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図書館で『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』という本を、手にしたのです。【宇宙の覇者 ベゾスvsマスク】 クリスチャン・ダベンポート著、新潮社、2018年刊<「BOOK」データベース>より桁外れの資産と野心を持つ異能の経営者が、「未来のプラットフォーム」の覇権を狙う。強烈な個性がぶつかり合う開発競争の最前線!【目次】「着陸」/第1部 できるはずがない(「ばかな死に方」/ギャンブル/「小犬」/「まったく別の場所」 ほか)/第2部 できそうにない(「ばかになって、やってみよう」/リスク/四つ葉のクローバー/「信頼できる奴か、いかれた奴か」 ほか)<読む前の大使寸評>追って記入rakuten宇宙の覇者 ベゾスvsマスク第7章でアメリカ人のフロンティア・スピリットを、見てみましょう。p162~166<第7章「リスク」> 米国はニール・アームストロングとチャック・イエーガーとライト兄弟を輩出した国だ。フロンティアを切り拓くことは、メイフラワー号の時代から、西部開拓、月面着陸まで、長いあいだ米国のDNAに刻まれた特徴だった。マスクには、冒険に挑むことが米国人の理想とする生き方だと映っていた。「米国は人間の冒険心でできたような国だ」とマスクはかつて述べたことがある。「ほとんど誰もが別の場所からここにやってきた人間だ。こんなにフロンティアの探検が好きな集団はほかにない」 NASAか、議会か、あるいは大統領が、1961年に10年以内に人間を月に送ると約束したジョン・F・ケネディのように立ち上がらないのなら、この国では起業家たちが代わりに立ち上がるだろう。 ケネディが墓場からよみがえって、待ち望んだ宇宙計画を始めてくれるのを期待するより、おそらく自分たち自身が、待ち望んでいる人間になるべきときだった。 スペースⅩの本社に集まった面々は正式に手を結んで、「パーソナル・スペースフライト協会」という団体を結成していた。自分たちの動きに火をつけ、拡大させたいという期待のほか、業界団体を発足させることで、今の勢いを維持し、ワシントンDCや連邦航空局に自分たちの新しい産業が本物であることを示そうという狙いがあった。 出席者の中にはマスクのようなシリコンバレーの人間も何人かいたことから、「パーソナルコンピュータ」をまねて「パーソナル」という言葉が選ばれた。コンピュータが企業向けの大型機から小さなデスクトップ機へと変貌を遂げたように、宇宙飛行もやがては個人向けになるというメッセージがそこには込められていた。 そのような夢のような目標のほかに、差し迫った現実的な問題もあった。スペースシップワンの息詰まるスリリングなフライトは世界の注目を集めただけではなく、議会と連邦航空局の関心を引いた。その結果、やはり業界の一部の人間が心配したとおり、連邦政府はこの新しい産業に課すべき規制について、検討を始めていた。(中略) ゲドマークのメモは次のように警告もした。「過度の負担を強いる規制が敷かれる危険は、引き続き重大なリスクとなるだろう。不透明で混乱した、場当たり的な規制が敷かれる危険にも、同様に注意が必要である。先行きの不確かさや混乱の気配が業界に漂えば、必要な財源がたちまち枯渇しかねない」 さらに市場に改革を起こすことが容易ではないことを認め、「固定化した航空宇宙産業は寡占化が進んでいるだけではなく、国から莫大な補助金を受け取っている」と指摘した。 また「インフォームドコンセント」の基準を設けるという計画についても記した。これはバンジージャンプやスカイダイビングなどのエクストリームスポーツと同じように、あらかじめ危険があるものとして個人向けの宇宙飛行を受け入れてもらうためだ。 飛行機から飛び降りたいと思うような命知らずのかたのご参加をお待ちしている。ただし、死ぬ可能性が皆無ではないことは了承してもらいたい。どうかパラシュートのひもを引くことをお忘れなく、という具合にだ。 最後に、業界は最悪のケースにも備えるべきだと、ゲドマークは注意を促した。「残念ながら、個人向けの宇宙飛行産業は、死亡事故の発生を想定しておかなければならない」 死亡事故は「万一」というより「いつ」の問題だった。それは不可避の現実であり、正面から向き合って、対策を講じておかなくてはならなかった。しかしだからといって、死の危険にひるんだり、防げられたりしてはいけない。リスクを冒さなければ前に進めない。そのことは大西洋横断から極点制服や西部開拓まで、あらゆる冒険同様、宇宙飛行にも当てはまった。(中略) 冒険に死の危険はつきものだと開き直るのは、あまりぞっとしない態度にも思えるかもしれない。しかしそれによって自由になれることも確かだ。ある種の楽観が得られ、ひいては死の向こうにある地平・犠牲に意味を与えてくれる地平が見えてくる。 未知の世界に踏み入ろうとするときには、入念な準備と盲目的な希望の両方が必要だ。例えば、マゼランが南米大陸の南端の海峡を通って、初めて太平洋に出たときがそうだった。マゼランは目の前に広がる海がどこまで続いているのか、いつ陸にたどり着けるかを知らずに太平洋への航海に乗り出した。 マイク・メルヴィルはスペースシップワンのフライトで二度、死にかけた。一度はナビゲーションシイステムが壊れた状態で飛び、一度は猛烈なスピンに見舞われた。しかし二度とも踏ん張って、やり抜き、栄光を獲得した。まさにシャクルトンが1世紀前に約束した「名誉と賞賛」を手に入れたのだ。『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』2:第2章「ギャンブル」『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』1:序章「着陸」
2022.11.30
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ときどき『星の王子さま』を見たくなるので、 『星の王子さまのはるかな旅』を復刻してみたのです。*********************************************************図書館で『星の王子さまのはるかな旅』という本を、手にしたのです。ちょっと古い大型本であるが・・・美しいヴィジュアル版で、内容も充実しています。【星の王子さまのはるかな旅】山崎庸一郎監修、求龍堂、1995年刊<「BOOK」データベース>より物語の忘れられない場面の数々に、作家であり飛行家だった著者サン=テグジュペリの、ロマンに満ちた感動的な生涯を重ねあわせながら、『星の王子さま』の世界を旅する一冊。フランスとモロッコに取材した撮り下ろしの写真と、魅力的な執筆陣により、読者の〈夢〉を裏切らない美しいヴィジュアル・ブックが完成した。 <読む前の大使寸評>ちょっと古い大型本であるが・・・美しいヴィジュアル版で、内容も充実しています。amazon星の王子さまのはるかな旅やがてサン=テグジュペリは「砂漠の王さま」と呼ばれるようになりました。p82~83<砂漠の王さま:山崎庸一郎> 当時のフランス領植民地モロッコの南に位置するスペイン領の飛び地、リオ・デ・オロ内にあるキャップ・ジュビー(タルファヤ)には、スペインの懲治監をかねた砦が設けられ、周囲は鉄条網でかこまれていました。ぼろぼろの軍服を着た看守の兵隊はほとんど囚人と見分けがつかず、すべてのものを侵蝕する砂のなか、焼けつく太陽のもとで、無為の生活を送っていました。 その砦の城壁に寄りそうようにして、ラテコエール社のバラックと飛行機の格納庫がありました。一方は間近に迫った海、あとの三方は果てしなくつづく砂漠。屋内にはまにあわせの生活必需品以外にはなにもなく、修道院の僧房のようでした。 この陸の孤島で暮らした1年半の歳月は、路線飛行士時代につづいて、サン=テグジュペリを鍛え、変貌させます。 サン=テグジュペリは、砂漠のなかの飛行場でどんな仕事をしていたのでしょうか。 彼はときおり飛来する郵便機を迎え入れ、ふたたび飛び立たせます。飛行停止措置をちらつかせるスペイン軍の大佐を、持ち前の人なつっこさと得意のトランプの手品で籠絡します。モール人とは分けへだてなく付き合い、彼らの信頼を獲得します。 そして彼らから「砂漠の王さま」と呼ばれるようになります。砂漠のなかに不時着した飛行士を危険を冒して救出し、人質になった飛行士の解放のために忍耐づよい交渉を重ねます。 しかし、毎日はさしたる事件もなくすぎてゆき、日々繰り返しに終わります。これは、『星の王子さま』のなかで、単調さの見本として語られているキツネの生活です。また、妹への手紙にも書かれているように、彼はこの地で、「ものすごく耳の長い」キツネを飼っていました。15年後に寓話のなかにふたたび姿を現わして、「なにも見えず、なにも聞こえない」砂漠を理解する心を教えるのはこのキツネなのです。 砂漠とは、いっさいの虚飾をはぎ取って、人間を自己の真実と向き合わせる場所にほかなりません。サン=テグジュペリは、この砂漠のなかで、甘えん坊から心身ともに強壮な青年に脱皮してゆくと同時に、孤独のなかで自己の内面に降りてゆき、そこに泉の水のように湧き出てくる過去、彼という存在の根が侵され、培われている子ども時代を発見します。 こうして砂漠は、彼の心のなかで語りはじめます。それがやがて、「南方郵便機」として彼のなかで形をなしてゆくことになるのです。『星の王子さまのはるかな旅』3:星の王子さまへのオマージュ『星の王子さまのはるかな旅』2:砂漠の王さま『星の王子さまのはるかな旅』1:星の王子さまが生れたところ
2022.11.30
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図書館に予約していた『アガワ家の危ない食卓』という本を、待つこと10日でゲットしたのです。佐和子さんは『聞く力』という本を出すなど、良識な人ではあるが・・・わりと言いたい放題で自己主張の強い人でもあるようです。・・・・ということで佐和子さんと父親とのノーガードのバトルを見てみましょう。【アガワ家の危ない食卓】 阿川佐和子著、新潮社、2020年刊<出版社>より朝ご飯を食べながら「今夜は何を食わせてくれるのかね?」と訊き、「まずいものは食いたくない」がモットーの父・弘之。そんな食いしん坊で怒りん坊の亭主と四人の子供のために台所に立ち続け、齢九十をこえた母。そして女優業にも忙しくなった娘。毎食が波乱含みの食卓の情景で綴る一家の歴史。和田誠氏への追悼文を附す。<読む前の大使寸評>佐和子さんは『聞く力』という本を出すなど良識な人ではあるが・・・わりと言いたい放題で自己主張の強い人でもあるようです。<図書館予約:(11/13予約、副本8、予約5)>shinchoshaアガワ家の危ない食卓佐和子さんのおにぎりを、見てみましょう。p49~52<素手にぎり> ゴルフに出かけるときはたいがいコンビニで朝ご飯を買う。寝静まる総長の道路脇にてチロリンチロリンとドアの呼び鈴も高らかに、売場の奥へ歩み寄り、さておにぎりにしようか、それともサンドイッチにしようか。迷い迷ってどちらかを選ぶ。その日の気分にもよるが、六四の割合でおにぎりを選ぶことが多い。で、具は何にしようか、それとも梅か・・・。明太子、とり五目、ツナマヨ・・・。ああ、目移り。 人生は選択の積み重ねなりと心に唱えつつ、そして結局、梅か鮭をつかみ捕る。 それにしても今どきのおにぎりはよくできているものだ。海苔のパリパリ感を維持するためのプラスティック包装にしても、種類の豊富さにしても味ににしても、企業努力が尽くされている。思えば私が子どもだった頃、おにぎりを気軽に、しかもこれほど日常的に外で買うという環境はなかった。 おにぎりそのものの歴史はじゅうぶんに古いと聞く。江戸時代にはすでに旅人の携帯食として、あるいは農作業の合間の弁当として人々に愛されていたようだ。明治になると、旅館が竹の皮に包んだおにぎりを駅弁として売り出したという記録もある。 そういえば中学二年生のときに初めてスキー場へ行き、早朝に旅館の玄関に集合してゲレンデへ出発しようと支度をしていたら、半纏を着た旅館のおじさんが、参加者の子供たち一人一人に経木に包まれた弁当を配り始めた。おやおや、何だろう。紐を解いてこっそり中を覗くと、驚くほど大きな三角形をしたおにぎりが二つ、その脇にたくわんが二切れ添えられていた。「それが君たちのお昼ご飯。リュックにしまっておきなさい」 先生の声を耳にしながら、おかずなし? だいたいデカすぎるよぉと密かに顔をゆがめたが、とりあえずリュックに押し込む。しかし、そのあとゲレンデで転んだりスキー板が外れたり、なんとかボーゲンができるようになったり手がかじかんだり寒さのせいで目から涙が止まらなくなったりした末に、「はーい。お昼休み! ロッジに入ってお弁当を開けなさーい」 身体中にこびりついた雪の粉を叩き落とし、凍えた指先をさすりさすり席に着き、経木を開いておにぎりを頬張ったときのおいしかったこと。母以外の人間が握ったおにぎりを食べるのはそれが初めてだったかもしれない。見慣れぬかたちと大きさに驚いて、とても食べ切れないと思った大型三角おにぎり二つだったのに、ペロリと平らげた覚えがある。(中略) 母が握るおにぎりは三角形でなく俵のかたちをした小ぶりのものだった。大きすぎもせず小さすぎもせず、どっしりとした重量感はないが、頼りなくもない。かたちそのものがのほほんとした「母」だった。 私が母の真似をして同じ大きさのつもりで握っても、どういうわけか、母と同じかたちには整わない。安定感がなく、均等な大きさに揃わず、そしてなんだかふてぶてしい。おにぎりは、握る者の性格がみごとに表れるものだと、子供心に合点した。 おにぎりは素手で握らないとおいしくない。父はことあるごとにそう口にした。「手のひらにすり込んだ塩と、手から出るホルモンだか汗だか垢だかわからんが、それらが化学変化を起こしてうまみを出すんだ」 どこで教えられたか知らないが、父はおにぎりをかじるとき、必ずと言っていいほどその話を持ち出した。手から染み出る汗かホルモンか垢か。少々汚い気がしつつも、それはおそらく本当のことだろうと、娘の私は信じ込んだ。『アガワ家の危ない食卓』3:演技者としての佐和子さん『アガワ家の危ない食卓』2:佐和子さんの韓国料理めぐり『アガワ家の危ない食卓』1:冒頭のエッセイ
2022.11.29
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図書館で『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』という本を、手にしたのです。【宇宙の覇者 ベゾスvsマスク】 クリスチャン・ダベンポート著、新潮社、2018年刊<「BOOK」データベース>より桁外れの資産と野心を持つ異能の経営者が、「未来のプラットフォーム」の覇権を狙う。強烈な個性がぶつかり合う開発競争の最前線!【目次】「着陸」/第1部 できるはずがない(「ばかな死に方」/ギャンブル/「小犬」/「まったく別の場所」 ほか)/第2部 できそうにない(「ばかになって、やってみよう」/リスク/四つ葉のクローバー/「信頼できる奴か、いかれた奴か」 ほか)<読む前の大使寸評>追って記入rakuten宇宙の覇者 ベゾスvsマスク第2章でマスク氏のブレークスルーを、見てみましょう。p57~60<第2章「ギャンブル」> SFの大ファンだったマスクは、じぶんがおとなしくなる頃には、アポロの月面着陸ミッション以後、着実に進められた宇宙計画によって、月に基地ができ、火星旅行も始まっているだろうと思っていた。60年代に10年足らずで米国が月に人類を送れたのなら、今頃はもっと大きなことが実現していてもおかしくなかった。 マスクは「愕然」とした。「アポロ最高到達点だったなんてことにはしたくなかった」とマスクはいう。「将来、子どもたちにこれが精一杯だったなんていいたくない。わたしは子どもの頃、月に基地ができる日や火星旅行が始まる日を心待ちにしていた。それがそうならず、進歩が止まってしまってる。こんな残念なことはない」 宇宙計画の現状について詳しく調べるにつれ、「愕然」とする思いはさらに強まった。国際宇宙ステーションは感嘆に値するものだが、NASAが宇宙飛行士をそこへ送る方法には決定的な欠陥があると思われた。スペースシャトルの本体は母親に負ぶわれた赤ちゃんのようにロケットの側面に載せれれていて、ミッションを中断するすべを持たない。また機体に翼がある宇宙飛行機なので、再突入時には厳密に定められたコースをたどることが求められる。「わずかでもずれただけで、機体がばらばらになってしまう恐れがある。それに脱出システムがないから、ひとたびなんらかの問題が発生すれば、もうおしまいだ」 加えて、コストのこともあった。NASAは毎年、数えるほどしか宇宙に行かない宇宙計画に、年間数十億ドルの予算を投じていた。しかもたいていその行き先は地上からわずか400キロ程度の距離にある国際宇宙ステーションだ。400キロといえば、ワシントンDCからニューヨークまでの鉄道路線の距離と変わらない。天文学者ニール・ドグラース・タイソンがいうように、スペースシャトル計画は「すでに何百回も行っている場所に鳴り物入りで行った」だけのものだった。 物理学と経済学を修めていたマスクには、これらは大きな問題のヒトツノセットであり、創造的な発想(と新たに手にした富)で解決できる課題に見えた。アポロ時代と現代のちがいは、冷戦のライバル関係がないことだった。しかしまた、資金と政治的意志も失われていた。アポロ計画が終わってから、NASAは慢性的な資金不足にあえいできた。宇宙はもはや世の人々の関心事ではなかった。スペースシャトルはありきたりで、退屈なものと化し、注目されるのは悲劇が起こったときだけだった。 宇宙は相変わらず国の独占領域だったが、大胆なことをやってのければ、宇宙への興味を呼び覚まし、世の中の関心を高め、NASAの予算を増やすことができるのではないかと、マスクは考えた。 そこで伝説の興行師P・T・バーナムも目を見張りそうな途方もない計画を立てた。メディアで大々的に報じられれば、宇宙への興味をふたたびかき立てられるだろうという狙いからだ。 それはこんな計画だった。どこかでロケットを買ってきて、火星へ向けて植物の種のつまった温室を打ち上げる。種は栄養ゼリーでくるみ、火星に着陸すると、その栄養ゼリーが溶けるようにしておく。そうして不毛の惑星に生命を育むシステムができたら、荒涼とした赤い大地に緑の植物が茂るようすをカメラで撮影し、その写真を地球に送り返す。名づけて「火星オアシス」計画。費用については、1500万ドルから3000万ドルでできると試算した。 マスクはロサンゼルス空港のそばのマリオネットホテルに全米でトップクラスの航空宇宙分野の専門家を集めて、会合を開いた。のちにNASAの長官になるマイケル・グリフィンの姿もそこにあった。また、NASAの花形機関ジェット推進研究所の研究員で、1997年に火星着陸を成し遂げた重さ10キロの探査機「マーズ・パスファインダー」の事業において、エンジニアの指揮を執ったロブ・マニングも出席していた。 複数の航空宇宙企業に勤めた経験のあるマイケル・レンベックの計算では、マスクの計画はマスクの試算よりモハルカニコストがかかりそうだった。レンベックは1億8000万ドルという数字を紙に走り書きし、マニングにそれを渡した。マニングも自分で計算した数字をその紙に記した。 ふたりの計算結果の差は1000万ドルもなかった。マスクが考えるほど安上がりな計画ではないことは確かだった。火星はやはり手強く、とてつもなく遠かった。レンベックは宇宙産業で長年仕事をしてきた経験から、計画全体に懐疑的にならざるを得なかった。「商業価格までコストを下げようと、目を輝かせてがんばる者たちを過去におおぜい見てきた」が、そういう者たちはみんな、宇宙エンジニアなら誰もが骨身にしみて知っている大原則を忘れていた。それは「宇宙はむずかしい」ということだった。(中略) 調べるにつれ、過去40年、ロケット技術がほとんど進歩していないことがますますよくわかった。21世紀初頭にロシアと米国で打ち上げられたロケットは、アポロ時代のものと大差なかった。独力で成功をつかんだシリコンバレーの起業家にはそれはまったく目を疑うことだった。「70年代初めに買ったコンピュータが今、ここにずらりと並んでいるようなものです。みなさんの携帯電話よりも処理能力で劣るコンピュータが」と、マスクは2003年のスタンフォード大学の講演で語った。「あらゆるテクノロジーの分野が長足の進歩を遂げています。なのに、この分野だけなぜか進歩していない。そこで、わたしはそのことを深く探り始めたわけです」 マスクはエンジニアを集めて、毎週土曜日、定例会合を開き、そこで「打ち上げのコストと信頼性という問題にはどう取り組むのがベストか」の検討を始めた。 マスクもピール同様、このことについて書かれた本をすべて読んだ。そこから導き出された結論は、ロケットを手に入れるには自分でそれを組み立てるのがいちばんいいということだった。ばかなことはやめておけと友人から何度さとされても、確信は揺らがなかった。かつてのピールと同じで、なんとしても宇宙飛行のコストを下げたかった。そのためにロッキード・マーティンやボーイング、ノースロップ・グラマンなどの請負業者が長年、甘い汁を吸ってきた国主導のビジネスモデルを覆すつもりだった。ツイッター有料化で月額8ドル案を打ち出すマスク氏であるが・・・それより、火星への有人宇宙旅行はいつごろになるんでしょうね。『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』1:序章「着陸」
2022.11.29
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図書館で『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』という本を、手にしたのです。【宇宙の覇者 ベゾスvsマスク】 クリスチャン・ダベンポート著、新潮社、2018年刊<「BOOK」データベース>より桁外れの資産と野心を持つ異能の経営者が、「未来のプラットフォーム」の覇権を狙う。強烈な個性がぶつかり合う開発競争の最前線!【目次】「着陸」/第1部 できるはずがない(「ばかな死に方」/ギャンブル/「小犬」/「まったく別の場所」 ほか)/第2部 できそうにない(「ばかになって、やってみよう」/リスク/四つ葉のクローバー/「信頼できる奴か、いかれた奴か」 ほか)<読む前の大使寸評>追って記入rakuten宇宙の覇者 ベゾスvsマスク序章から、見てみましょう。p9~12<序章「着陸」> 宇宙時代の幕開けから約50年間、宇宙空間まで達したロケットが地上に垂直に着陸したことは一度もなかった。それが今、ひと月足らずで2回、行われた。 これまでの宇宙飛行ではおもに打ち上げが盛大に祝われてきた。しかし着陸というと、人々の記憶に残っているのは、地上への着陸ではなく、ニール・アームストロングとバズ・オルドリンによる月面着陸か、さもなければ火星探査機キュリオシティ号によるいわゆる「恐怖の7分間」の火星への着陸だった。 ロケットのブースターが焼け焦げながらも地上にしっかり立つ姿は、清時代の到来を予感させた。ついにアポロ11号のあの感動が再現される日が来る、近い将来に実現すると多くの人が信じていながらいっこうに実現しなかった次の大飛躍がついに実現するのだと、期待させた。 さらに特筆すべきは、この着陸(NASAにもできなかった偉業)が国ではなく、民間企業2社によって成し遂げられたことだ。2社とも、再利用可能なロケットの開発に執念を燃やす大富豪の支援のもと、宇宙飛行の費用を劇的に下げる可能性を秘めた新技術の開発に取り組んできた。 ロケットの1段目はこれまで何十年も、ペイロードに宇宙まで達する推進力を与えたあとは、海に没したままにされていた。マスクトベゾスにはこれがとんでもない無駄遣いに思えた。まるでニューヨクからロサンゼルスへのフライトのたびに、飛行機を捨てるようなものだ、と。そのふたりが今、ロケットは上に向かって飛ぶだけでなく、下に向かって戻り、目標地点に正確に着陸できることを証明してみせた。数十年来薄れていた有人宇宙飛行への人々の関心が、これによってふたたび呼び覚まされた。 着陸の成功に沸いたのは、ブルーオリジンとスペースⅩばかりではない。ネット上にアップされた着陸の動画は、増え続けるファンたちによって何百万回も再生された。1960年代のブームを彷彿させる盛り上がりだ。かつてフロリダ州のココアビーチの岬が宇宙ファンで埋め尽くされたように、ユーチューブやソーシャルニュースサイトのレディットに宇宙ファンのアクセスが殺到した。(中略) 米国の宇宙事業の復活をここまで牽引したのは、ふたりの億万長者、マスクとベゾスだ。ふたりは手法でも性格でも、好対照をなしている。平気でむちゃなことに挑むマスクは、がむしゃらに前に進もうとし、成功によっても失敗によってもたえず世の注目を集めた。いっぽうのベゾスは物静かな秘密主義者で、謎めいたロケット開発を極秘裏に進めた。 ただし、参入者はこのふたりだけではない。リチャード・ブランソンも宇宙旅行の提供を約束している。宇宙から地球を眺め、数分間の無重力体験を楽しめる旅行だと言う。マイクロソフトの共同創業者ポール・アレンは、民間初の有人宇宙飛行を成功させた宇宙船に出資し、さらに、史上最大の飛行機の開発にも取り組み始めている。その飛行機は、上空1万メートルからロケットを「空中発射」できるという。さらに「ブラックアイス」と名づけられた新型のスペースシャトルもひそかに開発しているらしい。 これらの「宇宙の覇者」はいずれも世界的な大企業(アマゾン、マイクロソフト、ヴァージン、テスラ、ペイパル)を築いて、それぞれ小売り、クレジットカード、航空の各業界に破壊的な変革をもたらした者たちだ。今、それらの破壊者たちが莫大な私財を投じて、宇宙旅行を大衆の手に届くものにするとともに、これまで国主導で行われてきた有人宇宙飛行の限界を打ち破ろうとしている。 新たな地平線を切り拓こうとするドラマティックな奮闘の物語は、まるで映画のようだ。リスクと胸躍る冒険の数々があり、テストパイロットが犠牲になった墜落事故があり、ロケットの爆発があり、破壊工作の嫌疑がある。弱小ベンチャー企業が強大な「軍産複合体」を相手取って起こした訴訟があり、ホワイトハウスまで巻き込んだ政治闘争があり、人類を月や火星に運ぶという壮大な構想があり、そしてもちろん、新たな「宇宙探査の黄金時代」(ベゾス)の先触れをなす歴史的な着陸の成功がある。 この物語を活気あるものにしているのは、新しい宇宙開発を引っ張るマスクとベゾスのあいだに芽生えた競争心だ。ふたりの対抗意識は訴訟やツイッターの発言、それぞれのロケットの着陸の意義や能力を巡る論争、さらには発射台の争奪戦となって表れる。猛烈に突っ走る“兎”イーロン・マスクと、秘密主義でゆっくり進む“亀”ジェフ・ベゾス。先行するのはマスクだ。ただしレースは始まったばかりで、ベゾスに慌てるようすはない。一歩一歩、着実に前進を続けている。猛烈なマスク氏であるが・・・ツイッター社の社員大量解雇に見られるように貧者に対する気配りはないようです。
2022.11.28
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図書館で『資源争奪の世界史』という本を、手にしたのです。【資源争奪の世界史】平沼光著、 日経BP 日本経済新聞出版本部、(2020年刊)<商品の説明>よりスパイス、石油、再生エネルギーー。人類は資源をめぐり争奪・競争・開発を繰り返してきた。資源なき日本とドイツが資源覇権国のアメリカ、イギリスに挑んだのが第二次世界大戦だ。石油の時代の終焉を迎え、資源エネルギーの潮流はどのような方向に向かうのか、そしてそれはどのような争奪戦や競争を引き起こすのか。資源エネルギーの歴史を紐解くことで未来をも展望する、かつてない世界史<読む前の大使寸評>追って記入rakuten資源争奪の世界史">第5章でスマートシティなるものが語られているので、見てみましょう。p232~234<3 エネルギー転換に欠かせないデータという資源>■グーグル、トヨタ、スマートシティ覇権の行方 スマートシティを構成するプラットフォーマーの活動は既に始まっている。 2017年10月17日、グーグルの兄弟会社であるサイドウォークは、カナダのトロント市南部のウォーターフロント地域にICTを駆使したスマートシティをつくるプロジェクト「サイドウォーク・トロント」の実施を公表。 プロジェクトは、オンタリオ湖添いの約4万8500m2の土地にサイドウォークの主導で未来型の街づくりを進めるもので、同社は開発初期段階の資金として5000万ドル(約56億円)を拠出するとともに、グーグルも当該地域にカナダ本社を設ける計画であった。 サイドウォーク・トロントでは、温室効果ガスの89%削減を目標に、太陽光発電を活用するIOE、パッシブハウスと呼ばれる気密性の高いエネルギー高効率建物、ビルや下水からの排熱や地熱を利用した熱供給システム、リサイクル率を高める廃棄物チェーンなどの導入を計画していた。 カナダのトルドー首相はプロジェクトの記者会見で、「今回の開発は世界の都市にとってモデル事例になる」と述べるなど、このプロジェクトの成功はグーグルにとってスマートシティの構築、ひいては資源エネルギービジネスにおけるプレゼンスを発揮するまたとない機会であった。 しかし、計画後から、企業によるデータの収集は個人情報の保護に課題があるとして市民の反対運動が起こる。 市民からは、サイドウォーク・トロントは企業によるディストピアの創造であるといった厳しい声も上がり、2019年には開発規模の縮小などの修正が行われる事態となった。 さらにプロジェクトにとって困難な事態が起きた。 コロナ禍により経済がかつてないほど不安定化し、不動産市場が悪化してしまったのだ。 その結果、2020年5月7日、サイドウォークはサイドウォーク・トロントの撤退を表明。グーグルによる世界に先駆けたスマートシティ構築の野望は不発に終わった。 サイドウォーク・トロントという一つのプロジェクトは終わったが、スマートシティ構築という大きな流れは基本的に変わりはない。 日本では、2020年1月6日にトヨタ自動車が2020年末に閉鎖したトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地を利用して、「Woven City(ウーブン・シティ)」と名付けたスマートシティを構築することを公表している。 これは、トヨタと日本のプラットフォーマーと言えるNTTとのスマートシティビジネスの事業化に向けた業務資本提携により実施されるものだ。 敷地面積は約71万m2で着工は2021年2月、初期はトヨタの従業員や関係者ら約2000人の居住を見込んでいる。 トヨタの得意とする次世代型のモビリティの導入はもちろんのこと、都市に必要なエネルギーは、水素を利用した燃料電池で発電するほか、住宅や商業施設には、太陽光発電を設置するなど、環境に配慮した省エネ高効率の街づくりを進めることが計画されている。 トヨタのこの計画は、サイドウォーク・トロントと違い、トヨタの工場跡地を利用して一から街づくりを行うという点で、当該計画地には既存の住民は存在しないことから、反対運動は起きにくい環境にあると言える。 一方で、コロナ禍の影響で人の移動や暮らしなどが制限され、リモートワークが当たり前になりつつある状況のなか、ニューノルマルと呼ばれるこれまでとは全く異なるライフスタイルの構築も始まっていることから、従来型の人が集まり移動する街というコンセプトでは対応しきれなくなることが予測できる。 トヨタのウーブン・シティがそうしたコロナ禍の影響にどこまでキャッチアップできるかが、成功のカギとなるだろう。 『資源争奪の世界史』4:エネルギーシステムとしての自動車『資源争奪の世界史』3:巨大クリーンエネルギー市場『資源争奪の世界史』2:サーキュラーエコノミーという経済モデル『資源争奪の世界史』1:中国が行ったレアアースの禁輸
2022.11.28
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図書館に予約していた『日本のいちばん長い日』という本を、待つこと4日で超速ゲットしたのです。【日本のいちばん長い日】 半藤一利著、文藝春秋、2006年刊<「BOOK」データベース>より昭和二十年八月六日、広島に原爆投下、そして、ソ連軍の満州侵略と、最早日本の命運は尽きた…。しかるに日本政府は、徹底抗戦を叫ぶ陸軍に引きずられ、先に出されたポツダム宣言に対し判断を決められない。八月十五日をめぐる二十四時間を、綿密な取材と証言を基に再現する、史上最も長い一日を活写したノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約』(11/16予約、副本13、予約3)>shinchosha日本のいちばん長い日プロローグの末尾あたりを、見てみましょう。p48~50<ここまできたら一挙に終戦へ> 8月14日午前5時にいつものように目覚めた鈴木首相は、窓外のまばゆいばかりの朝陽をいっぱいに浴びながら、とつおいつ考えていた。昨日の閣議で「重ねて聖断を仰ぐ」ことを結論としたが、その御前会議をどうやってひらくことができるか、その方法に苦慮していたのである。 こんどは、陸海の両統帥部長は事前に連絡のない御前会議にはかたく反対している。といって、通常の手続きによれば、奏請書類に署名、花押をしるすことを拒むのは容易に予想された。「水雷を撃つようなわけにはいかんわい」 老首相のつぶやきに、たか夫人はいぶかしげに眉をあげた。皴の多い顔をくしゃくしゃにして、首相は照れた。 その直後に、陸軍にクーデター計画ありの情報をえた迫水書記官長は、あたふたと私邸の門をくぐってきて、首相の顔をみるなりいった。「情勢は緊迫以上です。予定どおりに閣議を十時にひらき、もうこれ以上議論を重ねてみても、埒があきません。総理、もはや決断あるのみです」「まあ、な」はっきりものを言わないのが首相の流儀であった。書記官長はおっかぶせた。「陛下にお願いして、もう一度・・・」 とたんに、首相が大声で「そうですッ」と叫ぶと、びっくりする迫水に眼もくれず、いった。「陛下のお召しによる御前会議という方法がありました。これが最後の、とっておきの術(て)です」 そして、たか夫人に「すぐ参内するから」と首相はいってすっくと立った。 14日7時、阿南陸相、梅津参謀総長は相前後して登庁した。阿南陸相は前夜のやくそくどおり荒尾大佐とともに梅津参謀総長と会見し、兵員動員計画について意見をもとめた。そのころ、神経を痛めて、優柔不断ととかくの評判があったにもかかわらず、梅津参謀総長は、この計画にたいして反対を表明して、その軽挙をいましめた。 陸相はその意見に深くうなづいた。陸相と参謀総長が反対とあっては問題とならず、「0700(午前7時)大臣・総長会談、0730大臣・東部軍司令官・近衛師団長の会談、0800高級課員以上の集合、1000クーデター発動」の計画は、あっという間に空中の楼閣と帰していった。 間一髪で危機を脱してことなど思いもかけず、8時40分、天皇は鈴木首相および木戸内大臣と謁見し、「お召しによる御前会議開催」の奏上を聞くと、即座に、明快に同意した。この結果、昭和16年12月1日の開戦決定の御前会議いらい、たえて行われなかった最高戦争指導会議の構成員と閣僚全員の合同の御前会議がひらかれることとなった。しかも、正式の御前会議ではなく、天皇のお召しによる、という・・・。 合同を策案したのも首相であった。「もうここまできたら一挙に終戦へと決しましょう」「そう」と木戸が和した。「私とあなたと、ほかに二、三名が生命を捨てればすむことですからね」『日本のいちばん長い日』1
2022.11.27
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図書館に予約していた『日本のいちばん長い日』という本を、待つこと〇ほどでゲットしたのです。【日本のいちばん長い日】 半藤一利著、文藝春秋、2006年刊<「BOOK」データベース>より昭和二十年八月六日、広島に原爆投下、そして、ソ連軍の満州侵略と、最早日本の命運は尽きた…。しかるに日本政府は、徹底抗戦を叫ぶ陸軍に引きずられ、先に出されたポツダム宣言に対し判断を決められない。八月十五日をめぐる二十四時間を、綿密な取材と証言を基に再現する、史上最も長い一日を活写したノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約』(11/16予約、副本13、予約3)>shinchosha日本のいちばん長い日プロローグの途中から、見てみましょう。p34~38<秩父宮という弟がいるね> 起草は国務省極東課の課員によってすすめられ、正午前には完成した。それは、日本の提案に対して明確に答える形をとらず、天皇制は否定しないが、はっきり保証はせず、ポツダム宣言に変更がないことを改めて主張したものとなった。午後になって五人は再び参集し、この案を承認した。 天皇制について、もう少し明瞭な表現で約束した方がよいのではないかと感じたフォレスタルは、提出するとき、バーンズをひきとめて真意をさぐってみた。国務長官はニヤリと意味深長な笑いをうかべて、小声で言った。「秩父宮という弟がいるね。誰が天皇になっても、天皇制さえ残ればいいんだろう」 この回答案は連合国の承認を得るためにロンドン、モスクワ、重慶に贈られた。重慶からはすぐ承認の返事がきた。ロンドンは慎重に検討しこの案を承認した。 モスクワは返答を翌日にのばすと強硬な態度をとった。しかし、これは急を要するもので、今夜のうちワシントンに返事を送らねばならないと、駐ソ米国大使ハリマンは必至の形相で催促した。やがてソ連の返答がきた。ソビエト政府としては日本占領は、米国から一名、ソ連から一名のふたりの最高司令官による、それを条件に商人するという。早くもドイツ同様に、戦後の日本分割の意図を明らかにした。ハリマンは「まったく受け入れる余地はない」と突っぱねた。 こうした複雑なやりとりがいくつかあって、結局ソビエト政府は折れて、じょうけんなしでバーンズ回答書を承認したが、これがモスクワ時間午前2時。そしてワシントンが連合諸国の返事をすべてそろえたときには、8月11日になっていた。 こうした事情を知らない日本にとって、8月11日は、9日から15日までの激震の1週間のなかで、中休みに似た空白の1日になった。しかもこの日は終日、日本全国のどこにも空襲警報がなく、連合国側からの回答を待つほかのない鈴木首相は、午前は読書と瞑想で終え、午後からは書記官長や側近と細かい打ち合わせなどで費やした。<連合軍最高司令官に隷属する> 8月12日は日曜日であった。その午前零時半すぎ、迫水書記官長は同盟通信外信部長から、サンフランシスコ放送が回答を流しはじめたことを知らされた。「まだ全文がわからないが、どうもあまりいい返事ではなさそうだ」 迫水は暗澹たる想いに捉われた。 陸軍中央もサンフランシスコ放送を傍受し、前轍を踏まないようにと、こんどはみずからの手で翻訳を開始した。 外務省幹部は連合国の回答は不満足ながら、国体は護持されるとし、受諾する方針をきめた。全文を読むと天皇制に対する確たる保証はない。しかし「最終的の日本国の政府の形態は・・・日本国国民の自由に表明する意思により決定せらるべきものとす・・・」というのであるから半ば保障されたも同様だと判断したのである。 行動を起こしたのは大本営の方が早かった。午前8時すぎには早くも梅津参謀総長と豊田軍令部総長とが参内、軍は回答文に絶対に反対である旨を奏上した。回答文中にあるsubject to を軍はずばり「隷属する」と訳した。こう訳せば「天皇および日本国政府の国家統治の権限は・・・連合軍最高司令官に隷属するものとす」となるのである。これを受諾するということは、「国体の根基たる天皇の尊厳を冒瀆しあるは明らかでありまして、わが国体の破滅、皇国の滅亡を招来するものです」 と両総長は力をこめて説くのである。 外務省幹部は、このsubject to を「どうせ軍人は訳文だけをみて判断するだろうから」ときめてかかり、傑出した名訳を案出していた。「制限の下におかる」である。陸軍はこんどは乗せられなかった。かれらの訳出した「隷属する」でいかにして国体を護持できようかと硬化したのである。 大臣室におしかけた少壮将校十数人はみな興奮し血気にはやっていた。陸相の義弟竹下正彦中佐が一同を代表して阿南陸相につめよった。「ポツダム宣言の受諾を阻止すべきです。もし阻止できなければ、大臣は切腹すべきです」。阿南陸相は唇をかたく結んだまま、何もいわなかった。 外相が鈴木首相に会い、首相の意見も受諾案であることを確認し、参内したのは午前十時半をやや回っている。軍に遅れること2時間である。しかし、天皇の意思はもう一つに固まっていた。「議論するとなれば再現はない。それが気に入らないからとて戦争を継続することはもうできないではないか。自分はこれで満足であるから、すぐ所要の外交手続きをとるがよい。なお、鈴木総理にも自分の意思をよく伝えてくれ」
2022.11.27
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図書館に予約していた『アガワ家の危ない食卓』という本を、待つこと10日でゲットしたのです。佐和子さんは『聞く力』という本を出すなど、良識な人ではあるが・・・わりと言いたい放題で自己主張の強い人でもあるようです。・・・・ということで佐和子さんと父親とのノーガードのバトルを見てみましょう。【アガワ家の危ない食卓】 阿川佐和子著、新潮社、2020年刊<出版社>より朝ご飯を食べながら「今夜は何を食わせてくれるのかね?」と訊き、「まずいものは食いたくない」がモットーの父・弘之。そんな食いしん坊で怒りん坊の亭主と四人の子供のために台所に立ち続け、齢九十をこえた母。そして女優業にも忙しくなった娘。毎食が波乱含みの食卓の情景で綴る一家の歴史。和田誠氏への追悼文を附す。<読む前の大使寸評>佐和子さんは『聞く力』という本を出すなど良識な人ではあるが・・・わりと言いたい放題で自己主張の強い人でもあるようです。<図書館予約:(11/13予約、副本8、予約5)>shinchoshaアガワ家の危ない食卓演技者としての佐和子さんを、見てみましょう。p41~43<小腹の幸> この秋から、ひょんな経緯により生まれて初めてのテレビの連続ドラマ『陸王』に演技者として出演することになった。直木賞作家、池井戸潤原作のドラマである。池井戸ドラマは過去に何度もヒットを飛ばしている。だから制作側の意気込みも尋常ではない。そんな期待度の高い連ドラに、演技のシロウトが紛れ込んでよいものか・・・。と、そういう迷いがなかったわけではないのだが、持って生まれた覗きたい癖と、「是非是非!」と言ってくださるプロデューサーのお世辞にのぼせ上り、つい引き受けてしまった次第である。 しかし、いざ撮影が開始されてみると、想像をはるかに超えたハードな撮影現場が待っていた。この種の現場に慣れていないせいもあるけれど、今、どういう状況にあり、いつどこからカメラが自分を狙っているのか、どちらに身体を動かしていいのか悪いのか。「オッケー!」という高らかな声が響き渡ったら、そのシーンは終了かと思いきや、そうならないのはどうしてか。 それは、カメラの位置を変えたり人物のアップを撮ったり、クレーンカメラを設置し直して上方から撮影するからだと、次第に理解するのだが、当初はわけがわからず終始オタオタするばかり。まだリハーサルだと思って気を抜いて、役所広司さんや志賀幸太郎さんの美声に「ひえー、さすがは舞台俳優!」なんて酔いしれていると、突然、沈黙。顔を上げれば出演者のみならず監督以下スタッフ全員の顔がこちらを向いている。「ん?」「次、あけみさん(私の役名)ですよ!」 監督の厳しい目が光る。「おっと、こりゃまた失礼」 おちゃらければ許されるという雰囲気ではない。ヤバイ、大変な仕事を引き受けてしまったぞ・・・。特に初めの頃は、拾われてきた子犬(すみません、老犬でした)のごとくびくびくしていた。 しかし怯えてばかりいられない。そうでなくとも他の役者さんや総勢50人ほどに及ぶスタッフはそれぞれの持ち場におけるプロばかりだ。異物である私が生半可な態度を取ってこの人たちの足を引っ張ってはなるまい。上等の演技を期待されているとは思えないけれど、それでも私のせいでドラマ全体の空気を一瞬でも壊したら、それこそどう責任を取ればいいのだろう。 びくびくしつつも、場に慣れるに従って状況が見えてくる。今、私は不要だとわかったら、その空き時間を利用して必死に次の台詞を頭にたたき込む。ただ暗記すればいいかというものではない。活舌をなめらかに、語尾をはっきりと、気持ちを込め、そこに動作も加える。突っ立って台詞を言う場面だけではない。 歩きながら、老眼鏡をはずしつつ、あるいは両手を上げ、腰に手を当て、まわりの台詞に気を配り、視線を動かし、あれやこれやと自分なりに工夫しておく。それがダメだったら監督が「そうじゃない、こうしなさい」と指示を出してくれるだろう。 あるときはセットの裏で、自主練習に精を出す。私だけではない。主演の役所広司さんだって、セットに呼ばれる前はずっと、シロクマのように歩き回りながら、はたまたソファで身体をくねらせつつ、台詞覚えに苦しんでおられるのだ。主役の台詞の分量が半端でないせいもある。役所さんには常に長い台詞がつきまとう。「あー、台詞さえなかったら、楽しいんだけどなあ」 ある日、役所さんが呟いたその言葉に、私は笑いながら感動した。ベテラン人気役者がこんなに苦しんでいるのだから、めったに長台詞のない私は、その十倍ぐらい気を入れて練習しなければ! と思っているのだが、役所さんは私と目が合うと、いつもニコニコ笑顔を浮かべておっしゃる。「アガワさん、なんか今日も楽しそうで、いいですね」 これでも必死なんですぞと、反論するのもはばかれる。『アガワ家の危ない食卓』2:佐和子さんの韓国料理めぐり『アガワ家の危ない食卓』1:冒頭のエッセイ
2022.11.26
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図書館に予約していた『アガワ家の危ない食卓』という本を、待つこと10日でゲットしたのです。佐和子さんは『聞く力』という本を出すなど、良識な人ではあるが・・・わりと言いたい放題で自己主張の強い人でもあるようです。・・・・ということで佐和子さんと父親とのノーガードのバトルを見てみましょう。【アガワ家の危ない食卓】 阿川佐和子著、新潮社、2020年刊<出版社>より朝ご飯を食べながら「今夜は何を食わせてくれるのかね?」と訊き、「まずいものは食いたくない」がモットーの父・弘之。そんな食いしん坊で怒りん坊の亭主と四人の子供のために台所に立ち続け、齢九十をこえた母。そして女優業にも忙しくなった娘。毎食が波乱含みの食卓の情景で綴る一家の歴史。和田誠氏への追悼文を附す。<読む前の大使寸評>佐和子さんは『聞く力』という本を出すなど良識な人ではあるが・・・わりと言いたい放題で自己主張の強い人でもあるようです。<図書館予約:(11/13予約、副本8、予約5)>shinchoshaアガワ家の危ない食卓佐和子さんの韓国料理めぐりを、見てみましょう。p143~144<韓国、夏の陣> 女4人で韓国へ行った。2年前にソウルを訪れて以来、すっかり魅了された白いスープ系韓国料理を再び満喫したい! 焼き肉もいいが、やっぱり白濁スープは必須だね。その思いを強く抱きつつ、旅立つ前に韓国通の友人から入手した情報や雑誌の韓国特集ページを吟味厳選し、たった二泊二日半、全5食の旅ながら、このたびも韓国の食をおおいに堪能することができた。 基本的に私の目指す「白いスープ系料理」には、ソルロンタン(牛骨スープ)とサムゲタン(鶏の丸ごと煮込みスープ)の二種類がある。ソルロンタンは前回同様、『白松』というソルロンタン専門店へ行くことにした。二年ぶりに訪れた『白松』は、相変わらず観光客の気配皆無、壁に貼り出されたメニューはハングル文字だけ。 でもどことなく店の内装が明るくなったように感じられる。壁紙を張り替えたのかしら。英語も日本語もほとんど通じないけれど、女性店員さんの素朴な笑顔は健在だ。いちばん安価な1万ウォン(約800円)の品を注文すると、土鍋に入ったぐつぐつ白濁スープと白いご飯とキムチが、あっという間に運ばれてくる。白濁スープの中身は牛のモツや骨、生姜、素麺が少し。薬味に刻み葱が添えられている。 このスープに葱をたっぷり入れ、ご飯とキムチを交互に口に運ぶたび、感嘆の雄叫びを上げていたら、ふと振り返ったら後ろの席のオジサンが、土鍋に白いご飯を全部、ぶち込んで召し上がっていらっしゃる。「ああ、なるほど、あんなふうに食べるんだ」 さっそく我々も残るご飯をスープにぶち込んで、雑炊味も楽しんだ。 白濁スープにしてはややあっさり系のソルロンタンと比べ、より濃厚味なのが、今回初めて訪れた『皇后参鶏湯』という店の参鶏湯(サムゲタン)であった。今度の旅で案内役を買ってくださった申さんの話によると、韓国の人はさほど頻繁に参鶏湯を食べるわけではないらしい。滋養強壮に効果的な参鶏湯は、本来、夏の決まった日に食べるのが通例だそうだ。つまり日本の鰻の「土用の日」と同じく、このスープで精力をつけて暑い夏を乗り切ろうという、先人の編み出した風習なのである。佐和子さんはソルロンタンがお好きとのことであるが、私も韓国出張時はソルロンタンやナムル類が好物でおました。『アガワ家の危ない食卓』1
2022.11.26
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図書館に予約していた『アガワ家の危ない食卓』という本を、待つこと10日でゲットしたのです。佐和子さんは『聞く力』という本を出すなど、良識な人ではあるが・・・わりと言いたい放題で自己主張の強い人でもあるようです。・・・・ということで佐和子さんと父親とのノーガードのバトルを見てみましょう。【アガワ家の危ない食卓】 阿川佐和子著、新潮社、2020年刊<出版社>より朝ご飯を食べながら「今夜は何を食わせてくれるのかね?」と訊き、「まずいものは食いたくない」がモットーの父・弘之。そんな食いしん坊で怒りん坊の亭主と四人の子供のために台所に立ち続け、齢九十をこえた母。そして女優業にも忙しくなった娘。毎食が波乱含みの食卓の情景で綴る一家の歴史。和田誠氏への追悼文を附す。<読む前の大使寸評>佐和子さんは『聞く力』という本を出すなど良識な人ではあるが・・・わりと言いたい放題で自己主張の強い人でもあるようです。<図書館予約:(11/13予約、副本8、予約5)>shinchoshaアガワ家の危ない食卓冒頭のエッセイから、見てみましょう。p12~<旨いプレゼント> 父は子供の誕生日にかぎらず、おりおりに「旨いもんを食いにいこう」という提案をする癖があった。伴侶を失って気落ちしている母方の伯父をなんとか慰めようと思うあまり、「どうですか。旨いもんでも食いに行きましょう」と誘ったところ、伯父は答えた。「お気持ちはありがたいけど、とてもおいしいものなんて食べる気になれないんです。妻は闘病中、ずっとおいしいものなんて食べられなかったからねえ」 電話を切った父は小声で言っていた。「そうかねえ。旨いもんを食えば元気になれると思ったんだがねえ」 家族に癇癪を起したあと、「わかったのか!」「わかりました。私が悪かったです」 殊勝に謝る妻や娘の顔を見ると、かすかに憐憫の情が湧くのだろう。必ずと言っていいほど、この台詞を吐いた。「わかったならよろしい。じゃ、機嫌を直して、旨いもんでも食いにいくか」 父に同行して初めてハワイへ行ったときもそうである。いつものように、私のちょっとした口答えに対し、父は激しく怒り狂い、私は父の前でおいおい泣き、そしてしばらくのち、「わかったならもういい。旨いもんでも食いにいこう」 連れて行かれたのが、「タイ料理」レストランだった。少し優しくなったとはいえ、つい先刻まで私を睨みつけ、怒鳴りつけていた父の前である。そう簡単に天真爛漫な気持にはなれない。しかもタイ料理は初めてで、どんな料理が出てくるのかわからなかった。最初に供された、たしか青パパイヤのサラダが、コリコリしていておいしいのだけれど、なんといっても辛い。舌がしびれ、口から火を噴きそうなほどである。「カラッ」 驚いて水を飲むがいっこうに口の中の爆発は収まらない。そこへスープの入った壺が運ばれた。このスープを飲んで口を和ませよう。そう思い、スプーンで一口すするや、「ひえええええ」 サラダ以上に辛いではないか。「からーーーーーーい!」 驚いて飛び上がったら、父が笑い出し、さらに隣のテーブルに一人で座っていたアメリカ人紳士がこちらに向かって日本語で、「カラーイケド、オイシイネエ」 声をかけてきた。その一言に父は喜んで、この一件を随筆にした。 父の随筆集『食味風々禄』の「ハワイの美味」にその光景が描かれている。が、その場面を迎える前、自分の娘をバスタオルで引っぱたき、「からーーーーーーい!」と悲鳴を上げた娘の顔にまだ涙のあとが残っていたことは、父の文章にはいっさい触れられていない。「聞く力」阿川佐和子さんの今週の文春記事が中々に面白い by榊淳司がお薦めです。
2022.11.25
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『人口減少社会の未来学』という本に内田樹先生がとりあげたメンバーがすごいのです。藻谷浩介、ブレイディみかこ、隈研吾、平田オリザなどの論考を復刻してみます。*********************************************************図書館で『人口減少社会の未来学』という本を、手にしたのです。内田樹先生が取り上げたジャーナリストたちは、藻谷浩介、ブレイディみかこ、隈研吾、平田オリザなどそうそうたるメンバーです。【人口減少社会の未来学】内田樹編、文藝春秋、2018年刊<出版社>より21世紀末、日本の人口は約半数にーー。人口減少社会の「不都合な真実」をえぐり出し、文明史的スケールの問題に挑む“生き残るため”の論考集。各ジャンルを代表する第一級の知性が贈る、新しい処方箋がここに。【目次】・序論 文明史的スケールの問題を前にした未来予測 内田樹・ホモ・サピエンス史から考える人口動態と種の生存戦略 池田清彦・頭脳資本主義の到来--AI時代における少子化よりも深刻な問題 井上智洋・日本の“人口減少”の実相と、その先の希望ーーシンプルな統計数字により、「空気」の支配を脱する 藻谷浩介<読む前の大使寸評>内田樹先生が取り上げたジャーナリストたちは、藻谷浩介、ブレイディみかこ、隈研吾、平田オリザなどそうそうたるメンバーです。rakuten人口減少社会の未来学姜尚中さんが説く「結び」を、見てみましょう。p282~284 <「斜陽の日本」の賢い安全保障のビジョン>■結びにかえて 斜陽の時代の日本の安全保障を考える時、いつも念頭にあったのはドイツのことである。東西で同じような軌跡を描きながら、「熱い近代」をくぐり抜け、大戦で傷ついた二つの国は、今、対照的な位置にいるように思えてならない。 確かにヨーロッパ連合(EU)は、財政危機や英国の離脱表明、難民問題などで揺れ動いている。その統合のカナメであるドイツも、国内的には決して安定しているとは言いがたい。 しかし、同じように少子高齢化の波に洗われ、確実にひと頃のピークを過ぎて斜陽へと向かいつつあるとはいえ、ドイツでは、保守派も含めて、少なくともメインストリームの中に「熱い近代」よ、もう一度、という声は大きくなっているわけではない。しかも、ドイツを取り巻く近隣諸国との間に、日韓、日中の間のような緊張が走っているわけでもない。 さらにドイツはアメリカの出先機関的な役割を演じているわけではなく、むしろトランプ大統領のアメリカには是々非々の立場を堅持しているほどだ。イランの核開発放棄の交渉では国連安保理常任理事国と一緒に重要なパートナーの役割を果たし、またウクライナ危機ではプーチンのロシアとも米ロ関係を取り持つブローカーの役割を果たしているのである。 また軌道修正したとはいえ、難民問題では人間の安全保障の点から、最大限の配慮を惜しまなかったのも、メルケル首相率いる保守連合のドイツである。 もちろん、ドイツを取り巻く国際関係とその歴史とは、日本とは違うという、月並みな言い訳が返ってくるに違いない。 しかし、それにもかかわらず、ドイツが比較的、「熱い近代」からなだらかな斜陽へと舵をきることができたのは、対外的に見れば、その構想力に裏付けられた外交力の賜物である。それは、明らかに一国の国民の「士気」に根ざす「頭脳」の賜物でもある。 それを実感したのは、個人的に言えば、戦後50年を記念する日独フォーラムに出席し、旧西ドイツで「東方政策」を外務大臣として担い、ミハイル・ゴルバチョフとともに「東欧革命」の先鞭をつけたハンス・ディートリッヒ・ゲンシャー氏の言動にふれ、深い感銘を覚えたからである。 彼の言動には、保守政治の最良のものが満ち溢れ、同時に、歴史によって培われた、「あらゆる力は相対的なものである」という信念が息づいていたからである。そこに私は、構想力のある外交力の片鱗を見る思いだった。 ないものねだりではなく、日本にはしゃようにふさわしい賢明な「外交大国」の余地があるはずだ。理想とビジョンを忘れた「現状維持」の外交は、国民の「士気」を低下させ、「頭脳」としての外交の質の劣化をもたらすだけである。 この論稿の執筆中、世界を驚かす劇的な南北首脳会談と米北首脳会談の開催が発表され、北朝鮮の核危機打開への期待が膨らみつつある。 もちろん、これも、制裁によって窮地に追い込まれた北朝鮮のマヌーバー(策略)であり、その巧みな平和攻勢に騙されてはならないという警戒論も根強い。特に、日本の場合、圧力一辺倒の、力による解決に傾斜していただけに、北朝鮮の最高実力者との首脳会談に応じるとしたトランプ米政権の対応には、当惑とともに、最大の後ろ盾からハシゴを外されるのではないかという疑念が強まっているに違いない。 頭をよぎるのは、日本の頭越しに電撃的に挙行された米中接近の苦い経験である。冷戦たけなわでありながらも、ベトナム戦争が泥沼化し、超大国・アメリカの力に陰りが見え、国内にはカウンターカルチャーのうねりが大きくなろうとしていた頃、日本は60年代の「熱い近代」の余韻の中にあった。 当時は、日本的経営や「メイド・イン・ジャパン」が世界の脚光を浴び、日本の人口は1億人を超える勢いを見せていた。それは、軍事的にはいわば「準禁治産者」に甘んじつつ、国内の資源を経済成長に注ぎ、アメリカの圧倒的な軍事的安全保障の傘の下に「パックス・ジャポニカ」を謳歌できた時代である。『人口減少社会の未来学』2:内田樹さんが説く序論『人口減少社会の未来学』1:縮小社会は楽しくなんかない
2022.11.25
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昨晩のW杯日独戦は事前の予想が大外れで・・・久々にご機嫌麗しいひとときでおました♪ まさかドイツに勝てるとは。ドイツの練られたスキルに手をこまぬいていた後半に、森保監督は攻撃的な布陣を敷いたが・・・投入された選手がよく戦いましたね。ネットに「スペインのサポーターが警戒」との報道が出ています。日本の勝利「奇跡」と驚き スペイン、サポーターが警戒より【パリ共同】サッカーW杯カタール大会で日本がドイツに逆転勝利したことについて、スペインのメディアは23日、「奇跡」(ムンド・デポルティボ紙)と驚きを伝えた。12月1日の日本との対戦に向け、サポーターは警戒心を高めた。 スペイン通信は、日本代表にドイツのプロリーグに所属する選手が多いことを指摘し「ブンデサムライの謀反」と論評。「日本代表の歴史で最も忘れがたい勝利の一つ」と報じた。 ムンド・デポルティボは、サウジアラビアがアルゼンチンを破ったのに次ぐ「二つ目のサプライズ」と評した。コメント欄には「偶然勝ったわけでない」「注意しないと」などの意見が寄せられた。24日のテレビではこの歴史的勝利で持ち切りだったが、日本のゴールキーパーが良かった。また、事前にイギリスのベットメーカーの賭け率を見て驚いたのだが、賭けていたらよかったぜ。『勝者がベットする場所、PINNACLE』なんかいいかも。
2022.11.24
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図書館で『資源争奪の世界史』という本を、手にしたのです。【資源争奪の世界史】平沼光著、 日経BP 日本経済新聞出版本部、(2020年刊)<商品の説明>よりスパイス、石油、再生エネルギーー。人類は資源をめぐり争奪・競争・開発を繰り返してきた。資源なき日本とドイツが資源覇権国のアメリカ、イギリスに挑んだのが第二次世界大戦だ。石油の時代の終焉を迎え、資源エネルギーの潮流はどのような方向に向かうのか、そしてそれはどのような争奪戦や競争を引き起こすのか。資源エネルギーの歴史を紐解くことで未来をも展望する、かつてない世界史<読む前の大使寸評>追って記入rakuten資源争奪の世界史">ツイッター社のイーロン・マスク氏が社員の大量解雇を命じてお騒がせ中であるが・・・この富豪は宇宙旅行に手を染めてもクリーンエネルギー市場には興味がないようですね。第5章で巨大クリーンエネルギー市場が語られているので、見てみましょう。p211~215<2 エネルギーシステムの一部となる自動車>■日本で進められるV2G実証実験 再生可能エネルギーの普及途上にあるとはいえ、エネルギー転換の波は日本のにも着実に押し寄せている。日本においても対処の必要性を感じている自動車メーカーや電力会社によってV2G(Vehicle to Grid)の実証実験が行われている。 東京電力ホールディングスと日産自動車は、再生可能エネルギーの供給安定化を図るため、電力系統内に生じた余剰電力をEVに蓄電する実証実験を2017年12月に初めている。 この実証実験は、天気予報をもとにして太陽光などの再生可能エネルギーの発電予測を行い、電力系統に余剰電力が生じる時間帯をスマートフォンでEVユーザーに伝達するシステムを東電と日産の協力で構築した。 EVユーザーは、システムによって伝えられた余剰電力が発生する時間帯にEVに充電を行うと、インセンティブとしてインターネット通販で使えるポイントがもらえるというもので、EVを持つ日産と東電の社員計45人が参加して実証実験を行う内容になっている。 東京電力ホールディングスと日産自動車はこの実証実験を通じて、蓄電に協力するEVユーザーの獲得のために必要な条件や、余剰電力充電の時間帯などを収集することになる。 この他にも、三菱自動車と東京電力ホールディングスを中心としたグループや、豊田通商と中部電力の協力によるV2Gの実証実験が国内で行われている。エネルギー転換がもたらした新しい潮流として、EVへの余剰電力供給システムとビジネスモデルの構築が日々全身している。■EV急速充電器の国際標準化競争と日中同盟 V2Gは、車を単に移動手段としてだけではなく、エネルギーシステムの一部という新しい役割を与えるものである。 これはダイムラーとベンツがガソリン自動車を開発して以来の自動車の大変革と言え、V2Gを制する者は自動車とエネルギーという二つの部門で優位性を獲得することになる。 そのため、各国間の国際競争、特に、WTOのTBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)の存在などにより自国の技術を国際標準化することは、国際市場を獲得するうえで極めて重要になることから、V2Gの要の技術となるEV急速充電器の国際標準化をめぐって競争が繰り広げられている。 EV急速充電器の国際標準化でまっさきに名乗りを上げたのが日本である。 日本は、量産型のEVとしては世界初となる日産自動車のリーフを2010年に市場投入するなどEVの普及を促進。同年3月には、トヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車、富士重工、東京電力の5社が幹事会社となり、V2Gの要の技術となるEV急速充電器の国際標準化を進めるチャデモ(CHAdeMO)国際標準化活動を始めている。 チャデモ急速充電器は世界で唯一の実用技術として欧州を中心に国際的に普及が拡大し、2012年1月に累計設置台数1000台を達成した。 当然、こうした日本の動きを他国が黙って見ているわけがない。 欧米はコンボ(CCS)という急速充電器を開発し、欧州では2013年、アメリカでは2014年に初号機を設置。中国もGB/Tという急速充電器を2013年に設置し、日本に対抗する動きを見せた。『資源争奪の世界史』3:巨大クリーンエネルギー市場『資源争奪の世界史』2:サーキュラーエコノミーという経済モデル『資源争奪の世界史』1:中国が行ったレアアースの禁輸
2022.11.24
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「スリリング」でしょうか♪<市立図書館>・日本のいちばん長い日・宇宙の覇者 ベゾスvsマスク・漂流・アガワ家の危ない食卓<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【日本のいちばん長い日】 半藤一利著、文藝春秋、2006年刊<「BOOK」データベース>より昭和二十年八月六日、広島に原爆投下、そして、ソ連軍の満州侵略と、最早日本の命運は尽きた…。しかるに日本政府は、徹底抗戦を叫ぶ陸軍に引きずられ、先に出されたポツダム宣言に対し判断を決められない。八月十五日をめぐる二十四時間を、綿密な取材と証言を基に再現する、史上最も長い一日を活写したノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約』(11/16予約、副本13、予約3)>shinchosha日本のいちばん長い日【宇宙の覇者 ベゾスvsマスク】 クリスチャン・ダベンポート著、新潮社、2018年刊<「BOOK」データベース>より桁外れの資産と野心を持つ異能の経営者が、「未来のプラットフォーム」の覇権を狙う。強烈な個性がぶつかり合う開発競争の最前線!【目次】「着陸」/第1部 できるはずがない(「ばかな死に方」/ギャンブル/「小犬」/「まったく別の場所」 ほか)/第2部 できそうにない(「ばかになって、やってみよう」/リスク/四つ葉のクローバー/「信頼できる奴か、いかれた奴か」 ほか)<読む前の大使寸評>追って記入rakuten宇宙の覇者 ベゾスvsマスク【漂流】角幡唯介著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より1994年冬、沖縄のマグロ漁師・本村実はフィリピン人船員らとともに37日間海上を漂流した後、奇跡の生還を遂げた。だが8年後、本村は再び漁に出て、今度は二度と戻らなかった…。命を落としかけたにもかかわらず、なぜまた海へ向かったのか?著者は本村の後姿を追って沖縄、グアム、フィリピンを彷徨い歩く。国境などないかのように生きる海民の声を聴くうちに見えてきたものとはー。【目次】二つの漂流/魔の三角地帯/池間民族/沈船とダイナマイト/消えた船、残された女/マグロの時代/再興南方カツオ漁/漂流船員の証言A/いろは丸乗船記/救出者/漂流船員の証言B/閃光<読む前の大使寸評>追って記入rakuten漂流【アガワ家の危ない食卓】 阿川佐和子著、新潮社、2020年刊<出版社>より朝ご飯を食べながら「今夜は何を食わせてくれるのかね?」と訊き、「まずいものは食いたくない」がモットーの父・弘之。そんな食いしん坊で怒りん坊の亭主と四人の子供のために台所に立ち続け、齢九十をこえた母。そして女優業にも忙しくなった娘。毎食が波乱含みの食卓の情景で綴る一家の歴史。和田誠氏への追悼文を附す。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/13予約、副本8、予約5)>shinchoshaアガワ家の危ない食卓図書館大好き571
2022.11.24
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・今村翔吾『塞王の楯』(1/21予約、副本11、予約522)現在68位・「監視資本主義」(2/07予約、副本1、予約30)現在3位・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在177位・女のいない男たち(3/31予約、副本8、予約207)現在36位・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、副本3、予約49)現在13位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在19位・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、副本2、予約19)現在6位・松本修『言葉の周圏分布考』(8/15予約、副本1、予約16)現在12位・小田嶋隆『東京四次元紀行』(8/29予約、副本2、予約20)現在11位・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』(9/07予約、副本1、予約3)現在1位・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、副本2、予約99)現在83位・デイブ・グールソン『サイレントアース』(10/01予約、副本2、予約13)現在9位・『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』(10/09予約、副本1、予約12)現在10位・『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』(10/14予約、副本2、予約10)現在8位・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、副本2、予約65)現在62位・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、副本2、予約56)現在56位・多和田葉子『太陽諸島』(11/21予約、副本5、予約17)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・温又柔『李良枝セレクション』・真山仁『“正しい”を疑え!』・養老孟司『形を読む』・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・『猫の文学館I』『猫の文学館Ⅱ』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:7/28以降> ・鎌倉殿と13人の合議制(5/18予約、7/28受取)・テッド・チャン『あなたの人生の物語』(8/23予約、8/30受取)・ブレイディみかこ『両手にトカレフ』(7/01予約、10/14受取)・人新世の「資本論」(12/18予約、10/19受取)・絲山秋子『まっとうな人生』(6/21予約、10/19受取)・温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』(9/22予約、10/19受取)・『スマホ脳』(1/28予約、10/27受取)・『帝国日本のプロパガンダ』(7/30予約、11/15受取)・半藤一利『日本のいちばん長い日』(11/16予約、11/20受取)・阿川佐和子『アガワ家の危ない食卓』(11/13予約、11/23受取予定)**********************************************************************【塞王の楯】今村翔吾著、集英社、2021年刊<出版社>より近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>shueisha塞王の楯【監視資本主義】 ショシャナ・ズボフ著、東洋経済新報社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界的ベストセラー!監視資本主義という言葉を生み出したハーバード・ビジネススクール名誉教授が描く新世界。私たちを急襲する隠された力とその対抗策。オバマ元大統領が選ぶ2019年ベストブック選出!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/07予約、副本1、予約30)>rakuten監視資本主義【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【女のいない男たち】村上春樹著、文藝春秋、2014年刊<「BOOK」データベース>より絡み合い、響き合う6編の物語。村上春樹、9年ぶりの短編小説世界。【目次】ドライブ・マイ・カー/イエスタデイ/独立器官/シェエラザード/木野/女のいない男たち<読む前の大使寸評>村上春樹の短編小説集ってか・・・『1Q84』ブームの後に、こんな本が出ていたとは、春樹ファンを自認している大使としては不覚であった。rakuten女のいない男たち【ブルシット・ジョブの謎】酒井隆史著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かすー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/02予約、副本3、予約49)>rakutenブルシット・ジョブの謎【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか【東京四次元紀行】小田嶋隆著、イースト・プレス、2022年刊<出版社>よりなんだ、小説じゃないか? そう、これはコラムではない。稀代のコラムニストが、初めての小説を通して描く東京の街と人々<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/29予約、副本2、予約21)>rakuten東京四次元紀行【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース【ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場】宮嶋茂樹著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より二〇二二年二月二十四日、ロシアによるウクライナ侵攻。不肖・宮嶋は還暦過ぎの老体にムチ打って「ワシが行かんと誰が行く?」と最後の戦場を目指す。三月十二日にキーウ入りして以来、四月十七日に出国するまで各地で取材。そして五月、ふたたびウクライナへ。戦火の下、不肖・宮嶋が見た「戦場の真実」とは?<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(10/09予約、副本1、予約12)>rakutenウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場【潜入ルポ アマゾン帝国の闇】横田増生著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より潜入ジャーナリストが巨大倉庫で見た“便利の裏側”とは?第19回新潮ドキュメント賞受賞作。【目次第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入/第2章 アマゾンではたらく社員の告発/第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす/第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪/第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望/第6章 わが憎しみのマーケットプレイス/第7章 フェイクレビューは止まらない/第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか/第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル/第10章 “デス・バイ・アマゾン”の第一犠牲者<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(10/14予約、副本2、予約10)>rakuten潜入ルポ アマゾン帝国の闇【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<出版社>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染【太陽諸島】 多和田葉子著、講談社、2022年刊<出版社>より世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方はーー。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/21予約、副本5、予約17)>rakuten太陽諸島【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2022.11.23
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図書館に予約していた『帝国日本のプロパガンダ』という本を、待つこと3ヶ月半ほどでゲットしたのです。世界はプーチンの仕掛けるフェイクとプロパガンダに翻弄されているが・・・歴史を遡って探求したいと思ったのです。【帝国日本のプロパガンダ】 貴志俊彦著、中央公論新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。<読む前の大使寸評>世界はプーチンの仕掛けるフェイクとプロパガンダに翻弄されているが・・・歴史を遡って探求したいと思ったのです。<図書館予約:(7/30予約、11/15受取)>rakuten帝国日本のプロパガンダ「第5章 台湾霧社事件と満州事変」で霧社事件の報道を、見てみましょう。p107~109<1 霧社事件をめぐる報道と政争>■事件写真とニュース映画 朝日新聞社は、済南事件(第3章)のときと同様に現地写真の輸送に務め、霧社事件の報道についても他社の追随を許さぬ速報で伝えた。 初めて霧社事件の現場写真が『朝日』の紙面に掲載されたのは、1930年11月3日付の『大阪朝日』の号外であった(図)。写真は、台北通信部の食卓写真班員岩永特派員が撮影したものである。それまでの新聞写真は朝日のストックフォトを利用したものに対し、岩永特派員が10月28日から30日にかけて現地で撮影した写真はじつに迫力があった。 岩永特派員の写真が紙面掲載に時間を要したのは、輸送の関係であった。まず台北から出帆の定期船で門司へ運ばれ、そこから朝日航空部の飛行艇で大阪本社に空輸される。そして東京本社宛に写真電送され、11月4日付の『東京朝日』に掲載された。こうして輸送に数日要したとはいえ、朝日は霧社事件の写真をリアルタイムに掲載することに成功。 自社機の役割をいっそう高く評価することになった。他の新聞社や出版社、そして軍部も、霧社事件を機に、写真の空輸と国内電送を積極的に利用していく。 大手新聞社の朝日にとって、日本の植民地政策に抵抗する台湾原住民の闘いという霧社事件の構図は、格好の取材ネタになった。『アサヒグラフ』381号(1931年2月25日)には、霧社事件の写真とともに、鎮圧の経緯が説明されている。ところが奇妙なことに、掲載された写真はストックフォトが利用され、岩永特派員らが撮影した現場写真は掲載されてはいなかった。読者を魅了するために、事件のリアリティよりも台湾を平和でエキゾチックな島に見せる台湾総督府の意思が優先されたからかもしれない。 なお、霧社事件はこうした新聞報道のみならず、ニュース映画としても公表され、日本本土に広められた。たとえば、松竹ニュース班の下加茂撮影所、蒲田撮影所のカメラマンが撮った『松竹ニュース』第33や、大阪朝日本社製作の『霧社蕃害事件』などがある(『毎日』1930年11月5日、『朝日』2009年10月29日)。『「帝国日本のプロパガンダ』2:帝国日本の瓦解『「帝国日本のプロパガンダ』1:戦争錦絵
2022.11.23
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図書館で『日本人はどう住まうべきか?』という本を、手にしたのです。【日本人はどう住まうべきか?】養老孟司×隈研吾著、日経BP、2012年刊<「BOOK」データベース>より都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。【目次】第1章 「だましだまし」の知恵/第2章 原理主義に行かない勇気/第3章 「ともだおれ」の思想/第4章 適応力と笑いのワザ/第5章 経済観念という合理性/第6章 参勤交代のスヽメ<読む前の大使寸評>追って記入rakuten日本人はどう住まうべきか?第3章で省庁の壁が語られているので、見てみましょう。p67~<第3章 「ともだおれ」の思想>■ベネチアの運河に手すりを付ける?隈: 東京はバブルの後でも、あちこちで再開発が進められています。養老先生がおっしゃる「細民化」で、むしろたくさんの人が都会に住めるようになるのだったら、その方がいいんじゃないか、という単純な議論もあります。でもそうすると、周辺の道路やインフラの面で別の問題が出てきますし、景観だって壊れてしまいますよね。養老: それを僕は「システム問題」と呼んでいるんだけど、そういうことを全部、この国は置き去りにしてきたなと思います。2008年の秋葉原無差別殺傷事件の直後の対応が典型的にそうでした。歩行者天国をやめて、ナイフの販売を規制する。本当にアホじゃないかと。隈: システムに切り込もうとせず、対症療法しかできないんですね。養老: 一番手前のところ、表面的なところしか分からないから、そこしか考えようとしない。「だましだまし」とは違いますよ。因果関係で考える習慣がないんですよ。そうすると、大きなシステムの問題というのは、いつも置いてけぼりを食っちゃう。第2章で人口圧力設計が大事だと僕は言いましたけど、日本はこれから人間が減っていく方向になると思うんですね。上手に減らしていく、と全員が決めれば、都市計画はずいぶん楽になっていきますよ。隈: その通りですね。養老: 都市にバカでかいものを作るんだったら、集約の効果が出るような計画を練る。都市に人口が集中すると、地方では土地が空いてきますから、今度は過疎地をどう利用するかを考える。国土を全体的に利用することに本気で取り組まなければならない。 ところが土地の活用について考えると、省庁間の縄張りが大きな壁となって立ちはだかるんです。農林水産省、国土交通省、環境省を始め、おそらくほとんどの省庁がからんでくる。それぞれ所轄の官庁が違うわけですから、こんなシステムでは都市計画を立てるなんて無理でしょう。『日本人はどう住まうべきか?』2:アジアの都市『日本人はどう住まうべきか?』1:コンクリート建築の信用性
2022.11.22
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図書館で『資源争奪の世界史』という本を、手にしたのです。【資源争奪の世界史】平沼光著、 日経BP 日本経済新聞出版本部、(2020年刊)<商品の説明>よりスパイス、石油、再生エネルギーー。人類は資源をめぐり争奪・競争・開発を繰り返してきた。資源なき日本とドイツが資源覇権国のアメリカ、イギリスに挑んだのが第二次世界大戦だ。石油の時代の終焉を迎え、資源エネルギーの潮流はどのような方向に向かうのか、そしてそれはどのような争奪戦や競争を引き起こすのか。資源エネルギーの歴史を紐解くことで未来をも展望する、かつてない世界史<読む前の大使寸評>追って記入rakuten資源争奪の世界史">ツイッター社のイーロン・マスク氏が社員の大量解雇を命じてお騒がせ中であるが・・・この富豪は宇宙旅行に手を染めてもクリーンエネルギー市場には興味がないようですね。第4章で巨大クリーンエネルギー市場が語られているので、見てみましょう。p155~158<第4章 気候変動時代の資源エネルギー>■巨大クリーンエネルギー市場の獲得を狙うIT企業 パリ協定が採択からわずか1年で発行されたのは、IOEという再生可能エネルギーの導入拡大を可能にするエネルギー技術の革新が背景にあったからだけではない。 パリ協定目標達成のために必要なエネルギー転換が巨大なクリーンエネルギー市場を生み出すという点も、パリ協定が異例のスピードで発効された背景となっている。 パリ協定が採択されたCOP21の期間中となる2015年11月30日、パリで「ミッション・イノベーション」(以下、国際会合)というCOP21のサイドイベントが開催された。 国際会合には、バラク・オバマ大統領、フランソワ・オランド仏大統領、ナレンドラ・モディ印首相、そして米マイクロソフト共同創業者ビル・ゲイツ氏の登壇のもと、世界的なクリーンエネルギーのイノベーションを政府および民間が加速的に実現する誓約が発表されている。 この誓約には米、仏、印そして中国を含め主要20カ国が参加しており、誓約国はそれぞれの国において今後5年間にわたり再生可能エネルギーをはじめとするクリーンエネルギー技術の研究開発投資を倍増させることが記されている。 クリーンエネルギー技術には明確な定義はないが、米エネルギー省がCOP21の開催月と同月の2015年11月に公表した報告書では、太陽光発電設備、発電設備、蓄電池、LED照明、電気自動車をクリーンエネルギー技術としており、およそ再生可能エネルギーを中核としたエネルギー高効率技術をクリーンエネルギー技術と捉えることができる。 2013年6月14日に閣議決定された「日本再興戦略 JAPAN is BACK」では、こうしたクリーンエネルギー技術のグローバル市場は、2013年の40兆円から203年には160兆円の市場に成長するとしている。 160兆円とは、グローバルな自動車産業に迫る市場規模である。 新たに生み出されるこうしたクリーンエネルギーの巨大市場を獲得するには、自国のなかにクリーンエネルギー分野の新しい技術、サービスを生み出すマザーマーケットを創出し、その実績をもって世界の市場に打って出るのが定石となる。国際会合の参加国は、いち早く自国におけるクリーンエネルギー分野への投資を進め、巨大市場のシェア争奪に動いた。 こうした巨大市場の争奪に企業が反応しないわけがない。 国際会合にあわせて「ブレイクスルーエネルギー連合」という国際会合の各国の誓約を着実に実現するための民間の企業連合も発足している。 「ブレイクスルーエネルギー連合」は、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏を中心とする世界的な民間投資家の連合であり、国際会合の誓約国におけるクリーンエネルギー技術の研究開発から市場導入までにわたる経済的な支援を行うことで、エネルギー転換とクリーンエネルギー経済の急速な発展を実現することが目的とされている。 「ブレイクスルーエネルギー連合」は、総勢28名の世界的に著名な企業人により立ち上げられている。 ビル・ゲイツ氏の他、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO、アマゾンのジェフ・ベゾスCEO、アリババグループのジャック・マー会長、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(中略)など、そうそうたるIT企業の経営者が名を連ねている。 石油、天然ガスなど従来の化石燃料の争奪では、石油メジャーや各国政府が主なプレイヤーであり、IT企業などはまったくの畑違いであった。 しかし、パリ協定の目標達成のために進められるエネルギー転換は、再生可能エネルギーの普及拡大のためのIOEの構築という、まさにIT企業が主たるプレイヤーとして活躍する場をつくり、IT企業が資源エネルギーの主役の座を争う形になったのだ。『資源争奪の世界史』2:サーキュラーエコノミーという経済モデル『資源争奪の世界史』1:中国が行ったレアアースの禁輸
2022.11.22
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中国のレアアース統制(復刻) ゼロコロナ政策が破綻しつつある習政権であるが・・・私が中国嫌いになった発端がレアアース統制とか、尖閣列島問題などなので、以下復刻してみます。2012.08.19中国のレアアース統制6より*********************************************************** <中国のレアアース統制6> H24.6.7~~ 中国のレアアース統制に中華の特質が見えるのではないかということで、フォローしてみます。なお「原発とレアアース」という時宜を得た本を図書館で借りて読んだので、そのエッセンスをレアアース禁輸措置がもたらしたこととしてメモしました。焼結磁石の最大エネルギ積と保磁力の関係・レアアース関連ニュース4********************************************************************<中国のレアアース統制5 >目次・レアアース関連ニュース3・資源保護関連ニュース・急変するレアアース市場********************************************************************<中国のレアアース統制4 >目次・レアアース関連ニュース2・資源戦略について・海底資源争奪戦で中国を甘く見てはあかんで!・レアメタル専門商社社長より********************************************************************<中国のレアアース統制3>目次・レアアース関連ニュース1・原発とレアアース・チャイナフリーの正念場・脱・レアメタルのお勉強********************************************************************<中国のレアアース統制2>目次・WTOがやっと認めた・海底のレアアース争奪戦・しつこくテクノ・ナショナリズム・中華の「やらずぶったくり」・電気自動車の覇権争い・中国製電気自動車ってどんなかな?********************************************************************<中国のレアアース統制1>目次・チャイナフリーを目指すのがベスト・中国のレアアース輸出停止・チャイナフリーの物作り・環境を収奪する中国の経済成長・レアアースとシェールガス・中国のレアアース囲い込みに対して、どうすればいいの?レアメタル・レアアース/Yahoo!レアアース問題/サーチナレアアース関連/ロイター内モンゴル自治区/サーチナ・トピック中国ビジネス/BPnet希少金属代替材料開発プロジェクト「NeoMag通信」バックナンバー中国のレアメタルに関する貿易・投資制限的な措置について(2008年1月)中国のレアメタルに関する貿易・投資制限的な措置について<レアアース関連ニュース4>中国は2001年のWTO加盟後も国際ルールを守る姿勢に欠け、貿易紛争が絶えない。自国は自由貿易の恩恵によって高い経済成長を続けながら、国際ルールを顧みない独善的対応が国際的にも批判されてきた・・・・・世界はレアアースの輸出制限という露骨な暴挙に驚き、中国リスクをヘッジする覚悟を固めたたが・・・・・このところ日本の着実な対抗策が実現しつつあります。ということで、レアアース関連ニュースを集めています。レアメタル・レアアース8/16<東芝、レアアースのジスプロシウムを使用しないモーター用磁石を開発より東芝は、レアアースの中でも特に希少な、ジスプロシウムを一切使用しないモーター用の高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石を開発したと発表した。 耐熱性が要求される自動車・鉄道車両の駆動モーターや産業用モーターは、磁力の高いネオジムの一部をジスプロシウムで置き換えた耐熱型ネオジム磁石が一般的に使用されている。しかし、ジスプロシウムの鉱山が地球上の一部地域に集中しているため、昨今、価格高騰や輸出規制が課題となっており、ジスプロシウムを使用しなくても実使用温度域(100度以上)で高い磁力をもつ高性能磁石の開発が望まれていた。 今回同社は、ネオジム磁石に比べ磁力が劣るサマリウム・コバルト磁石に、独自の熱処理技術を適用し、100度以上のモーターの実使用温度域では耐熱型ネオジム磁石と同等以上の磁力をもつ高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石を開発。磁力を増大させるために鉄の配合量を従来の15%から20~25%(重量比)に増やした後に、焼結時の温度、時間、圧力の最適化などの熱処理条件を工夫することで、磁力の阻害要因となっていた酸化物や高銅濃度異相を低減させた。 また、開発品を搭載したモーターは、耐熱型ネオジム磁石を搭載したモーターと同じサイズで、同等の性能があることも確認しており、自動車・鉄道車両・工作機械・エレベータなどで使用される耐熱性が高く、高性能かつ小型であることが求められるモーターに適している。 今回開発したジスプロシウムを一切使用しない高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石について、同社は2012年度末の市場投入を目指すとしている。触媒の解明・開発もレアアース・フリーにつながると思うので、以下ニュースも取り上げました。8/13<東北大、ナノポーラス金属の触媒機能の仕組み解明より東北大学原子分子材料科学高等研究機構の藤田武志准教授は、ナノサイズ(ナノは10億分の1)の穴が無数に空いた金属「ナノポーラス金属」が示す触媒機能のメカニズムを解明した。より触媒機能の高いナノポーラス金属触媒の材料設計が可能になるという。成果は英科学誌ネイチャー・マテリアルズに掲載された。 金のナノポーラス触媒を高性能な電子顕微鏡で観察したところ、穴に沿って原子が積み重なってできる段差が多くあることが分かった。原子の段差が多いところは以前から、触媒の機能が現れる場所であることが知られているという。 さらに、金のナノポーラス触媒を使った一酸化炭素の酸化反応の過程を、高性能な電子顕微鏡で観察したところ、反応前は原子の段差が多く滑らかだった表面が、反応中にギザギザになって段差の数が減ることが分かった。7/25中国は今後もレアアースセクターの管理を強化=工業情報省より 中国工業情報省の報道官は25日、世界貿易機関(WTO)による同国のレアアース(希土類)政策に対する調査の結果には従うとしつつも、引き続き同セクターの管理を強化する意向を示した。 WTOは今月23日、日・米・欧が提訴していた中国のレアアース輸出規制を調査するため、紛争処理小委員会を設置する方針を確認していた。Zhu Hongren報道官は記者会見で「(WTOが)何と言おうと、中国政府は自国のレアアース資源を適度に保護することができるはずだ」とコメント。さらに、同国当局は今後も違法な生産や旧式技術の使用の取り締まりを継続する、との方針を明らかにした。7/11中国、WTOのパネル設置を拒否よりハイテク製品の生産に欠かせないレアアースの輸出を中国が規制している問題で、日本などはWTO=世界貿易機関に提訴し、紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請していますが、10日、中国は設置を拒否しました。 レアアースをめぐっては、日本、アメリカ、EUが中国の輸出規制撤廃を求めWTOに提訴し、紛争処理小委員会の設置を要請していますが、10日の会合で、中国側は「輸出規制は天然資源の保護と持続可能な経済発展のため」などとして、設置を拒否しました。 これに対し日本は「中国の輸出規制で国際市場は供給不足に陥っている」としたほか、EUも「規制で市場にゆがみが生じ、中国の製造業が有利になっている」と指摘しました。 WTOによりますと、被告の立場にある国は一度はパネルの設置を拒否できますが、2度目の会合では拒否できないということで、次回23日の会合で紛争処理小委員会の設置が決まる見通しです。6/30.日本がEEZ内で大量のレアアース発見、回収は可能か=中国より 東京大学などの研究チームが、小笠原諸島や南鳥島周辺の海底から高濃度のレアアースを含む泥を発見した。同チームは2011年、公海においてレアアースの海底鉱床を発見していたが、日本の排他的経済水域(EEZ)においては初めての発見となる。中国メディアの和訊網が29日付で報じた。 研究チームは国際的な規模で海底の泥を集め、綿密な調査を行ってきた。その結果、南鳥島から300キロ離れた深さ5600メートルの海底から採取した泥に高濃度のレアアースが含まれていることが分かった。 この海域の鉱床は1000平方キロ以上にもわたり、およそ680万トンのレアアースが埋蔵されている可能性がある。埋蔵量は日本の国内需要の200年分以上と推定される。 深海からレアアースを効率よく回収できるかなどの技術的問題はあるものの、12年3月に独立行政法人・海洋研究開発機構の研究グループは沖縄県沖の水深1000メートルの海底に人工的に開けた熱水の噴出孔から希少金属(レアメタル)を豊富に含んだ鉱物資源の採取に成功しており、今回発見された海底鉱床からのレアアースも回収に一定の目処が立つことが期待される。先日読んだ『資源争奪の世界史』という本にも、中国のレアアース統制に触れているので関心のある方は参照してください。『資源争奪の世界史』1
2022.11.21
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図書館で『日本人はどう住まうべきか?』という本を、手にしたのです。【日本人はどう住まうべきか?】養老孟司×隈研吾著、日経BP、2012年刊<「BOOK」データベース>より都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。【目次】第1章 「だましだまし」の知恵/第2章 原理主義に行かない勇気/第3章 「ともだおれ」の思想/第4章 適応力と笑いのワザ/第5章 経済観念という合理性/第6章 参勤交代のスヽメ<読む前の大使寸評>追って記入rakuten日本人はどう住まうべきか?第2章でアジアの都市が語られているので、見てみましょう。p55~58<第2章 原理主義に行かない勇気>■アジアの都市は自然発生的養老: 市街化調整区域にある僕の家は、隣に家がないんです。隣はお墓で、裏は国有地の崖で、前が道路なんですが、法務局に行くと、この道路はありません。隈: 建築基準法上は、建築が建てられないはずの場所ですね。養老: そうです。だから既得権ですね。もともとおばあちゃんが一人で住んでいた小屋のあったところです。隈: そういうところが実は一番、恵まれているんですよ。法規制のパラドクスは、法規制の外側が一番守られていることなんです。結局、僕らの仕事で面白い建物を建てられるのは、いわゆる都市計画からはこぼれ落ちた、、そういう既得権でしか建てられないような、ヘンな場所です。阿武隈川の川沿いにそば屋を作っているときもそうでした。そのそば屋は自分の縁側から一級河川に飛び込めるところなんですよ。そんなこと、今の法律だったら絶対に許されないことでしょう。 でも、堤防の内側にもともとあった小屋をきれいにして、それをそば屋に変えるんだから、そんなことができる。建築家としては、そういう物件の持ち主から声がかかるのが一番「やった!」と思うときですね。結局、一般解なんか求めずに、例外を探していけばいいんです。本当はすべて例外なんですね。養老: 建築ってロケーションが大事でしょう。隈: ロケーションで8割ぐらい決まります。建築家がやれることなんか限られているんです。ロケーションが恵まれていたら、だいたい勝ったも同然です。ダメな建築家が素晴らしい与条件をめちゃめちゃにすることは山ほどあるけど、与条件をプラスにできる幅はちょっとしかない。養老: それなのに今では建築の話って場所と切り離されて語られがちですよね。被災地復興の議論もそうだし、日本全国の都市計画についても、場所との関連が無視されているでしょう。隈: 20世紀の建築のテーマは、都市化の名の下で建築と土地を切り離して儲けましょう、ということでしたから。養老: 先ほどの隈さんの話でいうと、それを先頭でやっていたのがフランスのコルビュジェだったわけですよね。ヨーロッパはいざ知らず、アジアを回っていると、都市や町なんかは自然発生するもんだ、とつくづく思うんだけど。僕が不思議に思うのは、中国人ってどうしてああいうふうに連坦するのかってことです。 連坦って、要するに軒を並べることですが、中国の人って建物の間に一切隙間を空けないでベターッと並べちゃうんですよね。チャイナタウンって全部そうでしょう。僕、愕然としたのはトロントですよ。カナダは悠々としていて、トロントだって広い都市なのに、チャイナタウンに足を踏み入れた瞬間に、軒が全部つながっていて、道の上は人でいっぱいなんですよ。 隈: 軒をつなげるのは、中国の南の方の都市で一般的な「ショップハウス」という都市住宅の伝統なんですね。中国では北の方は「四合院」という中庭スタイルで、南が京都の町屋にも似ているショップハウスです。養老: ラオスでも長屋になっているんですよ。新築でも2階建てでダーッと並んでいて、下が店で上が住居という感じ。隈: 一説によると、間口の広さに応じて課税されたため、税金を安くしようと狭い間口で建てたとか。まさに京都の町屋のような感じですよね。ただ、そういう制度が原点にあるとしても、税金だけで街並みは決まらないから、人間に染み付いた空間感覚とか、精神性のようなものもあるでしょう。養老: 広いところでも、ギュッと詰めるのが習い性になっちゃっているということですか。隈: 快適な空間感覚とか、人との距離感というのが民族によって違うということは、絶対にあるはずです。『日本人はどう住まうべきか?』1:
2022.11.21
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図書館に予約していた『帝国日本のプロパガンダ』という本を、待つこと3ヶ月半ほどでゲットしたのです。世界はプーチンの仕掛けるフェイクとプロパガンダに翻弄されているが・・・歴史を遡って探求したいと思ったのです。【帝国日本のプロパガンダ】 貴志俊彦著、中央公論新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。<読む前の大使寸評>世界はプーチンの仕掛けるフェイクとプロパガンダに翻弄されているが・・・歴史を遡って探求したいと思ったのです。<図書館予約:(7/30予約、11/15受取)>rakuten帝国日本のプロパガンダ「第7章 アジア太平洋戦争期」で帝国日本の瓦解を、見てみましょう。p153~155 1940年代前期は、帝国日本が解体へ向かう時期であった。その決定的契機は、いうまでもなくアジア太平洋戦争における敗北である。 アジア太平洋戦争は、1941年12月8日未明、マレー半島のコタバルにおける日英両軍の先頭に始まる。その直後に日本海軍は真珠湾を攻撃し、米国との全面戦争に突入。戦域を中国大陸から、東南アジア、西太平洋一帯に拡大していく。 この時期、国民生活の困窮と疲弊は著しく、内閣情報局や特高が進めた言論、報道、文化、国内世論の統制による閉塞感が蔓延する。それまでプロパガンダの浸透に活用されていたビジュアル報道も錐体。こうした状況は、朝日の「富士倉庫資料」が所蔵する1940年代前期の戦況写真が限られていたことからもうかがえる。 英米をはじめとする連合軍との国力、武力の差は歴然としていた。帝国の瓦解が進みゆくなかで、プロパガンダはいかなる変遷をたどったのか。「戦争熱」の高揚とともに、報道界が無力にも国家プロパガンダに屈する分岐点となった1941年以降の状況を振り返る。<1 国家総動員体制下の言論封殺>■新聞メディアの「死」 総力戦体制では、挙国一致の世論の形成が優先すべき課題とされた。1940年12月に成立した内閣情報局のもとで、報道界も文化娯楽業界も取り締まりを受ける対象となった。さらに、「新聞紙等掲載制限令」(41年1月公布)、諜報を警戒する「国防保安法」(41年3月公布)によって、ジャーナリストが自由かつ主体的に取材する際に大きな制限が加えられることになった(貴志2013)。 報道界にとって致命傷になったのは、1941年11月に閣議決定された「新聞の戦時体制化に関する件」である。この決定のもとで、産業統制機構として統制会を設置。これは、全国の新聞の統合、新設、資材の配給調整をおこない、国策に沿うよう、新聞社の経営と編集の改善を促す組織であった(内川1975)。 その翌月、アジア太平洋戦争が勃発すると、「新聞事業令」「言論・出版・周回・結社等臨時取締法」などが次々に公布された。これらの法令によって、政府は流言飛語を取り締まるだけでなく、時局にそぐわない報道をおこなったと判断した場合、行政処分によって新聞の発行を停止できるようになる(朝日新聞百年史編集委員会1991)『「帝国日本のプロパガンダ』1
2022.11.20
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図書館に予約していた『帝国日本のプロパガンダ』という本を、待つこと3ヶ月半ほどでゲットしたのです。世界はプーチンの仕掛けるフェイクとプロパガンダに翻弄されているが・・・歴史を遡って探求したいと思ったのです。【帝国日本のプロパガンダ】 貴志俊彦著、中央公論新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。<読む前の大使寸評>世界はプーチンの仕掛けるフェイクとプロパガンダに翻弄されているが・・・歴史を遡って探求したいと思ったのです。<図書館予約:(7/30予約、11/15受取)>rakuten帝国日本のプロパガンダ朝鮮平壌落城シ我兵大勝利「第1章 日清戦争期 版画報道の流行」で戦争錦絵を、見てみましょう。p15~<1 戦争と同期する帝国日本のメディア、演劇>■「戦争錦絵」の登場 日清戦争に対して最初に熱狂したのは、没落気分を打ち消す機会ととらえた士族や、戦争を進歩(文明)のための戦いとして理解した福沢諭吉や内村鑑三のような知識人であった。当初、一般庶民はさほどこの戦争に興味を持たなかったが、彼らの関心に火をつけたのは、石版印刷によって大量発行された戦争錦絵だったのである。 一方、清でも一般庶民はこの戦争に関心が低かったが、上海発酵の絵入り新聞『点石斎画報』なその画報が石版印刷によって大量に流通し、人びとの目に留まるようになる。 日清戦争の前線には、ヨーロッパからも記者が派遣されていた。世界初の絵入り新聞である『イラストレイテド・ロンドン・ニュース』には、特派員たちが食事をともにする風景を描いた石版印刷が掲載されている(1894年9月29日)。清仏戦争が終結してからわずか10年後に勃発した戦争を、イギリスやフランスは注目していた。新聞や雑誌に掲載されていたビジュアルな戦争報道を、人びとは求めたのである。 ただ、以下に述べるように、帝国日本や清の戦争報道と、ヨーロッパのそれとはいささか異なる様相を呈していた。■錦絵業者の歓喜 日清戦争は、1894年7月25日n朝鮮半島西岸の牙山湾で起こった豊島沖の海戦を皮切りとして、最初の陸戦となる成歓・牙山の戦いがつづいた。しかし、日清両国が正式に宣戦布告をおこなったのは、その約1週間後の8月1日である。戦闘開始が宣戦布告の前に起こると言う禁じ手が、のちの日本の悪しき手本となった。 この時期、江戸時代以来の錦絵と新しいメディアの新聞はしのぎを削っていた。宣戦布告当日の8月1日、「新聞検閲の緊急勅令」を交付。これで、外交、軍事に関する事件を新聞や出版物に掲載する場合、行政庁または内務大臣の検閲許可を受けることが義務化されたのだ。 しかし、錦絵については検閲に時間がかかることが販売の障害になっていたために、関係業界が内務省に出版可否を即決する要望書を提出。その結果、錦絵の検閲に歯通常約1週間かかるところ、即日で検閲の結果が出されることになり、速報性が保証されることになった(『読売新聞』1894年8月1日)。 こうした錦絵をめぐる業者と当局の駆け引きを経て、8月9日ころには、西南戦争の錦絵で評判を得た楊州周延の手による大判1組の大首絵(顔をアップした錦絵)「大鳥公使兵韓延参内」が、東京市日本橋区にあった絵草子屋の辻岡文助から販売される(『東京朝日』8月4日)。こうした絵草子屋の販売戦略をきっかけに、戦争錦絵の販売合戦が始まった。
2022.11.20
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図書館で『日本人はどう住まうべきか?』という本を、手にしたのです。【日本人はどう住まうべきか?】養老孟司×隈研吾著、日経BP、2012年刊<「BOOK」データベース>より都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。【目次】第1章 「だましだまし」の知恵/第2章 原理主義に行かない勇気/第3章 「ともだおれ」の思想/第4章 適応力と笑いのワザ/第5章 経済観念という合理性/第6章 参勤交代のスヽメ<読む前の大使寸評>追って記入rakuten日本人はどう住まうべきか?第2章でコンクリート建築の信用性が語られているあたりを、見てみましょう。p39~44<第2章 原理主義に行かない勇気>養老: 戦後の日本に限りませんが、都市開発に「大局観」というものが欠けているのは、20世紀の考え方の特徴なのかもしれません。エネルギー問題にしても、俯瞰して見ることが、あまりにもおざなりにされていたのが20世紀です。 実は、経済成長の要因として資本や労働の重要性は低く、エネルギー消費量の増大の方がはるかに重要だというモデルを立てて、アメリカと日本と西ドイツの経済成長を計算したところ、ぴったり当てはまったんですね。1970年代にそれを最初にやったのが、ドイツの物理学者ライナー・キュンメルだったんですよ。その時点での経済学は、「経済成長はエネルギー消費と関係している」ということに気が付いていない。あんまり大きな声では言えないけど、文科系の学問ってのはアテにならないな・・・と思ってさ(笑)。隈: 環境問題のデータも読み違いはだいたい経済学方面からと言われています。経済学の考え方は自然科学の考え方とはちょっと違うのでしょうか。養老: 経済学の考え方は、つまりは人間の欲望をベースにしているのかもしれません。だかれ、「こうありたい」というバイアスが強くかかってしまう。その意味でいうと、建築は基本的に客観性、科学性重視で、経済の要素は二の次でしょう。いくら経済を重視して建てたって、建物がつぶれたら話にならないもの。隈: とはいえ、建築の基本はやっぱり人間同士の信頼関係なんです。特にコンクリートが主流になった20世紀の建築というのは、基本的に信用で成り立っている危ない世界です。だって、一度コンクリを打ってしまったら、中に何が入っているのか分からないですよ。鉄筋がなくたって、水をジャブジャブ入れたコンクリートだって、外からは見えない。だから、人を信用できない殺伐とした社会になると、例の耐震強度偽装のような事件がバンバン出てきて、誰もが建築を大嫌いになる。 コンクリートがあれだけ世界に一気に普及したのは、技術としてものすごく単純だったからなんです。要するに簡単なベニヤを組み立てる技術があれば、世界中どこでもできる。でも、組み立てた中に何が隠されているのかは、誰にも分からない。ネズミだって猫だって入っちゃいます。世界にバーッと広まった技術ではありますが、まったく信用だけで成り立っているあやしいものなんですよ。養老: ちなみに20世紀以前の手法では、そういう問題は起こらなかったんですか。隈: 石造りでは、やっぱり一個一個ちゃんと石を積み上げていかないと、そもそも建物が建たないですよね。「石を積む」という技術はある程度のレベルが保証されているわけです。でも、コンクリートを使うようになった途端に、まったく保証がない状態になったんです。養老: コンクリート建築の信用性というのは、社会や国などの信用性につながっているということですか。隈: 間違いなくつながっています。特に日本の大工さんは技術力が高くて、ベニヤを手早く組み立てることができた。それが逆説的にまずかったのかもしれませんが、建築家がどんなに勝手な造形で図面を描いても、日本の大工さんがいればたちまち世界で一番きれいなコンクリートが打ち上がるんです。建築家の妄想みたいなものを実際に形にしてくれる、素晴らしい職人さんがいたわけです。 日本の建築と建築家は、丹下健三さん以来、黒川紀章さんも、安藤忠雄さんも、ベニヤをうまく組み立てられる日本の職人さんがいたおかげで世界に名が知られた。まあ、甘やかされていたようなものなんですよ。もちろん僕もその恩恵にあずかっています。それで、ものづくりの厳しさを、どこか忘れちゃったのかもしれない。養老: コンクリートでできていれば安心だ、という「コンクリート神話」が消費者のがわには確実にあるでしょうね。隈: これも逆説的ですが、中身が見えなくて分からないからこそ、強度を連想させる何かがある。生活の危うさとか、近代の核家族の頼りなさのようなものを支えてあまりある強さを感じるのかもしれません。そういう何かにすがりたいという人間の弱い心理に付け込んだ、詐欺のようなところがコンクリートにはありますね。石やレンガの積み方はひと目で分かりますから、こちらは欺きようのない世界です。でもコンクリートは完全に密実なる一体で、壊しようがなく、圧倒的強度があるようにみんな思い込んでしまう。実はその中はボロボロかもしれないのに。養老: なぜ日本の都市建築では木をもっと使わないのでしょう。隈: それは関東大震災と、太平洋戦争のトラウマですね。木造の建物が燃えて、多くの人たちが亡くなったわけですから。それで国が、以後は不燃化こそが都市計画の中心だと言うようになって、木造は作りにくいような法律になりました。養老: その不燃化が行き過ぎて、碁盤の目型の都市計画や郊外住宅、超高層マンションなど、僕がすごく苦手とする風景が日本にできちゃったんですね。隈: その風潮は21世紀になっても、しぶとく生き残っています。しかも、より洗練された言い訳を伴っているんです。例えば高層マンションを建てる人の理屈は、高層マンションによって緑地ができるから、環境に優しいんだそうです。
2022.11.19
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図書館で『資源争奪の世界史』という本を、手にしたのです。【資源争奪の世界史】平沼光著、 日経BP 日本経済新聞出版本部、(2020年刊)<商品の説明>よりスパイス、石油、再生エネルギーー。人類は資源をめぐり争奪・競争・開発を繰り返してきた。資源なき日本とドイツが資源覇権国のアメリカ、イギリスに挑んだのが第二次世界大戦だ。石油の時代の終焉を迎え、資源エネルギーの潮流はどのような方向に向かうのか、そしてそれはどのような争奪戦や競争を引き起こすのか。資源エネルギーの歴史を紐解くことで未来をも展望する、かつてない世界史<読む前の大使寸評>追って記入rakuten資源争奪の世界史第6章でサーキュラーエコノミーという経済モデルを、見てみましょう。p251~253<第6章 廃棄物が資源の主役となる未来>■経済モデルを転換する欧州のサーキュラーエコノミー 鉱物資源リスクが懸念されるなか、欧州は鉱物資源リスクへの対処も含めた資源循環政策としてサーキュラーエコノミーの構築に取り組んでいる。サーキュラーエコノミーとは何なのであろうか。 現在の経済モデルは、地中に埋まっている天然資源を掘り出し、それをもとに製品を生産し、いらなくなったら捨てる、採鉱→生産→消費→廃棄という資源を直線的に消費し続けることで経済を成り立たせる線型経済とされている。 一方、欧州連合(EU)が取り組んでいるサーキュラーエコノミーは、廃棄物を捨てるのではなく、廃棄物をきちんと管理し、それを再生して再び資源として利用する。採鉱→生産→消費→廃棄物管理→廃棄物からの資源再生→再生資源による生産という循環サークルを形成し、省資源化と資源の価値を循環サークルのなかで可能な限り持続させるという資源循環型の経済である。 EUでは、現状の線型経済モデルの継続は天然資源の需要量を増大させ、このままのペースで資源を消費し続けると惑星2個分以上の天然資源が必要になるという危機感からサーキュラーエコノミーの構築が推進されている。 サーキュラーエコノミーの構築により、廃棄物の発生と資源の使用は最小限に抑えられ、製品がその寿命を迎えても、メーカーが不具合や故障個所を修理して再生するリファービッシュメント(refubishment)などにより新たな価値を付与され、サーキュラーエコノミーのなかで再び使用されるという資源循環が行われるのだ。 サーキュラーエコノミーは持続可能な社会構築のための単なる環境政策のように見える。しかしEUでは、サーキュラーエコノミーによる資源循環は、EUの技術革新と雇用創出に大きな利益をもたらし、サーキュラーエコノミーの構築により2030年までに18万人以上の直接雇用を創出し、EUのGDPを7%増加させ国際競争力を向上させることが見込まれている。 つまり、EUにとってサーキュラーエコノミーとは、単なる環境政策という位置づけだけではなく、EUが率先して廃棄物を資源として再生する技術革新を進め、再生した資源によりつくられた製品を流通させるシステムを構築することで、世界の経済モデルを線型経済からサーキュラーエコノミーに転換させ、欧州から世界中へクリーンな製品やサービスを輸出することを狙った経済戦略なのである。『資源争奪の世界史』1:中国が行ったレアアースの禁輸
2022.11.19
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図書館で『資源争奪の世界史』という本を、手にしたのです。【資源争奪の世界史】平沼光著、 日経BP 日本経済新聞出版本部、(2020年刊)<商品の説明>よりスパイス、石油、再生エネルギーー。人類は資源をめぐり争奪・競争・開発を繰り返してきた。資源なき日本とドイツが資源覇権国のアメリカ、イギリスに挑んだのが第二次世界大戦だ。石油の時代の終焉を迎え、資源エネルギーの潮流はどのような方向に向かうのか、そしてそれはどのような争奪戦や競争を引き起こすのか。資源エネルギーの歴史を紐解くことで未来をも展望する、かつてない世界史<読む前の大使寸評>追って記入rakuten資源争奪の世界史希少な資源の代表例としてはレアアースが挙げられるが・・・先ず第6章でレアアースに触れたあたりを、見てみましょう。p240~242<第6章 廃棄物が資源の主役となる未来>■外交カードにされたレアアース 再生可能エネルギーの普及拡大により懸念される鉱物資源リスクだが、近年、世界はレアアースショックという鉱物資源リスクを経験している。 2010年9月、沖縄県尖閣諸島沖で起きた海上保安庁の巡視船と違法操業の中国漁船の衝突事件を機に中国は、実質的にレアアースの輸出禁止を実施した。 世界のレアアース供給のおよそ9割を中国に依存していたため、世界的なレアアースの受給不安定化というレアアースショックが発生した。 主要な供給源であった中国からの輸出が途絶えたため、レアアースの価格は大高騰し、パニックとも言える状況に陥った。 自動車をはじめ多くの産業で欠かせない鉱物資源であるため、各国はレアアース確保に奔走する事態となった。 そもそも中国はレアアースを国家の戦略物質として捉えている傾向があり、1992年には当時大きな影響力を持っていた鄧小平氏が中国の南部地域を視察して回った際に行った中国のさらなる改革・解放を唱えた「南巡講話」で、「中東有石油 中国有希土 一定把我邦希土的優勢発揮出来」(中東に石油があるように中国にはレアアースがある・・・)と語っている。 中東や石油メジャーが石油を戦略的にコントロールし世界に影響を与えたように、中国はレアアースを戦略的に扱い世界に影響を与えることができるという鄧小平氏の自信をうかがえる発言だ。 中国が行ったレアアースの輸出禁止は、自国の鉱物資源を本来の資源としての利用目的ではない外交カードとして使ったと言える。 中国が外交カードとして使ったレアアースであるが、そもそもレアアースに資源としての価値をもたらしたのは日本である。 レアアースの代表的な用途として、ネオジム磁石というハイブリッド車や電気児童書、そして風力発電などのモーターに必要不可欠な高性能磁石がある。 ネオジム磁石には、レアアースのネオジムとジスプロシウムが使われており、これらのレアアースを使うことで通常のフェライト磁石の約10倍の磁力と高温下でも磁力が落ちないという高い性能を発揮する。 今日ネオジム磁石はあまたの物に使われており、世界に大きな恩恵をもたらしているが、ネオジム磁石は1983年に日本の佐川真人博士の手によって発明されたものである。佐川博士の発明がなければ、中国のレアアースは戦略物資としての価値を持つことはなかっただろう。 中国の輸出禁止に対し、アメリカは自国のレアアース開発企業であるモリコープが経営するカリフォルニア州のレアアース鉱山、マウンテンパス鉱山への政策的支援を実施。 日本も対策として、2010年10月に経済産業省が総額1000億円の補正予算による「レアアース総合対策」を取りまとめ、①オーストラリアとレアアースの共同開発事業の実施など中国以外の供給源の多様化 ②レアアース削減、代替技術の開発 ③リサイクルの促進などに取り組んでいる。
2022.11.18
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図書館で『HOTEL IRIS』という本を、手にしたのです。おお 小川洋子さんの小説の翻訳ではないか・・・【HOTEL IRIS】Yoko Ogawa著、 Vintage、(2011年刊)<商品の説明>よりBoth very weird and very good... Image by perfect image, we are led down into a mysterious and gripping universe, simultaneously beautiful and terrifying... From the opening sentences of Hotel Iris you know that every word will count and that every scene will be the occasion for strong and strange feeling (Times Literary Supplement)<読む前の大使寸評>おお 小川洋子さんの小説の翻訳ではないか・・・amazonHOTEL IRIS冒頭の語り口を、ちょっとだけ見てみましょう。p1~2<ONE>He first came to the Iris one day just before the beginning of the summer season. The rain had been falling since dawn. It grew heavier at dusk, and the sea was rough and gray. A gust blew open the door. and rain soaked the carpet in the lobby.The shopkeepers in the neighborhood had turned off their neon signs along the empty streets. A car passed from time to time, its headlights shining through the raindrops. I was about to lock up the cash register and turn out the lights in the lobby, when I head something heavy hitting the floor above, followed by a woman's scream. It was a very long scream- solong that I started to wonder before it ended whether she wasn't laughing instead.“Filthy pervert!”The scream stopped at last, and a woman came flying out of Room 202. “You disgusting old man!”She caught her foot on a seam in the carpet and fell on the landing, but she went on hurling insults at the door of the room.“What do you think I am? You're not fit to be with a woman like me! Scumbag! Importent bastard!” She was obviosly a prostitute -even I could tell that much- and no longer young. Frizzy hair hung at her wrinkled neck, and thick, shiny lipstick had smeared onto her chooks. Her mascara had run, and her left breast hung out of her blouse where the buttons had come undone. Pale pink thighs protruded from a short skirt, markeded in places with red scratches. She had lost one of her cheap plastic high heels. この本も小川洋子ミニブームR12に収めておきます。
2022.11.18
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・今村翔吾『塞王の楯』(1/21予約、副本11、予約522)現在68位・「監視資本主義」(2/07予約、副本1、予約30)現在3位・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在177位・女のいない男たち(3/31予約、副本8、予約207)現在36位・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、副本3、予約49)現在13位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在19位・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、副本2、予約19)現在6位・松本修『言葉の周圏分布考』(8/15予約、副本1、予約16)現在12位・小田嶋隆『東京四次元紀行』(8/29予約、副本2、予約20)現在11位・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』(9/07予約、副本1、予約3)現在1位・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、副本2、予約99)現在83位・デイブ・グールソン『サイレントアース』(10/01予約、副本2、予約13)現在9位・『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』(10/09予約、副本1、予約12)現在10位・『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』(10/14予約、副本2、予約10)現在8位・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、副本2、予約65)現在62位・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、副本2、予約56)現在56位・阿川佐和子『アガワ家の危ない食卓』(11/13予約、副本8、予約5)現在1位・半藤一利『日本のいちばん長い日』(11/16予約、副本13、予約3)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・嶋田博子『職業としての官僚』・温又柔『李良枝セレクション』・真山仁『“正しい”を疑え!』・養老孟司『形を読む』・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・『猫の文学館I』『猫の文学館Ⅱ』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:7/22以降> ・山下裕二『商業美術家の逆襲』(7/17予約、7/22受取)・鎌倉殿と13人の合議制(5/18予約、7/28受取)・テッド・チャン『あなたの人生の物語』(8/23予約、8/30受取)・ブレイディみかこ『両手にトカレフ』(7/01予約、10/14受取)・人新世の「資本論」(12/18予約、10/19受取)・絲山秋子『まっとうな人生』(6/21予約、10/19受取)・温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』(9/22予約、10/19受取)・『スマホ脳』(1/28予約、10/27受取)・『帝国日本のプロパガンダ』(7/30予約、11/15受取)**********************************************************************【塞王の楯】今村翔吾著、集英社、2021年刊<出版社>より近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>shueisha塞王の楯【監視資本主義】 ショシャナ・ズボフ著、東洋経済新報社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界的ベストセラー!監視資本主義という言葉を生み出したハーバード・ビジネススクール名誉教授が描く新世界。私たちを急襲する隠された力とその対抗策。オバマ元大統領が選ぶ2019年ベストブック選出!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/07予約、副本1、予約30)>rakuten監視資本主義【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【女のいない男たち】村上春樹著、文藝春秋、2014年刊<「BOOK」データベース>より絡み合い、響き合う6編の物語。村上春樹、9年ぶりの短編小説世界。【目次】ドライブ・マイ・カー/イエスタデイ/独立器官/シェエラザード/木野/女のいない男たち<読む前の大使寸評>村上春樹の短編小説集ってか・・・『1Q84』ブームの後に、こんな本が出ていたとは、春樹ファンを自認している大使としては不覚であった。rakuten女のいない男たち【ブルシット・ジョブの謎】酒井隆史著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かすー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/02予約、副本3、予約49)>rakutenブルシット・ジョブの謎【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか【東京四次元紀行】小田嶋隆著、イースト・プレス、2022年刊<出版社>よりなんだ、小説じゃないか? そう、これはコラムではない。稀代のコラムニストが、初めての小説を通して描く東京の街と人々<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/29予約、副本2、予約21)>rakuten東京四次元紀行【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース【ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場】宮嶋茂樹著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より二〇二二年二月二十四日、ロシアによるウクライナ侵攻。不肖・宮嶋は還暦過ぎの老体にムチ打って「ワシが行かんと誰が行く?」と最後の戦場を目指す。三月十二日にキーウ入りして以来、四月十七日に出国するまで各地で取材。そして五月、ふたたびウクライナへ。戦火の下、不肖・宮嶋が見た「戦場の真実」とは?<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(10/09予約、副本1、予約12)>rakutenウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場【潜入ルポ アマゾン帝国の闇】横田増生著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より潜入ジャーナリストが巨大倉庫で見た“便利の裏側”とは?第19回新潮ドキュメント賞受賞作。【目次第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入/第2章 アマゾンではたらく社員の告発/第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす/第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪/第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望/第6章 わが憎しみのマーケットプレイス/第7章 フェイクレビューは止まらない/第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか/第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル/第10章 “デス・バイ・アマゾン”の第一犠牲者<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(10/14予約、副本2、予約10)>rakuten潜入ルポ アマゾン帝国の闇【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<出版社>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染【アガワ家の危ない食卓】 阿川佐和子著、新潮社、2020年刊<出版社>より朝ご飯を食べながら「今夜は何を食わせてくれるのかね?」と訊き、「まずいものは食いたくない」がモットーの父・弘之。そんな食いしん坊で怒りん坊の亭主と四人の子供のために台所に立ち続け、齢九十をこえた母。そして女優業にも忙しくなった娘。毎食が波乱含みの食卓の情景で綴る一家の歴史。和田誠氏への追悼文を附す。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/13予約、副本8、予約5)>shinchoshaアガワ家の危ない食卓【日本のいちばん長い日】 半藤一利著、文藝春秋、2006年刊<「BOOK」データベース>より昭和二十年八月六日、広島に原爆投下、そして、ソ連軍の満州侵略と、最早日本の命運は尽きた…。しかるに日本政府は、徹底抗戦を叫ぶ陸軍に引きずられ、先に出されたポツダム宣言に対し判断を決められない。八月十五日をめぐる二十四時間を、綿密な取材と証言を基に再現する、史上最も長い一日を活写したノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約』(11/16予約、副本13、予約3)>shinchosha日本のいちばん長い日【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2022.11.17
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「日中の知恵」でしょうか♪<市立図書館>・帝国日本のプロパガンダ・しょぼい生活革命・資源争奪の世界史・日本人はどう住まうべきか?<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【帝国日本のプロパガンダ】 貴志俊彦著、中央公論新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/30予約、副本1、予約5)>rakuten帝国日本のプロパガンダ【しょぼい生活革命】内田樹×えらいてんちょう著、晶文社、2020年刊<「BOOK」データベース>よりほんとうに新しいものは、いつも思いがけないところからやってくる!仕事、結婚、家族、教育、福祉、共同体、宗教…私たちをとりまく「あたりまえ」を刷新する、新しくも懐かしい生活実践の提案。しょぼい起業でまっとうな資本主義を再生/もののはずみで家族になる/国家が掲げる大義名分より仲間が大事…世界を変えるには、まず自分の生活を変えること。熟達の武道家から若き起業家へ、世代間の隔絶を越えて渡す「生き方革命」のバトン。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenしょぼい生活革命【資源争奪の世界史】平沼光著、 日経BP 日本経済新聞出版本部、(2020年刊)<商品の説明>よりスパイス、石油、再生エネルギーー。人類は資源をめぐり争奪・競争・開発を繰り返してきた。資源なき日本とドイツが資源覇権国のアメリカ、イギリスに挑んだのが第二次世界大戦だ。石油の時代の終焉を迎え、資源エネルギーの潮流はどのような方向に向かうのか、そしてそれはどのような争奪戦や競争を引き起こすのか。資源エネルギーの歴史を紐解くことで未来をも展望する、かつてない世界史<読む前の大使寸評>追って記入rakuten資源争奪の世界史【日本人はどう住まうべきか?】養老孟司×隈研吾著、日経BP、2012年刊<「BOOK」データベース>より都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。【目次】第1章 「だましだまし」の知恵/第2章 原理主義に行かない勇気/第3章 「ともだおれ」の思想/第4章 適応力と笑いのワザ/第5章 経済観念という合理性/第6章 参勤交代のスヽメ<読む前の大使寸評>追って記入rakuten日本人はどう住まうべきか?図書館大好き570
2022.11.17
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図書館で『カーヴの隅の本棚』という本を、手にしたのです。【カーヴの隅の本棚】鴻巣友季子著、文藝春秋、2008年刊<「BOOK」データベース>より小説を読みつつ記憶のカーヴを探り、ワインの製法をたどり文学の本質に迫る。【目次】家政婦の血抜き/白バラの香り/そこに現前するもの/詩人の蝋燭/蛙を池にもどす/余韻の成分/骨肉の争い/描写の成分/訳しえぬもの/ハンプティ・ダンプティの口ぶり〔ほか〕<読む前の大使寸評>追って記入rakutenカーヴの隅の本棚翻訳のコツが語られているあたりを、見てみましょう。p98~100<おいしい新訳> その昔、ある処に、Meursault村の Charmeを飲んで、「ぜんぜんスモーキーでもバターっぽくもなく、やたらミネラルが強くて、酸っぱい」と言って怒った人がいた。これらはまさに、少なくとも若いMeursaultの特徴そのものなのであって、怒られる謂われはないのだが、こういう思い違い(?) が以前はよくあった。かく言うわたしもひと頃は・・・よく飲んでいたのはComtes-Lafonのものなのに・・・ひとえに先入観から、Meursaultはスモーキーでバタリーだと考えていた気がする。 いま思うと、「どこが!」と自分に突っ込みたくなるが、Ðominique Lafonや Coche-Ðuryらが大スターになる前の時代、そんな印象をもたらすMeursaultはよくあった。オーク樽を製造するさいこの産地では木板を火で炙って曲げるので、焦げた・煙ったような香りがつくのだという「説」もあるが、この製造法をとるのは同地方だけではない。(中略) * 前章では、先行する作品や解釈からの影響といった問題にふれた。翻訳者というのは原著に対してつねに「遅れてきた者」になるが、新訳者はその「遅れ」に輪をかけることになる。 新訳のさい、既訳を意識する・読む訳者と・意識しない・読まない訳者がいる。わたしはといえば、前者。すべての既訳に目を通すわけではないが、なぜ読むか、再読するかというと、先行する翻訳家のスタンスを知るということが、まずある。翻訳姿勢は訳文から垣間見えることもあるし、往年の古典訳書に決まって付されていた詳細な「訳者あとがき」からも窺うことができる。 当時のどんな考え方や学説の影響をうけて訳したか、知っておくのもわるくない。先行訳者の立ち位置というのは往々にして、作品の歴史的な受容のされ方を知るてがかりとなるからだ。後続の書き手というのは、先行作家からのダイレクトな影響ばかりでなく、読者の受けた「影響の影響力」もむろん被ることになる。 わたしが『嵐が丘』を翻訳したさいには、この小説が日本ではほぼ悲劇一辺倒の読まれ方をしてきたこと、また、語り手の存在が重視されていないことを実感するにつれて、違和感がつのり、結局はその違和感に照らされて、自分が漠然ともっていた「嵐が丘」が鮮明になり、「コミカルな場面はコミカルに」「語り手の家政婦も主役の一人として捉える」という翻訳姿勢が固まったと言える。原文と英語の研究所を読んでいるだけでは、こうしたヴィジョンは得られなかったろう。『カーヴの隅の本棚』1:中上健次や多和田葉子
2022.11.17
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図書館で『カーヴの隅の本棚』という本を、手にしたのです。【カーヴの隅の本棚】鴻巣友季子著、文藝春秋、2008年刊<「BOOK」データベース>より小説を読みつつ記憶のカーヴを探り、ワインの製法をたどり文学の本質に迫る。【目次】家政婦の血抜き/白バラの香り/そこに現前するもの/詩人の蝋燭/蛙を池にもどす/余韻の成分/骨肉の争い/描写の成分/訳しえぬもの/ハンプティ・ダンプティの口ぶり〔ほか〕<読む前の大使寸評>追って記入rakutenカーヴの隅の本棚中上健次や多和田葉子が語られているあたりを、見てみましょう。p77~79<言語のゆらめき、味覚のひびき> わたしが管啓次郎の著書から教わった大切なことばのひとつに、「オムニフォン」という語がある。管氏自身、マルチニクの小説家・パトリック・シャモワゾーの『支配された邦で書くこと』という本で知ったことばだと言う。 omni-は「全ての」「遍く」という意味の接頭語。菅氏の『ホノルル、ブラジル 熱帯作文集』(インスクリプト)のなかの「よく見つめよく耳をすませば、どんな小さな言語にも、すでに世界の全体が響いている」という1行は、翻訳者であるわたしが読めば、かのベンヤミンの「翻訳をとおしてすべての言語が手をとりあい、大きなひとつの言語にむかっていく」といった説と共鳴しあう。 すべての音がひと所に響くこと。ひとつの音が遍く響くこと。汎アジア的なオムニフォン日本語の創始者として本書で挙げられているのは、中上健次だ。エクソフォン(母語の外に出た)作家・多和田葉子とも響きあうところがあるだろう。 『ホノルル、ブラジル』は言語にくわえ、人間の口を介するもうひとつの活動を思索の糸口にしている。食、味覚である。本書では、タロ芋をすすって発酵させたハワイのポイや、バナナの葉に包まれたインドのイドリスのような“ローカルな”料理にも、世界のあらゆる味・・・人々の歴史と記憶が響くことになる。 味覚のオムニフォン(無理やり造語を作ると、オムニジョージアomnigeusiaだろうか)はいかにして成るのか。そのキーとなるものとは、菅氏によれば、「獲得された味覚」つまり後天的嗜好だ。ミルクや果汁を最初から美味しいと思うのが先天的な味覚なら、コーヒーや酒、発酵食品など、接しつづけるうちに身につく嗜好は後天的なもの。 現代において、わたしたちは誰もが移住者として、「異なった背景、知識、味つけを持ち寄り、すこしずつ歩み寄り、発見を分ちあい、互いに自分を少しずつ作り替えてゆく。アクワイアード・テイスツ、すなわち『はじめはなじめなかったのにいつのまにか大好きになった、獲得されたあれこれの嗜好』は、移住者と移住者を衝突と融合を基本的メカニズムとするわれわれの世界都市で、『つなぎ』としての役割をはたすことになる」と言う。 世界をつなぐのは、同一性ではなくむしろ相違性だというのは、翻訳者にとって日々肌で感じることで、ごく自然に共感した。 英語にはYou are what you eat(人は自分の食べたものでできている)という言い方があるそうだ。人間の「口」に関わるふたつのもの、言葉と味覚に思いをめぐらすこの本を読むうちに、わたしは不思議な感覚にとらわれはじめた。食物となって入った「味」が、ぐるぐると何巡もしながらわたしを作り替え、ことばとなってまた口から出てくるという図が浮かび、妙な現実感をもってせまってくる。 人間はことばの素となるものを、多く口から摂取しているのだ。そうなると、この食べ物は、このワインは、いずれどんなひびき、どんなことばとなって出てくるだろう?などと思ううちに、ワインになんとなく音が聞こえてきたりして、ちょっとしたシネステジー的感覚に襲われた。口から出てきたことばが文化を生み、文化が職をつくり、その食べ物を口に入れたにんげんが・・・終わりのない循環。 『ホノルル、ブラジル』では、ロンドン、ニューヨーク、クアラルンプール、マラッカがチャイナタウンという言語と食の異文化をとおして「奇妙な振動」を共有する。フィレンツェのヴェッキオ橋は、そのまま台北の亭〇脚に、梅田駅前の歩道橋につながっている。そうか、アクワイアード・テイストとは共振することなのだ。人は「口=ことばと味」をとおして、衝突し、揺れあい、融けあって、作り替えられる。 ところで、一本のワインにも世界中の味は響いているだろうか? もちろん。と言いたいところだが、この四半世紀近くはそうとも言えない事態が出てきている。ウーム 鴻巣さんの、この長回しの文章を読んで理解するのは、ちょっと難しいがな。
2022.11.16
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「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、印鑰さんは@、櫻井さんは*、西加奈子さんは♪で区別します)・図書館の戦い・村上文学の意義について・統一教会、安倍国葬について他・安倍政治を総括する・選挙と公約・無作法と批評性・徒然草 訳者あとがき・勇気について・病と癒しの物語『鬼滅の刃』の構造分析・「アウトサイダー」についての個人的な思い出とささやかな感想・コロナ後の世界 ・格差について・『コロナ後の世界』まえがき・紀伊田辺聖地巡礼の旅・成長と統治コスト・『日本習合論』中国語版序文・日本のイデオクラシー・後手に回る政治・倉吉の汽水空港でこんな話をした。(目次全文はここ)(その49):『図書館の戦い』を追記2022-11-13図書館の戦いより ご存じだと思うけれど、図書館は今危機的な状況にある。どこの自治体でも図書館はコストカットの標的になっている。その社会的有用性を数値的・外形的に証明することが困難な事業だからである。図書館が市民の知的成熟にどう裨益したのか年度末までに数値的なエビデンスを示せと言われても無理である。予算を投じた分のアウトカムが示せないものは不要な事業だと言われても反論が難しい。だから、図書館予算は削られ、司書は解雇され、民営化される。 でも、司書たちにとって一番つらいのはどういう本を配架するかについて市場原理を押し付けられることだと聞いた。利用者が読みたがる本だけを置け、閲覧実績のない書籍は廃棄しろ、とにかく来館者を増やせ...というようなことを言われるらしい。だが、それは話が違うと私は思う。 私自身の「図書館の思い出」は、人気のない書架の間をこつこつと靴音を立てながら長い時間歩いていたことである。左右を見回すとどこまでも続く書架に無数の本が並んでいる。でも、そのほとんどについて私は書名も著者名も知らない。そんなものがこの世に存在することさえ知らなかった専門領域の書物が並んでいる。私が死ぬまでに読むことができる本はせいぜい数千冊だろう。でも、それは今目の前に並んでいる書物の1%にも及ばない。私はここに蓄積された人類の知のほとんどを知らぬままに死ぬのだ。中学生のころから、私は折に触れて図書館の中を長い時間さまよったけれども、そこで一番骨身にしみたのは「読みたい本がこんなにある」という喜び以上に「読むことなく生涯を終える本がこんなにある」というおのれの知見の狭さについての痛切な自覚だった。 図書館はそこを訪れた人たちの無知を可視化する装置である。自分がどれほどものを知らないのかを教えてくれる場所である。だから、そこでは粛然と襟を正して、「寸暇を惜しんで学ばなければ」という決意を新たにする。図書館の教育的意義はそれに尽くされるだろう。 もし、図書館の書架が「自分がもう読んだ本とこれから読むはずの本」で埋め尽くされていたら、人はどう感じるだろう。この世のほとんどについてだいたいのことは自分にはわかっていると思い込んだ人間ばかりで構成された社会がどれほど重苦しく、淀んで、風通しの悪いものか、少しでも想像力があれば、わかるはずだ。 2022-10-19村上文学の意義についてより 文壇にはじめて登場したころ、村上作品は70~80年代のポップで軽快な都市生活者のための文学だと言われた。その評語は今となってはまったくお門違いであることがわかる。現に、村上春樹は世界中の「ポップでも軽快でも都市的でもない人たち」のうちにも多数の読者を獲得したからである。現代日本作家で、これだけ多くの外国語に訳され、人種も宗教も階層も異にする読者たちの支持を得ている人は例外的である。なぜ、村上文学はこれほどの普遍性を持ち得たのか。 私の仮説は、それは彼が「存在しないもの」との交渉を書き続けたからだというものである。「現に目の前にリアルに存在するもの」について書かれた作品の場合には、一読して「この作品は自分を読者に想定していない」と確信できることがある。そこで行き交うジャルゴンも意味ありげなしぐさもまったく理解できない作品の場合、私たちはすぐに本を閉じてしまう。けれども、仮に遠い国の、遠い時代のものであっても、登場人物たちが「あり得ない場所」で、「存在しないもの」に出会って、傷ついたり、癒されたり、別人に変貌したりするという物語はある種の普遍性を持ち得る。なぜなら、「存在しないもの」に対しては、どの時代の、どこの国の人も(無縁である度合いにおいて)等距離にあるからである。逆説的だが「存在しないもの」のリアリティーは歴史的・地理的な限定を超えるのである。 村上文学では「この世ならざるもの」、人知を以ては計りがたいものが私たちの世界に繰り返し侵入してくる。そして、愛する人を拉致し去り、人を取返しのつかない仕方で傷をつける。でも、これは有史以来世界中の人びとが経験してきたことの実感なのだと思う。「存在しないもの」は「存在するとは別の仕方で」私たちにフィジカルに切迫してくる。「存在しないはずのもの」が現にリアルに、タンジブルにそこにある時に、それとどう向き合うのか、どうやってそれと折り合いをつけることができるのか。そのような問いについていくつか有用な経験知を人類は伝えてきた。ルーティンを守ること、礼儀正しいこと、「ありもの」で急場の用を便じること、抑制的であること、世の大事の多くは「原理の問題」であるよりも「程度の問題」であると知ることなどなど。私たちが「成熟」の指標としていることの多くがここには含まれる。そのような実践知の意味が身に沁みる人たちは世界に散らばっている。彼らが村上文学の読者を形成しているのだと私は思う。(週刊金曜日10月13日号)2022-09-12統一教会、安倍国葬について他より―安倍さんを「嫌韓」と思っていた勢力は、実は安倍さんが反日的な韓国の団体と親しかったと判明し、「親韓」にすら見えかねない。内田 安倍元首相の韓国に対するスタンスは、ネトウヨの感情的な「嫌韓」とはかなり異質なものだったと思います。彼の場合は感情的な「嫌韓」でも「親韓」でもない、もっと複雑なものです。とりあえず彼にとって優先するのは、国と国との関係じゃなくて、誰が自分の味方で、誰が敵かということです。自分に反対する人間は自国民であっても敵だし、自分を支援する人間は隣国の人間でも味方である。そういう人のことを「ナショナリスト」とは言いません。―岸首相のころから韓国とは反共で提携してきたわけですが。内田 僕の遠い親戚に平野力三という人がいました。戦前は農村組合の活動家で、戦後は社会党の片山哲内閣の農相を務めた政治家でしたが、彼のオフィスに朴正煕大統領からの贈り物の金と翡翠の置物が飾ってありました。どうして社会主義者のはずの人が朴大統領と繋がりがあるのか訊いたら「君らには分からないことがいろいろあるんだ」と笑っていました。反共主義の日韓ネットワークはかなり幅広く、奥の深いものであることだけは分かりました。 朴正煕は日本の陸軍士官学校の出身で、関東軍に配備された後に満洲国軍中尉で終戦を迎えています。大日本帝国の軍人的エートスがかなり深く浸み込んでいる。ですから、大日本帝国への回帰を夢見る日本の右翼と体質的に親和性があっても不思議はありません。ただ、韓国民に根強い反日感情を配慮して、親日的と解されかねない言動についてはきびしく自制していたのだと思います。1965年の日韓基本条約については韓国内ではこれを「売国的」な条約だとして、激しい反対運動があったわけですけれど、朴大統領は強行採決した。おそらく、条約が締結された場合に見返りとして巨額の政治資金の提供を日本側が大統領に約束したからでしょう。 でも、こういう日韓の権力者間のアンダーグラウンドのつながりについては、当時の日本人たちはほとんど知らなかった。もちろん野党やメディアの調査力が弱かったということもありますけれど、おおかたの日本人は日本と韓国が複雑なパワーゲームをしているという事実そのものに興味がなかったか、興味がないふりをしていた。 韓国の最初の大統領李承晩は日韓併合時代はアメリカにいて、現実の日本人との交渉経験のなかった人物です。ですから、李承晩の対日政策は非常に敵対的、硬直的なものでした。それに比べると、朴正煕の対日政策はもっとリアルで複雑なものだったと思います。でも、李承晩から朴正煕へのシフトによって日韓関係がその後どういうふうにねじれてゆくのかを理解していた人は、両国のインターフェイスにいた一握りの「フィクサー」たちを除くと、日本の一般国民の中にはほとんどいなかったと思います。事情は韓国でも同じでしょう。日韓の両国民ともが日韓の権力者の間には入り組んだ利害関係があるというような話は知らなかったし、知りたくもなかったんだと思います。以降の全文は内田先生かく語りき38による。
2022.11.16
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図書館で『「スパコン富岳」後の日本』という本を、手にしたのです。【「スパコン富岳」後の日本】小林雅一著、中央公論新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界一に輝いた国産スーパーコンピュータ「富岳」。新型コロナウイルス対応で注目の的だが、真の実力は如何に?「電子立国・日本」は復活するのか?新技術はどんな未来社会をもたらすのか?莫大な国費投入に見合う成果を出せるのか?開発責任者や、最前線の研究者(創薬、がんゲノム医療、宇宙など)、注目AI企業などに取材を重ね、米中ハイテク覇権競争下における日本の戦略や、スパコンをしのぐ量子コンピュータ開発のゆくえを展望する。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten「スパコン富岳」後の日本量子コンピュータが語られているので、見てみましょう。p191~195<第5章 量子コンピュータ 日本の実力> スパコンに象徴される激しいハイテク開発競争の先に垣間見えるのは、異次元の計算速度を誇る「量子コンピュータ」の登場だ。 富岳が2期連続の4冠を達成した翌月の2020年12月、中国科学技術大学などの研究チームは、「光を使った量子コンピュータで量子超越性を実現した」と米『サイエンス誌』に発表した。 量子超越性とは、スパコンを含め従来型のコンピュータでは絶対に到達できない、あるいは量子コンピュータのみが到達できるとされる超高速計算を意味する。 中国の研究チームは多数の光子検出器と光量子計算の技術を組み合わせた実験装置を使い、干渉し合う多くの「ボソン(Boson)」をある種のシミュレーションで検出する「ガウシアン・ボソン・サンプリング」の実験を行った。 ちなみに、この世界に存在するさまざまな素粒子はボソン(ボース粒子)とフェルミオン(フェルミ粒子)の2種類に大別され、光を構成する素粒子である光子はボソンに分類される。 ガウシアン・ボソン・サンプリングの実験で量子超越性を証明するためには、有限の時間内に少なくとも50個の光子を検出する必要がある。これに対し今回、中国の研究チームは76個の光子を検出することに成功し、それに要した時間は200秒だった。 これと同じシミュレーションを中国のスパコン神威太湖之光で行うと25億年、日本の富岳で行うと6億年かかると主張しているが、要するに「いかに超高速のスパコンでも、従来型のコンピュータでは事実上、有限の時間内にこの計算を終えることはできない」と言いたいわけだ。今回の中国チームの実験について、英インペリアル・カレッジ・ロンドンの物理学者イアン・ワルムスレイ博士は「この装置(量子コンピュータ)では実際に役に立つ問題を解くことはできない」としつつも「これは間違いなく異形であり、重要なマイルストーンだ」と高く評価している。 この発言からもわかるように、おそらく桁外れのポテンシャルを秘めつつも今なお実用化にはほど遠いと見られるのが量子コンピュータだ。それは私たちにとって実態が掴みがたく、いわば謎に包まれた存在でもある。■量子コンピュータとは何か? 量子コンピュータとは、「分子」や「原子」あるいは「電子」のようなミクロ世界の現象を説明する量子力学を、計算の原理に応用した画期的なコンピュータだ。 20世紀序盤、デンマークやドイツなど欧州を中心に確立された量子力学は、現代自然科学のバックボーンとして、その後の個体物理学や電子工学を生み出す礎となった。 これら新たな学問や技術は、半導体など個体中の電子の挙動を見事に解明し、これを自由自在に操ることを可能にした。それによって20世紀後半に、多彩なエレクトロニクス産業の開花を促した。私たちが今使っているパソコンや液晶テレビ、スマートフォンなど便利なIT機器は、元を辿れば量子力学のお蔭と言っても過言ではない。 1980年代初頭、世界的に有名な物理学者である米国のリチャード・ファインマン博士が、量子力学とコンピュータに関する講演の中で「自然のシミュレーションを行うには量子力学的に実現すべきだ」と述べた。実際に「量子コンピュータ」という言葉を使ったわけではないが、一般にファインマン博士のこの発言が世界で初めて量子コンピュータの実現可能性を示唆したものと見られている。 その後、英国のデイヴィッド・ドイッチュ博士ら先駆的な物理学者が、量子コンピュータを開発するための具体的な方式をいくつか提案した。いずれも「量子並列性(quantum parallelism)」と呼ばれるミクロ世界の不可思議な現象を、計算の原理へと転化したものだ。 私たちの生きる日常世界では、白はあくまで白であり、決して黒ではない。しかし量子力学によって説明されるミクロな世界では、「白は白であると同時に、黒でもある」という奇妙な状況が成立する。要するに、一つのモノが同時にいくつもの異なる状態を取り得る。これが「量子並列性」と呼ばれる現象だ。 量子コンピュータでは、この量子並列性を利用して、1台のコンピュータの内部に自らの分身を無数に作り出す。これは無数の分身が協力して一つの仕事をこなすので、その結果として超高速の計算が実現されるのだ。 2019.03.30『2019年、日本上陸 量子コンピューター』4 なお、本日「富岳 6期連続世界一」との報道があったが・・・すごいがな♪『「スパコン富岳」後の日本』2:米中ハイテク覇権『「スパコン富岳」後の日本』1:日本の技術的基盤について
2022.11.15
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図書館で『「スパコン富岳」後の日本』という本を、手にしたのです。【「スパコン富岳」後の日本】小林雅一著、中央公論新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界一に輝いた国産スーパーコンピュータ「富岳」。新型コロナウイルス対応で注目の的だが、真の実力は如何に?「電子立国・日本」は復活するのか?新技術はどんな未来社会をもたらすのか?莫大な国費投入に見合う成果を出せるのか?開発責任者や、最前線の研究者(創薬、がんゲノム医療、宇宙など)、注目AI企業などに取材を重ね、米中ハイテク覇権競争下における日本の戦略や、スパコンをしのぐ量子コンピュータ開発のゆくえを展望する。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten「スパコン富岳」後の日本米中ハイテク覇権が語られているので、見てみましょう。p167~170<第4章 米中ハイテク覇権争いと日本> 近年のトランプ政権下で始まった米中貿易戦争は、やがて中国のIT企業「ファーウェイ」や動画サービス「ティックトック」などをめぐるハイテク覇権争いへと発展し、2021年に発足したバイデン政権へと引き継がれた。それは両国の狭間で身を屈めてチャンスを窺う巨大経済圏EUや日本を巻き込み、国際政治と先端技術が複雑に絡み合う「テクノ・ポリティクス」時代の幕開けを告げている。 これを象徴するのがスーパーコンピュータの開発競争だ。スパコンが次なる「エクサ・スケール(1000ペタ級)」に向けて世代交代の時期を迎える中、「富岳の世界ナンバーワンは短期間に終わる」との見通しも当初囁かれたが、間もなく相反する見方も出てきた。 米中のハイテク覇権争いの影響などから、両国による次世代スパコンの開発プロジェクトが滞る気配があるのだ。これらエクサ級のスパコンが実現されない限り、優に440ペタ以上の性能を誇る富岳の世界王座は当面揺るがない。『ニューヨーク・タイムズ』の報道によれば、世界初のエクサ・スケールに到達するスパコンの有力候補と見られたオーロラの開発がかなり遅れているという。オーロラは米エネルギー省の発注を受け、米インテルとHPEクレイが共同で開発を進めている次世代スパコンだ。 米国のスパコンは歴史的に「核実験のシミュレーション」など軍事用途を念頭に開発されてきたが、近年は産業用途の割合が増加している。オーロラのようなエクサ級スパコンの場合、たとえば代替エネルギーの開発や気候変動対策、あるいはコロナのような感染症に対処するための迅速な新薬開発、さらに学術分野では「コネクトーム」と呼ばれる脳内のニューロン接続図、ひいてはアルツハイマー病のような認知症の治療研究など、実に広範囲の用途が期待されている。が、どれほど大きなポテンシャルを秘めていようとも、実際のモノができない限りどうしようもない。 当初の計画では、オーロラは21年までに米エネルギー省の管轄下にあるアルゴンヌ国立研究所が予定通りに完成・納入されるのは、ほぼ絶望的になったという。(中略)■エクサ級CPUの開発をインテルに委託 以前にも紹介したように、これら最新鋭のスパコンは、いずれも「マルチコア・マルチ・プロセッサ」による並列処理方式を採用している。これは個々のCPUやGPUなどプロセッサ内部に多数のコアを組み込んで、そのようなプロセッサを何万個、あるいは何十万個も並列接続して、一斉に同時計算をさせる方式だ。これにより、たとえば「流体力学シミュレーション」や「AIのビッグデータ処理」など、現代社会で求められている大規模な計算を超高速で実行できる。 このような方式でエクサ・スケールの性能を実現するには、基本的なアーキテクチャ(設計仕様)を革新したり多数のCPUを相互につなぐインターコネクト(並列処理用のネットワーク技術)を磨くと同時に、個々のプロセッサ自体を高速化する優れた半導体技術も必要となる。このために、米エネルギー省は次世代スパコンの開発をアーキテクチャを担当するクレイ社と並んでインテルに発注したのだ。(中略) しかし、エネルギー省が次世代スパコンの開発をインテルに任せたのは、それだけが理由ではない。もう一つの大きな理由は、同社が半導体製品の設計から製造まで全工程をカバーするオールラウンド・プレイヤーであることだ。『「スパコン富岳」後の日本』1:日本の技術的基盤について
2022.11.15
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図書館で『「スパコン富岳」後の日本』という本を、手にしたのです。【「スパコン富岳」後の日本】小林雅一著、中央公論新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界一に輝いた国産スーパーコンピュータ「富岳」。新型コロナウイルス対応で注目の的だが、真の実力は如何に?「電子立国・日本」は復活するのか?新技術はどんな未来社会をもたらすのか?莫大な国費投入に見合う成果を出せるのか?開発責任者や、最前線の研究者(創薬、がんゲノム医療、宇宙など)、注目AI企業などに取材を重ね、米中ハイテク覇権競争下における日本の戦略や、スパコンをしのぐ量子コンピュータ開発のゆくえを展望する。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten「スパコン富岳」後の日本富岳日本の技術的基盤について、バブル崩壊と今後の希望が語られているので、見てみましょう。p14~17<第1章 富岳 世界№1の衝撃> 2020年6月、スーパーコンピュータの計算速度などを競う世界ランキングで、日本を8年半振りの首位に導いた富岳。コロナ禍に沈む暗い世相の中で、久し振りの明るいニュースとなった。毎年2回発表されるランキングで、富岳は同年11月にも2期連続となる世界一に認定された。 スパコンはそれを開発した国の技術・経済力など「国力」を反映すると言われる。1993年に米独の研究者らが世界ランキングを発表し始めてから15年余りの間は、日本と米国のスパコンがほぼ交代で首位を占めてきた。しかし2010年以降は中国がそこに割り込み、近年は米中の二強体制となっていた。 今回、理研と富士通が共同開発した富岳によって、日本が逆にその二強体制に割って入った形だ。確かに米中両国は今、計算速度において「エクサ(10の18乗)」級と呼ばれる次世代スパコンを開発中で、これら超高速ましん富岳はいずれ追い抜かれるだろう。 しかし、この種のスピード競争は将来に渡って続き、さらにその先、日本のマシンが逆に米中を追い抜くことも十分考えられる。重要なのは一時の順位ではなく、日本が今でもスパコンに代表される世界的なハイテク開発競争の最前線にあると立証された点にある。それによって日本の技術者やビジネスパーソン、ひいては産業界全体が少なからず自信を取り戻せたことには大きな意味があるだろう。 富岳が持つ、もう一つの重要な意味はおそらく、これからの日本が厳しい国際社会の中で生き抜いていくために、何を頼りにすべきかをあらためて示したことにある。 かつて80年代の日本は便利で高品質のエレクトロニクス製品や、その部品となるDRAMなど半導体で世界市場を席巻し、欧米諸国との激しい貿易摩擦を引き起こす一方で、「ハイテク・ジャパン」「電子立国」などと世界から称賛された。 しかし80年代バブルの崩壊、そして90年代の世界的インターネット・ブームを経て、これら日本の基幹産業は徐々に存在感を失っていった。今世紀に入るとGAFAに代表される米国の巨大IT企業が世界に何十億人ものユーザーを抱え、産業界でも支配的な地位を占めるようになった。 一方、日本は深刻な少子高齢化と国内需要の低迷、巨額の累積債務などを前に、これら難局を打開する新たな成長産業をなかなか育成することができない。近年では唯一、希望の光と見られた観光業界のインバウンド需要もコロナ禍で蒸発し、日本の産業界には先行きの見えない深い霧が立ち込めていた。 そうした中でスパコン富岳が世界ナンバーワンに輝いたのである。それは日本画疲弊した経済を立て直し、新たな成長軌道に乗るためには、どれほど厳しい国際競争に身を置こうとも、結局は科学技術立国をめざすしかないこと、そしてそれがおそらく今も可能であることを示唆していた。 だが、そこには富岳の一つ前の国策スパコンとして、11年に同じく世界1位にランクされた「京」が微妙な影を落としている。 同じく理研と富士通が共同開発した京は、科学技術計算の基盤として研究者の間では活用が進んだものの、企業による利用は約100社に止まり、日本の産業競争力の強化につながったとは言いがたい。「富岳もその二の舞になるのではないか」という懸念は当然ある。 華々しいデビューを遂げた富岳は、本当に「ハイテク・ジャパン」や「電子立国」復活の期待を担うほどの実力があるのか。それを検証するため、以下では、その基本性能や技術的特徴、産業的な用途、さらには国際的評価なども含めて見ていくことにしよう。■日本勢のスパコンが世界タイトルを独占 富岳が他を寄せ付けない圧倒的性能を見せつけたのは、2020年6月に発表された第55回の世界スパコン・ランキングだ。これは世界各国が開発・稼働している多数のスパコンを、各種のベンチマーク・テストで計測した実測性能で順位付けしたもの。ベンチマークの種類に対応して全部で5部門からなり、年に2回順位が更新される。 これら最新のランキングは毎年、ドイツで6月、米国で11月に開催されるスパコン関連の国際会議で発表される。 5部門の中でも、世界的に最も注目されるのは「TOP500」だ。これはスパコンの「基本的な計算速度」にもとづくランキングで、1993年に始まった最も由緒ある部門でもある。「LINPACK」と呼ばれるベンチマーク・テストでスパコンの計算速度が計測され、世界における上位500のマシンが発表される。 ここで富岳は416ペタ・フロップス(ペタは10の15乗)を記録して第1位にランクされた。これは毎秒41.6京回(京は兆の1万倍)の浮動小数点演算を実行できる計算能力を意味する。 ちなみに第2位にランクされたスパコンは米オークリッジ国立研究所で使われている「サミット(Summit)」で、その速度は149ペタ・フロップス。つまり富岳は2位の約2.8倍となるスコアを記録して断トツ1位にランクされたことになる。 日本製スパコンが世界のTOP500で1位になるのは、11年11月の第38回ランキングで首位に認定された京以来、8年半振りとなる。
2022.11.14
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・今村翔吾『塞王の楯』(1/21予約、副本11、予約522)現在84位・「監視資本主義」(2/07予約、副本1、予約30)現在3位・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在187位・女のいない男たち(3/31予約、副本8、予約207)現在42位・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、副本3、予約49)現在15位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在20位・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、副本2、予約19)現在8位・松本修『言葉の周圏分布考』(8/15予約、副本1、予約16)現在12位・小田嶋隆『東京四次元紀行』(8/29予約、副本2、予約20)現在13位・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』(9/07予約、副本1、予約3)現在2位・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、副本2、予約99)現在86位・デイブ・グールソン『サイレントアース』(10/01予約、副本2、予約13)現在9位・『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』(10/09予約、副本1、予約12)現在10位・『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』(10/14予約、副本2、予約10)現在9位・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、副本2、予約65)現在63位・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、副本2、予約56)現在56位・阿川佐和子『アガワ家の危ない食卓』(11/13予約、副本8、予約5)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・嶋田博子『職業としての官僚』・温又柔『李良枝セレクション』・真山仁『“正しい”を疑え!』・養老孟司『形を読む』・半藤一利『太平洋戦争への道 1931-1941』:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・『猫の文学館I』『猫の文学館Ⅱ』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:7/22以降> ・山下裕二『商業美術家の逆襲』(7/17予約、7/22受取)・鎌倉殿と13人の合議制(5/18予約、7/28受取)・テッド・チャン『あなたの人生の物語』(8/23予約、8/30受取)・ブレイディみかこ『両手にトカレフ』(7/01予約、10/14受取)・人新世の「資本論」(12/18予約、10/19受取)・絲山秋子『まっとうな人生』(6/21予約、10/19受取)・温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』(9/22予約、10/19受取)・『スマホ脳』(1/28予約、10/27受取)・『帝国日本のプロパガンダ』(7/30予約、11/15受取予定)**********************************************************************【塞王の楯】今村翔吾著、集英社、2021年刊<出版社>より近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>shueisha塞王の楯【監視資本主義】 ショシャナ・ズボフ著、東洋経済新報社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界的ベストセラー!監視資本主義という言葉を生み出したハーバード・ビジネススクール名誉教授が描く新世界。私たちを急襲する隠された力とその対抗策。オバマ元大統領が選ぶ2019年ベストブック選出!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/07予約、副本1、予約30)>rakuten監視資本主義【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【女のいない男たち】村上春樹著、文藝春秋、2014年刊<「BOOK」データベース>より絡み合い、響き合う6編の物語。村上春樹、9年ぶりの短編小説世界。【目次】ドライブ・マイ・カー/イエスタデイ/独立器官/シェエラザード/木野/女のいない男たち<読む前の大使寸評>村上春樹の短編小説集ってか・・・『1Q84』ブームの後に、こんな本が出ていたとは、春樹ファンを自認している大使としては不覚であった。rakuten女のいない男たち【ブルシット・ジョブの謎】酒井隆史著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かすー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/02予約、副本3、予約49)>rakutenブルシット・ジョブの謎【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか【東京四次元紀行】小田嶋隆著、イースト・プレス、2022年刊<出版社>よりなんだ、小説じゃないか? そう、これはコラムではない。稀代のコラムニストが、初めての小説を通して描く東京の街と人々<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/29予約、副本2、予約21)>rakuten東京四次元紀行【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース【ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場】宮嶋茂樹著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より二〇二二年二月二十四日、ロシアによるウクライナ侵攻。不肖・宮嶋は還暦過ぎの老体にムチ打って「ワシが行かんと誰が行く?」と最後の戦場を目指す。三月十二日にキーウ入りして以来、四月十七日に出国するまで各地で取材。そして五月、ふたたびウクライナへ。戦火の下、不肖・宮嶋が見た「戦場の真実」とは?<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(10/09予約、副本1、予約12)>rakutenウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場【潜入ルポ アマゾン帝国の闇】横田増生著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より潜入ジャーナリストが巨大倉庫で見た“便利の裏側”とは?第19回新潮ドキュメント賞受賞作。【目次第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入/第2章 アマゾンではたらく社員の告発/第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす/第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪/第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望/第6章 わが憎しみのマーケットプレイス/第7章 フェイクレビューは止まらない/第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか/第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル/第10章 “デス・バイ・アマゾン”の第一犠牲者<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(10/14予約、副本2、予約10)>rakuten潜入ルポ アマゾン帝国の闇【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<出版社>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染【アガワ家の危ない食卓】 阿川佐和子著、新潮社、2020年刊<出版社>より朝ご飯を食べながら「今夜は何を食わせてくれるのかね?」と訊き、「まずいものは食いたくない」がモットーの父・弘之。そんな食いしん坊で怒りん坊の亭主と四人の子供のために台所に立ち続け、齢九十をこえた母。そして女優業にも忙しくなった娘。毎食が波乱含みの食卓の情景で綴る一家の歴史。和田誠氏への追悼文を附す。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/13予約、副本8、予約5)>shinchoshaアガワ家の危ない食卓【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム【帝国日本のプロパガンダ】 貴志俊彦著、中央公論新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/30予約、副本1、予約5)>rakuten帝国日本のプロパガンダ
2022.11.14
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「女性作家」でしょうか♪<市立図書館>・カーヴの隅の本棚・猿の見る夢・HOTEL IRIS・「スパコン富岳」後の日本<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【カーヴの隅の本棚】鴻巣友季子著、文藝春秋、2008年刊<「BOOK」データベース>より小説を読みつつ記憶のカーヴを探り、ワインの製法をたどり文学の本質に迫る。【目次】家政婦の血抜き/白バラの香り/そこに現前するもの/詩人の蝋燭/蛙を池にもどす/余韻の成分/骨肉の争い/描写の成分/訳しえぬもの/ハンプティ・ダンプティの口ぶり〔ほか〕<読む前の大使寸評>追って記入rakutenカーヴの隅の本棚【猿の見る夢】桐野夏生著、講談社、2016年刊<「BOOK」データベース>より薄井正明、59歳。元大手銀行勤務で、出向先ではプチ・エリート生活を謳歌している。近く都内に二世帯住宅を建築予定で、十年来の愛人・美優樹との関係も良好。一方、最近は会長秘書の朝川真奈のことが気になって仕方ない。目下の悩みは社内での生き残りだが、そんな時、会長から社長のセクハラ問題を相談される。どちらにつくか、ここが人生の分かれ道ー。帰宅した薄井を待っていたのは、妻が呼び寄せたという謎の占い師・長峰。この女が指し示すのは栄達の道か、それとも破滅の一歩か…<読む前の大使寸評>追って記入rakuten猿の見る夢【HOTEL IRIS】Yoko Ogawa著、 Vintage、(2011年刊)<商品の説明>よりBoth very weird and very good... Image by perfect image, we are led down into a mysterious and gripping universe, simultaneously beautiful and terrifying... From the opening sentences of Hotel Iris you know that every word will count and that every scene will be the occasion for strong and strange feeling (Times Literary Supplement)<読む前の大使寸評>追って記入amazonHOTEL IRIS【「スパコン富岳」後の日本】小林雅一著、中央公論新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より世界一に輝いた国産スーパーコンピュータ「富岳」。新型コロナウイルス対応で注目の的だが、真の実力は如何に?「電子立国・日本」は復活するのか?新技術はどんな未来社会をもたらすのか?莫大な国費投入に見合う成果を出せるのか?開発責任者や、最前線の研究者(創薬、がんゲノム医療、宇宙など)、注目AI企業などに取材を重ね、米中ハイテク覇権競争下における日本の戦略や、スパコンをしのぐ量子コンピュータ開発のゆくえを展望する。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten「スパコン富岳」後の日本図書館大好き569
2022.11.13
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図書館で『そばですよ』という本を、手にゲットしたのです。この人の味のセンスは折り紙付きなので・・・期待できるのです。【そばですよ】 平松洋子著、本の雑誌社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりようこそ、暖簾の奥へ。一杯に香る一瞬の人情味。東京立ちそば26店、それぞれの昼と夜を描く。<読む前の大使寸評>小川洋子とよく間違える著者である。この人の味のセンスは折り紙付きなので・・・期待できるのです。rakutenそばですよファンだったテレサ・テンという名前に惹かれて・・・虎ノ門の「港屋」の続きを、見てみましょう。p291~296<だからテレサ・テン> ニューウェーブの源流を生み出した立役者、菊池さんに訊いてみたいことが山ほどあった。いったいどんな発想を持ち込んだら、こんなオリジナルなそばがつくれるんだろう。「僕はもともと銀行にいたんです。山形に資本がある地方銀行の東京支店に勤めていました。そのとき僕が感じたのが、組織が大きくなるとやりたいことができないということ。どうしても、稟議を回して、決済をもらって、となっちゃう。でも、僕は自由にいろんなことがやりたかったんですね。学生の頃から自分で商売をしたいなと思っていました」 えーっ、銀行員だったんですか!「大学四年のとき、一番最初に就職試験に受かったのが銀行だったというのが、その理由で(笑)。四年間銀行にいましたが、お金や投資に興味があったわけじゃないんです。でも、いま考えたら、銀行での経験がなかったら、とても自分で商売できなかったですね」 やりたい商売のイメージはおありだったんですか。「大学は文学部だったんですけど、本当は美大にいりたかった人間がなんで銀行でお金数えてるんだろうって。ただ、脱サラするとき、そば屋じゃない選択肢はいろいろあったんです。たとえば庭師とか、車の板金屋とか」 庭師! 意外ですけれど、なるほどなあとも思います。庭師って樹木との対話ですものね。それに、自分のつくりたい庭を自分の技術でつくる仕事だから創造性が高いし。「ええ。もし庭師になっていたとしても、おそらくそれまでにない庭をつくっていたはずなんです。銀行を辞めてここを開いたのが27歳、当時は若かったから怖いものがなかった。やるしかない、という気持ちでもないし、これで食っていこうという気持ちもとくになかったんです。ただ、とにかくどこにもないもの、ほかにないものをつくろうと最初から思っていました。僕には師匠はいないんです。どこかのそば屋で働いた経験もない。ぜんぶ独学です。庭師になっていても、板金屋になっていても、独学で学んだと思います。誰かについて修業させてもらおうなんてことはもう」 考えもしなかった。「1ミリたりとも。やっぱり自分の性格ですね。何でも自分でやりたい。野球でいえば野茂英雄さん、あのトルネード投法ってありえないじゃないですか。ゴルフでいえば青木功さん、スイングとかぜんぶ持論ですよね」 その独立独歩の精神は、育ち方にも関係していますか。「僕が育った環境は、親は放ったらかしでなにも言わなかった。塾に行くと、みんな親が送り迎えしてたけれど、僕の親は『勝手に行けば』。僕だけひとりで歩いてトコトコ通ってました。ただ、なぜかわからないけど休むのが嫌で、学校も塾も皆勤賞でした。途中で止めるのが嫌い。なんでも自分でやりたい、たぶんそれだけなんだと思うんです。ものづくりの一番大事なところは、売れる売れない、成功するしないじゃなくて、タマシイの入り方だと思う。ひとりの人間がつくったものにはタマシイの入り方において敵わない」 そこです! なぜ菊池さんのタマシイは、そばに繋がったのだろう。「あのう、僕テレサ・テンが大好きなんですよ」 はい。 えっ、この話の流れでテレサ・テン⁉ ぽかんとしていたら追い打ちをかけられてしまった。「庭師とか板金屋になるのもいいなと思っていたんですが、僕は十代の頃からテレサ・テンがすごく好きで、ルックスとか雰囲気とかしゃべり方とか、僕が女性だったら彼女みたいになりたいなんて思ってるくらいです。もちろん曲も好きで、一番よく聴いたのは『時の流れに身をまかせ』。そのなかにすごく気になるフレーズがあったんです」 ほう。何ですか。「♪そばに置いてね いまはあなたしか愛せない」 ・・・・・・。 あ? そば・・・SOBA・・・蕎麦・・・?「そうなんです! 閃いたんです。これは本当のことで、でもマスコミの方とかにはだれも言ってません。書かないでもらっている話で・・・」 いえ、書かなきゃならない話です。書かせていただきます。「つくづく思うんですけど、世の中ってそんなふうにできているんじゃないでしょうか。ご縁というか、巡り合わせ。弘兼憲史先生とのご縁ができて店に直筆の画を飾らせていただいていますが、僕は読者としてずっと「島耕作」を愛読していて、その漫画に登場させていただいたのも、『港屋』を始めたから。僕の持論ですけど、人生あみだくじみたいなもんだなと。右を選ぶか左を選ぶか、その積み重ねによってゴールは百%違う。僕は『そば』が閃いたけれど、おなじ麺でもラーメンやうどんはまったく考えなかったですから」 話が麺方向に戻ってきてよかった。 テレサ・テンというあみだくじを引いた菊池さんは、まず都内のキッチンスタジオを借りた。自分がつくりたいそばをどうつくるか、食材を買いこんで3ヶ月間毎日通い、試作の千本ノック。座右の書は『蕎麦の事典』(柴田書店)。料理本は、「自分の参考にはならないと思ったから見なかった」。師匠もトレーナーもなし、よしこれでいこうと着地したとき、だれかに意見を求めもしなかった。 その結果としてのオリジナルな味。醤油は千葉の醤油蔵で専用につくってもらっていると聞いて、また腰を抜かした。そこまでやるのか。そこまでやりたいのか。「野球でいえば、自分でバット削ってるようなもんです。売ってるバットで打とうなんて思ってないですから」ウーム イコジとも言えるほどの独立独歩の菊池さんでんがな。なにしろトルネード投法やテレサ・テンや『蕎麦の事典』だもんね♪『そばですよ』2:虎ノ門の「港屋」『そばですよ』1:「そばよし」の魅力
2022.11.13
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<『食のエッセイあれこれ』1>食や酒に関する本をよく読んできたが・・・それらを集めてみました。空想居酒屋(2021年刊)パスタ嫌い(2019年刊)そばですよ(2018年刊)辛くてオイシイ韓国(2001年刊)***********************************************************【空想居酒屋】島田雅彦著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍のもと、大手チェーンからデリバリー中心のゴーストレストランへ、飲食店のかたちが変わろうとしている。そんな中、国内外の居酒屋をハシゴして40年、包丁を握って35年の「文壇随一の酒呑み&料理人」が、自身の理想の居酒屋を開店した?芥川賞最多落選の芥川賞選考委員が放つ、ポスト・コロナの食をめぐる痛快エッセイ!レシピ&カラーページ付。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、どこから読んでも面白そうなラインアップとなっているし、写真やレシピも充実しているし・・・なかなかの優れものでおます♪rakuten空想居酒屋『空想居酒屋』3:ポスト・コロナの飲食店『空想居酒屋』2:コロナ時代の食『空想居酒屋』1:マッコリタウンの夜***********************************************************【パスタぎらい】 ヤマザキマリ著、新潮社、2019年刊<「BOOK」データベース>よりイタリアに暮らし始めて三十五年。断言しよう。パスタよりもっと美味しいものが世界にはある!フィレンツェの絶品「貧乏料理」、シチリア島で頬張った餃子、死ぬ間際に食べたいポルチーニ茸、狂うほど愛しい日本食、忘れ難いおにぎりの温もり、北海道やリスボンの名物料理…。いわゆるグルメじゃないけれど、食への渇望と味覚の記憶こそが、私の創造の原点ー。胃袋で世界とつながった経験を美味しく綴る食文化エッセイ。<読む前の大使寸評>ヤマザキマリが説くイタリア料理ってか・・・これはいけるかも♪rakutenパスタぎらい『パスタぎらい』3:スパゲッティ・ナポリタン『パスタぎらい』2:恋しいラーメン『パスタぎらい』1:アーリオ・オリオ・エ・ペペロンティーノ***********************************************************【そばですよ】 平松洋子著、本の雑誌社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりようこそ、暖簾の奥へ。一杯に香る一瞬の人情味。東京立ちそば26店、それぞれの昼と夜を描く。<読む前の大使寸評>小川洋子とよく間違える著者である。この人の味のセンスは折り紙付きなので・・・期待できるのです。rakutenそばですよ『そばですよ』3:虎ノ門の「港屋」(続き)『そばですよ』2:虎ノ門の「港屋」『そばですよ』1:「そばよし」の魅力***********************************************************【辛くてオイシイ韓国】日本放送出版協会著、日本放送出版協会、2001年刊<「BOOK」データベース>より利川で幻のケゴリキムチに会い、木浦で名物生タコのおどり食いと格闘し、水原の骨付きカルビに涙する…全身で味わいつくす韓国“食”紀行。<大使寸評>日本人チームが書いた韓国料理レポートであるが・・・・伝統の味、多彩なキムチなど、味についてなかなかディープであり、ええでぇ♪rakuten辛くてオイシイ韓国『辛くてオイシイ韓国』2:ぶっかけ飯の愉悦『辛くてオイシイ韓国』1:猫まんま***********************************************************【取り上げ予定】・ 2017.01.12 『小泉武夫のほんとうに美味い話 』2・ 『カレーの世界史』1
2022.11.12
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図書館で『パスタぎらい』という本を、手にしたのです。ヤマザキマリが説くイタリア料理ってか・・・これはいけるかも♪【パスタぎらい】 ヤマザキマリ著、新潮社、2019年刊<「BOOK」データベース>よりイタリアに暮らし始めて三十五年。断言しよう。パスタよりもっと美味しいものが世界にはある!フィレンツェの絶品「貧乏料理」、シチリア島で頬張った餃子、死ぬ間際に食べたいポルチーニ茸、狂うほど愛しい日本食、忘れ難いおにぎりの温もり、北海道やリスボンの名物料理…。いわゆるグルメじゃないけれど、食への渇望と味覚の記憶こそが、私の創造の原点ー。胃袋で世界とつながった経験を美味しく綴る食文化エッセイ。<読む前の大使寸評>ヤマザキマリが説くイタリア料理ってか・・・これはいけるかも♪rakutenパスタぎらい第3章でオリーブ・オイルが語られているので、見てみましょう。p85~87<第3章 それでもイタリアは美味しい>■「万能の液体」オリーブ・オイル イタリアの家庭において絶対に切らしてはいけない調味料といえば、オリーブ・オイルをおいて他にない。 いざ料理する段階となって、オリーブ・オイルを切らしているのに気付くイタリア人で、軽いパニックになる人は少なくないはずだ。実際私も、舅が最後のオリーブ・オイルを使い切っておきながら、新しいのを補填しなかったことに姑が激怒して、その日の食事の準備を放棄してしまったのを目にあたりにしたことがある。 かといって、慌てて近所のスーパーで買ってきたところで、事態が円満に修復されるとは限らない。イタリアではその家庭それぞれにオリーブ・オイルへのこだわりというのが強くあり、どこのものでもいいということは決してない。例えば我が家の場合であれば、オリーブ・オイルはスーパーなどで小売店で購入するのではなく、二世代前から世話になっている農家から分けてもらっているものを使うのが定番だ。どんなに高級で高いオリーブ・オイルを買ってきても、喜んで使ってくれるわけではないのである。 イタリアのサッカーのナショナルチームが海外に遠征する時に、専属の調理師を伴っていくのは有名な話だが、その時に携帯する調味料として絶対に欠かせないのがオリーブ・オイルである。それもおそらく慣れ親しんだものでなければいけないはずだ。 選手によっては自分のコンディションの不調をオリーブ・オイルの味が普段と違うことを理由にしたりもするだろう。もし、普段使っているものが入手できない場合は、せめていつも使っているのと同じ生産地域のもの、それが厳しければせめてイタリア国内のもの、という優先順位になるだろう。 十年ほど前、当時暮らしていたポルトガルからイタリアの実家に持ってきた、お薦めのポルトガル産オリーブ・オイルは、いまだに台所の棚の中にしまわれていて、使われる気配はない。オリーブ・オイルはワインと並び、彼らにとって極めて保守的な食材なのである。 日本だと「オリーブ・オイルごときでそんな大袈裟な」と思われる方もいるかもしれない。例えば醤油にしても、決して全ての料理に使う訳ではない。しかしオリーブ・オイルに関しては、あらゆるイタリアの食事にとって必要不可欠なものなのだ。 パスタでもスープでも調理の段階で用いるだけではなく、食べる直前にも、さらにオリーブ・オイルを上から垂らす。ドレッシング文化のないイタリアでは、サラダを和えるのにもオリーブ・オイルは欠かせないし、肉や魚がどのような形態で調理されても、その上にはやはりオリーブ・オイルが掛けられる。 私が貧乏学生時代によく食べていた「アーリオ・オリオ・エ・ペペロンティーノ」にしても、オリーブ・オイルさえそこそこ美味しければ、かなり贅沢な気持ちになれる。 古代ギリシャや古代ローマの人たちは、朝ごはんにオリーブの実を食べたり、オリーブ・オイルの掛かったパンを食べていたとされているが、「地中海人」たちの徹底的なオリーブ・オイルへの執着は、おそらくあの頃から培われたものなのだろう。『パスタぎらい』3:スパゲッティ・ナポリタン『パスタぎらい』2:恋しいラーメン『パスタぎらい』1:アーリオ・オリオ・エ・ペペロンティーノ
2022.11.12
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図書館で『パスタぎらい』という本を、手にしたのです。ヤマザキマリが説くイタリア料理ってか・・・これはいけるかも♪【パスタぎらい】 ヤマザキマリ著、新潮社、2019年刊<「BOOK」データベース>よりイタリアに暮らし始めて三十五年。断言しよう。パスタよりもっと美味しいものが世界にはある!フィレンツェの絶品「貧乏料理」、シチリア島で頬張った餃子、死ぬ間際に食べたいポルチーニ茸、狂うほど愛しい日本食、忘れ難いおにぎりの温もり、北海道やリスボンの名物料理…。いわゆるグルメじゃないけれど、食への渇望と味覚の記憶こそが、私の創造の原点ー。胃袋で世界とつながった経験を美味しく綴る食文化エッセイ。<読む前の大使寸評>ヤマザキマリが説くイタリア料理ってか・・・これはいけるかも♪rakutenパスタぎらいスパゲッティ・ナポリタン第2章で恋しい日本食(スパゲッティ・ナポリタン)を、見てみましょう。p50~53<第2章 あなた恋しい日本食>■日本の「洋食」とはケチャップである。 子供の頃、札幌のオーケストラでヴィオラを奏でていた母は、自分の好きな演目が演奏される時、まだ幼い姉妹をコンサートに呼ぶことがあった。しかし母が好きな曲が私たち子供も気に入るとは限らない。三、四曲ある演目のうち面白いのは一曲だけで、あとは至極つまらなかったりするのを、もちろん母もわかっていて、そんな時私たちは練習と本番の間に会場近くにあった不二家のレストランに連れていかれる。 好きなものを食べさせてもらえる代わりに、どんなにつまらなくてもコンサートを最後まで大人しく聞くという条件を課せられるわけだが、不二家の美味しい洋食屋デザートが食べられるのだったら、メシアンでもシベリウスでもショスタコービッチでもどんな難解な楽曲でも耐えてやる、という気構えが私たちにはあった。 そんなきっかけで始まった私の洋食好きは、50歳を越えた今も継続中である。今でもデパートなどで食事をする時は洋食屋を選びがちで、ウインドウの中のオレンジや黄や緑の蝋細工に胸をときめかす。 欧州発祥のはずなのに、紆余曲折あって日本で独特の進化を遂げ、日本でしか食べられないものになった不思議な料理が「洋食」である。明治以降に海外からの来訪者のために作られていたものが、その後独自にアレンジされて、ポークカツレツ、オムレツ、カレーにハヤシライス、シチュー、フライにコロッケといったものに形を変えていく。 さらに戦後になると“スパゲッティ・ナポリタン”のような米国系洋食が日本の大衆食として定着するようになるのだが、日本という国がこれだけ多国籍的な食文化になったのも、きっとこうした洋食の影響もあるのだろう。 * この日本の洋食に欠かせない調味料のひとつがケチャップである。 第1章でも告白したように、私はスパゲッティなどのパスタ類があまり好きではない。早いうちからイタリアに暮らし、ひたすら材料費が安くて済む「貧乏パスタ」ばかりを食べていたそのトラウマもあるからなのかもしれないが、イタリアとこれだけ縁のある立場でいながら、基本的にスパゲッティに限らずイタリアンというジャンルにそれほど興味がないのである。 だけど、日本の洋食屋さんや喫茶店にあるケチャップ味のナポリタンだけは頗る大好物で、何気に入った店にナポリタンがあれば反射的に注文をしてしまう。あおの輪切りになった緑のピーマンとソーセージ(またはハム)に、加熱したケチャップが絡んだスパゲッティは、店のショーウィンドウに飾られた蝋細工を見ているだけでもハッピーな心地になれるのだ。 私たちが子供の頃のナポリタンは、一口食べれば必ず口の周りがべちゃべちゃのオレンジ色になり、服には漂白しきれなかったケチャップのシミが附着している子供も少なくなかった。ナポリタンは給食にも出てきたし、お弁当の付け合わせとしても定着していて、ミートソースと並び日本で人気を得たスパゲッティだと言ってよいだろう。 先にも述べたが、イタリアでの留学初期に、私はこの日本式ナポリタンをアパートをシェアしていた学生たちに振る舞ったことがある。全員が食に保守的なイタリア人だったので、皆テーブルセッティングを手伝ってくれつつも、「イタリアにやって来てまだ間もない東洋の小娘に一体何ができるのか」といった猜疑心に満ちた眼差しを私に向けていた。 そこで私がケチャップを取り出したのだから大騒ぎだ。彼らの不安はマックスになり「ストップ! パスタのソースにケチャップなんて使ったらダメだよ! バカはやめて!」と、慌てて私が手に握っているケチャップの瓶を奪い取ろうとする。ケチャップがなければナポリタンにはならないので、私も必死になって「いいから、物は試しで食べてみて!」と彼らを説き伏せ、やっとのことであの日本の洋食の「伝統の一品」を完成させることができた。 皿に盛られたオレンジ色のナポリタンを見つめながら、最初は皆絶望的な表情で黙り込んでいたが、私がさっさとそれを口に運び始めると、一人、そしてまた一人と強張らせた表情のまま食べ始め、そのうちの一人が「あら、思ったほどマズくない」と一言。周りもそれに同調し始め、最終的には全員さらに盛られた分は全て平らげた。「でもまあ、これはイタリア料理ではないよね」という結論ではあったし、もちろんその通りなわけだけど、私は彼らがケチャップに対する偏見を乗り越えてくれたのが嬉しかった。 『パスタぎらい』2:恋しいラーメン『パスタぎらい』1:アーリオ・オリオ・エ・ペペロンティーノ
2022.11.11
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図書館で『そばですよ』という本を、手にゲットしたのです。この人の味のセンスは折り紙付きなので・・・期待できるのです。【そばですよ】 平松洋子著、本の雑誌社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりようこそ、暖簾の奥へ。一杯に香る一瞬の人情味。東京立ちそば26店、それぞれの昼と夜を描く。<読む前の大使寸評>小川洋子とよく間違える著者である。この人の味のセンスは折り紙付きなので・・・期待できるのです。rakutenそばですよテレサ・テンのファンだったので、その名前に惹かれて・・・虎ノ門の「港屋」を、見てみましょう。p286~289<だからテレサ・テン>「港屋」。この名前を聞くと、条件反射でびくっとしてしまう。あの凄まじい行列を思い出して。 愛宕神社の参道すぐ近く、交差点の角に長い列を見かけたら、それは「港屋」詣での人だかりだ。私が目撃した最長は(図ってないけど)20メートル、いや30メートル。地下鉄の虎ノ門駅方面から歩いてきてのけぞり、野鳥の会のひとになって目視計測すると、夏の昼間なのに70人を軽く超えていた。夢でも見たかと思い、数日後に行ってみたらまた同じ夢を見てしまい、尻尾を巻いて退散。テレビで紹介された直後だったらしいが、あの異様な光景は忘れられない。 世間では、「港屋」はこうよばれている。 立ちそばのニューウェーブの源流。 “港屋インスパイア系”を産んだ革新的存在。 インスパイア、つまり「港屋」に触発されたり刺激を受けたり、影響を受けて現れた店や味があちこちにある。虎ノ門ヒルズが現れるずっと前から、愛宕神社のはす向かいにすっくと立つ孤高の存在だが、その前代未聞のオリジナリティがそばの自由度を大きく塗り替えてしまった。 麹町「そばうさ」主人、小島和樹さんにしても、「港屋」のそばを食べてカミナリに打たれ、「自分の進む道はコレだ!」。決意を固めて会社を辞め、苦闘ののち「そばうさ」が生まれた。そばだけではなく、「港屋」はひとの人生まで変えてしまう。 2002年オープン当初から現在にいたるまで、ともかくすべてがオリジナルだ。似た店も、似た味も、どこにもなかった。初めて店に足を踏み入れたとき、面食らうというより、私は頭がついていきませんでした。 看板がない。探さなければ店の名前もわからない。店内はやたら黒っぽく、間接照明のライトは灯っていてもうす暗く、だからそばもよく見えません昼間でも。カウンターは水をゆらゆら湛えた水盤、洒落た花が活けてある。BGMはジャズだったか、クラシックのピアノ曲だったか。どうしたって西麻布あたりのバーなんか思い出すわけだが、いや、いまそれはぜんぜん求めていないんですけど。 そばが食べたいだけなんですけど。自分の思考回路を軌道修正するのに苦労を強いられる。しかし、すでにこの時点で「港屋」の土俵に引きずりこまれていたと気づくのは、店を出たあとのことだが。 一杯のビジュアルにも、あっと驚く。頼んだ冷たい肉そばは、黒みがちの、見るからにぴんぴんの手強い麺。その上に刻み海苔のエベレストがそびえ立つ。丼いちめん、大漁の白ごま、刻みねぎ、薄切りバラ肉の雲海。惜しげのなさを愛でていいのか、呆れていいのか、どっちにしても有無を言わさぬ迫力だ。 ダメ押しは、ラー油のパンチが効いた甘辛い濃厚なつけ汁。つけ麺は敬遠してきたはずなのに、ぐいぐい追い込まれてしまうのは、コシの強いそばとのバランスが成立しているからだろうか。おまけに、ひと口ずつ、そばに絡みつく相手が違う。箸でヨイショと持ち上げたそばにまとわりつく刻み海苔、そばに貼りつく城ごま、そばにまみれるラー油風味のつけ汁・・・ええと、そばってこういう食べ物だったっけ? 回転以来16年間、味もメニューも動かない。 もり 600円 海苔もり 700円 胡麻もり 700円 海苔胡麻もり 800円 冷たい肉そば 870円 温かい鶏そば 870円 不動の6種類、つけそばだけ。確信犯だな、と思うのだが、面白い、新しい、うまい、楽しい、いろんなキモチといっしょに懸命に噛みしだくうち、浮かんでくるのは「納得」の二文字だ。 うす暗い店内に四方から響くズズ、ズズッ、そばを手操る音。黒大理石を囲む奇妙なフォーメーションで立つお客のあいだには、うっすらと連帯感のような空気さえ漂っている。 なんかぐやじい。そもそも、そば一杯を食べるときこんな状況に追い込まれたことがなく、味も空間も枠からハミ出している。でも、いつのまにか爽快感を覚えていた。あれは、自分のそば体験が更新された快感ではなかったか。そう思いいたると、あの長い行列もまた「納得」の証明に見えてくる。『そばですよ』1:「そばよし」の魅力
2022.11.11
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図書館で『サイエンス・ブック・トラベル』という本を、手にしたのです。【サイエンス・ブック・トラベル】 山本貴光著、河出書房新社、2017年刊<「BOOK」データベース>より“いま”と“これから”がわかる。気鋭の科学者ら30名が自然科学の眼差しで捉えた世界の姿!!【目次】1 宇宙を探り、世界を知る(この世界の究極の姿は何か?/人はなぜ宇宙を探るのか?/光より速く進むことは可能か? ほか)/2 生命のふしぎ、心の謎(心はどこにあるのだろうか?/動物はどんなふうに働いているのか?/生物は、細胞は、果たしてどう進化してきたのか? ほか)/3 未来を映す(私たちが“身体性”を備えるとはどういうことなのか?/科学的な思考とは何か?/未来の医療はどうなるだろうか? ほか)<読む前の大使寸評>追って記入rakutenサイエンス・ブック・トラベル「SF小説と科学書の類似」が語られているので、見てみましょう。p190~192<22 SF小説を書くには?:藤井太洋> 1976年に初版が発行され、平成元年の1989年に増補改訂されたリチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』はこう始まる。 “この本はほぼサイエンス・フィクションのように読んでもらいたい” サイエンス・フィクション=SFというジャンルの文学を定義するのは難しいが、多くのSF作家が宇宙開発や時間旅行、人工知能が支配する社会やジェンダーの溶け合った遠い未来を通して人が不思議や神秘に触れたときに感じるときめき・・・“センス・オブ・ワンダー”を描こうと日夜努力していることは共通している。 そんな日々を送っている身にとって、この序文は挑発的だ。 科学者が? 科学書で? SFのように読める? 甘く見るんじゃないよ、と言いたくなるところだが、実のところ本書は優れたサイエンス・フィクションのように読めてしまう。 科学書なので当然ではあるが、ドーキンスは物語を前に進めるためにSF作家がやるような嘘や隠蔽を混ぜない。喩えの中に混入してしまう正確でない言い回しの意図を修正するために、五月蠅いと思えるほどに紙面を割いてすらいる。日本人には馴染みの薄い宗教に対する言葉など、何度繰り返せば気が済むのかと感じてしまうほどだ。それでも本書は面白く読めてしまう。 ドーキンスの語り口は、SF作家が作品の中で架空の事物を作り上げていく方法とそっくりだ。先入観を覆すような言葉で読者の興味を惹いておいて、手触りの感じられる事例を丁寧に紹介しながら伝えるべき理論を積み上げる。最後に力強く、冒頭で示した言葉の意味を述べる。 特に第12章「気のいい奴が一番になる」で扱われるゲーム理論と進化的に安定な戦略・・・ESSのくだりは秀逸だ。囚人のジレンマという思考ゲームで、遺伝子が生命に行わせている戦略が徐々に明かされていく。ゲームノプレイヤーがとる戦略の「やられたらやり返す」というフレーズは、事例がサッカーのゲームや離婚訴訟に及んでも繰り返されるが、最後に「利己的な遺伝子」という本書のテーマを強く補強するチスイコウモリの“献血”事例に帰着して、1世紀以上も居座っている“血まみれの自然”という先入観を打ち砕く。 まるでよく書けた短篇小説のような美しい構成だ。私は何度も読み返しているが、実際のところ本書がなければ、いくつかの重要なSF作品は生まれなかったか、全く違う読み心地となっていただろう。 本書の主たる主張である生物=生命機械論や『利己的な遺伝子』というフレーズだけをとってもマイケル・クライトンの『ジュラシックパーク』や瀬名秀明『パラサイト・イヴ』、岩明均『寄生獣』などにその影響は色濃く出ている。そして進化論というアイディアがDNAに留まらないことを示してみせた“ミーム”に至っては、SF作品において文化を技術的に操作することへのもっともらしさを加えるための必須のアイディアの一つともなっている。 「論」や「説」が生まれた場所とその熱気を知ることは難しいのだが、“ミーム”に関しては『利己的な遺伝子』から始めればよい。その一点だけでも本書の価値は計り知れない。 もう一つ驚くべき事がある。40年近く前に書かれた科学書だというのに、その論旨と事例が全く古びていないことだ。これは驚愕に値する・・・正直に言えば、羨ましい。 東西冷戦が終わったために、スパイ小説家たちは頭を抱えたというが、PCとIT革命は同様にSFを書きにくい時代にしたと言われている。私たちが住む21世紀の社会は情報革命によってかつて描かれていたSFを超えつつあるからだ。『利己的な遺伝子』を以前に読んだので紹介します。【利己的な遺伝子】リチャード・ドーキンス著、紀伊国屋書店、2006年刊<「BOOK」データベース>より「なぜ世の中から争いがなくならないのか」「なぜ男は浮気をするのか」-本書は、動物や人間社会でみられる親子の対立と保護、雌雄の争い、攻撃やなわばり行動などが、なぜ進化したかを説き明かす。この謎解きに当り、著者は、視点を個体から遺伝子に移し、自らのコピーを増やそうとする遺伝子の利己性から快刀乱麻、明快な解答を与える。初刷30年目を記念し、ドーキンス自身による序文などを追加した版の全訳。【目次】人はなぜいるのか/自己複製子/不滅のコイル/遺伝子機械/攻撃ー安定性と利己的機械/遺伝子道/家族計画/世代間の争い/雄と雌の争い/ぼくの背中を掻いておくれ、お返しに背中をふみつけてやろう/ミームー新登場の自己複製子/気のいい奴が一番になる/遺伝子の長い腕<読む前の大使寸評>待つこと2週間、わりと早くゲットできたが・・・世界的なベストセラーという本でも、ちょっと古いのが狙い目かも♪<図書館予約:(12/05予約、12/18受取)>rakuten利己的な遺伝子お薦めの3冊1 リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』2 カール・セーガン『COSMOS』3 ブライアン・グリーン『エレガントな宇宙』『サイエンス・ブック・トラベル』2:進化とは何か『サイエンス・ブック・トラベル』1:歴史を変えた火山噴火
2022.11.10
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図書館で『サイエンス・ブック・トラベル』という本を、手にしたのです。【サイエンス・ブック・トラベル】 山本貴光著、河出書房新社、2017年刊<「BOOK」データベース>より“いま”と“これから”がわかる。気鋭の科学者ら30名が自然科学の眼差しで捉えた世界の姿!!【目次】1 宇宙を探り、世界を知る(この世界の究極の姿は何か?/人はなぜ宇宙を探るのか?/光より速く進むことは可能か? ほか)/2 生命のふしぎ、心の謎(心はどこにあるのだろうか?/動物はどんなふうに働いているのか?/生物は、細胞は、果たしてどう進化してきたのか? ほか)/3 未来を映す(私たちが“身体性”を備えるとはどういうことなのか?/科学的な思考とは何か?/未来の医療はどうなるだろうか? ほか)<読む前の大使寸評>追って記入rakutenサイエンス・ブック・トラベル「進化」が語られているので、見てみましょう。p50~52<07 進化とは何か?:長沼毅> この宇宙においてもっとも不思議な存在は「生命」である。その生命においてもっとも不思議な特徴は「進化」である。この地球に生命が生まれて進化し、やがて人間が生まれてついに宇宙のことを考えるようになった。その宇宙観が正しいかどうかはともかく、せいぜい1リットルちょっとしかない脳の中に、考えうる全宇宙の広がりと歴史が入ってしまったのだ。宇宙の立場に立つと、宇宙は自分の中に「宇宙のことを考える存在」が現れてウレシイと思うだろうか。 私たちが知っている生命は子孫(遺伝子)を残すことに全力を注ぐつつ進化して、宇宙の中で宇宙のことを考える存在(人間)をつくった。その人間の宇宙認識は、古代インドや古代ギリシャの天文学や宇宙論から現代宇宙論へと発展し、宇宙のはじまりや超々銀河団などの大規模構造まで理解できるようになった。 自分が何かを認知していることをわかっている。そんな客観的な認識を「メタ認知」という。その文脈で言えば、宇宙のことを認知している人間は「宇宙におけるメタ存在」とも考えられる。そのメタ存在たる人間は、自分を生み出した「進化」について、どのようにメタ認知してきたのだろう。残念ながら、進化が正しく理解されるようになったのは19世紀半ばになってからだ。 ダーウィンの『種の起源』(1859年)が出版されたのはガリレオの『天文対話』の227年後、ニュートンの『プリンキピア』から172年も経ってからのことである。そして、実はいまでも、進化はまだ多くの人に正しく理解されていない。 これは由々しき事態である。なぜなら、自分が「どこから来て、どこへ行くのか」を知ること、そして、その原理を知ることで、人間自身をより正しく知り、より良い未来を拓くことができるからである。 ダーウィンは『種の起源』できわめて明快な進化論を提唱した。それは「自然選択」という原理によって生物は複雑化し、種は多様化し、進化する、というものだ。ただ、発表当時は、知識人や一般大衆からの反発がものすごかった。 ダーウィン自身は病弱だったので、「ダーウィンの番犬(ブルドック)」と称されたハクスリーがダーウィンの代わりに進化論の普及に努めた。ダーウィンもハクスリーも亡きいま、ダーウィンの時代には知られていなかった「遺伝子」を引っさげて、現代の「ダーウィンの番犬(ロットワイラー)」が新しい進化論(総合説)の普及に励んでいる。 その人物こそ、著者のリチャード・ドーキンスである。本書はドーキンスが50歳の時(1991年)に行ったクリスマス・レクチャー(英国科学実験講座)の5回の名講演を再現したもので、なんと全世界に先駆けて日本で2014年のクリスマスに出版されたものだ。講演から出版まで23年の時間差があるが、その内容はいささかも古びていないし、むしろ、いまだにヴィヴィッドなくらいだ。でも、それは逆に言うと、この23年間というもの、ドーキンスの尽力にもかかわらず、いまだに「進化論」がきちんと理解されていないということである。 なぜ進化論はきちんと理解されないのか。それは正しい進化論が冷たくみえるからだ。進化論が依って立つ二大要因、すなわち「遺伝子の突然変異」は無目的・無方向であり、それに方向性を与える「自然選択」も無慈悲で機械的なのだ。だから、正しい進化論は冷たくて温かみがないのである。では、正しくないが温かみのあるニセ進化論とは何か。キリンを例にして説明しよう。 進化についてよく話題に上がるのは「キリンはなぜあんなに首が長いのか」である。ニセ進化論では「高いところの葉を食べるために」というソフトな目的論で答えてくれる。多くの人々は“人生の目的”とか“生きる意味”をわかりやすく求めるから、こういう生ぬるい答が欲しいのだし、それで満足してしまう。 それに対して、正しい進化論では「たまたま首が長くなった個体が高いところの葉を食べるようになった結果、よりよく子孫を残したから」という結果論で説明する。そう、正しい進化論はハードな結果論なのだ。そこには“人生の目的”も“生きる意味”もない、殺伐とした風景しかみえない。お薦めの3冊1 リチャード・ドーキンス『進化とは何か』2 フランク・ライアン『破壊する創造者』3 ピーター・D・ウォード『生命と非生命のあいだ』『サイエンス・ブック・トラベル』1
2022.11.10
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図書館に予約していた『スマホ脳』という本を、待つこと、9ヶ月ほどでゲットしたのです。2021年に一番売れた本という振れ込みにつられて予約したのだが・・・さてどんなかな。【スマホ脳】アンデシュ・ハンセン著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存ー最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。<読む前の大使寸評>2021年に一番売れた本という振れ込みにつられて予約したのだが・・・さてどんなかな。<図書館予約:(1/28予約、10/27受取)>rakutenスマホ脳第6章でコマーシャル広告の最前線を、見てみましょう。p155~157<第6章 SNS 現代最強の「インフルエンサー」>■あなたの注目を支配しているのは誰? 今着ている服をなぜ買ったのか、本当のところを考えてみてほしい。素敵だったから? それとも値段がお手頃だった? そもそもあなたはどこかでその福の情報を仕入れたはずだし、他の所有物についても同じことが言える。誰かがあなたにスマホや家具、テレビやパソコンが売られていることを教え、説得して買わせたのだ。 試算によれば、世界の広告業界は毎年5兆クローナ(約60兆円)規模で、それが新聞、テレビ、街頭広告から猛烈なスピードでスマホの中に引っ越してきた。私たちの脳のメカニズムを考えると、ちっとも驚く展開ではない。 これまで見てきたように、何かに注目するという行為は、長期記憶を作る第一段階だ。営利目的のメッセージを理解させるには、そこが重要な基盤になる。欲しいものがあれば、覚えておかなくてはいけないのだから。それに、社会的な情報は生き延びるために重要だから記憶に残る。それはすでに述べた通りだ。 今はそういったことがすべて、デジタル上のマーケティングに利用されている。脳に日々何百というドーパミン増加を与えてくれる小さな機械。あなたの注目がそれに引き付けられるのを、マーケティング担当者は知っている。喉から手が出るほど周りの人の情報を欲しがっていて、脳が新しい情報を取り込む準備は万端だというのも知っている。 それに、これから送ろうとするメッセージを、あなたの脳が知ってか知らずかポジティブに捉える・・・それもわかっての上だ。あなたのSNSに流れる情報の洪水の只中に巧妙に広告を出すことで、目的が達成されるのだ。 営利目的のメッセージを私たちの脳に伝えるスマホの才能は他に類を見ない。私たちの注目を引きつけるだけでなく、いちばん効果的にメッセージが伝わる形でこっそりと届ける。フェイスブックやインスタグラムのタイムラインに実に巧妙に配置されていて、友達の投稿と見分けがつかないような広告を目にしたことがあるだろう。あなたのために特別に揃えた位置に配置されるのだ。 あなたの心にいちばん響きやすい状態で目に入るように。フェイスブックでちょうどサッカーの試合の画像を見たい人は、スポーツイベントの広告のターゲットにうってつけだ。誰かの休暇の写真に「いいね」をつけた人は、飛行機のチケット予約に興味があるかもしれない。 気を散らす要素の多いこの世界で、あなたの注目には黄金の価値があり、マーケティング担当者にしてみれば、あなたのスマホよりもいい媒体は思いつかない。そしてスマホの中でも、SNSほどメッセージを伝えるために効果的な方法はない。『スマホ脳』1
2022.11.09
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邪悪なプーチンに世界は翻弄されているが、プーチンを産んだロシアを知りたいではないか。・・・ということで、2022.05.16『一冊でわかるロシア史』1 より以下のとおり復刻してみます。***********************************************************図書館で『一冊でわかるロシア史』という本を、手にしたのです。ウクライナ侵略でゆれるロシアであるが・・・この粗野で不可解なロシアは、如何にして生まれたのか知りたいではないか。【一冊でわかるロシア史】関眞興著、河出書房新社、2020年刊<「BOOK」データベース>よりロシアって、謎だらけ。極寒の大地で何が起こっていたのか?教科書よりもわかりやすいロシアの開拓と改革の歴史。【目次】1 キエフ・ルーシ/2 モスクワ大公国/3 ロマノフ朝の成立/4 19世紀のロシア/5 帝国主義と大戦/6 ロシア革命/7 「ソ連」の時代/8 現代のロシア<読む前の大使寸評>ウクライナ侵略でゆれるロシアであるが・・・この粗野で不可解なロシアは、如何にして生まれたのか知りたいではないか。rakuten一冊でわかるロシア史「chapter5 帝国主義と大戦」で、日露戦争あたりが述べられているので、見てみましょう。p97~101<まさかの敗戦> 満州をめぐる列強の対立構造は、1902年に日英同盟が結ばれたことで明確になりました。当時イギリスは南アフリカでの戦争で苦戦しており、中国にかまっている余裕がありませんでした。そのため日本と組んだのです。 この年、ロシアは清と「満州から兵を退く」という協定を結びます。ただし、政府内には反対する勢力がいました。また、同盟国のフランスやロシアが極東に力をそそぐことで自国への圧力を弱めたいドイツは、ロシアを支援します。 1904年2月、仁川と旅順のロシア艦隊が日本軍に攻撃されました。ついに日露戦争が始まったのです。 ロシアの兵や物資は、シベリア鉄道で運ばれました。このためロシア軍は優勢でしたが、日本の反撃は激しく、翌年に旅順要塞が攻め落とされ、奉天で主力が敗れます。日本海海戦でもわざわざバルト海のリバウ(現在のラトヴィアにある港)から呼び寄せたバルチック艦隊が、大敗してしまいました。 翌年、有利なうちに講和を実現したい日本がアメリカに仲介を依頼し、ポーツマス条約を結びました。ロシアは日本に対し、朝鮮半島での優越権、遼東半島南部()の租借権、東清鉄道南満州支線の譲渡を承認します。さらに樺太の南部も割譲し、沿海州の漁業権なども認めました。 屈辱的な講和条件を飲まされたニコライ2世はひどく落ち込み、ロシアの軍部にも強い不満が残りました。日本を敵視し、ロシアの勝利を信じていた大韓帝国皇帝(高宗)もショックを受けました。このあと、日本は1910年に韓国を併合します。 日本に敗れて極東進出をあきらめたロシアは、中央アジアやイランでイギリスと対立するのを避けるため、1907年に永露協商を結びます。その結果、ドイツ・オーストリア・イタリアの三国同盟に対抗する、イギリス・フランス・ロシアの三国協商ができあがります。<ソヴィエトの誕生> 日露戦争の期間中、ロシアでは旗色の悪い知らせが伝わるにつれて労働運動が激しくなっていきました。重要な拠点だった旅順が陥落したころ、バクー(現在のアゼルバイジャンの首都)の石油産業労働者が大規模なストライキを起こしました。 サンクト・ペテルブルクをはじめ、全国の労働者がこれを支援して立ち上がります。ツァーリの専制体制に代わる新しい政治体制を求める声も出て、国内は混乱します。 ペテルブルクの労働者を指導していたのは、ゲオルギー・ガポンという神父です。裕福な農家に生まれたガポンは、大学で神学を学んでいました。やがて労働者の権利を守るために大学を離れて、みずから組織をつくって活動します。この組織は反体制をうたうものではなく、会社と交渉をする組合で、多くの支持を集めていました。しかし、組合員が解雇される事件をきっかけに、ガボンは政府に対する行動を始めます。(中略) そして1905年1月9日、ガポン以下、10万といわれる労働者がペテルブルクの宮殿に向かいます。約束の時間になってもツァーリが現れなかったため、不満を叫んだ参加者と警備兵が衝突しました。兵士の発砲によって、数百人の民衆が死傷する騒乱に発展したのです。これを「血の日曜日」事件といいます。 この事件以後、ストライキは全国に拡大し、庶民が神のようにあがめてきたツァーリに対する信仰がくずれます。それまでのロシアで起こった革命運動は、知識人に指導されてきました。ところが、民衆が主人公になって革命を叫ぶようになるのです。近代ロシア史における、大きな転換点となりました。 多くの都市でストライキを実行した委員会の連合体は「ソヴィエト」と呼ばれるようになります。ロシア語で「評議会」の意味です。とくに首都ペテルブルクのソヴィエトは、中心的な存在になりました。
2022.11.09
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図書館で『サイエンス・ブック・トラベル』という本を、手にしたのです。【サイエンス・ブック・トラベル】 山本貴光著、河出書房新社、2017年刊<「BOOK」データベース>より“いま”と“これから”がわかる。気鋭の科学者ら30名が自然科学の眼差しで捉えた世界の姿!!【目次】1 宇宙を探り、世界を知る(この世界の究極の姿は何か?/人はなぜ宇宙を探るのか?/光より速く進むことは可能か? ほか)/2 生命のふしぎ、心の謎(心はどこにあるのだろうか?/動物はどんなふうに働いているのか?/生物は、細胞は、果たしてどう進化してきたのか? ほか)/3 未来を映す(私たちが“身体性”を備えるとはどういうことなのか?/科学的な思考とは何か?/未来の医療はどうなるだろうか? ほか)<読む前の大使寸評>追って記入rakutenサイエンス・ブック・トラベル『歴史を変えた火山噴火』が語られているので、見てみましょう。p38~40<05 地球の変動は人類をどう変えたのか?:鎌田弘毅> 人類は38億年前の地球上に誕生した生命の子孫である。その間に様々な生物学的な進化を遂げ、現代文明を造るまでに至った。その過程では巨大地震や火山噴火など地球特有の大変動を受けてきたが、その都度、絶滅の危機にさらされながらも生きのびてきた。 科学の物差しを知る際、人間が自然災害とどう格闘してきたのかを辿ることは大変参考になる。科学特有の考え方を学ぶとともに、未来への重要なメッセージを読み取ることが可能だからだ。私の専門の地球科学に基づき、火山噴火が人類の歴史をどう変えてきたのかを見ていきたい。 『歴史を変えた火山噴火』は、紀元前から現在まで人類が経験した大噴火を扱った本で、地球環境を変えてしまうほど巨大なエネルギーを持つ噴火についてわかりやすく解説している。著者は長らく新聞記者を勤めたあと、国連環境計画などに携わった環境問題の第一人者。明快で練達の文章には定評があり、私自身も著者が執筆した入門書にお世話になってきた。 2011年に起きた東日本大震災は我が国に大きな災禍を与えた。こうした巨大地震は広い地域にすむ人々に打撃を与えるが、噴火の場合は文明を滅ぼすようなさらに大きな災害も起きる。実は地震よりも噴火の方が、人間に与える影響は大きかったのである。 過去には日本列島が火山灰に覆われるような巨大噴火が、7000年に1回ほどの頻度で発生してきた。このとき「カルデラ」と呼ばれる大きな窪みができる。大量のマグマが火砕流として噴出した際に、カルデラが生まれるのだ。火砕流とは800℃という高温の軽石や火山灰が流れる現象である。時速100キロメートルという高速で火山から駆け降りて、広い範囲を焼き尽くす。 たとえば、鹿児島の沖合には7300年ほど前にできた鬼界カルデラがあり、ここから幸屋火砕流が噴出した。居住していた縄文人を襲って南九州で栄えていた縄文文化をまたたくまに崩壊させてしまった。 また、火砕流が噴出した時には、火山灰が上空数十キロメートルまで吹き上がった。この火山灰は偏西風に乗って東北地方まで飛んでいった。 このほかにもにも本書にはミノア文明を滅ぼした3500年ほど前のギリシャ・サントリーニ島の噴火や、西暦79年に古代都市ポンペイを埋めたヴェスヴィオ火山の噴火など、人類が影響を受けた特筆すべき噴火災害がくわしく解説されている。■「3.11」直後から変わった日本列島 ここで、21世紀を生きる我々も歴史的な地殻変動の最中にいることを伝えておきたい。東日本大震災(いわゆる「3.11」)から4年が過ぎ、早くも記憶の「風化」が始まっている。どころか、地球科学から見ると、「3.11」で活発になった地殻変動はまだ終わっていない。それどころか、日本列島は9世紀以来という「大地動乱の時代」に入ってしまったのだ、今後数十年のスパンで、さらなる地震と噴火に見舞われる可能性がある。 2014年9月には長野・岐阜県境の御嶽山がとつぜん噴火を始めた。軽トラックほどの巨大な岩石が降り注ぎ、死者・行方不明者計63名という戦後最大の火山災害となった。こうした噴火は御嶽山だけに留まらない。というのは、、「3.11」で始まった地殻変動と関係があるからだ。 地球科学には「過去は未来を解く鍵」というキーフレーズがある。過去の歴史を振り返ると、「3.11」で起きたマグニチュード9の巨大地震が発生すると、数年以内に近隣にある火山噴火を誘発する事例が多数ある。 20世紀以降の全世界でM9クラスの巨大地震は6回起きたが、すべてのケースで地震の数日もしくは数年後に震源域の近くで噴火が発生した。いずれも巨大地震によって地盤にかかる力が急激に変化した結果、マグマの動きが活発化したのである。 歴史を振り返ってみると、現在の状況は9世紀の日本と非常に良く似ている。具体的に見てみよう。「3.11」は平安時代の西暦869年に起きた貞観地震と酷似する。この地震から2年後に飽きた・山形の境界にある鳥海山が噴火し、46年後には青森・秋田の境界にある十和田湖のある十和田カルデラが大噴火した。9世紀の日本は特異的に地震と噴火の多い時期だったが、「3.11」以後の日本列島も7同様の「大地動乱の時代」に入ったと考えられる。 「3.11」直後から、地震が増加した活火山が20個ほどある。日本は世界中の7パーセントもの数の活火山を有する屈指の「火山大国」だ。その約2割に当たる活火山の地下で、何らかの動きが始まった。 お薦めの3冊1 石弘之『歴史を変えた火山噴火』2 是永淳『絵でわかるプレートテクトニクス』3 宮原ひろ子『地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか』
2022.11.08
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図書館で『地図でスッと頭に入る幕末・維新』という本を、手にしたのです。【地図でスッと頭に入る幕末・維新】 木村幸比古監修、昭文社、2020年刊<「BOOK」データベース>より幕藩体制から近代国家へ舵を切った明治維新。現代につながる様々な問題の根幹となったこの時代の流れを知るために最適な一冊。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten地図でスッと頭に入る幕末・維新明治へと改元後の「版籍奉還」「廃藩置県」なるものを、見てみましょう。p104~106<1869年 版籍奉還>■天皇に土地と領民を返す 誕生後まもない明治政府は、財政基盤が弱く、諸藩に対する支配力も十分もち合わせていなかった。そこで明治2(1869)年1月、版籍奉還を行うことにする。 政府成立当初の財源は、幕府から受け継いだ天領と、朝敵となった諸藩から没収した直轄領のみで、わずか800万石強。それに対し、諸藩の領地は、政府の直轄領の3倍近くもあった。政府としては、すぐにでも藩を廃して、全ての土地をわがものにしたかったが、そう簡単に事は運ばない。そうした状況で実施されたのが版籍奉還だった。 そもそも版籍奉還とは、それまで各藩がもっていた藩(土地)と籍(領民)に対する支配権を天皇に返上することを意味する。最初に政府関係者の多い薩摩、長州、土佐、肥前の4藩の藩主が率先して版籍奉還の上表文を提出すると、ほかの藩の藩主たちもそれに従った。■変わらぬ支配構図 なぜ各藩は大きな文句もいわず政府の要求に従ったのか。それは版籍奉還後も藩主が知藩事に任命され、領内の支配者として君臨できたからである。 江戸時代の幕藩体制下、藩主たちは将軍から領主としての地位を保証されていた。その地位を保証してくれるのが将軍から天皇になり、支配者としての名前が藩主から知藩事に変わったとしても、支配の構図はさほど変わらない。それゆえ、大きな反発はなかったのである。 この版籍奉還によって政府の財源が確保され、中央集権化に向けて進んでいくのである。<1871年 廃藩置県>■統治構造の大改革 明治政府は版籍奉還で中央集権化の第一歩を踏み出したが、幕藩体制下で続いてきた地方領主的な統治制度はまだ残っていた。その旧来の制度を解体するため、政府が明治4(1871)年7月に断行したのが廃藩置県である。 廃藩置県とは、全国の藩を廃止して県に置き換える政策。県には政府から知事や官吏が派遣され、知藩事は職を失う。藩を地方政権、県を政府の統治機構と考えるとわかりやすい。いわば政府による無血クーデターである。 長年にわたって続いてきた領主による土地の支配という在り方が根本的に変更されたわけだから、知藩事(かつての大名)たちが驚いたのも無理はない。しかし、政府の要人である薩摩藩出身の大久保利通が周到な根まわしを済ませていたため、大きな混乱はなかった。■事前の根まわしが効果を発揮 2月、大久保は薩摩・長州・土佐の3藩に計8000の兵を差し出すように命じていた。そして政府は、その兵を御親兵(のちに近衛兵と改称)として組織し、軍事力を強化するとともに、諸藩に圧力をかけたのである。 また、6月には政府への不満から帰郷していた西郷隆盛を復帰させ、廃藩置県への協力を要請した。 こうして下工作を行ったうえで、知藩事たちを皇居に集めて廃藩置県を告げた。知藩事たちは失職したものの、東京で十分な生活費を保証され、華族という特権階級に叙せられたため、大きな不満は抱かなかった。 廃藩置県の結果、政府はさらに力を増した。そして中央集権化にまた一歩近づいた。
2022.11.08
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?残暑厳しき折りなんて言っていたが・・・このところやっと初冬の気配を感じる太子でおます。『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたり浅草 鷲神社 酉の市この本で、立冬のあたりを見てみましょう。和暦p27~28<立冬>冬が立つ日。年末を意識した仏事神事が始まる 「立冬」は、現行の暦では11月7日ころ第1日目を迎え、小雪(11月22日ころ)に入る前日までをいう。 季節の区分では、立冬の初日から立春(2月4日ころ)の前日までが「冬」になる。ちなみに、俳句ではこの日から冬の季語になる。『暦便覧』には、「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」とあり、冬の気配が現れ始めた様子が記されている。 農作業では、五穀などの収穫が一段落したころで、前節気に続き恒例の年中行事が目白押しに続く。神事や仏事の祭りでは、収穫に対する感謝とこれからの厄除け祈願、商売繁盛などが中心となっている。 景気が不景気になるほど参拝者が増える傾向にあるという。困った時の「神頼み」「仏頼み」である。またこの節気には、子供の成長を祝う七五三がある。現行の暦では11月15日ごろ。 七五三は、子供の成長を祝う行事のひとつ。男子は三歳と五歳、女子は三歳と七歳で行われ、産土神や寺社にお参りする。 もともと宮中で行われていた「髪置・袴着・帯解」の祝いがひとつになり、江戸中期以降、江戸を中心に一般化した行事である。(中略) また、「飾り売り」など早くも年末を意識した行事がこのころから始められる。 立冬の期間の七十二候には、・初候の「山茶始開(つばきはじめてひらく)」山茶花が咲き始める(山茶と書いてサザンカと読む)・そして次候「地始凍(ちはじめてこおる)」大地が凍り始めるに至り、・末候「金盞花香(きんせんかさく)」は、水仙の花が咲くという意味になる。二十四節季の寒露に注目(復刻)
2022.11.07
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図書館に予約していた『スマホ脳』という本を、待つこと、9ヶ月ほどでゲットしたのです。2021年に一番売れた本という振れ込みにつられて予約したのだが・・・さてどんなかな。【スマホ脳】アンデシュ・ハンセン著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存ー最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。<読む前の大使寸評>2021年に一番売れた本という振れ込みにつられて予約したのだが・・・さてどんなかな。<図書館予約:(1/28予約、10/27受取)>rakutenスマホ脳第6章でSNSの功罪を、見てみましょう。p144~147<第6章 SNS 現代最強の「インフルエンサー」>■フェイスブックが人生の満足度を下げる SNSから受ける影響を調べようとすると、「どちらが先か」という問題にぶつかる。つまり、ニワトリが先なのか、卵が先なのか。SNSを熱心に使う人は気分が沈みがちだとして、その原因がSNSにあるのかどうか、どうすればわかるのだろう。悲しい気分の人たちがフェイスブックやインスタグラムに引き寄せられている可能性もあるのだ。 研究者が因果律と呼ぶ問題だ。ある調査では、平均年齢20歳の若者たちに「今どんな気分?」「今、人生にどのくらい満足している?」「前回からどのくらいフェイスブックを使った?」といった簡単な質問に答えてもらい、この因果律を解こうとした。 質問は1日5回繰り返され、参加者はスマホを使って回答した。それにより、その瞬間の気分やここ数時間でどれくらいフェイスブックを使ったかが明らかになった。その結果は? フェイスブックを使った人ほど、人生に満足できていなかった。珍しいバカンスや高級グルメの写真に集中砲撃されると、短時間でも人生への満足度が下がる可能性があるのだ。この結果は、立証とまでは言えなくても示唆にはなる。 論文の著者たちはこのように結論づけている。「フェイスブックは表面的には、人間のソーシャルコンタクトへの本質的な要求を満たしてくれる貴重な場である。しかし、心の健康を増進するどころか悪化させることを調査結果が示唆している」 イエール大学の研究者は、5000人を超える人々の心の健康を2年にわたって調査し、同じ現象に行き当たった。ある軌間にSNSに費やした時間が長かった人ほど、その後の数ヶ月間、人生に対する満足度が下がっていたのだ。■SNSは様々な方向から私たちに影響を与える フェイスブックを頻繁にやっているが、それでも問題なく元気で、引きこもったり落ち込んだり、嫉妬を感じたりもしていない。そんな人をあなたはきっと何人も知っているはずだ。SNSに時間を費やすからといって、全員の精神状態が悪くなるわけではない。いくつもの研究が、SNSのせいで心の健康が損なわれる危険性を示しているが、SNSのおかげで元気になるという結果が出た研究もある。さらには地震もついた。いったいどちらを信じればいいのだろう。 ひとつの方法としては、研究を個別に見るのではなく、複数の結果をまとめてみることだ。70件近くの研究をまとめると、SNSは精神面に悪い影響を及ぼすが、平均すると影響は小さいということがわかった。しかし、あくまで平均の話だ。 SNSを頻繁に利用することで精神状態が悪化するリスクのある人もいる。神経質で、心配性で、常に不安を抱えている人たちだ。それほどではない人よりも、強く影響を受ける。
2022.11.07
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