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バアアアアアァァン!!
「も、森が吹き飛んだぞ!」
「なんで、LEの周辺にこんな大量の爆薬が……」
「ほら、前にボルケーノ・ウィズが来たときに仕掛けられた地雷」
「あれそのまま放っておいたんですか!?」
「いや、ていうよりこっちで使えるようにシステムを組み替えたんだよね。それ一斉に爆発させたの」
「ただ爆発させるんじゃなくて、あいつのナノマシンを一か所にとどめる必要があったから、あいつを囮にしなきゃいけなかったがな。いやあ、それにしてもやっと暖かくなってきた……ちょっと暑いくらいだがな」
「この雪だ、自然に鎮火するだろう……しかし、よく使えたな。フォルトが言っていたとおり、使用不能にされてると思っていたが」
「うん、それは不思議なんだよねぇ……他の防衛システムは破壊されてたし」
(……どうも腑に落ちないわね。考えてみれば、思い当たる節は他にもある……まるで、第三者に介入されていたような……)
「まったく……二十歳の坂を越えても無茶をするのは変わらずか……いいですけど、こっちとしてはそうでないと面白くないし」
「! 誰だ!」
「誰って……ただの名医ですけど」
「は……名医?」
「今度はなんですか、雪男の次は狼男?」
「狼男? 失礼な……私はただの天才外科医だと言ってるでしょう」
「いや、自分で自分を天才外科医だなんて……しかもさっき言ってなかったし」
「……! あんた……『アブソリュード・コントロール』!?」
「あぶそりゅーど? なんだそれは」
「安心しな、こいつはタクティカルレッドじゃない……しかし、どうしてお前が」
「どうして? 医者が出掛けるのは患者がいるときだけですよ。あ、そうそうこれ」
「……あ」
「うう……寒い」
「し、静馬!?」
「そこでがんじがらめに縛られて転がっていたので拾ってきました。凍傷の類は起こしてないので、まあ暖めてやりなさい」
「……お前ってやつは」
「くあ、か、かはあ……」
「七割くらい吹き飛んだな……原型維持するのもままなるまい。ナノマシンの集合体だから、体がどんだけなくなっても関係ないが……この状況下じゃな」
「やって……くれたな……」
「ナノマシンタイプICE、空気中の水分を冷凍化し操ることが可能だが、熱に弱く高温多湿の場所では運用に不適合……だったよな?」
「ふふふ……これほど高性能のナノマシンにしては、ずいぶんあからさまな欠点だなあ?」
「それが合成人間の宿命だろ? 恨むんだったら、わざわざそんな欠点を作ったあいつを恨むんだな」
「恨む……人でない私が、呪いをかけられるのか……」
「知らねえや……どうせ死んでも暇だろうし、やるだけやってみたらどうだい?」
「はは……それもそうだな」
「ところで……静馬はどこやった?」
「静馬……? ああ、あのガキですか。あいつがどうかし……た……」
「……消滅したか。にしても……」
「グフッ、ゲヘッ、ゴホッ!」
「さすがに……爆風を全部避けるのは大変だったな……結構効いたな……」
「それにしても……地雷といい、静馬といいあいつら知らないことが多すぎだな。やっぱ他に誰かいるのか……しかし、そいつはどうして」
「一応断わっておきますが、その誰かさんとやらは私じゃないですよ」
「え、な……び、ビリー・ロックウェル!? どうして貴様が……」
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