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「女性の変死体を発見。殺人かな? 携帯の履歴を調べてみると……え、神戸警部補があるよ?」
「なんか、警察幹部ご用達のバーのホステスだったんだと。神戸も上司に連れてかれた時番号を交換したが、特命係に来てからは行っていない。個人的な交際もない。でも彼女結婚する予定だったそうじゃないか、相手は何故だか教えずに。言えないとなると……警察官か?」
「そりゃ警官がホステスと結婚はまずいから、辞めさせてしばらくしてから結婚ということにしますけど、神戸は半年以上会ってないんですよ? 例の履歴だって営業電話と思って出てないんですから」
「半年も来ない奴に営業電話かけるホステスいるかよ? で、死因は絞殺だっけど、痕がないことから素手でやったんだな。指紋もブランデーで拭き取ってやがる。でも抵抗した痕がない……とりあえず、彼女の自宅に行ってみるか」
「さすがにすごいところに住んでいるな……おお、ブランデーだ。だとするとここが現場か?」
「ブランデーはともかく、殺害現場はここじゃない? 指紋がほとんど全部拭き取られてたって。恐らく自分が指紋つけた可能性がある場所全部拭き取ったんだよ。相当時間かかったろうに……」
「一方その頃、警察庁はピリピリしていた。特命係に内偵させてる神戸が殺人事件に関与しているなんてそりゃ困るだろう。内偵がバレたら大事だ。そんなわけで、首席監察官が大河内さんに報告書を要求してきた。大河内さんも神戸の異例の人事異動には疑問持ってるてのに」
「ヘマして飛ばされたって言ってましたけど、その理由が監察官である大河内さんにわからないのはおかしい。警察庁で情報はストップされてますし。前に話した「杉下右京を警察から追い出すため」ってのに疑いを抱いてます。……正しいのか間違ってるのか判断に困りますね」
「どっちかというと観察つーか見定めるためだな。お、被害者のあおいさんの所持品が新たに見つかったぞ。……USBメモリ? なんでホステスがこんなものを? テレホンカードもあったなそういえば」
「そのメモリに入っていたのは……なに、警視庁の金融関係の前科者名簿? それと、金融協会の警察官借入のデータ? なんだこれは」
「つまり……警視庁が民間人の金融犯罪データを提供した代わりに、金融協会から警察官の借入データを取得したってとこかな。そんなの違法じゃない。なんで彼女こんなの持ってたんだろ?」
「あおいさんが勤めていたクラブは警察庁警視庁幹部の御用達。そこから漏れたと考えるべきだな。にしても、こんな情報調べるためには色々書類必要だろ。それを提出した奴を調べるべきだな。人事課長に頼まないと……ん、水木人事課長がなんか言いたいことあるって」
「警察官の借入データがおかしい? たしかにあのデータは警視庁の人間はあっても警察庁の人間はありませんでしたね。わざと削除したんでしょうか。でもこれ作ったの警視庁の人間のはずです。ということは……警視庁の人間が警察庁の依頼で作ったということに。例えば……庁内S、スパイとかが」
「警視庁の危険人物に対して警察庁が送りこむって言うアレ? そんなん実在すんのか? ……あ、例の金融犯罪のデータにあおいさんいたぞ。横領したらしい。そうなると、このことを結婚相手にバラすぞと彼女を犯人が脅したとか……ダメだ、それじゃ彼女が犯人殺す動機になる。とにかく、この資料作った犯人調べないと」
「警察庁と警視庁、Sの件で大揉めだな。そりゃそうだろう。ん、なに、資料を作った人間がわかった? あおいさんの携帯に名前のあった、総務部の課長だって?」
「うん。でも別に庁内Sじゃなくて自分の一存でやったことだって。警察庁のデータはいらないから削除しただけで。で、前科のデータにあおいさんがいたから確かめに行ったの。……え? データちゃんと持ってたよ。じゃああれはあおいさんが勝手にコピーしたってこと?」
「ってことは……Sだったのは彼女の方ってことか? あそこは幹部御用達で、何者かの指示で情報を提供していた。だからこそあのデータもコピーした……なるほど、今どきテレホンカード持ってたのは連絡用か。となると、雇い主は誰だ?」
「しかし、総務課長さんの事件は問題ですね。しかもそれが殺人の動機だとすればやばいなんてもんじゃありません。この件は闇に消して、殺人事件の動機は別のことにしなければ……おっと、大河内さんムカついてます。この人も正義感は持ってますしね。ま、そっちは無視して、こっちは殺人事件の捜査しますか」
「彼女、結婚するとか言ってたのに両親にも報告してなかったんだとさ。どうしてだろう。理由は主に三つだな。相手と不倫関係にあるか警察官だから不用意に言えないか、あるいは結婚する気なんかなかった……もしくは、それ全部」
「……は!? 水木課長があおいさんと一緒のペアウォッチ持ってたって? てことは、あおいさんは水木課長のSだったてことに……え、おかしいじゃん。自分の女性Sにする?」
「逆。Sに惚れちまったんだよ。離婚して警察辞めるとまで言ったが返事はNO。別れ話を切り出されてキレちまったんだな。それで抵抗した形跡がなかったのか。でも、彼女に結婚の話なんか持ち上がってなかったのに」
「自分を諦めさせたかったんでしょうよ。そして、そんな水木課長もSだったんですって。警察庁の人事課長の。それに嫌気がさして警察も辞めようとした。そして、神戸を庁内Sと思ったからあおいさんに調べさせようと。聞いてみたかったんですよ、どうしてSになったのかと」
「それで、水木課長はこの件をSではなく、痴情のもつれによる殺人として欲しいそうだ。それはまあいいが……問題はもう一つだな」
「隠ぺいされる予定だった総務課長の件だな。庁内Sについて黙ってるかわりに、大河内さんこれを公表しろとさ。こういうとこはキチンとやる人だから嫌いじゃないぜ」
「まあこの件で、杉下さんは一層危険人物になっちゃったけどね……ホント心配だよ」
現実VS虚構(ニッポンVSゴジラ) 2016.08.31
レビュー企画 相棒Legend12 2015.09.20
レビュー企画 相棒Legend11 2015.07.28
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