀行』などを持って旅をしたようで、ええでぇ♪rakutenアジア・ルポルタージュ紀行「Ⅲ アジア解放の幻想」で南洋諸島の統治を、見てみましょう。p92~96<楽園を守る> マニラから直行便で東に約3時間、エメラルドの海の中に奇岩がそそり立つ楽園のような島々があった。 プルメリアの花を耳にかざし、青いムームーを着た84歳のペレゲス・オトベデは、遠い記憶に目をうっとりとさせた。恋の思い出を聞いた時だった。パラオが日本統治領だった70年近く昔の話だ。「日本の若い隊長さんのことが好きだった。よく私の家に遊びに来てくれてね。ランプの灯の下で日本の歌をたくさん歌ったねえ」 私との会話はすべて日本語だった。パラオ人を対象として日本が設立した「公学校」で、日本語による教育を受けた彼女の日本語は今もよどみなかった。「むすーぶー、夢さーえー、まーまなーらーぬー」。ペレゲスが、か細くも若々しい声で歌い出したのは、昭和10年代の日本の流行歌「霧の波止場」だった。その若い隊長に習った歌詞を今もそらんじていた。「あの人と結婚したかった。でもねえ、当時はパラオ人と日本人の結婚はいろいろとやかましかったから」 その隊長は戦争を生き延び、船で日本に帰った。 ペゲレスは彼が島を発つ日を聞いていたが、波止場には見送りに行かなかった。「波止場で見送ると泣いてしまいそうだったから、人に頼んで手紙を渡した。『さようなら』と書いて」 ペレゲスの初恋はそこで終わった。戦後も彼には会っていない。 パラオ・コロール島の「高齢者センター」。お年寄りの憩いの場となっているセンターで、ペレゲスたちが遊んでいたのは「昔、日本人に習った」という花札だった。 第一次大戦後から約30年続いた日本統治時代への高齢者の評価は過分なほどに、おしなべてよかった。「戦争が始まるまではコロールに日本人が二万人以上いた。平和で活気もあった。コロールの町は今よりもきれいだった。あのころはよかった」。お年寄りたちは口々にそう言うのだ。 パラオと西洋人が最初に接触したのは、16世紀の英国人フランシス・ドレイクの渡来だった。その後パラオは1885年からスペイン領、1898年の米西戦争の敗北などでスペインの国力が弱まると、売却され、ドイツ領になった。 そして、1914年第一次大戦開始とともに日本はドイツに宣戦布告して軍をパラオに派遣した。ドイツの守備隊はほとんど無抵抗で降伏し、日本による占領が始まった。 1920年に国際連盟が日本の委任統治領と承認、サイパンなど南洋諸島を統括する南洋庁本庁がコロールに置かれた。その後、日本が1933年に国際連盟から脱退したため、事実上の直轄領土となる。パラオは30年近く「日本領」だったのだ。第二次大戦中の日本軍の侵攻で約3年間、日本の占領統治を受けたフィリピンやインドネシアなどと比べると、南洋諸島の統治期間は格段に長い。 日本による統治を受けるまで、パラオには宣教師による学校で一部の島民に教育が行われた以外、公的な教育制度はなかった。そこに日本は、日本人の学校と分けた上だったが、パラオ人のための「公学校」を各地に作り、補習科2年を含めて原則として全島民に5年の教育機会を与えた。(中略) 第二次大戦で、パラオは激戦地となる。1944年に南部のペリリュー島に米軍が上陸、日本軍は玉砕した。パラオ人の一部には挺身隊として日本軍属となり、日本兵とともに死亡した者もいたが、一般民間人にはほとんど犠牲者は出なかった。この点は同じ南洋庁の管理化にあったサイパン島の地上戦と大きく異なる。サイパン戦では先住民チャモロじんを含む8000人以上の民間人が戦闘の巻き添えで死亡している。 戦後は日本に代わって米国を施政国とする国連信託統治領を経て94年に独立した。現在の人口約2万人のうちフィリピン人など外国人労働者が5000人以上いる。 戦後、米国による国連信託統治領となったパラオが世界の注目を集めたのは独立前の1981年、「非核マグナカルタ」とも呼ばれる世界初の非核憲法を誕生させた時だ。核兵器の持ち込みを禁じ、原子力発電所も認めない斬新な憲法だった。この小さな島国でなぜこのような画期的な憲法が生まれたのか。「日本領だったパラオは広島、長崎の原爆投下に大きな衝撃を受けた。戦後は同じミクロネシアの日本領だったマーシャル諸島で米国が行った核実験の犠牲者から悲しい教訓も学んだ。原爆投下と核実験。この二つの悲劇があったがゆえに、この天国のように美しい島を守らなければとパラオの人々は動いたのだと思う」 パラオ大統領のトミー・レメンゲサウはそう説明した。レメンゲサウも「非核憲法を誇りにしている」一人だ。『アジア・ルポルタージュ紀行』1:北朝鮮紀行
2022.07.14
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図書館で『アジア・ルポルタージュ紀行』という本を、手にしたのです。共同通信社の記者が「平壌からバクダッドまで」をレポートした紀行とのことであるが・・・金子光晴の『どくろ杯』や『マレー蘭印紀行』などを持って旅をしたようで、ええでぇ♪【アジア・ルポルタージュ紀行】石山永一郎著、柘植書房新社、2014年刊<「BOOK」データベース>よりアジアの裏町から島々までをさまよい、泥の海を歩き、戦火を駆け抜けた渾身のルポルタージュ集。時空を超えた幻想の旅路として描く新機軸のアジア紀行<読む前の大使寸評>共同通信社の記者が「平壌からバクダッドまで」をレポートした紀行とのことであるが・・・金子光晴の『どくろ杯』や『マレー蘭印紀行』などを持って旅をしたようで、ええでぇ♪rakutenアジア・ルポルタージュ紀行冒頭の北朝鮮紀行の語り口を、見てみましょう。p10~14<あの頃の共和国> 記者としてさまざまな国を訪れる機会があったが、この国だけは何もかもが違った。 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を最初に訪れたのは1990年の8月だ。もう四半世紀も昔のことになるが、心に刻まれた強烈な印象はいまだに消えない。 当時の日本社会党による「日朝友好親善の船」の動向取材だった。 新潟から北朝鮮の元山に万景峰号で渡り、平壌、板門店などを回った9日間は、どこか別の惑星で過ごしたかのような不思議な日々だった。 町の何気ない風景から人々が漏らしたほんの一言に至るまで、伝えられる情報の少ないあの国では、すべてが記事の材料になった。冷戦後の時代において、そういう国は北朝鮮以外にはもはやないと思われる。映画の撮影セットのような町並みの舞台裏を探ること、北朝鮮側の通訳の監視の目をかいくぐるゲームのようなやりとりなど、何もかもが新鮮でスリリングだった。 当時の日朝関係は、自民党の有力議員だった金丸信・経世会会長の訪朝の直前で、今思えばほんの一時ではあったが、日朝国交回復に向けての具体的な動きがあった。まだ、日本人拉致問題が日朝間の重大課題と認識される前の時代である。そのためか、日本人記者への取材規制も、あの国にしては、かなり緩かったのではないかと思う。もちろん日程はすべて北朝鮮側によって決められており、自由な取材時間など原則としてなかったが、抜け道はいくつかあった。 平壌でのチャンスは早朝と深夜だった。 北朝鮮の対外文化交流協会(国交のない国との交流の政府窓口)は、記者一人一人に通訳をあてがった。朝鮮語を話せない私には、専従の通訳がいてくれることはありがたいことでもあったが、当然のことながら、彼らは私が頼んだ場所に必ずしも連れて行ってくれるわけではなかった。彼らの最大の仕事は、通訳よりも日本の記者の監視だった。 ただ、彼らがホテルに到着する午前9時前か、帰宅した後の午後10時過ぎにこっそりホテルを抜け出せば、平壌の町を自由に歩き回ることができた。 早朝にホテルを抜け出し、子供たちの集団登校風景や、いくつかある商店、街頭のアイスクリーム屋などの様子を取材してホテルに戻ると、担当通訳がいつも渋い表情で玄関前に立っていた。「いったい、どこへ行っていたんですか」「ちょっとね、朝の空気を吸いに散歩してたんだ」 そんな言い訳で、当時はなんとか見逃してくれた。 平壌で泊ったホテルは高麗ホテルだった。今も、北朝鮮入りした外国人の宿泊先として当局があてがうホテルの1つだ。 このホテルで、私は「よど号グループ」と会っている。1970年3月に羽田発の日本航空351便(愛称・よど号)を乗っ取り、北朝鮮に亡命した赤軍派グループである。 彼らの思想に共鳴していたわけでも、彼らにインタビューをするため事前に周到な計画をしていたわけでもない。彼らの方から、ごく自然なことのように、高麗ホテルにやってきたのだ。 当時、よど号メンバーは、日本からの大人数の訪問団が平壌を訪れると、情報交換などが目的だったのか、滞在先のホテルに姿を現すことがしばしばだった。 私が会ったのは、北朝鮮に渡ったメンバー9人のうち、リーダーの田宮高麿、小西隆裕、若林盛亮、赤木志郎の四人である。最初に会ったのはホテルの二階で、社会党の訪問団と話を終えた彼らを誘い、二階にあった広いカフェの四人掛けのテーブルに座った。「平壌で、それほど不自由のない暮らしをしていますよ」。いちばん饒舌だったのは若林だった。「日本の支援者とも連絡は取り合っていますよ。日朝関係の進展にはわれわれも期待しているんですけど、どうでしょうかねえ」 彼らは北朝鮮に渡った当初、「世界革命を進める同志」として北朝鮮政府から手厚い歓迎を受けたが、リーダーの田宮でさえ当時まだ27歳と若く、対等な同志とは扱われなかったようだ。北朝鮮では、金日成体制の核となる主体思想を徹底的にたたき込まれたといわれている。そもそも、よど号グループは反スターリン主義だったが、金日成の北朝鮮はスターリン主義だった。10日に安倍元総理の銃撃事件があったが、相前後して、連合赤軍を描いた『夜の谷を行く』を読破し、そしてこの本『アジア・ルポルタージュ紀行』を読んでいるわけである。
2022.07.13
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図書館で『夜の谷を行く』という本を、手にしたのです。連合赤軍の一員として、独りで在日米軍の基地に潜入しテロ活動を行った罪で、5年余の懲役を食らった女の話であるが・・・読み始めると面白くて(止まらなくなって)、一気に読破することになるのです。【夜の谷を行く】桐野夏生著、文藝春秋、2017年刊<「BOOK」データベース>より39年前、西田啓子はリンチ殺人の舞台となった連合赤軍の山岳ベースから脱走した。5年余の服役を経て、いまは一人で静かに過ごしている。だが、2011年、元連合赤軍最高幹部・永田洋子の死の知らせと共に、忘れてしまいたい過去が啓子に迫ってくる。元の仲間、昔の夫から連絡があり、姪に過去を告げねばならず、さらには連合赤軍を取材しているというジャーナリストが現れ、女たちの、連合赤軍の、真実が明かされる。<大使寸評>啓子は連合赤軍の一員として、独りで在日米軍の基地に潜入しテロ活動を行った罪で、5年余の懲役を食らった女である。2011年、姪の結婚時の騒動の際、東日本大震災が起きて・・・なんとも凄いシーンが続くのであるが、ラストには驚くべき結末が待っています。rakuten夜の谷を行く「第三章 断絶」の語り口を、見てみましょう。p123~127 久間との電話を切った後、啓子はしばらくぼんやりと突っ立っていた。急に寒くなって我に返り、エアコンのスイッチを入れる。 アメリカに入国すると、逮捕される恐れがあることなど、これまで一度も考えたことがなかった。 確かに、米軍基地に侵入してダイナマイトを仕掛け、物置小屋で小火を起こしたことがある。その罪に対して、アメリカからも起訴されたはずではあった。しかし、40年前の犯罪だ。時効にならないのだろうか。 とりあえず、サイパンに行くのは取りやめた方が無難かもしれない。けいこは和子に連絡するために、バッグに入れっ放しになっていた携帯電話を取り出した。和子の反応を創造すると、憂鬱だった。 案の定、和子は詰問口調になった。「そんなの初めて聞いた。嘘じゃないの? 啓ちゃん、ちゃんと確かめたの?」 予想通りの反応だったので、啓子は辛抱強く喋った。「誰に確かめたらいいのかわからないから、確認したわけじゃないの。でも、その可能性はなくはないよ。万一、捕まったら皆に迷惑かけるし、そんな賭みたいなことはできないから今回はやめにする。悪いけど、佳絵ちゃんには適当に言っておいてくれない?」 その言い方が悪かったのか、和子は激昂した。「適当にって何を今更。式まで、あと1週間もないんだよ。佳絵がサイパンでやるって頑張ったのは、啓ちゃんのためなんだから。あんな出しゃばりの母親と闘ったのは、ひとえに啓ちゃんに来てほしいからなのよ。わかってるの?」「わかってるわよ。ごめん。本当に悪いと思ってる」 佳絵の落胆を思うと、啓子も気分が塞ぐ。だが、どうしようもない。「あのさ、ちゃんと弁護士さんに聞いてみたの? 何ていう人だっけ、啓ちゃんの弁護士さん?」「あの人、ずいぶん前に亡くなったのよ」 それは嘘ではない。啓子の弁護をした若い弁護士は、50歳という若さで病死していた。法律事務所閉鎖の報せが来て、初めて知ったのだった。「亡くなったの? そうだっけか」和子が一瞬黙った後、続ける。「ねえ、啓ちゃん。でもさ、いくら何でもあり得なくない? だって、40年も前の話じゃないの。それに起訴状みたいなの来たの? そんなの見たことないんでしょう? いったい、誰から聞いたのよ、そんなガセネタ?」「ガセネタでもないと思うけどね」 小さい声で言い返す。「暢気だね。まるで他人事じゃん」 和子が腹立ち紛れに言い捨てた。「でも、三浦和義がそうだったじゃない。日本では無罪で結審したのに、サイパンに遊びに行って、突然捕まった。ロス市警が起訴しようとしたのよ」「ああ、ロス疑惑か。そんなことあったわね。だけど、あれはロスで、本当に誰かが亡くなってたんでしょう。実際にそういう事件があったわけじゃない。でも、啓ちゃんの場合は、アメリカとは関係ないでしょう」「関係なくはないよ。米軍基地に入って、爆薬仕掛けたことがあるんだから。小火だったけどね。それで起訴されているとしたら、殺人未遂にだって問われかねないって話、誰が言ったわけ?」
2022.07.13
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今回借りた3冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「手当たり次第」でしょうか♪<市立図書館>・パンデミック監視社会(4/24予約、7/08受取)・夜の谷を行く・アジア・ルポルタージュ紀行<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【パンデミック監視社会】デイヴィッド・ライアン著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より今回のパンデミックは、データ分析や機械学習が興隆する監視資本主義の時代に生じた、未曾有の事態である。猛威をふるうウイルスに対処するため監視技術が広範に活用され、監視によるデータ収集や人々の行動追跡・制御は、ときに権威主義と共鳴しつつも、驚くほどスムーズに受け入れられていった。パンデミックは私たちの世界をどう変えたのか。「コロナ前」に戻ることは本当に可能なのか。監視研究の世界的権威が、新型コロナウイルスがもたらした真の脅威に迫る。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/24予約、副本1、予約4)>rakutenパンデミック監視社会【夜の谷を行く】桐野夏生著、文藝春秋、2017年刊<「BOOK」データベース>より39年前、西田啓子はリンチ殺人の舞台となった連合赤軍の山岳ベースから脱走した。5年余の服役を経て、いまは一人で静かに過ごしている。だが、2011年、元連合赤軍最高幹部・永田洋子の死の知らせと共に、忘れてしまいたい過去が啓子に迫ってくる。元の仲間、昔の夫から連絡があり、姪に過去を告げねばならず、さらには連合赤軍を取材しているというジャーナリストが現れ、女たちの、連合赤軍の、真実が明かされる。<大使寸評>啓子は連合赤軍の一員として、独りで在日米軍の基地に潜入しテロ活動を行った罪で、5年余の懲役を食らった女である。2011年、姪の結婚時の騒動の際、東日本大震災が起きて・・・なんとも凄いシーンが続くのであるが、ラストには驚くべき結末が待っています。rakuten夜の谷を行く【アジア・ルポルタージュ紀行】石山永一郎著、柘植書房新社、2014年刊<「BOOK」データベース>よりアジアの裏町から島々までをさまよい、泥の海を歩き、戦火を駆け抜けた渾身のルポルタージュ集。時空を超えた幻想の旅路として描く新機軸のアジア紀行<読む前の大使寸評>共同通信社の記者が「平壌からバクダッドまで」をレポートした紀行とのことであるが・・・金子光晴の『どくろ杯』や『マレー蘭印紀行』などを持って旅をしたようで、ええでぇ♪rakutenアジア・ルポルタージュ紀行************************************************************図書館大好き555
2022.07.12
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図書館で『ラオスにはいったい何があるというんですか?』という本を、手にしたのです。おお 村上春樹のエッセイ集ってか・・・まあ外れではないでしょう♪【ラオスにはいったい何があるというんですか?】村上春樹著、文藝春秋、2015年刊<「BOOK」データベース>より『ノルウェイの森』を書いたギリシャの島再訪、フィンランド、トスカナ、熊本など…。旅先で何もかもがうまく行ったら、それは旅行じゃない。<読む前の大使寸評>おお 村上春樹のエッセイ集ってか・・・まあ外れではないでしょう♪rakutenラオスにはいったい何があるというんですか?フィンランド紀行について、見てみましょう。p127~133 <シベリウスやカウリスマキを訪ねて> フィンランドというとあなたはまず何を思い出しますか 僕の頭に浮かぶのは、浮かぶ順番にならべると1 アキ・カウリスマキの映画2 シベリウスの音楽3 ムーミン4 ノキアとマリメッコ ということになる。アキ・カウリスマキの映画は全部残らず満たし、シベリウスの交響曲全集は五種類も持っている。ムーミン・マグでときどきコーヒーも飲んでいる。ノキアの携帯もかれこれ5年くらい使っていた。というと、僕はかなりのフィンランド贔屓ということになるかもしれない。とくにこれまでそんなこと意識したことはなかったが、考えてみれば、そう言われてもやむを得ないところがある。 で、それはともかく、フィンランドに久しぶりに出かけてきました。僕が今回行ったのは8月の初めだったけど、それでも上着やセーターをいちおうしっかり用意していった。というのは、この前ヘルシンキに行ったとき、まだ9月の初めだったのに、寒くてひどい目にあったからだ。朝早く、いつものように一人でジョギングをしたのだけど、走っているうちにしとしとと雨が降り出した。 みぞれのように冷たい雨だ。これはまずい、早くホテルに戻らなきゃと思ったんだけど、いかんせん帰りの道に迷ってしまった。さらに具合の悪いことには、泊っているホテルの名前がどうしても思い出せない。えーと、なんだったっけな? 身体はしんしんと冷えてくるわ、道を訊こうにも訊きようもないわけで、ほんとに泣き出したいような気持だった。まあ、なんとか苦労の末に辿り着けたけど。 そういう惨めな記憶が脳裏に残っていたので、夏の盛りだというのにかなりしっかり温かい恰好を用意していった。でも今回はおおむね、フィンランドの天候は穏やかで平和だった。(中略) もちろん何もかもがすべてとんとんと順調に運んだわけではない。「旅先で何もかもがうまく行ったら、それは旅行じゃない」というのが僕の哲学(みたいなもの)である。ヘルシンキ市内にある、カウリスマキ監督兄弟(アキとミカ)の経営する名物バー「カフェ・モスクワ」に行ってみたのだが、ここでは飲み物を注文することすらできなかった。 カウリスマキ・ファンとして、ここは何があっても訪れたいとかねがね思っていた酒場だ。暗くけばいもろ60年代風の内装から、ジュークボックスの表に貼られた偏執的な選曲リストから、すべてが見事なまでにカウリスマキ趣味で成り立っている。聞いた話によれば、このバーの基本的経営方針は「冷たいサービスと、温かいビール」ということだ。うーん、やはりかなりユニークですね。 カウリスマキさんはこのバーの他に、ホテルも経営していたということだが、こちらは現在は休業中であるらしい。ひょっとしたら、このホテルの経営方針は「硬いベッドと、ゆるいサービス」みたいなものだったかもしれない。もしそうだとしたら、もう一度ここに泊まりに来ようと思うような宿泊客は、それほど数多くなかったかもしれない。 7時頃にこの「カフェ・モスクワ」に入って、椅子に座り、誰かが注文を取りに来るのをじっと待っていたのだが、従業員らしきものはまったく姿を見せない。40分ばかりそこで我慢強く待っていたんだけど、何ごともおこらなかった。店にはほかにカップルの客がいて、その人たちはちゃんとカウンターでビールを飲んでいたから、少し前までは誰か従業員そこにいたに違いない。 そしてビールだって(冷たいか温かいかはともかく)いちおう出してくれたのだろう。うまくいけば栓だって開けてくれたかもしれない。でも今はいない。そのカップルに「店の人はいないんですか?」と尋ねてみたら、「ああ、さっきまでいたんだけど、どこに行ったのかねえ。わかんないけど、当分は戻ってこないんじゃないかな。なにしろそういう店だから」ということだった。『ラオスにはいったい何があるというんですか?』2:ギリシャの島への滞在記『ラオスにはいったい何があるというんですか?』1:大いなるメコン川の畔で
2022.07.12
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図書館で『ヴィオラ母さん』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると・・・写真や漫画がちりばめられていて思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪【ヴィオラ母さん】ヤマザキマリ著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より生きることって結局は楽しいんだよ。音楽と娘と自分の人生を真摯に愛する規格外な母リョウコのまるで「朝ドラ」のような人生!【目次】第1章 リョウコが母になるまで/第2章 働く母、リョウコ/第3章 リョウコに教えてもらったこと/第4章 リョウコと衣食住/第5章 リョウコと家族/第6章 リョウコという母親<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・写真や漫画がちりばめられていて思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪rakutenヴィオラ母さん「第5章 リョウコと家族」でリョウコの初恋なんかを、見てみましょう。p197~201 <リョウコと音楽の必然的な出会い> 幸い彼女が通っていたミッションスクールの高等部には、生徒たちで構成されたアンサンブルがあった。戦後、リョウコはアンサンブル指導の先生からのアドバイスで、ヴァイオリンからヴィオラに楽器を持ち替え、いよいよ本格的に音楽に打ち込むようになっていった。音楽で食べていけたら良いのに、なんてことまで思うようになっていたらしい。 学校でフランス語を教わったいたシスターには、親戚のフランス人女性をペンフレンドとして紹介してもらった。この人との交流は現在にまで至る。私が14歳で欧州に一人旅に出された時に、最初に訪ねて行ったのもこの女性のところであった。『星の王子さま』 この当時のリョウコが音楽以外にはまっていたのは映画と読書だが、前述のシスターに『星の王子さま』のフランス語の原書をプレゼントしてもらい、それを自分流に翻訳などもしていたそうだ。『星の王子さま』はリョウコにとって掛け替えのない本となり、私も早いうちに読まされた。最近また改めて読み直して、この本が、家族から離れても、傍から何と思われても、音楽の力を頼りに生きて行こうと決意したリョウコに与えたであろう多大な影響力を、はじめて認識した。 リョウコが音楽で食べていきたい、外国にも留学したいという意思を伝えた時、得志郎も美千絵も、音楽は大好きだったがそれを生業として生きていってもらいたいとまでは考えていなかったので、当然のように猛反対をしたそうだ。20歳を過ぎたら女性はもう少女であり続けるわけにはいかない。考えるべきことは、良い縁談。どんなに破天荒な性質を持った家族ではあっても、やはり娘には社会の作ったレールの上を行ってほしい、という思いがあったのだろう。それまで周りに従順で大人しい娘であり続けたリョウコの脳内変革は、すでに始まっていた。 <リョウコと初恋> リョウコは女手一つで娘二人を育て、自分のしたい仕事をやり続け、自分と縁もゆかりもない北海道に家まで建てた人なので、常に私たち姉妹にも辛口だ。「大人になってもふさわしい人に出会えないのなら、無理に結婚なんかしなくていい。本当に尊敬できる相手でもないのに、自分の面倒を見てもらうだけのために結婚するのはどうかと思う。そういう人に巡り合えないのなら、むしろ独りでバリバリやったほうが良い人生を過ごせるはず」と、これから思春期を迎えようとしている私や妹に、異性に対する夢も希望もないような持論を唱えていた。 私は子供ではあったけれど、そんな母の考え方を「なんて味気のない考え方をする人だろう。夫に先立たれた悲しみもあるけど、きっと少女時代に素敵な恋愛をしたことがないからそんなことを言うんだろう」とこれまた辛口の憶測で捉えていた。 昭和55(1980)年、今から40年近く前、美千絵がこの世を去り、そのお葬式の場で、リョウコにとある人物を紹介された。その人は、葬儀会場の一番後ろの列に、ピンと背筋を伸ばして座っていた。リョウコより少し年上と思しき知的な風貌の男性だった。彼は会場内を慌しく行ったり来たりしていた母を見つけ、「リョウコちゃん!」と高揚する声で呼び止めた。 リョウコはその人に向かって「菊男さん!?」とこれまた思いがけない声で反応し、その様子を傍らから訝しげに見ていた私の腕をつかんで引き寄せ「これ、長女なんです」と照れくさそうに紹介した。「ええっ、こんな大きなお嬢さんがリョウコちゃんにいただなんて・・・」と灌漑深そうにしげしげと私の顔を見つめるその「菊男さん」と呼ばれた男性は一体誰なのか。 皆目見当のつかない私は、彼がその場を離れると同時に「あの人、誰!?」と問い質さずにはいられなかった。(中略) 菊男さんはリョウコが子供の頃に住んでいた鵜沼の家の、ご近所さんの長男だった。戦後の混乱がやっと落ち着きつつあった昭和23(1948)年頃。当時、菊男さんは一橋大学に通っていて、高校生になったばかりのリョウコを映画に誘うようになった。 リョウコは映画に対して造詣が深く、それもメジャーなハリウッドのものではなく、シャルル・ボワイエやジェラール・フィリップ、ジャン・マレーが出演するような耽美的なフランス映画をよく知っていた。なぜ、こんな通好みの映画に詳しいのか不思議だったのだが、その理由が、菊男さんとの再会によって明らかになった。 つまり、リョウコは菊男さんとのデートを通じて大量の映画を観ており、しかもそのほとんどが文学青年だった菊男さん推奨のものだったのである。『ヴィオラ母さん』2:花森安治のポリシー『ヴィオラ母さん』1:凄まじい母
2022.07.11
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7時半ころに選挙に行ってきました。 これまでの選挙には欠かさずに投票してきたのは、惰性があったかもしれないが・・・今回は気合をいれて投票したのです。 安倍元総理の銃撃事件があっただけに「民主主義を守る」という意識が働いたのかもしれません。 安倍元総理の悲報に対して、世界各国から(プーチン大統領からも)哀悼のコメントが寄せられているが・・・これは長期安定政権を維持した安倍元総理の業績がもたらしたものでしょう。 確かに、外交・安保に関する功績は大きいのだが、アベノマスク、アベノミクスなど負の側面があり個人的には全面的にはフォローできない政治家でした。 日ロ間の交渉では明らかに失敗していたが、一方で台湾を擁護して中国と対峙するスタンスには見るべきものがあったと思うのです。 おっと個人的な評価はこれくらいにして・・・・ 皆さん選挙に出かけてください。
2022.07.10
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<村上春樹アンソロジーR15>2021年のノーベル文学賞は、またも村上春樹を外しましたね。2018年のノーベル文学賞は、またも村上春樹を外しましたね。(2018年はノーベル賞側の不祥事があり文学賞そのものを取止め)2017年のノーベル文学賞はボブ・デュランが受賞し、びっくりポンでおます。でも、なかなかいい選定ではないか♪でも、まあ、毎年この時期に、当落に心躍らせるのもなかなかいい風物詩ではないかと思ったりする♪****************************************************<村上春樹関連の蔵書>・『村上春樹(BRUTUS 21年1015号)』(2021年)・色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(2013年)・村上春樹ロングインタビュー(2010年)・夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです(2010年)・1Q84 BOOK1(2009年)・「1Q84」をどう読むか(2009年)・村上春樹にご用心(2007年)・走ることについて語るときに僕の語ること(2007年)<図書館で借りた本>・風の歌を聴け(1982年)・螢・納屋を焼く・その他の短編(1987年)・スメルジャコフ対織田信長家臣団(2001年)・海辺のカフカ(2002年)・文壇アイドル論(2002年)・東京奇譚集(2005年)・村上春樹のなかの中国(2007年)・私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー(2009年)・空想読解なるほど、村上春樹(2012年)・サラダ好きのライオン(2012年)・女のいない男たち(2014年)・職業としての小説家(2015年)・ラオスにはいったい何があるというんですか?(2015年)・村上春樹と私(2016年)・騎士団長殺し第一部・第二部(2017年)・村上春樹翻訳ほとんど全仕事(2017年)・村上春樹の短編を英語で読む1979~2011下(2019年)・村上春樹、方法としての小説(2019年)・芸術新潮(2021年9月号):濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』論<その他>・『中国行きのスロウ・ボート』がつなぐ輪R15:『ラオスにはいったい何があるというんですか?』を追記【村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)】雑誌、マガジンハウス、2021年刊<商品説明>より1979年に『風の歌を聴け』でデビュー後、文芸の本流を担ってきた村上春樹。同時代を生きるブルータスが、ついにこの稀代の作家に向き合います。村上春樹と読み、村上春樹を読む。村上さんが手放せない51冊の本について28ページにわたって書き下ろし。著作から時代を読み解く年表や、早稲田大学<村上春樹ライブラリー>案内も。【目次】より・村上春樹の私的読書案内。51 BOOK GUIDE ・特集「ドイツの『いま』を誰も知らない!」・年表で探る。文芸・社会学・カルチャーで振り返る、村上春樹の時代。・翻訳家として何がすごいのか?<読む前の大使寸評>買った後で中を見たのだが「翻訳家として何がすごいのか?」とか「51 BOOK GUIDE」とか色んな切り口があって・・・楽しめそうでおます。rakuten村上春樹(BRUTUS 21年10/15号) 『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』5************************************************************【色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年】村上春樹著、文藝春秋、2013年刊<内容紹介>より三年ぶりの書き下ろし長篇小説。 (発刊直後は「BOOK」データなし)<読む前の大使寸評>発売初日に内容も確かめずに単行本の小説を買ったことは、我が読書生活では初めてのことであるが・・・・ミーハーだったかなとの自覚はあるわけです(汗)Amazon色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年************************************************************【村上春樹ロングインタビュー】考える人 2010年 08月号 、新潮社、2010年刊<内容紹介より>特集 村上春樹ロングインタビュー 日常から離れた新緑の山にこもって、たっぷりとお話をうかがった3日間。 【1日目】 一人称から三人称へ 『ノルウェイの森』のこと 僕と鼠の物語の終わり 歴史少年だったころ 物語の間口と奥行き プリンストンへ 「第三の新人」講義 『アンダーグラウンド』と『サハリン島』 『アフターダーク』と『1Q84』 『1Q84』はいかに生まれたか クローズド・サーキット 手を握りあう 物語を掘りだす 文体が支える BOOK3 女性たちとセックス 「1Q84」という世界 パラフレーズすること 【2日目】 プリミティブな愛の力 『静かなドン』から始まった 話し言葉と語りの力 メタファーの活用と描写 BOOK4の可能性 近過去の物語 十歳という年齢と偶然を待つこと 父的なものとの闘い 漱石のおもしろさ 芦屋から東京へ 心理描写なしの小説 自由であること、個であること 時間が検証する 十歳で読書少年に 芦屋のころ 19世紀的な小説像 自我をすっぽかす小説 長距離ランナー 【3日目】 リスペクトの感情 古典の訳し直し サリンジャー、カポーティをめぐって カーヴァーの新しい境地 20世紀の小説家の落とし穴 アメリカの出版界 オーサー・ツアー 全米ベストセラーリスト エルサレム賞のこと 短篇小説と雑誌の関係 今後のこと。 <大使寸評>村上さんがインタビューで、小説を書く舞台裏とかノウハウを惜しげもなく語っています。小説を書きたいと思う大使にとって、たいへん参考になります♪Amazon村上春樹ロングインタビュー村上春樹ロングインタビューbyドングリ************************************************************【夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです】村上春樹、文藝春秋、2010年刊<内容紹介より>13年間の内外のインタビュー18本を収録。なぜ書くのか、創作の秘密、日本社会への視線、走ることについてなどを語りつくす。 <大使寸評>ちょっとかったるい本なので、いまは積読状態になっているけど・・・そのうち読もう。Amazon夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです************************************************************【1Q84 BOOK1】村上春樹著、新潮社、2009年刊<内容紹介>より1949年にジョージ・オーウェルは、近未来小説としての『1984』を刊行した。そして2009年、『1Q84』は逆の方向から1984年を描いた近過去小説である。そこに描かれているのは「こうであったかもしれない」世界なのだ。私たちが生きている現在が、「そうではなかったかもしれない」世界であるのと、ちょうど同じように。 <大使寸評>1Q84のシリーズ3冊を購入したが、ハードカバーのシリーズ3冊とはしぶちんの大使としては画期的なことである。このシリーズはもう打ち止めにしてほしいものだ。Amazon1Q84 BOOK1************************************************************【「1Q84」をどう読むか】河出書房新社編、河出書房新社、2009年刊<商品説明>より今を代表する30人の論客が、様々な角度から村上春樹の「1Q84」を照射し作品の謎を紐解く。「1Q84」に向けられた評論からの問い。加藤典洋/川村湊/沼野充義/森達也/島田裕巳/斎藤環他。<大使寸評>この3冊シリーズの小説がなぜこれだけ売れたのか気になるし、他の人がどう読むかも興味深いのです。rakuten「1Q84」をどう読むか************************************************************【村上春樹にご用心】内田樹著、アルテスパブリッシング、2007年刊<内容紹介>よりベストセラー『下流志向』のウチダ教授が村上文学の秘密をついに解きあかす! 本文より 「私たちの平凡な日常そのものが宇宙論的なドラマの「現場」なのだということを実感させてくれるからこそ、人々は村上春樹を読むと、少し元気になって、お掃除をしたりアイロンかけをしたり、友だちに電話をしたりするのである。それはとってもとってもとっても、たいせつなことだと私は思う。」 <大使寸評>追って記入Amazon村上春樹にご用心************************************************************【走ることについて語るときに僕の語ること】 村上 春樹著、文藝春秋、2007年刊<「BOOK」データベースより>1982年秋、専業作家としての生活を開始したとき、彼は心を決めて路上を走り始めた。それ以来25年にわたって世界各地で、フル・マラソンや、100キロ・マラソンや、トライアスロン・レースを休むことなく走り続けてきた。旅行バッグの中にはいつもランニング・シューズがあった。走ることは彼自身の生き方をどのように変え、彼の書く小説をどのように変えてきたのだろう?日々路上に流された汗は、何をもたらしてくれたのか?村上春樹が書き下ろす、走る小説家としての、そして小説を書くランナーとしての、必読のメモワール。 <大使寸評>「継続は力なり」を地で行くような村上春樹のメモワールであり、市民ランナーとして思い当たるふしの多い本である。読破するのが惜しいので、少しづつ読んでいるが・・・これもある意味、積読になります。Amazon走ることについて語るときに僕の語ること<図書館で借りた本>【風の歌を聴け】 村上春樹著、講談社、1982年刊<出版社からの内容紹介より>1970年の夏、海辺の街に帰省した〈僕〉は、友人の〈鼠〉とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、〈僕〉の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。<大使寸評>神戸、芦屋あたりが舞台だから土地勘もはたらくし、ものうく軽い、この都会的センスがいいね♪Amazon風の歌を聴け************************************************************【螢・納屋を焼く・その他の短編 】村上春樹著、新潮社、1987年刊<「BOOK」データベース>より秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりではなく、誰かの温もりだった…。もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな七つの短編。<読む前の大使寸評>先日、NHKで『納屋を焼く』という韓国版映画を観たのだが・・・その勢いでこの本を予約していたわけです。rakuten螢・納屋を焼く・その他の短編 『螢・納屋を焼く・その他の短編』1************************************************************【スメルジャコフ対織田信長家臣団】村上春樹著、朝日新聞出版、2001年刊<「BOOK」データベース>より不倫相談・ドーナツ情報・村上作品・音楽・映画の話から、なぜか『カラマーゾフの兄弟』まで、「何でも相談室」の村上さんがお答えします。CD-ROMに約4千通のメールを収録!3年半にわたる作家と読者のメール交換の総決算。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると「村上ラジオ」に連載された記事を集めて編集されているが・・・村上さんの翻訳家時代の活発な姿が見られます。<図書館予約:(2/12予約、2/19受取)>rakutenスメルジャコフ対織田信長家臣団『スメルジャコフ対織田信長家臣団』1************************************************************【海辺のカフカ】 村上春樹著、新潮社、2002年刊<出版社からの内容紹介より>15歳の誕生日、少年は夜行バスに乗り、家を出た。一方、猫探しの老人・ナカタさんも、なにかに引き寄せられるように西へと向かう。暴力と喪失の影の谷を抜け、世界と世界が結びあわされるはずの場所を求めて。<大使寸評>どうでもいいことかもしれないけど、この小説の全編にわたって土地勘があるのです。ただ、大使の場合、四国の田舎から神戸、東京に向かうところが逆コースなんだけど(笑)Amazon海辺のカフカ************************************************************【文壇アイドル論】斎藤美奈子著、岩波書店、2002年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹に村上龍、吉本ばななに俵万智、みんな「文壇村」のアイドルだったー書評・作家論からゴシップ記事に至るまで周辺の膨大な資料を渉猟し、「一人の物書き」をアイドルにつくりかえる時代の背景に果敢に切り込む。林真理子、上野千鶴子、田中康夫ら、総勢八名の豪華キャスト。渾身の同時代論。<読む前の大使寸評>中を覗くと、アイドルとして村上春樹に村上龍、俵万智、立花隆、田中康夫らが取り上げられていて・・・ええでぇ♪rakuten文壇アイドル論************************************************************【東京奇譚集】村上春樹著、新潮社、2005年刊<「BOOK」データベース>より五つの最新小説。不思議な、あやしい、ありそうにない話。しかしどこか、あなたの近くで起こっているかもしれない物語。【目次】偶然の旅人/ハナレイ・ベイ/どこであれそれが見つかりそうな場所で/日々移動する腎臓のかたちをした石/品川猿<読む前の大使寸評>村上春樹の小説を昔にさかのぼって読みたくなるわけです。・・・はまってしまったんでしょうね。rakuten東京奇譚集東京奇譚集byドングリ************************************************************【村上春樹のなかの中国】藤井省三著、朝日新聞出版、2007年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹は中国から深い影響を受けている。「中国行きのスロウ・ボート」『ねじまき鳥クロニクル』『アフターダーク』など作品中で中国を「記号」として登場させている。一方、中国語圏では台湾、香港、上海、北京と、時計回りに村上春樹現象が出現した。「すっごくムラカミ(非常村上)」という流行語が生まれ、村上作品から影響を受けた「村上チルドレン」が多く輩出され、東アジアに与えた文化的な影響は大きい。近代文学において大きなテーマであった「中国」を村上春樹はどのように描いているのだろうか。また村上受容から見えてくる東アジアの姿とはいかなるものだろうか。魯迅からウォン・カーウァイまで「村上春樹」を軸に中国文学研究者が、東アジアの文化と社会を探る。<読む前の大使寸評>帰って読み始めると、著者が中国文学研究者であり、中国文学への深い知識に圧倒されるわけで、ちょっと当てがはずれたわけですが・・・ま、いいかと読み進めます。rakuten村上春樹のなかの中国************************************************************<『私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー』2>図書館で『私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー』という本を、手にしたのです。レイモンド・カーヴァーという作家は知らないのだが、村上春樹が精力的に翻訳した作家となれば気になるのである。それから、本の表紙に「村上春樹翻訳ライブラリー」とあるのだが、村上さんの翻訳者としての実力がしのばれるのである。【私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー】村上春樹編訳、中央公論新社、2009年刊<「BOOK」データベース>より密なる才能、器量の大きさ、繊細な心…カーヴァーは、彼について語るべき何かをあとに残していくことのできる人だったーJ・マキナニー、T・ウルフ、G・フィスケットジョンほか、早すぎる死を心から悼む九人が慈しむように綴ったメモワール。<読む前の大使寸評>レイモンド・カーヴァーという作家は知らないのだが、村上春樹が精力的に翻訳した作家となれば気になるのである。rakuten私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー『私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー』1************************************************************【空想読解なるほど、村上春樹】小山鉄郎著、共同通信社、2012年刊<「BOOK」データベース>より青いティッシュペーパーはなぜ嫌いか?青豆はなぜ生き延びたのか?あの青いあざとは何か?『ノルウェイの森』刊行時唯一のインタビュアーであり、『アンダーグラウンド』刊行を特報した著者が、ハルキの謎にせまる、愛に満ちたブックガイド。<読む前の大使寸評>このところ村上春樹関連の本を集中的に読んでいるいるのだが・・・ツボが疼くとでもいいましょうか♪rakuten空想読解なるほど、村上春樹************************************************************【サラダ好きのライオン】村上春樹, 大橋歩著、マガジンハウス、2012年刊<「BOOK」データベース>より男がオムレツを作るとき、どんな風景がいちばんふさわしいでしょう?おたくの猫には、音楽の好き嫌いがあると思いますか?村上春樹さんは占い師として、はたして大成したでしょうか?最新のムラカミ情報満載の「村上ラヂオ」第三作。<読む前の大使寸評>この本は雑誌「アンアン」の連載エッセイ「村上ラヂオ」の記事を集めて作っている旨が「まえがき」に述べられています。・・・これでぐっと気楽に読めるのではないかと思うのでおます♪rakutenサラダ好きのライオン『サラダ好きのライオン』1『サラダ好きのライオン』2************************************************************【女のいない男たち】村上春樹著、文藝春秋、2014年刊<「BOOK」データベース>より絡み合い、響き合う6編の物語。村上春樹、9年ぶりの短編小説世界。【目次】ドライブ・マイ・カー/イエスタデイ/独立器官/シェエラザード/木野/女のいない男たち<読む前の大使寸評>村上春樹の短編小説集ってか・・・『1Q84』ブームの後に、こんな本が出ていたとは、春樹ファンを自認している大使としては不覚であった。rakuten女のいない男たち************************************************************【職業としての小説家】村上春樹著、スイッチ・パブリッシング 、2015年刊<「BOOK」データベース>より「MONKEY」大好評連載の“村上春樹私的講演録”に、大幅な書き下ろし150枚を加え、読書界待望の渾身の一冊、ついに発刊!【目次】第一回 小説家は寛容な人種なのか/第二回 小説家になった頃/第三回 文学賞について/第四回 オリジナリティーについて/第五回 さて、何を書けばいいのか?/第六回 時間を味方につけるー長編小説を書くこと/第七回 どこまでも個人的でフィジカルな営み/第八回 学校について/第九回 どんな人物を登場させようか?/第十回 誰のために書くのか?/第十一回 海外へ出て行く。新しいフロンティア/第十二回 物語があるところ・河合隼雄先生の思い出<読む前の大使寸評>大学図書館でみっけ、市図書館の予約を解消し、借出したのであるが・・・大学図書館は穴場やで♪<図書館予約:(10/27予約、11/27大学図書館でミッケ、借出し)>rakuten職業としての小説家『職業としての小説家』1『職業としての小説家』2『職業としての小説家』3『職業としての小説家』4『職業としての小説家』5『職業としての小説家』6************************************************************【ラオスにはいったい何があるというんですか?】村上春樹著、文藝春秋、2015年刊<「BOOK」データベース>より『ノルウェイの森』を書いたギリシャの島再訪、フィンランド、トスカナ、熊本など…。旅先で何もかもがうまく行ったら、それは旅行じゃない。<読む前の大使寸評>おお 村上春樹のエッセイ集ってか・・・まあ外れではないでしょう♪rakutenラオスにはいったい何があるというんですか?『ラオスにはいったい何があるというんですか?』2:ギリシャの島への滞在記『ラオスにはいったい何があるというんですか?』1:大いなるメコン川の畔で************************************************************【村上春樹と私】ジェイ・ルービン著、東洋経済新報社、2016年刊<商品の説明>より『1Q84』『ノルウェイの森』をはじめ、夏目漱石『三四郎』や芥川龍之介『羅生門』など数多くの日本文学を翻訳し、その魅力を紹介した世界的翻訳家が綴る、春樹さんのこと、愛する日本のこと。<読む前の大使寸評>著者のジェイ・ルービンは『1Q84』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』などを翻訳していて、世界的に知られているそうです。rakuten村上春樹と私『村上春樹と私』6:文学鑑賞と年齢の関係『村上春樹と私』5:世界中の翻訳仲間『村上春樹と私』4:アメリカでの村上講演会『村上春樹と私』3:村上作品の英訳『村上春樹と私』2:翻訳者の仕事『村上春樹と私』1:翻訳の苦労************************************************************【騎士団長殺し第一部・第二部】村上春樹著、新潮社、2017年刊<「BOOK」データベース>よりその年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降っていたが、谷の外側はだいたい晴れていた…。それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕れるまでは。<読む前の大使寸評>16ヵ月も待ったのか…個人的には最長待機の予約本ということになるのです。もう本屋の店頭では見かけないもんね。主人公は職業的な絵描き(肖像画家)であるが、妻から要求されて離婚に応じたのです。その後、自分が描きたいものを探すかのように、エージェントをたたんで彷徨するわけです。・・・と直球勝負のような、サマセット・モーム『月と6ペンス』を髣髴とするかのような純文学と言いましょうか。<図書館予約:(4/12予約済み、8/30受取)>rakuten騎士団長殺し第一部・第二部『騎士団長殺し第一部・第二部』1:騎士団長の登場************************************************************【村上春樹翻訳ほとんど全仕事】村上春樹著、中央公論新社、2017年刊<「BOOK」データベース>より同時代作家を日本に紹介し、古典を訳し直す。音楽にまつわる文章を翻訳し、アンソロジーを編む。フィッツジェラルド、カーヴァー、カポーティ、サリンジャー、チャンドラー。小説、詩、ノンフィクション、絵本、訳詞集…。1981年刊行の『マイ・ロスト・シティー』を皮切りに、訳書の総数七十余点。小説執筆のかたわら、多大な時間を割いてきた訳業の全貌を明らかにする。<大使寸評>めくってみると、村上さんが訳した本が、それぞれの表紙の画像と寸評が並んでいて・・・見るだけで楽しくなるビジュアル本でおます。個人的にはレイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』、『さようなら、愛しい人』やスコット・フィッツジェラルドの『マイ・ロスト・シティー』がお気に入りです。rakuten村上春樹翻訳ほとんど全仕事************************************************************【村上春樹の短編を英語で読む1979~2011下】加藤典洋著、筑摩書房、2019年刊<「BOOK」データベース>より「デタッチメント」から「コミットメント」へー村上春樹の創作姿勢の移行は、はたして何を意味するのだろうか。その物語世界はどのように深化を遂げたのか。デビュー以来の80編におよぶ短編を丹念にたどりながら、長編とのつながりをも探り出すことで、新たな像が浮かび上がる。下巻では、『ノルウェイの森』の大ベストセラー化を契機にもたらされた深刻な孤立と危機にはじまる「中期」の作品群を読み解き、そして、日本の戦後にとって節目となった1995年の二つの出来事を誰よりもしっかり受け止めた小説家の「後期」の転回を掘り下げる。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten村上春樹の短編を英語で読む1979~2011下************************************************************【村上春樹、方法としての小説】 山愛美著、新曜社、2019年刊<「BOOK」データベース>より洞窟の中のストーリーテラー、村上春樹。その創作の原点はどこにあるのか?幼少期のエピソード、作品・インタビュー中の言葉に着目し、独自の方法で紡ぎつづける物語の秘密に迫る!【目次】序章 自発的に語り始める「物語」/第1章 方法としての小説、そしてはじまりの時/第2章 初めての物語としての『風の歌を聴け』/第3章 デレク・ハートフィールドの世界/第4章 言葉・身体/第5章 記憶・イメージ/第6章 創作過程を探る/終章 想像力と効率<読む前の大使寸評>村上さんの物語の秘密が載っているとのことで・・・借りる決め手になりました。rakuten村上春樹、方法としての小説『村上春樹、方法としての小説』2:「騎士団長殺し」あたり『村上春樹、方法としての小説』1:初期の三部作************************************************************【芸術新潮(2021年9月号)】雑誌、新潮社、2021年刊<出版社>より【追悼特集】はじめてであう安野光雅・作品篇 :ふしぎな絵本の王国で遊ぶ、見つける、考える・人生篇 :空想と独学に生きる・安野さんとわたし【art news movie】濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』論<読む前の大使寸評>表紙のコピーに見られるように、安野光雅さんの追悼特集とのことであり、興味深いのです。shinchosha芸術新潮(2021年2月号)濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』論<その他>『中国行きのスロウ・ボート』がつなぐ輪このところ、エキゾティックな満州、上海など気になるのだが・・・この本にという歌が出ているので、見てみましょう。なるほど、という歌のとは天国のことだったのか♪この歌のメロディーは知らないが、暇な大使は“『中国行きのスロウ・ボート』がつなぐ輪”としてフォローしていたのです。ちなみに、村上春樹はこの曲に、死の気配を感じたそうだが・・・この辺りが作家的感性なのか?(大使、深入りし過ぎでは?)<以降省略、全文は村上春樹アンソロジーR9による>
2022.07.10
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、副本2、予約24)現在2位・人新世の「資本論」(12/18予約、副本24、予約389)現在115位・今村翔吾『塞王の楯』(1/21予約、副本11、予約522)現在269位・『スマホ脳』(1/28予約、副本40、予約511)現在194位・「監視資本主義」(2/07予約、副本1、予約30)現在16位・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在341位・女のいない男たち(3/31予約、副本8、予約207)現在141位・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、副本3、予約49)現在36位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在37位・鎌倉殿と13人の合議制(5/18予約、副本2、予約9)現在3位・絲山秋子『まっとうな人生』(6/21予約、副本6、予約40)現在38位・ブレイディみかこ『両手にトカレフ』(7/01予約、副本2、予約37)現在37位・横田増生『潜入ルポamazon帝国』(7/08予約、副本8、予約0)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・村田紗耶香『信仰』:図書館未収蔵 ・島田雅彦『パンとサーカス』・嶋田博子『職業としての官僚』・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』:図書館未収蔵 ・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』・砂川文次『ブラックボックス』・半藤一利『太平洋戦争への道 1931-1941』:図書館未収蔵・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・『猫の文学館I』『猫の文学館Ⅱ』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:4/13以降> ・くらしのアナキズム(11/27予約、4/13受取)・さばの缶づめ、宇宙へいく(3/08予約、4/13受取)・「わきまえない女」だった北条政子(2/20予約、4/13受取)・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、4/26受取)・堀川恵子『暁の宇品』(12/14予約、5/17受取)・養老先生、病院へ行く(9/30予約、6/01受取)・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、6/04受取)・グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』(12/23予約、6/22受取)・戦争は女の顔をしていない(4/07予約、7/01受取)・るるぶ宇宙(4/12予約、7/01受取)・パンデミック監視社会(4/24予約、7/08受取)**********************************************************************【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日【人新世の「資本論」】 斎藤幸平著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/18予約、副本24、予約389)>rakuten人新世の「資本論」【塞王の楯】今村翔吾著、集英社、2021年刊<出版社>より近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>shueisha塞王の楯【スマホ脳】アンデシュ・ハンセン著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存ー最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/28予約、副本40、予約537)>rakutenスマホ脳【監視資本主義】 ショシャナ・ズボフ著、東洋経済新報社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界的ベストセラー!監視資本主義という言葉を生み出したハーバード・ビジネススクール名誉教授が描く新世界。私たちを急襲する隠された力とその対抗策。オバマ元大統領が選ぶ2019年ベストブック選出!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/07予約、副本1、予約30)>rakuten監視資本主義【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【女のいない男たち】村上春樹著、文藝春秋、2014年刊<「BOOK」データベース>より絡み合い、響き合う6編の物語。村上春樹、9年ぶりの短編小説世界。【目次】ドライブ・マイ・カー/イエスタデイ/独立器官/シェエラザード/木野/女のいない男たち<読む前の大使寸評>村上春樹の短編小説集ってか・・・『1Q84』ブームの後に、こんな本が出ていたとは、春樹ファンを自認している大使としては不覚であった。rakuten女のいない男たち【ブルシット・ジョブの謎】酒井隆史著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かすー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/02予約、副本3、予約49)>rakutenブルシット・ジョブの謎【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【鎌倉殿と13人の合議制】 本郷和人著、河出書房新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より源頼朝が急死した後、武家の棟梁の座を継いだ頼家。その代に導入された「13人の合議制」とはいったい何だったのか。関東の秩序と地理、文官の役割、頼朝をめぐる女性たち、朝廷との距離感、北条氏の思惑…頼朝以前にさかのぼって鎌倉幕府の本質を明らかにしながら、武士政権というそれまでにない権力体、新しい世の始まりをリアルに描き出す。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten鎌倉殿と13人の合議制【まっとうな人生】絲山秋子著、河出書房新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より名古屋出身の「なごやん」と繰り広げた九州縦断の脱走劇から十数年後ー。富山県のひょんな場所でなごやんと再会した「花ちゃん」。夫のアキオちゃんと娘・佳音の成長を愛おしむ日々に、なごやん一家と遊ぶ楽しみが加わった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でその生活が一変!!続々とやってくる不安の波に押しつぶされそうになりながら、花ちゃんが出会ったもうひとりの自分とは?富山県を舞台に『逃亡くそたわけ』の続編が幕を開ける!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/21予約、副本6、予約41)>rakutenまっとうな人生【両手にトカレフ】ブレイディみかこ著、ポプラ社、2022年刊<出版社>よりブレイディみかこ氏からのメッセージ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』には出てこないティーンたちがいました。ノンフィクションの形では書けなかったからです。あの子たちを見えない存在にしていいのかというしこりがいつまでも心に残りました。こうしてある少女の物語が生まれたのです。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten両手にトカレフ【潜入ルポamazon帝国】横田増生著、小学館、2019年刊<出版社>より〈「とてつもなく大きくなったなぁ……」と気圧されるような思いに陥った(中略)私がアマゾンの物流センター内部に足を踏み入れるのは15年ぶり〉(第1章より)“世界最大の小売企業”アマゾンによって、いまや日本市場は制圧されつつある。果たして、その現場では何が起きているのかーー「アマゾン・エフェクト」の実態に迫るべく、著者は『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』以来、15年ぶりにアマゾンの巨大物流センターに潜入する。さらに、即日配送、カスタマーレビュー、マーケットプレイス、AWSなど、アマゾンのさまざまな現場に忍び込んでは「巨大企業の光と影」を明らかにしていく。私たちはこのまま何も実態を知ることなく、「アマゾン帝国」に支配されていくのだろうか……日本人に大きな問いを投げかける力作ルポルタージュである。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/08予約、副本8、予約0)>rakuten潜入ルポamazon帝国【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2022.07.09
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昨晩のMBSテレビで「さだまさしの無人島案内」というのが観られた。長崎の寺島(詩島)という小さな島を、さださんが買い、北欧風ログハウスを建てたようです。そこでは友人たちを呼んで饗応するのが楽しそうでした。なんかこの島のことは、以前に見たことがあるぞ・・・ということで過去の記事を調べたので、以下のとおり復刻します。***********************************************************図書館で『さだの辞書』という本を、手にしたのです。おお 生さだのエッセイ集ではないか・・・これは要チェックでんがな♪さださんについては、NHK「今夜も生でさだまさし」で親しくフォローしております。【さだの辞書】さだまさし著、岩波書店、2020年刊<「BOOK」データベース>より「1998年11月。岩波書店の『広辞苑第五版』に「目が点になる」が載ったとき、僕の仲間たちは一時騒然とした」-この事件がご縁の自伝的エッセイ集。テーマは「家族・故郷・ご先祖様」「友・仲間・恩人」「歴史・土地・希望」「本・音楽・映画」。ときに爆笑、ときに涙の三題噺25話。思い出話や今の関心、次世代への期待に、温かな人柄とユーモアが、紡ぐ言葉にセンスが光る。多芸多才の秘密も見えてくる。<読む前の大使寸評>おお 生さだのエッセイ集ではないか・・・これは要チェックでんがな♪さださんについては、NHK「今夜も生でさだまさし」で親しくフォローしております。rakutenさだの辞書寺島という無人島を買ってリゾート施設を造成した経緯を、見てみましょう。p80~83<飛梅・詩島・伊能忠敬> 「春な忘れそ」の「な~そ」を中学の頃「係り結び」と学んだ怪しい記憶があったので、高校生になって「禁止」だと教わって面食らったのが菅公の「飛梅伝説」の歌だが、その「飛梅」は毎年1月の末になると大宰府天満宮境内6000本のどの梅よりも一番先に咲く。「すぐに春が来るよ」と、あたかも受験生にエールを送り励ますように咲くのだ。 この花に惹かれ、幾度も大宰府天満宮に参拝するうち「飛梅」という歌を書いたのは1977年の春だった。この歌を当時の西高辻信貞宮司が気に入って下さり、それがご縁で僕の一つ年下のご子息、現宮司の信良さんと、たちまち大親友になった。 さてその歌を書いた翌年の春のこと。 「おい、島を買わんか」 アマチュア時代からの恩人の一人で、放送局を退いた後、その関連会社の社長になっていた人が豪快にそう言った。何でも長崎市内に住む大地主が、思うところあって東京に移住すると決め、所有地を全て処分したが、最後まで迷ったのがその美しい島だったのだそうだ。 「君になら売るというから買え。坪1万円で2000坪だから2000万だ。なに、その値段じゃ東京じゃマンション一つ買えんだろう。むしろ安い買い物だぞ」 当時はレコードが売れ、思いがけず巨額の印税が入って思い上がっていたのと、少年時代から『十五少年漂流記』や『ロビンソン・クルーソー』に憧れていた僕の夢の「」を「」と即答した。 大村湾の中の島々は多良岳の噴火で出来た、或いは空から降った星だなどという伝説があるが、長崎空港のある箕島から西に向かって二島、黒島、寺島と、四島が一直線に並んでいる。空港から北へ向かって飛び立つときに左窓外の海に並ぶ三つ目の小島が寺島だ。 大村湾の縁、長崎市内の静かな海に浮かぶその小島は瓢箪を縦割りにして横に浮かべたような、文字通りの「瓢箪島」で、西側に標高8があり、東側にはそれより広い標高14メートルほどの高さの丘があった。最初、腰まで海に浸かって上陸してみたらそこは花の島で、僕の父が大層喜んだ。 「おい、ここはヤマモモの島だ。これだけでも大変な価値がある。夏にはこの実を食べに鳥が一杯来るぞ」 毎年春に赤い花を咲かせるヤマモモが初夏、たわわに赤い実をつけると、明け方、何処からかメジロ数百羽が現れてその実を一斉についばむようになった。父は元材木商だけにその島の沢山の木を喜んだ。 「松も大きくて健康だ。桜も方々にある。楓も沢山あるからこれで躑躅(つつじ)をあちこちに植えたら季節ごとに楽しめる」 それからこう言った。 「気がついたか、この辺りは真珠が取れる海だ。海を汚さぬよう最高の浄化槽を設置することから始めよう」 当時、最上級の浄化設備はそれだけで島の倍以上もする値段だったけれども、真珠の海には代えられないと思ってそこまでは納得したが、それから父の暴走が始まったのである。「海の上の建物は丈夫な木でなければ」と、わざわざフィンランドから島の値段以上のログハウスを取り寄せて西の丘の上に設置し「母屋」とした。 それから多くの植栽は勿論のこと、西の丘と東の丘との間の僅かな土地にバンガローを三棟建て、管理棟まで作った。もはや「無人島」どころか一大リゾート島になってしまったのだが、目が回るほどお金も要って「稼ぐを追い越す貧乏」があるのだと父に教わった。 父は元来お金に無頓着で、僕は少年の頃から我が家の家計にはハラハラさせられてきたが、このようにたとえ息子が稼いだお金であろうとも、そこにお金が有れば有るだけ使うような人物であった。母は「可哀想に、あんたが頑張っとるとにお父さんが好き勝手して」と渋い顔をして「お父さんのお金じゃ無かとに」といつも僕に同情した。僕は僕でそういうことには余り頓着しない質だったので、お金など無くなるまでしか遣えまいと暢気に構えていた。 そんなあるとき、かつて寺島の東の丘の上には建物があって近在の隠れ切支丹の人々の集会場だったらしいという言い伝えを知り、東の丘の上が更地だった理由が腑に落ちた気がした。お上の目を憚ってこの建物を「寺」と呼び、この島を「寺島」と呼んだ、とも。そのような海の聖地ならば、この島に守り神を勧進すべき、と直ぐに脳裡に浮かんだのは大宰府天満宮だった。 当時権宮司職の信良さんに相談すると一も二も無く喜んで畏れ多くも御分霊くださることになり、これを機会に「寺島」の「寺」に「言偏」を加えて島の名前を「詩島」と呼ぶことにして(1995年に正式に海図も「詩島」とされた)「詩島天満宮」を勧請し、1980年8月11日の夜に「遷座祭」を行った。ウーム 膨大な借金地獄を乗り越えたさださんであるが・・・その金銭感覚は佐田家特有のもののようですね♪『さだの辞書』1
2022.07.08
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図書館で『ラオスにはいったい何があるというんですか?』という本を、手にしたのです。おお 村上春樹のエッセイ集ってか・・・まあ外れではないでしょう♪【ラオスにはいったい何があるというんですか?】村上春樹著、文藝春秋、2015年刊<「BOOK」データベース>より『ノルウェイの森』を書いたギリシャの島再訪、フィンランド、トスカナ、熊本など…。旅先で何もかもがうまく行ったら、それは旅行じゃない。<読む前の大使寸評>おお 村上春樹のエッセイ集ってか・・・まあ外れではないでしょう♪rakutenラオスにはいったい何があるというんですか?ミコノス島ギリシャの島への滞在記を、見てみましょう。p83~87 <懐かしいふたつの島で> 今から24年ほど前のことになるが、ギリシャの島に住んでいた。スペッツェス島とミコノス島。「住んだ」といってもせいぜい合わせて三ヶ月くらいのことだけど、僕にとっては初めての「外国で暮らす」体験だったし、それはずいぶん印象深い体験になった。ノートに日々の記録をつけ、あとになって『遠い太鼓』という旅行記の中にそれをまとめた。 その後も何度かギリシャに行くことはあったけれど、それらの島をもう一度訪れたことはなかった。だから今回はそのとき以来の「再訪」ということになる。「ピルグリメイジ(巡礼)」という英語の表現がある。そこまで言うのはいささか大げさかもしれないが、要するにおおよそ四半世紀昔の自分の足跡を辿ることになるわけで、懐かしいといえばたしかに懐かしい。とくにミコノス島は小説『ノルウェイの森』を書き始めた場所だったので、僕の中にはそれなりの想いのようなものがある。 1986年9月にローマに着いて、その初秋の美しい光の中で1ヶ月ほどを過ごし、それからアテネに行き、ピレエフス港から船でスペッツェス島に渡った。イタリアに本格的に住み始める前に、ギリシャで数ヶ月を送りたかった。10月も半ば、ギリシャの観光シーズンは既に終わって、働き疲れたギリシャ人たちがホテルやレストランや土産物屋の店仕舞いを始める頃だ。 この時期になると、いくらギリシャとはいえけっこう寒くなってくるし、天候もだんだん悪くなる。曇りの日が多くなり、冷ややかな風が吹き、雨もよく降るようになる。クルーズ船で夏の陽光溢れるエーゲ海の島を訪れたことのある」人は、空きが深まったときそこがどれほどひっそりとした場所に(ある時には陰鬱なまでの場所に)なり得るかを知ったら、きっとびっくりするに違いない。 どうしてそんな魅力的とは言いがたい季節を選んで我々(というのは僕と奥さんのことだが)がギリシャの島に住むようになったのか? まずだいいちに生活費が香具師勝ったから。高物価・高家賃のハイシーズンの時期に、ギリシャの島で何ヶ月か暮らせるような経済的余裕は、当時の我々にはなかった。それから天候のよくないオフシーズンの島は、静かに仕事をするのに向いているということもあった。 夏場のギリシャはいささか騒がしすぎる。僕は日本で仕事をすることに当時疲れていて(それにはまあ、一口では言えないいろいろな理由があったのだが)、外国に出て面倒な雑事を逃れ、ひっそり仕事に集中したかった。できれば腰を据えて、長い小説も書きたかった。だから日本を離れて、しばらくのあいだヨーロッパに住むことに決めたのだ。■1 ミコノス島 今回もやはり、同じ「あまりぱっとしない」オフシーズンの時期を選んで島を訪れることにした。季節の設定をおおよそ揃えて訪れた方が、今と昔とで何が変わったか、何変わらなかったか、比較しやすいだろう。 ミコノス島まではドイツからジェット機の直行便が飛んでいる。このことにまず驚かされた。昔はミコノスに行くには、アテネからオイルサーディンの空き缶みたいなぺらぺらのプロペラ機に乗るか、ピレエフスからのろいフェリーに乗るしかなかった。島の滑走路が短くて、ジェット機の離着陸なんてとてもできなかったからだ。だからちょっと強い風が吹くとすぐに便が欠航した。三日も強い風が吹き続けると、島は足止めをくらった旅行者であふれたものだ。 でも今では新しい長い滑走路ができたので、多くの観光客が時間をかけず、足止めをくらう心配もなく、この島にヨーロッパ各地から直行することができる。もちろん便利なことは便利なんんだけど、いささか淋しいような気がしなくもない。不便さは旅行を面倒なものにするが、同時にまたそこにはある種の喜び(まわりくどさがもたらす喜び)も含まれている。『ラオスにはいったい何があるというんですか?』1
2022.07.08
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AUスマホの不具合が解決されて一安心であるが、巷では熱中症が猛威をふるっています。一方、コロナ感染では驚きの増加が見られます。第7波と言うんですか。保健所の応援体制が整わないのに国家公務員に夏のボーナスとは・・・政権党が悪いのか? 行政システムが悪いのか?日本維新の会に勢いがあるので、政権党にお灸をすえてもらおうか。と、参院選挙前に、報道にはこのあたりを追及してもらいたいものである。ところで、イオンモールの清算の列にならぶと・・・昨今のキャッシュレス増加に驚くのです。「いつもにこにこ現金払い」と、アナログ志向の大使は、かねてより(筋金入りの)現金払いなのでおます。 『キャッシュレス化が進んでいるが』
2022.07.07
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図書館で『ようこそ、ちきゅう食堂へ』という本を、手にしたのです。「食堂」をめぐる旅が語れていて興味深いが・・・羊肉が好きな大使としては、まずモンゴル遊牧民の食生活を見てみたいのです。【ようこそ、ちきゅう食堂へ】小川糸著、幻冬舎、2010年刊<「BOOK」データベース>より「いただきます」「おいしい」「ごちそうさま」。今日もあちらこちらで、奇跡の出会いを喜ぶ声が…。きっとそこには、料理の神様の愛弟子たちがいる。彼らが心をこめて生み出す料理があって、誰かがおいしさに顔をほころばせる食堂がある。おいしい出会いを求めて、「食堂」をめぐる長い旅のはじまりはじまり。<読む前の大使寸評>「食堂」をめぐる旅が語れていて興味深いが・・・羊肉が好きな大使としては、まずモンゴル遊牧民の食生活を見てみたいのです。rakutenようこそ、ちきゅう食堂へハヤナーさん家への再訪問を、見てみましょう。p183~187 <ハヤナーさん家 夏> チンギスハーン国際空港に降り立ったのは、午後6時過ぎだった。一路、アンタンボラグ県にあるハヤナーさんのゲルを目指す。夕刻とはいえ、太陽はまだまだ沈む気配がない。真昼のような強い日差しが降り注ぐ中、モンゴルではお馴染みとなった、未舗装の道なき道をひた走る。(中略) まだうっすらと明るいうちに無事ハヤナーさんのゲルに辿り着いた。遊牧民は一つの所に定住せず、移動しながら暮らしている人達だ。前回と同じ場所に行ったからと言って、また必ず会えるとは限らない。 最初にゲルのドアを開けて出てくれたのは、奥さんのナラさんだ。前回訪れたのが3月末だから、約3ヶ月ぶりの再会である。私の姿を見つけた瞬間、ナラさんの顔に花が咲いたように笑みが零れる。続いてハヤナーさんも現れた。 その熱烈な歓迎ぶりと言ったら、こちらが恐縮してしまうほど。歓声を上げ、抱擁し、さっそく手を繋いでゲルの中に招待される。まさかこんなに喜んでもらえるとは思っていなかった。ふたりの笑顔に出合えただけでも、はるばるモンゴルまでやって来た甲斐があったというもの。疲れが一気に吹き飛んでしまう。またひとつ、モンゴルにも家族ができたのだ。私にとって、ハヤナーさんはモンゴルのお父さん、ナラさんはお母さんである。 外はすでに薄暗い。すぐにお母さんがスーテイツァイとビスケットを出してくれた。三ヶ月前はおっかなびっくり口に含んでいたスーテイツァイが、懐かしい味に変わっている。「また来るね、と言う人はいっぱいいるけど、実際にまた訪ねてくれる人はほとんどいないから」と、興奮気味に話すお父さん。確かに、また来たいとは思っていたけれど、こんなに早くモンゴルに戻って来られるとは! 前回はお母さんの手伝いをすることがほとんどできなかったので、今回は、目いっぱい手伝いをして帰ろう。それが、たくさんの元気をくれたモンゴルへの、せめてもの恩返しだと思うから。 翌朝、まずは近くの川まで水汲みへ。陽が高くなると水の温度が上がり、水質も濁ってしまうので、水は早いうちに確保する。飲み水も料理に使う水も、すべて川の水だ。乾燥した気候のモンゴルでは、水はたいへん貴重である。 春に来た時は、極寒だった。マイナス20度の寒さで、ほとんどの時間をゲルの中で過ごした。ゲルの中央にあるストーブが、磁石のように家族を引きつけていた。 けれど今は夏なので、ストーブを外に運び出して煮炊きする。ストーブは固定されているわけではないから、中で火を使うと暑くなってしまう場合は、外に出せばいい。そんな小さな発想でも、遊牧民の暮らしの知恵にいちいち感動してしまう。『ようこそ、ちきゅう食堂へ』1:ハヤナーさん家 春
2022.07.07
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図書館で『ラオスにはいったい何があるというんですか?』という本を、手にしたのです。おお 村上春樹のエッセイ集ってか・・・まあ外れではないでしょう♪【ラオスにはいったい何があるというんですか?】村上春樹著、文藝春秋、2015年刊<「BOOK」データベース>より『ノルウェイの森』を書いたギリシャの島再訪、フィンランド、トスカナ、熊本など…。旅先で何もかもがうまく行ったら、それは旅行じゃない。<読む前の大使寸評>おお 村上春樹のエッセイ集ってか・・・まあ外れではないでしょう♪rakutenラオスにはいったい何があるというんですか?この本のタイトルにもなっている一篇を、見てみましょう。p149~153ルアンプラバン <大いなるメコン川の畔で> 日本からラオスのルアンプラバンの街に行く直行便はないので、どこかで飛行機を乗り継がなくてはならない。バンコックかハノイを中継地点にするのが一般的だ。僕の場合は途中ハノイで一泊したのだが、そのときヴェトナムの人に「どうしてまたラオスなんかに行くんですか?」と不審そうな顔で質問された。その言外には「ヴェトナムにない、いったい何がラオスにあるというんですか?」というニュアンスが読み取れた。 さて、いったい何がラオスにあるというのか? 良い質問だ。たぶん。でもそんなことを訊かれても、僕には答えようがない。だって、その何かを探すために、これからラオスまで行こうとしているわけなのだから。それがそもそも、旅行というものではないか。 しかしそう問われて、あらためて考えてみると、ラオスという国について自分がほとんど何も知らないことに気づく。これまでとくにラオスに興味を持ったこともなかった。それが地図のどのあたりに位置するのか、それさえろくに知らなかった。あなたもおそらく同じようなものではないかと、僕は(かなり勝手に)推察してしまうのだけれど。 いくつかのウィキペディア的事実――ラオスは東南アジア唯一の内陸国で、海にはまったく面していない。たぶんサーファー人口は少ないだろう。そのかわり(というか)メコン川という大河が、国土を南北に貫いて流れている。川はそのままミャンマーとタイとの国境をなしている。国土の面積は日本の約三分の二、人口は日本の二十分の一。国全体のGDPは、鳥取県の経済規模の約三分の一に相当する。 IMFによって「後発開発途上国」とカテゴライズされている。国民の78パーセントが農業に従事している・・・と言われても、どんなところだかさっぱり見当がつかないですよね。僕にも見当がつかない。だから実際に行ってみるしかない。 僕が目指すルアンプラバンは、メコン川沿いにある、かなりこじんまりとした街だ。街そのものより、街外れにある飛行場の方がたぶん大きいだろう。玄関がやたら大きくて立派で、部屋数が少ない家に似ている。居間を通り抜けて、その奥のドアを開けたらもう裏庭だった、みたいな。 人口は2万余り。そこに数え切れないほどたくさんの(きっと数えきれるのだろうが正確な数は不明)大小の寺院がひしめいており、一般的に「仏都」と呼ばれている。その昔はランサン王国の実際の首都だったのだが、防衛上の理由で、16世紀にビエンチャンに遷都したため、今ではちょうど奈良みたいに、宗教的な趣きのある静かな「古都」となっている。 外国人観光客に人気のある街だ。ちなみに「世界遺産」にも登録されている。高層建築物やショッピング・センターみたいなものはまったくない。スターバックスもマクドナルドもない。パーキング・メーターもないし、交通信号さえない。
2022.07.06
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図書館で『ヴィオラ母さん』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると・・・写真や漫画がちりばめられていて思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪【ヴィオラ母さん】ヤマザキマリ著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より生きることって結局は楽しいんだよ。音楽と娘と自分の人生を真摯に愛する規格外な母リョウコのまるで「朝ドラ」のような人生!【目次】第1章 リョウコが母になるまで/第2章 働く母、リョウコ/第3章 リョウコに教えてもらったこと/第4章 リョウコと衣食住/第5章 リョウコと家族/第6章 リョウコという母親<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・写真や漫画がちりばめられていて思いのほかビジュアルなのが、ええでぇ♪rakutenヴィオラ母さん「第4章 リョウコと衣食住」で花森安治のポリシーを、見てみましょう。p145~148 <花森安治の影響> 話は遡るが、北海道と言う新天地で出会った愛する夫が急逝した時、傷心のリョウコを支えてくれたのは周りの人々だけではなかった。リョウコの人生に多大なる活力やエネルギーを注ぎ込んでくれたもの、それは戦後間もなく刊行され、創刊号から愛読し続けていた『暮しの手帖』という雑誌である。何十年もの月日を経た今も、実家の押し入れにしっかりと保管されている。 この雑誌の創刊に携わった編集者がNHK連続テレビ小説の主人公にもなっていたから、皆さんもご存知だとは思うが、この雑誌はご婦人向けではあっても、人生相談や困った人を助けるためのノウハウが綴られているような内容ではない。むしろ、そんなセンチメンタリズムの見地とは対極にあり、極めて質実剛健なポリシーを掲げていた雑誌である。 この雑誌の発起人であり編集者であった花森安治氏は、資本主義の波に吞み込まれて行く高度経済成長期の日本人に対する警戒心を軸とした編集方針を持っていた。彼の孤立無援ながらも確固たる主義主張が、夫を亡くし気落ちしていたリョウコにとっては絶大な支えとなっていたようなのだ。 ジェンダーというしばりに捕らわれて行動範囲を規制される人間のあり方に疑問を感じ、女装で行動していた花森安治は、端からしてみれば紛れもない「変人」だが、リョウコの目にはそうは映っていなかった。幼い頃から変わった家族に囲まれて、人間は皆特殊でなんぼ、変人でなんぼ、と思って生きてきたリョウコにとっては、マジョリティに屈することなく、知性や根拠のある自らの経験を核として、自分の信念を貫きながら生きる花森安治のような人間の姿が心の糧となっていたのだろう。 花森安治は金儲けに血眼になっている生産業者の回し者からいつ刺し殺されてもおかしくないような、資本主義に対して全く容赦のない商品テストを誌面上で何度も繰り広げた。洗濯機だろうと炊飯器だろうと石けんだろうと缶ジュースだろうと、彼の視線に触れる“商品”があれば、それらはすべて「テスト」の対象となって徹底的に分析され、時にはテストした商品すべてに「全部ダメ。買わなくても良い」という寛容性を一切排除したジャッジが下されることもあった。(中略) いきなりシングルマザーとなったリョウコに、周囲から向けられる慰めや道場はありがたかっただろうけれど、その効果はいつまでも持続するものではない。それよりも、自分と違う分野ではあっても、長いものに巻かれることなく自らの考えを信じて奮起する花森安治という人と『暮しの手帖』から、過去を振り返らずにエンジン全開で前に突き進むためのエネルギーを吸収し、そこからたくましい精神をひたすら錬磨していった。 そして、一冊も捨てられることなく、何度も大切に読み返されたおびただしい数の『暮しの手帖』はその後、幼い私と妹の愛読書にもなった。リョウコにとっては人生の指南書であり、そこにあるのはすべて真剣さに溢れる真面目な記事だったかもしれないが、新製品のトースターで4万枚の食パンを焼くという、信じ難い労力とコストのかかる商品テストを見て、私と妹も腹を抱えて笑い転げた。(中略) 誌面の写真に出ていた、ピラミッド状に凍った三角牛乳を真似したくて、同じ実験を試みたこともあった。花森氏の実験結果通り、解凍された三角牛乳は吐き出したくなるほど不味かったが、このような一見ばかばかしいようにしか見えない行動を真剣にやってのける、大のオトナの懸命さに胸をときめかせた。『ヴィオラ母さん』1
2022.07.06
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