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「料亭の庭で芸者の小鹿こと皆子と言う女が殺されていた。客のトイレのお供に出たまま消えていたらしい。その皆子には売春と覚醒剤の前科があり、母親から遺体引き取りを拒否される始末。そんな女に何故かカイトがやけに関心抱いてるんだが何故だ? ――なに、幼馴染?」
「しかも結婚の約束をした。ま、結婚の意味も知らない小学生の頃の話ですがね。しかし彼女は転校してしまい、文通もしてましたがそれも途絶えてました。カイトは気になって彼女の過去を調べることにしましたが、相当荒れてたみたいですよ?」
「杉下さんも捜査開始。同じ座敷にいた芸者の夢路と客の源と言う男性に話を聞いてみる。皆子はかもめというアルバイトの芸者でまあ客に接待するコンパニオンみたいな人だって。上司の胡蝶という人もいるけど、源さんは胡蝶をひいきにしていたのに皆子が横取りする形でひいきにされたから嫌ってたみたい。もう一人ひいきにしていた土木関係の若社長の酒田という人にも話を聞いてみよう」
「三年前に皆子が来てからずっとひいきにして、週に三度は必ず通っていたらしい。三度も芸者上げるなんて馬鹿金がかかるはずだが、相当なもんだ。一方カイトの方だが、昔内縁関係だった古畑というチンピラに薬を覚えさせられて服役したが、出所後は男を縁を切って東京に出ていた。その男、急に姿を消して未だ行方不明だとか――」
「東京で働いていたスナックで聞きこんだが、タチの悪い女として嫌われていたようだ。あの酒田と言う男、その頃からの仲だったようだ。しかしある日、古畑がその店に来た。連れ戻しに来たんだろう。酒田と修羅場になりかけたが何とか収まり、それからすぐ皆子はスナックを辞め酒田も来なくなった。古畑もその日一度きりだそうだが、さて」
「古畑は六年間音沙汰なし。皆子を探していたなら料亭にも来てるだろ。あるいは来たのが事件当夜で、殺害犯が古畑と言う可能性もあるが、スナックに来たのは六年前だ。何してたの今まで? 第一、皆子が逃げるつもりだったら東京を出ているはずだ。必要なかったとすれば――とっくに死んでるな」
「酒田によれば六年前熱を上げていましたがガラの悪い男と付き合ってたことから切れてしまい、四年前に結婚。しかし三年前芸者になったからと彼女に誘われまた復縁。なんか奇妙な気がしますね。浮気心? いや――」
「皆子が住んでたマンション、七千万もする高級マンションなのに一括購入してる。六年前に出所したばかりでそんな金があるわけない。夢路さん曰く男に貢がせて買ったらしいけど、その頃浮かぶのは酒田だけ。でもその時に切れてるんだよ? 貢いだというより手切れ金じゃない? だけど、金払ってまで別れた女の誘いに来るわけないよね。それに七千万は高すぎるよ。だったら――」
「まあ、脅迫されてたんだろうなあ。六年前に犯した罪のためずっと脅されていた。古畑のような男がいたため別れたなら、再び縁を取り戻すわけがない。まして今は既婚者だぞ。ならば古畑はもう気にする必要がないと知っていた。つまり――古畑が死んでいると。問題はこっからだ。仮に酒田と皆子が共犯関係なら脅迫は成立しない。にもかかわらず二人が切れたのなら、殺人はあくまで酒田一人が勝手にやったことであるわけだ。――馬鹿かこいつ。惚れた相手のためとはいえ人殺しまでするとは」
「彼女にも同じこと言われたそうだぞ。愛する者に喜んでもらおうと思ったらその女は脅迫者になって大金を奪った。しかもそれだけで済まさずいけしゃあしゃあとまた何度も何度も金をせびってくる。どうせこいつのことだから贅沢ばかりしてたんだろう。いい加減に耐えきれなくなって、あの日殺してしまったんだ。馬鹿だとは思うが、ここまで来ると哀れに感じてしまうな――」
「皆子の遺体は夢路と源さんの手によって葬られるようだ。カイトからすりゃキッツいだろうなあ。結婚の約束なんてしたんだから悪い子だったわけないんだが、彼女の歩んでいた人生がここまで歪めてしまったのか。ま、今はいい女性と一緒にいるんだから良しとしなよ」
現実VS虚構(ニッポンVSゴジラ) 2016.08.31
レビュー企画 相棒Legend12 2015.09.20
レビュー企画 相棒Legend11 2015.07.28
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