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大音量で音楽を聴きながら車を運転していたら、突然目の前に車が割り込んできた。 救急車だった。 EWFの「ブギーワンダーランド」をノリノリで聴いていたため、肝心の「ピーポー」が聞こえなかったのだ。というか、「ピーポー」が曲とリンクしていたようだ。救急車には大変失礼なことをした。と、EWFに成り代わってお詫び申し上げたい。
2008.06.30
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地元の居酒屋はほぼ制覇したつもりだったが、まだ足を踏み入れていない店がある。古くから駅前に佇んでいるテナントビルもその1つ。未開の地下街が、アリ地獄のように飲兵衛を待ち構えている。 この、うらぶれた地下街に潜入しようと思いついた。同行者は、酒さえあればどんな飲み屋街にも適応できるクリーニング屋のK君と、通称萬田はんがいいだろう。 「コツ、コツ、コツ...」 階段を降りる。左に旋回し、また降りる。そこには「大衆ゴールデン地下街」の匂いが漂っている。東京で言えば上野、浅草のような系列の匂いだ。 間口1間ほどの店のシャッターは概ね閉じられている。そんな中、2軒の居酒屋が明かりをつけていた。入り口の扉が50cmほど開いたままで、縄のれんを揺らしている。「大衆割烹・焼き鳥」と書かれた的の絞りきれていない店に入ることにする。 絶滅したかと思われていた労働者風のおじさんたちが、カウンターに染み込んでいる。ああ、これ、これ。これなんだよ、僕の求めている怠惰な光景は。 老夫婦2人で切り盛りしているこの店で、僕が最も気に入ったのは、おばさんの腕に大きく貼られたバンソウコウだった。 店を出て、階段を登る途中のこと。K君が、「尿意をもよおしました」と泣きそうな顔をしている。次の瞬間、階段の踊り場でK君の放尿音が鳴り響いた。非常にマナーが悪い。マナーは悪いが、あまりに「大衆ゴールデン地下街」にマッチした光景だった。僕の目は、こみ上げて来る臭気に染みた。
2008.06.29
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脳幹出血という生死紙一重の病気になった釣友Sちゃんは、ICUでの「死にたくなるほど」の投獄生活と、「イジメられる気持ちが理解できる」という地獄のリハビリ生活を経て、千曲川の鮎釣り解禁日に病院から這い出してきた。 15年を超える釣り友だちは、タバコを吸わない以外は体に悪いことばかりしていたので、遂に病院から「御用」と相成った。言い方を代えれば、自ら選んでこの病気になった確信犯なのだ。まあ、神様から御用にならなかっただけ幸せ者だ。なので、僕は病院への見舞いは一切しなかった。川で再会するのがスジだと思っていたのだ。 おぼつかない足取りで杖をつきながら、Sちゃんは川に戻ってきた。 「今日はイスに座って大名釣りだ」と偉そうなことを言うので、僕と後輩S君はSちゃんのそばに腰を下ろして川を見ていた。 「病院の中じゃ若い女の先生にモテモテでさぁ」とか「かっちゃんも酒の量ひかえないと体に悪いよ」などと、井の中の蛙発言を繰り返す。あきれてモノも言えず、涙が出てきた。釣りをする気になれない僕は、酒を飲めないSちゃんの横で、缶ビールやワンカップをたらふく飲んで川を見ていた。 まだまだ満足に竿を持てず、川に立ちこむこともできないSちゃんに、鮎は1匹も掛からなかった。僕と後輩S君は、せっかくの解禁日なのに1時間も釣りをせず、鮎は去年の10分の1も釣れなかった。 Sちゃんのリハビリ生活は、夏いっぱい続く。時々は、適当な理由をつけて病院を抜け出し釣りをする気らしい。病院、ならびにご親族の方々、ならびに全国で闘病生活を送っているみなさんへ。僕の釣り友だちなので、どうか許してやってください。
2008.06.28
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「学生」という肩書きがなくなって久しい僕だが、当時は「食べる」という点では苦学生というより楽学生で、味より量で世間に挑んでいた。食べ放題の焼肉屋、喫茶店の「超大盛りカレー」は週1回のレギュラーポジションだったし、ラーメン屋さんに行けば「醤油ラーメン」の注文後に「味噌ラーメン追加ね!」もした。 そんな学生も歳を重ね、往時のメニューには縁遠い階級に昇進。酒と1品料理だけで幸せを感じるまでに出世した。が、時折原点に立ち戻り、真っ白な気持ちにリセットしたくなる。 美味いのか不味いのか判定できないうどん屋Kに、「学生どんぶり」という挑発的なメニューがある。原点に立ち戻るにはちょうどいい試金石。イカのてんぷら2枚と、かき揚げが1枚。ご飯は若干の大盛りである。 今時の学生は、この程度のボリュームで満足しているのだろうか。もう少し後ろめたいハングリー精神、つまり、「小さなかき揚げとどんぶり3杯分のご飯」程度の無謀さがほしい。 実際、この後焼肉屋さんに行ってチャーシュー麺を食べたのは、原点に立ち返った僕のプライドであった。
2008.06.27
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ハワイの魅力にとりつかれたAちゃんは、ハワイアンリラクゼーションサロンを営んでいる。 夜、いっしょに飲んでいた通称「萬田はん」が、「かっちゃんさん、そうは言ってもAちゃんの店に飲みに行くっつうもんじゃねえっすか?」と言うので、のこのこ出かけていった。ただ、Aちゃんの店はリラクゼーションサロンであって、飲み屋ではない。この辺りが、僕らの浅はかな人間性を象徴している。 Aちゃんの店には青森出身のTさんもご来店していた。 ハワイという所はトコナツである。Aちゃんお手製の梅酒をたっぷり頂き、僕らの肝臓も常夏になったところで帰路につく。 が、このまちは深夜に飲む輩が絶滅しているのか、タクシー会社は既に明かりが消えていた。僕と萬田はんは隣まちのタクシーを呼んで帰宅しなければならなかった。常夏の肝臓は、一気に冷え切った。 さて、Aちゃんがどんな仕事をしているのかというと、ハワイに親戚も兄弟も固定資産もない僕には説明できないので、彼女のhttp://plaza.rakuten.co.jp/manaohana/をご覧いただきたい。
2008.06.26
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山間に温泉宿が点在する信州望月は、場末な宿ではあっても「温泉通」の人々からはそれなりの評価を得ている。 「かっちゃん、その中でも『もちづき荘』の湯は、そりゃもうサイコーだよ。1度入ったら病み付き。2度と湯船から出られなくなるから」と、今年65歳になるSさんが、それこそ湯当りをしたように強調する。その御仁が故郷の松本に帰ることになった。 僕は、「お別れ会の会場は、きっとあの温泉宿だろうな」と直感していた。勘は当たった。せいぜい湯当りしないように気をつけよう。 この御仁は全国各地を歩き回り、各地の温泉に浸かり重ねてきた。その中でも、ここの泉質は最高ランクらしい。本当かどうか、まずは浸かってみるか。 おっ、お肌がツルツルスベスベテロンテロン。Sさんの言っていることは当たっていた。 で、宴会開始。Sさんは、知人にもらったというイノシシの肉を持参。「腐りかけが1番美味しいんだよ」とニコニコしている。ああ神様、どうか食当りしませんように。 おっ、お肉がシコシコヤワヤワギュッギュッギュッ。Sさんの言っていることは当っていた。 宴会が終わればマージャンである。ジャラジャラポンチーカンリーチ。「あっ、それ当り!」。Sさんは僕から数万点の点棒をもぎ取り、松本への土産をこしらえるのであった。
2008.06.25
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文豪・島崎藤村直筆の「一膳めし」看板を掲げるA屋は、Yちゃんと母親が切り盛りする小さな食堂。その割にメディア露出度はけっこう高くて、芸能人の選ぶグルメな店としても知られている。名物は「ソースカツどん」だが、僕は豆腐料理が好きである。 店には、Yちゃんの2人の子どもが絶えずはしゃいでいる。お客さんのテーブルに行っては「...」と食べる様子を伺うことが子どもたちのお仕事だ。 今年3歳になる長女のCちゃんは、僕がこの店に行く度に「だんだん僕に似てきたね。血は争えないね」なんてことを言っていたので、少しばかり複雑な目で僕を見つめる。DNAのつながりはないが、それを飛び越えた人類愛の懐の中で僕らは生きている。髪の毛があるところ、目が2つ付いているところ、おしゃべりする口があるところ...、数え上げれば切がない共通点で僕とCちゃんは結ばれているのだ。 が、Yちゃんは「ほら、パパが来たよ。『パパ』って呼んでごらん」などとけし掛けるので、Cちゃんはついに僕のことを「パパ」と呼ぶまでになってしまった。 僕が「写真を撮ろうね」と言うと、素直に「はい、パパ」と応えるCちゃんである。将来が少し不安なCちゃんである。
2008.06.24
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スナックOのママさんの旦那は、Kさんという。自称「ファーマーヘルパー」である。自分の仕事のほかに農業のお手伝いを「完全予約制」で営んでいる。 一連の仕事を終え、Kさんはスナックのお手伝いをする。奥さんがママさんなので、気軽に経営に手出し口出しができるのだろう。店でお客さんにサービスするライターも、Kさんがチョイスした。 一見普通のライターだが、側面のボタンをスライドすると、ボールペンが出てくる。 Kさんは、このライターをいたく気に入っていて、ママさんに「ちょいとKさんバカじゃない?」と却下されたものの、意地と粘りで導入にこぎつけた。 しかし残念なことにこのライターは、ボールペン格納部があるため、ガスの貯蔵量が少ない。また、ボールペンも小さいため、あっという間にインクがなくなる。ライターとボールペンという、普段の生活ではほとんど縁のない両者のコラボレーションは、どう考えてもミス「マッチ」、というかミス「ライター」である。
2008.06.23
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キャンプの朝の楽しみは、やっぱり釣りだ。富山にはたくさんの河川があるし、この時期はサクラマスなんかも遡ってくる。 大物が掛かってもいいように、ちょいと太いラインで攻めてみよう。 ググッと当たりがあって、感触を楽しみながら魚を寄せる。「アメマスだ!けっこう大きいぞ!」と喜びが昇天する瞬間、「バキッ」という音とともに、アメマスもラインも下流に流れていった。穂先が折れた。おうちに帰りたくなった。 帰路、新潟の漁港でアジ釣りをする。 前日、たくさん釣ったYさんやTさんだが、今日はとんと釣れない。竿は折るし、魚は釣れない。おうちに帰りたくなってくる。こんな時は起死回生の手段に出よう。竿の代わりに網を持つ。 で、こんなのをすくった。 大きなナマコ。美味しそう。だが、ナマコにはおうちに帰ってもらおう。ポチャン。
2008.06.22
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富山のヒスイ海岸わきに、きれいに整備されたキャンプ場がある。昨年の秋に1度来た際、「またここに来よう」と思った。この週末、1泊2日のショートキャンプを張ることにした。 参加者は僕と後輩S君、それに独身女性のYさん、Tさんである。ご心配なく。怪しい関係ではない。 キャンプの主題は、「全員で5キロ太ろう」である。定番カレーや釣りたてのアジ、サラダや焼肉、焼き魚。これだけ食べれば、食糧難時代に立ち向かっていける。 キャンプの副題は、「非日常を楽しむ」である。キャンプ場は海に近いので、波音がすぐそこに聞こえる。ついでに、北陸本線が脇を走るので、心にしみる鉄路の音が聞こえる。ついでに、夜半から降り出した雨が、テントの上で心地よいリズムを奏でている。 しかし、後輩S君が、しきりと僕のイビキを心配している。「せっかくのキャンプなのに、かっちゃんさんのイビキを聞いたら彼女たち眠れないっすよ。『もう2度とキャンプなんかしない』と泣きますよ」と脅迫する。 僕は、これまで1度だって女性から「イビキがうるさい」と言われたことがない。おそらく、女性向け癒し効果、あるいは超アルファー波を発しているのではないかとさえ思うのだ。 そんなこんなで夜が更ける。テントの中は雨の音、夜汽車の音、波の音で満たされる。そして、次に聞こえたのは後輩S君のイビキであった。
2008.06.21
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山の開墾に生活の幅を求めた信州の歴史は、今でも田畑の姿を見ることで確認できる。「棚田」もその1つ。山間地に行けば、小さな川や沢沿いで扇状に広がる段々の田んぼがある。 ここは、上田市の棚田。この横に、僕の祖父の家がある。で、僕は小さな頃から遊んでいた。カブトムシやホタルを見たり、名前の知らないきれいな花が咲く遊園地のような存在だったのだ。 その祖父が亡くなった。 祖父の亡骸に手を合わせた後、かつて遊んだ棚田に向かった。祖父が暮らしていたのは、このすり鉢のように傾斜した水田地帯で、毎日のように近所の農家の人たちと言葉を交わす時代だった。自分の庭でも、自分の水田でもない環境を、皆と共有していたはずだ。 今、この地域に住んでいるのは、水田にも出ることのできない年寄りばかり。そして、この棚田は最近になって観光スポットになり、高齢化した農家に代わって都会のオーナーが稲作体験をしているらしい。 祖父が毎日触れていた生活は、もうとっくに息を引き取っていた。棚田は、そんな現実を見下ろしているかのようだ。
2008.06.20
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過去3回開催した「スナックO杯マージャン王座決定戦」は、これまでに3人の優勝者が「グランドチャンピオン大会」出場権を得ている。第1回優勝者は鯉屋のT君、第2回は通称「ファーマーヘルパー」のKさん、そして第3回優勝者が僕である。初代王者の椅子が、だんだん僕に近づいているのだが、いかんせん残り1人の優勝者が決まらないと次に進めない。 そんな中、ダイニングキッチンCを営むK君と、地元ホテルで働くH君が第4回大会への出場を願い出た。よし。君たちのどちらかが優勝したら、さっそくグランドチャンピオン大会開催の日程を決めよう。 K君もH君もなかなかの打ち手で、順調に勝ちを重ねている。いいぞ、いいぞ。ただ、前回優勝者の僕としてはあまり負けすぎてもいけない。気持ち程度はあがっておこう。 なんて考えていたら、いつしか本気になってパイを打つ僕に変身。終わってみたら、優勝したのは僕だった。 横で僕を祝福しているのは、マージャンに縁のないクリーニング屋のKクリ君である。 彼は、僕らの後ろで騒いだり、歌ったり、そしてまた僕に叱られ、「ついでに焼き鳥買って来い」と命令され、ついには午前4時半の朝帰りまで付き合わされたのだった。事実上、Kクリ君が優勝者であると僕は思っている。 いずれにせよ、グランドチャンピオンへの道のりは遠い。
2008.06.19
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20代から40代の働き者に「ご褒美」をあげようと、100人規模の飲酒イベントを、仲間が年に1度だけ開いている。 信州の小規模都市で、毎日のように働かなければならない若者諸君だが、実に宴会が好きだということは、自分の体験から確認済みである。 今回は、「仕事着で参加してください」とのことだったので、間もなく開幕する鮎シーズンに向け、僕は鮎釣りのイデタチで参上した。 で、このイベントには働く女性も多く参加する。僕は、この手の人種とできるだけ記念撮影をすることにしている。これもご褒美のうちなのだ。 で、中には僕がお願いもしていないのに「ねぇ、アタシも写真撮ってぇ」という人種もいる。仕方ない。これもご褒美のオマケとして処理してやるか。 お見せできないのが残念だが、それぞれに写った僕の表情は、明らかな温度差が生じている。会場の中で1番の働き者は、僕の表情であることが実証されている。
2008.06.18
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明日、仲間との飲み会イベントを開く。その打ち合わせを兼ねて、後輩S君とクリーニング屋のK君とともにT君のそば屋で昼食をとる。 「何でそばなんか食べに来たんですか?明日は僕がそば打ちの実演もするのに」とT君。そうだった。明日はそばをイヤというほど食べられるのだ。仕方ない。ここは天丼で腹を満たそう。 T君の店は、地元の人よりも観光客でにぎわう店である。今日も、若い女性が1人、そばをたぐっている。デジカメで写真なんか撮っているところを見ると、おそらく観光客だろう。恋に破れた1人旅かも。 彼女はそばを食べ終わると、「今度、近くでヨガ教室を開くので」と、店にパンフレットを置いていった。なんだ、地元の女性だったのか。 同席した後輩S君が、「せっかくだから明日のイベントに彼女を誘いませんか?」と提案。さっそく後を追う。おっ、いたいた。 「あのう、明日こんなイベント開くんですけど、よかったら来ませんか?」 「えっ?誘ってくれるんですか?わざわざありがとうございます」。 僕と後輩S君は、この時の彼女の顔を見て体が固まった。小柄で、きれいな顔立ちなのに、白い歯にはT君の店で食べた青ノリがびっしりと付着していたのだ。 「かっちゃんさん、あの青ノリにはへこみますよね?」 「んー、複雑な心境だよな。明日まで付着してるかな?あの青ノリ」。彼女の顔を思い浮かべながら、妙に悪ノリする僕らであった。
2008.06.17
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友人I君のご母堂の葬儀を終え、「今日は弔いの日」と銘打って飲食店街に繰り出す。 灰寄が終わったのが午後4時。まだ陽は高い。冠婚葬祭ならではの時間帯は、たった1杯でも酒がまわる。1軒、2軒と河岸を代え、4軒目に入る頃に世の中は暗くなった。 「献杯」は、生ビールと熱燗の2本立て。さすがに清々しいアルコールが欲しくなる。 スイカサワーを飲んだ。葬儀に不釣合いなこの色は、僕自身が葬儀向きではない人間性であることを示している。ワイシャツに染み込んだ線香の匂いは、やはり日本酒やビールの方が似合うな。
2008.06.16
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山並みが迫ってくるような白馬の川に立つ。 霧が晴れ始めた午前5時。美味しい空気が大物の予感を高めてくれる。ほらっ、来たぞ! と、思ったらニジマスだった。んー、無念。気を取り直して、深みを探ってみたら、イワナが連続した。 27cmが最高。んー、残念。もっと大物が釣りたいのに。 と、思っていたら川の中から僕を見つめる大物の気配。 石にペイントされた魚だった。これが本日最大の大物だった。
2008.06.15
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春宵一刻値千金を味わった桜並木に、小さなサクランボが顔をのぞかせる時期である。僕は子どもの頃から、何度かこのサクランボを食べては、「げっ、まじゅい」の人生を繰り返してきた。見た目は美味しそうなのに、実に苦い。大きくなるまで見守ろうとしたこともあったが、たわわに実ったことなど1度もない。 なので、サクランボに対する不信感は人1倍強い。許せない色、許せない姿形、許せない味の代表取締役なのだ。 入梅の風物詩「佐藤錦」が、僕の家に届いた。 1箱4パックの頂き物である。こんなにたくさんの量を食べ切るのは大変だ。できれば、友人知人に配りたいのだが、サクランボに如何ともしがたい恨みを抱く僕としては、みなさんに迷惑をばら撒くわけにいかない。 それで、泣く泣く葬ることにした。この密葬の形は、「独り占め」という処理方法である。「ナンマイダ」の代わりに「はあ美味しい。ごちそうさま」とお経を唱える。
2008.06.14
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冷やしラーメンは山形が有名だ。山形で初めて食べた時は、ラーメンの上に乗っている梅干に驚いたけど、けっこうイケルのでこれまた驚いた。 ところが、最近は全国各地のラーメンチェーン店でも増殖しているという噂を聞きつけた。後輩A君と、さっそく近くのラーメン屋さんに出かけてみた。 あるある。山形ではお目にかかれなかった「坦々麺」や「塩」バージョンもある。アレンジの限界がないのがラーメンの奥深さか。 で、何を食べようか迷ってしまい、結局は冷やし中華に落ち着いた。「冷やし」とくれば冷やし中華だし、「冷やしラーメン」は、やっぱり本場で食べてこそだと考えたからだ。 で、これまたいつものことではあるが、「やっぱりラーメン屋さんでは普通のラーメンを食べた方が無難」と再認識。冷やし中華やそうめん類は、家庭の枠から出してまで味わうものではない。と、思うのである。でも、冷やし坦々麺も気になるな。
2008.06.13
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高校時代にロックバンド活動に熱中していた僕は、近隣にバンド少年少女が少なかったこともあり、色々なイベントに出演してはギャラを稼がせてもらった。一般の高校生のバイトよりも時給が良くて、1ステージ1人2万円なんてこともあったのだ。そんな怠惰な生活に味をしめ、バンド仲間の多くがプロの道に入った。 当時、女の子のバンドも若干あって、RCサクセションのコピーをしていたバンドのドラムが、僕と同い年のAちゃんだった。 Aちゃんは、音楽の道からダンスの世界に移り、今ではダンススクールを経営している。 このスクールは、宝塚に合格する子もいたり、アイドル系オーディションの優勝者も輩出していて、Aちゃんの名声を高めているのだ。 Aちゃんは、ドラムを叩いていた頃とは別人で、今ではすっかりふっくらしている。なのに、ダンススクールを経営していることが不思議だ。 ちなみに、手前にいるのは講師の先生。Aちゃんよりも1回り細い。で、奥の方で子どもの足位置を直しているのがAちゃんである で、そんなAちゃんは仲間うちで唯一1人、僕のことを「K君」と呼ぶ。
2008.06.12
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どんな飲み屋さんにも「ナンバー1」は存在する。 まちで1番美味しいお通しを出すとか、注文を受けてからの品出しが異常に早いとか、閉店時間が1番遅いとか、トイレがめちゃめちゃ美しいだとか。それが、その店の看板になるわけだ。 T君の経営する居酒屋にも、この店だけの「ナンバー1」がある。 「笑顔ナンバー1」のAちゃん。胸元のネームと、首の上にクッキリと記されているのでご注目。 注文する度に、「笑顔ナンバー1ちょうだい!」とお願いすると、どんな酔っ払いに対してももれなく付いてくる。ただ、「飲み食いすることはできないの?」と、悪酔いする御仁もいるらしい。
2008.06.11
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1ヤードは91.44cm。この半分の長さのグラスを「ハーフヤードグラス」という。 居酒屋KオーナーのS君が、「今年の夏はコレで勝負します」と仕入れた。なんでも、シンガポールのラッフルズホテルのバーで飲んだ印象が忘れられず、あちこち探し回って入手したらしい。1リットルの生ビールが入るという。 面白そうなので、クリーニング屋のK君を誘って飲みにいく。 「これ、花瓶すか?」とK君は目を丸くしている。46cmもの長いグラスは、えらく飲みにくい。最初のうちはゴクゴク飲めるが、途中から遥か下に残るビールが一気に押し寄せてくるので、傾げ方が重要だ。残り3分の1からが勝負どころになる。腰をひねりながら飲んでいると、まるでインドのヘビ遣いにでもなった気分である。 大の男が、細長いグラスを天井高くかざして飲んでいる光景は、実に恥ずかしい。K君も、必死になって飲みながらも、横目で僕の飲んでいる様子をうかがっている。ビールをこぼしそうになるので、笑うに笑えない。 「なんだか照れちゃいますね、このグラス」 「なんか間抜けだよね、この姿」 このビールグラスでは酔えそうもないと、うすうす気がつき始めた僕らは、この後2軒の居酒屋に向かう。高さ2cmのお猪口を見下しながらも、「やっぱこれっすわ」とほお擦りするのであった。
2008.06.10
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タバコは体に悪い。吸っている人にも吸わない人にも害がある。タバコを吸う僕が言うのだから、間違いない。なのに、つい先日まで、自動販売機では正々堂々と売られていた。 それが、「タスポ」なるカードによって一変。とりあえず「青少年に買わせないため」という理由ではあるけれど、「徐々に大人の皆さんも買いにくくするからね」という予告編であると僕は考えている。自動販売機の方が利便性は高いのだから、大人も不便極まりないのだ。 実際、青少年を保護するのであれば、タバコよりも「有害図書」と言われる不謹慎なストーリーでつづられた書籍の販売機を、「タスポ」しちゃえばいいのだ。 そんな中、たまーに僕が購入していたとある公共施設のタバコ自動販売機が、現役生活の幕を閉じた。 ご苦労様でした。 管理人が言うには、「タスポの乱入で、もう世の中に付いていけなくなった」とのこと。タスポの出現は、罪もない自動販売機にまで及び、青少年の健全育成を煙に巻いている。実に不健康な煙である。ゴホゴホッ。
2008.06.09
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日本の川は3万5千本もあるらしい。比較対照にならないけど、サマージャンボ1等本数より多い。で、確率からいけばサマージャンボよりも格段に「当たり」本数が多いのが、ダムや堰堤のある川である。 信州の川はストレートに海には流れ着かず、概ねこのダムや堰堤が付きまとっている。ストーカーよりもしつこい。 A川のダム湖もその1人。じゃなくてその1つ。日曜日の昼下がり、このストーカーの顔色を見に行った。ついでにイワナでも釣ってやろうとルアーを投げた。 釣れなかった。5分で釣りをやめた。 6月のそよ風が、「こんな日はなんですな。ビールでも飲みたくなりますな」てな誘惑を運んできたからだ。たまたま運転手がいたので、僕はあらかじめ用意してきた缶ビールやワインに手を付け始めた。じゃ、かんぷぁーい。 「松本」ナンバーの車が、こんな人里離れた場所に来た。年配の夫婦のようである。奥様は、「すばらしい自然」とニコニコしていたが、正確には「すばらしい不自然」と言っていただきたい。勝手に川をせき止めて、美しいはずの自然はどこにもないのだ。 が、こんな人里離れた湖のほとりで、ラゲッジルームで赤ら顔になって「乾杯」を繰り返す僕の方が、不自然であるに違いない。それでは気を取り戻して、そんな僕と湖の「不自然にかんぷぁーい!」
2008.06.08
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昨夜から竿を振り続けるものの、富山から新潟に入ってもサッパリ釣れない。昼食の時間になる。「サッパリの時は、こってりしたものを食べよう」ということになった。糸魚川市のラーメン屋さんにトボトボと入る。 壁に、こんなものが貼られていた。 ソース焼きそばは嫌いじゃない。ラーメンも嫌いじゃない。じゃあ、この「ソース焼きそばラーメン」を食べてみるしかない。 見るからに、実に、そのまま「ソース焼きそばラーメン」だ。食べ始めて判明してきたのだが、おそらくソース焼きそばをラーメンスープの中に放り込んだ味の形跡がある。が、不味くない。こってりメニューを食べたので、この後の釣りもきっと「こってり」と行くぞ。 ...とはいかないのが現代社会。いつしか日も暮れ、途方にくれる僕らであった。 「これだけサッパリ釣れなかったんだから、夕食もサッパリ味で行きましょう」となり、上越市の寿司屋さんへトボトボと向かう。 地魚を握ってもらおう。メバルのような「せいかい」とか、ノドグロ、カワハギは白身なのに味わい深い。日焼けして黒身になった僕らとは正反対の生き様である。 が、やっぱり締めはこってりいきたい。「大トロください」。 こってりと脂が乗った大トロは、やはり寿司の花形だ。「サッパリの次はこってりで」。次回の釣行も、こんな流れで行きたいな。
2008.06.07
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年配のおじさんを交えたやきとり屋の宴会を終え、ようやく身軽な体になった僕は一路富山に向かう。運転手は後輩S君。「本当はもっと早く出かけたかったのにぃ」という言葉をさえぎり、「夜の方が釣れるに決まっている」と強引に出かけたのであった。 なのに、目を覚ましたのは午前4時。すでに釣り始めている人たちもいる。眠い目をこすりながら釣り始めた僕のルアーに挑んできたのは、こともあろうにフグだった。 浜辺に打ちあげられたフグは、腹を膨らませて「グー、グー」と怒っている。 こんなんじゃいけない。睡眠時間を削ってわざわざ富山まで来たのだから。なぁ、S君。おや?S君? 釣れない現実から逃避する釣り人が、浜辺に打ちあげられている。フグ並みに腹を膨らませ、「グー、グー」と音を立てている。「今回はたぶん釣れないな」と確信した光景だった。
2008.06.06
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僕の住むまちでは、夕方5時になると物悲しい音楽が一斉に流される。マイナーコードで、実にシュンとなるような曲だ。 この曲は、「小諸わが想い出」というタイトルが付けられていて、何を隠そう全国のCDショップで入手できる。と観光協会では断言しているが、定かではない。まちの観光協会で細々と売っていることは確認済みである。 作詞は永六輔、作曲は小林亜星。2人とも、大東亜戦争中にこのまちに疎開したのだ。それが縁で、この曲を贈ってくれたのである。 この曲を聴いた時、僕は「戦時中って、物悲しい想い出しかなかったんだな」と思った。それが、永さんや小林さんの想い出なのだから仕方ない。事実、永さんが作詞した坂本九さんの「上を向いて歩こう」も、疎開中にいじめられたことを思い出して作ったらしい。 曲ができた時、少なくとも2人は「この曲が夕方のチャイムに使われる」なんて思わなかったろうし、第2の故郷の想い出をヒット曲にしようなんて考えもしなかったろう。それがCDになっちゃったんだから「寝耳にCD」である。 ところで、歌うのは疎開に関係ない由紀さおりさんである。非常に物悲しく歌っている。夕方5時のチャイムも当初は歌入りだったが、「あの曲を聴くとやるせなくなる」などの苦情が市役所に寄せられ、今では1番だけがインストゥルメンタルバージョンで流されている。6000枚作って1700枚も売れたという打率2割8分3厘のしぶーいヒット商品は、1枚1400円也。
2008.06.05
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船で釣りをすることはない僕だが、昔アジ釣りに何度か出かけたことがある。当時行き着けの居酒屋Hのマスターが、常連客と大型バスで「新潟寺泊アジ釣りツアー」を開いてくれたのだ。僕は毎年参加していて、釣りたてのアジの美味さを楽しませてもらった。 最後に参加した年がひどかった。海が大荒れで、一旦は港を出たもの乗船した人たちは船酔い連鎖を起こし、そのまま帰港するという始末。ただ、僕は「船長さん、希望者だけでもう1度沖に出ようよ」と催促。で、大漁を味わうことができたのだった。 僕は、行きのバスの中で大量の缶ビールを空けてしまい、船酔いさえ感じないほど泥酔していたのが勝因だった。 今夜、久しぶりにマスターの顔を見に居酒屋Hに仲間と出かけた。 マスターによると、あれ以来ツアーは中断しているとのことだった。無理もない。さて、「お勧めの岩ガキ」でも食べよう。 カキの旬は、やはりこの時期だな。冬のカキは小さいし、ふくよかさが足りない。そこいくと、今の時期はでっぷりと太っているし、味も濃厚だ。 この美味しいカキは、それを食べる人が「美味しい」と認め、それが漁師さんたちを支え、またカキを支えることにつながる。 なーんて思っていたら、同席したK君が「うーん」と目を細めている。美味いだろ?な? 「そうっすね。カキっていうより、海水の味しかしませんでした」。実にしょっぱい一言に、カキの殻を投げつける僕であった。
2008.06.04
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K子ちゃんは、地元で人気のYラーメンの娘。気さくでハキハキした性格が、常連さんを広めている。 「セッキャク業が好き」と言うだけあって、「車検」に通らないようなお年寄りにも、親の陰に隠れて顔だけのぞかせている「半引きこもり」の子どもにも、彼女はまるで母親のように接することができる。これはまさしく才能だろう。 才能を開花させるべく、彼女はYラーメンで働いた後、夜はバーの店員となってセッキャクの技を磨いている。 昼食に、K子ちゃんの店に行ってみた。 「あれ?かっちゃんどうしたの?ずいぶん痩せたね!」 うれしいことを言ってくれるねぇ。最近は間食から足を洗い、飲む時はツマミを控えているだけあって、着実に僕の体重は遥か「標準値」に向かってほふく前進している。 「でもね、ちゃんと食べなきゃダメね。アタシは食べる時間が不規則だから、太ったり痩せたりの繰り返し」 「そうだな。となったら、今日は味噌ラーメンの予定だったけど、味噌チャーシューに半ライスも付けちゃおうかな」 僕に戸惑うことなく推定1000kcalを摂取させたのは、まさしくK子ちゃんのセッキャク技術であろう。
2008.06.03
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とかく日本人は「活き」を尊重するらしい。 踊り食いはその一例。生きたまま白魚やドジョウをツルリと食べて、「んー、美味い」という感覚に、僕は若干の距離がある。それを食べている人間の方が、実は魚に近いような捕食形態を楽しんでいるのだから不思議。 行き着けのすし屋さんで、酒の肴に「アジのたたき」を食べた。 食べている最中、このアジは神がかり的な生命力で、骨に若干残った筋肉をピクピクさせて僕を驚かせた。これも「活き」を楽しむための工夫なのだろう。でも、なんか引いてしまうな。酒を飲んでいても、「えーこの度は誠にご愁傷様でした。では、お焼香でもさせていただきましょう」という仏心さえ沸き立つのだから。 料理人には、「水槽で生かしておいても、弱った魚を食べるだけ」という人もいる。現地で活け締めにした方が、鮮度も味も落ちないというのだ。 まあ、難しい話はさて置いて、どうせ生きたまま食べるのであれば、「流しそうめん」の様に生きた魚を竹筒かなんかに流して、それを箸ですくって食べる方が、よっぽど活きを「粋」に食べられる気もするのだ。 ところでこのアジ、大変美味しゅうございました。
2008.06.02
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晩酌をほぼ毎日嗜んでいる僕だが、「晩」だけではもったいないので、「朝」ならびに「真っ昼間」に挙行することがある。前日までの雨も上がり、清清しいそよ風が頬をなでる今日のような日曜日は、朝よりも晩よりも「真っ昼間酌」に最適である。自宅の縁側に酒を持ち出してみた。 隣の家の塀から僕に向かって鳴いているギャングのような猫、時折思い出したように奇声を発するカエルが、この「真っ昼間酌」会場に居合わせた客である。 「にゃー」で1杯、「ケロケロ」で1杯。騒がしいカラオケに心を閉ざして飲んでいるより健康的である。こんな日曜日、次はいつ来るかわからない。「だったらもう1本」で盃を重ね、泥酔寝をした。 縁側の会場は、「にゃー」と「ケロケロ」と「グオーッ」の音が渦巻いていたはずである。信州の入梅も近い。
2008.06.01
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