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「私に全てを守る力を、ゆくぞ『オブリージュ』!!」
【我に全てを滅ぼす力を、『シルヴィア』よ、力を寄越せ!!】
「でええええええええええええぇぇぇいい!!」
【きぃぃぃぃぃええええええええぇぇぇいい!!】
ガキャアン!!
「な、なんつうエネルギーのぶつかり合いでしょう……オブリージュの緑の輝きと、『シルヴィア』の黒炎が剣からあふれ出ています。あの黒炎が聖剣『シルヴィア』の力?」
『いや、『シルヴィア』にそんな淀んだ霊力は宿ってなかったはずだ。恐らくあれはあの女の力――奴の歪んだ精神が『シルヴィア』に反応して邪悪な力として顕現しているんだ』
【ふん、何が守る力だ。この世で最も強き力は倒す力、敵を滅ぼす力よ! ほおぉうらぁ!!】
ブオォウン!!
「ぐっ!」
「一閃が、そのまま閃光としてぶつかってきた――くっ、こんなところで何もできないなんて!」
『よしなさい! 二つの魔剣が激突し合ってんのよ、近づいたら余波だけで貴方なんか消し飛ぶから!』
「だったら早く来て下さい! 決着ついちゃいますよ!」
『ちっくしょう! フォルト、なにトロトロやってんだ!』
『無茶言わないでよ! こんだけの嵐フォルトだってどうにかなるもんじゃないよ! あともうちょっと!』
『おのれぇ! 早く加勢せねば、ヘレナ殿がやられてしまう!』
『……それは、ないな』
「え?」
「ぬおおおおおっ!」
ビュゥウン!
【っう!】
「ふん、忌々しいがさすがは私自身か。油断ならぬ剣さばきだ」
【貴様のような腑抜けと一緒にするでない。そんな機械仕掛けの偽物魔剣で、この『シルヴィア』に敵うわけがない!】
「それは、貴様自身の身を持って証明するがいい! せぇい!!」
ブンッ!
「なに!? 飛んだ!?」
【『シルヴィア』を極めた我にとって、これくらい児戯に等しき事! 歴代の女王共は無能であった、この剣の力を億分の一も使いこなせていなかったのだからな! 馬鹿姉のように!】
「き、貴様……!」
【貴様もその一人、醜く浅ましく凄まじく死ぬがいい、でえええぇい!!】
「なんのぉ!!」
バシュッ!
【なに、障壁だと!? しかも――馬鹿な、貴様も飛べるのか!?】
「さすがに貴様ほど完璧ではないが、この程度は余裕だな。鍛えた甲斐があったよ」
【ふん! たとえ飛べたとしても、そんな輝きでこの黒き炎をかき消せるものか! 燃え尽きろおおおおおおおぉっっ!!】
ブオオオォォォォォォッ!!
「っ! 炎の、塊が……! ヘレナ危ない、逃げなさい!」
「なんのおおおおおおおぉぉぉっ!!」
ブアァンッ!!
【!?】
「嘘……あれだけ巨大な炎を、吹き飛ばしちゃいました」
【ば、馬鹿な……どこからそのような力が!?】
「――なるほど、たしかに私と貴様は別人のようだな」
【なに?】
「なんだ今の太刀筋は? 剣の力ばかりに頼って、デタラメもいいとこではないか。貴様、相当うぬぼれているようだな」
【な、んだとぉ……!】
『ま、こうなるよな。いくら剣の力を持っていたって、あの女が今のヘレナに勝てるわけがない』
「これが予想できたんですか? どうして?」
『予想なんかできないよ。俺はただ知ってただけ。あの女と、今のヘレナの決定的な差ってやつをよ』
「――貴様のような奴が姉上を殺した」
つづく
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