2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
全10件 (10件中 1-10件目)
1
待ちに待った連載再開、しかも今週号はカラーページがあるということで雑誌を購入して読みました。72話のタイトルは「ローマの娘」主人公はミゲルでした。最初、チェーザレと一緒にローマに行けないとがっかりするラファエーレ、ローマまで1人旅とはなんてつぶやいているけど、枢機卿のアナタにはお供がたくさんいるんでしょうと突っ込みたくなりました(笑)彼のお目当てはやっぱりチェーザレ、他の従者は目に入ってないようです。ふかふかの毛皮があったかそうでした。ここから先ネタバレになります。今回はミゲル特集、ファンにはうれしい場面とセリフがたくさんありました。8巻でアンジェロがミゲルに頼んでいたことは、フィレンツェに住む石工のお祖父ちゃんを訪ねて自分が元気でやっていると伝えて欲しいということでした。最初ミゲルは伝えるべきことだけ伝えて去ろうとしますがアンジェロのお祖父ちゃんに引きとめられます。自分はユダヤだからとそっけない態度をとるミゲルに対して「孫が親しい人は私にも親しい人です」ときっぱり言うお祖父ちゃん、このセリフがすごくいいです。食事を共にしながらチェーザレに仕えていることや自分が孤児であることをしゃべってしまうミゲル、アンジェロと同じようにこのお祖父ちゃんも人の心を開かせる何かがありました。そして共和制を守り続けたフィレンツェこそローマの正統な娘だと誇らしげに語るお祖父ちゃん、この時代ロレンツォのような優秀な指導者がいてさらに庶民も共和制を誇りに思っていたからこそ文化が花開きたくさんの芸術家、思想家がフィレンツェに集まったのだと思いました。アンジェロのお祖父ちゃんと親しく話すミゲル、でもこの人が好きになればなるほど自分達はこんないい人の孫を利用して危険な目に合わせていたという気持ちも強くなったのでは・・・この先ミゲルはこんないい人をと思うような相手まで殺さなければいけないので、そのたびにこのミゲルなら葛藤があるのでしょう。チェーザレを光として輝かせるほどに彼は影となり裏の仕事をこなさなければならない、先の展開を考えると辛いです。ただそんな運命、宿命を持っていてもそこで光となり癒してくれるのがアンジェロの存在かもしれないと。ミゲルとアンジェロは全く正反対だけど、互いの立場や人種宗教の違いを越えて1番純粋な友情で結ばれているのがこの2人かもしれないと思いました。
2012年01月27日
コメント(2)
昨日の夜は関東地方にも雪が降り、今朝起きてみるとあたり一面雪景色になっていました。まあ交通に影響が出るほどの大雪ではなく、道路の雪はすぐになくなっていました。ただ細い道は雪が残ったり溶けて大きな水たまりができているので明日の朝の凍結が心配です。ちょうど中学生の次男がスキー教室に行っているところで向こうはかなり雪が積もっていると思います。長男は昔スキーなんてやったことなかったのに経験があると見栄をはって(笑)中級クラスに入れられてしまい、最初からリフトで高いところまで行って転びながらも滑れるようになったと言っていましたが、慎重派の次男はもちろん初心者クラスに入りました。学校のスキー教室はウェアも板も全部レンタルできて便利なのですが、それでも次男は「スキーなんて靴が重いし、寒いからいやだいやだ」と文句ばっかり言いながら準備してました。帰ってきたらきっと疲れた疲れたを連発するでしょう。それでも次男がいないと雪がふって寒いという理由もあるのか家の中はシーンとしています。長男は弟がいないと黙々と食事を食べ、大学の課題をやっています。帰ってきたらさぞうるさいだろうと思いつつ、ちょっぴりさびしい雪の日でした。
2012年01月24日
コメント(0)
後半の第2部を半分ほど読み終わりました。主人公ペドロは17歳になってマテオ氏の学校を卒業し、バルセロナに住む叔父の家から海洋学校に通い、憧れの船乗りになります。第1部が古都アビラの様子、城壁や四本柱の丘などはもちろんその独特の雰囲気まで丁寧に書かれ、親友アルフレッドと学長マテオ氏の家族のことなどが濃密に表現されているのに比べ、第2部は主人公の周りの世界との関わりを反映してか、バルセロナや他の寄港地、そして人間関係もさらっと書いてあって、まるで電車に乗ってガラス窓から通り過ぎる景色を眺めているようでした。第1部の少年時代で親友との辛い別れがあったからなのですが、それでもこの主人公の人との関わりは極端です。ペドロという名前はチェーザレの兄ペドロ・ルイスを連想させ、ついつい強くたくましい姿を想像してしまうのですが(笑)ペドロは少年時代の辛い別れが忘れられず、一生結婚もせず誰とも深い関わりを持たずに生きていこうと誓い、そのように生きていきます。船乗りという職業はそんな彼にぴったりでした。でも戦争が起き、兵士となって直接戦ったわけではないのですが、沈められた船の乗組員を助け、溺死者の死体を引きあげる作業を手伝って、戦争の怖ろしさやむなしさを実感し、ますます厭世的内向的な人間になります。自分の心を持て余して小説を書くことに熱中するもマテオ氏とその娘のマルティーナがでてくる悪夢を見てそれもやめてしまい、死についての考えでますます内側にばかりむかっていきます。ものすごいひきこもり型で孤独な人間なのですが、不思議と暗さや悲惨さは感じない、それは彼が船乗りとしてたくましく生きているからでしょう。もともと私は地位も財産もある人間が不倫によって堕ちていく、みたいな感じの小説が苦手なのですが(笑)、この小説の主人公ペドロや「異端者」のシプリアーノなどは粗筋だけ追うと孤独で不幸な人間であるにもかかわらず、生きる力というか自分の力でとにかく仕事を見つけて稼ぎ、絶望のどん底や死に捕われて厭世的気分でいても、しっかり活動し周りを観察しているところが素晴らしいと思いました。ゴヤ展で、スペインは日本に比べ乾燥していて太陽の光が地上までくっきり届くからあんなに色のはっきりしたコントラスが強く激しい絵を描いたのかなと考えたのですが、この小説のタイトルとなっている糸杉の影、そうした影の暗い部分もゆらゆらとあいまいではなくしっかり影も長く伸び、しかも黒の色調が濃い、それがスペインという国なのかなあと思いました。明るく華やかな部分だけでなく、目をそむけたくなるような残酷で暗い場面もじっくり観察し自分の中に取り入れていじくりまわし、表現せずにはいられないスペイン人、そんなことを考えました。そして私が絵や小説でイタリア、スペインに魅かれるのもそのあたりが理由だと思います。人とは深い関わりをさけつつも仕事はきちんとしていたのでしょう、ペドロはやがて何人もの乗組員を使う船長になります。船の中という狭い世界は人間関係が難しそうですが、逆に深い関わりを持たないと心に誓ったペドロのような人は敵も作らず長い航海であたりさわりなくやっていけるのかもしれません。人間関係で行き詰ったら、いっそここまで割り切れば案外うまくいくかもしれないです(笑)それでも彼は故障した船の乗客を助けたのがきっかけで、アイルランド系アメリカ人で若くて美しい女性ジェーンと知り合い恋心を抱くようになります。彼女を気にいった理由の1つが親友の母に似た鳥の鳴くような声をしていたというのがおもしろい、ペドロは両親の顔も知らないのでマザコンにはなりようもなく、代わりに親友の母コンプレックスなのかと(笑)彼女の宗教、カトリックかどうかを聞いているところもスペイン人らしいなと思いました。でも宗教まで確かめて間違いなくジェーンも自分に好意をもっていると信じているのに、ペドロは自分の決めた原則を守ろうとして一方的に別れを告げて船に乗ってしまいます。それならそれでまた孤独に生きればいいのに、親しくなった後輩の船員(ペドロとは正反対に明るく現実的で家は金持ちでしっかり結婚している)からジェーンに会って挨拶を交わしたという話を聞いただけで、もしかしてその船員は彼女ともっと親しくしていて別れの理由など詳しく知っていて2人して自分を嘲笑っているかもしれないと妄想し激しい嫉妬を感じます。自分の信念を貫くために別れたのに身近な人間の言葉で妄想して苦しむ姿にやっぱり内向的なオタクだと笑いを噛みしめる、私はこの主人公がすごく好きです。
2012年01月21日
コメント(0)
ゴヤ展、見てきました。平日に行ったのにかなりの混雑、1人の画家に絞った特別展でこれだけの人を集められるなんて、やっぱりゴヤは日本で特別に人気があるのだなと思いました。ゴヤの作品ははタピスリーの下絵や肖像画などの大きく派手で豪華な絵と版画、風刺画などの小さく暗く不気味なものと両極端です。スペインという国の光と影、明るさと暗さのコントラストの大きさをそのまま生きて表現したような画家です。今回の目玉作品でもある「着衣のマハ 」思った以上に大きく豪華な絵でした。こんな絵を飾るにはその家も広い部屋がいくつもあって家具も豪華でなければ釣り合わないなあと(笑)。絵に関しては天才を何人も出しているスペインですが、その中でもこの絵は傑作だなと思いました。肖像画の中では6歳の王子をモデルにした絵がとても気に入りました。この絵は依頼されてじっくり描いたのではなく習作なので手足は省略されているのですが、子供の表情が素晴らしくゴヤの全作品の中でどれか1枚くれると言われたら迷わずこれを選びます。国王カルロス4世の肖像画、ゴヤが生きた時代スペイン国王はブルボン家の系統なのでハプスブルグ家の王とは顔が全然違う、フランス系の顔だと思いました。王様や伯爵の肖像画はとにかく服の刺しゅうや飾り物まで細かくびっしり描かれていて、布やボタン、レースなどの質感が素晴らしいです。伯爵は膝が隠れるくらいの半ズボンで白いタイツを履いている、当時はそれがきっと最先端のおしゃれだったのでしょう。もう1人ゴヤの友人で政治家であり思想家でもある人物もやっぱり半ズボンに白いタイツでした(笑)タペスリーの原画になった絵は明るく伸びやかで庶民がモデルとなっていました。ルネサンス期だと絵は聖書や神話を題材にしたものか肖像画がほとんどですが、この時代は王様や貴族が庶民を題材にしたタペスリーを注文して飾っていた、商業が発達して経済的に豊かな庶民も増え、またその生活に王様も関心を持つ時代になったのだなと思いました。木に登ろうとしている子供達の絵、服が破れている子が踏み台にされていて、一見微笑ましい感じの絵も皮肉がこめられていました。そしてすごいリアルだったのがケンカするネコの絵、鳴き声が聞こえてきそうな迫力です。こういう絵もタペスリーの下絵として描かれ、できあがったものが王様や貴族の豪華な部屋に飾られたのでしょうか?ゴヤの時代、絵の題材はかなり幅広くなっていたようです。ゴヤは宮廷画家となりスペインの豪華な光の部分をたくさん見ますが、後半生はナポレオンの進軍、普仏戦争と影の部分、悲惨な時代も経験します。戦争の悲惨さを描いた版画の原画などはまさにスペインの歴史の影の部分です。小さな下絵やスケッチでもその迫力は大きく怖い絵がたくさんありました。聖職者を皮肉った絵や異端審問の絵、「宮廷画家ゴヤは見た」という映画でフランス革命後の啓蒙主義の時代にスペインではまだ異端審問が行われていたということにショックをうけたのですが、小さな絵に描かれた拷問や処刑の様子が何百年もの間変わらずに続いてきたということに驚きました。啓蒙主義の思想はしっかり入ってきているのに相変わらず異端審問が続けられ、フランスとの戦争になれば庶民も武器をとって戦い(ゲリラという言葉はこの時生まれたそうです)敵となれば互いに残虐な方法で殺し合う、悲惨な歴史をいやというほど見たゴヤがそれを描き、版画にし、皮肉をこめていく、美しく豪華なだけではない、誰かに伝えたいという強い力を絵に感じました。けれどもそうした絵ばかりずらりと並んでいるとさすがに疲れてきます。これは日本の企画展だから小さな下絵まで細かく見れたのであって、スペインの美術館で見たならば有名な絵を見るのに精一杯でとてもこんなにたくさん1人の画家の絵は見ないでしょう。そしていやになるほど暗い悲惨な絵を見た後で出会った洗礼者ヨハネの絵は光輝いて見えました。ゴヤの宗教画はあまり有名ではないけれど、暗い影の絵を見続けた後でこの絵は救いとなりました。洗礼者ヨハネという題材、他にカラヴァッジョやダヴィンチの絵がすぐ思い浮かびましたが、この題材は画家にとっての理想、最後に救いを求める主になるのではないかとも思えました。
2012年01月17日
コメント(2)
大学生の長男がやっと運転免許を取りました。教習所に通い始めたのが去年の5月だったから8ヶ月近くまだ取れないまだ取れないとイライラし、もしかして私に似て運転のセンスないのではとハラハラしましたが(自分は遊園地のゴーカートもまともに運転できなかったトラウマがあるので免許もってないです)なんとか無事取れてよかったです。長男が言うには大学の授業や実習、さらにはサークル活動が忙しいから教習所にあんまり行けなかったらしいのですが。確かに文化祭前などは1ヶ月近く教習所に通えなかったみたいです。試験に何度も落ちたわけではなく追加料金は払ってないということで、私に似たのではなくあくまでも忙しくて教習所に行かれなかったと強調しています。それでもまだ彼が運転する車に乗るのは怖く、しばらくは運転の練習に付き合うのは夫に任せるつもりです。運転免許が取れたのはよかったのですが、びっくりしたのは保険料が高くなったことです。子供が運転免許をとったので今まで35歳以上の人だけが運転するというタイプの保険だったのが、年齢制限が取れて追加料金を聞いたら夫1人が運転していた時よりも1年にすれば倍以上高くなるのです。たまに運転するだけの中年と免許取り立ての若者では事故を起こす確率が違うから保険料も高くしなければやってられないということでしょうか。うちの子は慎重で無理な運転はしないのに、と思いつつも年齢によって区切られているならしょうがない、高い追加料金を払っておきます。
2012年01月16日
コメント(0)
![]()
年末年始にかけて忘年会や旅行(ホテルでの食べ放題バイキング)と食べまくっていたので当然の結果として体重は怖ろしいことにダイエットを始めることにしました。しかし、5年ほど前に10キロ以上のダイエットに成功したのですが、今はその時の気力の半分もない、体を動かすのも面倒だし朝早く起きるのもだめ、とにかく無気力状態なのでそれでも続けられるように昼か夜の1食をダイエットフードにおきかえることにしました。結果は3日間で年末年始に太った3キロのうち1.5キロほどの減量に成功、やっぱりダイエットフードは手軽だしストレスも少ないです。このまま2週間ほど続け、5キロは痩せたいと思っています。無気力状態の今日この頃、小説の舞台となった街アビラを調べているうちに、パラドールに泊まりたいなあという気持ちがむくむくとわいてきました。パラドールというのはスペインで由緒ある古い建物や修道院などをを改造した国営の宿泊施設、アビラにも城壁のすぐそばにパラドールがあっていい雰囲気なのです。マドリッドを中心にアビラと白雪姫の城のモデルアルカサルが素敵なセゴビアのパラドールに泊まり、後は美術館とバルをまわりフラメンコも見るスペイン旅行に行ってみたいと思わず計画を考えてしまいました。怠惰な生活をしながらも夢見る気力は残っていてよかったです。スペインで買うより安いかも!?メール便で【送料無料】スペインの街角で売っているガイドブック...価格:1,575円(税込、送料別)
2012年01月13日
コメント(4)
![]()
【送料無料】糸杉の影は長い価格:2,625円(税込、送料別)この本は気に入ったので、後半部分を読む前にもう一度前半の少年時代を読み返しました。さらに物語の舞台になっているスペインの古都アビラについても旅行ガイドで調べてみました。アビラは海抜1000メートルを越える高地にあり、夏は避暑地となり冬の寒さは厳しく雪も降るそうで、アンダルシアなど私が普通に想像するスペインとは大きく違うようです。アビラの大きな特徴はなんといっても旧市街を取り囲む城壁高さ12メートル、幅3メートル、長さは2550メートルもあるそうです。城壁大好き人間としてはこの城壁を見るためだけでもアビラに行ってみたいです。アビラは聖女テレサの生まれ故郷としても有名です。私は彼女については「天使と悪魔」に出てくる彫刻で名前を記憶していたくらいですが、彼女が16世紀ルネサンスの時代に生きていた人だったというのが意外でした。聖人、聖女というとその多くがローマ帝国の時代に生きて迫害により殉教したというイメージでしたが、聖女テレサは殉教はせず、修道院の改革をしたりたくさんの修道院を作ったりしたことで列聖されたようです。アビラには聖女テレサが作った修道院などゆかりのある修道院がいくつかあり、街全体が静かで敬虔な雰囲気に包まれ、城壁とともにまさに中世の雰囲気なのだろうと想像しました。マテオ氏は四本柱の丘から雪に包まれた街を月明かりの中で見るのが一番美しいと言っていますが、雪の季節は無理でもスペインを訪れる機会があるならぜひアビラにも行って城壁と四本柱からの景色を見たいと思いました。マテオ氏は自分が住んでいるアビラをとても誇りに思っていて、アビラでは死者までが他のどこの生者よりも健康だ、なんてことを言っています。ペドロとアルフレッド、2人の少年は教師のそんな言葉を聞いてそんなバカなことあるわけないと笑っていますが。故郷に対する強い愛着、そして最初から望みを少なくすれば失うものも少ないと考えるこの人の厭世主義、もしかしたら若い時はそれなりに野心があって大学教授などを夢見ていたのが小さな街で細々と教えていくしかない今の境遇にうんざりし、投げやりになっているのを故郷への愛や厭世主義でなんとか自分を保っているのかもしれない、なんて意地悪なことを考えました。作品のタイトルにもなっている糸杉、私は糸杉というと実物よりもゴッホの絵の方が思い浮かんで、確かにひょろひょろとした細長い影だろうなと想像しました。ペドロとアルフレッドはマテオ氏が両親の墓参りに行くのにつきあって、特に主人公のペドロは今まで自分の両親の墓参りをしたことがなく、両親の記憶もない孤児だったので、この時初めて墓地を訪れ死を強く意識するようになります。糸杉と松の木が墓地に影を落とし、アルフレッドは糸杉をいやがって自分は松の木の根元で眠りたいと親友ペドロに告げます。彼は自分の方が病弱だからと死を予感していて自分が眠る場所は松の木の影がいいとこだわっています。松の木ならばたとえていうならドニャ・セルバンダのような包み込むような影を作ってくれるから・・セルバンダというのはマテオ氏の親戚で船乗りフェリペ氏の奥さん、木の影を人にたとえているところがおもしろいと思いました。墓地を訪れてからペドロは死というものを強く意識するようになり、目の前にいる親友アルフレッドが色白で痩せていることから、自分より先に死んでしまうのではないかと強迫観念をもつようになります。友人を抱きしめてはあばら骨があたると悲しみ、夜寝ている時にあまりにも静かだと息をしてないのではと心配になる、親友を大切に思うからこそ恐れは激しくなり夜も眠れなくなってと痛々しいです。そしてアルフレッドが母親と2人で夏の休暇を過ごしている時、友達はきっと元気になって戻ってくると信じていたのにあの男、アルフレッドの母の愛人が現われて母親と一緒に行ってしまい、友人は前よりももっと細くなってもどってきた、そんな描写を胸が締め付けられる思いで読みました。1度読んで内容はわかっているのに文字を追いながら情景が浮かび心をわしづかみにされて苦しくなる、そんな激しい体験をさせてくれる本でした。
2012年01月09日
コメント(0)
![]()
現代の世界七不思議を決めるというお正月恒例のテレビ番組、今回は自分も昔行ったことがあるイスタンブールのアヤ・ソフィアが出ていたのではりきって見ました。すみません、もう1つのボロブドゥールの方も素晴らしかったのですが、後から紹介していたアヤ・ソフィアの印象が強すぎてあんまり記憶に残っていません。記憶に残ってないと言えば正直数年前ギリシャ、トルコ旅行に行った時にアヤ・ソフィアを見た時には他に自分にとって印象の強い場所を訪れた後ですでに飽和状態になっていたので、それほど強い印象は残りませんでした。テレビ番組で紹介されたようにアヤ・ソフィアは最初キリスト教の建物として作られ、後にオスマン帝国になった時も壊されずにイスラム教のモスクとして使われ、今は宗教に関係なく誰でも訪れることができる博物館になっています。イスラム教のモスクなのにキリストの壁画があるということは前に旅行で訪れた時から知っていて実際見てもいますが今回あらためて見て奇蹟的に残されたキリストの壁画の美しさに感動しました。イスラム教とキリスト教の共存というだけでなく、地下の柱にはギリシャ神話のメデューサの頭がついた部分があるというのにもすごく感激しました。ギリシャ神話ではメデューサの顔を見ると石になってしまうという伝説があるので、その頭は上下逆で柱の下にあります。アヤ・ソフィアがキリスト教の教会として作られた時に世界中からよい材料が集められたそうです。メデューサの頭はよい石で作られていたので、他の柱と一緒に集められ、そのままリサイクルされてしまったのでしょうか?作られた時から世界中の材料を集め、さらにキリスト教からイスラム教へとまったく別の宗教に変わったのに壁画が漆喰で塗られて封印されたくらいでそのまま再利用されている、そのおおらかさが素晴らしいと思いました。異なる宗教の人や文化を徹底的に破壊するのではなく、うまく利用して共存していく今の時代平和を保つためにはそうした寛大さが一番大切だと思いました。そしてアヤ・ソフィアが今のように博物館になったのには1人の日本人が大きく関わっていたと言う話にも感動しました。その日本人山田寅次郎はトルコの艦隊が日本の近くで事故にあい多くの犠牲者が出たことに心を痛め、遺族のために義捐金を集めてトルコに渡り、その当時のスルタンにも謁見して兵学校で日本語を教え、教え子の1人が後にトルコ近代化の父と呼ばれるようになりました。彼が政教分離の政策をとり、アヤ・ソフィアを博物館にしたそうです。当時国交もまったくなかった遠い国トルコに住む遺族のために義捐金を集めた日本人がいたということにとても感動しました。異なる宗教のものを破壊させずに共存させ、遠い異国の遺族を心配する思いやりの心、そうした象徴として現代の七不思議にアヤ・ソフィアが選ばれたのはとても意義があると思いました。世界遺産や歴史に関係するテレビ番組ではかなりの確率で映画「アレキサンダー」の曲が流れています。あ、これそうだ(笑)とすぐわかってしまってもやっぱり番組の雰囲気と曲で感激してしまいます。【洋画O.S.T】【アレキサンダー】【Alexander】【輸入盤】【サウンドトラックCD】価格:1,850円(税込、送料別)
2012年01月07日
コメント(0)
お正月の3日間家でダラダラしていたので、去年購入した本「糸杉の影は長い」の第1部を読みました。同じ著者の「異端者」を読んで衝撃を受けたので今度は作者のデビュー作でもあるこの本を読んでみたわけです。私は最後の作品である「異端者」で出会いましたが、この著者の作品を人に勧めるならデビュー作の「糸杉の影は長い」の方が時代も現代に近く、少年期の友情と別れが大きなテーマになっているので読みやすいと思いました。主人公ペドロの回想で始まる第1部、彼は幼い頃に両親を失って孤児となり、後見人である叔父に厄介者扱いされていて10歳の時に寄宿舎付きの学校に入れられます。この学校は学長のマテオ以外に先生は1人だけ、学長が借りているアパートの部屋を使って全部で10数名くらい?の子供が勉強し、ほとんどの子は家から通っているけど事情があれば学長マテオの家(というか借りているアパートの1室)に寝泊まりして食事も食べさせてもらうという個人経営の塾のような学校です。学長のマテオは悪い人ではないのだけどものすごく悲観主義者で性格が暗く覇気がない人です。子供相手の仕事をしていて、周りがみんな明るく元気でさわやかでという環境にいるので、こういう人は頭はいいのかもしれないけど教育者としてどうなのかなあと(笑)まあ私は仕事場では隠していますが実際はマテオ氏に近い性格なので、こういう教育者がいると逆にほっとするかもしれません。それでもほとんどの子は昼間勉強を教わるだけで後は家に帰ってしまうのですが、かわいそうなのは10歳でその家で暮らさなければならなくなった主人公ペドロ、マテオの家族、妻と3歳の女の子もそれぞれ悪い人や子ではないけど人づきあいが悪く、夢遊病があって夜独り言を言っているような家族、それに年取ったお手伝いのおばあさん、家の中で唯一生き生きしているのは犬のファニーと金魚だけという子供の教育上あんまりよくなさそうな家庭だけど、それでもペドロ少年に選択肢はなくその家で暮らし始めます。けれどそんな学校に同じ年の少年アルフレッドがやってきてペドロの生活は大きく変わります。アルフレッドは母親が別の男と暮らすために同じように息子を厄介者扱いしてこの学校に連れてきました。大好きな母と別れて暮らさなければならなくなったアルフレッドは最初はベッドで泣きじゃくりますが、すぐにペドロと親しくなってマテオ氏との生活になじんでいきます。かけがえのない親友を得たペドロは悲観主義のマテオ氏や風変わりな家族との窮屈な生活などなんのその、毎日が楽しく生き生きとしてきます。もともと私は映画、漫画、小説などで感動するツボが少年時代の友情というごく狭い範囲に限られているのですが、この小説のペドロとアルフレッドの関係もまさしくそんなストライクゾーンのど真ん中でした。この小説で友情が成立し、親友となる条件というものを考えてみました。親友となる条件その110歳前後で出会い、生活の場が同じであること。15歳を過ぎて一般常識が備わってしまうと特に身分や生活環境に差がある場合何でも言い合える親友にはなれない。そして寄宿舎など生活も一緒だと親密度も増す。親友となる条件その2両方、あるいはどちらかに家庭の不幸がある。両親がいない、あるいは親に愛されていないなど家庭に恵まれず孤独であるほど友人との繋がりが親密になる。親友となる条件その3必ずしも相手の意見に賛同しなくてよい。条件その3はアルフレッドが最初ペドロに向かって自分の母がどれだけ美しく魅力的か長々話す場面があって、最初は両親がいない孤児の友達にむかってなんて無神経なことを言うのだろうと思ったのですが10歳という年齢で相手の気持ちを思いやることなく自分勝手にしゃべるということがもしかしたら友情が成立する大事な条件かもしれないと考えなおしました。アレキサンダーの若い頃を書いた英語の本でヘファイスティオンは「君は背が低いからもっと年下だと思った」なんて失礼なこと言ってますし、ミゲルの毒舌もかなりのもの、身分に関係なく言いたいことを言えるというのがただの友達や側近と魂を分け合う親友になるかの大きな違いだと思いました。ペドロとアルフレッドはかけがいのない親友となり、そうなるともう相手と一緒にいるだけで毎日が楽しくてたまらなくなります。よい成績をとってマテオ氏を満足させ夏休みには外出を許されて毎日連れだって犬の散歩に行ったり川で遊んだり城壁で戦争ごっこをする、そんな毎日はすごく幸せなんだろうなと思いました。一緒に遊ぶだけでなくマテオ氏の家に親戚が遊びに来て、その1人が船乗りだったのでその冒険談を聞く、めったなことで喜ばないマテオ氏がアビラの街は雪の降った時の夜、月明かりに照らされた時に四本柱のある丘から見るのが一番美しいと言えば、2人でそれを見ようと夜中にこっそり部屋を抜け出す計画を練る、親友がいるということはちょっとした冒険の計画でもこんなにも魅力的で待ち遠しいものとなる、友情の力はすごいなと思いました。物語を聞くこと、冒険の計画を練ることが親友がいるというだけでこんなにも魅力的になるならば、アレキサンダーの東方遠征もヘファイスティオンがいたから成し遂げられたのかもしれないと考えてしまいました。雪の夜にこっそり部屋を抜け出す計画をたててわくわくしていたペドロとアルフレッドのように東方遠征もミエザの寄宿舎での2人の話がきっかけになったかもしれないです。部屋を抜け出すのと世界史を変える遠征では規模が違い過ぎるけどそれでも気分は似たようなものかもしれないです。友情があったからあれだけのエネルギーを出すことができた、そんなことを考えてしまいました。アルフレッドとの友情がすばらしいものだけに、彼と別れなければならなくなったペドロの辛さはたまらなかったと思います。本の初めにことわざで「友人は敵と同じように苦しみをもたらすものだ」と書いてありましたが、本当によい出会いであればあるほど別れの苦しみも尋常ではない、そんな別れを経験しなければならないペドロ少年の痛々しさが強く心に残りました。
2012年01月03日
コメント(0)
新年と言ってももう1月2日になってしまいましたがあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。去年、そしてその前の年がかなりいろいろなことがあったので、2012年の今年は仕事や家庭生活ではなるべく変化がなく、平穏無事に過ぎてほしいというのが願いです。今年の目標古代ギリシャ・・英語の本を読み終える、哲学関係の 本に挑戦してみる。ルネサンス・・画家の名前と作品を覚える。当時の食べ 物、ワインなどについて調べてみる。スペイン・・ミゲル・デリーベスの著作をいくつか読ん でみる。本にでてくる地名の場所と風景を 調べてみる。興味を持った国、時代についていろいろな方面からアプローチするというのが今年の目標です。2011年、プログを訪問してくださった方、コメントを書いてくださった方、本当にありがとうございました。今年もどうぞよろしくお願いします。
2012年01月02日
コメント(0)
全10件 (10件中 1-10件目)
1

![]()
