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人間を凶暴化させる謎のウイルスが蔓延した世界を描いた、「28日後…」、「28週後…」に続く3作目です。ロンドンでウィルスが発見、蔓延してから28年後。生き残った人々は海の孤島に集落をつくり、見張り台をたてて、感染者たちの侵入を防ぎ、ひっそりと身を寄せ合って暮らしていた。12歳のスパイクは、父と母とその村に暮らしていたが、母の病気治療のため感染者が蔓延る外の世界へと踏み出す決意をする。1作目と同様、ダニー・ボイル監督×脚本アレックス・ガーランドにて製作されました。監督が変わった2作目はかなり不評だったと記憶していますが、またこのタッグに戻ったということでかなり期待していました。「28時間後…」はすごく衝撃を与えた映画でしたよね。ゾンビ映画は存在してましたが、ウィルスが原因で、普通の人がどんどん感染していくっていう設定は新しかったと思うのですよ。私の知識では、当時こんなにアクティブで足が速いゾンビってなかったんじゃないかな?スピード感があって、スタイリッシュで、絶望的で、画期的な作品でしたね。今作も、冒頭の方は、さすがダニー・ボイルだなと、そのスリリングな展開に胸躍っていました。父と母の人間臭さも"らしく"てワクワクが止まらないスタートだったんです。いやー、後半は見事に失速しましたね。なんか設定が訳わからなくなってきて、妙に哲学的になったり、組織間の立ち位置もややこしいし、謎が多過ぎる。たぶん続編を作る目的があるからと思うけど、謎は残ってても、その謎にそこまで興味をそそられない。意味がわからなくてイライラするだけという印象です。後半で、監督変わった?ってくらい、面白くなくなった。ダニー・ボイル節といえるようなスタイリッシュさもないし、後半はドキドキする展開も少なかったように思います。続編はあるみたいなので、このシリーズは最後まで見届けよう!と思う人はとりあえず観ときます?って感じで、積極的におすすめはしません。★★☆☆☆28年後... ブルーレイ+DVD セット【Blu-ray】 [ ジョディ・カマー ]価格:4,204円(税込、送料無料) (2025/11/10時点)楽天で購入
2025.11.23
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2020年2月3日、横浜港に入港した「ダイヤモンド・プリンセス」号にて、日本で初めてコロナウィルスの集団発生が確認された。当時、コロナウィルスに関する知識は乏しく、ウィルス対策の専門組織もなかった日本では、緊急的に医療ボランティア団体である「DMAT」が出動することに。治療方法や、ウィルスの性質に関して知識不足のなか、様々な偏見にさらされながら、乗客を無事に帰すため奔走した関係者たちの闘いを描く。めちゃくちゃ興味深い題材じゃないですか。あの時、船の中でなにが起きていたのか…。しかも、私は当時日本にいなかったので、日本全体がどういう反応をしたのかもすごく気になっていました。まさか、ボランティア的な医療団体が対応してくれていたなんて、これってすごいことですよ。やっぱり医療従事者って本当に尊い職業だとあらためて感じました。すごい使命感ですよね。未知のウィルスが蔓延してるところに人を救いたいという気持ちだけで向かっていくんですから。しかも世間はいろいろ言いますよ。危険だから下ろすなとか、責任取れるのかとか。そして、いろんな立場の人がそれぞれの仕事をするなかで葛藤があるんですよね。医療従事者だけじゃなく、その家族、省庁、マスコミ、一般市民…でも、結局は善意なんだなと思いました。人が人を思いやる、1人ずつか少しだけの善意を示すだけで、事態は良い方に向かっていくんですよね。コロナが普通の病気になった今こそ、この題材で映画を作る意味があったと思います。日常が奪われたときにどう振る舞うかで人間性が問われるんだと忘れてはいけないですよね。ただ、少しだけ…、あえて、少しだけ意見させてもらうなら…、私としてはちょっとドラマチック過ぎるかなー?と感じました。ちょっと意地悪な見方かもしれませんが…。小栗旬さんはスカしたというより、情熱大陸的な俳優さんだからかな?演技がというより全体的な演出がちょっとドラマチック。実話ベースだから、もっと淡々と描いてくれたほうが感情移入しやすかったかもしれません。とはいえ、コレは難癖レベルの話なので、全体的には観て良かったし、感動できるお話でした。あの時期を経験した私たちは観て損のない映画だと思います。★★★☆☆フロントライン [ 小栗旬 ]価格:5,984円(税込、送料無料) (2025/11/10時点)楽天で購入
2025.11.21
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6年前、テキサスで起きた殺人事件から生還した女優マキシーン。ポルノ映画の世界では人気を博していた彼女だったが、今回ようやくホラー映画の主演女優の座を手に入れる。一方その頃、ハリウッドの街ではナイト・ストーカーによる連続殺人が人々を恐怖に陥れており、マキシーンの周りでもポルノ女優仲間が殺されていた。そして、6年前の事件を何者かがマキシーンに接触してくる。「Xエックス」、「Pearlパール」に続く3作目になります。よく私の大好きなYouTuberさんが言ってるんですが、これはまさに「知らない映画の知らない続編」ですよね。簡単に、雑に、説明すると、「Xエックス」は殺人ババアと若手女優マキシーンをミア・ゴスが一人二役で演じていて、狂ったジジババの殺戮のお話。「Pearlパール」はそのババアの若かりし頃のお話です。特に意識してではなく、全部観てたんですよね。今作に至っても全く他2作の続編だなんて思わずに観に行きました。正直に言うと見終わってサイト見るまで前の2作のことは頭になかったです。てか、このシリーズって私の中で、ミア・ゴスが無双するエログロホラーってだけで、あんまり後に残るような作品じゃないんですよね。後で言われて、あー、そんなんあったなって言う。しかし、彼女はすごいです。絶妙な性悪顔とエロエロボディで、とにかくスラッシャーホラー界での最強ミューズなんですよ。この人が普通の映画出てる姿が全く想像つかない。たぶん、巧妙な3作の繋がりや、裏の設定など考察ポイントはたくさんあるシリーズだと思うんです。でも、短絡脳の私はそんなややこしいことは断固拒否で、スラッシャーホラーとしてのみ楽しませていただきました。私的にはずっと何が起きてるのがいまいちよくわからんけど、残虐描写でヒャッホーな感じでした。スラッシャーホラー好きならこの3作は昨今の必修科目かもしれません。★★☆☆☆MaXXXine マキシーン 【Blu-ray】価格:5,412円(税込、送料無料) (2025/11/10時点)楽天で購入
2025.11.19
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前作「ミッション:インポッシブル デッドレコニング」の後編となる2部作の2作目です。世界を滅ぼすことのできる「鍵」を手にしたイーサンは、その「鍵」を巡る攻防戦の中、イーサンの過去の任務との因縁が次々と襲いかかってくる。自身の過去の判断の是非を問われながら、信じる正義のために奮闘するイーサン。果たして彼は今回も世界を救うことができるのか。きっと多くの人が「えっ⁈これ続きあんの?」と驚いた前作レッド・レコニングの後編です。なんかあらすじがフワッとしててすみません。詳しく説明してもあんまり意味がない気がするし、まとめるとこんな感じになってしまいました。この映画、169分あるんですよ。もうほぼ3時間ですよね。しかし、そこは流石のトム様です。飽きなかったね。正直、展開も読めるし、すんごい驚きがあるかって言われるとそういうわけじゃない。なのに、退屈させないってすごくないですか?場面を次々に変えて、スリリングなアクションをこれでもかって見せてくれるし、熱い人間ドラマ的なものは程よくわきまえた時間配分で、楽しませてくれます。トム様の身体を張ったアクションは健在で、とても還暦越えとは思えない。まぁ、顔面は宍戸錠ばりにお直しのあとが…いや、私の気のせいですよね。とにかくあの年齢であれだけ走れるのは本当にすごい。自分も歳を重ねてるから、本気でそう思います。あらすじがフワッとしてると冒頭にお詫びしましたが、実際あんまり重要じゃないというか…トム様の活躍を引き立たせる、スリリングな場面を作るために逆算的に用意されたものって感じです。登場人物も、トムの漢気を引き出してくれるための役割に徹してるようにみえます。トム様というスターを輝かせて最高のものを作る、トム様もその重責に見事に応えて最高のエンタメ映画を完成させるということですよね。でも、今作に限ってはこれまでのシリーズのオマージュ的なものが巧妙に盛り込まれてるので、その点では今までより凝ったストーリー展開になっていたかも知れません。なので、シリーズ知らなくても楽しめたこれまでと違って、今回はファンに向けての作品になってましたね。少なくとも2部作だから、前作は観てないとキツいかな?絶対楽しめるこれぞハリウッドの映画ですので、前作のレッドレコニングとセットで是非どうぞ。★★★★☆ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング ブルーレイ+DVD セット(ボーナスブルーレイ付)【Blu-ray】 [ トム・クルーズ ]価格:4,312円(税込、送料無料) (2025/11/7時点)楽天で購入
2025.11.17
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世界的な人気漫画家の岸辺露伴は、あるファンに招かれベネチアを訪れていた。そして、観光で立ち寄った教会である男の告白をきいてしまう。それは、ある浮浪者の死に関わり「幸せの絶頂に迎えた時に”絶望”を味わう」という呪いをかけられた男の話だった。露伴は男の話に夢中になるが、やがて自身も呪いの渦中にあると気づいてしまう。果たして、その呪いは本物なのか。前回が全く面白くなかったんですね。ずっと支離滅裂って感じで…それに比べて、今回はすごく面白かったです。露伴とともに、話に引き込まれたし、前回とは雲泥の差です。原作のチョイスが今回は映画向きだったんでしょうね。ベネチアの雰囲気もすごくお話とマッチしてました。教会での懺悔とかすごく小粋な演出が効いてる気がしました。役者たちもなかなかエキセントリックなお芝居で楽しませてくれました。ちょっとエキセントリック過ぎるところはありましたが、ジョジョの世界観ですから、やりすぎくらいがちょうどいいですよね。最後まで、呪いが本当なのか⁈と興味が続いたし、何度かハラハラさせてくれて、ファンだけでなく大衆ウケするエンタメになってたんじゃないでしょうか。まったくこのシリーズを知らなくてもある程度楽しめる作品だったと思います。★★★★☆映画ノベライズ 岸辺露伴は動かない 懺悔室 (集英社オレンジ文庫) [ 北國 ばらっど ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/11/7時点)楽天で購入
2025.11.15
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1986年ペンシルベニアに住むある一家が偶然「呪いの鏡」を手にしてしまったことから、この家族を次々に怪奇現象が襲ってくる。実はその鏡はかつてウォーレン夫妻が危うく娘の命を失いそうになった因縁のものだった。その鏡に出会ったことで、除霊の仕事を引退していた夫妻だったが、鏡に宿った悪魔は結婚を控えた2人の娘、ジュディに再度魔の手を伸ばし始めていた。「アナベル」で有名なこのシリーズは結構観てます。最近気づいたけど、私は悪魔退治的なお話が好きです。「神の名の下に…」?的な?感じが好きなんですかね?別にキリスト教徒でもないんですが…。特に今回は最後を匂わせてきてるし、突然必見リストに入ってました。ただ、今回は…いまいちでした。ものすごくもどかしい!なかなか、戦わない。全然、ウォーレン夫婦が悪魔と対峙しない。いや、あんたらの家族ドラマいらんねん。興味ないねん。ジャンプスケア的な演出もあって、不穏な空気は漂ってるんですが、それ以上にほんわか家族ドラマパートが多すぎる。この映画観る人、そういうことじゃないと思う。あんたたちのそういう部分全く興味ないと思う。全くいらないって言ってるわけじゃないんです。娘の話は今回の重要ポイントでもあるし。でも、ちょっと長すぎやしませんかって話。ジャンル疑うレベル。いざ直接対決したら、あっという間に終わった印象です。面白くないわけじゃないです。それなりにホラー映画もしてます。ウォーレン夫妻は実在の人物ですし、このシリーズの大ファン、夫妻の大ファンって方はものすごく楽しめたんじゃないでしょうか。★★★☆☆【バーゲンセール】【中古】DVD▼死霊館(3枚セット)1、エンフィールド事件、シスター レンタル落ち 全3巻価格:1,842円(税込、送料別) (2025/11/6時点)楽天で購入
2025.11.13
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第一次世界大戦後のデンマーク。戦争に行ったまま帰らない夫を、お針子として働きながら待っていたカロリーネ。生活は困窮しており、ギリギリの環境で暮らしていた。そんなとき、職場の社長と深い仲になり、幸せを掴んだと思ったのも束の間、身分の違いを理由に捨てられてしまった、カロリーネ。しかし、彼女のお腹には彼の子が宿っていた。途方に暮れていた彼女を救ったのは偶然出会ったダウマという女性だった。ダウマは表向きはキャンディショップの女主人だが、裏では望まれない赤児を里親に引き渡すビジネスをしていた。子供を産んだばかりで乳が出るカロリーネはダウマのところで乳母として働くことに。居場所を見つけたと思ったカロリーネだったが、やがて恐ろしい真実を知ることになる。暗い。とてつもなく、暗い。映像もモノクロだから、色彩の意味でも暗い。実際にあった事件をモチーフにしているそうなのですが、やるせなさが半端ないですね。ちょっとネタバレかもしれませんが…本当にダウマを非難することはできるのか?じゃあ、どうすればよかったのか?誰かが手を汚さないといけないのではないか?そんな思いが渦巻いて、とにかくやるせないです。ずっと、静かなんですよ、この映画。不気味さと悲しさが一貫して漂ってる。カロリーネとダウマ…というか、ほぼ全員が全然笑わないですし。ものすごく暗い気持ちになります。正直、観て良かったとも思わなかった。これだけの暗さで、さらに長いんです。この時代の女性が置かれた状況というのを知っておいた方がいいとは思うけど…わざわざお金払って、2時間くらい救いのない時間が続くのは、ちょっとキツい。おすすめは、しません。気分が落ちても問題ない方は、自己責任でお願いします。★☆☆☆☆ガール・ウィズ・ニードル [ マグヌス・フォン・ホーン ]価格:3,260円(税込、送料無料) (2025/11/4時点)楽天で購入
2025.11.11
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布教活動のため森の奥にある一軒家を訪れた若いシスターのパクストンとバーンズ。そこには優しそうな初老の男性、リードが住んでいた。奥には妻も在宅だというので、招きに応じ2人は家の中に入ることに。しかし、布教活動を始めるにつれ、リードの宗教に関する論調に不穏な空気を感じた彼女たちは早めに家を去ろうとする。しかし、玄関の扉は閉ざされており、閉じ込められたことを悟った2人は必死に出してくれるよう懇願するが、リードは2つの扉の前である選択を迫る。いやぁ、こういう役もできるんですねー、ヒュー・グラント。ただのロマンス垂れ目優男じゃなかったようです。すんごい不気味でした。男前はかわらないのに、ちゃんと気持ち悪いと思わせる演技が素晴らしかったです。正直、宗教的な話は全く理解できなかったです。シスターたちはモルモン教信者なのかな?まずモルモン教をよくわかってない無知な私。なので、展開されるキ◯ガイおじさんの宗教論は右から左でした。たぶんわかってた方が何倍も面白いけど、わからなくてもサイコスリラー的に充分楽しめます。どんどん絶望が濃くなっていく展開はスリリングで、怖くてすごく良かったです。助かってほしいとは思うのですが、次はどんな手で希望を打ち砕いてくるのかという期待もあったりして…。私が性格悪いだけですね。いや、しかしこのヒュー・グラント演じるおじさんもかなりの性格の悪さですよ。たまにいるじゃないですか、相手を徹底的に論破して信じてるものを奪いたい人。それの最上級にヤバい版というふうに感じました。胸糞悪いけど、その分サイコスリラーとしては良作だったと思います。★★★★☆異端者の家【Blu-ray】 [ スコット・ベック ]価格:4,290円(税込、送料無料) (2025/11/4時点)楽天で購入
2025.11.09
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MCU(マーベルシネマティックユニバース)シリーズ作品です。シリーズの各作品で悪役として登場したキャラクターたちが、今度は世界を救うべくチームを組んで闘う。姉を失い虚しさを感じながら日々を過ごしながら、CIA長官ヴァレンティーナからの指令を淡々とこなしていた、エレーナ。ある日、指令によりある施設に向かうと、そこにはヴァレンティーナお抱えの刺客、ジョン・ウォーカーや、ゴースト、タスクマスターも集まっていた。お互いを暗殺するように指令を受けていた刺客たちが戦いをはじめるなか、記憶を失ったボブという青年に出会う。何故か彼ら全員を標的にした軍隊も現れ、全員で力をあわせて危機を乗り切ることに。その場をなんとか逃れた彼らは助けに来たエレーナの父アレクセイ、そして、ヴァレンティーナの裏の顔を探っていたバッキー・バーンズともに、ことの真相を探るべく動き始める。キャッチーコピーが「最強じゃない、ヒーローじゃない、でも、やるしかない」なんですよ。ワクワクするじゃないですか。DCでも、悪役たちがチームを組む「スーサイド・スクワッド」がありましたが、カッチョ良かったもんなー。特にジョーカー界隈。ヒーローっぽさは今作の方があった気がします。DCの方は悪役は悪いままなんですよね。ただ、Marvelの方は実際みるとワクワクどこいった?ってなりました。まず、なんかカッコよくない。元々が悪役ではあるんですが、それでも主役になったからにはカッコよく見せてほしかった。その点では、前述の「スーサイドスクワッド」とは格段の差がありましたね。あと、今までのマーベル作品観てないと、それぞれのキャラクターの事情とか全くわからない。不親切。ファン以外置いてけぼりです。そして、勧善懲悪ってわけではないこと。今の時代、わかりやすい完全無欠のヒーローみたなのは流行らないのかな?ヒーローが、完全にヒーローじゃなくて、悪役が、完全に悪役じゃない。ものごっつい強いヒーローが悪いやつ叩きのめすみたいなわかりやすい図式じゃないんですよね。良い方もスネに傷があって、悪い方にも事情があって、根っから悪いわけじゃない。曖昧なんですよ。どこに感情移入したらいいか宙ぶらりんになっちゃう。まぁ、Marvelファンは観ないと仕方ないですが、MCUは観たり、観なかったりだったり、これからのシリーズも観ないかも?ならわざわざ観なくていいかも。★★☆☆☆サンダーボルツ* ブルーレイ+DVD セット【Blu-ray】 [ フローレンス・ピュー ]価格:4,258円(税込、送料無料) (2025/11/3時点)楽天で購入
2025.11.07
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ヤクザの親分の息子として生まれた喜久男。ある日、抗争が起こり両親が殺されてしまう。その現場に居合わせた歌舞伎役者の花井半二郎は、喜久男に才能を感じ、部屋子として迎え入れることにした。半二郎の実子・俊介とは兄弟のようでもあり、ライバルとしても共に切磋琢磨しながら稽古に励んでいた。しかし、事故にあった半二郎の代役として喜久男が指名されたことにより、2人の関係は崩れ、俊介は姿を消してしまう。歌舞伎の世界に魅せられ、命を削りながら演技を磨いていく役者たちの生き様を描く壮絶な人間ドラマとなっている。めちゃくちゃ話題になりましたよね。あまり世間の評価と自分の評価が一致することはない、レビューブロガー失格の私なのですが、今回は完全一致です。これは傑作だと思いました。まず、歌舞伎の舞台シーンは圧巻です。私自身は歌舞伎を実際に観たことはないのですが、観てみたいなと思うほど、素晴らしかったです。所作の一つ一つや、セリフの息遣い、ドタドタと立ち回る足音など、生で観てるような臨場感たっぷりの映像で、圧倒される迫力がありました。その綺麗な歌舞伎シーンと対比するように描かれる人間の汚い部分。こちらもまた見応え抜群です。寺島しのぶが病気なのに舞台に立とうとする渡辺謙に「役者は、ほんまに意地汚い生き物やで」みたいな台詞を言うんですが、本当に意地汚いくらい歌舞伎というものに取り憑かれて、執着しているんです。そこのドロドロがまたいいんですよねー。そして、面喰いババア炸裂で言わせてもらいますと…その人間の汚いところに嫌悪感を抱かせない、そこが吉沢亮の顔面力だと思うのですよ。それも込みでの傑作だと思います。もちろん他にも諸々、主演2人の努力とか、田中泯の素晴らしさとかめちゃくちゃ良いところはあるんですが、そんなのはいろんな人がもう語り尽くしてると思うので、私からは遠慮しときます。決して面倒だからではありません。煌びやかな歌舞伎の世界と、その裏の愛憎劇。そして、全てを納得させられる吉沢亮のご尊顔!これだけで、観たくなりませんか?★★★★★国宝 上 青春篇 (朝日文庫) [ 吉田修一 ]価格:880円(税込、送料無料) (2025/11/1時点)楽天で購入
2025.11.05
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都市伝説として語られるこの世に存在しない駅「きさらぎ駅」。その世界に迷い込んだ宮崎明日香は、3年前に奇跡的に元の世界に帰還した。しかし、疑念に満ちた世間の目に晒され、現実に戻った後も辛い日々を送ってた。そんななか明日香はドキュメンタリー番組の取材を受けたことを最後に、明日香を救いあちらの世界に取り残されてしまった女性、堤春奈を救うため、再び「きさらぎ駅」の世界に戻ることを決意する。都市伝説を題材にした映画なんて…と、バカにして観た前作が思いのほか面白かったので、続編も期待して観に行きました。期待は裏切られなかったです。ものすごく有名な人が出てるわけでもなく、失礼な話、演技もちょっと自主映画っぽいというか…、上手い!って感じることはあんまりないんですよ。でも、楽しめる映画なんです。元々の都市伝説もけっこう面白いし、一回死んだら終わりじゃなくて、ゲームみたいにやり直しがきく、そして、徐々にクリアしていくみたいな楽しさがあるんだと思います。ホラー感も、あります。ただ、残虐な描写もあるけど、ホントにグロいところはそこまでないです。不気味さは佐藤江梨子が一手に担ってた気がします。1人だけめちゃくちゃ怖いwwコメディタッチなところもあって、けっこう切実なシチュエーションなのに、軽口たたきながら、学園祭かってノリで挑んでたり、その辺も観やすい感じでしたね。あとは、前回に引き続き主演女優のズルさ、強かさがわかるエンディングになっていて、面白いなと思いました。軽い気持ちで観て、予想以上に楽しめるというお得感のある作品です。★★★★☆きさらぎ駅 Re: [ 永江二朗 ]価格:3,603円(税込、送料無料) (2025/10/31時点)楽天で購入
2025.11.03
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かつて人気女優だったエリザベスは、容姿の衰えとそれに伴い仕事を失った焦りから、怪しげな薬物「サブスタンス」に手を出してしまう。手に入れた薬を摂取すると背中が破れ、若く美しい姿で生まれ変わる。若い美貌とエリザベスの経験も併せ持つ姿を手に入れた彼女は「スー」として順調にスターダムを登っていった。若さを謳歌していた彼女だったが、「1週間ごとに入れ替わる」という絶対厳守のルールを次第に守らなくなり、やがて恐ろしい代償を払うことになる。内容というより、この映画を取り巻くストーリーが気になって必見リストに入りました。まず、主役のデミ・ムーアそのものをモデルにしたようなストーリーであること。かつて「ゴースト」で観たショートカットがキュートな彼女はいずこへ…というのは皆んなが思ってることですよね。老いには抗えない、女優の悲哀、足掻き…怖いもの見たさです。次に、カンヌで上映され、すごく話題になって、アカデミー賞候補にまでなったということ。今まで大根女優と言われ続けたデミ・ムーアがついにオスカーを取るのか⁈と期待が集まっていました。そして、アカデミー賞では、オープニングからこの映画のパロディではじまり、かなり期待されていたにも関わらず、ほぼ無名の新星「アノーラ」のマイキー・マディソンが主演女優賞を掻っ攫っていったこと。ここまでが映画の落ちぶれ女優の悲哀と重なってなんとも出来すぎな展開ですよね。全体的には、「笑ゥせーるすまん」的なお話ですよ。せっかく欲しかったものを手に入れたのに、強欲により悲惨な最後を迎えるっていう。正直、アカデミー賞は獲れなくて当然と思いました。有名女優のデミ・ムーア自身と重ねて観るという楽しみがなければ、B級ホラーの類だと思います。ラストなんて陳腐すぎて笑えてきましたもんね。コメディかな?って。いや、元々コメディなんかな?とにかくアカデミー賞に値するほどの映画ではないですね。予告を観た時点で展開は読めるし、肝心の中身に関しては期待を下回りました。グロいところもあるにはありますが…作り物すぎる。お化け屋敷の化け物かな?という感じでした。ただ、私がお年頃だからかもしれませんが、若さによる眩しさには当てられましたね。若さがスパークしてました。もちろん、美人でスタイルの良い女優さんの演じているというもありますが、あの滲み出る輝きは絶対オバさんには出せない。なので、オバさん世代にとっては、絶対に手に入らない若さの煌めきにあてられた上、B級ホラーを見せられるという割と辛めの時間でした。ホラーコメディくらいの感覚で観るならいいかもしれませんね。★★★☆☆サブスタンス【Blu-ray】 [ デミ・ムーア ]価格:4,400円(税込、送料無料) (2025/10/30時点)楽天で購入
2025.11.01
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依頼人に代わり受刑者や被疑者に差し入れを届ける「差入屋」を営む金子真司は、妻と息子、そして「差入屋」の先代である叔父と店舗兼自宅で暮らしていた。ある日、息子の同級生である女の子が殺害されるという痛ましい事件が起きてしまう。家族ぐるみの付き合いだった一家に起きた悲劇に胸を痛めていたところ、その犯人の母親から息子に差し入れの依頼が入る。犯人への面会を続けるなかで、仕事と私情の葛藤で苦しむ真司だったが、そんななか面会の待合所で不思議な女子高生と出会う。断られた続けても面会の申し込みを続ける女子高生が抱える悲しい秘密とは。そして、真司にも向き合わなければいけない過去があった。あんまり気持ちのいい話ではないです。感動というのもまた違う。泣いたりしなかったし、悲しんだり怒ったりという感情にもならなかったんですが、なんとなく描かれてることは理解できる気がしたんですよ。人間って基本的には利己的で、クソで、現実は厳しくて、痛い。でも、それが良心なのか、偽善なのか、建前なのかわからないけど、少しでも善であろうともがく人たちがいて、冷たい世間に晒されながらそれでも生きるっ!的な話なのかなと解釈しました。違うのかな?違うかもしれないな。少なくとも私はそう解釈して、ある程度観る価値があると思ったんですよ。誰も幸せにならない、スッキリ解決なんてしないし、むしろ若干後味悪い系ではあります。正解はさておき、どっちサイドでいくかは、自分の選択、自分次第といったことを考えさせられました。あと、この映画は役者が皆んな上手くて良かったですね。クソは、骨の髄までクソに見えたし、普通の人たちの葛藤もすごくよく表現されていました。差入屋という稀有な職業がテーマなのも興味をそそりました。実際にあるんですね、全然知らなかったです。そういう知識が増えるのは映画のいいところですよね。やり切れない現実を見せられたり、決してハッピーエンドではないです。ただ、様々な立場の人たちをみることで、いざの言うときに人の立場にたって考えることができるのでは?、そういう意味で価値があるなと思った作品でした。★★★☆☆【先着特典】金子差入店【Blu-ray】(B6クリアファイル)価格:6,270円(税込、送料無料) (2025/10/29時点)楽天で購入
2025.10.30
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アルバイトを掛け持ちし、ギリギリの生活を送っているジョンユンは、そんな日々に疲れ切っていた。しかし30歳の誕生日を目前に控えたある日、道ですれ違った男性に突然「6時間後に君は死ぬ」と告げられる。予知能力があり、ジョンユンが死ぬ未来を見たというその男性・ジュヌに促され、2人で犯人を探すことになる。そして、かつてストーカー被害を受けた相手に会いに行くことに。一方、バイト先のコンビニの常連客の刑事に話したところ、現在女性を狙った連続殺人が起きており、予知能力のあるという彼が犯人ではないかと聞かされる。果たして、その予言の真偽とは。死を予言する男性を演じているのはNCT127のジェヒョンなのですが、こちらは、アレです、推しの映画です。ただ、日本原作で、塚本高史で昔にドラマ化された作品でもありますし、推しが出てなくても観たとは思います。日本版は見てないのですが、それゆえにネタバレしてなくて予告観た時点で面白そうだと思いましたし。結果、うーん、まぁまぁかな?面白くないとかではないんですが、かなりオチの読める展開です。わかりやすい?、あまりストーリーが巧妙ではないなという印象でしたし、ワーキングプアともいえる若者の悲哀とかも、この設定いるか?って感じてしまった。強引に物語すすめるなーという、繋がりが雑なところもチラホラ…。でも、最後なんかはそれなりには緊迫感はあったかな?退屈ではないけど、中身があんまりないという感じです。生活に疲れ、孤独感を感じているジョンユンを演じたパク・ジュヒョンさんはきっといい女優さんだと思います。推しはさておき、他の俳優さんもきっと悪くないんでしょうけど、なんせキャラ設定が弱々なんですよ。そして、そう。推しはさておきなんですよ。ここからは、ファンの気持ち悪い願いとしてすっ飛ばしてもらっていいんですが…。謎の男ジュヌを演じた彼は、演技は上手いというレベルではないんですよね。だからなのか、セリフがかなり少なくて、主人公が一生懸命演技してて、彼はついて回ってるだけみたいに見えてしまってた。贔屓目バリバリですが、彼はイケメンなんです。だから、なんでそんなすぐに信じられるねんってとこも、なんとなく受け入れられる。だから、彼を使うのであれば、もっとそれを活かした演出をしてほしかった…。喋らなくていいから、もっとキザにカッコつけさせてほしかったです。その辺もこの映画のクオリティに影響したんではないかと思うのですよ。まぁ、キモファンの感想は無かったことにするとして、この映画は予告負けですね。配信サービスなんかで暇なときに観るならいいと思います。★★☆☆☆【中古】6時間後に君は死ぬ / 高野和明価格:255円(税込、送料無料) (2025/10/28時点)楽天で購入
2025.10.28
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人々が興味を持つ話の真相を話すことで、視聴者からの投げ銭で報酬を得るという人気チャンネル「真相をお話しします」。借金で首が回らなくなった警備員の桐山は自身が体験したとっておきの事件の真相で、人生の一発逆転を狙っていた。友人の鈴木と一緒にスピーカー(話し手)に選ばれるように祈っていた桐山は、ついにそのチャンスを手に入れる。しかし、そこからチャンネルは驚きの展開を迎えることに。これは、オムニバス映画として観るべきなのかな?オムニバス形式で各スピーカーの話を楽しみつつ、メインの大きな展開があるという感じでした。かなりの人が同じじゃないかと思うんですけど、最後!それはないわ…、メインの最後が1番ダメっていう。そこまではめちゃくちゃ良かった。各ストーリーも面白かったし、メインのお話が始まったときのワクワク感も半端なかったです。メインのお話も「そういうことだったのか⁈」的な驚きもあり、先の読めない展開に心が躍ってたんですけど、先が読めないっていうか…先ないんかいっ!と。ほとんどの人がそんなわけないと最後までエンドロール見てましたね。1番良かったのは、お茶目サイコパスがよく似合う伊藤英明じゃないかな?、結局。悪の教典をちょっと思い出しました。本当にエンディングまではすごくいい、そこまでなら絶対にオススメしたんですけど…。うーん、前半の加点と、大森元貴の初芝居ということを考慮して、まぁ観てみてもいいんじゃないかな?くらいですね。★★★☆☆#真相をお話しします (新潮文庫) [ 結城 真一郎 ]価格:649円(税込、送料無料) (2025/4/28時点)楽天で購入
2025.06.16
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ギャングの抗争に巻き込まれ最愛の息子を奪われたブライアン。自身も声帯を失い自暴自棄な生活を送っていたが、深い喪失感を息子を奪ったギャングたちへの復讐心に変え、息子の命日であるクリスマスイヴに計画を決行すべく動き始める。ジョン・ウー監督作、「ジョン・ウィック」の製作陣によるリベンジアクション!って、ことだったんで、ハズレはないかなと思ったんですけどね。ハズれるんですね、映画って難しい。だって、無理がありすぎますよ。普通のお父さんですよ、いくら復讐心が深いからって、ギャングってそんなに弱い?お父さん強すぎるし。あんなに痛めつけられても向かっていく精神力って特殊部隊出身とかでないと辻褄合わないと思うんですけど…。それに、すごく悲劇の出来事なのに、なんかペラペラ。エモーショナルな部分がペラペラです。全然感情移入できない。申し訳ないけど、主演俳優さんに魅力を感じなかったのも大きいかもしれないです。主人公は声帯を失ってるので、ほぼ台詞がないんですよ。なので、それを感じさせないくらいの演出が必要だったと思うんですけど、普通にダルかったです。表情の演技も一辺倒でいまいち伝わってこない。派手なアクションだけじゃ、それこそ帳尻合わない。復讐に至るまでがとにかくダルい。お得意の2丁拳銃や、バイクアクションなど、ジョン・ウーならではのカッコ良さはあるんですけど、減点が多すぎます。ツッコミだしたらキリない。1人でノコノコやってくる刑事とか、簡単に銃とかいろいろ準備万端だったりとか。もうちょっと設定を丁寧に作って欲しかった。もしくは、アクションだけでいいと思うなら、もっと前半をコンパクトにしてほしい。ジョン・ウーの大ファン、とにかく彼のアクション演出を摂取したいって方以外は、おすすめしません。★★☆☆☆
2025.06.14
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重病に侵されているチューズディの元に“デス(死)"という存在の喋る鳥が現れる。チューズディは、持ち前のユーモアで喜ばせ、母親が帰るまで彼女の"終わり"を待ってもらう交渉に成功する。やがて、母親が戻り、チューズディは自分に"終わり"告げる鳥がやってきたことを説明する。しかし、娘の死を受け入れられない母は“デス(死)"に対して信じれない暴挙に出てしまい、それにより世の中に混乱が生じていく。A24が手がけた作品なので、理解するのが難しいものであることは覚悟していました。あらすじ読んだだけでも奇想天外ですもんね。でも、かなり破天荒な設定ではあるんですが、いつもの「何見せられてる?」的なものではなく、メッセージはきちんと伝わってきました。解釈が間違ってる可能性は否めないけれど…。今回すごく胸にグッとくるものがあったんですよね。感動というよりは、受け入れたくない、でも世の中の摂理ってそういうことよねという現実に、胸がつまってしまった感じです。“デス(死)"をテーマにしているんですが、この避けられないものについての向き合い方、やはりそれは避けてはいけないものなんだという辛い現実が痛いくらい伝わってきました。この母親がけっこう賛否のある人なんですけど、私はすごくすごく理解できました。わかってるんです。できるだけ一緒の時間を過ごした方がいいのは。そして、自分もそうしたいと思ってるのに、病気の娘をみていて、娘がいなくなるかもしれないという現実を受け止めきれないんだと思うんです。これって、すごいジレンマだし、理解しようとせず、周りは責めてきたりするんですよね。それでまた罪悪感にも押しつぶされて…って、かなり辛いですよね。それを考えるだけでも、泣けてしまいました。でも、こういうテーマにも関わらずそこまで重くも、暗くもありません。母親役の方がとてもコメディチックだったし、チューズディも知的でウィットに飛んでて、全然暗くないんです。映像も幻想的でもあり、少しグロテスクでもあるとても綺麗なもので魅入ってしまいます。全体的に観やすい仕上がりになっていました。変わった展開ではありますが、深く、温かいお話です。人によっては少し精神的に食らいますが、観て良かった映画です。★★★★☆
2025.06.12
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CIAのサイバー分析捜査官として働くチャーリーは、有能だが内勤専門の現場を支える影の存在だった。ある日テロ事件に巻き込まれて最愛の妻が殺されてしまう。進まない捜査に憤りを覚え、自ら得意のサイバー捜査で犯人を割り出すも、上は動こうとしない。そこでチャーリーは上層部をある方法で説得し、自身の手で復讐をすべくスパイの訓練を受ける決意をする。しかし、この事件には陰謀が絡んでおり、チャーリーは味方からも追われながら、犯人たちを追い詰めていく。果たして彼は復讐を果たすことができるのか。「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレックがチャーリーを演じているんですが、彼って普通の役で見るとかなり特徴的な顔ですよね。内気なコンピューターおたく感はとてもよく出てました。正直、そんなに上手くいくか?って感じはあるんですが、それでも危機一髪のところで追っ手を欺いていく展開は痛快でした。すでに肉弾戦の殴り合いバトルや、ドンパチなんかは古いスパイ映画なのかもしれませんね。(ここからは少しネタバレになりますので、ご注意ください。)ただ、少し盛り上がりにかけるというか、クライマックスでも巧妙に相手を出し抜いたんだろうけど、いまいち「そうきたかっ⁈」感がない。ピンチがあんまりピンチにみえていないのが、原因じゃないかな、と。チャーリーが落ち着きすぎてて、絶対なんかあるやんって感じすぎて、観客まで騙せていなかった気がします。せっかくイーサン・ハントや、ジェイソン・ボーンじゃないのだから、もっとどうなるの?感を煽っても良かった気がします。華麗なアクションシーンがない分、その辺の演出のうまさがないと、全体的にこじんまりのなのは否めないですね。とはいえ、スパイ映画としてはきちんと楽しませてくれるので、新時代の頭脳戦スパイものを観たい方はぜひどうぞ。★★★☆☆
2025.06.10
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ある土地の恐竜期、先住民が野原で暮らし、やがて家が建ち、さまざまな家族がそこで生活していく様を各時代ごとに描いていく。戦地から帰還したアルと妻ローズは、その家を購入し、新生活を始める。アルはセールスマンとして働き、やがて長男のリチャードが産まれ、その後もさらに2人の子供に恵まれ、いろいろあるものの幸せに暮らしていた。やがて高校生になったリチャードが彼女を連れてきて、さらに彼らの物語もその場所で展開していく。どういうお話なんだろう?という興味が湧いたので観ました。予告では、フォレスト・ガンプのスタッフ&キャストで送る〜というキャッチフレーズだったのでたぶんハズレはないかなと思ったのもあります。ハートウォーミングなお話ではあるのですが、これみよがしに感動とか、嘘やんっていう幸せな家族を見せられるわけではなく、割と現実というか幸せなときもそうでないときもしっかり描かれていました。私が思う特にユニークな点は2点ありましたね。まず、それぞれの時代のその土地の姿、そこに住む人々の姿を交互に映していくスタイルなんです。時代が行ったり来たりするんですが、映像の切り替わりが面白かったんですよね。説明が難しいんですけど、一つの時代のストーリーが展開してる中、ある一点の場所だけが昔の時代の映像になって、次に全画面がその時代に飛ぶ…みたいな?すみません、説明が下手で。その場所で時空が繋がってるということがわかるような絶妙な見せ方だったと思います。もうひとつは、リビングルームの出窓が見える画角で、定点カメラのような形で全てのストーリーが展開するという点です。私たちはそれぞれのストーリーを定点カメラを置いて観察してるように見れるんです。最後にそのカメラの奥側が映し出されたときは、その家の歴史を感じてジーンとしました。先にも書いたように、すごくドラマチックなことの起きるって感じではないんですが、それゆえに各々の家族には各々のストーリーがあるよねと思えて、不思議と胸に迫るものがありました。最後は自然に涙を流してるアラフィフおばさんがいましたよね。後悔だってたくさんあるけど、幸せな人生だっんじゃないかと思えるハートウォーミングなお話でした。巨匠の作品ですが、手法も斬新でしたし、家族のいる人はもちろん、独身でも人生を考えさせてくれる良い映画です。★★★★☆
2025.06.08
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最愛の夫マークがスーダンにて命を落とし、一人で息子のビリー、娘のメイベルの子育てに奔走するブリジット。失意の中、毎日に追われていたが、元恋人ダニエルや、口の悪い親友たちの後押しもあり、前に進む決意をする。仕事に復帰し、なんと年下のイケメンとの出会いも手に入れた。しかし、年の差などの壁を感じ始めた頃、ビリーの担任の新任教師ミスター・ウォーラカーの誠実さと優しさに触れ、彼に関心が芽生え始める。シングルマザーとなったブリジットの等身大の現在が描かれる。これ、話題になって無さすぎません?私、けっこうノーマークでしたよ。予告も観た記憶ないんですよね。こんなに大人気シリーズの9年ぶりの4作目なのに、この力の入ってなさはなんなんでしょう。あやうく見逃すところでした。ちなみにこのお話は偶然、本で読んでたんですよ。だから、ストーリーは全て把握済みでした。それでも、安定の面白さでしたね。やっぱり私の中ではレネー・ゼルヴィガーがブリジットだから、彼女がドタバタしてるのを観ると「これぞ、ブリジット・ジョーンズの日記」って感じがします。彼女の常に「マズいっ!」みたいに、ピンチを迎えてるときのような顔が本当にこの役に合ってる。個人的にこのシリーズは、展開なんかは漫画みたいなものだからあんまり期待してなくて、好きなのは台詞なんですよね。とにかく皮肉が多くて、口が悪くて、下品で、でもちょっと知的な台詞がとってもオシャレなんですよ。テンポもいいし、お国柄なのかズバッと物事ハッキリいう感じがとても心地良い。下ネタ満載なのに、なぜか嫌じゃなく、顔をしかめるんじゃなく、ニヤってしてしまうんです。ファッションもちょっとダサめだし、特に流行みたいなのを見せてくれるわけでもないのに、 オシャレさがあるのは、この台詞のおかげだと私は思っています。ストーリーは本当にいつも通りです。なぜか、等身大のキュートさでモテちゃうブリジットのラブライフのドタバタ劇。1作目こそ少し胸キュンしましたが、もはやそういう気持ちもなくなりました。ほぼ同年代?の自分と重ねるとあまりに非現実的すぎるし。共感も何もあったもんじゃない。その辺は「ふーん」って感じで流していました。シリーズを全く観てない人が楽しむのはちょっと厳しいかもしれないけど、大体の流れは知ってるよーって人は、イギリス独特のサーカズムたっぷりで、歯切れの良い会話の応酬を楽しんでほしいです。★★★★☆ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 [Blu-ray]価格:1,832円(税込、送料別) (2025/4/22時点)楽天で購入
2025.06.06
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第二次世界大戦時、イギリスとドイツ・ナチスの戦いが激化。劣勢に追い込まれていたイギリスはナチス最強の潜水艦Uボートを無力化すべく、物資供給を断つ作戦を発案。実行部隊として招集されたのは、軍事違反で投獄されていたガス大佐と大佐が集めたアウトローたちのチームだった。果たしてこの破天荒チームでミッションを成功させることができるのか。ガイ・リッチー監督作品です。キャストはほぼ知らなかったけど、「スナッチ」や「ロックストックアンドツースモーキンバレルズ」が大好きなので、これは面白いだろうと思って観に行きました。期待通りでしたね。ガラが悪かったり、クレイジーな奴らの集まり、でも優秀。手に汗握る展開あり、コメディ要素あり、熱い友情もあり、お色気も少しありと盛りだくさんのエンターテイメントです。ちょっと中弛みするところはありますが、最後に絶対伏線回収して、スッキリさせてくれるのがわかってるから、全然問題ないです。けっこうな境遇だったり、普通に拷問受けてたりするのに、妙にカラッとしてて、軽快というか、物語としてリズムがいいと感じました。すんごい難攻不落なところに救出に行ってるのに、「来たでー」、「来たんかー」くらいのノリで面白い。それぞれのキャラが濃そうなので、バックグラウンドも気になるけど、これ以上長くなったら微妙なので、ちょうど良かったですね、きっと。このチームの活躍がもっと見たいんですが、これはまさかの実話なので続編はなさそうです。軽快で、痛快な歴史物になっておりますので、ご興味ある方はぜひ観てほしいです。★★★★☆オリジナル・サウンドトラック アンジェントルメン [ クリス・ベンステッド ]価格:2,970円(税込、送料無料) (2025/4/21時点)楽天で購入
2025.06.04
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イギリスの世界的ポップスター・ロビー・ウィリアムズの半生を猿として描いた伝記映画。イギリス北部で育ったロビー。周りの友達からも浮いており、また父親がある日家を出てしまうなど、辛いこともあるなか祖母の愛情に助けられて育った。スターになる夢を持っていたロビーは、ボーイズグループ「テイクザット」のメンバーとして人気ポップスターとなるも、素行の悪さからグループを脱退させられてしまう。ソロとしても成功を収めるが、彼の孤独感は大きくなり次第に人生を蝕み始める。まず1番の問題は私があまりロビー・ウィリアムズを知らないことでしたね。「テイクザット」の楽曲はなんとなく聴いたことがあるもののメンバーを識別できるほどではありませんでした。いや、しかし改めて見たら…ストリッパーやん…。これがイロモノじゃなく大人気になるって世の中どうかしてたんじゃないでしょうか。私が親ならテレビに写ったら、子供に目隠ししますよ。正直、ストーリーとしては目新しいものではなく、酒、ドラッグ、女…、スターは大体そういう道を辿るよねといったものでした。特別な点といえば、猿🐒として描いているというところだけではないでしょうか。しかし、それも猿で描く意味ってあったのかな?という疑問がずっと消えなかったです。人と違っている、というところを表現したかったのかなと思うんですが、姿形は一緒なのに特異な存在にみられる、阻害されるってところが重要なんじゃ?と思ってしまいました。とはいえ、ミュージカルとしてはなかなかのクオリティで見応えはありました。ロビー・ウィリアムズのことをご存知の方はもっと楽しめるんではないでしょうか。★★☆☆☆ベター・マン(オリジナル・サウンドトラック)/ Better Man: Original Motion Picture Soundtrack [ ロビー・ウィリアムス ]価格:2,970円(税込、送料無料) (2025/4/21時点)楽天で購入
2025.06.02
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友人にそそのかされて借金をして始めたビジネスが失敗に終わり、恐ろしい借金取りに追われることになったミッキー。逃げ場を失った彼は地球を脱出することにし、他の惑星で永遠に自分自身のコピーを作って生まれ変わり、任務をこなすという仕事によく考えずに応募してしまう。仕事は思った以上に過酷で「使い捨て」として利用される日々だったが、恋人もでき、なんとか日々を生き抜いていたミッキー。しかし、ある日手違いで彼自身のコピーが目の前に現れた。どちらかが殺される危機に瀕した彼は今までの搾取される日々から脱却しようと立ち上がる。「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督作品です。ハリウッド進出なんですね。って、どうしたポン・ジュノ?韓国で撮ってたときはあんなに面白い作品ばっかりだったのに…。たぶん社会派なメッセージは強い作品なのかな?とは思うんです。格差社会、下のものたちは使い捨て同然に搾取され、一部の権力者たちだけがのさばる世界、的な?違うのかな?それをブラックコメディチックに描いたんだろうとは思うんですが、いかんせん面白くない。キャラが大げさで、滑稽で、ふざけ過ぎてて、笑えない。ぶっ飛んだ設定で、ぶっ飛んだ人たちの演技見せられて、まったく入ってこない。ぶっ飛んでる割に回りくどくて、「もうそのくだりええって」と何回もイラついたし、展開も読めるし、驚きもさほどない。うーん、本当に私的には面白い要素がなかったんですよねー。韓流のコメディセンスとハリウッドの俳優たちの相性が悪いような気がします。新しいポン・ジュノの挑戦をジャッジする意味であれば観てもいいかもしれません。★★☆☆☆
2025.05.31
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優秀だが、恵まれない境遇のなかで疲れ切っていた弁護士のリタ。ある日突然、麻薬カルテルに拉致され、リーダーのマニタスから衝撃の依頼を受ける。なんと彼は女性に生まれ変わり、別の人生を歩みたいと言うのだ。リタは彼の願いを全て叶え、マニタスはエミリアとして第二の人生を送っていた。リタも大金を手に入れ、弁護士とし成功を手にしていたが、2人はあるパーティにて再会する。それから共に犯罪に巻き込まれた家族を支援する活動をはじめた2人。活動は軌道に乗り始めるが、ある行き違いから不幸な事件が起きてしまい…。このあらすじだけ聞いたら、ちょっとコメディっぽくないですか?麻薬カルテルのボスが女になりたいって言ってくるって…設定コントやんって思ったんですが、全くコメディ要素はありません。しかも、まさかのミュージカルなんですよ。最初からいきなり歌い出したので、もうインド映画かな?と思いました。でも…この映画めっちゃ良かったんです。今作もアカデミー候補だったんですが、私的にはこれが優勝です。コントみたいな設定でミュージカルって駄作の匂いめちゃくちゃするじゃないですか。これでシリアスで、観やすくて、感動もするんです。すごくいいタイミングで歌とダンスが入るので、白けず、飽きずに観れるんですよ。しかも、スペイン語なのもいいんですよね。トランスジェンダーとか、メキシコの犯罪率の高さとか、社会派の問題をスペイン語の歌とダンスが、中和してエンターテイメントとしてすごく秀逸に仕上がっていました。めちゃくちゃ余談ですが、マニタスのときの嫁がえらくお尻プリンプリンのエロい身体してるなとおもったら、セレーナ・ゴメスでした。特に人も選ばないと思うので、この映画はぜひ観てほしいです。単純な言葉で申し訳ないですが、面白いです。★★★★☆
2025.05.27
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キリスト教カトリック教会の最高指導者でありバチカン市国の元首でもあるローマ法王が亡くなった。次期教皇を決める選挙「コンクラーベ」に参加するため世界中から枢機卿たちがバチカンに集まってくるなか、選挙を取り仕切ることになったローレンス枢機卿は候補者たちの怪しい噂を耳にするようになる。様々な思惑、政治的な策略が交差するなか、投票は混乱を極めていく。面白かったです。こちらもアカデミー候補だったんですが、今作に関しては納得でしたね。私はキリスト教徒ではないので、詳しいことはきちんとわかっていないと思うのですが、普通にミステリー作品として良作だったと思います。次々と秘密が暴かれていくので、最後まで飽きないですし、ちょっと規模は大きいけど密室劇的な要素もあります。選挙にはありがちなスキャンダルも聖職者であるということで、さらにスキャンダラスに感じる面も物語を面白くしていましたね。さらに結末は、全く予想できないものだったので、ある意味どんでん返し映画的にも楽しめます。その結末ですが…、観る人のスタンスによって衝撃はかなり変わると思います。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、「これはとんでもないことだっ!」「こんなこと許されないっ!」となる人も、ただただ予想できない結末として楽しむ私のような人もいると思うんです。カトリック教は厳格ってイメージありますよね。厳格な教徒の方には、考えられない結末かとしれませんね。宗教的なものはさておき、ミステリー映画が好きな方には、おすすめしたい作品です。★★★★☆
2025.05.25
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世間を恐怖に陥れた連続猟奇殺人事件の犯人グループのリーダーであるジニョク。ある日仲間に裏切られて警察に見つかり、彼らに義弟を殺された刑事ジェファンに追い詰められる。逃走の途中に2人で森を転げ落ち、病室で目を覚ますと2人よ身体は入れ替わっていた。凶悪犯に身体を乗っ取られたジェファンは、家族を人質に取られ、彼の指示で他の仲間を探し出すことになる。さすがの韓流映画でしたね。ちゃんとどんでん返しで楽しませてくれました。終始、どういうこと?どういうこと?と引き込まれます。私が好きなコメディ要素も盛り込まれた感じではなかったんですけどね。ハッピーエンドでも全くないです。けっこう無慈悲な感じです。そっちのタイプの韓流映画です。ただ、アクションとしても、ミステリー?スリラー?謎解きかな?としてもかなり楽しめる作品ではありました。欲を言えば、イケメン。イケメン不足です。眼福がない、コメディがない、なので心は踊らないです。これは妖怪・.面食いババアである私のわがままなので忘れてください。どんでん返し映画が好きな方にはおすすめできる映画です。★★★☆☆
2025.05.23
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ロシア系のアメリカ人であるアニーことアノーラは、ニューヨークでストリッパーとして働いていた。ある日VIPの接客についたアノーラはロシア人の御曹司イヴァンと出会う。そして、高額の報酬で彼の1週間のアメリカ滞在中に彼女として共に過ごすことになり、贅沢三昧のセレブな日々を堪能したアノーラ。彼女に夢中になったイヴァンは、酔った勢いでプロポーズし、盛り上がった2人はラスベガスで結婚してしまう。しかし、それを知ったイヴァンの両親が憤慨し、2人の結婚を無効にしようと手下を送り込み、両親もアメリカに乗り込んでくることに。果たして2人の結婚のゆくえは。アカデミー賞ノミネート作品で、主演女優賞を受賞されたそうです。アカデミー賞が好きそうな作品だと感じました。性産業に従事する女性が、不遇な扱いを受けながらも屈することなく立ち向かっていく姿が描かれています。シンデレラストーリーではなく、割と現実を見せてくれます。前情報によると、辛くてリアルなお話なんですが、コメディ要素も織り込まれてるのであまり重くならずに観れるとのことでした。コメディ要素?一切笑えるところなかったですけど?この映画、私の好みでは全然なかったです。これ、女子はどうですかね?評価高いですか?私は、残念ながら一般的な女子の好みとは乖離している自覚があるので、ちょっとわからないのですが、女子は逆に共感できなくないかな?と思うんです。まぁ、映画なんだから?そんなこと言っても仕方ないんですが、浅はかすぎません?別にお互い一目惚れでも、本当に恋に落ちたわけでもないのに、根回しも熟考もせず上手くいくはずないやん。イヴァンはバカ息子の設定だから仕方ないにしても、アノーラもイキリ倒してストリップバー辞めて、結婚が破綻した未来くらい予想し、保険かけとけよ。めちゃくちゃイライラしましたね。彼女がなぜロシア語をあまり話したがらないのか、同居してるの誰?とか、彼女の過去や、これまでの経緯が全く描かれないんですよ。だからただのバカな女に見えてしまって全く同情も共感もできなかったです。最後のシーンが印象的みたいな評判も聞きましたが…、そうか?なんじゃ、それ?ってなりません?手下がやってきて抵抗シーンもただただうるさくて不快だったし、手下の立場なんか考えたらわかりそうなもんやのに失礼すぎるし、イライラポイントを挙げたらキリがないです。アノーラを演じたマイキー・マディソンちゃんはスタイルも抜群で可愛かったですけど、正直観て良かったポイントはそこだけかも?世間の評価は高い作品なので、私がズレているだけかもしれないですね。もっと、女子の意見を聞きたいです。★★☆☆☆■予約■新品北米版Blu-ray!【ANORA アノーラ】Anora (Criterion Collection) [Blu-ray]!価格:7,990円(税込、送料別) (2025/4/18時点)楽天で購入
2025.05.21
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ノーベル文学賞を受賞したボブ・デュランの若き日を描いた伝記映画。お金もなく、ギターとわずかな荷物だけでニューヨークにやってきたボブは、尊敬する歌手のウディ・ガスリーが入院している病院に潜り込み、彼と彼の友人で同じく歌手のピート・シーガーの前で歌を披露する。彼の才能を確信したピートはなにかと彼の面倒をみることになる。恋人のシルヴィアや、デュエットをすることになる女性歌手のジョーン・バエズとも出会い、順調に人気を獲得したボブ。しかし、人々が作り上げた「フォーク界のプリンス」としての自分に違和感を感じはじめる。やがて、周りの期待に反して新しい音楽性を求めていく彼は、ついに1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルにて物議を醸し伝説となったステージを披露する。私、彼には少し思うところというか、申し訳ないと思っていることがあるのです。生けるレジェンド・ボブ・デュランが日本にやってくるということで話題になったコンサートに知り合いにご招待いただいていけることになりまして、喜び勇んで友人と参戦したのですが…私も友人も全く彼のこと知らなかったんですよね…。すごい盲点でした。映画観たらけっこう知ってる歌も多かったのに、あの日は一曲も知ってる!ってならなかった気がします。有名な曲は、やらなかったのかな?私たちが普段聴いてる音楽とは正反対で、とにかく穏やかに歌い上げるスタイル…それはまるで子守唄…。きっと入れなかった人もいるだろうに、眠気と闘いながらの数時間でした。そんな話はどうでもいいですね、すみません。映画はというと、こちらは眠気とは無縁の音楽映画となっておりました。「ウォンカとチョコレート工場」のときも思いましたが、ティモシー・シャラメは歌が上手いんですよ。ものすごくボブ・デュランに寄せてはいるんですが、元々歌が上手くないとただのモノマネになっちゃうと思うんです。自然にボブ青年が歌ってるように観てられたのは彼の上手さのおかげですね。才能あるから許されるけど、まぁなかなかクソボブ野郎なんですよ。それが映画で描かれても、あまりイラつかなかったのは、ティモシー・シャラメのキュートさゆえでしょうね。また、音楽上のパートナー・ジョーンを演じたモニカ・バルバロのカリスマ性も良かったと思います。伝記映画だから、先はわかってしまうし、ややもするとファン以外にはつまらないものになりがちですが、今作はキャストが皆んな素晴らしくて飽きずに観れました。単純に音楽も楽しめましたしね。ボブ・デュランのファンじゃなくても、充分楽しめる作品だったと思います。★★★★☆ティモシー・シャラメ/名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN オリジナル・サウンドトラック 【CD】価格:2,860円(税込、送料無料) (2025/4/16時点)楽天で購入
2025.05.19
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過去に癒えない傷を抱えるシルヴィアはソーシャルワーカーとして働きながら13歳の娘とニューヨークで暮らしていた。ある日同窓会で若年性認知症を患うソールと出会う。誤解のため最初は頑なな態度を取っていたシルヴィアだったが、姪に頼まれソールの面倒をみることになった。次第にお互い惹かれあっていく2人。ソールの病気、シルヴィアの過去など、困難や傷を持つ者同士が支え合いながら歩み始めていく。痛い話でしたね。心が痛い話。シルヴィアの過去は、そんな壮絶に不幸な人生ってあるの?って思ってしまったし、ソールの病気も想像しただけで怖くて、悲しいです。ほんで、娘がいい子過ぎるやろ。そこだけが救いでしたね。主役のケツアゴ姉ちゃんこと、ジェシカ・チャスティンは私の好きな女優さんの1人なんですが、今回の神経が擦り減って、余計に過敏で神経質になっている役がとっても上手でした。めちゃくちゃ掃除しまくるシーンの手の動きや表情が彼女の精神状態を見事に表現していました。ここまでてお分かりと思いますが、暗いし、痛いし、楽しいという種類の映画ではないです。でもたぶん良い映画です。感動とも違って、これを観て前向きになるみたいな押し付け自己啓発ものとも全く違います。私が苦手な「何が言いたいねん」系だとは思うんですが、観た時の私の精神状態の問題かな?すごく心にじんわり刺さってきたんですよね。傷ついたことも、悲しい現実も、抗えない未来もどうすることもできないけど、とにかく今は大事な人たちと大事な時間を生きようと思わせてくれる作品でした。おすすめできるかは少し微妙なのですが、人生というものを考えるタイミングの方にはいいかもしれません。★★★☆☆
2025.05.17
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初代キャプテン・アメリカのスティーブ・ロジャースから、継承者とした盾を託されたファルコンことサム・ウィルソン。彼は超人とならなかった自分では人を救うことに限界があると悩んでいた。そんな中かつて対立していた現大統領のロスより国際会議の招待を受けたサムだったが、その会議の場で大統領が命を狙われるテロ事件が発生する。なんと犯人として友人のイザリアが捕まってしまう。彼の容疑を晴らすべく奔走するサムだったが、やがて大統領とある科学者の隠謀が明らかになっていく。果たして彼は友人を救い出すことができるか。いつも通り、MCUのヒーローエンターテイメントでした。大勢の悪者を叩きのめすスピード感のある地上戦、壮大な空中戦も楽しめます。さらには新キャプテンの苦悩も描かれてヒューマンドラマ的な雰囲気もありました。ただ、今作はかなり以前の因縁などが関係してくるので、その辺を予習していないと全てを把握するのは難しいかもしれないです。しかも、今までのシリーズというより、「ハルク」ですね。マーク・ラファロではなく、エドワード・ノートンが演じた方の「インクレディブルハルク」がベースになっています。しかしながら、今までのMarvel作品と同様、知らなくても、充分楽しめると思います。正直、私もほぼ覚えていません。むしろ観たかどうかも怪しいところです。でも大筋はわかりました。これもいつも通り、前作に詳しければさらに楽しめたとは思いますが…。新キャプテンアメリカのアンソニー・マッキーは相変わらずハンサムガイで、初代からの継承なのかとってもキュートなお尻も魅力的でした。そして、なんといっても今回の熱演はハリソン・フォードですね。歳を考えれば当たり前なんですけど、ものすごいおじいちゃんなわけですよ。それを隠すことなく半裸までさらして頑張ってる姿は逆に迫力がありましたよ。かつてのイケメンアクション俳優が…見事におじいちゃんの身体…悲しさはありましたけどね。しかし、残念ながら、全てにおいて予想を超えることはありませんでした。及第点ではあると思いますけどね。褒めておいてなんですが、アクションも「すごいねー」という感じで、手に汗握るというほどのものではなかったです。超人ではなく、人間として闘う姿を描いたものなので仕方ないけど、そういう終わり方?と思うような闘い方でした。なんか、新アベンジャーズって戦闘力だいぶ落ちてない?とどんどん不安になっている今日この頃です。とはいえ、MCUファンは絶対に観ておかないと次に影響する作品なので、シリーズを追いかけてる人は観ておいてください。★★★☆☆
2025.05.15
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1641年、京の都では、民衆は大飢饉と蔓延する疫病のため苦しんでいた。川沿いには大量の死体が折り重なり、犯罪や暴力が蔓延っていた。そんな民の苦しみをよそに、権力者たちは己の享楽のみを貪って生活を送っている。そんな時代に才覚と類い稀なる剣の腕で、飄々と世の中を渡り歩いているように見えた蓮田兵衛は、実は腐った幕府を倒すことを密かに画策していた。兵衛に見出され武術の才能を開花させた才蔵や、兵衛の人柄に惹かれた人々と共に、ついに一揆を起こすことを決意するが、そこにかつての友、元盗賊の骨皮道賢率いる幕府軍が立ちはだかる。痛快時代劇アクションですね。めちゃくちゃ面白くて、めちゃくちゃ熱かったです!大泉洋はこういう役やったら、本当にハマりますね。カッコ良かったなー。こういう普段は軽薄で飄々としてるように見える男が、実は漢気があって大きなことをやり遂げるっていうのは観てて気持ちいいですよね。アクションも見応えありましたよ。才蔵役のなにわ男子の長尾謙杜はもちろんスピード感のある素晴らしいアクションでしたが、大泉洋もなかなかどうして殺陣が様になってました。最後の戦闘シーンでは皆が傷つき倒れていき、それでも諦めずに一丸となって闘う、熱くて手に汗握るシーンで魅せられます。そもそも原作の垣根涼介の時代小説も面白いんだと思うんです。実は時代小説、時代劇って、ヒーローを描きやすいんですよね。正直、多様化で複雑になった現代ではヒーローを誕生させるのってどう考えてもむずかしいじゃないですか。不自由で、情報も少なかった時代だからこそ善悪もある程度はシンプルだし、詳細がわからないからこそヒーロー像を作り出しやすいんだと思います。カッコいい男たちの熱いバトル、厳しい現実も描きながらの痛快時代劇アクションをぜひお楽しみいただきたいです。★★★★☆室町無頼 上巻価格:781円(税込、送料別) (2025/4/15時点)楽天で購入
2025.05.13
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現アメリカ大統領ドナルド・トランプが成功を収めるまでを描いたドラマ。父が社長の不動産会社にて働いていた若き日のトランプ。人種差別などの問題で政府から訴えられ会社は破産の危機を迎えていた。ある日VIPが集まるクラブで悪名高いやり手の弁護士のロイ・コーンと出会う。彼に自分を売り込み会社の弁護を引き受けてもらったトランプ。勝つためなら卑劣なやり方も辞さないロイは、トランプに自分のノウハウを叩き込みはじめる。教わった「勝つための3つのルール」を活かし、次々に成功を収めていくトランプは、いつしかロイを凌駕する怪物へと変わっていった。こういう実在の人物を描いた映画って、すごく悪者だと思われてるけど、実はこんな面があって、そこまで悪い人ってわけじゃないよね?、ってなる場合が多いと思うんですが…これは全く違いました。観た後の方がクソ野郎感が増すってどういうことでしょう。きっと本人はこの映画嫌いだろうな、と思います。同情の余地もない、まったく共感もできない、ただただクソ野郎です。こういう人が成功するのかなー?なんかヤダなー。自分が絶対正しいと思ってて、根拠のない自信、他人の意見に耳を貸さない、それでいろんな人に影で笑われていようとそんなことはまったく気にしない。成功は収めているけど、だれにも尊敬されていない…。とんだ裸の王様だけど、こんだけ成功してお金手に入れたら、いいのか。そんな紛うことなきクソ野郎のトランプを演じたセバスチャン・スタンは本当にソックリでしたが、素晴らしかったのはロイ・コーンを演じたジェレミー・ストロングでしたね。絶妙に不気味で気持ち悪い演技が最高に人物像にハマっていました。何考えてるか、常に冗談か本気かわからない、確かにこんな人おったら、ある意味のカリスマになるかもしれないって思わせてくれました。晩年のシーンも表情が全て語るというような演技でした。まぁ、たぶん皆さんがトランプさんに持ってる印象はこの映画観ても変わらないと思うし、なにか得るものがあるとは思えない作品なんですが、まさかの第47代大統領に返り咲いたトランプが、現在もフルスロットルでめちゃくちゃ言うてる、その原点がみれる映画にはなっております。★★★☆☆
2025.05.11
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どこの医療機関にも属さずフリーランスで働く天才外科医・大門未知子がかつてメスを握っていた東帝大学病院では、やり手の若き外科医神津比呂人が新病院長となり、双子の兄弟で医療機器メーカーを経営する多可人の資金力をバックアップに、抜本的な組織改革を推し進めていた。合理的なやり方についていけない医師やスタッフは次々と辞職に追い込まれ、困った元同僚医師たちは日本に帰国していた大門未知子に話を持ちかける。再度東帝大学病院で手術をすることになった未知子は、外科医として優秀な比呂人と意外にも意気投合する。しかし未知子の師匠である神原晶の存在を知った比呂人は驚き、態度が一変する。果たして2人の間になにがあったのか。7シーズンまで続いた人気ドラマシリーズの最終章を飾る劇場版です。海外生活中にコロナによるロックダウンで外に出れないときに7シーズン一気見したんですよ。そんなに深い話でもなんでもないけど、こういうのって不思議と見続けちゃう。特に何も考えなくても楽しめる水戸黄門とか遠山の金さんみたいな、昔の時代劇的な良さがあるんですよね。さらに今回は大好きな西田敏行の遺作にもなったので、これは必見の作品でした。西田敏行ではないけど、別れの場面もあったし、最後に相応しい作品だったのではないでしょうか。ただ、目新しさとかはないです。7シーズンもやってて、それは無理ってもんです。「私、失敗しないので」→「よっ、待ってました!」的なことですよね。これはドラマをある程度は観ている方にオススメします。あっ、でも全く別の視点ですが、内田有紀の若さは一見の価値あるかも?★★☆☆☆「劇場版ドクターX FINAL」オリジナル・サウンドトラック [ 沢田完 ]価格:2,750円(税込、送料無料) (2025/4/14時点)楽天で購入
2025.05.09
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1977年、ライバル番組に押されていた深夜トークバラエティ「ナイトオウル」は起死回生を図るべく、ハロウィンのスペシャル企画を用意していた。しかし、スタジオでのポルターガイストや予想外の出来事が次々と起こり、番組は不穏な空に包まれていく。そしてメイン企画である悪魔に憑かれた少女の登場により、事態は最悪の結末を迎えることになる。昔のトークショーの裏側を見せつつ、ホラー、オカルトの世界を描いた感じですかね?ホラーというよりオカルト要素が強め、そして、都市伝説的な世界もあったのかな?私は全然わからなかったですが、昔の名作ホラーへのオマージュがふんだんに盛り込まれてたそうです。そんなことは知らないし、私には慌ただしくて、話があちこちに飛んで、何が言いたいかわからない映画にしか思えなかったです。夢なのか、妄想なのか、まやかしなのかわからないように描いているのは狙いだと思うので、成功と言えば、成功。これも意図的なんだろうけど、当時のテレビの雰囲気そのままに、なんか忙しなくて、全てが胡散臭い。その辺は良かったんです。ただ、要素を盛り込みすぎじゃないかしら?悪魔憑きの少女の存在だけで充分だった気がするんです。都市伝説の秘密結社的な設定いる?当時のオカルトブームで話題になってたことを全部盛り込んだってことなのかな?ちょっとグロいところはあるけど、あまり怖くはないですね。1番不気味なのは主役の顔です。あの顔は怖い、ほぼ顔芸で怖がらせてくる。ホラーやオカルト映画通の方なら楽しめる作品かもしれません。★★☆☆☆悪魔と夜ふかし [ コリン・ケアンズ ]価格:3,520円(税込、送料無料) (2025/4/14時点)楽天で購入
2025.05.07
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輸入雑貨の貿易商である井之頭五郎は、かつての恋人の娘・千秋より依頼を受け、フランスへと渡った。いつものようにパリの食事を堪能し、千秋と祖父・一郎を訪ねた。年老いた一郎は、昔母が作ってくれたスープがどうしてももう一度飲みたいため、五郎にスープを探し出してくれるように依頼。手がかりが少ないなか、長崎、東京、さらには韓国にまで渡る壮大なスープ探しの旅が始まった。果たして、あの頃の味は見つかるのか。同名漫画をドラマ化した人気ドラマシリーズ「孤独のグルメ」の劇場版です。今回は松重豊が、主演と監督を務めています。ドラマは全くみたことなかったんです。でも、見たらきっと好きだろうなとは思ってました。ほぼ食レポみたいなドラマとの情報を得てたので、それも面白そうだなと思ってました。全然設定もわからずでしたが、全く問題なかったですね。とにかく、食べ物が美味しそう。良くも悪くも、ほぼ、それが全てなんです。もちろんストーリーもあるし、人間ドラマも展開されるんですが、それはおまけ。今までもグルメ映画みたいなものは観ましたし、美味しそうだなー、飯テロやでー、みたいなのはあったんですが、この作品は別格なくらい食事が主役です。そこに、邪魔にならない程度の絶妙なバランスで、人間ドラマが入ってくるので、とても観やすいです。さすがに食レポだけだと飽きてしまいますもんね。ドラマが人気なのわかるし、松重豊が長年演じてきてるのも納得です。どんだけ美味しそうに食べるねん。若者のガツガツ美味そうに食べるのとは違って、しっかり味わって、美味しさが沁み渡ってるのがわかる食べ方なんです。彼の長身細身のスタイルもいいですよね。こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、おデブがご飯食べてるのって…ちょっと胸焼けするっていうか…ごめんなさい🙇♀️さらに脳内の声として食レポが入るんですが、名優さんですから、その声も心地良い。とにかく彼は最適のキャスティングだと思います。今作を観てからドラマもみましたが、聖地巡礼みたいに紹介されたお店を巡る人の気持ちはものすごくわかりますね。実際食べてみたい。やはり東京が中心なので、関西の私には難しいですが、もうちょっと見続けたら関西のお店もありそうですね。食べるのが好き、いろんな食事処をめぐるのが趣味だという方はぜひ観てください。★★★☆☆劇映画孤独のグルメシナリオブック完全版/松重豊/田口佳宏【1000円以上送料無料】価格:1,430円(税込、送料無料) (2025/4/14時点)楽天で購入
2025.05.05
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ニンは夫のクウィンと7歳の娘インの3人でコンドミニアムに住んでいたが、マンションに移り住むためそこを貸し出すことにした。元医師のラトリーと中年の娘ヌッチが興味を示し、彼女たちが借りることになったのだが、2人に会ってから夫クウィンが奇妙な行動をとるようになる。夫の行動と2人の存在が関係してるいることを感じ取ったニンは、娘にも危険が迫っていることを知り、真相を探り出そうとするが…タイ発のホラーサスペンスです。怖さこそあまり感じなかったですが、ある程度の気持ち悪さはありましたし、なによりストーリー展開が上手いなーっと、思いました。構成が何重かになっていて、真相に辿り着くまで引き込まれました。めちゃくちゃ失礼ながら、タイの映画にここまでの構成力は期待してなかったので、良い意味で裏切られました。というのも、今まで観てきたタイホラーって上手いことどんでん返し的にしたいんやろなー、ていうのさわかるものの、詰めが甘いというか、結局辻褄合わないみたいに感じることが多かったんですよね。今作は最後のシーンまで、すごく上手く構成されていたと思います。娘を守ろうと戦うシーンも迫力がありハラハラしましたし、全体的に見応えがありました。ホラー苦手な方でも、ちょっと気持ち悪いシーンだけ目を背けていただければ、十分楽しめる映画と思います。★★★★☆
2025.05.03
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税務署員の熊沢二郎と後輩の望月さくらは、企業家・橘の脱税を疑っていた。権力のある相手のため諦めるよう熊沢は説得するが、さくらは構わず相手に接触してしまう。その結果さくらは栄転を取り消され、その撤回を頼みに行った橘もまた理不尽な対応受ける。同じ頃、中古車を購入する際に代金を騙し取られていた熊沢は、刑事の友達に頼み、犯人の氷室マコトを見つけ出したが、氷室から思いもよらぬ提案を受ける。それは、橘を詐欺による罠にはめ脱税分の10億円を徴収するというものだった。違法なやり方に戸惑う熊沢だったが、過去の因縁もあり、氷室の提案に乗ることを決意する。韓流ドラマ「元カレは天才詐欺師 38師機動隊」を「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督がリメイクした作品です。私、この元ドラマの大ファンなんです。このドラマの良さを語り出したら止まらないので、今回はやめておきますが、大好きなマブリーことマ・ドンソクとソ・イングクが共演しているドラマなんて、ハマる理由しかない。映画の予告を見た時点で、すぐにこのドラマのリメイクだと気づきました。というわけで、私としては韓流ドラマの方がいいに決まってるけど、どんなもんじゃい?という気持ちで観に行きました。やはりドラマの方が背景とかもじっくり描けるので、良かったですが、この映画もなかなかどうして悪くなかったです。(上から目線ですみません💦)仕掛けや、結末も少しずつ違っていて、これはこれでスピード感のある痛快な仕上がりになっていました。さすが上田慎一郎監督だなと思うような伏線回収も楽しめましたね。深堀りはないものの、逆に映画の方が暗さも少なめで楽しく観れた思います。とはいえ、配役の何人かは納得いかなかったり、やはりオリジナルを知ってると歯がゆいものがあったのも否めないですけどね。全体的に軽めなので、サクッと配信サービスなんかで観るには良いのではないでしょうか。★★★☆☆「アングリースクワッド公務員と7人の詐欺師」DVD通常版 [ (V.A.) ]価格:3,678円(税込、送料無料) (2025/4/13時点)楽天で購入
2025.05.01
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ローマ帝国の侵略により愛する妻を殺されたルシアスは復讐を誓い剣闘士(グラディエーター)となる。そこで剣闘士商人のマクリヌスと出会い、復讐の手助けをする約束を交わしたルシアスは、ローマのコロセウムで彼の所有する剣闘士として闘うことになる。しかし、マクリヌスには別の野望があり、現皇帝の政権は徐々に崩壊へと向かっていく。名作「グラディエーター」の24年ぶりの新作になります。コロセウムでの闘いは相変わらずの迫力ですし、ローマ帝国の様子も非常に狂気的で面白かったし、ハラハラする場面も多く、キチンと楽しめました。もちろん、前作には劣ります。それは仕方ないし、初めからそうだろうと思ってました。でも予想してたよりは随分良かったです。デンゼル・ワシントンが悪役すると結構な迫力なんですよねー。わかりやすい悪役もいるんですが、それぞれの立場と時代の犠牲でそうなってしまった人たちの悲哀みたいなものも理解できて、切なさもあるんです。正直、期待値が低かったからってのもあるんですけどね。ルシアスは実は前回の主人公マキシマスの息子という設定なんですが、本当に申し訳ないけど、予告観たときから、「この俳優さん、誰?」って感じでした。前がラッセル・クロウじゃないですか。なんかイケメンでもないし…なんて失礼ながら勝手に期待を下げてしまいました。でも、この困り顔俳優さん、なかなか良かったです。母と息子の話もあるので、彼の絶妙に貴族の息子感のある顔がすごく合ってました。ただ、前作観てない人も楽しめるかは微妙です。これ単体で観るには前作からの繋がりが強すぎました。迫力の映像は前作通り、後日談としても楽しめますので、前作を観た方は楽しめると思います。★★★★☆グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 ブルーレイ+DVD(ボーナスブルーレイ付)【Blu-ray】 [ ポール・メスカル ]価格:4,118円(税込、送料無料) (2025/4/12時点)楽天で購入
2025.04.29
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キャリア警察官として、現場の刑事たちのために組織改革のため闘い続けた室井慎次だったが、志半ばで警察人生を終え、故郷・秋田の山奥に移り住んでいた。そこで、事件の加害者・被害者家族の子供たちを引き取り一緒に暮らす生活を送っていたが、ある日見知らぬ少女が現れる。少女の正体はかつて室井が指揮し、湾岸署が逮捕した猟奇殺人犯・日向真奈美の娘だった。さらに同じタイミングで家の前の森で他殺体が発見され、穏やかに過ごしていた生活がざわつき始める。踊る大捜査線シリーズの室井慎次を主人公とした最新作で、2部作でした。あまり期待せずに、まぁ、踊るシリーズは好きだし…くらいの気持ちで観ました。観て気づいたんですが、ドラマは観てるけど、映画シリーズは1作目しか観てなかったです💦そんな私でしたが、本作は期待以上でした。さすが皆んなに愛されるシリーズですね。楽しめる作品作るわ。ただ、思ってた話ではなかったんですよ。収容中の猟奇殺人犯・日向真奈美や、他殺体の謎なんていうのはあまり話の中心ではなかったです。どちらかというと、室井慎次の生き方とか子供達とのつながり、ヒューマンドラマの部分が濃かったです。それが、良かった。室井慎次の寡黙だけど、大きくあたたかい人間性にすごく感動してしまいました。彼はすごく強いわけでも、すごい能力をみせるわけでもないんです。でも、彼の教示は絶妙に心に響くんですよね。穏やかで、強くて、優しい。彼自身は親ではないのに、これはまさに理想の親父像ではないかと思いました。なので、シリーズを知ってる知らないはあまり関係ないかもしれません。もちろん知ってた方が細かい小ネタとか、楽しめる要素は増えると思うけど、大筋の部分、核の部分は知らなくても理解できるんじゃないかな?全く知らなかったら微妙か…。サスペンス要素はほとんどなかったけど、少なくともアラフィフのオバチャンは感涙しました。次を感じさせるラストもあるし、踊るシリーズが好きだった方はもちろん温かいヒューマンドラマに飢えてる人にもおすすめです。★★★★☆【楽天ブックス限定先着特典】映画『室井慎次 敗れざる者/生き続ける者』DVD プレミアム・エディション(ロゴ箔押しMDノート(文庫本サイズ)+箔押しカード(名刺サイズ)2枚セット) [ 柳葉敏郎 ]価格:14,168円(税込、送料無料) (2025/4/12時点)楽天で購入
2025.04.27
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工場で働いていた石川朔也は、ある日同居する母親から「大切な話がある」と連絡を受ける。その日は豪雨で、急いで帰宅する途中、氾濫する川の川べりに立つ母を見つける。母を助けようと川に飛び込み意識失った朔也。目覚めると母が自由死を選んでいたことを聞かされる。母の選択が信じられない朔也は、すっかり変わってしまった世の中についていくためにもがきながらも母の大切な話が気になっていた。そこに友人から仮想空間上に望んだ人を作り出す「VF(バーチャル・フィギュア)」という技術を知り、母を空間上に生き返らせる決意をする。仮想現実の母と、さらには突然現れた母の親友だったという三好の3人での奇妙な共同生活が始まる。この世界はいつか訪れる未来かもしれないと思う反面、でもこんな現実にするほど人間は馬鹿じゃないと思う…たぶん…みたいな怖さはありましたね。明るくて、微笑ましいシーンもあるですが、絶対この後悪い方向に進んでいくとわかる雰囲気が満載なんですよね。でも、正直…なんとなく意味ありげな映像の作り方と、意味ありげなキャストで通好みの映画風になってるけど、私にはツッコミどころが多いように感じましたね。そもそもなんですけど、仮想世界に死んだ人を蘇らせたとて本心なんてわかるわけないやんって思いませんか。その人のデータを細かく読み込んで、AIが思考を学習して成長していく的な仕組みだったと思うんですけど、人の思考なんて外的要因によってもめちゃくちゃ影響されるじゃないですか。仮想世界上で思考を学習したとて、それは過去に存在したその人ではないわけで…なんて余計なことばっかり考えてたら、いまいち話に没頭できませんでした。しかもいちいち腹の立つ登場人物が、いちいち腹の立つ選択をして、いちいち腹の立つ展開を見せつけられるっていうね。私には向かない映画だったってだけの話なんですけどね。時代の申し子みたいな友人役の水上恒司がめちゃくちゃムカつくけど、この世界を1番反映していた気がします。豪華なキャストで、腹の立つほうに全振りした未来を観せられる映画って感じでした。申し訳ないですが、私にはあまりお勧めできる要素はありません。★☆☆☆☆本心【Blu-ray】 [ 石井裕也 ]価格:4,400円(税込、送料無料) (2025/4/11時点)楽天で購入
2025.04.25
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1868年、旧幕府軍と、長州・薩摩藩が率いる新政府軍が争う戊辰戦争のさなか、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩だったが、実のところは新政府軍への寝返りを考えていた。両勢力の板挟みとなっていた新発田藩は時間稼ぎのため新政府軍を足止めすべく罪人たちが決死隊として集められた。勝てば無罪放免を餌にされ、大勢を相手にたった十一人で相対することになる。さすが白石和彌監督、と言った感じの陰湿で悲哀のある話ではあるのですが、今作は軽快さもあるので、そこまで暗くならずに観れました。むしろ、途中までは痛快な時代劇アクションって感じで普通の楽しみ方ができました。千原せいじやゆりあんレトリバァ、ナダルなどの芸人勢も活躍してるので、コメディ要素みたいなものもけっこう感じましたね。しかし、やはり悲劇的な話ではあるので進むにつれ、やるせなく、切なくなってきます。仲野太賀が渾身の演技で魅せてくれましたね。この時代の武士の悲哀も感じさせてくれて、最後の戦いなんてすごく迫力がありました。いつもの白石作品よりはかなり救いもあり、ハッピーエンドとまではいかなくても後味はそこまで悪くなかったです。 時代劇が好きな方も、男気のある話が好きな方にも刺さる映画だと思います。★★★★☆十一人の賊軍 (講談社文庫) [ 冲方 丁 ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/4/11時点)楽天で購入
2025.04.23
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不動産開発の会社で働くミンサンは自宅の一階を動物病院に貸し出しているが、本人は大の犬嫌い。病院の犬を疎ましく思っているミンサンは、いつも院長のジニョンと口論になってしまう。しかし、ある日この病院に通う有名建築家のミンソを見つける。リゾート開発に携わっていたミンサンはなんとかミンソに協力を得ようと犬好きのフリをすることに。そんな折、散歩中に倒れたミンソは愛犬のワンダを見失ってしまう。他にも動物病院を中心としたドッグラバーたちの様々な人生を描くハートフルドラマとなっている。こんなんズルいです。私にとっては、犬ってだけで感動は約束されているのに、さらに大好きな韓流、「共助」のユ・ヘジンによって笑いも保証されてしまっています。好きじゃないわけがない。期待通りでしたね。健気な犬たちに涙し、ハートウォーミングな人間ドラマに感動し、クスッと笑わせてももらいましたし、そういうことだったのかっていう驚きもありました。小さい犬から大きい犬まで、みんな本当に可愛いんですよ。彼らもちゃんと演技してるんです。そして、いろんなストーリーが交差して繋がっていくので、オムニバスと伏線回収的な楽しみもありました。音楽もいい要素になっているんですよねー。さらに、韓流映画好きなら唸るほどの豪華キャストなんです。全員がシリアスもできる演技派なんですけど、今回はコメディタッチの演技で魅せてくれます。こんなんもできるんですか、と。とにかく動物好きは文句なしに観てほしいです。絶対的なオススメ作品です。★★★★☆
2025.04.21
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身体の中に地球外生命体シンビオートが寄生し、ヴェノムとして活躍するジャーナリストのエディ・ブロックは、強敵カーネイジを倒したことで政府から追われメキシコに身を隠していた。悪者だけを食べて気楽に暮らしていた2人だったが、シンビオートの創造主で、宇宙の果てに幽閉されている邪神ヌルにその存在を見つけられてしまう。自由になるためヴェノムが持つあるものが必要なヌルは2人に向けシンビオートハンターのゼノファージを地球に送り込んだ。マーベルコミックのダークヒーロー、ヴェノムの第3作目にして、シリーズ最後となる作品です。といっても、こういうヒーローものは、また続く可能性はありますけどね。シリーズものは大抵そうかもしれないけど、ヴェノムもやはり1作目が1番面白かったですね。ヴェノムが人間を食べる地球外生命体で、全く人助けをしようなどと考えいないところから始まって、なぜかエディとの共同生活を楽しむようになる段階が楽しかったし、2人の掛け合いが可愛くて良かったんですよね。正直2作目くらいから変わり映えしないなーっとちょっと飽きてきてたんです。でも、今作はラストだけあって、アクションも見応えあったし、馬に乗って駆け抜けるシーンや、バイクアクションのシーンも迫力がありました。2人の友情ドラマも楽しめて、1作目の新鮮さはないもののヒーローものとして相応しい作品だったと思います。最後は2人の結末に泣けました。私たちが牛や豚などを食べるように、食べ物がたまたま人間だっただけで、ヴェノムめちゃくちゃいい奴説はずっと感じてるんですよね。建前や、嘘がない分、彼の方が純粋で善人な気がします。そんなに目新しさはないけど、楽しめる娯楽作品でした。ただ、他のヒーローものに比べてちょっとグロさはあります。★★★☆☆ヴェノム:ザ・ラストダンス ブルーレイ+DVD セット【Blu-ray】 [ ジュノー・テンプル ]価格:4,204円(税込、送料無料) (2025/4/10時点)楽天で購入
2025.04.19
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カリフォルニア州とテキサス州が主導となった「西部勢力」と政府軍の間で内戦が勃発し、アメリカは各地で戦闘が繰り広げられる異常事態になっていた。勝利を口にする大統領の言葉とは裏腹にワシントンD.C.は陥落寸前となっていた。女性戦場カメラマンのリーは14ヶ月にわたって取材を受けていない大統領にインタビューを行うべく、ジャーナリスト仲間3人と激戦地ワシントンD.C.に向かうことを決意。しかし彼らの行く手には戦時中となったアメリカの信じ難い現実が待ち受けていた。この映画の公開当時はアメリカ大統領選の真っ只中で、仮想現実のような内容に興味を惹かれた人は多いのではないでしょうか。もちろん私もその1人なんですが…皆さんどう思いました? 私は「あっ、そういう系の話?」って肩透かしを食らった気分になりました。そういう政治的な背景や、内戦に至る詳しい説明は描かれていなかったと思います。どちらかというとベテラン女性カメラマンとフレッシュなピチピチ新人カメラマンの世代交代の話に軸が置かれてる気がしたのは私だけでしょうか。かといって面白くなかったわけではないですよ。もちろんアラフィフの私なんかは若さゆえに無知で無鉄砲な若い女にもれなくイライラしちゃうわけで…それと同時に、今まで目を背けて向上心で突っ走ってきた過去の自分が重くのしかかってきたり、自分の限界を感じたりというベテラン側の苦悩もなんとなく他人事に思えなかったり…これは、これで楽しめたんです。また、軸としては思ってた感じじゃなかったですが、戦争状態になったときの人々の変貌や、命の価値の変わり方を容赦なく描いてました。無関心の怖さなんかも感じましたし、ヒリヒリするくらい緊迫したシーンもありました。ヒリつくシーンなのに、ふと穏やかな自然が映ったり、世代交代がはっきりわかるシーンがあったり、すごく対比のある印象的な映像が多かったのも良かったです。そしてなにより現実のアメリカの現状ですよね。ここからは無知な私が、表面の印象だけで話してる「知らんけど」な話として読んでいただきたいのですが…、まさかトランプ大統領が再選出されるなんてって驚きましたが、逆にトランプ大統領が選ばれてなかったら彼の支持者たちによる内戦が起こってたのかもしれないのか?とも思うので、かろうじてこの映画の世界線は回避されたということになるんでしょうか?冒頭に書いたように政治的な詳しい背景は描かれていませんが、戦争映画としても、人間ドラマとしても楽しめる作品ではあると思います。★★★☆☆シビル・ウォー アメリカ最後の日 通常版【Blu-ray】 [ キルステン・ダンスト ]価格:4,290円(税込、送料無料) (2025/4/9時点)楽天で購入
2025.04.17
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著名な詩人である寒川の妻スオミが行方不明となる。大事にしたくない寒川は極秘裏に、刑事でありスオミの元夫草野を呼び出した。そこに続々とスオミと関係のあった男たちが集まり、スオミに何が起きたか探るため一人一人話を聞くことに。しかし、彼らが知るスオミはそれぞれ全く違う人格で、まるで別人だった。どれが本物のスオミなのか、そして今彼女に何が起きているのか。三谷幸喜脚本、監督のミステリー要素のあるコメディ作品です。お得意のドタバタ劇ですね。今作はミステリー要素もあったので、さらに楽しめるものになってたと思います。正直、オッサンがいろんな長澤まさみを見たかっただけじゃ?っていう気もせんでもなかったですが、バカバカしいくらいの七変化はそれなりに笑えたので良しとしたいと思います。三谷作品はやはり演劇的なので、映像を楽しむっていうよりワンカット的に楽しむ方が正解だと思います。「ラヂオの時間」や「ステキな金縛り」、「12人の優しい日本人」など、私の中で大ヒット的に面白かった作品も多いので、なんとなく期待値が上がりがちですが、ちょっと好みじゃない作品もあるのは否めない。実は今回は私的には少し好みではなかったです。先にも書いたように長澤まさみに幻想を描く男性がメインターゲットになってる気がして、女性にはちょっと響かないかもしれないですね。ちょっと女的なはいけすかない?好みの問題なので、作品としては三谷クオリティは守られてたんじゃないでしょうか。私は三谷作品のエンディングテーマにいつも期待していて、今回も良かったと思います。(ちなみに最優秀は「ラヂオの時間」で布施明が圧巻の声量で歌い上げる千本ノッコの歌です。)三谷ファンは期待を裏切らない作品だったと思います。★★★☆☆【中古】 スオミの話をしよう スタンダード・エディション/長澤まさみ,西島秀俊,松坂桃李,瀬戸康史,遠藤憲一,小林隆,三谷幸喜,荻野清子価格:3,025円(税込、送料別) (2025/4/9時点)楽天で購入
2025.04.15
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アメリカとメキシコの国境近くの犯罪が蔓延る街にある小学校。子供たちは犯罪と隣り合わせで、貧困とも戦いながらの生活を送っていた。教育設備も揃わず、先生たちも諦めて熱意を失っている環境で、当然生徒たちの学力は最低レベルだった。そこへ新しい教師フアレスが赴任してきた。彼の型破りで斬新な授業に生徒たちは次第に勉強に興味を抱きはじめる。しかし、やはり抗えない厳しい現実が彼らを待ち受けていた。よくある感動ストーリーではありますが、こういう実話ベースのお話は、やはり心が動かされますよね。実話だけに、綺麗事じゃなく、やり切れない現実も突きつけられます。うまく行きはじめるところで、現実に突き落とされるので、ちょっと精神的にくらうところはあります。しかし先生たちのやり取りはコミカルなので、そこまで暗くならずに観れますね。明るい結末もあるので、絶望感ではなく、感動のストーリーとして楽しめる作品です。今作ではめちゃくちゃメキシコ人なんで、全く気づかなかったんですが、主人公の教師フアレスを演じてるのは「コーダ あいのうた」で音楽教師を演じた俳優さんなんですね。この人教師役似合うわぁ。いいこと言うけど、どこかコミカルなのですごく聞きやすいんですよね。こんな先生に出会いたかった。少し観てて辛い部分はありますが、文句なしに感動できる作品ですし、こういう現実が世界で起こってるというのを知る意味でもぜひ観てほしい映画です。★★★★☆
2025.04.13
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一見仲良しの普通の女子2人組にみえるちさととまひろは、実は殺し屋協会に所属するプロの殺し屋。今回は仕事の依頼を受け宮崎県に来ていた。旅行気分の2人は、最後に宮崎県庁にてチンピラを1人始末する簡単な仕事を済ませ、バカンスを満喫する予定だった。しかし、県庁に向かったところ先にターゲットを殺そうとしている男と出くわす。その男は冬村かえでという組織に属さない一匹狼の殺し屋だった。最強の相手と対峙することになったちさととまひろは任務を全うすることができるのか。今どきの女子2人が、普通の若者の日常を送りながらキレッキレのアクションでみせてくれる人気シリーズの第三弾です。相変わらずアクションの見応えは抜群です。まひる役の伊澤彩織さんはスタントとしても活躍するホンモノのアクション俳優さんなので、本格派のアクションを披露してくださいます。相棒のちさとを演じる高石あかりさんもスピード感のあるアクションを立派にこなしてらっしゃいますし、はじめてこのシリーズを観たときは感動しましたね。今回は最強の敵として池松壮亮演じる一匹狼の殺し屋冬村かえでとの対決になるのですが、スピード感も、激しさも、痛さもあるアクションで素晴らしい仕上がりでした。さらに、このシリーズは全てのキャラが個性豊かで面白いんですよね。冬村かえでの強くて、残虐なのに、とぼけたキャラも良かったし、先輩役の前田敦子の拗らせた性格も笑えました。この作品に出てくる殺し屋は皆んなどこか子供っぽいような気がしますね。そこがギャップになってて面白い。私は観れませんでしたが、テレビ東京で同時にドラマもやってたみたいですね。センチメンタルな部分もあるけど、基本的には笑って、アクションを楽しむ、思いっきりエンタメな映画です。ちょっとのエグさならイケるって方にはおすすめしたい作品です。★★★★☆ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(豪華版)【Blu-ray】 [ 高石あかり ]価格:5,577円(税込、送料無料) (2025/4/8時点)楽天で購入
2025.04.11
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会津藩士の高坂新左衛門は、幕末の京都にて長州藩士の暗殺を命じられ、決闘の最中に雷に撃たれて気を失ってしまう。そしてなぜか現代の時代劇撮影所で目が覚めた新左衛門。命を賭け、信じてきた幕府がとうの昔に滅んでいることを知りショックを受けるが、助監督の優子、寺の住職夫婦に助けられて、現代で斬られ役としての居場所を見つけてゆく。無名、低予算、単館上映、スマッシュヒット系として、かなり話題になっていた作品です。「カメラを止めるな」的な騒がれ方でした。いつもこういう騒がれ方をしている作品は、最初あまのじゃくが発動して敬遠し、重い腰を上げて観に行き、「騒がれるだけのことあったわ」と変に批判的だった自分を反省するということを繰り返してきました。 今回もまったく反省を活かさず、この流れを辿ったわけですが…、今回は「それほどか?」という結論に至りましたね。面白くないわけじゃないけど、すごく笑えるところもなかったし、むしろ有名どころなら観れるけど…という感じのありきたりな展開に感じました。「カメラを止めるな!」的な上手いっていう演出もなかったし、コメディも中途半端となれば、普通の映画のジェネリック版?なにが話題になるほど良かったんだろうと私には理解できなかった。笑いと涙って聞いてましたけどね。涙はちょっとわかったかな?侍魂というか、幕末志士たちの国を良くしたいという想い、あの時代のいろんな想いの上に現代がある。そのやるせなさがあった気はします。ただ、それが興醒めするくらい…長い!最後のシーンなんて絶対長すぎる!もう少し短ければ緊迫したいいシーンだったのに、あの尺は、いらん。笑いに関しては、私の好みではなく、ほぼクスリともできなかったですね。これはセンスの違いだから、申し訳ない。私が少し世間とズレてるところがあるので、私の問題です。私のように集中力が長続きしないという方でなければ、そして笑いのセンスが正常な方なら、世間の評価通り楽しめる作品ではあると思います。長尺ですが、話題ですし、一度観てみてもいいんじゃないでしょうか。★★★☆☆侍タイムスリッパー【Blu-ray】 [ 安田淳一 ]価格:4,290円(税込、送料無料) (2025/4/7時点)楽天で購入
2025.04.09
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巫堂のファリムと助手のボンギルはアメリカに住む裕福な韓国人一族から、跡継ぎとなる人物が必ず原因不明の病気にかかってしまうという相談を受ける。先祖の墓に原因があると睨んだ2人は、ベテラン風水師サンドク、葬儀師ヨングンも加え、墓の場所を移すため、墓を掘り起こす「破墓(パミョ)」の儀式を行うことになる。金には貪欲だが、実力者の4人はすぐにこの依頼が通常とは違っていることに気づく。そして、彼らにも手に負えない強大な力と対峙することになる。サスペンスでもあり、ホラーでもあり、何度もハラハラさせてくれるし、映像も迫力があり満足させてくれる映画ではあったと思います。しかし、かなり期待値が高かったこともあり、期待を上回るほどではなかったなという印象です。「オールドボーイ」のチェ・ミンシク、「トッケビ」のキム・ゴウン、「共助」のユ・ヘジンとキャストがかなり豪華だったし、墓を破るなんて題名も興味をそそるじゃないですか。そんな感じで期待値が爆上がりだったので、そこまでではないという結果に感じてしまいました。悪くはないんですが、このキャストとしてはストーリーも甘くて、ちょっと陳腐に感じましたし、なにより私が苦手な日本占領時代の背景だったんですよね。外国が描く日本だから仕方ないんですけど、毎回いろいろツッコミどころ満載で、気になってしまう。ホラー要素もいまいち怖くなく、恐ろしさが足りない、エグさも中途半端。サスペンス要素もあるにはあるけど、最後納得させてくれない?詰めが甘い?深みがない?キャストを知って、身構えて観てしまったけど、これはあまり考えずに観る方が楽しめたのかもしれません。クライマックスはキム・ゴウン演じる巫堂ファリムのお祓い?の儀式のシーンかな?あれは迫力があって、彼女の演技力を感じました。ホラーエンタメとしてはそれなりに良作だと思うので、逆にあまり韓流映画に詳しくない人の方が楽しめるかもしれません。★★★☆☆【輸入盤DVD】【新品】EXHUMA【D2024/10/08発売】(破墓/パミョ)価格:4,690円(税込、送料別) (2025/4/7時点)楽天で購入
2025.04.07
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生活の全てを上司に報告し、コントロールされながら生きる男。海難事故から奇跡的に生還した妻が別人だと疑心暗鬼になり怯えながら暮らす男。新興宗教団体にハマり、家族を捨てて、教祖となる存在を探し回る女。この3つのストーリーを軸に皮肉な世界を、恐ろしくそして滑稽に描く。「哀れなるものたち」のヨルゴス・ランティモス監督の作品です。なので、単純な娯楽映画じゃないと思って覚悟して観たんですけど…今作はけっこう好きでしたね。割と設定はエグいんですけど、コントみたいに笑える演出なんです。そのコントラストも面白かったです。オシャレで突飛だけど、シュールな設定ってところは前作と同じでしたが、現代の物語なので、現実味もあったのが良かったのかもしれないですね。登場人物は皆んなエキセントリックで、イッちゃってます。その点においては、共感も何もあったもんじゃない。そこもコントっぽいのかもしれないですね。特に宗教団体の女のエンディングは笑えたな。アラニス・モリセットの「Ironic」という歌を思い出しました。メッセージ的なものもあるのかもしれないけど、あまり深く考えずとも、ポップで笑える作品として楽しめる作品だと思います。Disney➕ですでに配信されてるようなので、もし観れる方はどうぞ。★★★☆☆
2025.01.27
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